JP3449477B2 - 車両用ランプ - Google Patents

車両用ランプ

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の前面に取付
けられるロービームランプ、ハイビームランプ、フォグ
ランプ等のランプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、車両用ランプのレンズ内面に発熱
体が取付けられ、所定の条件下で発熱体に通電すること
によりレンズが暖められるように構成された車両用ラン
プのヒータ装置が開示されている(特開平10−289
602号)。このヒータ装置では、ハロゲン型のハイビ
ーム専用ランプが車幅方向内側に位置し、かつディスチ
ャージ型のハイビーム及びロービーム兼用ランプ(以
下、ハイ及びロー兼用ランプという。)が車幅方向外側
に位置するように、各ランプがランプハウジング内に並
んで設けられる。また上記発熱体はハイ及びロー兼用ラ
ンプの略半周分を取囲むようにレンズ内面に取付けられ
る。更にレンズの温度は温度センサにより検出され、こ
の温度センサの検出出力に基づいて制御装置が上記発熱
体への通電及びその停止を制御するように構成される。
なお、ディスチャージ型のハイ及びロー兼用ランプはハ
ロゲン型のハイビーム専用ランプと比べて少ない消費電
力で同一輝度の光を発することができ、このため発熱量
も少ない。
【0003】このように構成された車両用ランプのヒー
タ装置では、降雪時に走行してレンズに付着した雪はハ
イ及びロー兼用ランプを点灯しても融けない。このた
め、車両前方の照度が低下し始めるとともに、レンズの
温度も低下する。レンズの温度が所定値未満になったこ
とを温度センサが検出すると、制御装置はこの温度セン
サの検出出力に基づいて発熱体に通電するので、この発
熱体の発する熱とハイ及びロー兼用ランプの発する熱に
よりレンズが暖められる。この結果、レンズに付着した
雪が融けるので、車両前方の照度の低下を回避できる。
また外気温度が上昇して、レンズに雪が付着しない状況
になると、レンズの温度が所定値以上になったことを温
度センサが検出するので、この温度センサの検出出力に
基づいて制御装置は発熱体への通電を停止する。この結
果、無駄な電力の消費を防止できるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の特
開平10−289602号公報に示された車両用ランプ
のヒータ装置では、発熱体や制御装置を必要とするた
め、部品点数及び組付工数を増大し、製造コストを押上
げる不具合があった。一方、ディスチャージ型のランプ
は高輝度であるため、運転者の前方視界を向上できるけ
れども、このランプをトラックのように車高の高い車両
のキャブ(地面から比較的高い位置)に取付けると、対
向車の運転者を上記ランプの発するまぶしい光で幻惑す
るおそれがあった。この点を解消するために、ディスチ
ャージ型のハイ及びロー兼用ランプの取付位置を下げて
地面に近付ける方法が考えられる。しかし、このディス
チャージ型のハイ及びロー兼用ランプの取付位置を下げ
る方法では、車高の高い大型トラックや中型トラックの
場合、上記ランプをフロントバンパに取付けることにな
り、従来フロントバンパに取付けられていたフォグラン
プの取付スペースを新たに確保しなければならない。こ
こで、ビームランプとフォグランプの照明部の最外縁は
車両の最外側から車幅方向に所定の距離以内に設置しな
ければならないという法規制(道路運送車両の保安基
準)があり、上記ハイ及びロー兼用ランプとフォグラン
プをフロントバンパに車幅方向に並べて取付けることは
難しい問題点があった。このためフォグランプをフロン
トバンパに吊下げる方法も考えられるけれども、この方
法では所定のアプローチアングルを確保できなくなる問
題点があった。
【0005】本発明の第1の目的は、部品点数及び組付
工数を増大させずに、レンズ表面に付着した雪を融かす
ことができる、車両用ランプを提供することにある。本
発明の第2の目的は、高輝度のディスチャージ型のラン
プを用いても、対向車の運転者を幻惑することなく、フ
ォグランプとともに車両にコンパクトに取付けることが
できる、車両用ランプを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
