JP3060777B2 - マイクロゲルの製造方法 - Google Patents

マイクロゲルの製造方法

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JP3060777B2 JP5082894A JP8289493A JP3060777B2 JP 3060777 B2 JP3060777 B2 JP 3060777B2 JP 5082894 A JP5082894 A JP 5082894A JP 8289493 A JP8289493 A JP 8289493A JP 3060777 B2 JP3060777 B2 JP 3060777B2
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    • C08G18/06Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates with compounds having active hydrogen
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    • C08G18/671Unsaturated compounds having only one group containing active hydrogen
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高粘稠多官能オリゴマ
ーまたはポリマーを乳化重合してなるマイクロゲルの製
造方法に関する。さらに詳しくは、塗料、印刷インキ、
有機充填剤、またプリント配線版、印刷版、半導体素子
などの製造に有用なレジスト材料等に有用なマイクロゲ
ルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】マイクロゲルは、コロイドの如き大き
さ、例えば直径が 0.001〜10μmの架橋された重合体粒
子であり、その多くは乳化重合法により合成される近年
注目を集めている新しい高分子材料である。これらマイ
クロゲルは、大きく分類すると、反応性マイクロゲル
と、非反応性マイクロゲルに分けられる。非反応性マイ
クロゲルは、従来の乳化重合法と同様の操作で、スチレ
ン、(メタ)アクリル酸エステル、アクリロニトリル、
酢酸ビニル等のα,β−エチレン性単官能モノマーを主
成分とし、それに若干の多官能ビニルモノマー、例えば
エチレンビス(メタ)アクリレート、メチレンビスアク
リルアミド、ペンタエリスリトールトリアクリレート等
を共重合させることにより得られる。
【0003】一方、マイクロゲルの表面に反応性基を有
する反応性マイクロゲルは、1975年にドイツのフンケに
より発表された。フンケの合成したマイクロゲルは、重
合性二重結合を2個以上持つモノマーを大量の乳化剤の
もと、非常に穏やかな条件で乳化重合し、表面に反応せ
ずに残っている重合性二重結合を他の試薬によって修飾
し、各種反応性基に変換するものであった。この例とし
て過酸化物を用いてエポキシ基に、ボランを用いて水酸
基に、ハロゲン化水素を用いてハロゲン基に、オゾンを
用いてカルボキシル基に変換するなどの方法が提案され
ている。しかしこの方法は、非常に穏和な条件下での重
合なため制御が困難であり、コスト、手間等の面から、
工業用材料として使用するのは困難であった。
【0004】また、山崎らは水酸基、エポキシ基および
重合性二重結合を有する多官能モノマーを乳化共重合さ
せることにより1段階で反応性マイクロゲルを合成する
試みを行なってきた(山崎、服部、表面1987,25,86)。
しかし、この方法で導入される官能基は非常に限られ、
また、1段階での反応によるため、特に二重結合の導入
は困難であった。さらに、これらマイクロゲルの重合
は、基本的に乳化重合法によるものであり、使用される
モノマーは単官能で、しかも低分子であり、得られるマ
イクロゲルは、強度、伸び、ゴム弾性等の諸物性に限界
があった。
【0005】これに対し、特開平2-103273号公報には、
少なくとも2個の重合性ビニル基を有する分子量 400〜
20,000の樹脂を乳化し、その後重合してマイクロゲルを
得る方法が開示されている。この方法によると、カチオ
ン性水性樹脂および1分子中に少なくとも2個の重合性
