JPH10197552A - 力学量センサ - Google Patents

力学量センサ

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JPH10197552A
JPH10197552A JP52997A JP52997A JPH10197552A JP H10197552 A JPH10197552 A JP H10197552A JP 52997 A JP52997 A JP 52997A JP 52997 A JP52997 A JP 52997A JP H10197552 A JPH10197552 A JP H10197552A
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JP
Japan
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quantity sensor
physical quantity
semiconductor
substrate
signal processing
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JP52997A
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English (en)
Inventor
Takeshi Mitamura
健 三田村
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 力学量を高精度に検出する。 【解決手段】 半導体活性層34に溝部88を設け、溝
部88内に固定部22、30、87を設け、固定部22
に梁26を介して接続部89を設け、接続部89に梁2
7を介して振動質量24を設け、接続部89の側面から
延びた櫛歯電極と固定部30に固定された櫛歯電極とで
駆動電極28を構成し、振動質量24の側面から延びた
櫛歯電極と固定部87に固定された櫛歯電極とで検出電
極25を構成し、固定部87にMOSFET等からなる
バッファ回路を設け、半導体活性層34の溝部88の周
囲に信号処理回路95を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体で構成された
力学量センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、多くの電子ステムが安全性や快適
性向上のために車載されている。たとえば、衝突時に乗
員を保護するエアバックシステム、車両のスピンを防止
するシャシ制御システム、車両の現在位置を知るための
ナビゲーションシステムなどは急速に需要が伸長してい
る。これらのシステムでは力学量を計測する力学量セン
サが重要な役割を果たす。すなわち、エアバックシステ
ムでは加速度センサが主要部品となり、シャシ制御シス
テム、ナビゲーションシステムでは加速度センサが主要
部品となる。これらのシステムでは、力学量センサの高
精度化、小型化、低コスト化が求められ、この要求に対
して半導体で構成された力学量センサが実現されてい
る。
【0003】図20は従来の半導体で構成された力学量
センサ(たとえば、J. Bernstein et al. "Micromachin
ed Comb-Drive Tuning Fork Rate Gyroscope", Digest
IEEE/ASME Micro Electro Mechanical Systems (MEMS)
Workshop, Florida, 1993, 143-148 に開示されてい
る)の一部を示す概略図、図21は図20のA−A断面
図である。図に示すように、基板65上に絶縁膜64が
設けられ、基板65に固定部61、支持部60を介して
振動質量62a、62bが設けられ、振動質量62a、
62bの側面から延びた櫛歯電極と基板65に固定され
た櫛歯電極とで駆動電極63が構成され、固定部61、
振動質量62a、62b等は多結晶シリコン薄膜を選択
的にエッチングして作製されている。また、振動質量6
2a、62bの直下に検出電極66a、66bが設けら
れ、検出電極66a、66b等により検出部が構成され
ている。
【0004】この力学量センサにおいては、共通電位の
端子aに対して端子b〜dに逆位相の駆動電圧を印加す
ると、2つの振動質量62a、62bがそれぞれx方向
の逆方向に駆動される。この状態で、力学量センサがz
軸回りに回転して、z軸方向に角速度Ωが入力すると、
それぞれの振動質量62a、62bに対してy軸方向に
コリオリ力が発生する。そして、振動質量62a、62
bの質量をm、静電引力により駆動される振動質量62
a、62bの速さをVm(t)とすると、コリオリ力Fc
(t)は次式で表される。なお、振動質量62a、62b
はそれぞれ逆方向に駆動されるため、振動質量62a、
62bに作用するコリオリ力Fc(t)の符号は逆にな
る。
【0005】
【数1】Fc(t)=2・m・Vm(t)・Ω このコリオリ力Fc(t)による振動質量62a、62b
のy方向の変位に応じて、振動質量62aと検出電極6
3aとの間の容量、振動質量62bと検出電極63bと
の間の容量が変化するから、差動容量により角速度Ωを
計測することができる。なお、(数1)式から明らかな
ように、コリオリ力Fc(t)を大きくするには速さV
m(t)を大きくすればよく、速さVm(t)を大きくするに
は真空中で共振周波数で振動質量62a、62bを駆動
すればよい。
【0006】図22は従来の他の半導体で構成された力
学量センサ(特開平7−245416号公報)を示す概
略断面図、図23は図22に示した力学量センサのガラ
ス基板を示す概略図、図24は図22に示した力学量セ
ンサの半導体基板を示す概略図、図25は図22に示し
た力学量センサの実装基板を示す概略図である。図に示
すように、実装基板79に溝部81が設けられ、実装基
板79に半導体基板67が接合され、半導体基板67に
信号処理回路72が設けられ、信号処理回路72に出力
パッド73、接続部74が設けられ、半導体基板67に
ガラス基板75が接合され、ガラス基板75に溝部76
が設けられ、またガラス基板75に接続部83、接続部
84が設けられ、接続部83と接続部84とが配線77
により接続され、半導体基板67に溝部80が設けら
れ、溝部80内に固定部68、82が設けられ、固定部
68に梁69を介して質量78が設けられ、ガラス基板
