JP3450747B2 - 採光窓の断熱構造 - Google Patents

採光窓の断熱構造

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JP3450747B2
JP3450747B2 JP12289399A JP12289399A JP3450747B2 JP 3450747 B2 JP3450747 B2 JP 3450747B2 JP 12289399 A JP12289399 A JP 12289399A JP 12289399 A JP12289399 A JP 12289399A JP 3450747 B2 JP3450747 B2 JP 3450747B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は建物の屋根等に取り
付けられる採光窓、特に、大面積の開口部を有する窓枠
を複数枚の網入り強化ガラス板などの採光板によって閉
塞してなる採光窓における断熱構造に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、建物の屋内への採光性を向上
させるために屋根などに設けられた採光窓としては、屋
外から屋内に連通する開口部に窓枠を設置し、該開口部
を網入りガラス板等の採光板によって閉塞してなる構造
のものが採用されているが、開口部が大面積の窓枠の場
合には、1枚の採光板によって閉塞することが強度的に
も作業的にも困難であり、このため、窓枠の開口部を複
数本のガラス板受け材によって分割し、各分割開口部に
採光板を張設することが行われている。
【0003】さらに、上記窓枠をドーム状の採光材によ
って被覆したり、或いは、断熱性を具備させるために窓
枠の内面に断熱材を層状に貼着してこの断熱材によって
結露が発生するのを防止するように構成した採光窓が知
られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような大面積の窓枠においては、採光板をドーム状の採
光材によって被覆した構造であっても、これらの採光板
と採光材との間の空間部には空気の対流が発生して断熱
機能を殆ど発揮することができず、外気と室内との温度
差によって採光板の下面に結露が発生し、小断面の窓枠
の場合にはその結露水を採光板の下面を伝って窓枠側に
設けている結露水受けを通じて外部に排出することが可
能であっても大断面の開口部を有する窓枠の場合には採
光板の下面を伝う結露水が窓枠に達する前に室内側に滴
下することになる。
【0005】さらに、窓枠の内面に断熱材を層状に貼着
した断熱構造では、断熱材の屋内側に結露が発生する虞
れがあり、この結露水が断熱材に浸透すると断熱材が劣
化して断熱機能を果たさなくなるばかりでなく、かえっ
て伝熱性が良くなって結露の発生が著しくなるという問
題点がある。
【0006】本発明は上記のような従来の問題点に鑑み
てなされたもので、その目的とするところは、大面積の
開口部を有する採光窓であるにもかかわらず、採光板及
び窓枠に優れた断熱性能を具備させた採光窓の断熱構造
を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の請求項1に記載した採光窓の断熱構造は、互
いに平行な前後窓枠部材と左右窓枠部材とによって開口
部を有する窓枠を形成してなる採光窓において、この窓
枠の上記開口部を上下に小間隔を存して配設した上側採
光板と下側採光板とによって閉塞し、これらの上下採光
板間に空気層を設けていると共に、上記前後窓枠部材と
左右窓枠部材とは屋外側フレームと屋内側フレームとを
組み合わせることによって形成してあり、該屋外側フレ
ームは一定高さを有する垂直な外側壁板部に内側に向か
って一定幅を有する上下水平フランジ部を突設し、屋内
側フレームは一定高さの垂直な内側壁板部に外側に向か
って一定幅を有する上下水平フランジ部を突設している
