JP3449130B2 - 力学量センサおよびそれを用いた集積回路 - Google Patents

力学量センサおよびそれを用いた集積回路

Info

Publication number
JP3449130B2
JP3449130B2 JP25637796A JP25637796A JP3449130B2 JP 3449130 B2 JP3449130 B2 JP 3449130B2 JP 25637796 A JP25637796 A JP 25637796A JP 25637796 A JP25637796 A JP 25637796A JP 3449130 B2 JP3449130 B2 JP 3449130B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
displacement
electrode
substrate
limiting means
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP25637796A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10104266A (ja
Inventor
健 三田村
輝儀 三原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP25637796A priority Critical patent/JP3449130B2/ja
Publication of JPH10104266A publication Critical patent/JPH10104266A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3449130B2 publication Critical patent/JP3449130B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01PMEASURING LINEAR OR ANGULAR SPEED, ACCELERATION, DECELERATION, OR SHOCK; INDICATING PRESENCE, ABSENCE, OR DIRECTION, OF MOVEMENT
    • G01P15/00Measuring acceleration; Measuring deceleration; Measuring shock, i.e. sudden change of acceleration
    • G01P15/02Measuring acceleration; Measuring deceleration; Measuring shock, i.e. sudden change of acceleration by making use of inertia forces using solid seismic masses
    • G01P15/08Measuring acceleration; Measuring deceleration; Measuring shock, i.e. sudden change of acceleration by making use of inertia forces using solid seismic masses with conversion into electric or magnetic values
    • G01P2015/0805Measuring acceleration; Measuring deceleration; Measuring shock, i.e. sudden change of acceleration by making use of inertia forces using solid seismic masses with conversion into electric or magnetic values being provided with a particular type of spring-mass-system for defining the displacement of a seismic mass due to an external acceleration
    • G01P2015/0808Measuring acceleration; Measuring deceleration; Measuring shock, i.e. sudden change of acceleration by making use of inertia forces using solid seismic masses with conversion into electric or magnetic values being provided with a particular type of spring-mass-system for defining the displacement of a seismic mass due to an external acceleration for defining in-plane movement of the mass, i.e. movement of the mass in the plane of the substrate
    • G01P2015/0811Measuring acceleration; Measuring deceleration; Measuring shock, i.e. sudden change of acceleration by making use of inertia forces using solid seismic masses with conversion into electric or magnetic values being provided with a particular type of spring-mass-system for defining the displacement of a seismic mass due to an external acceleration for defining in-plane movement of the mass, i.e. movement of the mass in the plane of the substrate for one single degree of freedom of movement of the mass
    • G01P2015/0814Measuring acceleration; Measuring deceleration; Measuring shock, i.e. sudden change of acceleration by making use of inertia forces using solid seismic masses with conversion into electric or magnetic values being provided with a particular type of spring-mass-system for defining the displacement of a seismic mass due to an external acceleration for defining in-plane movement of the mass, i.e. movement of the mass in the plane of the substrate for one single degree of freedom of movement of the mass for translational movement of the mass, e.g. shuttle type