75に固定部68、82が固定され、質量78の側面か
ら延びた櫛歯電極と固定部82に固定された櫛歯電極と
で検出電極70が構成され、梁69、質量78により可
動部が構成され、この可動部、検出電極70により検出
部が構成されている。また、固定部82に接続部71が
設けられ、接続部71と接続部83とが接続され、接続
部84と接続部74とが接続されている。
【0007】この力学量センサにおいては、x方向に加
速度が印加すると、質量78に慣性力が発生し、質量7
8は入力加速度と反対方向に変位する。この変位により
検出電極70の櫛歯電極の間隔が変化し、検出電極70
の静電容量が変化し、この静電容量の変化は配線77を
介して信号処理回路72に入力され、出力パッド73か
ら入力加速度に応じた検出信号が出力される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】図20、図21に示さ
れた力学量センサにおいては、他に信号処理回路が必要
であり、たとえば別に信号処理回路が構成された集積回
路が必要となる。しかし、半導体技術を用いた静電容量
変化型の検出部の静電容量は通常数pF以下であるか
ら、検出部と信号処理回路とを接続する金属配線等にお
ける寄生容量や電磁波等のノイズの影響により、信号処
理回路に到達するまでに静電容量変化は劣化し、力学量
を高精度に検出することができない。
【0009】また、図22〜図25に示された力学量セ
ンサにおいては、検出部と信号処理回路72とをガラス
基板75に設けられた配線77により接続しているか
ら、図20、図21に示された力学量センサと比較して
寄生容量やノイズの混入を抑制することができる。しか
し、配線77にも寄生容量やノイズの影響が存在し、検
出部が微細化して検出電極70の静電容量が小さくな
り、静電容量変化が微小になるほど上記影響は無視でき
なくなり、やはり力学量を高精度に検出することができ
ない。
【0010】本発明は上述の課題を解決するためになさ
れたもので、力学量を高精度に検出することができる力
学量センサを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明においては、半導体活性層に形成された可動
構造体の固定部にバッファ回路を設ける。
【0012】また、半導体支持基板、上記半導体支持基
板上に形成された絶縁層および上記絶縁層上に形成され
た半導体活性層で形成されたSOI基板と、上記半導体
活性層に形成されかつ検出電極を有する可動構造体と、
上記可動構造体の固定部に設けられかつMOSFETを
有するバッファ回路とを設ける。
【0013】この場合、上記可動構造体に駆動電極を設
ける。
【0014】また、上記MOSFETとして、上記固定
部に形成されかつ共通固定電位に接続されたウェル領域
と、上記ウェル領域に形成されたソースおよびドレイン
領域と、上記ソース、ドレイン間領域に絶縁膜を介して
設けられたゲート電極とを有するものを用いる。
【0015】また、上記MOSFETとして、上記固定
部に形成されたソースおよびドレイン領域と、上記ソー
ス、ドレイン間領域に絶縁膜を介して設けられかつ共通
固定電位に接続されたゲート電極とを有するものを用い
る。
【0016】また、上記絶縁層として火焔堆積法で形成
したSi−B−Oガラス層を用い、上記MOSFETを
上記Si−B−Oガラス層で絶縁分離された絶縁分離領
域に形成する。
【0017】これらの場合、上記バッファ回路、上記検
出電極または上記駆動電極への電気的接続を金属線によ
り行なう。
【0018】また、上記バッファ回路、上記検出電極ま
たは上記駆動電極への電気的接続を上記SOI基板に接
合された絶縁基板上の配線により行なう。
【0019】これらの場合、上記半導体活性層に信号処
理回路を形成する。
【0020】また、上記SOI基板に信号処理回路が形
成された半導体基板を接続する。
【0021】この場合、上記バッファ回路、上記検出電
極または上記駆動電極と上記半導体基板とをフリップチ
ップボンディングにより接合する。
【0022】また、上記半導体基板に貫通孔を形成し、
上記信号処理回路を上記貫通孔の周囲に形成し、上記貫
通孔の位置と上記可動構造体の位置とをほぼ一致させ
る。
【0023】また、上記半導体基板をMOSデバイスプ
ロセスで形成した第1の半導体基板とバイポーラデバイ
スプロセスで形成した第2の半導体基板とで構成し、上
記第1、第2の半導体基板を接続する配線を上記SOI
基板に設ける。
【0024】これらの場合、上記SOI基板および上記
半導体基板を封止されたカンパッケージ内に実装する。
【0025】
【発明の効果】本発明に係る力学量センサにおいては、
半導体活性層に形成された可動構造体の固定部にバッフ
ァ回路を設けているから、可動構造体の変位検出を可動
構造体の真近で電気信号に変換することができるので、
処理回路に至る配線部にて発生する寄生容量やノイズの
影響が少なくなるため、力学量を高精度に検出すること
ができる。
【0026】また、本発明に係る力学量センサにおいて
は、半導体支持基板、半導体支持基板上に形成された絶
縁層および絶縁層上に形成された半導体活性層で形成さ
れたSOI基板と、半導体活性層に形成されかつ検出電
極を有する可動構造体と、可動構造体の固定部に設けら
れかつMOSFETを有するバッファ回路とを設けてい
るから、可動構造体の変位検出を検出電極の真近で電気
信号に変換することができるので、処理回路に至る配線
部にて発生する寄生容量やノイズの影響が少なくなるた
め、力学量を高精度に検出することができる。
【0027】また、可動構造体に駆動電極を設けたとき
には、角速度を検出することができる。
【0028】また、MOSFETとして、固定部に形成
されかつ共通固定電位に接続されたウェル領域と、ウェ
ル領域に形成されたソースおよびドレイン領域と、ソー
ス、ドレイン間領域に絶縁膜を介して設けられたゲート
電極とを有するものを用いたときには、バッファ回路の
ストレイ容量となるpn接合容量は半導体活性層とウェ
ル領域との間のpn接合容量のみであるから、ストレイ
容量を抑制することができるので、高精度に低インピー
ダンス化が可能である。
【0029】また、MOSFETとして、固定部に形成
されたソースおよびドレイン領域と、ソース、ドレイン
間領域に絶縁膜を介して設けられかつ共通固定電位に接
続されたゲート電極とを有するものを用いたときには、
バッファ回路のストレイ容量は固定部と半導体支持基板