ビニル基を有する数平均分子量 400〜20,000の樹脂を水
性媒体中に分散または乳化し、ラジカル重合して架橋樹
脂微粒子を得ている。しかし、この発明には重合前の乳
化方法については記載されていない。従来、高粘稠の樹
脂またはオリゴマーを強制乳化するためには、一般には
ディスパー、ホモミクサー、プラネタリーミキサー等の
乳化装置が用いられていた。しかしながら、これらの乳
化方法では、撹拌が系全体にいきわたらなかったり、撹
拌効率が低かったりして、均一、微細な乳化液を得るこ
とが困難であり、手間、量産性の面から工業用材料とし
て使用するのは困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、高粘稠
の多官能オリゴマーまたはポリマーをマイクロゲル乳化
液とするのに製造工程が煩雑である、乳化液が不均一、
不安定である、といった欠点を克服すべく鋭意検討した
結果、高粘稠多官能オリゴマーまたはポリマーの乳化に
特定の乳化装置を用いることにより簡単な製造工程で、
均一、微細で安定なマイクロゲル乳化液を製造できるこ
とを見いだし、本発明に至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、室温
における粘度が100cps以上で、1分子中にα,β−不飽
和二重結合を平均 1.5個以上有する粘稠な多官能オリゴ
マーまたはポリマー(A) を、α,β−不飽和二重結合を
有する反応性乳化剤(B) および水性媒体と共に強制乳化
し、その後乳化重合してマイクロゲルを製造する際、強
制乳化および乳化重合を行なう乳化・重合室と、該乳化
・重合室の底面に対して水平方向に回転可能に配置さ
れ、系の撹拌、乳化を行なう回転羽根と、該回転羽根の
上方に設置され粗大に形成された乳化粒子あるいは油滴
を解砕する解砕羽根とを兼ね備えた乳化・重合装置を用
いるマイクロゲルの製造方法、および上記反応性乳化剤
(B) を用いてマイクロゲルを乳化重合した後、さらにマ
イクロゲル表面のジアルキルアミノ基にグリシジル(メ
タ)アクリレートを付加する反応性マイクロゲルの製造
方法を提供する。
【0008】室温における粘度が100cps以上で、1分子
中にα,β−不飽和二重結合を平均1.5個以上有する粘
稠な多官能オリゴマーまたはポリマー(A) は、数平均分
子量が1000以上のものであり、例えば、末端アクリロイ
ル変性ポリブタジエン、ポリブタジエンポリオール、ポ
リオレフィンポリオール、ポリエステルポリオール、ポ
リエーテルポリオール、アクリルポリオール等の水酸基
含有反応性オリゴマーをトルエンジイソシアネート、ジ
フェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のジイソ
シアネート化合物で鎖延長し、末端イソシアネート基に
2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基含
有α,β−エチレン性化合物を反応させることによって
得られる高粘稠多官能液状樹脂、ジオールとジカルボン
酸との重縮合、あるいはカプロラクトンの開環重縮合に
より得られるポリエステルのカルボン酸末端を2-ヒドロ
キシ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ
(メタ)アクリレート等の水酸基および(メタ)アクリ
ロイル基を含有する化合物と反応させた高粘稠多官能液
状樹脂等があげられる。
【0009】粘稠な多官能オリゴマーまたはポリマー
(A) には、必要に応じて低分子量モノマーを併用するこ
とができる。低分子量モノマーとしては、例えば、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、
(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウ
リル等のC2 〜C20の(メタ)アクリル酸アルケニルエ
ステル、スチレン、αーメチルスチレン、ビニルトルエ
ン、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルエステル、ア
クリロニトリル、ブチロニトリル等のニトリル含有モノ
マー、酢酸ビニル、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、グリコールジ(メタ)アクリレー