共に該上下水平フランジ部間に仕切板を一体的に形成し
てなり、上記屋外側フレームの上下水平フランジ部を屋
内側フレームの上下水平フランジ部に重ね合わせること
により、屋外側フレームの上記外側壁板部と上下水平フ
ランジ部及び屋内側フレームの上記仕切板とで囲まれた
空間部を屋外側空間部に、屋内側フレームの上記内側壁
板部と上下水平フランジ部及び上記仕切板とで囲まれた
空間部を屋内側空間部に形成、区画していることを特徴
とする
【0008】さらに、請求項2に係る発明は、上記請求
項1に記載の採光窓の断熱構造において、屋内側フレー
ムの内側壁板部の下端に内側に向かって水平部と該水平
部の先端から上方に突出した一定高さを有する垂直部と
からなる支持片を突設していることを特徴としている。
【0009】請求項3に係る発明は、上記屋外側空間部
内に断熱材を充填していることを特徴と、請求項4に係
る発明は、上記屋内側空間部内に耐熱補強板を固着して
いることを特徴とする。
【0010】また、請求項に係る発明は、上記請求項
1に記載の発明において、前後窓枠部材と左右窓枠部材
とによって長方形状の開口部を有する窓枠を形成し、こ
の窓枠の上記開口部を少なくともその長さ方向に所定間
隔毎に配設した桟部材によって複数分割して分割開口部
を上下に小間隔を存して配設した上側採光板と下側採光
板とによって閉塞していることを特徴とする。
【0011】請求項に係る発明は、上記請求項に記
載の発明において、窓枠部材の屋内側フレームの下面を
断面逆L字状の耐熱性補強板を介して建物側に固定、支
持させていると共に該屋内側フレームの内面に下側採光
板の端部を支持した断面逆L字状の耐熱性補強板を固定
してあり、さらに、下側桟部材を中空に形成してその中
空内部に耐熱補強パイプを挿填していることを特徴とし
ている。
【0012】
【作用】窓枠における長方形の開口部に上下に小間隔を
存して平板形状の上側採光板と下側採光板とを互いに平
行に張設して二重採光板構造を構成している。これらの
上下採光板間の間隔は極めて狭く、そのため、内部の空
気層には対流が発生することはなく、確実な断熱機能を
発揮して下側採光板の下面に結露が生じ難く、優れた防
露作用を奏する。
【0013】また、窓枠の長方形状の開口部桟部材に
よって複数分割し、該分割開口部に上下に小間隔を存し
て上記上側採光板と下側採光板を配設することにより、
長方形状の上記開口部をこれらの採光板によって閉鎖し
た採光窓構造を能率よく施工し得るものである。
【0014】一方、窓枠においては、窓枠部材を屋外側
フレームと屋内側フレームとより構成してこれらのフレ
ーム間に中空の屋内側空間部と請求項3に記載したよう
に、断熱材を充填した屋外側空間部とを形成しているの
で、屋外側フレームと屋内側フレームとの間での熱伝導
が抑えられ、屋内側フレームの室内の内面に結露が発生
するのを防止する。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、本発明の具体的な実施の形
態を図面について説明すると、図1〜図3において、1
は採光窓の窓枠であって、互いに平行な前後長尺窓枠部
材1A、1Aとこれらの窓枠部材1A、1Aの対向する端部間に
該窓枠部材1Aと同一断面形状を有する左右の短尺窓枠部
材1B、1Bの長さ方向の前後両端をそれぞれ一体的に連結
して平面長方形状の枠に形成されてなり、内部に大面積
の長方形状開口部2が設けられていて該開口部2を建物
の内部に連通させた状態で建物の屋根等に固定されてい
る。
【0016】上記長尺窓枠部材1Aと短尺窓枠部材1Bとは
アルミニウム製又はアルミ合金製の屋外側フレーム10a
と屋内側フレーム10b とを組み合わせることによって構
成され、図4に示すように屋外側フレーム10a は、一定
高さを有する垂直な外側壁板部11の上下両端に内側に向
かって一定幅を有する上下水平フランジ部12a 、12bを