との間の静電容量であるから、ストレイ容量を抑制する
ことができるので、高精度に低インピーダンス化が可能
である。
【0030】また、絶縁層として火焔堆積法で形成した
Si−B−Oガラス層を用い、MOSFETをSi−B
−Oガラス層で絶縁分離された絶縁分離領域に形成した
ときには、バッファ回路のストレイ容量主因となるpn
接合容量が絶縁層によりほぼ除去され、またバッファ回
路のストレイ容量の主因となる半導体支持基板と半導体
活性層との間の静電容量は絶縁層を厚膜化することによ
りほぼ除去されるから、ストレイ容量を抑制することが
できるので、高精度に低インピーダンス化が可能であ
る。
【0031】また、バッファ回路、検出電極または駆動
電極への電気的接続を金属線により行なったときには、
バッファ回路、検出電極または駆動電極への電気的接続
を確実に行なうことができる。
【0032】また、バッファ回路、検出電極または駆動
電極への電気的接続をSOI基板に接合された絶縁基板
上の配線により行なったときには、バッファ回路、検出
電極または駆動電極への電気的接続を容易に行なうこと
ができる。
【0033】また、半導体活性層に信号処理回路を形成
したときには、小型化することができる。
【0034】また、SOI基板に信号処理回路が形成さ
れた半導体基板を接続したときには、半導体基板を設計
するときにより微細なデバイス設計ルールを適用するこ
とができるから、低コストで力学量センサを製造するこ
とができる。
【0035】また、バッファ回路、検出電極または駆動
電極と半導体基板とをフリップチップボンディングによ
り接合したときには、バッファ回路、検出電極または駆
動電極と半導体基板とを確実に接続することができる。
【0036】また、半導体基板に貫通孔を形成し、信号
処理回路を貫通孔の周囲に形成し、貫通孔の位置と可動
構造体の位置とをほぼ一致させたときには、SOI基板
と半導体基板との位置合わせを貫通孔を介してSOI基
板を目視観察することにより行なうことができる。
【0037】また、半導体基板をMOSデバイスプロセ
スで形成した第1の半導体基板とバイポーラデバイスプ
ロセスで形成した第2の半導体基板とで構成し、第1、
第2の半導体基板を接続する配線をSOI基板に設けた
ときには、歩留まりの向上やデバイス設計ルールの縮小
等によりプロセスコストを低減することができる。
【0038】また、SOI基板および半導体基板を封止
されたカンパッケージ内に実装したときには、SOI基
板、半導体基板に異物が付着するのを防止することがで
き、またカンパッケージ内を所定の雰囲気に保持するこ
とができるから、動作が確実に行なわれる。
【0039】
【発明の実施の形態】図2は本発明に係る力学量センサ
を示す概略断面図、図1は図2のB−B断面図、図3は
図1のC−C断面図である。図に示すように、半導体支
持基板36に絶縁層である酸化膜35を介してn型の半
導体活性層34が接合され、半導体活性層34に絶縁基
板であるガラス基板33が陽極接合法などにより接合さ
れている。半導体支持基板36、酸化膜35、半導体活
性層34によりSOI基板が構成されている。また、半
導体活性層34に溝部88が設けられ、溝部88内に固
定部22、30、87が設けられ、ガラス基板33に固
定部22が固定され、固定部22に梁26を介して接続
部89が設けられ、接続部89に梁27を介して振動質
量24が設けられ、ガラス基板33に固定部30、87
が固定され、接続部89の側面から延びた櫛歯電極と固
定部30に固定された櫛歯電極とで駆動電極28が構成
され、振動質量24の側面から延びた櫛歯電極と固定部
87に固定された櫛歯電極とで検出電極25が構成さ
れ、梁26、接続部89、梁27、振動質量24により
2重振動系が構成され、この2重振動系、駆動電極2
8、検出電極25により可動構造体が構成され、2重振
動系は真空に保持されている。また、固定部87に絶縁
膜である酸化膜101を介して配線98が設けられ、固
定部87にp型ウェル領域105が形成され、p型ウェ
ル領域105が配線98、高濃度p型拡散層109を介
して共通固定電位であるGNDに接続され、p型ウェル
領域105内に高濃度n型拡散層104からなるソー
ス、ドレイン領域が形成され、ソース、ドレイン間に酸
化膜101を介して多結晶シリコンからなるゲート電極
99が形成され、ソース、ドレイン領域、ゲート電極9
9等によりn型チャネルのMOSFET111が構成さ
れ、MOSFET111の表面にパッシベーション膜1
00が設けられている。そして、検出電極25の固定部
87に固定された櫛歯電極の電位は固定部87と共通で
あり、固定部87は高濃度n型拡散層104を介してゲ
ート電極99に接続されている。また、ゲート電極99
は負荷抵抗110を介してDCバイアス電位Vbiasに接
続され、MOSFET111等により検出電極25の静
電容量変化を電気信号に変換するバッファ回路が構成さ
れている。そして、固定部30にも固定部87に設けら
れたバッファ回路と同様のバッファ回路が設けられてい
る。また、固定部22にパッド90が設けられ、固定部
30にバッファ回路の電源供給および出力用のパッド2
9が設けられ、固定部87にパッド92が設けられ、半
導体活性層34の溝部88の周囲にインターフェイスパ
ッド21、信号処理回路95が設けられ、パッド90、
29、92とインターフェイスパッド21とがガラス基
板33の表面に形成された配線(図示せず)により接続
され、パッド90、29、92とガラス基板33の表面
に形成された配線とはガラス基板33に溝部91を形成
して実現した凸部32に設けられたパッド(図示せず)
を介して接続されている。また、インターフェイスパッ
ド21と信号処理回路95とが配線97により接続さ
れ、半導体活性層34に信号処理回路95と接続された
入出力パッド96が設けられている。
【0040】この力学量センサにおいては、パッド29
に2重振動系のx方向共振周波数を有する駆動電圧を印
加したときには、接続部89、梁27、振動質量24が
x方向に駆動する。この場合、振動振幅は駆動電極28
の静電容量変化により固定部30に設けたバッファ回路
で検出可能である。この状態で、z軸方向に角速度Ωが
印加すると、振動質量24にy軸方向のコリオリ力が発
生し、振動質量24がy軸方向に変位するから、検出電
極25に静電容量変化が生ずる。そして、発生した静電
容量変化が固定部87に設けられたバッファ回路により
振動質量24の変位に応じた電気信号に変換され、この