ト、アルキルジ(メタ)アクリレート、ブタジエン、ジ
ビニルベンゼン等が挙げられる。
【0010】α,β−不飽和二重結合を有する反応性乳
化剤(B) としては、例えば、ポリエチレングリコールモ
ノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、末端(メタ)アクリル変性エチ
レンオキシド、プロピレンオキシド共重合体等のノニオ
ン性反応性乳化剤、アクアロン HS-10(第一工業製薬社
製)、ニューフロンティアA-229E(第一工業製薬社
製)、アデカリアソープ SE-10N(旭電化工業社製)等の
アニオン性基およびα,β−エチレン性二重結合を有す
るアニオン性反応性乳化剤、第4級アンモニウム塩基お
よびα,β−エチレン性二重結合を有するカチオン性反
応性乳化剤等が挙げられる。
【0011】また、硫酸エステル、燐酸エステル、カル
ボン酸、アミノ基、ポリエチレングリコール鎖等の親水
性基を有する単官能アクリルモノマーと、その他の共重
合可能なモノマーとを共重合した後、末端あるいは側鎖
に二重結合を導入した反応性高分子乳化剤、例えば、n-
ブチルメタクリレートとN,N-ジメチルアミノエチルメタ
クリレートを熱重合開始剤を用いて重合した後、グリシ
ジルメタクリレートをポリマー中の3級アミノ基に付加
させてなる反応性高分子カチオン性乳化剤、ラウリルメ
タクリレートとアクリル酸を熱重合開始剤を用いて重合
した後、トリエチルアミン等の3級アミンを触媒として
グリシジルメタクリレートをポリマー中のカルボン酸に
付加させてなる反応性高分子アニオン性乳化剤、片末端
アクリル変性ポリエチレングリコール、2-ヒドロキシメ
タクリレート、その他の共重合成分とを熱重合開始剤を
用いて重合した後、イソシアネート基を有するアクリル
モノマーをポリマー中の水酸基に付加させてなる反応性
高分子ノニオン性乳化剤等を用いることができる。
【0012】特開平2-263805号公報に開示されているよ
うに、3級アミノ基含有高分子反応性乳化剤を用いた場
合には、マイクロゲル合成後に、さらにマイクロゲル表
面にグリシジルメタクリレートを付加させることによ
り、簡単に表面に二重結合を有する反応性マイクロゲル
を合成することが可能である。
【0013】粘稠な多官能オリゴマーまたはポリマー
(A) は、反応性乳化剤(B) および必要に応じて非反応性
乳化剤、低分子量モノマーとともに、本発明の乳化装置
の乳化室に投入する。乳化室の底面には、該底面に対し
て水平方向に回転可能な撹拌羽根が設置されているが、
乳化室の底面と撹拌羽根との間隙および乳化室の側面と
撹拌羽根との間隙は、なるべく狭くしたほうがよい。間
隙が広いと撹拌羽根と乳化室間の混合物を撹拌すること
ができず、乳化効率が悪い。原料を乳化室に投入した
後、撹拌羽根と該撹拌羽根の上方に設置され粗大な混合
物油滴を解砕して微粒子化する解砕羽根とを回転させ
る。全ての原料が充分に均質化した後、撹拌羽根および
解砕羽根を回転させながら水、あるいは必要に応じて水
および乳化剤等の混合水系媒体を乳化室上部より滴下、
撹拌、解砕する。乳化室内の温度は、混合物の粘度、融
点、乳化剤の曇点等を考慮する必要があるが、一般に、
粘稠な多官能オリゴマーまたはポリマー(A) が液状であ
り、乳化剤の曇点、水系媒体の沸点以下であれば、何度
でも良い。
【0014】原料を乳化室に投入し、撹拌羽根、解砕羽
根を回転させながら水系媒体を滴下していくと、ある混
合比で系は増粘し、場合によってスラリー状になる。そ
の後、水系媒体の滴下を継続すると、徐々に、あるいは
急激に系の粘度は下降する。撹拌速度は、系の泡立ち、
飛散を最小限にするよう調整しなければならない。系の
泡立ち、飛散が多いと、撹拌、解砕が均質に行なわれ
ず、均質な乳化液を得ることができない。また、このと
き、撹拌を必要以上に減衰させると、滴下する水系媒体
との間でショックをおこし、乳化微粒子同士の凝集を招
く恐れがある。乳化に際し、さらに消泡剤、酸化防止
剤、レベリング剤、熱重合禁止剤、紫外線重合開始剤、
充填剤等、乳化操作に悪影響を及ぼさないものであれ
ば、必要に応じて適宜添加することができる。
【0015】次に、本発明で好適に用いられる乳化・重
合装置を、図1ないし図3に基づいて説明する。本発明