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、力学量の入力に応
じた微少な力を検出する力学量センサ、例えば加速度セ
ンサや角速度センサに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、多くの電子システムが安全性や快
適性向上のために車載されている。このような電子シス
テムにおいては力学量入力に対して各種の制御を行うた
め、様々な力学量センサが必要である。そして車載の力
学量センサには測定精度と共に小型化と低コスト化が求
められる。このような要求に対して半導体を用いて力学
量センサを実現する技術が知られている。
【0003】図30は、上記のような半導体力学量セン
サの第1の従来例を示す図であり、特公平6ー4400
8号公報に記載された加速度センサの平面模式図であ
る。以下、構成を説明する。構造体はすべて基板上に堆
積した多結晶シリコン薄膜で形成されている。1は慣性
質量、2は慣性質量を基板に支持する梁部、3は慣性質
量の側面より延びた櫛歯電極である。4、5は基板に固
定された櫛歯電極であり、慣性質量の側面より延びた櫛
歯電極3に対向している。これらの櫛歯電極3〜5で検
出電極6を形成している。
【0004】また、慣性質量1の電位は梁部2を介して
接続点aから電気的に周辺処理回路(図示せず)に接続
されている。また、慣性質量の側面より延びた櫛歯電極
3に対して図30において下側に対向する櫛歯電極4
は、接続点cを介して周辺処理回路(図示せず)に接続
されている。さらに、慣性質量の側面より延びた櫛歯電
極3に対して図30において上側に対向する櫛歯電極5
は接続点bを介して周辺処理回路(図示せず)に接続さ
れている。
【0005】次に動作を説明する。図30のy軸方向に
加速度が入力すると、慣性質量1に慣性力が発生する。
発生した慣性力に釣り合うように梁部2は撓み、その結
果、慣性質量の側面より延びた櫛歯電極3と櫛歯電極4
の間隔および櫛歯電極3と櫛歯電極5の間隔に差が生じ
る。これを図30の接続点aと接続点c間および接続点
aと接続点b間の容量差として検出する。
【0006】次に、図32は、第2の従来例としての角
速度センサを示す図であり、(a)は平面模式図、
(b)は(a)のQ−Q’断面模式図である。この従来
例は、例えば「 J. Bernstein et al. “Micromachined
Comb-DriveTuning Fork Rate Gyroscope”, Digest IE
EE/ASME Micro Electro MechanicalSysetms MEMS Works
hop, Florida, 1993, 143-148」に開示されている。
【0007】以下、構成を説明する。第1の従来例と同
様に、構造体はすべて基板12上に堆積した多結晶シリ
コン薄膜で形成されている。7は振動質量、8〜9は振
動質量を基板12に支持する支持部、10は振動質量の
側面より延びた櫛歯電極と基板に固定された櫛歯電極と
で構成した駆動電極である。そして基板12上には絶縁
膜11が形成され、絶縁膜11上の振動質量7の直下に
は検出電極13が形成されている。
【0008】次に動作について説明する。2つの振動質
量は、図32中の接続点aから印加される共通電位に対
して接続点b、接続点dと接続点cとに逆位相の駆動電
圧を印加することにより、x軸方向にそれぞれ逆方向に
駆動されて振動する。このような振動質量の駆動状態に
おいて、図中z軸方向に角速度Ωが入力してz軸回りに
回転すると、下記(数1)式で示されるようなコリオリ
力Fc(t)がそれぞれの振動質量に対してy軸方向に発
生する。
【0009】 Fc(t)=2・m・Vm(t)・Ω …(数1) ただし、 m:振動質量の質量 Vm(t):静電引力により駆動される振動質量の速さ 上記(数1)式から判るように、コリオリ力Fc(t)は
振動質量の速さVm(t)に比例する。従って、より大き
なコリオリ力を発生するためには、通常は真空中で共振
周波数で駆動を行い、より大きなVm(t)を得るように
する。
【0010】振動質量はそれぞれ逆方向に駆動されるた
め、発生するコリオリ力は符号が逆になる。そして発生
したコリオリ力により振動質量はy軸方向の基板の法線
方向に変位する。この変位により2つの振動質量の共通
電位(接続点a)とそれぞれの検出電極間の容量が変化
するので、この差動容量の変化によって角速度を検出す
ることが出来る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、第1および第
2の従来例で示したような力学量センサにおいては、検
出電極または駆動電極を、変位可能な質量の側面より延
びた櫛歯電極と基板に固定した片持ち梁状の櫛歯電極と
を対向させて構成しているため、櫛歯電極の剛性が低く
容易に変位が可能であり、かつ、振動質量7を支える支
持部8の剛性も低く振動質量の変位を拘束するものが無
い。そのため、特に基板の法線方向に容易に変位しう
る。その結果、落下した場合等に発生する衝撃力等によ
り、図31に示すように、櫛歯電極同士のミスステップ
が容易に発生して動作不良を引き起こし、センサとして
の信頼性を低下させるという問題点があった。
【0012】また、振動質量と基板間、櫛歯電極間等の
可動部と固定部が数μm程度の間隔で近接しているた
め、ゴミ等が挟まると動作不良を引き起こし、信頼性お
よび製造歩留まりの低下を引き起こすという問題点があ
った。このため引用した文献には明示されていないが、
通常これらゴミの問題を回避するために、キャップやカ
ンパッケージ等を用いて可動部を覆う方法が用いられ
る。しかし、この方法でも可動部を覆う工程中に発生す
るゴミやキャップ、カンパッケージ等に付着したゴミに
よる動作不良が発生し、製造コストの上昇と歩留まりの
低下をまねくという問題点があった。また、特に第2の
従来例のような角速度センサにおいては、感度を向上さ
せるために真空実装が必要であり、センサのコスト上昇
を招くとともに真空実装までの実装工程で発生するゴミ
による歩留まり低下を回避できないという問題点があっ
た。
【0013】本発明は、上記のごとき問題を解決するた
めになされたものであり、第1の目的は、衝撃等に対す
る強度が大きくて信頼性の高い力学量センサを提供する
ことであり、第2の目的は、衝撃等に対する強度が大き
く、かつゴミによる不都合を解決し、信頼性が高く、製
造歩留まりが高くて製造コストが低い力学量センサを提
供すること、およびそれを用いた集積回路を提供するこ
とである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明においては、特許請求の範囲に記載するよう
に構成している。すなわち、請求項1に記載の発明にお
いては、導電性物質で形成された質量と前記質量を基板
上に支持する導電性物質で形成された弾性支持体とを有
する振動系と、前記基板に固定され、前記質量内に設け
た貫通孔を貫通するように配置された、前記質量の変位
を制限する変位制限手段と、力学量入力に応じて前記質
量に発生する力を検出軸方向の前記質量の変位として検
出する前記質量と静電結合した電極と、を備え、かつ、
前記変位制限手段は、前記質量の検出軸方向の変位を検
出する電極を兼ねるように構成している。
【0015】前記のように請求項1の発明においては、
変位制限手段を設けることにより、振動系の質量の変位
を制限するように構成しているので、衝撃等が印加され
た場合における強度を増大させ、信頼性を向上させるこ
とができる。なお、請求項1の発明は、例えば後記図1
の実施の形態に示すような加速度センサに適用する。
【0016】また、請求項4または請求項5に記載の発
明においては、導電性物質で形成された質量と前記質量
を基板上に支持する導電性物質で形成された弾性支持体
とを有する振動系と、前記基板に固定され、前記質量内
に設けた貫通孔を貫通するように配置された、前記質量
の変位を制限する変位制限手段と、力学量入力に応じて
前記質量に発生する力を検出軸方向の前記質量の変位と
して検出する前記質量と静電結合した第1の電極と、前
記質量の変位検出軸方向とは異なる方向に前記質量を駆
動する前記質量と静電結合した第2の電極と、を備え
かつ、請求項4においては、前記変位制限手段は、許容
される入力範囲においては前記質量が前記変位制限手段
を越えて変位し得ない程度に基板上に充分な高さを有す
るように構成し、また、請求項5においては、前記変位
制限手段は、基板固定端と反対側の端で前記質量の貫通
孔からはみ出した部分の大きさが、前記貫通孔の内径よ
り大きく、前記質量の基板法線方向の変位を制限する形
状であるように構成している。
【0017】前記のように請求項4または請求項5の発
明は、検出用の第1の電極と駆動用の第2の電極を備え
た力学量センサに変位制限手段を設けたものである。な
お、請求項4または請求項5の発明は、例えば後記図5
の実施の形態に示すような角速度センサに適用する。
【0018】また、請求項12に記載の発明において
は、導電性物質で形成された質量と弾性支持体とを有す
る振動系と、前記基板に固定され、前記質量内に設けた
貫通孔を貫通するように配置された、支持構造体と、前
記支持構造体により基板上に支持され、前記基板とで前
記振動系を内包する閉空間を形成する導電性のシェル
と、力学量入力に応じて前記質量に発生する力を検出軸
方向の前記質量の変位として検出する前記質量と静電結
合した電極と、前記質量の変位を制限する変位制限手段
と、を備え、かつ、前記変位制限手段は、前記質量の検
出軸方向の変位を検出する電極を兼ねるように構成して
いる。
【0019】前記のように請求項12の発明は、基板と
で振動系を内包する閉空間を形成する導電性のシェル
と、変位制限手段とを設けたものであり、これによって
衝撃等に対する強度が大きく、かつゴミによる不都合を
解決し、信頼性が高く、製造歩留まりが高くて製造コス
トが低い力学量センサを実現することが出来る。なお、
請求項12の発明は、例えば後記図11の実施の形態に
示すような加速度センサに適用する。
【0020】また、請求項18に記載の発明において
は、導電性物質で形成された質量と弾性支持体とを有す
る振動系と、前記基板に固定され、前記質量内に設けた
貫通孔を貫通するように配置された、支持構造体と、前
記支持構造体により基板上に支持され、前記基板とで前
記振動系を内包する閉空間を形成する導電性のシェル
と、力学量入力に応じて前記質量に発生する力を検出軸
方向の前記質量の変位として検出する前記質量と静電結
合した第1の電極と、前記質量の変位検出軸方向とは異
なる方向に前記質量を駆動する前記質量と静電結合した
第2の電極と、前記質量の変位を制限する手段と、を備
えるように構成している。
【0021】前記のように請求項18の発明は、検出用
の第1の電極と駆動用の第2の電極を備えた力学量セン
サにシェルと変位制限手段とを設けたものである。な
お、請求項18の発明は、例えば後記図14の実施の形
態に示すような角速度センサに適用する。
【0022】また、請求項26に記載の発明は、請求項
12乃至請求項25に記載の力学量センサと周辺の信号
処理回路を半導体チップに集積し、それを樹脂モールド
した集積回路である。請求項12乃至請求項25に記載
の力学量センサにおいては、シェルによって形成された
閉空間内にセンサが収納されているので、そのまま樹脂
モールドすることが可能である。したがって半導体プロ
セスで作成した閉空間内の力学量センサと周辺信号処理
回路とを半導体チップに集積し、これを樹脂モールド等
で実装することにより低コストで高信頼なICセンサを
実現できる。
【0023】また、その他、請求項2〜請求項、請求
項6〜請求項11、請求項13〜請求項17、請求項1
9〜請求項25は、それぞれ前記請求項1、請求項4ま
たは請求項5、請求項12、請求項18の種々の実施の
形態を示している。これらの実施の形態については、後
記図1〜図29に示す各実施の形態において説明する。
【0024】なお、請求項14に記載した、シェルが電
気的に独立した複数領域で構成され、質量の検出軸方向
の変位を検出する電極を兼ねる、という構成、および請
求項21に記載した、シェルが電気的に独立した複数領
域で構成され、質量の検出軸方向の変位を検出する第1
の電極もしくは質量を駆動する第2の電極を兼ねる、と
いう構成は、例えば、後記図14、図17に記載したご
とき構成、すなわちシェル上に電極(33等)が設けら
れ、それを検出用や駆動用の電極に用いる構成を示す。
【0025】請求項1においては、変位制限手段を設け
たことにより、落下等の衝撃が印加された場合でも質量
と電極との相対位置ずれが発生せず、信頼性の高い力学
量センサを実現することが出来る、という効果が得ら
、かつ、変位制限手段と検出用の電極を兼用すること
により、構成を簡略化し、小型で安価に出来る、という
効果が得られる。
【0026】請求項4または請求項5においては、検出
用電極と駆動用電極とを有する力学量センサ(例えば角
速度センサ)において、請求項1と同様の効果が得られ
る。請求項6においては、請求項4または請求項5の効
果に加えて、変位制限手段と検出用の第1の電極または
駆動用の第2の電極を兼用することにより、構成を簡略
化し、小型で安価に出来る、という効果が得られる。
【0027】請求項9においては、質量が変位制限手段
を越えて変位し得ない程度に、変位制限手段の基板上の
高さを設定したので、基板の法線方向の変位制限効果が
得られる。請求項10においては、変位制限手段の基板
固定端と反対の端の外形状を貫通孔の内径よりも大きく