電気信号がインターフェイスパッド21を介して信号処
理回路95に伝達され、電気信号が信号処理回路95に
より処理され、入出力パッド96から入力角速度に応じ
た検出信号が出力される。
【0041】つぎに、図4により図3に示したバッファ
回路における信号変換について説明する。接地されてい
る振動質量24がy軸方向に変位すると、検出電極25
の容量Csが変化し、固定部87、ゲート電極99の電
位が変動するから、MOSFET111において電圧信
号として出力される。なお、バッファ回路次段以降にお
ける信号の出力方法の詳細は省略する。
【0042】図1〜図3に示した力学量センサにおいて
は、可動構造体の変位検出を検出電極25の真近で電気
信号に変換することができ、かつ低インピーダンス化が
可能であるから、処理回路95に至る配線部にて発生す
る寄生容量やノイズの影響が少なくなるので、S/N比
の劣化を防止することができるため、角速度Ωを高精度
に検出することができる。また、2重振動系が真空に保
持されているから、駆動時と検出時の振幅を大きくする
ことができるので、さらに角速度Ωを高精度に検出する
ことができる。また、パッド90、29、92とインタ
ーフェイスパッド21とがガラス基板33の表面に形成
された配線により接続されているから、バッファ回路、
検出電極25、駆動電極28への電気的接続を容易に行
なうことができる。また、半導体活性層34に信号処理
回路95を形成しているから、小型化することができ
る。また、活性半導体層34とガラス基板33との接合
をそれぞれウェハ状態でバッチプロセスで実行すれば、
実装工数を大幅に削減でき、またウェハ状態からチップ
状態にするダイシング工程においてチップの保護等が容
易である。
【0043】ところで、実際にゲート電極99に発生す
る電位変動はストレイ容量Cstrayにより検出電極25
の電位変動の1/{1+(Cstray/Cs)}に低下する
から、高精度に変位を検出するためには、ストレイ容量
Cstrayを抑制する必要がある。そして、固定部87に
設けたMOSFET111で発生するストレイ容量Cst
rayとしては固定部87内でのpn接合容量、固定部8
7と半導体支持基板36との間の静電容量がある。そし
て、図5に示すように、固定部87を電源電圧Vccに接
続し、検出電極25の櫛歯電極の電位を分離するために
p型拡散層112を形成したときには、半導体活性層3
4とp型拡散層112との間のpn接合容量がゲート電
極99と電源電圧Vccとの間に生ずるから、このpn接
合容量はストレイ容量Cstrayとなり、しかもpn接合
容量は検出電極25の櫛歯電極の数に比例するから、検
出容量を大きくするほどストレイ容量Cstrayが大きく
なり、バッファ回路から出力される電気信号が低下す
る。これに対して、バッファ回路を図3に示すようにし
たときには、ストレイ容量Cstrayとなるpn接合容量
は半導体活性層34とp型ウェル領域105との間のp
n接合容量のみである。そして、MOSFETデバイス
設計ルールによるが、半導体活性層34の厚さが10μ
m以下の場合、検出電極25の櫛歯電極の本数と最小の
p型ウェル領域105のpn結合面積がほぼ同等である
とすると、図5に示したバッファ回路の方が図3に示し
たバッファ回路よりも100倍程度のpn接合面を有す
る。また、このpn接合面積の比はMOSFETデバイ
ス設計ルールの縮小と半導体活性層34の厚膜化に伴い
さらに大きくなる。なお、固定部87と半導体支持基板
36との間の静電容量は電極固定部全体の面積で決まる
から、図3に示したバッファ回路の方が図5に示したバ
ッファ回路よりも大きくなるが、固定部87と半導体支
持基板36との間の単位面積あたりの静電容量はpn接
合容量に比べて1桁程度小さいので、影響は少なく、図
3に示したバッファ回路の方が図5に示したバッファ回
路よりもストレイ容量Cstrayを抑制することができ
る。したがって、検出電極25の真近で高精度に静電容
量変化を電気信号に変換することができ、かつ低インピ
ーダンス化が可能である。なお、p型ウェル領域105
が設けられているから、固定部87、ゲート電極99の
電位が変動したとしても、バックゲート電位の変動を抑
制することができる。
【0044】図6は本発明に係る他の力学量センサを示
す概略断面図、図7は図6に示した力学量センサの検出
部チップを示す概略平面図、図8は図7に示した検出部
チップを示す概略正断面図、図9は図7のD−D断面図
である。図に示すように、配線パターン(図示せず)を
有する絶縁基板119上に検出部チップ120および半
導体基板である信号処理回路チップ123が固定され、
絶縁基板119上に入出力パッド124が設けられ、絶
縁基板119の配線パターンと検出部チップ120、信
号処理回路チップ123とが金属線122により電気的
に接続され、検出部チップ120はキャップ121に覆
われている。また、検出部チップ120の半導体支持基
板13に絶縁層である酸化膜12を介してn型の半導体
活性層1が接合され、半導体支持基板13、酸化膜1
2、半導体活性層1によりSOI基板が構成されてい
る。また、半導体活性層1に溝部85が設けられ、溝部
85内に固定部5、6が設けられ、半導体支持基板13
に固定部5が固定され、固定部5に梁9を介して質量8
が設けられ、半導体支持基板13に固定部6が固定さ
れ、質量8の側面から延びた櫛歯電極と固定部6に固定
された櫛歯電極とで検出電極7が構成され、質量8、梁
9により可動部が構成され、可動部、検出電極7により
可動構造体が構成されている。また、固定部5にパッド
10が設けられ、固定部6にパッド14が設けられ、半
導体活性層1には中間パッド2および検出部チップ12
0全体への電源供給および信号処理回路出力のためのイ
ンターフェイスパッド3が設けられ、中間パッド2とイ
ンターフェイスパッド3とが共通配線4により接続さ
れ、パッド10、14と中間パッド2とが金属線11に
より接続されている。また、固定部6には絶縁膜である
酸化膜131を介して配線128が設けられ、高濃度p
型拡散層139からなるソース、ドレイン領域が形成さ
れ、ソース、ドレイン間に酸化膜131を介して多結晶
シリコンからなるゲート電極129が形成され、ゲート
電極129が共通固定電位であるGNDに接続され、ソ
ース、ドレイン領域、ゲート電極129等によりp型チ
ャネルのMOSFET141が構成され、MOSFET
141の表面にパッシベーション膜130が設けられて
いる。そして、検出電極7の固定部6に固定された櫛歯