図1及び図5に示すように、車両10前面に配設された
一対のランプハウジング16の前面がレンズ17により
それぞれ覆われ、各ランプハウジング16内にディスチ
ャージ型のロービーム用ランプ18及びハイビーム用ラ
ンプ19とハロゲン型のフォグランプ20とが配設され
た車両用ランプであって、ロービーム用ランプ18が車
幅方向の外側に位置し、フォグランプ用ランプ20がロ
ービーム用ランプ18の下方に位置し、かつハイビーム
用ランプ19がロービーム用ランプ18及びフォグラン
プ20より車幅方向内側に位置することを特徴とする車
両用ランプである。
【0007】この請求項1記載の車両用ランプでは、降
雪時に発熱量の少ないロービーム用ランプ18と発熱量
の多いフォグランプ20を点灯して走行すると、フォグ
ランプ20の発する熱により、フォグランプ20前方の
レンズ17が暖められるので、フォグランプ20前方の
レンズ17に付着した雪が融ける。またフォグランプ2
0前方のレンズ17に付着した雪が融けると、ロービー
ム用ランプ18前方のレンズ17に付着した雪がレンズ
17前面に沿って流下し、上記フォグランプ20前方に
至って上記フォグランプ20の発する熱で融ける。この
結果、フォグランプ20前方のレンズ17に付着した雪
のみならず、ロービーム用ランプ18前方のレンズ17
に付着した雪も融けるので、車両10前方の照度の低下
を回避できる。更にロービーム用ランプ18、ハイビー
ム用ランプ19及びフォグランプ20を1つのランプハ
ウジング16に収容したので、ランプ13を車両10に
コンパクトに取付けることができる。
【0008】請求項2に係る発明は、請求項1に係る発
明であって、更に図2に示すように、ロービーム用ラン
プ18とフォグランプ20との間にフォグランプ20が
発した熱を前方に反射する熱反射板26が設けられたこ
とを特徴とする。この請求項2に記載された車両用ラン
プでは、熱反射板26がフォグランプ20の発した熱を
このランプ20前方のレンズ17に集中させるので、効
率良くレンズ17に付着した雪を融かすことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面に
基づいて説明する。図5に示すように、トラック10の
キャブ11の前面下方には車幅方向に延びるフロントバ
ンパ12が設けられ、このフロントバンパ12前面の左
右には一対のトラック用ランプ13,14が設けられ
る。これらのランプ13,14は左右対称であるため、
トラック前面に向って左側のランプ13について説明
し、トラック前面に向って右側のランプ14の説明を省
略する。ランプ13は図1〜図4に示すように、フロン
トバンパ12に形成された通孔12aに臨むようにこの
バンパ12に取付けられかつ前方に向って開口するラン
プハウジング16と、このランプハウジング16の前面
を覆うようにランプハウジング16に取付けられたレン
ズ17と、ランプハウジング16内に配設されたロービ
ーム用ランプ18、ハイビーム用ランプ19及びフォグ
ランプ20とを備える。
【0010】ロービーム用ランプ18はディスチャージ
型のランプであり、光を発するロービーム用バルブ18
aと、このバルブ18aの発した光を前方に反射するロ
ービーム用反射板18bとを有する。ハイビーム用ラン
プ19はディスチャージ型のランプであり、光を発する
ハイビーム用バルブ19aと、このバルブ19aの発し
た光を前方に反射するハイビーム用反射板19bとを有
する。またフォグランプ20はハロゲン型のランプであ
り、光を発するフォグ用バルブ20aと、このバルブ2
0aの発した光を前方に反射するフォグ用反射板20b
とを有する。上記ディスチャージ型のロービーム用バル
ブ18a及びハイビーム用バルブ19aは蛍光灯と同様
の原理により点灯し、少ない消費電力で輝度が高いとい
う特徴を有する。一方、ハロゲン型のフォグ用バルブ2
0aはハロゲンサイクル(タングステンとハロゲン元素
との結合及び解離の繰返し:再生循環反応)により点灯
し、比較的消費電力が多く、寿命が短い。なお、ランプ
ハウジング16はポリプロピレン等のプラスチックによ
り形成される。
【0011】ロービーム用反射板18bは車幅方向の外
側に位置しかつその中央にロービーム用バルブ18aを
挿着するためのロービーム用バルブ取付孔18cが形成
され(図2及び図4)、フォグ用反射板20bはロービ