突設していると共に外側壁板部11の下端から外側に向か
って下向に傾斜した水切り傾斜板部13を連設し且つ該水
切り傾斜板部13の下面中央部に外側固定用突片14a を一
体に形成してなる一方、屋内側フレーム10b は、上記外
側壁板部11と同一高さを有する内側壁板部15の上下両端
に外側に向かって一定幅を有する上下水平フランジ部16
a 、16b を突設していると共に内側壁板部15の下端に内
側に向かって水平部と該水平部の先端から上方に突出し
た一定高さを有する垂直部とからなる支持片17を突設し
且つ上記下側水平フランジ部16b の下面に上記外側固定
用突片14a に対向させて内側固定用突片14b を下方に向
けて突設してなり、さらに、上側水平フランジ部16a の
外端と下側水平フランジ部16b の中央部上面間に仕切板
18を一体的に形成してなるものである。
【0017】なお、屋外側フレーム10a においては、上
側水平フランジ部12a を下側水平フランジ部12b よりも
その突出幅を大きく形成している一方、屋内側フレーム
10bにおいては、上側水平フランジ部16a よりも下側水
平フランジ部16b の突出幅を大きく形成して該下側水平
フランジ部16b を上記仕切板18の下端から外方に向かっ
て一定幅だけ突出させてあり、また、上側水平フランジ
部16a の上面に段部を形成している。
【0018】このように形成している屋外側フレーム10
a と屋内側フレーム10b とを組み合わせて上記長尺窓枠
部材1Aと短尺窓枠部材1Bとを構成するには、屋外側フレ
ーム10a の上下水平フランジ部12a 、12b を屋内側フレ
ーム10b の上側水平フランジ部16a の上面段部と下側水
平フランジ部16b の突出端部上にそれぞれパッキン19を
介して重ね合わせ、屋外側及び屋内側フレーム10a 、10
b の上側水平フランジ部12a 、16a 同士をビス21により
固定することにより組み立てゝいる。そして、上記仕切
板18を介して該仕切板18と屋外側フレーム10a とで囲ま
れた空間部を屋外側空間部3に、仕切板18と屋内側フレ
ーム10b とで囲まれた空間部を密封状態の屋内側空間部
4に形成し、上記屋外側空間部3にはウレタン樹脂やグ
ラスウール等の断熱材5を挿填していると共に屋内側空
間部4に内側壁板部15に接してステンレス板又は鉄板か
らなる耐熱補強板22を固着している。
【0019】このように形成した長尺窓枠部材1Aと短尺
窓枠部材1Bとを建物の長方形状開口部における長辺部と
短辺部とに配して内外固定用突片14a 、14b を建物に埋
設しているサッシアンカー等に固着することにより大断
面の長方形状開口部2を有する窓枠1を構成している。
また、屋内側フレーム10b に水平に突設している支持片
17の水平部下面から内側固定用突片14b の内面に亘って
断面逆L字状のステンレス板又は鉄板よりなる耐熱性補
強板23を密接させ、該耐熱性補強板23の下端部を建物側
に固定して屋内側フレーム10b を強固に支持していると
共に屋内側フレーム10b の内側壁板部15の内面に後述す
る下側採光板9を支持した断面逆L字状のステンレス板
又は鉄板よりなる耐熱性補強板24を固定している。
【0020】上記長方形状開口部2にはアルミニウム製
又はアルミ合金製の角パイプ形状の上側桟部材6(図
3、図5に示す)と下側桟部材7とが配設され、上側桟
部材6によって分割された複数の分割開口部2aに上側採
光板8が張設されて該開口部2aを閉塞してあり、下側桟
部材7によって分割された複数の分割開口部2bに下側採
光板9が張設されて該開口部2bを閉塞してあり、上下採
光板8、9の対向面間に層厚が5〜50mm程度、好ましく
は20〜40mm程度の空気層20を形成している。
【0021】上記下側桟部材7は図3〜図5に示すよう
に、開口部2の短辺に平行な縦桟部材7aと開口部2の長
辺に平行な横桟部材7bとからなって縦桟部材7aを開口部
2の長さ方向に所定間隔毎に配してその両端部を対向す