設定したため、変位制限手段の高さの増加をまねかずに
基板の法線方向の変位制限効果が得られる。請求項11
においては、複数の変位制限手段を備え、隣接する変位
制限手段同志が質量を基板との間に取り囲むように接続
されているため、変位制限手段の高さの増加をまねかず
に基板法線方向の変位制限効果が得られる。
【0028】請求項12においては、シェルおよび支持
構造体が質量の変位を制限するため、落下等の衝撃が入
力した場合でも、質量と電極の相対位置ずれは発生せ
ず、信頼性の高い力学量センサを実現できる。また、半
導体製造プロセスを用いて、閉空間内の振動系を形成す
るので、製造工程中および動作中に発生する可動ゴミを
従来の方法に比べて大幅に抑制することができ、製造歩
留まりと力学量センサの信頼性の向上が実現できる。ま
た、半導体製造プロセスを用いて、閉空間内の振動系を
形成することができるので、簡易な実装形態で力学量セ
ンサを実現でき、製造コストの抑制を実現できる、とい
う効果が得られる。請求項13、請求項14において
は、請求項12の効果に加えて、シェルの支持構造体や
シェル自体を変位制限手段と検出用の第1の電極または
駆動用の第2の電極を兼用することにより、構成を簡略
化し、小型で安価に出来る、という効果が得られる。
【0029】請求項18においては、検出用電極と駆動
用電極とを有する力学量センサ(例えば角速度センサ)
において、請求項12と同様の効果が得られる。請求項
19においては、真空内装置で金属を堆積することによ
り、容易に真空に維持された閉空間内を実現でき、角速
度センサの感度向上と、実装コスト抑制を実現できる、
という効果が得られる。
【0030】請求項21、請求項22においては、請求
項18の効果に加えて、シェルの支持構造体やシェル自
体を変位制限手段と検出用の第1の電極または駆動用の
第2の電極を兼用することにより、構成を簡略化し、小
型で安価に出来る、という効果が得られる。請求項26
においては、半導体プロセスで作成した閉空間内の力学
量センサと周辺信号処理回路とを半導体チップに集積
し、これを樹脂モールド等で実装することにより低コス
トで高信頼なICセンサを実現できる、という効果が得
られる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明を説明
する。 (第1の実施の形態) 本実施の形態は、請求項1、請求項2、請求項9、請求
項17項に対応する加速度センサの例である。
【0032】まず、構成を説明する。図1は、第1の実
施の形態を示す図であり、(a)は平面模式図、(b)
は(a)のL−L’断面模式図、(c)は(a)のM−
M’断面模式図である。図1において、Si基板26上
に酸化Si膜25と窒化Si膜24を堆積して基板を構
成する。この基板上には、弾性支持体17を介して固定
部18で基板に固定された質量15が振動系を構成して
いる。これらの弾性支持体17、固定部18および質量
15は多結晶Siにより形成されている。
【0033】また、質量15には貫通孔100が設けら
れ、この貫通孔100を貫通するように基板上に固定さ
れた複数の変位制限手段88が配置され、さらに質量1
5と弾性支持体17と固定部18とに囲まれた空所に変
位制限手段89が設けられている。この変位制限手段8
8、89は、基板上の多結晶Si配線40に固定された
多結晶Si部44と、さらにその上に堆積された多結晶
Si部90より構成されており、変位制限手段88は質
量15のy軸方向の変位を検出する電極を兼ねている。
【0034】また、前記変位制限手段88、89の高さ
は加速度センサへの許容入力範囲における、前記振動系
の基板法線方向への変位量よりも充分大きく設定されて
いる。従って破壊するような過大入力がない限り、振動
系は基板に固定された前記変位制限手段に対する基板平
面内での相対位置を維持するようになっている。
【0035】前記変位制限手段88は、基板上の多結晶
Si配線40により図1(b)に示すように相互に電気
的に接続され、接続点aとbに纏められている。なお、
接続の詳細は図示を省略している。また、図1(b)、
(c)に示すように、質量15も固定部18を介して同
様に基板上の多結晶Si配線40に電気的に接続(接続
点c)されている。
【0036】質量15と変位制限手段88は、図2に示
すように差動容量回路を形成し、容量値の変化に応じて
質量15のy軸方向の変位を検出する。この差動容量回
路からの信号は基板上の多結晶Si配線40によって信
号処理回路(図示せず)に接続されている。なお、図2
における可変容量を示す符号が質量15と変位制限手段
88との間の電気容量(静電容量)を示す。
【0037】次に、図1に示す実施の形態の製造方法に
ついて説明する。図3および図4は、図1に示す実施の
形態の製造工程を示すL−L’断面模式図である。な
お、図3および図4の工程(a)〜(h)は一連の工程
を示すが、図示の都合上、二つの図面に分けて示してい
る。
【0038】(a)半導体Si基板26を酸化して酸化
膜25を形成後、酸化膜25上に多結晶Siを堆積した
後にパターニングを行い、多結晶Si配線40を形成す
る。 (b)窒化Si膜24を全面に堆積する。 (c)犠牲層として最終的にはエッチング除去する、酸
化膜45を堆積し、基板に固定する変位制限手段88、
89の配置に合わせてパターニングを行う。
【0039】(d)質量15、弾性支持体17、固定部
18および変位制限手段88、89の一部となる多結晶
Si膜を堆積する。
【0040】(e)前記多結晶Si膜のパターニングを
行う。 (f)パターニングした多結晶Si膜を平坦化するよう
に酸化膜45を堆積し、変位制限手段88、89の配置
に合わせてパターニングを行う。 (g)変位制限手段88、89を形成する多結晶Si膜
を堆積してパターニングする。 (h)弗酸系の溶液を用いて酸化膜45を除去し、質量
15と弾性支持体17よりなる振動系および変位制限手
段を形成する。 前記の工程(a)〜(h)により、図1の加速度センサ
が形成される。
【0041】前記のように構成したことにより、図1に
示す実施の形態においては、変位制限手段88、89が
質量15の変位を制限するため、落下等の衝撃が印加さ
れた場合でも、質量15と検出電極(88が兼用)の相
対位置ずれは発生せず信頼性の高い力学量センサを実現
できる。なお、図1においては、変位制限手段88と8
9とを設けた場合を例示したが、変位制限手段89を省
略し、変位制限手段88のみを設けてもよい。
【0042】(第2の実施の形態) 本実施の形態は請求項4、請求項5、請求項6、請求項
7、請求項10、請求項24に対応する角速度センサの
例である。まず、構成を説明する。図5は第2の実施の
形態を示す図であり、(a)は平面模式図、(b)は
(a)のN−N’断面模式図、(c)は(a)のO−
O’断面模式図である。
【0043】図5において、Si基板39上に酸化Si
膜38と窒化Si膜37を堆積して基板を構成する。L
字型の弾性支持体28はx−y平面内で変位可能形状を
有し、固定部27によって基板に固定され、質量30と
振動系を構成している。この振動系のx、y軸方向の共
振周波数は、弾性支持体28のx−y平面での構造によ
り任意に設定できる。また、弾性支持体28、固定部2
7および質量30は多結晶Siにより形成されている。
【0044】質量30には貫通孔101が設けられ、こ
の貫通孔101を貫通するように変位制限手段91が配
置されている。また、弾性支持体28と固定部27と質
量30とで形成する空所を貫通するように変位制限手段
92が配置されている。前記変位制限手段91、92は
基板上の多結晶Si配線40に固定された多結晶Si部
46、絶縁用の窒化Si膜36およびさらにその上に堆
積された多結晶Si部93より構成されており、変位制
限手段91は質量30のx軸方向の駆動電極とy軸方向
の変位検出電極を兼ねている。
【0045】前記変位制限手段91の基板との固定端の
反対側の端の外形状は、ひさし状に多結晶Si部93が
形成され、貫通孔101の内径より大きく設定されてい
る。すなわち、変位制限手段91の端で貫通孔101か
らはみ出した部分の大きさは、貫通孔101の内径より
も大きく設定されている。従って破壊するような過大入
力がない限り、振動系は基板に固定された変位制限手段
91に対する基板平面内での相対位置を維持する。
【0046】また、変位制限手段91は、多結晶Si配
線40により図5(a)、(b)に示すように相互に電
気的に接続されており、接続点a、bとc、dに纏めら
れている。なお、接続の詳細は図示を省略している。ま
た、図5(c)に示すように、質量30も固定部27を
介して同様に多結晶Si配線40に電気的に接続(接続
点e)されている。
【0047】変位制限手段91からの4つの接続点a、
b、cおよびdは質量30の接続点eとの間にそれぞれ
電気容量を構成し、質量のx軸方向の静電引力による駆
動を行なうと共に、z軸回りに角速度が印加された際に
発生するコリオリ力(前記数1式参照)によるy軸方向
の質量30の変位を検出する。
【0048】次に、本実施の形態のように質量30の電
位に対向する4つの電極による質量の駆動およびコリオ
リ力の検出方法について説明する。なお、これらの方法
については、本出願人の先行出願である特願平6−31
8158号、特願平6−304820号、特願平7−1
96404号等にも詳細に記載されているので、基本的
な説明のみを行なう。
【0049】図29は検出回路の一例を示す回路図であ
る。図29において、Cd1、Cd2、Cs1、Cs2はそれぞ
れ図5の下記のものに相当する。すなわち、Cd1は接続
点aと接続点e間の電気容量、Cd2は接続点bと接続点
e間の電気容量、Cs1は接続点cと接続点e間の電気容
量、Cs2は接続点dと接続点e間の電気容量に相当す
る。
【0050】質量30の電位Vmに対して、所定の駆動
電圧を駆動電極端Vd1、Vd2に交互に印加することによ
り、質量30をx軸方向に振動駆動する。振動する質量
30のx軸方向の共振周波数fxrは、質量30の質量と
支持体28のx軸方向のバネ定数で決まる。従って、駆
動電源OSC1の印加周波数を電気的に調整することに
より容易に共振状態を実現することができる。
【0051】精度の良いコリオリ力の測定には、質量3
0を一定周波数、一定振幅で駆動することが必要であ
る。振動周波数は駆動周波数と一致するので、駆動電源
OSC1の周波数を一定に保持すればよい。また、一定
振幅制御のためには、例えば図29のような構成にすれ
ばよい。すなわち、各駆動電極端Vd1、Vd2と駆動電源
OSC1との間に、参照電気容量Cr2を直列に接続す
る。
【0052】電気容量のインピーダンスZcは、下記
(数2)式で示される。 Zc=1/jωC …(数2) したがって、参照電気容量Cr2を各駆動電極端と質量3
0との間の電気容量Cd1、Cd2よりも充分大きくすれば
駆動電圧のCr2に於ける損失は殆ど無視できる。実際上
のCd1、Cd2の値はpF程度であるので、同一基板上に
おいてもCr2の実現は容易である。
【0053】参照電気容量Cr2を介した駆動電圧D、
(アンダーラインはDの反転電圧であることを示す)の
印加時に於て、各駆動電極端Vd1、Vd2の電位をバッフ
ァ163を介し、その差動信号を復調器162にて駆動
電源OSC1の駆動周波数に同期して検出すれば、質量
30の振動振幅に関する情報が得られる。従って得られ
た振幅情報が所定値になるように駆動電源OSC1にネ
ガティブフィードバックをかけることにより、質量30
の一定振幅駆動が可能となる。
【0054】次に、前記(数1)式で示されるコリオリ
力による検出電極対の電気容量変化の検出方法は、例え
ば図29に示すように行えばよい。すなわち、各検出電
極端Vs1、Vs2と検出電源OSC2(駆動電源OS1よ
りも充分高い周波数を有する電源)との間に、各検出電
極と質量30間の電気容量とほぼ等しい参照電気容量C
r1を直列に接続する。参照電気容量Cr1を介した検出電
圧Cの印加時に於て、各検出電極端Vs1、Vs2の電位を
バッファ163を介し、その差動信号を復調器162に
よって検出電源OSC2の周波数に同期して検出すれ
ば、駆動電源OSC1の周波数で変化するコリオリ力に
よるy軸方向の変位量が得られる。従って、図29に示
すように、再度、駆動電源OSC1の駆動周波数に同期
して信号を処理すればy軸方向の変位量に対応したDC
信号が得られる。
【0055】DC的なx軸方向の外乱加速度入力は、質
量30の振動振幅の変化として出力に影響を与える。こ
の影響は振動振幅を監視し、これを一定にするような図
29に示したような構成をとることによって除去するこ
とができる。
【0056】また、DC的なz軸方向の外乱加速度入力
は、質量30の振動振幅の変化および検出電極の対向面
積の変化として出力に影響を与える。振動振幅の変化に
よる影響はx軸方向の場合と同じ手法で除去できる。検
出電極の対向面積の変化による出力への影響は、検出電
極対の差動容量を検出する図29のような構成によって
除去できる。
【0057】また、DC的なy軸方向の外乱加速度入力
は、本実施の形態の角速度センサを2個一対として用
い、各々の質量30を逆位相で駆動し、各々の角速度セ
ンサの出力の差動信号をとることによって除去すること
ができ、より精度の高い角速度検出を行うことができ
る。また、各角速度センサの出力の和動信号をとること
により、検出軸方向(y軸方向)のDC的な外来加速度
入力を検出できる。
【0058】さらに、x、y軸方向のAC的な外乱加速
度入力については、x軸方向およびy軸方向に共振によ
る振動を誘起して出力に影響を与えるが、各軸方向の共