ーム用反射板18bの下方に位置しかつその中央にフォ
グ用バルブ20aを挿着するためのフォグ用バルブ取付
孔20cが形成され(図2)、更にハイビーム用反射板
19bはロービーム用反射板18b及びフォグ用反射板
20bより車幅方向内側に位置しかつその中央にハイビ
ーム用バルブ19aを挿着するためのハイビーム用バル
ブ取付孔19cが形成される(図3及び図4)。上記ロ
ービーム用反射板18b及びフォグ用反射板20bはポ
リプロピレン等のプラスチックにより一体的に形成され
る(図2)。またハイビーム用反射板19bはポリプロ
ピレン等のプラスチックにより形成され(図3及び図
4)、上記ロービーム用反射板18b及びフォグ用反射
板20bにビス21により連結される(図4)。またロ
ービーム用反射板18b、フォグ用反射板20b及びハ
イビーム用反射板19bは前方に向って開口するととも
に、これらの内面には光を効率良く反射するためにアル
ミニウムが蒸着される。
【0012】一方、図1の符号22はロービーム用バル
ブ18aが点灯したときにレンズ17の発光する部分
(以下、ロービーム照明部という。)を示し、符号23
はフォグ用バルブ20aが点灯したときにレンズ17の
発光する部分(以下、フォグ照明部という。)を示し、
符号24はハイビーム用バルブ19aが点灯したときに
レンズ17の発光する部分(以下、ハイビーム照明部と
いう。)を示す。これによりロービーム照明部22がト
ラック10の車幅方向の外側に位置し、フォグ照明部2
3がロービーム照明部22の下方に位置し、かつハイビ
ーム照明部24がロービーム照明部22及びフォグ照明
部23より車幅方向内側に位置する(図1)。
【0013】またロービーム用バルブ18aは金属板に
より形成された不透明のロービーム用シェード18dに
より覆われ、このシェード18dの上面には透孔18e
が形成される(図1及び図2)。ロービーム用バルブ1
8aが点灯すると、このバルブ18aの発する光は上記
透孔18eを通ってロービーム用反射板18bの所定の
位置に導かれるように構成される。更にフォグ用バルブ
20aはガラスにより形成された無色透明又は有色透明
のフォグ用キャップ20dにより覆われる(図1及び図
2)。なお、フォグ用バルブ20aの点灯時に発光色を
黄色にするには、上記キャップ20dを黄色の透明にす
ればよい。
【0014】一方、ランプハウジング16内にはロービ
ーム用バルブ18aに近接して車幅用バルブ18fが設
けられる(図1及び図4)。この車幅用バルブ18fは
ロービーム用反射板18bに形成された車幅用バルブ取
付孔18gに挿着される。この車幅用バルブ取付孔18
gはロービーム用バルブ取付孔18cに近接し、かつロ
ービーム用バルブ取付孔18cとハイビーム用バルブ取
付孔19cとの間に位置するように形成される。なお、
ロービーム用バルブ18aを点灯させずに車幅用バルブ
18fを点灯すると、レンズ17のロービーム照明部2
2が発光するようになっている。またロービーム用バル
ブ18aとフォグ用バルブ20aとの間には図2の二点
鎖線で示すように、熱反射板26を設けることが好まし
い。この熱反射板26はアルミ板又はポリプロピレン等
のプラスチックにより形成され、プラスチックにより形
成される場合には、その下面に熱を効率良く反射するた
めにアルミニウムが蒸着されることが好ましい。この熱
反射板26はフォグ用バルブ20aの発した熱をこのバ
ルブ20a前方のレンズ17に集中させるので、効率良
くレンズ17に付着した雪を融かすことができるように
なっている。
【0015】このように構成されたトラック用ランプの
動作を説明する。降雪時にトラック10が走行すると、
雪がトラック用ランプ13のレンズ17前面に付着す
る。このときロービーム用バルブ18a及びフォグ用バ
ルブ20aを点灯していると、ロービーム用バルブ18
aの発熱量が少なくても、フォグ用バルブ20aの発熱
量が多いため、フォグ用バルブ20aの発する熱により
フォグ用バルブ20a前方のレンズ17が暖められる。
これによりフォグ用バルブ20a前方のレンズ17に付
着した雪が融ける。またフォグ用バルブ20a前方のレ
ンズ17に付着した雪が融けると、ロービーム用バルブ
18a前方のレンズ17に付着した雪がレンズ17前面
に沿って流下するので、この雪がフォグ用バルブ20a
前方に至ったときに上記フォグ用バルブ20aの発する