電極の電位は固定部6と共通であり、固定部6は高濃度
n型拡散層134、負荷抵抗140を介してDCバイア
ス電位Vbiasに接続され、MOSFET141等により
検出電極7の静電容量変化を電気信号に変換するバッフ
ァ回路が構成されている。
【0045】この力学量センサにおいては、x方向に加
速度が印加すると、質量8に慣性力が発生し、質量8は
入力加速度と反対方向に変位する。この変位により検出
電極7の櫛歯電極の間隔が変化し、検出電極7の静電容
量が変化し、この静電容量の変化は固定部6に設けられ
たバッファ回路により電圧信号に変換され、この電圧信
号はインターフェイスパッド3、金属線122を介して
信号処理回路チップ123に伝達され、電圧信号が信号
処理回路チップ123により処理され、入出力パッド1
24から入力加速度に応じた検出信号が出力される。ま
た、固定部6に設けられたバッファ回路にはインターフ
ェイスパッド3、共通配線4、中間パッド2、金属線1
1を介して電力が供給される。
【0046】つぎに、図10により図9に示したバッフ
ァ回路における信号変換について説明する。接地されて
いる質量8がx軸方向に変位すると、検出電極7の容量
Csが変化し、固定部6の電位が変化して、この電位変
動は接地されたゲート電極129に対するバックゲート
に直接入力され、MOSFET141において電圧信号
として出力される。なお、バッファ回路次段以降におけ
る信号の出力方法の詳細は省略する。
【0047】図6〜図9に示した力学量センサにおいて
は、検出部チップ120にバッファ回路が設けられてい
るから、信号処理回路チップ123に至る配線部にて発
生する寄生容量やノイズの影響が少なくなるので、S/
N比の劣化を防止することができるため、加速度を高精
度に検出することができる。また、検出部チップ120
と信号処理回路チップ123とに分離されているから、
開発、仕様変更における修正、変更が検出部、信号処理
回路のいずれか一方に加えられる場合には、検出部チッ
プ120、信号処理回路チップ123のいずれか一方の
みを変更すればよいから、検出部、信号処理回路が同一
のチップに集積されている場合と比較して、力学量セン
サの開発コストを抑制することができ、また仕様変更に
要する開発期間を短縮することができる。また、検出部
チップ120と信号処理回路チップ123とに分離され
ているから、検出部、信号処理回路が同一のチップに集
積されている場合と比較して、信号処理回路チップ12
3を設計するとき、より微細なデバイス設計ルールを適
用することができるので、低コストで力学量センサを製
造することができる。また、検出部チップ120はキャ
ップ121に覆われているから、ゴミ、水蒸気等の侵入
を防止することができる。パッド10、14と中間パッ
ド2とが金属線11により接続されているから、バッフ
ァ回路、検出電極7への電気的接続を確実に行なうこと
ができる。
【0048】また、実際にバックゲートに発生する電位
変動はストレイ容量Cstrayにより検出電極7の電位変
動の1/{1+(Cstray/Cs)}に低下し、ストレイ
容量Cstrayは固定部6と半導体支持基板13との間の
静電容量であり、この静電容量は固定部6の面積に比例
するが、固定部6と半導体支持基板13との間の単位面
積あたりの静電容量はpn接合容量に比べて1桁程度小
さいので、図9に示したバッファ回路の方が図5に示し
たバッファ回路よりもストレイ容量Cstrayを抑制する
ことができる。したがって、検出電極7の真近で高精度
に静電容量変化を電気信号に変換することができ、かつ
低インピーダンス化が可能である。
【0049】図11は本発明に係る他の力学量センサを
示す概略断面図、図12は図11に示した力学量センサ
の信号処理回路チップを示す概略平面図、図13は図1
2に示した信号処理回路チップを示す概略裏面図、図1
4は図11に示した力学量センサの検出部チップを示す
概略平面図である。図に示すように、カンパッケージの
ベース42にスペーサ45を介して半導体基板である信
号処理回路チップ46が取り付けられ、信号処理回路チ
ップ46に検出部チップ37が取り付けられ、ベース4
2にカンパッケージのキャップ38が溶着により封止さ
れ、検出部チップ37および信号処理回路チップ46が
カンパッケージ内に実装されている。また、信号処理回
路チップ46には裏面から表面に達する貫通孔44が設
けられ、信号処理回路チップ46の表面の貫通孔44の
周囲に信号処理回路43が形成され、信号処理回路チッ
プ46の表面の貫通孔44隣接部および信号処理回路4
3部にはフリップチップボンディング用のパッド39a
が形成され、パッド39aの周囲にはシール用のパッド
47aが形成され、信号処理回路チップ46の裏面の貫
通孔44の周囲に複数領域に分割されたスペーサ45が
設けられている。また、検出部チップ37は半導体支持
基板、絶縁層、半導体活性層からなるSOI基板で構成
され、SOI基板に可動構造体が設けられ、可動構造体
の固定部にMOSFET等からなるバッファ回路が形成
されている。そして、検出部チップ37の表面には可動
構造体への電気的接続およびバッファ回路への電源供給
と出力用のパッド39bが固定部に合わせて形成され、
検出部チップ37の周辺部には信号処理回路チップ46
に形成されたシール用のパッド47aに合わせてシール
用のパッド47bが形成され、信号処理回路チップ46
と検出部チップ37とはパッド39a、39b、パッド
47a、47bにおいて半田バンプを介してフリップチ
ップボンディングにより接合され、貫通孔44の位置と
可動構造体の位置とがほぼ一致している。また、信号処
理回路43にパッド40が設けられ、ベース42にリー
ド52が取り付けられ、パッド40とリード52とが金
属線41により接続されている。さらに、検出部チップ
37の構造に従い、例えば加速度センサの場合は窒素封
止され、また角速度センサの場合は真空封止され、信号
処理回路チップ46の貫通孔44により検出部チップ3
7の可動構造体もカンパッケージ内と同一雰囲気に保持
されている。
【0050】つぎに、図15により図11〜図14に示
した力学量センサの製造方法について説明する。まず、
図15(a)に示すように、検出部ウェハ93と信号処理
回路ウェハ94との表面同士を接続すべきパッド39
a、39bの位置合わせを行なう。この場合、位置合わ
せはたとえば信号処理回路ウェハ94の貫通孔44を介
して検出部ウェハ93を目視観察することにより行な