振周波数を充分高く設計すれば、センサの実装構造によ
りローパスフィルタを構成してAC的な外乱加速度入力
を抑制することができる。
【0059】また、図29で示すような検出部の駆動お
よび信号処理回路を同一基板上に形成すれば、微小な発
生信号が処理回路に入力する間に混入する外来ノイズの
影響を大幅に減少できる。また、参照電気容量Cr1対、
Cr2対の電気容量のペア性を向上することができ、駆動
力および出力信号のオフセットを低減することが出来
る。
【0060】次に、図5に示す実施の形態の製造方法に
ついて説明する。図6および図7は、図5に示す実施の
形態の製造工程を示すN−N’断面模式図である。な
お、図6および図7の工程(a)〜(h)は一連の工程
を示すが、図示の都合上、二つの図面に分けて示してい
る。また、基本的なプロセスフローは前記第1の実施の
形態とほぼ同じである。
【0061】(a)半導体Si基板39を酸化して酸化
膜38を形成した後、多結晶Si配線40を堆積しパタ
ーニングする。 (b)窒化Si膜37を全面に堆積する。 (c)犠牲層となる酸化膜47を堆積し、多結晶Si配
線40との接続部に合わせてパターニングする。 (d)質量33、弾性支持体28、固定部27および変
位制限手段91となる多結晶Si膜を堆積し、その後窒
化Si膜36を全面堆積して変位制限手段91に合わせ
てパターニングを行う。
【0062】(e)質量33、弾性支持体28、固定部
27および変位制限手段91に合わせて多結晶Si膜の
パターニングをおこなう。 (f)パターニングした多結晶Si膜を平坦化するよう
に酸化膜47を堆積した後、変位制限手段91に合わせ
てパターニングする。 (g)多結晶Si膜を堆積し、質量30の貫通孔より大
きい外形状にパターニングする。 (h)弗酸系の溶液を用いて酸化膜47を除去し、質量
30と弾性支持体28よりなる振動系を形成する。 前記の工程により、図5の角速度センサが形成される。
【0063】前記のように構成したことにより、図5に
示す第2の実施の形態においては、前記第1の実施の形
態の効果に加えて以下のような効果がある。 (1)変位制限手段91の基板固定端と反対の端(質量
30から上にはみ出した部分)の外形状を貫通孔101
の内径よりも大きく設定したため、変位制限手段91の
高さの増加をまねかずに基板の法線方向の変位制限効果
が得られる。 (2)本実施の形態による力学量センサを前記第2従来
例と同様に対にして逆位相に駆動し、その出力の差動信
号を求めることにより、さらに外乱加速度の影響を除去
でき、より高精度の角速度計測が可能となる。
【0064】(第3の実施の形態) 本実施の形態は、請求項1、請求項2、請求項11、請
求項17に相当する。まず、構成を説明する。図8は、
第3の実施の形態を示す図であり、(a)は平面模式
図、(b)は(a)のP−P’断面模式図である。本実
施の形態の平面構造は、前記第1の実施の形態とほとん
ど同一であり、断面構造のみが第1の実施の形態と異な
っている。
【0065】図8において、Si基板26上に酸化Si
膜25と窒化Si膜24を堆積して基板を構成する。こ
の基板上には、弾性支持体17を介して固定部18で基
板に固定された質量15が振動系を構成している。これ
らの弾性支持体17、固定部18および質量15は多結
晶Siにより形成されている。
【0066】また、質量15には貫通孔100が設けら
れ、この貫通孔100を貫通するように基板上に固定さ
れた変位制限手段88が配置され、さらに質量15と弾
性支持体17と固定部18とに囲まれた空所に変位制限
手段89が設けられている。この変位制限手段88、8
9は、基板上の多結晶Si配線40に固定された多結晶
Si部44と、さらにその上に堆積された多結晶Si部
90より構成されており、変位制限手段88は質量15
のy軸方向の変位を検出する電極を兼ねている。
【0067】また、図8(b)に示すように、基板上に
複数配置された変位制限手段88は、隣接する変位制限
手段88同志が質量15を基板との間に取り囲むように
接続されている。すなわち、隣接する変位制限手段88
の貫通孔100からはみ出した部分が多結晶Si部90
で接続され、質量15を取り囲む形状になっている。従
って破壊するような過大入力がない限り、振動系は基板
に固定された前記変位制限手段に対する基板平面内での
相対位置を維持する。
【0068】前記変位制限手段88は、基板上の多結晶
Si配線40により図8(b)に示すように相互に電気
的に接続され、接続点aとbに纏められている。なお、
接続の詳細は図示を省略している。また、質量15も固
定部18を介して同様に基板上の多結晶Si配線40に
電気的に接続(接続点c)されている。
【0069】質量15と変位制限手段88は、前記図2
に示すように差動容量回路を形成し、容量値の変化に応
じて質量15のy軸方向の変位を検出する。この差動容
量回路からの信号は基板上の多結晶Si配線40によっ
て信号処理回路(図示せず)に接続されている。なお、
図2における可変容量を示す符号が質量15と変位制限
手段88との間の電気容量を示す。
【0070】次に、図8に示す実施の形態の製造方法に
ついて説明する。図9および図10は、図8に示す実施
の形態の製造工程を示すP−P’断面模式図である。な
お、図9および図10の工程(a)〜(h)は一連の工
程を示すが、図示の都合上、二つの図面に分けて示して
いる。
【0071】(a)半導体Si基板26を酸化して酸化
膜25を形成後、酸化膜25上に多結晶Siを堆積した
後にパターニングを行い、多結晶Si配線40を形成す
る。 (b)窒化Si膜24を全面に堆積する。 (c)犠牲層として最終的にはエッチング除去する、酸
化膜45を堆積し、基板に固定する変位制限手段89の
配置に合わせて、パターニングを行う。 (d)質量15、弾性支持体17、固定部18および変
位制限手段89の一部となる多結晶Si膜を堆積する。
【0072】(e)前記多結晶Si膜のパターニングを
行う。 (f)パターニングした多結晶Si膜を平坦化するよう
に酸化膜45を堆積し、変位制限手段89の配置に合わ
せてパターニングを行う。 (g)変位制限手段89を形成する多結晶Si膜を堆積
しパターニングする。 (h)弗酸系の溶液を用いて酸化膜45を除去し、質量
15と弾性支持体17よりなる振動系および変位制限手
段を形成する。 前記の工程により、図8の加速度センサが形成される。
【0073】前記のように構成したことにより、図8に
示す第3の実施の形態においては、前記第1の実施の形
態の効果に加えて以下のような効果がある。 (1)基板上に複数配置された変位制限手段88は、隣
接する変位制限手段88同志が質量15を基板との間に
取り囲むように接続されているため、変位制限手段89
の高さの増加をまねかずに基板法線方向の変位制限効果
が得られる。
【0074】(第4の実施の形態)本実施の形態は、請
求項12、請求項13、請求項15、請求項17、請求
項26に対応する加速度センサの例である。まず、構成
を説明する。図11は、第4の実施の形態を示す図であ
り、(a)は平面模式図、(b)は(a)のA−A’断
面模式図、(c)は(a)のB−B’断面模式図であ
る。
【0075】図11において、Si基板26上に酸化S
i膜25と窒化Si膜24を堆積して基板を構成する。
基板上には多結晶Si膜20と窒化Si膜21で構成し
たシェル102が形成されており、基板との間で閉空間
を形成している。前記閉空間内には、弾性支持体17に
より固定部18にて基板に固定された質量15が振動系
を構成している。それらの弾性支持体17、固定部18
および質量15は多結晶Siにより形成されている。
【0076】また、質量15には貫通孔100が設けら
れ、この貫通孔100を貫通するように基板上に固定さ
れた支持構造体16が配置され、さらに質量15と弾性
支持体17と固定部18とに囲まれた空所に支持構造体
19が設けられている。また、前記シェル102は、前
記支持構造体16、19により基板上に支持されてい
る。また、前記支持構造体16は、基板に固定された多
結晶Si部44とシェル102の窒化Si膜層21を貫
通する金属部22より構成されており、質量15のy軸
方向の変位を検出する電極を兼ねている。
【0077】また、支持構造体16は、金属部22によ
り図11(b)に示すように相互に電気的に接続され、
接続点aとbに纏められている。なお、接続の詳細は図
示を省略している。また、図1(b)、(c)に示すよ
うに、質量15も固定部18を介して金属部23に電気
的に接続(接続点c)されている。また、シェル102
を構成する多結晶Si膜20も金属部23にて電気的に
接続(接続点c)されている。したがって質量15とシ
ェル102を構成する多結晶Si膜20とは電気的に相
互に接続されている。
【0078】また、質量15と支持構造体16は、前記
図2のように差動容量回路を形成し、容量値の変化より
質量15のy軸方向の変位を検出する。差動容量回路か
らの信号は金属部22および金属部23を介して信号処
理回路(図示せず)に接続されている。なお、図2にお
ける可変容量を示す符号が質量15と支持構造体16と
の間の電気容量を示す。
【0079】次に、図11に示す実施の形態の製造方法
について説明する。図12および図13は、図11に示
す実施の形態の製造工程を示すA−A’断面模式図であ
る。なお、図12および図13の工程(a)〜(i)は
一連の工程を示すが、図示の都合上、二つの図面に分け
て示している。
【0080】(a)半導体Si基板26を酸化して酸化
膜25を形成後、窒化Si膜24を全面に堆積する。 (b)犠牲層として最終的にはエッチング除去する、酸
化膜45を堆積し、基板に固定するシェルの支持構造体
16の配置に合わせて、パターニングを行う。 (c)質量15、弾性支持体17、固定部18およびシ
ェルの支持構造体16となる多結晶Si膜を堆積し、パ
ターニングを行う。 (d)パターニングした多結晶Si膜を平坦化するよう
に酸化膜45を堆積する。
【0081】(e)堆積した酸化膜45を形成する閉空
間の形状にパターニングし、さらにシェルを形成する多
結晶Si膜20を堆積しパターニングする。 (f)シェルの多結晶Si膜20を支持構造体16に合
わせてパターニングし、さらに窒化Si膜21を全面に
堆積する。 (g)支持構造体16を形成する金属部22に合わせて
窒化Si膜21をパターニングする。 (h)弗酸系の溶液を用いて酸化膜45を除去し、シェ
ル内に閉空間と質量15と弾性支持体17よりなる振動
系を形成する。酸化膜45の除去の際には質量15を貫
通するシェル支持構造体16の周辺の空間はエッチング
孔としても機能する。 (i)金属を全面に堆積し、パターニングする。 前記の工程により、図11に示した加速度センサが形成
される。
【0082】前記のように構成したことにより、第4の
実施の形態においては、次のごとき効果が得られる。 (1)シェル102および変位検出電極を兼ねたシェル
の支持構造体16が質量15の変位を制限するため、落
下等の衝撃が入力した場合でも、質量と電極の相対位置
ずれは発生せず、信頼性の高い力学量センサを実現でき
る。 (2)半導体製造プロセスを用いて、閉空間内の振動系
を形成するので、製造工程中および動作中に発生する可
動ゴミを従来の方法に比べて大幅に抑制することがで
き、製造歩留まりと力学量センサの信頼性の向上が実現
できる。 (3)振動系を形成する質量とシェルを形成する多結晶
Siを共通電位とすることで、質量に発生する静電力を
抑制でき、かつ差動容量検出部に及ぼす外部からの電気
的なノイズの影響を抑制できる。特に、微小な容量値変
化を測定する場合はこの効果は大きい。 (4)半導体製造プロセスを用いて、閉空間内の振動系
を形成するので簡易な実装形態で力学量センサを実現で
き、製造コストの抑制を実現できる。 (5)本実施の形態では、シェルによって形成された閉
空間内にセンサが収納されているので、そのまま樹脂モ
ールドすることが可能である。したがって本実施の形態
のように半導体プロセスで作成した閉空間内の力学量セ
ンサと周辺信号処理回路とを半導体チップに集積し、こ
れを樹脂モールド等で実装することにより低コストで高
信頼なICセンサを実現できる。
【0083】(第5の実施の形態)本実施の形態は、請
求項18、請求項19、請求項20、請求項21、請求
項22、請求項24、請求項26に対応する角速度セン
サの例である。まず、構成を説明する。図14は、第5
の実施の形態を示す図であり、(a)は平面模式図、
(b)は(a)のC−C’断面模式図、(c)は(a)
のD−D’断面模式図である。
【0084】図14において、Si基板39上に酸化S
i膜38と窒化Si膜37を堆積して基板を構成する。
基板上には多結晶Si膜35と窒化Si膜34で構成し
たシェル102が形成されており、基板との間で閉空間
を形成している。
【0085】前記閉空間内には、x−y平面内で変位可
能なL字型の弾性支持体28により固定部27にて基板
に固定された質量30が振動系を構成している。振動系
のx、y軸方向の共振周波数は弾性支持体28のx−y
平面での構造により任意に設定できる。それらの弾性支
持体28、固定部27および質量30は多結晶Siによ
り形成されている。
【0086】前記シェル102は、質量30に設けた貫
通孔101を貫通するように配置された支持構造体2
9、32により基板上に支持されている。前記支持構造
体32は、基板上の多結晶Si配線40に固定された多
結晶Si部46、絶縁用の窒化Si膜36およびシェル
の窒化Si膜層34を貫通する金属部41より構成され
ており、質量30のx軸方向の駆動電極とy軸方向の変