る長尺窓枠部材1A、1Aに突設した上記支持片17、17間上
に架設状態で支持させ、その端部側面と屋内側フレーム
10b の内面間に平面L字状金具25を添設してビス止めす
ることにより固定している。この縦桟部材7aには図5に
示すように、その上面中央部に上記下側採光板9の厚み
に略等しい高さを有する突条26を全長に亘って一体的に
突設して該突条26の両側における縦桟部材7aの上面を下
側採光板9の支持面に形成していると共に両側面下端に
一定幅と高さを有する溝状の支持片27、27を全長に亘っ
て水平方向に突設している。
【0022】一方、縦桟部材7aに対して直交する方向に
配設した横桟部材7bは、上記のような支持片27を設けて
いなくてその厚みを縦桟部材7aの上面と支持片27の上端
面との間の高さ寸法に等しく形成されている。また、縦
桟部材7a及び上記横桟部材7bの中空内部には金属製の耐
熱補強パイプ28を挿填している。縦桟部材7aは上記上側
桟部材6と同一長さであって対向する長尺窓枠部材1A、
1Aの対向面間の長さにほぼ等しく、横桟部材7bは短尺窓
枠部材1Bと縦桟部材7aの対向面間、又は隣接する縦桟部
材7a、7aの対向面間の長さにほぼ等しく形成されてい
る。
【0023】これらの縦桟部材7aと横桟部材7bとの上記
開口部2に対する固定構造を説明すると、縦桟部材7aは
開口部2の長さ方向に所定間隔毎に配設してその両端部
を、図4に示すように対向する長尺窓枠部材1A、1Aに突
設した上記支持片17、17間上に架設状態で支持させ、そ
の両側面と長尺窓枠部材1Aの屋内側フレーム10b の内面
間に亘って平面L字状に屈折した取付金具25を添設し、
ビス29により固定している。
【0024】一方、横桟部材7bは窓枠1の短尺枠部材1B
と縦桟部材7aとの長さ方向の中央部間、及び隣接する縦
桟部材7a、7aの長さ方向の中央部間に架設されてあり、
その固定構造は、短尺枠部材1Bに対してはその対向端部
を該短尺枠部材1Bに突設している支持片17上に縦桟部材
7aの上記支持片27の高さに等しい厚みを有するスペーサ
部材(図示せず)を介して支持させてその両側面と短尺
窓枠部材1Bの屋内側フレーム10b の内面間に亘って平面
L字状に屈折した取付金具25を添設し、ビス29により固
定している。また、縦桟部材7aに対しては図5に示すよ
うに、該横桟部材7bの端部を縦桟部材7aに突設している
上記支持片27上に支持させた状態で、縦桟部材7aと横桟
部材7bとの直角に連なる側面に上記同様に平面L字状に
屈折した取付金具25を添設し、ビス29により固定してい
る。
【0025】このように縦横の桟部材7a、7bによって窓
枠1の開口部2が例えば1m角の複数の小断面開口部2b
に分割され、且つ分割部2bに小版サイズの下側採光板9
が張設されている。その張設は、長尺又は短尺枠部材1
A、1Bの内面に対向する該下側採光板9の縁辺部を該長
尺又は短尺枠部材1A、1Bの内面に固定した上記断面逆L
字状の耐熱補強板24の水平面上に支持させ、縦桟部材7a
に対向する該下側採光板9の縁辺部を縦桟部材7aの上面
両側部の支持面上に、横桟部材7bに対向する縁辺部を該
横桟部材7b上の一部にそれぞれパッキン30、33を介して
支持させている。
【0026】さらに、横桟部材7bの上面において隣接す
る下側採光板9、9の対向端面間の中央部に図6に示す
ように、縦桟部材7aの突条26と同様な形状、同一高さを
有する適宜長さのアルミニウム製突条片31を固着し、該
突条片31の上面に横桟部材7bとほぼ同一幅を有する適宜
長さのアルミニウム製押さえ片32を載置してその中央部
をビス29により突条片31に螺着して突条片31から突出し
た該押さえ片32の下面両側部をパッキン33を介して隣接
する下側採光板9、9の対向端部の上面に押接させ、横
桟部材7bの上面と押さえ片32とで下側採光板9の端部を
挟着、固定しているものである。尚、横桟部材7bと突条