う。なお、パッド39a、39b上にはたとえば半田バ
ンプが形成されている。つぎに、図15(b)に示すよう
に、位置合わせした検出部ウェハ93、信号処理回路ウ
ェハ94を加熱処理して半田を溶融し、電気的接続と機
械的な接合を実現する。このとき、検出部ウェハ93、
信号処理回路ウェハ94上に配設したパッド47a、4
7bによりの貫通孔44の全周囲で機械的に接合され
る。つぎに、図15(c)に示すように、検出部ウェハ9
3のみをダイシングする。すなわち、信号処理回路ウェ
ハ94の裏面をダイシングテープ56上に貼付して固定
し、検出部ウェハ93のみをダイシングブレード55に
よりダイシングする。その結果、検出部チップ37の周
囲にダイシング溝54が形成される。つぎに、図15
(d)に示すように、信号処理回路ウェハ94をダイシン
グする。すなわち、検出部ウェハ93の裏面をダイシン
グテープ57上に貼付して固定する。この際に、信号処
理回路ウェハ94の裏面に貼付したダイシングテープ5
6は残しておく。つぎに、信号処理回路ウェハ94をダ
イシングブレード59によりダイシングする。このダイ
シング時の位置合わせは貫通孔44を利用することによ
り可能である。また、ダイシングブレード59はダイシ
ングブレード55より幅が狭い。したがって、ダイシン
グ溝54に合わせてダイシング溝58を形成可能であ
る。つぎに、図15(e)に示すように、ダイシングテー
プ56を剥離して力学量センサチップに分割する。な
お、ダイシングテープ56として粘着力が紫外線照射に
より低下するもの等を利用すれば、力学量センサチップ
の分割が容易である。
【0051】ところで、力学量センサにおいては、高精
度のアナログ信号処理回路用にバイポーラデバイスが必
須であり、一方微小静電容量変化検出には高入力インピ
ーダンスを有するMOSFETデバイスが必須である。
そして、信号処理回路をバイポーラデバイスとMOSF
ETデバイスを集積して形成するBiCMOSプロセス
も知られているが、プロセスの複雑化に伴いプロセスコ
ストの増加は否めない。これに対して、図11〜図14
に示した力学量センサにおいては、微小静電容量検出に
必要なMOSFETによるバッファ回路を検出部チップ
37に集積したから、信号処理回路チップ46はバイポ
ーラデバイスプロセスのみで実現でき、トータルで力学
量センサの製造コストを低減することができる。また、
信号処理回路チップ46に貫通孔44を形成する場合、
表面型デバイスであるMOSFETデバイスに比べてバ
イポーラデバイスの方がプロセス時の汚染等への耐性が
高く、信号処理回路チップ46の歩留まりが高いという
利点もある。また、信号処理回路チップ46と検出部チ
ップ37とをフリップチップボンディングにより接合し
ているから、検出部チップ37に設けられたバッファ回
路、検出電極、駆動電極と信号処理回路チップ46とを
確実に接続することができる。また、貫通孔44の位置
と可動構造体の位置とがほぼ一致しているから、パッド
39a、39bの位置合わせを貫通孔44を介して検出
部ウェハ93を目視観察することにより行なうことがで
きるから、容易にかつ正確に信号処理回路ウェハ94と
検出部ウェハ93との位置合わせを行なうことができ
る。また、検出部チップ37、信号処理回路チップ46
が封止されたカンパッケージ内に実装されているから、
検出部チップ37、信号処理回路チップ46に異物が付
着するのを防止することができ、またカンパッケージ内
を所定の雰囲気に保持することができるので、動作が確
実に行なわれる。また、信号処理回路チップ46の貫通
孔44の周囲にパッド47aを設け、検出部チップ37
にもそれに合わせてパッド47bを設け、信号処理回路
チップ46と検出部チップ37とをフリップチップボン
ディングにより接合し、ダイシングテープ56、57を
第15図のように活用することにより、特別な手法を用
いることなくダイシングを行なうことができるから、実
装時の歩留まりを向上することができ、また製造コスト
を低減することができる。
【0052】図16は本発明に係る他の力学量センサを
示す概略正断面図、図17は図16に示した力学量セン
サの信号処理回路チップおよび検出部チップを示す概略
平面図である。図に示すように、カンパッケージのベー
ス42に接着剤49により第1、第2の半導体基板であ
る信号処理回路チップ48、50が取り付けられ、信号
処理回路チップ48、50に検出部チップ37が取り付
けられ、信号処理回路チップ48にはバイポーラデバイ
スプロセスで信号処理回路43aが形成され、信号処理
回路チップ50にはCMOSデバイスプロセスで信号処
理回路43bが形成され、信号処理回路チップ48、5
0が検出部チップ37上に配置した配線51により電気
的に接続されている。
【0053】ところで、力学量センサは可動構造体およ
びMOSFETを有するバッファ回路を集積した検出部
チップとバイポーラデバイスプロセスによる信号処理回
路チップとの2つのチップ構成で実現することができ
る。しかし、信号処理回路の高機能化に伴い、通信によ
りデータをメモリに書き込み、これを用いて製造バラツ
キ等を所定の仕様にあわせるトリミング等の必要が生ず
れば、信号処理回路はバイポーラデバイスプロセスのみ
でば対応できなくなり、CMOSデバイスプロセスが必
要になる。当然のことながら、信号処理回路をBiCM
OSデバイスプロセスで実現してもよい。そして、図1
6、17に示す力学量センサにおいては、バイポーラデ
バイスプロセス、CMOSデバイスプロセスのそれぞれ
で信号処理回路チップ48、50を作成し、信号処理回
路チップ48、50を配線51で接続しているから、歩
留まりの向上やデバイス設計ルールの縮小等によりプロ
セスコストを低減することができる。また、検出部チッ
プ37、信号処理回路チップ48、50が封止されたカ
ンパッケージ内に実装されているから、検出部チップ3
7、信号処理回路チップ48、50に異物が付着するの
を防止することができ、またカンパッケージ内を所定の
雰囲気に保持することができるので、動作が確実に行な
われる。
【0054】図18は本発明に係る他の力学量センサの
一部を示す断面図である。図に示すように、半導体支持
基板36に火焔堆積法で形成したSi−B−Oガラス層
からなる絶縁層152を介して半導体活性層34が接合
され、固定部87の一部に絶縁層152によって分離さ
れた絶縁分離領域118が形成され、固定部87の絶縁
層152との界面には熱酸化膜(図示せず)が形成さ