位検出電極とを兼ねている。
【0087】また、支持構造体32は、多結晶Si配線
40により図14(a)、(b)に示すように相互に電
気的に接続され、接続点aとbおよびcとdに纏められ
ている。なお、接続の詳細は図示を省略している。ま
た、図14(c)に示すように、質量30も固定部27
を介して同様に基板上の多結晶Si配線40に電気的に
接続(接続点e)されている。さらにシェル102を構
成する多結晶Si膜35も多結晶Si配線40にて電気
的に接続(接続点e)されている。したがって質量30
とシェル102を構成する多結晶Si膜35とは電気的
に相互に接続されている。
【0088】また、図14(c)に示すように、シェル
102を構成する窒化Si膜34上には多結晶Si膜で
形成された電極33〔図14(a)の破線部分〕が形成
されており、静電的に質量30に対向している。そして
電極33の直下の基板上には多結晶Si配線で形成した
電極42が形成されており、質量30に対向している。
この電極33は接続点fに、電極42は接続点gに、そ
れぞれ電気的に接続されている。
【0089】前記の支持構造体32による4つの接続点
a、b、cおよびdは、質量30の接続点eとの間にそ
れぞれ電気容量を構成し、質量のx軸方向の静電引力に
よる駆動を行なうとともに、z軸回りに角速度が入力し
た際に発生するコリオリ力(前記数1式参照)によるy
軸方向の質量30の変位を検出する。なお、質量の電位
に対向する4つの電極による質量の駆動およびコリオリ
力の検出については前記第2の実施の形態で説明したの
と同様である。
【0090】また、質量30に対向する電極33、42
は、前記第4の実施の形態と同様に差動容量回路を構成
し、質量のz軸方向の変位の検出および質量に対する静
電引力発生が可能である。従って、電極33、42によ
りz軸方向の加速度検出や質量30のz軸方向の振動制
御等に利用できる。
【0091】なお、本実施の形態のように半導体プロセ
スで作成した閉空間内の力学量センサと周辺信号処理回
路とを半導体チップに集積し、これを樹脂モールド等で
実装することにより低コストで高信頼なICセンサを実
現できることは前記第4の実施の形態と同様である。
【0092】次に、図14に示す実施の形態の製造方法
について説明する。図15および図16は、図14に示
す実施の形態の製造工程を示すC−C’断面模式図であ
る。なお、図15および図16の工程(a)〜(h)は
一連の工程を示すが、図示の都合上、二つの図面に分け
て示している。また、基本的なプロセスフローは前記第
4の実施の形態とほぼ同じである。
【0093】(a)半導体Si基板39を酸化して酸化
膜38を形成した後、多結晶Si配線40を堆積してパ
ターニングする。 (b)窒化Si膜37を全面に堆積する。 (c)犠牲層となる酸化膜47を堆積し、多結晶Si配
線40との接続部にあわせてパターニングする。 (d)質量30、弾性支持体28、固定部27およびシ
ェルの支持構造体32となる多結晶Si膜を堆積し、そ
の後窒化Si膜36を全面に堆積してシェルの支持構造
体32にあわせてパターニングを行う。
【0094】(e)多結晶Si膜を質量30、弾性支持
体28、固定部27およびシェルの支持構造体32にあ
わせてパターニングをおこなう。 (f)パターニングした多結晶Si膜を平坦化するよう
に酸化膜47を堆積した後、形成する閉空間の形状にパ
ターニングし、さらにシェルを形成する多結晶Si膜3
5を堆積してパターニングする。 (g)シェルの多結晶Si膜35を支持構造体32に合
わせてパターニングし、さらに窒化Si膜34を全面に
堆積し、支持構造体32を形成する金属部41に合わせ
て窒化Si膜34をパターニングする。 (h)弗酸系の溶液を用いて酸化膜47を除去し、シェ
ル内に閉空間と質量30と弾性支持体28よりなる振動
系を形成した後、金属を全面に堆積し、パターニングす
る。酸化膜47の除去の際には質量30を貫通するシェ
ル支持構造体32の周辺の空間はエッチング孔としても
機能する。 前記の工程により、図14に示した角速度センサが形成
される。
【0095】前記のように構成したことにより、第5の
実施の形態においては、第4の実施の形態の効果に加え
て、次のごとき効果が得られる。 (1)前記(h)の工程において真空内装置で金属を堆
積することにより、容易に真空に維持された閉空間内を
実現でき、角速度センサの感度向上と、実装コスト抑制
を実現できる。 (2)本実施の形態による力学量センサを前記第2従来
例と同様に対にして逆位相に駆動し、その出力の差動信
号を求めることにより、さらに外乱加速度の影響を除去
でき、より高精度の角速度計測が可能となる。
【0096】(第6の実施の形態)本実施の形態は、請
求項18、19、20、21、22、24、26に対応
する角速度センサの例である。まず、構成を説明する。
図17は、第6の実施の形態を示す図であり、(a)は
平面模式図、(b)は(a)のE−E’断面模式図であ
る。
【0097】図17において、Si基板39上に酸化S
i膜38と窒化Si膜37を堆積して基板を構成する。
基板上には多結晶Si膜35と窒化Si膜34で構成し
たシェル102が形成されており、基板との間で閉空間
を形成している。前記閉空間内には、L字型のx−y平
面内で変位可能な弾性支持体28により固定部27にて
基板に固定された質量30が振動系を構成している。振
動系のx、y軸方向の共振周波数は弾性支持体28のx
−y平面での構造により任意に設定できる。それらの弾
性支持体28、固定部27および質量30は多結晶Si
により形成されている。
【0098】前記シェル102は、質量30に設けた貫
通孔100を貫通するように配置された支持構造体2
9、32により基板上に支持されている。前記支持構造
体32は基板上の多結晶Si配線40に固定された多結
晶Si部46、絶縁用の窒化Si膜36およびシェルの
窒化Si膜層34を貫通する金属部41より構成されて
おり、質量30のy軸方向の変位を検出する電極を兼ね
ている。
【0099】また、支持構造体32は、多結晶Si配線
40により図17(a)に示すように相互に電気的に接
続され、接続点fとgに纏められている。なお、接続の
詳細は図示を省略している。また、図17(b)に示す
ように、質量30も固定部27を介して同様に基板上の
多結晶Si配線40に電気的に接続(接続点e)されて
いる。さらにシェル102を構成する多結晶Si膜35
も多結晶Si配線40にて電気的に接続(接続点e)さ
れている。したがって質量30とシェル102を構成す
る多結晶Si膜35とは電気的に相互に接続されてい
る。
【0100】また、図17(b)に示すように、シェル
102を構成する窒化Si膜34上には多結晶Si膜で
形成された電極33、33’〔図17(a)の破線部
分〕が形成されており、静電的に質量30に対向してい
る。そして電極33、33’の直下の基板上には多結晶
Si配線で形成した電極42、42’が形成されてお
り、質量30に対向している。この電極33、33’は
接続点aとcに、電極42、42’は接続点bとdに、
それぞれ電気的に接続されている。
【0101】前記の電極33、33’、42、42’に
よる4つの接続点a、b、cおよびdは、質量30の接
続点eとの間にそれぞれ電気容量を構成し、質量のx軸
方向の静電引力による駆動を行なうとともに、z軸回り
に角速度が入力した際に発生するコリオリ力(前記数1
式参照)によるy軸方向の質量30の変位を検出する。
なお、質量の電位に対向する4つの電極による質量の駆
動およびコリオリ力の検出については前記第2の実施の
形態で説明したのと同様である。
【0102】また、質量30に対向する電極(支持構造
体)32は、前記第4の実施の形態と同様に差動容量回
路を構成し、質量のz軸方向の変位の検出および質量に
対する静電引力発生が可能である。従って、電極32に
よりz軸方向の加速度検出や質量30のz軸方向の振動
制御等に利用できる。
【0103】なお、本実施の形態のように半導体プロセ
スで作成した閉空間内の力学量センサと周辺信号処理回
路とを半導体チップに集積し、これを樹脂モールド等で
実装することにより低コストで高信頼なICセンサを実
現できることは前記第4の実施の形態と同様である。
【0104】次に、図17に示す実施の形態の製造方法
について説明する。図18は、図17に示す実施の形態
の製造工程を示すE−E’断面模式図である。なお、基
本的なプロセスフローは前記第5の実施の形態とほぼ同
じなので、詳細な説明は省略する。
【0105】前記のように構成したことにより、第6の
実施の形態においては、第5の実施の形態の効果に加え
て、次のごとき効果が得られる。 (1)前記第5の実施の形態に比べて、シェルの支持構
造体を兼ねた、質量30の変位検出電極の集積度を向上
できるため、よりS/Nの高い検出が可能である。 (2)本実施の形態による力学量センサを前記第2従来
例と同様に対にして逆位相に駆動し、その出力の差動信
号を求めることにより、さらに外乱加速度の影響を除去
でき、より高精度の角速度計測が可能となる。
【0106】(第7の実施の形態)本実施の形態は、請
求項12、請求項13、請求項16、請求項17、請求
項26に対応する加速度センサの例である。まず、構成
を説明する。図19は、第7の実施の形態を示す図であ
り、(a)は平面模式図、(b)は(a)のF−F’断
面模式図、(c)は(a)のG−G’断面模式図であ
る。
【0107】この実施の形態においては、誘電体分離層
としてパターニングされた酸化膜層および窒化Si層を
用いたSOI基板を用いて力学量センサを構成する。す
なわち、図19において、ベース基板61、窒化Si膜
60およびSOI層59からなるSOI基板62上に、
酸化Si膜58と窒化Si膜63を堆積して基板を構成
する。基板上には多結晶Si膜54と窒化Si膜53で
構成したシェル103が形成され、基板との間で閉空間
を形成している。前記閉空間内には、弾性支持体50に
より固定部51にて基板に固定された質量48が振動系
を構成している。これらの弾性支持体50、固定部51
および質量48はSOI層59をトレンチエッチングし
て形成されている。
【0108】前記シェル103は、質量48に設けた貫
通孔100を貫通するように配置された支持構造体4
9、52により基板上に支持されている。前記支持構造
体49は、ベース基板61上に窒化Si層60で固定さ
れた、トレンチエッチングで形成したSOI層部55と
シェルの窒化Si膜層53を貫通する金属部56より構
成されており、質量48のy軸方向の変位を検出する電
極を兼ねている。
【0109】また、支持構造体49は、金属部56によ
り図19(b)に示すように相互に電気的に接続され、
接続点aとbに纏められている。なお、接続の詳細は図
示を省略している。また、図19(b)、(c)に示す
ように、質量48も固定部51を介して同様に金属部5
6に電気的に接続(接続点c)されている。さらにシェ
ル103を構成する多結晶Si膜54も金属部57にて
電気的に接続(接続点c)されている。したがって質量
48とシェル103を構成する多結晶Si膜54とは電
気的に相互に接続されている。
【0110】また、質量48と支持構造体50は、前記
図2のように差動容量回路を形成し、容量値の変化に応
じて質量48のy軸方向の変位を検出する。差動容量回
路からの信号は金属部56および57を介して信号処理
回路(図示せず)に接続されている。
【0111】なお、本実施の形態のように半導体プロセ
スで作成した閉空間内の力学量センサと周辺信号処理回
路とを半導体チップに集積し、これを樹脂モールド等で
実装することにより低コストで高信頼なICセンサを実
現できることは前記第4の実施の形態と同様である。
【0112】次に、図19に示す実施の形態の製造方法
について説明する。図20および図21は、図19に示
す実施の形態の製造工程を示すF−F’断面模式図であ
る。なお、図20および図21の工程(a)〜(h)は
一連の工程を示すが、図示の都合上、二つの図面に分け
て示している。
【0113】(a)誘電体分離層がパターニングされた
酸化膜層および窒化Si膜層であるSOI基板を用い
る。 (b)SOI基板を酸化して酸化膜58を形成し、全面
に窒化Si膜63を堆積し、トレンチエッチングにあわ
せてパターニングする。その後、誘電体分離層に達する
までトレンチエッチングを行う。 (c)酸化膜を堆積してトレンチエッチング部を平坦化
し、振動系を形成する領域の窒化Si膜63を除去す
る。 (d)酸化膜64を堆積後、形成する閉空間形状にあわ
せてパターニングを行う。
【0114】(e)シェル103を形成する多結晶Si
膜54を堆積し、パターニングを行う。 (f)シェルの多結晶Si膜54を支持構造体49に合
わせてパターニングし、さらに窒化Si膜53を全面に
堆積し、支持構造体49を形成する金属部56に合わせ
て窒化Si膜53をパターニングする。 (h)弗酸系の溶液を用いて酸化膜64を除去し、シェ
ル内に閉空間と質量48と弾性支持体50よりなる振動
系を形成した後、金属を全面に堆積し、パターニングす
る。酸化膜64の除去の際には質量48を貫通する支持
構造体49の周辺の空間はエッチング孔としても機能す
る。 前記の工程により、図19に示した加速度センサが形成
される。
【0115】前記のように構成したことにより、第7の
実施の形態においては、第4の実施の形態に比べて次の
ごとき効果が得られる。 (1)単結晶SiであるSOI層を用いたため、多結晶
Si層を用いた場合に比べより安定して振動系を作成で
きる。 (2)SOI層をトレンチエッチングすることによって