片31とを一体に形成しておいてもよい。
【0027】次に、窓枠1の開口部2に対する上側桟部
材6の取付構造と上側採光板8の張設構造について説明
する。上側桟部材6は図5に示すように、幅が上記下側
桟部材7の縦桟部材7aとほぼ同一幅で同一長さを有し、
且つ高さが上述した空気層20の層厚に等しい寸法に形成
されてあり、この上側桟部材6を下側桟部材7における
各縦桟部材7aの突条26上にその下面中央部を載置して重
ね合わせ、突条26から突出する両側下面部と隣接する下
側採光板9、9の端部間にパッキン30を介在させた状態
でビス29により該上側桟部材6の下側板部を突条26に螺
着して縦桟部材7aに一体に固着している。
【0028】上側桟部材6は下側桟部材7の縦桟部材7a
上にのみ配設されてあり、従って、窓枠1の開口部2の
上部はこれらの上側桟部材6によって、上記下側桟部材
7の縦横桟部材7a、7bにより分割された小断面の開口部
2bの倍の大きさを有する例えば1×2mの開口部2aに分
割されている。これらの各開口部2aに上記下側採光板9
の倍の大きさを有する上側採光板8を配設し、窓枠1の
長尺又は短尺窓枠部材1A、1Bに対応する該上側採光板8
の縁辺部の下面を図4に示すように、これらの長尺又は
短尺窓枠部材1A、1Bにおける屋外側フレーム10a の上面
に受止させ、その縁辺部上にパッキン34を介してドーム
形状の採光材35の周縁部下面を載置し、該採光材35の上
面から屋外側フレーム10a に螺子36を螺締することによ
ってドーム形状の採光材35と共に窓枠1に固定してい
る。
【0029】一方、上側桟部材6に対応する上記上側採
光板8の縁辺部の取付構造は、図5に示すように隣接す
る上側採光板8、8の対向端部を上側桟部材6の上面両
側部上にパッキン37を介して載置し、これらの上側採光
板8、8の対向端面間における上側桟部材6の上面中央
部に細幅棒状の押さえ部材38を載置して該押さえ部材38
の上端両側縁に突設しているフランジ部38a 、38a によ
り隣接する上側採光板8、8の対向端部の上面を押さえ
た状態で該押さえ部材38をビス29によって上側桟部材6
に螺着することにより固定している。なお、上記実施例
においては、下側採光板9として網入りガラス板を、上
側採光板8としてポリカーボネート樹脂やアクリル樹脂
又は塩化ビニル樹脂などの熱伝導性の小さい厚さが2〜
10mm程度の透明ないしは半透明の合成樹脂板を用いてい
るが、限定されるわけではなく、例えば、これらの採光
板8、9としてはガラス、網入り強化ガラス又は上記カ
ーボネート樹脂、アクリル樹脂等の合成樹脂板が好適に
採用されてもよい。
【0030】このように構成した採光窓は、窓枠1の開
口部に互いに平行に張設された平板形状の上下採光板
8、9間に、密封状態の薄い空気層20を形成しているの
で、空気の対流が生じることなくて良好な断熱機能を発
揮し、屋外側と屋内側の温度差による結露の発生を防止
し得るものである。さらに、窓枠1を構成した窓枠部材
1A、1Bに屋外側空間部3と屋内側空間部4を設けて屋外
側空間部3内に断熱材5を充填しているので、この断熱
材5によって屋外側フレーム10a から屋内側フレーム10
b に対する熱伝導が抑えられ、屋内側フレーム10b の室
内側の内面に結露が発生するのを防止する。
【0031】また、下側採光板9は、開口部2を形成し
ている四方の窓枠部材1A、1Bの内面に固着した上記断面
逆L字状のステンレス製又は鉄製の耐熱補強板24によっ
て支持されているので、火災発生による高熱によってア
ルミニウム製又はアルミ合金製の下側桟部材7が溶融、
変形しても該耐熱補強板24によって下側採光板9を確実
に支持しておくことができると共に、窓枠1における屋
内側フレーム10b も断面逆L字状のステンレス製又は鉄
製の耐熱補強板23を介して建物側に支持されているの
で、窓枠1の高熱による溶融、変形によっても該窓枠