熱で融ける。この結果、フォグ用バルブ20a前方のレ
ンズ17に付着した雪のみならず、ロービーム用バルブ
18a前方のレンズ17に付着した雪も融けるので、ト
ラック10前方の照度の低下を回避できる。
【0016】またロービーム用ランプ18、ハイビーム
用ランプ19及びフォグランプ20を1つのランプハウ
ジング16に収容したので、トラック用ランプ13をト
ラック10にコンパクトに取付けることができ、更に車
幅用バルブ18fも上記ランプハウジング16に収容し
たので、車幅用バルブ18fを取付けるためのスペース
を新たに確保する必要がなく、トラック用ランプ13を
更にコンパクトにトラック10に取付けることができ
る。なお、この実施の形態では、車両としてトラックを
挙げたが、乗用車、バス又はその他の車両でもよい。ま
た、この実施の形態では、トラック用ランプをフロント
バンパに取付けたが、上記実施の形態と同位置でシャシ
フレームに取付けてもよく、更に車高の低い車両であれ
ば、キャブ等の前面に取付けてもよい。
【0017】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、デ
ィスチャージ型のロービーム用ランプが車幅方向の外側
に位置し、ハロゲン型のフォグランプがロービーム用ラ
ンプの下方に位置し、かつディスチャージ型のハイビー
ム用ランプがロービーム用ランプ及びフォグランプより
車幅方向内側に位置するように、各ランプをランプハウ
ジング内に配設したので、フォグランプの発する熱によ
りレンズが暖められ、これによりレンズに付着した雪が
融けて、車両前方の照度の低下を回避できる。またロー
ビーム用ランプ、ハイビーム用ランプ及びフォグランプ
を1つのランプハウジングに収容したので、ランプハウ
ジングの取付位置を下げることにより、ディスチャージ
型のロービーム用ランプを点灯しても対向車の運転者を
幻惑させることがなく、フォグランプの取付スペースを
確保でき、ランプを車両にコンパクトに取付けることが
できる。更にロービーム用ランプとフォグランプとの間
にフォグランプが発した熱を前方に反射する熱反射板を
設ければ、この熱反射板がフォグランプの発した熱をこ
のランプ前方のレンズに集中させるので、効率良くレン
ズに付着した雪を融かすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施形態の車両用ランプのレンズを外し
た状態を示す図5のA部拡大図。
【図2】図1のB−B線断面図。
【図3】図1のC−C線断面図。
【図4】図1のD−D線断面図。
【図5】その車両用ランプを含むトラックの正面図。
【符号の説明】
10 トラック(車両) 13,14 トラック用ランプ 16 ランプハウジング 17 レンズ 18 ロービーム用ランプ 19 ハイビーム用ランプ 20 フォグランプ 26 熱反射板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F21V 15/00 F21S 8/10 F21V 19/00 F21W 101:10 F21Y 101:00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両(10)前面に配設された一対のランプ
    ハウジング(16)の前面がレンズ(17)によりそれぞれ覆わ
    れ、各ランプハウジング(16)内にディスチャージ型のロ
    ービーム用ランプ(18)及びハイビーム用ランプ(19)とハ
    ロゲン型のフォグランプ(20)とが配設された車両用ラン
    プであって、 前記ロービーム用ランプ(18)が車幅方向の外側に位置
    し、前記フォグランプ(20)が前記ロービーム用ランプ(1
    8)の下方に位置し、かつ前記ハイビーム用ランプ(19)が
    前記ロービーム用ランプ(18)及び前記フォグランプ(20)
    より車幅方向内側に位置することを特徴とする車両用ラ
    ンプ。
  2. 【請求項2】 ロービーム用ランプ(18)とフォグランプ
    (20)との間に前記フォグランプ(20)が発した熱を前方に
    反射する熱反射板(26)が設けられた請求項1記載の車両
    用ランプ。
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