JP3449553B2

JP3449553B2 - 上下吹出形直近空調ユニット

Info

Publication number: JP3449553B2
Application number: JP2000200226A
Authority: JP
Inventors: 浦野勝博
Original assignee: 木村工機株式会社
Priority date: 2000-06-30
Filing date: 2000-06-30
Publication date: 2003-09-22
Anticipated expiration: 2020-06-30
Also published as: JP2002022204A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、上下吹出形直近空調ユ
ニットに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】室内などの空調ゾーンにダクトを介して
給気するのに用いられる空調機は、従来、ケーシング内
に熱交換コイルやファンが一体に設けられ、ファンの騒
音などの面から機械室など空調ゾーンから離れた場所に
設置されていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】そのため、大型で複雑
な送風ダクト工事が必要になり、ケーシングも大きくな
って大型の機械室など広い設置スペースが必要となる問
題があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、熱交換コイルを内設したコイルチャンバ
部と、複数の給気口を有する分岐チャンバ部と、を一体
に連通連結し、分岐チャンバ部の給気口に、天井側から
空気を空調ゾーンへ給気するファンを備えた天井用吹出
ユニットと、床側から空気を空調ゾーンへ給気するファ
ンを備えた床用吹出ユニットと、を夫々ダクトを介して
連通連結したものである。さらに、外気処理用全熱交換
器を内設した全熱交換チャンバ部を、コイルチャンバ部
に、一体に連通連結した。さらに、熱交換コイルが複数
の分岐ヘッダを備え、所定の分岐ヘッダの熱媒を流通・
停止させることによりコイル全体の熱媒流量を調整する
ように構成した。熱交換コイルの伝熱管を楕円管にし
た。さらに、空調ゾーンからケーシングへの逆流を防止
するダンパ機構を設けた。

【０００５】

【実施例】図１〜図４は、本発明の上下吹出形直近空調
ユニットの一例を示し、この空調ユニットは、空気と熱
媒を熱交換する熱交換コイル１２を内設したコイルチャ
ンバ部２と、複数の給気口１１を有する分岐チャンバ部
２０と、を水平方向に隣接して一体に連通連結し、さら
に外気と還気を熱交換する外気処理用全熱交換器１３を
内設した全熱交換チャンバ部３を、コイルチャンバ部２
に、水平方向に隣接して一体に連通連結したものであ
る。このコイルチャンバ部２と分岐チャンバ部２０と全
熱交換チャンバ部３にて、天井等に設置されるケーシン
グ１を、構成し、空調ゾーンからコイルチャンバ部２へ
の逆流を防止するダンパ機構Ｂを設ける。

【０００６】分岐チャンバ部２０の給気口１１には、天
井側から空気を空調ゾーンへ給気するファン１７を備え
た複数の天井用吹出ユニット５と、床側から空気を空調
ゾーンへ給気するファン２１を備えた複数の床用吹出ユ
ニット２２と、を夫々ダクト６を介して連通連結する。
全熱交換チャンバ部３には、外気口９と排気口１０を形
成し、全熱交換チャンバ部３の空気を給排気するファン
ユニット４を、外気口９と排気口１０にダクト２７を介
して連通連結する。ケーシング１の天井設置面以外のオ
ープンスペース対向面１ａには、コイルチャンバ部２に
連通する還気取入口７と、全熱交換チャンバ部３に連通
する還気取入口８を、形成する。

【０００７】全熱交換チャンバ部３には、外気口９から
コイルチャンバ部２へ外気を送る外気路１４と、還気取
入口８から排気口１０へ還気を送る還気路１５と、を設
け、外気路１４と還気路１５にまたがって全熱交換器１
３を設ける。コイルチャンバ部２に連通する還気取入口
７は、全熱交換器１３と熱交換コイル１２の間に配置す
る。全熱交換器１３は、外周四面が通気面を成す直方体
状に形成し、長手方向を水平状にして配置する。ファン
ユニット４は、全熱交換チャンバ部３へ外気を給気する
外気ファン１８を備えたのものと、全熱交換チャンバ部
３から還気を排気する排気ファン１９を備えたのもの
を、別個又は一体に構成して設ける。