1、上側採光板8及び下側採光板9が屋内へ脱落するの
を防止することができる。また、縦横に配した桟部材7
a、7bからなる下側桟部材7の中空内部には耐熱補強パ
イプ28を挿填しているので、下側採光板9に対する強固
な支持構造を構成しているばかりでなく、上側採光板8
を支持した桟部材6を下側桟部材7における上記縦桟部
材7a上に重ね合わせ状態で配設しているので、上側採光
板8及び下側採光板9に対して上述の耐熱補強板23、24
の耐熱補強構造と併せて一層強固な支持構造を構成する
ことができるものである。
【0032】なお、以上の実施例においては、窓枠1の
開口部2を小断面の開口部に分割する際に、横桟部材を
1列に配設しているが、より大断面の開口部の場合には
2列以上、配設して多数の小断面開口部に分割してもよ
く、また、比較的小断面の開口部の場合には、縦桟部材
のみによって複数の小断面開口部に分割した構造にして
おいてもよい。また、上記の実施例においては、下側桟
部材7の縦桟部材7a上のみに下側桟部材6を配設してい
るが、必要に応じて上記縦桟部材7a上の配設と同様な手
段によって横桟部材7b上にも上側桟部材6を配設しても
よい。さらに、上側桟部材6を縦桟部材の突条26上に一
体に形成しておいてもよい。
【0033】
【発明の効果】以上のように本発明の請求項1に係る発
明によれば、互いに平行な前後窓枠部材と左右窓枠部材
とによって開口部を有する窓枠を形成してなる採光窓に
おいて、この窓枠の上記開口部を上下に小間隔を存して
配設した上側採光板と下側採光板とによって閉塞し、こ
れらの上下採光板間に空気層を設けているので、開口部
が二重採光板構造を構成して上記空気層により確実な断
熱機能を発揮させることができ、下側採光板の下面に結
露を生じるのを防止する優れた防露作用を奏することが
できる。
【0034】さらに、上記前後窓枠部材と左右窓枠部材
とは屋外側フレームと屋内側フレームとを組み合わせる
ことによって形成してあり、該屋外側フレームは一定高
さを有する垂直な外側壁板部に内側に向かって一定幅を
有する上下水平フランジ部を 突設し、屋内側フレームは
一定高さの垂直な内側壁板部に外側に向かって一定幅を
有する上下水平フランジ部を突設している共に該上下水
平フランジ部間に仕切板を一体的に形成してなり、上記
屋外側フレームの上下水平フランジ部を屋内側フレーム
の上下水平フランジ部に重ね合わせることにより、屋外
側フレームの上記外側壁板部と上下水平フランジ部及び
屋内側フレームの上記仕切板とで囲まれた空間部を屋外
側空間部に、屋内側フレームの上記内側壁板部と上下水
平フランジ部及び上記仕切板とで囲まれた空間部を屋内
側空間部に形成、区画し、屋外側空間部内に請求項3に
記載したように断熱材を充填しているので、この断熱材
によって屋外側フレームと屋内側フレームとの間での熱
伝導を抑えることができ、屋内側フレームの室内面に結
露が発生するのを確実に防止することができるものであ
る。
【0035】また、請求項5に係る発明によれば、窓枠
の長方形状の開口部は桟部材によって複数分割され、分
割開口部に上下に小間隔を存して上記上側採光板と下側
採光板を配設しているものであるから、複数枚の小版サ
イズの採光板を各分割開口部に配設することによってこ
れらの開口部を閉鎖した採光窓構造を容易に形成するこ
とができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明採光窓の簡略縦断正面図、
【図2】その縦断側面図、
【図3】ドーム状の採光材を省いた状態の簡略平面図、
【図4】窓枠に対する上下採光板の取付状態を示す縦断
正面図、
【図5】上下桟部材上に上下採光板を支持した部分の縦
断側面図、
【図6】下側横桟部材上に下側採光板を支持した部分の
縦断正面図。
【符号の説明】