で用いられる乳化・重合装置は、図1に示すごとく、乳
化室1と、該乳化室1の底面に回転可能に配置され乳化
室1に投入された原料を撹拌、混合しながら乳化する撹
拌羽根2と、該撹拌羽根2の上方に位置し、乳化室1の
側壁に回転可能にとりつけられて乳化粒子のうち比較的
大きな粒子を解砕する解砕羽根3とを備えている。そし
て、撹拌羽根2および解砕羽根3は、乳化室1の底面お
よび側壁を貫通する回転軸2A,3Aを介して、それぞ
れモータ4、5に連結されている。
【0016】また、乳化室1上部には蓋体1Aが着脱可
能に取り付けており、該蓋体1Aには水系媒体滴下管1
Bおよび還流冷却管1Cが取り付けられている。一方、
乳化室1の側壁には、乳化液を排出する排出口1Dが取
り付けてある。側壁にある排出口1Dには自動的に開閉
し得る開閉体6が取り付けてあり、乳化時に軸6Aを第
1図矢印方向に適宜開放して乳化液を排出できるように
なっている。しかも、開閉体6はシューター7によって
囲まれ、排出された乳化液を次工程に供給するようにな
されている。また、乳化室1の周囲には加熱、冷却装置
11が取り付けられており、熱媒または冷媒を流通させて
媒体温度を調整することによって乳化室1内の温度を一
定に保持するようになされている。なお、撹拌羽根2は
図2に示すプロペラ状に形成されたものが、解砕羽根3
は図3に示す複数の放射状の羽根を軸方向に複数段取り
付けたものが好ましい。
【0017】而して、あらかじめ投入された原料は、回
転している撹拌羽根2が撹拌、混合すると、図1矢印の
ごとく乳化室1の側壁に衝突して跳ね返る等の運動を繰
り返す。ここで、滴下管1Bから、水系媒体を滴下して
いくと、先ず、原料混合物および水が、乳化室の側壁に
衝突、跳ね返り等の運動をしながら撹拌、混合され、W
/O型のスラリー状となる。その後、系中の水性媒体濃
度が増すにつれて、系のチキソ性が増し、W/O型から
O/W型へと転相する。このとき、撹拌羽根2によって
系が乳化室1の側壁に衝突して跳ね返る等の運動を繰り
返し、解砕羽根3によって粗大な原料混合物油滴が解
砕、微粒子化されることにより、均一、微細な乳化粒子
が形成される。さらに水系媒体を滴下していくと、任意
の固形分の乳化液が、均一に得られる。
【0018】乳化剤は、系中に 0.1〜30重量%添加する
ことにより、安定な乳化液を得ることができる。乳化剤
量が少なすぎると、安定な乳化液を得ることができず、
また、多すぎると、得られた乳化液を塗工、造膜等の処
理をした際、塗膜物性等に悪影響を及ぼす恐れがある。
以上説明した乳化・重合装置によれば、粘稠な多官能オ
リゴマーまたはポリマーを微細、均一に乳化し、安定性
に優れた乳化液を得ることができる。しかも該乳化・重
合装置は、乳化に要する時間も比較的短く、排出口から
の排出を経て次工程に移行する時間も短縮され、また、
省スペースである。
【0019】このようにして均一、微細に乳化された粘
稠な多官能オリゴマーまたはポリマー(A) は、乳化室内
において熱重合開始剤を用いて重合され、マイクロゲル
乳化液が得られる。この際、乳化液の飛散、泡立ちを防
ぐために、できるだけ解細羽根3は低回転または回転を
止め、撹拌羽根2の回転は、系が流動する程度に抑えた
方がよい。回転が弱すぎると系が流動せず、マイクロゲ
ル粒子の凝集、さらにゲル化にいたることがあり、ま
た、回転が強すぎると系の飛散がおきる。また、重合中
は、重合を安定、効率的に行わせるために系中を窒素な
どの不活性ガスにより置換しておいた方がよい。マイク
ロゲル乳化液は、必要に応じて上記装置内で、冷却器1
Cに蓋をして投入口1Bに減圧ポンプを装着し、撹拌羽
根2、解砕羽根3を回転させながら加熱、減圧下、水系
媒体を留去し、マイクロゲル粉体を得ることもできる。
【0020】次に、本発明を実施例によりより具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例に何等制限される
ものではない。なお、実施例中、特に記載がない限り
「部」および「%」は、「重量部」および「重量%」を
それぞれ表す。 [製造例1]還流冷却器、撹拌羽根、滴下口を備えた内
容積 10Lのフラスコに、水酸基末端液状ポリブタジエン
(出光石油化学社製「R45HT 」)3000部、イソホロンジ
イソシアネート 450部、メチルエチルケトン1400部を仕