【０００８】天井用吹出ユニット５は、風量制御自在な
ファン１７を備え、天井内等に分散配置される。吹出ユ
ニット５の吹出口１６は複数のダクトを介して連通連結
する。吹出口１６は、空調ゾーンの天井板に設置する。
床用吹出ユニット２２は、風量制御自在なファン２１を
備え、床下等に分散配置される。吹出ユニット２２の吹
出口３１はケーシングに形成し、空調ゾーンの床下直近
に設置する。

【０００９】ファン１７、２１は何れも回転速度制御自
在な単相モータ等を備え、この各モータに図示省略の制
御器から別個に回転速度の指令を出して風量を無段階又
は段階的に制御する。これにより、ＶＡＶユニットや複
雑なダンパ機構を用いずにファン自体で風量調節してき
め細かく空調でき、圧力損失がなくファンの小型化を図
れ低騒音となる。さらに、無段階で回転制御する場合
は、風量や湿度の調節、間欠運転、極微風運転なども容
易となる。また、風量変化や熱負荷変化に応じて熱媒流
量が自動的に変化するような制御とすることにより、さ
らに省エネ化を図り得る。

【００１０】このファン１７、２１の駆動により、還気
取入口７から吸込まれた空調ゾーンの還気は、外気路１
４からの外気とともにフィルタを経て熱交換コイル１２
を通過し、冷却又は加熱されて冷風又は温風となって分
岐チャンバ部２０で分流して天井用吹出ユニット５と床
用吹出ユニット２２から空調ゾーンに給気される。この
とき、気流分布などに応じて所望のファン１７、２１を
停止することにより、天井側からのみ又は床側からのみ
と自由かつ簡単に給気を切り替えることができる。一
方、ファンユニット４の排気ファン１９の駆動により、
還気取入口８から吸込まれた空調ゾーンの還気は、全熱
交換器１３を通過しファンユニット４を介して屋外に排
出される。ファンユニット４の外気ファン１８の駆動に
より、外気は、屋外からファンユニット４を介して外気
口９に送られて、全熱交換器１３を通過し還気取入口７
から吸込まれた還気と混合される。

【００１１】なお、全熱交換チャンバ部３を省略してコ
イルチャンバ部２と分岐チャンバ部２０にて、ケーシン
グ１を、構成するも自由である（図示省略）。また、分
岐チャンバ部２０の給気口１１の数、吹出ユニット５、
２２や吹出口１６の数の増減変更は自由で、吹出ユニッ
ト５、２２の構造変更も自由である。

【００１２】図５〜図７に示すように、熱交換コイル１
２は、複数の分岐ヘッダ２５を備え、所定の分岐ヘッダ
２５の熱媒を流通・停止させることによりコイル全体の
熱媒流量を調整するように構成したもので、熱負荷の変
化に応じて、分岐ヘッダ２５の熱媒流量制御用バルブを
適宜開閉することにより、流通している熱媒流速を落と
さずに、コイル全体の熱媒流量を増減調整できる。

【００１３】熱交換コイル１２は、多数のプレートフィ
ン２８を所定間隔で平行に並設して成るフィン群２３
と、途中の管部２９が複数段・複数列でこのフィン群２
３に挿着され通風方向たる管部列方向へ向かいつつ蛇行
する多数の伝熱管２４と、これら伝熱管２４の一端部に
連通連結される複数の熱媒流入側の分岐ヘッダ２５と、
これら伝熱管２４の他端部に連通連結される１つ又は複
数の熱媒流出側の合流ヘッダ２６と、を備える。図５〜
図７の白抜き矢印はプレートフィンの間を通るコイル通
風空気の風向を示している。冷水や温水その他各種の熱
媒は、分岐ヘッダ２５から入って分流し、多数の伝熱管
２４を通って、合流ヘッダ２６に合流して出るが、その
際、コイル通風空気と熱媒は、フィン群２３と伝熱管２
４を介して熱交換される。