1 窓枠 1A 長尺窓枠部材 1B 短尺窓枠部材 2 開口部 2a、2b 分割開口部 3 屋外側空間部 4 屋内側空間部 5 断熱材 6 上側桟部材 7 下側桟部材 7a 下側縦桟部材 7b 下側横桟部材 8 上側採光板 9 下側採光板 10a 屋外側フレーム 10b 屋内側フレーム 17 支持片 18 仕切板 20 空気層 23、24 耐熱補強板
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−83759(JP,A) 特開 平10−299190(JP,A) 実開 昭64−27327(JP,U) 実開 昭61−39731(JP,U) 実開 昭58−188422(JP,U) 実開 昭59−182540(JP,U) 実開 平7−40856(JP,U) 実開 昭62−32130(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E06B 5/00 E04D 13/03

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに平行な前後窓枠部材と左右窓枠部
    材とによって開口部を有する窓枠を形成してなる採光窓
    において、この窓枠の上記開口部を上下に小間隔を存し
    て配設した上側採光板と下側採光板とによって閉塞し、
    これらの上下採光板間に空気層を設けていると共に、上
    記前後窓枠部材と左右窓枠部材とは屋外側フレームと屋
    内側フレームとを組み合わせることによって形成してあ
    り、該屋外側フレームは一定高さを有する垂直な外側壁
    板部に内側に向かって一定幅を有する上下水平フランジ
    部を突設し、屋内側フレームは一定高さの垂直な内側壁
    板部に外側に向かって一定幅を有する上下水平フランジ
    部を突設している共に該上下水平フランジ部間に仕切板
    を一体的に形成してなり、上記屋外側フレームの上下水
    平フランジ部を屋内側フレームの上下水平フランジ部に
    重ね合わせることにより、屋外側フレームの上記外側壁
    板部と上下水平フランジ部及び屋内側フレームの上記仕
    切板とで囲まれた空間部を屋外側空間部に、屋内側フレ
    ームの上記内側壁板部と上下水平フランジ部及び上記仕
    切板とで囲まれた空間部を屋内側空間部に形成、区画し
    ていることを特徴とする採光窓の断熱構造。
  2. 【請求項2】 屋内側フレームの内側壁板部の下端に内
    側に向かって水平部と該水平部の先端から上方に突出し
    た一定高さを有する垂直部とからなる支持片を突設して
    いることを特徴とする請求項1に記載の採光窓の断熱構
    造。
  3. 【請求項3】 屋外側空間部内に断熱材を充填している
    ことを特徴とする請求項1に記載の採光窓の断熱構造。
  4. 【請求項4】 屋内側空間部内に耐熱補強板を固着して
    いることを特徴とする請求項1に記載の採光窓の断熱構
    造。
  5. 【請求項5】 前後窓枠部材と左右窓枠部材とによって
    長方形状の開口部を有する窓枠を形成し、この窓枠の上
    記開口部を少なくともその長さ方向に所定間隔毎に配設
    した桟部材によって複数分割して分割開口部を上下に小
    間隔を存して配設した上側採光板と下側採光板とによっ
    て閉塞していることを特徴とする請求項1に記載の採光
    窓の断熱構造。
  6. 【請求項6】 窓枠部材の屋内側フレームの下面を断面
    逆L字状の耐熱性補強板を介して建物側に固定、支持さ
    せていると共に該屋内側フレームの内面に下側採光板の
    端部を支持した断面逆L字状の耐熱性補強板を固定して
    あり、さらに、下側桟部材を中空に形成してその中空内
    部に耐熱補強パイプを挿填していることを特徴とする
    求項1に記載の採光窓の断熱構造。
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