込み、70℃に加熱した。その後、窒素雰囲気下でスタナ
スオクテート(日本化学産業社製「ニッカオクチクス
錫」)3部を加え、70℃で2時間鎖延長を行った。その
後直ちに乾燥空気雰囲気に変えて、ハイドロキノン1
部、ヒドロキシエチルメタクリレート 220部を加え、70
℃で4時間反応させて末端に二重結合を有する数平均分
子量 12000の多官能ポリマーメチルエチルケトン溶液を
得た。その後減圧下で溶剤を留去し、300000cps の高粘
稠多官能ポリマ−を得た。
【0021】[製造例2]還流冷却器、撹拌羽根、滴下
口を備えた内容積 10Lのフラスコに、n-ブチルメタクリ
レート 280部、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレー
ト 120部、イソプロピルアルコール 400部を仕込み、窒
素気流下80℃に加熱した。その後、アゾビスイソブチロ
ニトリル4部を加え、10分後、n-ブチルメタクリレート
280部、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート 120
部、イソプロピルアルコール 400部、アゾビスイソブチ
ロニトリル4部からなる混合溶液を1時間かけて滴下し
た。滴下終了後5時間80℃に保ち、重合を終了した。1
晩放置後、系を50℃にし、酢酸 100部を加え、1時間後
グリシジルメタクリレート65部加えて2時間反応を行
い、反応性高分子カチオン性乳化剤50%イソプロパノー
ル溶液を得た。
【0022】[製造例3]還流冷却器、撹拌羽根、滴下
口を備えた内容積 10Lのフラスコに、n-ブチルメタクリ
レート 340部、アクリル酸60部、イソプロピルアルコー
ル 400部を仕込み、窒素気流下80℃に加熱した。その
後、アゾビスイソブチロニトリル4部を加え、10分後、
n-ブチルメタクリレート 340部、アクリル酸60部、イソ
プロピルアルコール 400部、アゾビスイソブチロニトリ
ル4部からなる混合溶液を1時間かけて滴下した。滴下
終了後5時間80℃に保ち、重合を終了した。1晩放置
後、系を50℃にし、トリエチルアミン 0.5部を加え、1
時間後グリシジルメタクリレート65部加えて2時間反応
を行い、その後さらにトリエチルアミン50部を加えて反
応性高分子アニオン性乳化剤50%イソプロパノール溶液
を得た。
【0023】[実施例1]内容積 20Lの図1に示す乳化
・重合装置に、製造例1で得られた高粘稠多官能ポリマ
ー3000部、製造例2で得られた反応性乳化剤 100部、ノ
ニオン型非反応性乳化剤(花王社製「エマルゲン 42
0」)50部を投入し、撹拌羽根2を150rpm,解砕羽根3
を300rpmに設定し、撹拌下、乳化室の温度を60℃にし
た。その後、滴下管1Bより精製水2000部を10分で滴下
した。系は、クリーム状に白濁した。さらに、精製水20
00部を10分で滴下した。系の粘度が下がったので、撹拌
羽根2の回転数を 60rpm,解砕羽根3の回転数を100rpm
にした。さらに精製水2000部を10分で滴下し、反応性ウ
レタンエラストマー乳化液を得た。
【0024】その後撹拌羽根2の回転数を100rpmにして
窒素気流下80℃で、開始剤 2,2'-ビスアミジノプロパン
2塩酸塩を用いて重合し、ウレタンゴム系マイクロゲル
乳化液を得た。この乳化液は、平均粒径約1μmの均一
な乳化液で、室温保存下1ヶ月でも液の分離、凝集は起
こらなかった。さらに、この系を1晩放置後、50℃に加
熱し、グリシジルメタクリレート 100部を反応させ、反
応性ウレタンゴム系マイクロゲル乳化液を得た。この反
応性マイクロゲル乳化液は、最低造膜温度が0℃であ
り、金属、ガラス、プラスチック板などに塗布、成膜す
ることができ、熱硬化、または水溶性の光開始剤を併用
することにより紫外線硬化を行い、ゴム弾性に富む、強
靭な皮膜が得られた。
【0025】さらに、得られた反応性マイクロゲル乳化
液を上記装置内で60℃に加熱し、減圧ポンプにより系内
を50mmHg以下にし、撹拌羽根2を300rpm,解砕羽根3を
1500rpm で回転させながら乾燥、固化させ、シューター
よりマイクロゲル粉体を取り出した。マイクロゲル粉体
6部、1,4-シスポリブタジエン 2部、アクリル変性ポリ
イソプレンゴム 2部、光開始剤 0.1部、熱重合禁止剤0.