【００１４】図７は、フィン群２３の伝熱管挿着面方向
（管部の軸心方向）から見たもので、白丸で示す管部２
９、２９の間の線は、管部２９、２９を連通連結する反
転部を示し、実線が手前側、点線が奥側のもので、熱交
換コイル１２の各伝熱管２４を、熱媒が水平乃至上向き
に流れるように設ける。この例では、さらに、フィン群
２３の伝熱管挿着面方向から見て、伝熱管２４がその途
中で管部段方向乃至熱媒上流側に（好ましくは複数回）
向かうように、かつ互いに異なる分岐ヘッダ２５に連結
された伝熱管２４の管部２９が少なくとも１つずつ（図
７の二点鎖線で囲んだゾーンの如く）一段乃至二段毎に
含まれるように、構成する。これにより、コイルのパス
が増して伝熱管有効長を長くとることができ、一つの分
岐ヘッダ２５の熱媒流通のみでもほぼ全段にわたって熱
媒の流れる管部２９が含まれるので、バイパス空気が少
なくてコイル通風空気との交換熱量を多くとれ、熱交換
能力が高い。さらに、互いに異なる分岐ヘッダ２５に連
結された伝熱管２４の管部２９が少なくとも１つずつ、
管部段方向の端部近傍段を除いて、一段毎に含まれるよ
うに構成することにより、コイル内の風量・風速分布に
合わせた無駄の少ない一層効率的な熱交換を行える。

【００１５】なお、図示省略するが熱媒が下向きにも流
れるようにしてもよい。さらに分岐ヘッダ２５の数は図
例に限定されるものではなく変更自由であり、１本や３
本以上とするも自由である。また伝熱管２４は、図８の
ように楕円管に形成し楕円長軸を風向と略平行にするの
が好ましいが、円形管でもよい。フィン群２３の伝熱管
挿着面方向から見て管部２９の配列を千鳥状や格子状等
に変更するも自由であり、風向の変更も自由である。ま
た、熱媒とコイル通風空気が向流でなく並流となるよう
にしてもよい。

【００１６】図９と図１に示すように、ダンパ機構Ｂ
は、ファン１７による送風にて揺動開放して通気状態と
する開閉板３０を、天井用吹出ユニット５のダクト６の
接続口に設けて、構成する。開閉板３０は、その一端縁
部を軸にして揺動するように懸垂状に設け、非送風状態
では自重でダクト接続口を密閉状に遮断し、送風状態で
は風圧により揺動してダクト接続口を開放するように、
構成する。これにより、吹出口１６、吹出ユニット５や
ダクト６を通じて空調ゾーンの空気が、空調ユニットの
ケーシング１に逆流するのを防止する。図示省略するが
床用吹出ユニット２２も図９と同様構成のダンパ機構Ｂ
をケーシング内に設け、吹出ユニット２２やダクト６を
通じて空調ゾーンの空気が、空調ユニットのケーシング
１に逆流するのを防止する。なお、ダンパ機構Ｂは、吹
出ユニット５、２２でなくダクトやダクト同士を連結す
る図示省略のチャンバなど任意の部位に設けるも自由で
ある。