振動系を形成したため、基板表面での段差を大きくする
ことなく構造材の厚さを増加できる。そのため電気容量
値が増加し、よりS/Nの高い検出が可能となる。
【0116】(第8の実施の形態)本実施の形態は、請
求項12、13、17、15、26項に対応する加速度
センサの例である。図22および図23は、第8の実施
の形態を示す図であり、図22(a)は平面模式図、図
22(b)は(a)のH−H’断面模式図、図23
(a)は図22(a)のI−I’断面模式図、図23
(b)は図22(a)のJ−J’断面模式図、図23
(c)は図22(a)のK−K’の断面模式図である。
【0117】この実施の形態においては、誘電体分離層
としてパターニングされた酸化膜層および窒化Si層を
用いたSOI基板を用いて力学量センサを構成する。す
なわち、図22において、ベース基板78、窒化Si層
77およびSOI層76からなるSOI基板79上に、
酸化Si膜75と窒化Si膜69を堆積して基板を構成
する。基板上には多結晶Si膜71と窒化Si膜70で
構成したシェル103が形成されており、基板との間で
閉空間を形成している。
【0118】前記閉空間内には、弾性支持体66により
固定部65にて固定された質量72が振動系を構成して
いる。弾性支持体66および質量72はSOI層をエッ
チングして形成したトレンチ部82内に堆積した多結晶
Siで形成されている。この形成方法は、後述のプロセ
スフローに示すようにトレンチ部82となる多結晶Si
堆積を行った後に、その他の部分のトレンチエッチング
とトレンチ内の多結晶Si堆積を行っている。また、固
定部65は弾性支持体66の端部付近のトレンチを埋め
るように堆積した多結晶Siである。
【0119】前記シェル103は、質量72に設けた貫
通孔100を貫通するように配置された支持構造体68
により基板上に支持されている。前記支持構造体68は
ベース基板78上に窒化Si層77で固定された、トレ
ンチエッチングで形成したSOI層部80とシェルの窒
化Si膜層70を貫通する金属部73とから構成されて
おり、質量72のy軸方向の変位を検出する電極を兼ね
ている。このSOI層部80の側面には、図22に示す
ように一方の側面のみに高濃度拡散層85が形成されて
いる。そしてトレンチ内に埋め込んだ多結晶Siで形成
した振動系とSOI層のトレンチ側壁の間隔は高濃度拡
散層85がある側は大きく、ない側は小さくなってい
る。なお、支持構造体68の高濃度拡散層85が形成さ
れる側面は図示のごとく一つ置きに反対になっている。
【0120】また、弾性支持体66に沿った部分の前記
シェルのSOI基板表面での固定部には、図23
(a)、(c)に示すように、エッチング孔として用い
るトンネル部81が構成され、金属74で封止されてい
る。また、支持構造体68は、金属部73により図22
(b)に示すように相互に電気的に接続され、一つ置き
に接続点aとbに纏められている。なお、接続の詳細は
図示を省略している。また、質量72も固定部65を介
してSOI層76に電気的に接続(接続点c)され、さ
らに金属部74に電気的に接続されている。さらにシェ
ル103を構成する多結晶Si膜71も金属部74にて
電気的に接続(接続点c)されている。したがって質量
72とシェル103を構成する多結晶Si膜71とは電
気的に相互に接続されている。
【0121】本実施の形態においては、一つの貫通孔1
00内には一つの支持構造体68が設けられている。し
かし、トレンチ内に堆積した質量72とSOI層で形成
した支持構造体68との間隔は、トレンチ側壁の高濃度
拡散層85の有無により異なっており、かつ各支持構造
体68が一つ置きに接続点aと接続点bとに纏められい
るので、前記図2に示したように、質量72と支持構造
体68とで差動容量回路を形成し、容量値の変化に応じ
て質量72のy軸方向の変位を検出することが出来る。
なお、差動容量回路からの信号は金属部73および金属
部74を介して信号処理回路(図示せず)に接続されて
いる。
【0122】次に、図22、図23に示す実施の形態の
製造方法について説明する。図24および図25は、図
22に示す実施の形態の製造工程を示すH−H’断面模
式図である。なお、図24および図25の工程(a)〜
(i)は一連の工程を示すが、図示の都合上、二つの図
面に分けて示している。また、図26はI−I’断面模
式図、図27はJ−J’断面模式図、図28はK−K’
断面模式図である。
【0123】以下、図24〜図28を用いて工程順に説
明する。 図24(a) 誘電体分離層がパターニングされた酸化
膜層及び窒化Si膜層であるSOI基板を用いる。 図28(a) SOI基板を酸化して酸化膜75を形成
した後、窒化Si膜69を形成する。 図24(b) 酸化膜75と窒化Si膜69を1回目の
トレンチパターンにパターニングし、誘電体分離層まで
SOI層にトレンチを形成する。その後、SOI基板表
面は酸化膜75と窒化Si膜69で保護し、トレンチ内
の側壁に高濃度拡散層85を形成する。 図24(c) SOI基板表面は酸化膜75と窒化Si
膜69で保護し、トレンチ側壁を酸化して酸化膜83を
形成する。
【0124】図24(d) 形成したトレンチ内に多結
晶Siを堆積し、SOI基板表面を平坦化する。 図24(e)、図26(a)、図27(a) 酸化膜7
5と窒化Si膜69を2回目のトレンチパターンにパタ
ーニングし、誘電体分離層までSOI層にトレンチを形
成する。その後、SOI基板表面は酸化膜75と窒化S
i膜69で保護し、トレンチ側壁を酸化して酸化膜84
を形成する。側壁表面の不純物濃度が異なるため、1回
目のトレンチ側壁に比べて酸化レートが異なるので、酸
化膜83と酸化膜84は膜厚が異なる。形成したトレン
チ内に多結晶Siを堆積し、SOI基板表面を平坦化す
る。
【0125】図26(b)、図27(b) 弾性支持体
66の固定部65の形成領域に開口部を有するマスク層
86を形成し、酸化膜84を除去する。 図26(c)、図27(c) 除去した酸化膜により形
成された溝部に、固定部65を形成する多結晶Siを堆
積して平坦化を行う。 図25(f) 振動系を形成する領域の窒化Si膜を除
去し、酸化膜87を堆積した後、形成する閉空間形状に
あわせてパターニングを行う。 図25(g) シェルを構成する多結晶Si膜71を堆
積し、パターニングを行う。
【0126】図28(b) シェルの多結晶Si膜71
を支持構造体68に合わせてパターニングし、さらに窒
化Si膜70を全面に堆積し、支持構造体68を形成す
る金属部73に合わせて窒化Si膜70をパターニング
し、エッチング孔を形成する。 図25(h)、図27(d)、図28(c) 弗酸系の
溶液を用いて、酸化膜83、84、87を除去し、シェ
ル内に閉空間と質量72と弾性支持体67よりなる振動
系を形成する。酸化膜83、84、87の除去の際には
質量72を貫通するシェルの支持構造体68の周辺の空
間はエッチング孔としても機能する。
【0127】図25(i)、図26(d)、図28
(d) 金属を全面に堆積し、パターニングする。 前記の工程により、図22に示した加速度センサが形成
される。
【0128】前記のように構成したことにより、本実施
の形態においては、第4の実施の形態に比べて以下のよ
うな効果が得られる。 (1)SOI層のトレンチ内に堆積した多結晶Siで振
動系を形成したため、基板表面での段差を大きくするこ
となく振動系の構造材の厚さを増加できる。そのため電
極対向面積の増加に伴い、電気容量値が増加し、よりS
/Nの高い検出が可能となる。 (2)SOI層のトレンチ内に堆積した多結晶Siで形
成した構造体の断面は閉殻構造であるため断面積以上に
剛性を向上することができる。 (3)前記第6の実施の形態と同様な構成を用いること
により、本実施の形態と同様の製造プロセスで角速度セ
ンサの実現が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す図であり、
(a)は平面模式図、(b)は(a)のL−L’断面模
式図、(c)は(a)のM−M’断面模式図。
【図2】図1の力学量センサを用いた差動容量回路の一
例を示す回路図。
【図3】図1の実施の形態の製造工程の一部を示す断面
模式図。
【図4】図1の実施の形態の製造工程の他の一部を示す
断面模式図。
【図5】本発明の第2の実施の形態を示す図であり、
(a)は平面模式図、(b)は(a)のN−N’断面模
式図、(c)は(a)のO−O’断面模式図。
【図6】図5の実施の形態の製造工程の一部を示す断面
模式図。
【図7】図5の実施の形態の製造工程の他の一部を示す
断面模式図。
【図8】本発明の第3の実施の形態を示す図であり、
(a)は平面模式図、(b)は(a)のP−P’断面模
式図。
【図9】図8の実施の形態の製造工程の一部を示す断面
模式図。
【図10】図8の実施の形態の製造工程の他の一部を示
す断面模式図。
【図11】本発明の第4の実施の形態を示す図であり、
(a)は平面模式図、(b)は(a)のA−A’断面模
式図、(c)は(a)のB−B’断面模式図。
【図12】図11の実施の形態の製造工程の一部を示す
断面模式図。
【図13】図11の実施の形態の製造工程の他の一部を
示す断面模式図。
【図14】本発明の第5の実施の形態を示す図であり、
(a)は平面模式図、(b)は(a)のC−C’断面模
式図、(c)は(a)のD−D’断面模式図。
【図15】図14の実施の形態の製造工程の一部を示す
断面模式図。
【図16】図14の実施の形態の製造工程の他の一部を
示す断面模式図。
【図17】本発明の第6の実施の形態を示す図であり、
(a)は平面模式図、(b)は(a)のE−E’断面模
式図。
【図18】図17の実施の形態の製造工程を示す断面模
式図。
【図19】本発明の第7の実施の形態を示す図であり、
(a)は平面模式図、(b)は(a)のF−F’断面模
式図、(c)は(a)のG−G’断面模式図。
【図20】図19の実施の形態の製造工程の一部を示す
断面模式図。
【図21】図19の実施の形態の製造工程の他の一部を
示す断面模式図。
【図22】本発明の第8の実施の形態の一部を示す図で
あり、(a)は平面模式図、(b)は(a)のH−H’
断面模式図。
【図23】本発明の第8の実施の形態の他の一部を示す
図であり、(a)は図22(a)のI−I’断面模式
図、(b)は図22(a)のJ−J’断面模式図、
(c)は図22(a)のK−K’断面模式図。
【図24】図22、図23の実施の形態の製造工程の一
部を示す断面模式図。
【図25】図22、図23の実施の形態の製造工程の他
の一部を示す断面模式図。
【図26】図22、図23の実施の形態の製造工程の他
の一部を示す断面模式図。
【図27】図22、図23の実施の形態の製造工程の他
の一部を示す断面模式図。
【図28】図22、図23の実施の形態の製造工程の他
の一部を示す断面模式図。
【図29】質量の電位に対向する4つの電極による質量
の駆動およびコリオリ力の検出回路の一例を示す回路
図。
【図30】第1の従来例の平面模式図。
【図31】第1の従来例で発生する不具合例を示す平面
模式図。
【図32】第2の従来例を示す図であり、(a)は平面
模式図、(b)は(a)のQ−Q’断面模式図。
【符号の説明】
1…慣性質量 2…梁部 3、4、5…櫛歯電極 6…検出電極 7…振動質量 8、9…支持部 10…櫛歯電極 11…酸化膜 12…基板 13…検出電極 15…質量 16…支持構造体 17…弾性支持体 18…固定部 19…支持構造体 20…多結晶Si膜 21…窒化Si膜 22…金属部 23…金属部 24…窒化Si膜 25…酸化Si膜 26…Si基板 27…固定部 28…弾性支持体 29…支持構造体 30…質量 32…支持構造体 33…電極 34…窒化Si膜 35…多結晶Si膜 36…窒化Si膜 37…窒化Si膜 38…酸化Si膜 39…Si基板 40…多結晶Si配線 41…金属部 42…電極 44…多結晶Si部 45…酸化膜 46…多結晶Si部 47…酸化膜 48…質量 49…支持構造体 50…弾性支持体 51…固定部 52…支持構造体 53…窒化Si膜 54…多結晶Si膜 55…SOI層部 56、57…金属部 58…酸化Si膜 59…SOI層 60…窒化Si膜 61…ベース基板 62…SOI基板 63…窒化Si膜 64…酸化膜 65…固定部 66…弾性支持体 67…トレンチ部 68…支持構造体 69…窒化Si膜 70…窒化Si膜 71…多結晶Si膜 72…質量 73、74…金属部 75…酸化Si膜 76…SOI層 77…窒化Si層 78…ベース基板 79…SOI基板 80…SOI層部 81…トンネル部 82…トレンチ 83…酸化膜 84…酸化膜 85…高濃度拡散層 86…マスク層 87…酸化膜 88、89…変位制限手段 90…多結晶Si部 91、92…変位制限手段 93…多結晶Si部 100…貫通孔 101…貫通孔 102…シェル 103…シェル 159…駆動電源OS
C1 160…検出電源OSC2 162…復調器 163…バッファ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−249138(JP,A) 特開 平8−178665(JP,A) 特開 平8−114622(JP,A) 特開 平9−196687(JP,A) 特開 平8−111534(JP,A) 特開 平5−248872(JP,A) 特開 平8−43435(JP,A) 特開 平7−294262(JP,A) 特開 平7−91958(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01P 15/125 G01C 19/56 G01P 9/04 H01L 29/84