01部を加圧ニーダーにより混練した後、プレスした。得
られたシートは、優れたゴム弾性、硬度、解像度を有
し、水道水により現像可能な感光性フレキソ版材として
有用であった。
【0026】[実施例2]内容積 20Lの図1に示す乳化
・重合装置に、室温における粘度2000〜3000cpsの二官
能オリゴエステルアクリレート(東亜合成社製「アロニ
ックスM-6200」)3000部、燐酸エステル系反応性乳化剤
(第一工業製薬社製「ニューフロンティアA-229E」)100
部、ノニオン型非反応性乳化剤(花王社製「エマルゲン
985」)50部を投入し、実施例1と同様にして反応性ポ
リエステル乳化液を得た。その後撹拌羽根2の回転数を
100rpmにして窒素気流下80℃で、開始剤過硫酸カリウム
を用いて重合し、ポリエステル系マイクロゲル乳化液を
得た。この乳化液は、平均粒径約 0.5μmの均一な乳化
液で、室温保存下1ヶ月でも液の分離、凝集は起こらな
かった。
【0027】[実施例3]内容積 20Lの図1に示す乳化
・重合装置に、室温における粘度50000cps以上、数平均
分子量3000〜4000の末端アクリル変性ポリブタジエン
(出光石油化学社製「R45ACR-LC 」)2500部、エチルヘ
キシルメタクリレート 500部、製造例2で得られた反応
性高分子乳化剤 100部を投入し、実施例1と同様にして
反応性ポリブタジエン乳化液を得た。その後撹拌羽根2
の回転数を100rpmにして窒素気流下80℃で、開始剤過硫
酸カリウムを用いて重合し、ポリブタジエン系マイクロ
ゲル乳化液を得た。この乳化液は、平均粒径約 0.5μm
の均一な乳化液で、室温保存下1ヶ月でも液の分離、凝
集は起こらなかった。これを塗工、乾燥して得られた塗
膜は、ゴム弾性、粘着性を有するものであった。
【0028】[比較例1]内容積 20Lの2軸プラネタリ
ーミキサーに、実施例1と同様の原料を投入し、撹拌室
を回転数150rpmで撹拌しながら、外部より精製水6000部
を30分かけて滴下したところ、ミキサーの羽根の部分に
ゲル状物質が付着した。また、得られた乳化液は極めて
不安定であり、室温で1日放置後、油分と水が二相に分
離した。
【0029】[比較例2]内容積 20Lのドラムに、実施
例2と同様の原料を投入し、ホモミクサーにより回転数
6000rpmで撹拌しながら、精製水3000部を30分かけて滴
下した。精製水を約 500部滴下したところで系が増粘
し、また、チキソ性が増してきた。さらに精製水を滴下
したところ、ホモミクサーの羽根の周辺以外は、系のチ
キソ性、粘度のために撹拌、多官能ポリマ−粒子の解砕
が行なわれず、乳化液を得ることができなかった。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、従来の製造装置では困
難であった高粘稠な多官能オリゴマーまたはポリマーを
強制乳化、重合してマイクロゲル乳化液を製造すること
が、簡単な工程で、均一、安定にできる。これは、本発
明によるマイクロゲルの乳化・重合装置が、非常にせま
いデッドスペースの撹拌羽根と、粗大な油滴を解砕する
解砕羽根とを兼ね備え、また、これらの羽根が均一、高
速に回転し得るためと思われる。また、取り出し口が乳
化・重合室の側壁に沿っているために、撹拌不可能なく
ぼみその他の凹凸がなく、さらに、取り出し用のシュー
ターを設けているために、マイクロゲル乳化液の取り出
し、次工程への移行が短時間に行える。
【0031】
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本発明の乳化・重合装置の断面図である。
【図2】は、撹拌羽根の斜視図である。
【図3】は、解砕羽根の斜視図である。
【符号の説明】
1 :乳化・重合室 1B:投入口 1C:冷却器
1D:排出口 2 :撹拌羽根 2A:回転軸 3 :解砕羽
根 3A:回転軸 4 :モータ 5 :モータ 6 :開閉体