【００１７】

【発明の効果】請求項１の発明では、床側からと天井側
からの２方向吹出しができる。床用と天井用の吹出ユニ
ットのファンを駆動・停止するだけで、天井側からのみ
又は床側からのみと自由かつ簡単に給気を切り替えるこ
とができ、床側吹出し時の空調ゾーン内気流分布の均等
化を図れる。ファン（騒音源）の分散化により、空調ユ
ニットの騒音がなくなり、かつコンパクトとなって設置
スペースをとらず、空調ゾーン直近の天井や壁面などの
デッドスペースを有効活用して容易に設置できて、大型
の機械室が不要となり、搬入据付や取替工事が容易とな
る。空調ゾーン直近設置により大型で複雑なダクト工事
が不要となりエネルギー搬送費の削減とコストダウンを
図れる。微少な流量制御が可能で、大温度差少水量運転
での少負荷時の温度差を保証でき、省水量、省エネを図
れる。コイルのパスが増して伝熱管有効長を長くとるこ
とができ、一つの分岐ヘッダ２５の熱媒流通のみでもほ
ぼ全段にわたって熱媒の流れる管部２９が含まれるの
で、バイパス空気が少なくてコイル通風空気との交換熱
量を多くとれ、熱交換能力が高い。請求項２の発明で
は、全熱交換器などの全熱交換機構の設置がビルトアッ
プ方式で簡単に行えて設備の多様化に対応でき、還気の
熱回収や外気処理が容易となり、外気処理専用の空調機
や換気ユニットが不要となる。請求項３の発明では、圧
力損失が減少して小型のファンを用いることができ一層
騒音低減とコンパクト化を図れる。請求項４の発明で
は、運転中に適宜の吹出口の吹出しを止めた場合でも、
その吹出口からの空気の逆流を防止でき、安定した空調
運転を行える。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を一部を断面で示す断面図で
ある。

【図２】同上の平面図である。

【図３】全体構成を示す天井側の簡略平面図である。

【図４】全体構成を示す床側の簡略平面図である。

【図５】熱交換コイルの斜視図である。

【図６】同上の簡略平面図である。

【図７】同上の簡略側面図である。

【図８】同上の要部側面図である。

【図９】ダンパ機構を説明する斜視図である。

【符号の説明】

２コイルチャンバ部３全熱交換チャンバ部５吹出ユニット６ダクト１１給気口１２熱交換コイル１３全熱交換器１７ファン２１ファン２２吹出ユニット２４伝熱管２５分岐ヘッダＢダンパ機構

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) F24F 3/00 - 3/16 F28D 1/047

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】熱交換コイル１２を内設したコイルチャ
ンバ部２と、複数の給気口１１を有する分岐チャンバ部
２０と、を一体に連通連結し、分岐チャンバ部２０の給
気口１１に、天井側から空気を空調ゾーンへ給気するフ
ァン１７を備えた天井用吹出ユニット５と、床側から空
気を空調ゾーンへ給気するファン２１を備えた床用吹出
ユニット２２と、を夫々ダクト６を介して連通連結し、
前記熱交換コイル１２が、フィン群２３と、途中の管部
２９が複数段・複数列でこのフィン群２３に挿着され通
風方向たる管部列方向へ向かいつつ蛇行する多数の伝熱
管２４と、これら伝熱管２４の一端部に連通連結される
複数の熱媒流入側の分岐ヘッダ２５と、を備え、前記フ
ィン群２３の伝熱管挿着面方向から見て、前記伝熱管２
４がその途中で管部段方向乃至熱媒上流側に向かうよう
に、かつ互いに異なる前記分岐ヘッダ２５に連結された
前記伝熱管２４の管部２９が少なくとも１つずつ一段乃
至二段毎に含まれるように、構成し、かつ所定の前記分
岐ヘッダ２５の熱媒を流通・停止させることによりコイ
ル全体の熱媒流量を調整するように構成したことを特徴
とする上下吹出形直近空調ユニット。
【請求項２】外気処理用全熱交換器１３を内設した全
熱交換チャンバ部３を、コイルチャンバ部２に、一体に
連通連結した請求項１記載の上下吹出形直近空調ユニッ
ト。
【請求項３】熱交換コイル１２の伝熱管２４を楕円管
にした請求項１又は２記載の上下吹出形直近空調ユニッ
ト。
【請求項４】空調ゾーンからコイルチャンバ部２への
逆流を防止するダンパ機構Ｂを設けた請求項１、２又は
３記載の上下吹出形直近空調ユニット。