れ、固定部87には酸化膜151を介して配線148が
設けられ、絶縁分離領域118が配線148、高濃度p
型拡散層159を介してGNDに接続され、高濃度n型
拡散層154からなるソース、ドレイン領域が形成さ
れ、ソース、ドレイン間に酸化膜151を介して多結晶
シリコンからなるゲート電極149が形成され、ソー
ス、ドレイン領域、ゲート電極149等によりn型チャ
ネルのMOSFET161が構成され、MOSFET1
61の表面にパッシベーション膜150が設けられてい
る。そして、検出電極25の固定部87に固定された櫛
歯電極の電位は固定部87の一部と共通であり、固定部
87の一部は高濃度n型拡散層154を介してゲート電
極149に接続されている。また、ゲート電極149は
負荷抵抗160を介してDCバイアス電位Vbiasに接続
され、MOSFET161等により検出電極25の静電
容量変化を電気信号に変換するバッファ回路が構成さ
れ、このバッファ回路の等価回路は図4に示した回路と
同等である。
【0055】つぎに、図19により図18に示した力学
量センサの製造方法、すなわち火焔堆積法で形成したS
i−B−Oガラス層により絶縁層が形成されたSOI基
板つまりSODIC基板(T. Anno et al., "The Soot
Deposited Integrated Circuit Substrate of 6 inch D
iameter for High Voltage ICs, Improved in the Dura
bility against the Pressure Cooker Test", Proceedi
ngs of 1995 International Symposium on Power Semic
onductor Devices & ICs, Yokohama, 1995, 298-302)
を用いた製造方法について説明する。まず、図19(a)
に示すように、半導体活性層34に異方性エッチング法
を用いてV溝を形成し、V溝に熱酸化膜(図示せず)を
形成し、SiCl4、BCl3、H2、O2混合ガスを燃焼
反応して生成したSi−B−O微粉末(スート)152
aをV溝を覆うよう半導体活性層基板全面に堆積し、S
i−B−O微粉末152a上に半導体支持基板36を重
ねる。つぎに、図19(b)に示すように、全体を加熱す
ることにより、Si−B−O微粉末をSi−B−Oガラ
ス化して、半導体支持基板36と半導体活性層34とを
接合する。つぎに、図19(c)に示すように、半導体活
性層34を研磨することにより、絶縁分離領域118を
形成する。
【0056】図18に示した力学量センサのバッファ回
路においては、ゲート電極149における電位低下をも
たらすストレイ容量Cstrayを図3、図9に示したバッ
ファ回路よりも抑制することができる。すなわち、図3
に示したバッファ回路のストレイ容量Cstrayの主因と
なった半導体活性層34とp型ウェル領域105との間
のpn接合容量は、図18に示した力学量センサのバッ
ファ回路では火焔堆積法で形成したSi−B−Oガラス
層からなる絶縁層152によりほぼ除去される。また、
図9に示したバッファ回路のストレイ容量Cstrayの主
因となった半導体支持基板13と半導体活性層1との間
の静電容量は、図18に示した力学量センサのバッファ
回路では火焔堆積法で形成したSi−B−Oガラス層か
らなる絶縁層152を厚膜化することによりほぼ除去さ
れる。なお、絶縁層152の厚膜化は容易であり、数十
μm厚が可能である。したがって、図18に示した力学
量センサのバッファ回路においては、図3、図9に示し
たバッファ回路と比較してストレイ容量Cstrayをさら
に抑制することができるから、より高精度に検出電極2
5の静電容量変化を電気信号に変換することができ、か
つ低インピーダンス化が可能である。
【0057】また、SODIC基板を用いることにより
電極固定部からの配線の引き出しを、配線が形成された
絶縁基板との接合等の必要なく容易に実現できるという
効果が得られる。
【0058】配線の構造を図26に示す。SODIC基
板における電極固定部からの配線引き出しの模式図を図
26に示す。図26(a)は電極固定部と可動体を取り囲
む共通フレームa7の拡大模式図である。図26(b)は
配線引き出し部a1の拡大図、図26(c)は配線引き出
し部のE−E断面図である。配線引き出し部においては
電極固定部と共通フレーム部はV溝内に堆積したスート
層a3により分離されている。配線a5がスート層a3
を横切る部分には配線5aの幅に合わせてトレンチ溝a
2が形成されている。配線a5上にはパッシベーション
膜a4が形成されている。
【0059】図26のような構造とすることでSODI
C基板のみで電極固定部からの配線引き出しが可能であ
り、かつpn接合分離部分が存在しないので寄生容量を
大幅に抑制することができる。
【0060】なお、上述実施の形態においては、n型チ
ャネルのMOSFET111を設けたが、MOSFET
111の代わりにp型チャネルのMOSFETを設けて
もよい。また、上述実施の形態においては、p型チャネ
ルのMOSFET141を設けたが、MOSFET14
1の代わりにn型チャネルのMOSFETを設けてもよ
い。また、上述実施の形態においては、n型チャネルの
MOSFET161を設けたが、MOSFET161の
代わりにp型チャネルのMOSFETを設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2のB−B断面図である。
【図2】本発明に係る力学量センサを示す概略断面図で
ある。
【図3】図1のC−C断面図である。
【図4】図3に示した力学量センサのバッファ回路の等
価回路図である。
【図5】力学量センサのバッファ回路の比較例を示す断
面図である。
【図6】本発明に係る他の力学量センサを示す概略断面
図である。
【図7】図6に示した力学量センサの検出部チップを示
す概略平面図である。
【図8】図7に示した検出部チップを示す概略正断面図
である。
【図9】図7のD−D断面図である。
【図10】図9に示した力学量センサのバッファ回路の
等価回路図である。
【図11】本発明に係る他の力学量センサを示す概略断
面図である。
【図12】図11に示した力学量センサの信号処理回路
チップを示す概略平面図である。
【図13】図12に示した信号処理回路チップを示す概
略裏面図である。
【図14】図11に示した力学量センサの検出部チップ
を示す概略平面図である。