6A:軸 7 :シューター 11:冷却装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08F 2/24 C08F 8/00 8/00 B01J 13/02 A (56)参考文献 特開 平5−43852(JP,A) 特開 平5−32743(JP,A) 特開 平4−293909(JP,A) 特開 平5−43858(JP,A) 特開 平5−45874(JP,A) 特開 平5−9212(JP,A) 特開 平4−293907(JP,A) 特開 平4−340968(JP,A) 特開 昭59−227915(JP,A) 特開 平6−250388(JP,A) 特開 平5−222350(JP,A) 特開 平5−97915(JP,A) 特開 平6−17023(JP,A) 特開 平6−194833(JP,A) 特開 平6−51511(JP,A) 特開 平5−178946(JP,A) 特開 平6−172466(JP,A) 特開 平5−339328(JP,A) 特開 昭64−38405(JP,A) 特開 平3−265603(JP,A) 特開 昭61−21120(JP,A) 特開 昭51−37193(JP,A) 特公 昭28−4464(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 290/00 - 290/14 C08F 299/00 - 299/08 B01F 7/22 B01J 13/00 B01J 13/04 C08F 2/00 - 2/60 C09D 1/00 - 201/10 C09J 1/00 - 201/10

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】室温における粘度が100cps以上で、1分子
    中にα,β−不飽和二重結合を平均 1.5個以上有する粘
    稠な多官能オリゴマーまたはポリマー(A) を、α,β−
    不飽和二重結合を有する反応性乳化剤(B) および水性媒
    体と共に強制乳化し、その後乳化重合してマイクロゲル
    を製造する際、強制乳化および乳化重合を行なう乳化・
    重合室と、該乳化・重合室の底面に対して水平方向に回
    転可能に配置され、系の撹拌、乳化を行なう回転羽根
    と、該回転羽根の上方に設置され粗大に形成された乳化
    粒子あるいは油滴を解砕する解砕羽根とを兼ね備えた乳
    化・重合装置を用いることを特徴とするマイクロゲルの
    製造方法。
  2. 【請求項2】1分子中にα,β−不飽和二重結合を平均
    1.5個以上有する粘稠な多官能オリゴマーまたはポリマ
    ー(A) が、末端水酸基ポリジエン類およびジイソシアネ
    ート化合物を反応させたのち、水酸基含有α,β−エチ
    レン性化合物を付加させてなることを特徴とする請求項
    1記載のマイクロゲルの製造方法。
  3. 【請求項3】1分子中にα,β−不飽和二重結合を平均
    1.5個以上有する粘稠な多官能オリゴマーまたはポリマ
    ー(A) が、末端アクリロイル変性ポリジエン類または末
    端アクリロイル変性ポリエステルであることを特徴とす
    る請求項1記載のマイクロゲルの製造方法。
  4. 【請求項4】α,β−不飽和二重結合を有する反応性乳
    化剤(B) が、(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノエチ
    ルエステルと他の(メタ)アクリル酸エステルとの共重
    合体の部分グリシジル(メタ)アクリレート付加物を酸
    で中和してなることを特徴とする請求項1記載のマイク
    ロゲルの製造方法。
  5. 【請求項5】請求項4記載の反応性乳化剤を用いてマイ
    クロゲルを乳化重合したのち、マイクロゲル表面のジア
    ルキルアミノ基にグリシジル(メタ)アクリレートを付
    加することを特徴とする請求項1記載のマイクロゲルの
    製造方法。
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