Claims (26)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性物質で形成された質量と前記質量を
    基板上に支持する導電性物質で形成された弾性支持体と
    を有する振動系と、 前記基板に固定され、前記質量内に設けた貫通孔を貫通
    するように配置された、前記質量の変位を制限する変位
    制限手段と、 力学量入力に応じて前記質量に発生する力を検出軸方向
    の前記質量の変位として検出する前記質量と静電結合し
    た電極と、を備え かつ、前記変位制限手段は、前記質量の検出軸方向の変
    位を検出する電極を兼ねる ことを特徴とする力学量セン
    サ。
  2. 【請求項2】前記導電性物質で形成された振動系、前記
    変位制限手段、前記質量の検出軸方向の変位を検出する
    電極のうち少なくとも一つは堆積した導電性物質で形成
    することを特徴とする請求項1に記載の力学量センサ。
  3. 【請求項3】前記導電性物質で形成された振動系、前記
    変位制限手段、前記質量の検出軸方向の変位を検出する
    電極のうち少なくとも一つは単結晶の導電性物質で形成
    することを特徴とする請求項1に記載の力学量センサ。
  4. 【請求項4】導電性物質で形成された質量と前記質量を
    基板上に支持する導電性物質で形成された弾性支持体と
    を有する振動系と、 前記基板に固定され、前記質量内に設けた貫通孔を貫通
    するように配置された、前記質量の変位を制限する変位
    制限手段と、 力学量入力に応じて前記質量に発生する力を検出軸方向
    の前記質量の変位として検出する前記質量と静電結合し
    た第1の電極と、 前記質量の変位検出軸方向とは異なる方向に前記質量を
    駆動する前記質量と静電結合した第2の電極と、を備
    かつ、前記変位制限手段は、許容される入力範囲におい
    ては前記質量が前記変位制限手段を越えて変位し得ない
    程度に基板上に充分な高さを有する ことを特徴とする力
    学量センサ。
  5. 【請求項5】導電性物質で形成された質量と前記質量を
    基板上に支持する導電性物質で形成された弾性支持体と
    を有する振動系と、 前記基板に固定され、前記質量内に設けた貫通孔を貫通
    するように配置された、前記質量の変位を制限する変位
    制限手段と、 力学量入力に応じて前記質量に発生する力を検出軸方向
    の前記質量の変位として検出する前記質量と静電結合し
    た第1の電極と、 前記質量の変位検出軸方向とは異なる方向に前記質量を
    駆動する前記質量と静電結合した第2の電極と、を備
    かつ、前記変位制限手段は、基板固定端と反対側の端で
    前記質量の貫通孔からはみ出した部分の大きさが、前記
    貫通孔の内径より大きく、前記質量の基板法線方向の変
    位を制限する形状である ことを特徴とする力学量セン
    サ。
  6. 【請求項6】前記変位制限手段は、前記質量の検出軸方
    向の変位を検出する第1の電極または前記質量を駆動す
    る第2の電極を兼ねることを特徴とする請求項4または
    請求項5に記載の力学量センサ。
  7. 【請求項7】前記導電性物質で形成された振動系、前記
    変位制限手段、前記質量の検出軸方向の変位を検出する
    第1の電極、前記質量を駆動する第2の電極のうち少な
    くとも一つは堆積した導電性物質で形成することを特徴
    とする請求項4乃至請求項6の何れかに記載の力学量セ
    ンサ。
  8. 【請求項8】前記導電性物質で形成された振動系、前記
    変位制限手段、前記質量の検出軸方向の変位を検出する
    第1の電極、前記質量を駆動する第2の電極のうち少な
    くとも一つは単結晶の導電性物質で形成することを特徴
    とする請求項4乃至請求項6の何れかに記載の力学量セ
    ンサ。
  9. 【請求項9】前記変位制限手段は、許容される入力範囲
    においては前記質量が前記変位制限手段を越えて変位し
    得ない程度に基板上に充分な高さを有することを特徴と
    する請求項1乃至請求項の何れかに記載の力学量セン
    サ。
  10. 【請求項10】前記変位制限手段は、基板固定端と反対
    側の端で前記質量の貫通孔からはみ出した部分の大きさ
    が、前記貫通孔の内径より大きく、前記質量の基板法線
    方向の変位を制限する形状であることを特徴とする請求
    項1乃至請求項3または請求項9の何れかに記載の力学
    量センサ。
  11. 【請求項11】前記変位制限手段を複数個有し、かつ前
    記変位制限手段は基板固定端と反対側の端で、少なくと
    も一つの隣接する別の前記変位制限手段と前記質量を囲
    むように接続され、前記質量の基板法線方向の変位を制
    限する形状であることを特徴とする請求項1乃至請求項
    9の何れかに記載の力学量センサ。
  12. 【請求項12】導電性物質で形成された質量と弾性支持
    体とを有する振動系と、 前記基板に固定され、前記質量内に設けた貫通孔を貫通
    するように配置された、支持構造体と、 前記支持構造体により基板上に支持され、前記基板とで
    前記振動系を内包する閉空間を形成する導電性のシェル
    と、 力学量入力に応じて前記質量に発生する力を検出軸方向
    の前記質量の変位として検出する前記質量と静電結合し
    た電極と、 前記質量の変位を制限する変位制限手段と、を備え かつ、前記変位制限手段は、前記質量の検出軸方向の変
    位を検出する電極を兼ねる ことを特徴とする力学量セン
    サ。
  13. 【請求項13】前記シェルの支持構造体は、前記質量の
    検出軸方向の変位を検出する電極前記質量の変位制限
    手段との両方を兼ねることを特徴とする請求項12に記
    載の力学量センサ。
  14. 【請求項14】前記シェルは前記質量の変位制限手段を
    兼ねるか、または前記シェルは電気的に独立した複数領
    域で構成され、前記質量の検出軸方向の変位を検出する
    電極を兼ねることを特徴とする請求項12または請求項
    13に記載の力学量センサ。
  15. 【請求項15】前記導電性のシェル、前記シェルを支持
    する支持構造体、前記導電性物質で形成された振動系、
    前記質量の検出軸方向の変位を検出する電極、前記質量
    の変位制限手段のうち少なくとも一つは堆積した導電性
    物質で形成することを特徴とする請求項12乃至請求項
    14の何れかに記載の力学量センサ。
  16. 【請求項16】前記導電性のシェル、前記シェルを支持
    する支持構造体、前記導電性物質で形成された振動系、
    前記質量の検出軸方向の変位を検出する電極、前記質量
    の変位制限手段のうち少なくとも一つは単結晶の導電性
    物質で形成することを特徴とする請求項12乃至請求項
    14の何れかに記載の力学量センサ。
  17. 【請求項17】前記入力する力学量は加速度であること
    を特徴とする請求項1乃至請求項または請求項12乃
    至請求項16の何れかに記載の力学量センサ。
  18. 【請求項18】導電性物質で形成された質量と弾性支持
    体とを有する振動系と、 前記基板に固定され、前記質量内に設けた貫通孔を貫通
    するように配置された、支持構造体と、 前記支持構造体により基板上に支持され、前記基板とで
    前記振動系を内包する閉空間を形成する導電性のシェル
    と、 力学量入力に応じて前記質量に発生する力を検出軸方向
    の前記質量の変位として検出する前記質量と静電結合し
    た第1の電極と、 前記質量の変位検出軸方向とは異なる方向に前記質量を
    駆動する前記質量と静電結合した第2の電極と、 前記質量の変位を制限する手段と、を備えたことを特徴
    とする力学量センサ。
  19. 【請求項19】前記閉空間が真空に維持されていること
    を特徴とする請求項18に記載の力学量センサ。
  20. 【請求項20】前記シェルの支持構造体は、前記質量の
    検出軸方向の変位を検出する第1の電極または前記質量
    を駆動する第2の電極と、前記質量の変位制限手段との
    少なくとも一方を兼ねることを特徴とする請求項18ま
    たは請求項19に記載の力学量センサ。
  21. 【請求項21】前記シェルは前記質量の変位制限手段を
    兼ねるか、または前記シェルは電気的に独立した複数領
    域で構成され、前記質量の検出軸方向の変位を検出する
    第1の電極もしくは前記質量を駆動する第2の電極を兼
    ねることを特徴とする請求項18乃至請求項20の何れ
    かに記載の力学量センサ。
  22. 【請求項22】前記導電性のシェル、前記シェルを支持
    する支持構造体、前記導電性物質で形成された振動系、
    前記質量の検出軸方向の変位を検出する第1の電極、前
    記質量を駆動する第2の電極、前記質量の変位制限手段
    のうち少なくとも一つは堆積した導電性物質で形成する
    ことを特徴とする請求項18乃至請求項21の何れかに
    記載の力学量センサ。
  23. 【請求項23】前記導電性のシェル、前記シェルを支持
    する支持構造体、前記導電性物質で形成された振動系、
    前記質量の検出軸方向の変位を検出する第1の電極、前
    記質量を駆動する第2の電極、前記質量の変位制限手段
    のうち少なくとも一つは単結晶の導電性物質で形成する
    ことを特徴とする請求項18乃至請求項21の何れかに
    記載の力学量センサ。
  24. 【請求項24】前記入力する力学量は角速度であること
    を特徴とする請求項乃至請求項11または請求項18
    乃至請求項23の何れかに記載の力学量センサ。
  25. 【請求項25】前記導電性物質で形成された振動系は、
    基板上に設けた溝部内に堆積した導電性物質で形成する
    ことを特徴とする請求項、請求項7、請求項15また
    は請求項22の何れかに記載の力学量センサ。
  26. 【請求項26】請求項12乃至請求項25に記載の力学
    量センサと周辺の信号処理回路を半導体チップに集積
    し、それを樹脂モールドしたことを特徴とする集積回
    路。
JP25637796A 1996-09-27 1996-09-27 力学量センサおよびそれを用いた集積回路 Expired - Fee Related JP3449130B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25637796A JP3449130B2 (ja) 1996-09-27 1996-09-27 力学量センサおよびそれを用いた集積回路