【図15】図11〜図14に示した力学量センサの製造
方法の説明図である。
【図16】本発明に係る他の力学量センサを示す概略正
断面図である。
【図17】図16に示した力学量センサの信号処理回路
チップおよび検出部チップを示す概略平面図である。
【図18】本発明に係る他の力学量センサの一部を示す
断面図である。
【図19】図18に示した力学量センサの製造方法の説
明図である。
【図20】従来の半導体で構成された力学量センサの一
部を示す概略図である。
【図21】図20のA−A断面図である。
【図22】従来の他の半導体で構成された力学量センサ
を示す概略断面図である。
【図23】図22に示した力学量センサのガラス基板を
示す概略図である。
【図24】図22に示した力学量センサの半導体基板を
示す概略図である。
【図25】図22に示した力学量センサの実装基板を示
す概略図である。
【図26】本発明に係る他の力学量センサの一部を示す
図である。
【符号の説明】
1…半導体活性層 6…固定部 7…検出電極 8…質量 11…金属線 12…酸化膜 13…半導体支持基板 24…振動質量 25…検出電極 28…駆動電極 33…ガラス基板 34…半導体活性層 35…酸化膜 36…半導体支持基板 37…検出部チップ 38…キャップ 42…ベース 43…信号処理回路 44…貫通孔 46…信号処理回路チップ 48…信号処理回路チップ 50…信号処理回路チップ 51…配線 87…固定部 95…信号処理回路 99…ゲート電極 101…酸化膜 105…p型ウェル領域 111…MOSFET 118…絶縁分離領域 120…検出部チップ 123…信号処理回路チップ 129…ゲート電極 131…酸化膜 141…MOSFET 149…ゲート電極 151…酸化膜 152…絶縁層 161…MOSFET

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体活性層に形成された可動構造体の固
    定部にバッファ回路を設けたことを特徴とする力学量セ
    ンサ。
  2. 【請求項2】半導体支持基板、上記半導体支持基板上に
    形成された絶縁層および上記絶縁層上に形成された半導
    体活性層で形成されたSOI基板と、上記半導体活性層
    に形成されかつ検出電極を有する可動構造体と、上記可
    動構造体の固定部に設けられかつMOSFETを有する
    バッファ回路とを具備することを特徴とする力学量セン
    サ。
  3. 【請求項3】上記可動構造体に駆動電極を設けたことを
    特徴とする請求項2に記載の力学量センサ。
  4. 【請求項4】上記MOSFETとして、上記固定部に形
    成されかつ共通固定電位に接続されたウェル領域と、上
    記ウェル領域に形成されたソースおよびドレイン領域
    と、上記ソース、ドレイン間領域に絶縁膜を介して設け
    られたゲート電極とを有するものを用いたことを特徴と
    する請求項2に記載の力学量センサ。
  5. 【請求項5】上記MOSFETとして、上記固定部に形
    成されたソースおよびドレイン領域と、上記ソース、ド
    レイン間領域に絶縁膜を介して設けられかつ共通固定電
    位に接続されたゲート電極とを有するものを用いたこと
    を特徴とする請求項2に記載の力学量センサ。
  6. 【請求項6】上記絶縁層として火焔堆積法で形成したS
    i−B−Oガラス層を用い、上記MOSFETを上記S
    i−B−Oガラス層で絶縁分離された絶縁分離領域に形
    成したことを特徴とする請求項2に記載の力学量セン
    サ。
  7. 【請求項7】上記バッファ回路、上記検出電極または上
    記駆動電極への電気的接続を金属線により行なったこと
    を特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の力学量セ
    ンサ。
  8. 【請求項8】上記バッファ回路、上記検出電極または上
    記駆動電極への電気的接続を上記SOI基板に接合され
    た絶縁基板上の配線により行なったことを特徴とする請
    求項2〜6のいずれかに記載の力学量センサ。
  9. 【請求項9】上記半導体活性層に信号処理回路を形成し
    たことを特徴とする請求項1〜8に記載の力学量セン
    サ。
  10. 【請求項10】上記SOI基板に信号処理回路が形成さ
    れた半導体基板を接続したことを特徴とする請求項2〜
    6に記載の力学量センサ。
  11. 【請求項11】上記バッファ回路、上記検出電極または
    上記駆動電極と上記半導体基板とをフリップチップボン
    ディングにより接合したことを特徴とする請求項10に
    記載の力学量センサ。
  12. 【請求項12】上記半導体基板に貫通孔を形成し、上記
    信号処理回路を上記貫通孔の周囲に形成し、上記貫通孔
    の位置と上記可動構造体の位置とをほぼ一致させたこと
    を特徴とする請求項10または11に記載の力学量セン
    サ。
  13. 【請求項13】上記半導体基板をMOSデバイスプロセ
    スで形成した第1の半導体基板とバイポーラデバイスプ
    ロセスで形成した第2の半導体基板とで構成し、上記第
    1、第2の半導体基板を接続する配線を上記SOI基板
    に設けたことを特徴とする請求項10に記載の力学量セ
    ンサ。
  14. 【請求項14】上記SOI基板および上記半導体基板を
    封止されたカンパッケージ内に実装したことを特徴とす
    る請求項10または13に記載の力学量センサ。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6848306B2 (en) 2000-06-26 2005-02-01 Denso Corporation Semiconductor dynamic sensor
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JP2009500635A (ja) * 2005-11-22 2009-01-08 キオニクス,インコーポレイテッド 三軸加速度計
JP2011180146A (ja) * 2011-04-04 2011-09-15 Oki Semiconductor Co Ltd 半導体装置

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