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25637796A JP3449130B2 (ja) 1996-09-27 1996-09-27 力学量センサおよびそれを用いた集積回路

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10104266A JPH10104266A (ja) 1998-04-24
JP3449130B2 true JP3449130B2 (ja) 2003-09-22

Family

ID=17291845

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25637796A Expired - Fee Related JP3449130B2 (ja) 1996-09-27 1996-09-27 力学量センサおよびそれを用いた集積回路

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3449130B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3660119B2 (ja) * 1998-02-18 2005-06-15 株式会社デンソー 半導体力学量センサ
US6228275B1 (en) * 1998-12-10 2001-05-08 Motorola, Inc. Method of manufacturing a sensor
JP2000180175A (ja) * 1998-12-15 2000-06-30 Mitsumi Electric Co Ltd 多軸検出型角速度、加速度センサ
JP4352490B2 (ja) * 1998-12-15 2009-10-28 ミツミ電機株式会社 振動型角速度センサ
JP5058409B2 (ja) * 2001-03-12 2012-10-24 一介 前中 集積型マルチセンサ
JP2004347475A (ja) * 2003-05-22 2004-12-09 Denso Corp 容量式力学量センサ
JP5624866B2 (ja) * 2010-12-06 2014-11-12 ローム株式会社 Memsセンサの製造方法
JP2015004546A (ja) * 2013-06-19 2015-01-08 ヤマハ株式会社 静電容量変化検出モジュール及びmemsセンサ

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10104266A (ja) 1998-04-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6227050B1 (en) Semiconductor mechanical sensor and method of manufacture
JP5301767B2 (ja) 慣性センサ
US8943890B2 (en) Inertial sensor
JP6300395B2 (ja) 直交誤差補償を有する角速度センサ
JP5444199B2 (ja) 複合センサ
US6089088A (en) Vibrating microgyrometer
JP2009510389A (ja) 音叉ジャイロスコープ、加速度計、および改善されたスケール係数を有する他の検出器
JPH11325916A (ja) 集積された角速度センサ装置及びその製造方法
JP4362877B2 (ja) 角速度センサ
JP3449130B2 (ja) 力学量センサおよびそれを用いた集積回路
JPH08159776A (ja) 角速度センサ
JP2001349732A (ja) マイクロマシンデバイスおよび角加速度センサおよび加速度センサ
JP2001133479A (ja) 慣性力センサおよびその製造方法
JP3931405B2 (ja) 角速度センサ
JP4362739B2 (ja) 振動型角速度センサ
JP2007333642A (ja) 慣性センサおよび慣性センサの製造方法
JPH10197552A (ja) 力学量センサ
KR100211025B1 (ko) 진동형 마이크로 자이로스코프
JPH09318363A (ja) 角速度センサ
JPH0979921A (ja) 力学量センサ
JPH06235733A (ja) 加速度センサ及び角速度センサ
JPH11271354A (ja) 容量型センサ

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080711

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090711

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees