JP3447860B2 - 故障判定機能を有する磁気式位置センサ - Google Patents

故障判定機能を有する磁気式位置センサ

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JP3447860B2 JP23815295A JP23815295A JP3447860B2 JP 3447860 B2 JP3447860 B2 JP 3447860B2 JP 23815295 A JP23815295 A JP 23815295A JP 23815295 A JP23815295 A JP 23815295A JP 3447860 B2 JP3447860 B2 JP 3447860B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可動な被検出体の
相対的位置を磁気的に検出する磁気式位置センサに関す
る。本発明はまた、故障判定機能を有する磁気式位置セ
ンサに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、磁気式位置センサとして、自動車
等のスロットル開度を検出するスロットルポジションセ
ンサ(Throttle Position Senser)が知られている。一
例を示すと、特公昭55−13286号公報に開示され
ているものがある。これは、可動磁心と固定磁心とが磁
気的に結合して2つの閉磁路を構成し、各閉磁路に検出
コイルを設けている。そして可動磁心の変位に伴う各閉
磁路の磁気抵抗変化により、各検出コイルの起電力を検
出して、可動磁心の相対的位置を検出している。
【0003】この公報に開示されているセンサの検出回
路は、可動磁心の位置を表す位置信号を常時アナログで
出力する構成であり、消費電力が大となると共に、かか
る位置信号が有効であるか否かの判断が行われていない
ため、動作環境が変化した場合や、経時変化がある場
合、外部ノイズがある場合及び電源投入時等において
は、正しい可動磁心の位置を得ることができず誤検出し
てしまう、という問題があった。
【0004】また従前より、信頼性の高い位置情報を得
るために、可動部の相対位置を3つのセンサで検出し、
ある1つのセンサが故障したときにその故障センサから
出力される位置信号が、他の故障していないセンサから
出力される互いに略同一レベルないしは値の位置信号と
異なることにより、故障したセンサを判定し、以後その
旨を所定の信号処理系に伝えかつ故障していないセンサ
から出力される位置信号のみを正しい情報として扱うよ
うにすることが行われていた。このような技術は、例え
ばDBW(Drive By Wire)システムのペダル位置セン
サに適用されている。
【0005】しかし、かかる技術において、故障後の位
置情報は、故障していない2つのセンサから2つ得られ
るものの、そのうちの片方のセンサが故障してしまうと
どちらが正常な位置情報なのか区別できなくなってしま
う。従って3つのセンサで正しい位置情報を得るこの技
術では、結局2つのセンサが故障した時点で正しい位置
情報の取り込みができなくなる。このように当該技術
は、正常な位置情報が1つ残されているにも拘らず、正
しい位置情報の取り込みを行えなくなってしまう、とい
う構成及び機能上無駄なあるいは冗長的な側面を有して
いた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、上述
した点に鑑み、誤検出を防止して正確な被検出体の相対
的位置を検知することが可能で、かつ消費電力の少ない
磁気式位置センサを提供することを目的とする。本発明
はまた、簡単な構成で信頼性の高い位置情報を得ること
のできる故障判定機能を有する磁気式位置センサを提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による故障判定機
能を有する磁気式位置センサは、可動な被検出体の相対
的位置を検出する磁気式位置センサであって、少なくと
も1つの励磁コイルと、第1及び第2の検出コイルと、
前記励磁コイルに鎖交し前記第1及び第2の検出コイル
に前記被検出体の相対的位置に応じた起電力を生じさせ
る磁束を通過せしめる磁路を形成する磁路形成手段と、
前記励磁コイルに所定タイミングで励磁信号を供給する
励磁手段と、前記検出コイルの少なくとも一方の検出出
力から位置信号を得る位置信号生成手段と、前記検出コ
イルの双方の検出出力の加算レベルが基準レベルに達し
た場合に有効信号を発生する判別手段とを有し、前記有
効信号の発生タイミングが基準タイミングから実質的に
外れたことを判別して故障判定信号を発生する故障判定
手段を有することを特徴としている。
【0008】
【発明の実施の形態】上記磁気式位置センサは次の態様
を採ることができる。すなわち、(1)上記故障判定手
段を、励磁信号の発生から有効信号が発生するまでもし
くは消滅するまでの時間を計測する計時手段と、計時手
段により計測された時間が基準時間範囲外となったこと
を判別して故障判定信号を発生する時間判別手段とによ
って構成することができる。(2)上記故障判定手段
を、有効信号の発生または消滅から励磁信号が消滅する
までの時間を計測する計時手段と、計時手段により計測
された時間が基準時間範囲外となったことを判別して故
障判定信号を発生する時間判別手段とによって構成する
ことができる。(3)また故障判定手段は、有効信号が
励磁信号に応答して発生しなかったことをも判別して故
障判定信号を発生するようにすれば、確実である。
(4)さらに上記有効信号に応答して位置信号を取り込
む制御手段を更に設けることもできる。(5)かかる制
御手段としては、有効信号の発生タイミングをサンプル
タイミングとして位置信号をサンプルホールドし、これ
による保持レベルに対応するディジタル信号を出力する
アナログ−ディジタル変換器を有する構成とすることが
できる。
【0009】
【実施例】以下、図面を参照しつつ本発明を詳細に説明
する。図1は、本発明による一実施例の磁気式位置セン
サの本体構造を示す平面図であり、図2は、そのA−A
断面を示している。これらの図によって示される磁気式
位置センサは、被検出体の回動における回転角を検出し
直線的な出力特性を得るものである。
【0010】図1及び図2において、磁気式位置センサ
は、細かいドットが付されて図示される固定磁性部材1
と、可動磁性部材3と、励磁コイル5と、検出コイル6
a,6bとからなる。固定磁性部材1は、U字状の磁性
部材1aと、U字状磁性部材1aの両脚部を接合する直
線状の磁性部材1bと、直線状磁性部材1bのU字状磁
性部材1aに対向する側の中央部に一端が固着し他端が
回動シャフト2の回動軸寄りに直線状に延びる突出磁性
部材1cとを有する。
【0011】被検出体もしくは移動体であるシャフト2
は、回転軸aを中心に回動する。シャフト2は長手磁性
部材3の一端部に結合手段としてのネジ4によって固着
されており、長手磁性部材3は、シャフト2とともに回
転軸aを中心に回動自在である。U字状磁性部材1a
は、長手磁性部材3の周りに配され、回転軸aを中心と
しかつ長手磁性部材3の他端から回転軸aまでの距離よ
りも長い半径にて円弧を描く内表面を有し、かかる内表
面と長手磁性部材2の他端面とは非接触である。長手磁
性部材3の一端部は、回転軸aを中心とする円環状であ
り、突出磁性部材1cの延在端部は、この円環状一端部
に対向しかつ対応した形状を有し、長手磁性部材3の一
端部と突出磁性部材1cとも非接触である。なお、磁性
部材1a,1b及び1cからなる構造を一体的に形成し
ても良い。
【0012】突出磁性部材1cには励磁用のコイル5が
巻回され、U字状磁性部材1aの両脚部には、それぞれ
検出用のコイル6a及び6bが巻回される。励磁コイル
5は、後述する励磁回路により励磁される。これにより
励磁コイル5が起磁力を発すると、図1に点線で示され
るような形の磁束が分布する。ここで誘起された磁束は
検出コイル6a,6bと鎖交するが、検出コイル6a,
6bに鎖交する磁束の磁束密度は、長手磁性部材3の位
置に応じて変化する。この様子を示したものが図3に示
される。
【0013】つまり検出コイル6aに鎖交する磁束の磁
路Paの長さと検出コイル6bに鎖交する磁束の磁路P
bの長さとが、長手磁性部材3のU字状磁性部材1aへ
の対向位置により相補的に変わり、各磁路の抵抗成分が
変化した分検出コイルに鎖交する磁束密度が変わるので
ある。検出コイル6a,6bは、鎖交する磁束の変化率
の大きさに応じた起電力を発生するので、検出コイル6
a,6bの起電力すなわち出力電圧または電流から長手
磁性部材3すなわちシャフト2の位置(相対的角度)を
検知することができる。
【0014】この磁気式位置センサは、回動シャフト2
を例えば内燃機関のスロットルバルブに連結してスロッ
トルポジションセンサの機能を担うことができる。ま
た、自動工作機械、自動搬送機械等における位置検出手
段としても用いることができ、工場の自動化(FA)等
においても好適である。次に、この磁気式位置センサの
動作原理を図3を参照してもう少し詳しく説明する。
【0015】図3において、可動磁性部材3の回動中心
aを通る角度基準線l0 と、回動中心a及び可動磁性部
材3のU字状磁性部材1aへの対向面中央位置を結ぶ線
l1とのなす角がα[rad]である場合、アンペアの
周積分の定理より閉磁路Pa,Pbに対応して、次の各
式が成立する。
【0016】
【数1】 H0・L1+H7・L7+H3・L2+H8・L8+H1(L+r・α)=Ni …(1)
【0017】
【数2】 H0・L1+H7・L7+H3・L2+H8・L8+H2(L−r・α)=Ni …(2) 但し、LはU字状磁性部材1aと直線状磁性部材1bと
により形成される全磁路の半分の長さ、L1 は突出磁性
部材1cにより形成される磁路長、L2 は可動磁性部材
3により形成される磁路長、rは可動磁性部材3の回動
半径すなわち回動中心aから可動磁性部材3のU字状磁
性部材1aへの対向面までの距離、Sは全ての磁路の等
価断面積、H0 ,H3 は突出磁性部材1c,可動磁性部
材3の磁界の強さ、H7 ,H8 はギャップ7,8の磁界
の強さ、L7 ,L8 はギャップ7、8の長さ、H1 ,H
2 は閉磁路Pa,Pbの磁界の強さ、Ni は励磁コイル
5で発生する起磁力である。
【0018】上記式(1)及び(2)において、共通項
を削除するために、式(1)−式(2)なる演算をな
し、その結果をαについてまとめると、
【0019】
【数3】 α=(L/r)・(H2−H1)/(H2+H1) …(3) となる。ここでH2 +H1 =const (const は定数)と
すると、次の式(4)が導かれる。
【0020】
【数4】 H2=(r・const・α)/2L+const/2 …(4) 検出コイル6a,6bに生じる電圧V1 及びV2 は、H
1 及びH2 に比例するので、
【0021】
【数5】 V2=(r・const・α)/2L+const/2 …(5) である。ここで、式(5)をαについて整理すると、次
のようになる。
【0022】
【数6】 α={2L/(r・const)}・(V2−const/2) …(6) 上記式(3)より明かな如くH1 及びH2 すなわちV1
及びV2 を検出することで磁路部材5の回転角αを得る
ことができる。式(3)を書き直せば、
【0023】
【数7】 α=(L/r)・(V2−V1)/(V2+V1) …(7) である。すなわち(L/r)は定数であるので、(V1
+V2 )を一定に制御できれば、可動磁性部材3の回転
角αは、(V2 −V1 )により一義的に求められること
となる。従ってこの場合、(V2 −V1 )または(V1
−V2 )、つまり両検出コイルの出力電圧の差は回転角
αを表す位置信号の値として扱われる。また、(V1 +
V2 )を一定に制御できれば、可動磁性部材3の回転角
αは、式(6)より明かな如くV2 のみでも正確に表す
ことができる。以下ではこの趣旨の下、検出コイルの出
力電圧V1 ,V2 から回転角αを求めるための系につい
て説明する。
【0024】図4は、図1及び図2の磁気式位置センサ
の励磁コイル5を励磁して、検出コイル6a及び6bの
起電力から、可動磁性部材3の位置を表す位置信号を得
る位置信号発生及び励磁制御回路の一例を示している。
図4において、コントローラ18は、図示せぬタイミン
グ生成系からの励磁制御信号をベース入力とするNPN
型トランジスタQ1 を有し、このトランジスタQ1 は、
エミッタが接地されコレクタがそのままコントローラ1
8の端子に導かれている。このトランジスタQ1 のオー
プンコレクタは、励磁回路13において抵抗値R0 を有
する抵抗器131の一端と接続され、その抵抗器131
の一端は+5Vの電源により抵抗値R2 を有する抵抗器
132を通じて給電される。抵抗器131の他端は、ト
ランジスタQ2 のベースに接続されるとともに充放電用
コンデンサC0 を介して接地される。トランジスタQ2
のコレクタは+5Vの電源により給電され、そのエミッ
タは励磁コイル5の一端に接続される。励磁コイル5の
他端は抵抗値R1 を有する抵抗器51を介して接地され
る。
【0025】励磁回路13からの励磁信号により励磁コ
イル5が励磁されると、検出コイル6a,6bの両端間
には電圧V1 ,V2 が発生するが、正レベルの励磁信号
に対して発生する起電力の負極を示す検出コイル6a,
6bの端子(負極性端子)が共通接続される。すなわち
検出コイル6a,6bは、差動巻の構成となっている。
正レベルの励磁信号に対して発生する起電力の正極を示
す検出コイル6aの端子(正極性端子)は、コントロー
ラ18に内蔵するA/D変換器16のアナログ入力端に
接続され、正レベルの励磁信号に対して発生する起電力
の正極を示す検出コイル6bの端子(正極性端子)は、
判別回路15において抵抗値R3 ,R4を有する抵抗器
151,152による+5Vの分圧点と接続される。分
圧点からは基準電圧Vref が印加される。図4では、正
極性端子に「+」が、負極性端子に「−」が付記されて
いる。このような両検出コイルの接続により、検出コイ
ル6aの正極性端子にはV1 −V2 成分を含みかつ該成
分が基準電圧だけレベルシフトされたV1 −V2 +Vre
f の電位すなわち位置信号が現れることとなる。従っ
て、かかる接続は差信号出力手段もしくは位置信号生成
手段に相当する。このような手段としては、検出コイル
の差動巻構成に限らず、別個に設けた減算器を使っても
良いが、差動巻構成の方が簡単である。また、各検出コ
イルの出力電圧V1 及びV2 は、正レベルの励磁パルス
に対して負の値を示す。
【0026】両検出コイルの共通接続点と検出コイル6
bの正極性端子との間には、抵抗値R5 ,R6 を有する
抵抗器153,154が直列接続される。抵抗器153
及び154の共通接続点は、比較器150の非反転入力
端子に導かれる。位置信号線と接地点との間にはそれぞ
れ直列接続された抵抗値R7 ,R8 及びR9 を有する抵
抗器155,156,157による分圧回路が形成され
る。抵抗器156及び157の共通接続点は、比較器1
50の反転入力端子に導かれる。比較器150の非反転
入力端子と出力端子とは抵抗値R10を有する帰還抵抗器
158により接続される。比較器150は、抵抗器15
6及び157の共通接続点電位と抵抗器153及び15
4の共通接続点から導かれた信号線電位とを比較し、前
者が後者よりも大きいことを判別すると低レベルの有効
信号を発生しA/D変換器16に供給する。
【0027】A/D変換器16のアナログ入力端には、
検出コイル6aの正極性端子からの位置信号が入力さ
れ、この位置信号を有効信号に応答してサンプルホール
ドし、保持した電圧レベルに対応するディジタル信号を
コントローラ18内の信号処理系に転送する。コントロ
ーラ18は、有効信号に基づくその内部生成の所定タイ
ミングにてこの転送されたディジタル信号を位置データ
すなわち回転角データとして取り込む。
【0028】続いてこの位置信号発生及び励磁制御回路
の動作を図5を参照しつつ説明する。先ず、比較器15
0の反転入力端子に印加される電圧VA 及び非反転入力
端子に印加される電圧VB は、
【0029】
【数8】 VA =(V1−V2+Vref)・{R9 /(R7+R8)+R9} …(10)
【0030】
【数9】 VB =Vref+V1・R6 /(R5+R6) …(11) と書くことができる。時刻t1 〜t2 において、図5の
(a)に示されるようにタイミング生成系からの励磁制
御信号のレベルが立ち下がり低レベルとなると、この励
磁制御信号をベース入力とするコントローラ18内蔵の
トランジスタQ1 はオフとなり、励磁回路13における
コンデンサC1 は、抵抗器132,131を介して+5
V電源によるチャージを開始する。このチャージによっ
てコンデンサC1 の両端間電圧は上昇し、トランジスタ
Q2 を駆動して励磁コイル5への電流すなわち励磁信号
のレベルを図5の(b)に示されるように増加させる。
【0031】時刻t1 前では励磁信号の非発生状態にあ
り、励磁コイル5が励磁されていない。この状態では、
図5の(c)及び(d)に示されるように、各検出コイ
ルの出力電圧V1 ,V2 は、V1 =V2 =0であり、電
圧VA はVref・{R9 /(R7+R8)+R9}である。
またこのとき図5の(e)に示される如き位置信号の値
も0であり、電圧VB は、Vrefとなる。故にVA <VB
であるので比較器150の出力信号は、図5の(f)
に示されるように高レベルを示すこととなる。
【0032】この状態から時刻t1 において図5の
(b)に示されるように励磁信号が立ち上がると、両検
出コイルはそれぞれ起電力の発生を開始し、時刻t2 に
おいてVA =VB となると、上記(10)式及び(1
1)式に基づき、
【0033】
【数10】 V1 +V2 =−Vref=一定 …(12) となる。さらに検出コイルの起電力が増加すると、VA
>VB となり、VA =VB となった時点を境に比較器1
50の出力信号は低レベルへと立ち下がることとなる。
従って比較器150の立ち下がりエッジは、V1 +V2
=一定となることを判別ないしは検知したタイミングに
相当する。さらに時刻t3 ではVA =VB となって再び
(12)式が成立しこれを過ぎるとVA >VB となって
比較器150の出力信号が高レベルとなるので、比較器
150の立ち上がりエッジも、V1 +V2=一定となる
ことを判別ないしは検知したタイミングに相当する。
【0034】コントローラ18においては、A/D変換
器16が、時刻t1 もしくはt3 での有効信号のエッジ
をサンプルタイミングとして用い、有効信号が高レベル
から低レベルに変化する瞬間もしくは低レベルから高レ
ベルに変化する瞬間に、つまり(12)式が成立してV
1 +V2 =一定となったときに、V1 −V2 の瞬時値を
適切なまたは有効な位置信号の値としてディジタル変換
し、信号処理系に転送する。信号処理系はこの転送され
たディジタル値を有効信号に基づくその内部生成の所定
タイミングにて読み込み、先の式(7)に準ずる演算を
行って、回転角αを求める。時刻t1 を取込タイミング
としたときのA/D変換器16の位置信号を取り込む様
子が(e)と(f)に示されている。なお、時刻t3 に
おける有効信号の立ち上がりの閾値は、ヒステリシス抵
抗158の影響により時刻t2 における有効信号の立ち
下がりの閾値(−Vref )と厳密には若干異なるが、こ
こでは説明の簡略化のためにこのようなヒステリシスを
無視して同一の閾値であるものとしている。
【0035】この回路の動作をさらに分析すれば、次の
如くなる。先ず励磁回路13の入力段では抵抗R0 及び
キャパシタンスC0 によってCRフィルタ構成が採られ
ており、このフィルタの入力電圧Vinはこれを通じてト
ランジスタQ2 のベースに供給される。従ってトランジ
スタQ2 のエミッタから得られる励磁信号電圧V0 は、
【0036】
【数11】 V0 =Vin/(1+C0R0S) …(21) と書くことができる。ここでSはラプラス演算子であ
り、またV0 は厳密にはトランジスタQ2 のベース・エ
ミッタ電位を考慮しなければならないが、基本的な考え
方には影響がないので考慮していない。
【0037】また、励磁コイル5に流れる電流i0 は、
【0038】
【数12】 i0 =V0/(L1S+R1) …(22) となる。ここでL1 は励磁コイル5のインダクタンスで
あり、ロータ位置すなわち可動磁性部材3の変位位置に
応じて変化するが、その変化量は小さいので一定とみな
せる。
【0039】励磁コイル5で発生し、可動磁性部材3及
び磁性部材1c、並びに可動磁性部材3と磁性部材1c
との間及び可動磁性部材3と固定磁性部材1aとの間の
各ギャップからなる磁路に通過する磁束φ0 (図3参
照)は、
【0040】
【数13】 φ0=N0i0/r0 …(23) である。但し、N0 はコイル5の巻数、r0 はコイル5
から見た磁気抵抗である。検出コイル6a,6bに発生
する電圧V1 ,V2 は、
【0041】
【数14】 V1=N1φ1S …(24)
【0042】
【数15】 V2=N2φ2S …(25) である。但し、N1 ,N2 は検出コイル6a,6bの巻
数、φ1 ,φ2 は磁束φ1 の分岐磁束(図3参照)であ
る。また、ガウスの定理により、
【0043】
【数16】 φ0 =φ1+φ2 …(26) が導かれ、検出コイル6a,6bの巻数は互いに等し
く、すなわち
【0044】
【数17】 N1=N2=N …(27) とすれば、
【0045】
【数18】 V1+V2=NS(φ1+φ2) =NSφ0 :(26)式より =(NN0/r0)・i0S :(23)式より =(NN0/r0)・V0S/(L1S+R1) :(22)式より =(NN0/r0)・VinS/{(L1S+R1)(1+C0R0S)}:(21)式より …(28) である。この(28)式の最終的な等式の右辺において
はVinを除き全て定数とみなすことができ、これら各定
数は、センサ構成要素の固有の値を有する。従ってV1
+V2 は、Vinに依存して変化するもVinが常に同じ変
化をする条件下では各定数が大きく変わらない限りV1
+V2 が所定値Vref になるまでの時間T(図5参照)
は一定であることが分かる。センサが故障を起こし、例
えば検出コイルが断線したり、短絡したりなどすれば、
各定数のいずれかが大きく変化するのでV1 +V2 が所
定値Vref になるまでの時間が変わってくる。すなわち
基準時間Tより相当長いまたは短い時間でV1 +V2 が
所定値Vref になることになる。あるいはまた有効信号
が何ら発生しなかったりすることもある。勿論励磁コイ
ルや磁路等に何らかの故障があった場合にも同様のこと
が言える。
【0046】本発明は、この点に着目して故障判定を行
うものであり、これを実現するために、図4に示される
ように、励磁制御信号(a)及び有効信号(f)を入力
とする故障判定回路30が設けられる。この故障判定回
路30の具体的構成の一例は、図6に示される。図6に
おいて、励磁制御信号(a)はインバータ31を介しカ
ウンタ32のイネーブル入力端子及び負論理リセット入
力端子に供給される。カウンタ32のクロック端子には
クロック発生器33からの所定周波数のフリーランクロ
ックが供給される。有効信号(f)はインバータ34を
介し単安定マルチバイブレータ(MMV)35のトリガ
入力となる。MMV35の反転Q出力はANDゲート3
6の一方の入力端に供給され、ANDゲート36の他方
の入力端には励磁制御信号(a)の反転信号が供給され
る。ANDゲート36の出力信号はNORゲート37の
一方の入力端子に供給され、NORゲート37の他方の
入力端子には有効信号(f)が供給される。
【0047】カウンタ32のカウント出力Q0 〜Qn
は、レジスタ38のデータ入力端子に供給され、レジス
タ38のトリガ入力端子にはNORゲート37の出力信
号が供給される。レジスタ38はその保持出力をコンパ
レータ39に供給し、コンパレータ39の比較基準入力
端には、上記基準時間Tを中心値とした範囲の上限値T
U 及び下限値TL に相当するビットデータ信号が供給さ
れる。コンパレータ39は、いわゆるウィンドコンパレ
ータであり、レジスタ38の保持出力が上下限値によっ
て画定される基準範囲外の値をとるときに高レベルとな
る信号を出力し、この出力信号は、故障判定信号として
信号処理系に供給される。
【0048】この故障判定手段の動作は、図5を参照し
て説明される。カウンタ32は、時刻t1 において励磁
制御信号(a)が低レベルとなると、その反転信号が高
レベルとなったことによるリセット解除及びイネーブル
状態に遷移し、クロック発生器33からのクロック信号
をカウントする。時刻t2 において有効信号(f)が低
レベルへ立ち下がると、NORゲート37の出力端から
は高レベルへと立ち上がるトリガ信号がレジスタ38に
供給され、レジスタ38はその時点のカウンタ出力を保
持する。この保持したカウント値は、時刻t1 から時刻
t2 まで、すなわち励磁制御信号(a)の立ち下がりエ
ッジから有効信号の立ち下がりエッジまでの時間に相当
し、コンパレータ39において基準範囲と比較され基準
範囲外であるときは故障が発生したものとして高レベル
の、そうでないときは低レベルの故障判定信号が出力さ
れる。
【0049】時刻t2 における有効信号(f)の立ち下
がりにより、MMV35はトリガ入力され、反転Q出力
端からは当該トリガ入力時点から所定時間に亘り低レベ
ルとなる信号がANDゲート36に供給される。かかる
所定時間は、この場合、励磁制御信号(a)の低レベル
期間(t1 −t4 )と同等な長さとすれば足りる。AN
Dゲート36に供給されたこの低レベル信号によって、
励磁制御信号(a)の反転信号は当該ゲートを通過する
ことができなくなり、もってNORゲート37を介した
当該反転信号の立ち上がりエッジによるレジスタ38の
トリガ入力が阻まれる。これにより、有効信号が発生し
た時点で得られた故障判定結果を、次に新たに励磁制御
信号が到来して再び故障判定をなすまで保存することが
できる。
【0050】一方、励磁制御信号が発生しているにも拘
らず有効信号が発生しない、つまり図5に示されるよう
な有効信号(f)の時刻t2 −t3 間の低レベル部分が
全く存在しない場合にもこの故障判定回路は機能する。
カウンタ32は、上記同様、励磁制御信号(a)が低レ
ベルとなると、その反転信号が高レベルとなったことに
よるリセット解除及びイネーブル状態に遷移し、クロッ
ク発生器33からのクロック信号をカウントする。しか
し、有効信号(f)は低レベルへ立ち下がらないので、
有効信号(f)によるレジスタ38のトリガ入力はでき
ない。また、MMV35も有効信号が発生しないことに
より動作せずリセット状態を維持するので、ANDゲー
ト36は励磁制御信号(a)の反転信号の通過を可能と
する。かくして励磁制御信号(a)が立ち上がったとき
(図5の時刻t4 に相当)、そのエッジはANDゲート
36及びNORゲート37を通過してレジスタ38にト
リガをかけることとなる。これに応答し、レジスタ38
はその時点のカウンタ出力を保持する。この保持したカ
ウント値は、時刻t1 から時刻t4 まで、すなわち励磁
制御信号(a)の立ち下がりエッジから立ち上がりエッ
ジまでの時間に相当し、コンパレータ39において基準
範囲と比較され基準範囲外であるときは故障が発生した
ものとして高レベルの、そうでないときは低レベルの故
障判定信号が出力される。このように励磁制御信号のエ
ッジ間の時間に対応するカウント値がレジスタ38に保
持された場合は、その保持値は基準時間Tに比し遙かに
大きいので、当然にして基準範囲外であり高レベルの故
障判定信号が出力されることとなる。
【0051】故障判定手段としては、上述の如くハード
ウェア構成で実現することに限らず、図7のようにソフ
トウェア構成としても良い。図7において、故障判定処
理を司るマイクロコンピュータは、図示せぬメインルー
チンから故障判定サブルーチンが呼び出されると、励磁
制御信号(a)の立ち下がりエッジが発生したか否かを
判別する(ステップS1)。発生していないと判別した
場合は、再びステップS1の判別を行い、発生したと判
別すると、タイマをオンとしこの時点においてゼロから
の計時を開始する(ステップS2)。次いで、有効信号
(f)の立ち下がりエッジが発生したか否かを判別する
(ステップS3)。発生したと判別した場合は、タイマ
ーをストップさせ(ステップS5)、当該タイマーのそ
の計時した時間を上記同様の基準範囲内か否かを判別す
る(ステップS5)。基準範囲内であると判別したとき
は、センサが正常である旨の故障判定情報を図示せぬ後
段に送り、このサブルーチンを終了する(ステップS
6)。
【0052】ステップS3において有効信号(f)の立
ち下がりエッジが発生していないと判別した場合は、励
磁制御信号(a)の立ち上がりエッジが発生したか否か
を判別する(ステップS8)。ステップS8で発生して
いないと判別したときはステップS3に移行し、そうで
ないときはセンサが異常である旨の故障判定情報を後段
に送り、このサブルーチンを終了する(ステップS
9)。また、ステップS5においてタイマーが計時した
時間が基準範囲外であると判別した場合もステップS9
に移行する。
【0053】図7の処理においては、ステップS1〜S
6及びS9により励磁制御信号(a)の立ち下がりエッ
ジから有効信号(f)の立ち下がりエッジまでの時間を
計測しかつ基準範囲と比較して正常または異常のどちら
かの情報を発生するようにしている。ステップS8にお
いては、有効信号(f)が励磁制御信号(a)の立ち下
がりエッジが到来するまでに有効信号(f)が到来しな
かった場合、すなわち励磁制御信号(a)が発生しても
有効信号(f)が発生しなかった場合を判別し、これを
異常(故障)の情報発生へと導いている。
【0054】なお上記した位置信号発生及び励磁制御回
路では、検出コイル6aの端子から位置信号を得ている
が、検出コイル6bから位置信号を得るようにしても良
い。また、検出コイルの出力電圧の差V1 −V2 を導出
してこれを位置信号としているが、V1 及びV2 のどち
らか一方を位置信号として位置信号発生及び励磁制御回
路を構成しても良い。すなわち、既述の如く、(V1 +
V2 )を一定に制御できれば、可動磁性部材3の回転角
αは、式(6)に基づき、V2 によって一義的に算出す
ることができ、またこの式におけるV2 は、V1 と置換
することもできる訳である。
【0055】図7は、一方の検出コイルの出力電圧V1
を位置信号として導出するよう構成された位置信号発生
及び励磁制御回路の例を示しており、図4と同等部分に
は同一の符号が付されている。図7においては、検出コ
イル6aの負極性端子と検出コイル6bの正極性端子が
共通接続され、検出コイル6aの正極性端子は比較器1
50の反転入力端子に、検出コイル6bの負極性端子は
接地される。すなわち検出コイル6a,6bは、和動巻
の構成となっている。この接続により、両検出コイルの
共通接続点から検出コイル6bの出力電圧V1 が位置信
号として導出されA/D変換器16に供給される。ま
た、検出コイル6aの正極性端子からは、両検出コイル
の出力電圧の和V1 +V2 を示す加算値信号が導出され
る。従って、かかる接続は和信号出力手段及び位置信号
生成手段に相当する。和信号出力手段としては、検出コ
イルの和動巻構成に限らず、別個に設けた加算器を使っ
ても良いが、和動巻構成の方が簡単である。比較器15
0の非反転入力端子には、抵抗器151及び152によ
る+5Vの分圧出力である基準電圧Vref が供給され
る。
【0056】これにより、比較器150は、加算値信号
が基準電圧Vref よりも大きい場合に低レベルの有効信
号を発する。この場合でも、有効信号が低レベルへ立ち
下がるエッジがV1 +V2 =Vref(一定)を示してお
り、このエッジタイミングがコントローラ18の位置信
号取り込みタイミングとなる。同時にA/D変換器16
にはV1 の値を有する位置信号が供給され、V1 の瞬時
値を適切なまたは有効な位置信号の値としてディジタル
変換し、信号処理系に転送する。信号処理系はこの転送
されたディジタル値を有効信号に基づくその内部生成の
所定タイミングにて読み込み、先の式(6)に準ずる演
算を行って、回転角αを求めるのである。
【0057】そしてこの構成においても故障判定回路3
0が設けられ、上記図4と同様、特有の作用効果を奏す
ることができる。本発明はさらに、以下の如き差動トラ
ンスタイプのセンサや直線移動する被検出体の相対的位
置を検知するタイプのセンサにも適用可能である。図9
は、短絡コイルを使用した磁気式位置センサに図4の励
磁制御及び位置信号発生系を適用した例を示しており、
図1ないし図4と同等な部分には同一の符号が付されて
いる。
【0058】図9において、この磁気式位置センサは、
点aを中心として描かれる円弧に沿った形の円弧状部分
を有するU字状の磁性部材1aと、U字状磁性部材1a
の両脚部を接合する直線状の磁性部材1bとからなる固
定磁性部材1´を本体としている。固定磁性部材1´
は、均質であり、また点aを含む線la に対称な形を有
する。U字状磁性部材1aの2つの脚部にはそれぞれ、
励磁コイル5a,5bと、検出コイル6a,6bとが巻
回される。U字状磁性部材1aの円弧状部分には、短絡
コイル41が配されており、この短絡コイル41は、当
該円弧状部分に沿って移動自在なようにその円弧状部分
に微小な間隙をもって巻回される。短絡コイル41は、
図示せぬ機構によって被検出体の変位に応動し、点aを
中心とする円弧を描くよう移動する。なお、固定磁性部
材1´を一体的に形成しても良い。
【0059】このセンサの作用は、差動トランスと同様
の原理に基づく。励磁コイル5a及び5bが励磁され起
磁力を発すると、検出コイル6a,6bは起電力を発生
する。これと同時に短絡コイル41も起電力を発生し、
当該コイルに短絡電流が流れ反起磁力が発生する。この
反起磁力により、励磁コイル5a,5bにより生起した
磁束に変化をもたらすこととなるが、検出コイル6a,
6bを通過する磁束は、磁路上における短絡コイル41
の位置に応じて相補的に増減する。従って、検出コイル
6a,6bに発生する電圧V1 ,V2 も、短絡コイル4
1の相対的位置に応じて相補的に変化することとなる。
そしてこの検出電圧V1 ,V2 から、上述した図8まで
の各実施例と同様に、位置信号及び有効信号を得、
(7)式もしくは(6)式に準じた被検出体の位置を表
す値の演算がなされ、しかも故障判定を伴うこととな
る。
【0060】(V1 +V2 )が一定の下での短絡コイル
41の位置と(V1 −V2 )の値との関係は、図10に
示される。これによれば、検出コイル6a,6bの出力
電圧の差は、短絡コイル41の移動量に対して直線的な
特性を示すことが分かる。図11は、直線移動する被検
出体の位置検知をなす磁気式位置センサの断面を示して
おり、図9と同等な部分には同一の符号が付されてい
る。図11において、この磁気式位置センサは、長手ボ
ビン50を有する。ボビン50は、内側が中空になって
おり、外側には両端近傍に太めの突出部51,52を、
突出部51,52の間の略中央に細めの突出部53を有
する。ボビン50には、一端突出部51と中央突出部5
3との間に亘り励磁コイル5aが巻回され、中央突出部
53と他端突出部52との間に亘り励磁コイル5bが巻
回される。さらに励磁コイル5aに重なって検出コイル
6aが、励磁コイル5bに重なって検出コイル6bがそ
れぞれ巻回される。ボビン50の中空部にはコア60が
遊挿されており、コア60はシャフト61に支持されシ
ャフト61の矢印が示す直線移動に応動し、ボビン50
内を移動自在となっている。
【0061】このセンサの作用も、差動トランスと同様
の原理に基づく。励磁コイル5a及び5bが励磁され起
磁力を発すると、検出コイル6a,6bは起電力を発生
する。その際、検出コイル6a,6bに発生する電圧V
1 ,V2は、コア60の相対的位置に応じて中央線lb
を基準に相補的に変化することとなる。そしてこの検出
電圧V1 ,V2 から、上述した図8までの各実施例と同
様に、位置信号及び有効信号を得、(7)式もしくは
(6)式に準じた被検出体の位置を表す値の演算がなさ
れ、しかも故障判定を伴うこととなる。なお、このセン
サに図4の励磁制御及び位置信号発生系を適用して得ら
れる等価回路は、図12のように書くことができる。
【0062】これまで説明した位置信号発生及び励磁制
御回路においては、1つの正レベル励磁信号の発生態様
について説明したが、励磁制御信号の(a)は所定の繰
り返し周期で低レベルとなるようにしても良いし、必要
なときにのみ低レベルとして被検出体の位置を得るよう
にしても良い。かかる構成の位置信号発生及び励磁制御
回路においては、有効信号の立ち上がりエッジから、検
出コイル6a及び6bに誘起される電圧の加算値の瞬時
値の大きさが所定レベル(V1 +V2 =const )を示し
たものと判断している。そして、この時の位置信号を信
号処理系に伝送している。これにより当該信号処理系で
は上記式(6)もしくは(7)式のような演算が行わ
れ、被検知可動部材3の正確な回転角αが求められる。
また、有効信号のエッジ発生時のみ位置信号による被検
知可動部材3の回転角を検出することにしているので消
費電力を削減することが可能となる。
【0063】また、既に詳しく述べたように、センサ自
身に自己の故障判定手段を設けており、この手段によれ
ば、励磁信号(励磁制御信号(a))の発生から有効信
号が発生するまでの時間が基準範囲外となったことが判
別され故障判定信号が発生される。従って複数センサを
擁して信頼性の高い位置情報を得る検知システムにおい
て有効なセンサが2つになったとしてもどちらが正しい
位置情報を出力するものかを判定することができるし、
例え有効なセンサが1つになってもそのセンサが故障し
たか否かを判定することができる。
【0064】なお、上述の故障判定手段は、励磁信号の
発生から有効信号が発生するまでの時間が基準範囲外と
なったことをして故障と判定しているが、これに限ら
ず、励磁信号の発生から有効信号が消滅するまでの時間
が基準時間範囲外となったことを判別して故障判定信号
を発生するようにしても良いし、有効信号の発生または
消滅から励磁信号が消滅するまでの時間が基準時間範囲
外となったことを判別して故障判定信号を発生するよう
にしても良い。要は有効信号の発生タイミングが基準タ
イミングから実質的に外れたことを判別して故障判定信
号を発生することにある。
【0065】また、各種のセンサを例示したが、本発明
はこれらだけに限定されることなく、他の様々なセンサ
に適用可能であり、本発明の各構成要素の設計的改変は
可能である。
【0066】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の磁気式位
置センサによれば、誤検出を防止して正確な被検出体の
相対的位置を検知することができかつ消費電力の少なく
することができるとともに、簡単な構成で信頼性の高い
位置情報を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による一実施例の磁気式位置センサの構
造を示す平面図。
【図2】図1のA−A断面図。
【図3】図1及び図2の磁気式位置センサの動作原理を
説明するための図。
【図4】図1及び図2の磁気式位置センサに適用される
位置信号発生及び励磁制御回路の構成例を示す回路図。
【図5】図5の各部動作波形を示すタイムチャート。
【図6】図4の位置信号発生及び励磁制御回路における
故障判定回路の具体的構成例を示す図。
【図7】故障判定手段のソフトウェア構成例を示すフロ
ーチャート。
【図8】図1及び図2の磁気式位置センサに適用される
位置信号発生及び励磁制御回路の他の構成例を示す回路
図。
【図9】本発明の他の適用例を説明するための差動トラ
ンスタイプの磁気式位置センサの本体平面図。
【図10】図8の磁気式位置センサから得られる出力特
性を示すグラフ。
【図11】本発明のさらに他の適用例を説明するための
差動トランスタイプの磁気式位置センサの本体断面図。
【図12】図11のセンサの等価回路図。
【符号の説明】
1a U字状磁性部材 1b 直線状磁性部材 1c 突出磁性部材 2 回動シャフト 3 可動磁性部材 4 ネジ 5,5a,5b 励磁コイル 6a,6b 検出コイル 7,8 ギャップ a 回転軸 Pa,Pb 閉磁路 13 励磁回路 15 判別回路 16 A/D変換器 18 コントローラ Q1 ,Q2 トランジスタ 131,132,151,152,153,154,1
55,156,157,158,51 電気抵抗素子 C0 コンデンサ 150 比較器 30 故障判定回路 31 インバータ 32 カウンタ 33 クロック発生器 34 インバータ 35 ワンショットマルチバイブレータ 36 ANDゲート 37 NORゲート 38 レジスタ 39 コンパレータ 41 短絡コイル 50 ボビン 51,52,53 突出部 60 コア
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−165740(JP,A) 特開 昭60−18702(JP,A) 特開 昭57−197418(JP,A) 特開 平7−234102(JP,A) 特開 平1−227847(JP,A) 特開 平5−34220(JP,A) 特開 昭51−88251(JP,A) 特公 昭55−13286(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01B 7/00 - 7/34 G01D 5/22

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可動な被検出体の相対的位置を検出する
    磁気式位置センサであって、 少なくとも1つの励磁コイルと、第1及び第2の検出コ
    イルと、前記励磁コイルに鎖交し前記第1及び第2の検
    出コイルに前記被検出体の相対的位置に応じた起電力を
    生じさせる磁束を通過せしめる磁路を形成する磁路形成
    手段と、前記励磁コイルに所定タイミングで励磁信号を
    供給する励磁手段と、前記検出コイルの少なくとも一方
    の検出出力から位置信号を得る位置信号生成手段と、前
    記検出コイルの双方の検出出力の加算レベルが基準レベ
    ルに達した場合に有効信号を発生する判別手段とを有
    し、 前記有効信号の発生タイミングが基準タイミングから実
    質的に外れたことを判別して故障判定信号を発生する故
    障判定手段を有することを特徴とする磁気式位置セン
    サ。
  2. 【請求項2】 前記故障判定手段は、前記励磁信号の発
    生から前記有効信号が発生するまでもしくは消滅するま
    での時間を計測する計時手段と、前記計時手段により計
    測された時間が基準時間範囲外となったことを判別して
    故障判定信号を発生する時間判別手段とを有することを
    特徴とする請求項1記載の磁気式位置センサ。
  3. 【請求項3】 前記故障判定手段は、前記有効信号の発
    生または消滅から前記励磁信号が消滅するまでの時間を
    計測する計時手段と、前記計時手段により計測された時
    間が基準時間範囲外となったことを判別して故障判定信
    号を発生する時間判別手段とを有することを特徴とする
    請求項1記載の磁気式位置センサ。
  4. 【請求項4】 前記故障判定手段は、前記有効信号が前
    記励磁信号に応答して発生しなかったことをも判別して
    故障判定信号を発生することを特徴とする請求項1,2
    または3記載の磁気式位置センサ。
  5. 【請求項5】 前記有効信号に応答して前記位置信号を
    取り込む制御手段を更に有することを特徴とする請求項
    1,2,3または4記載の磁気式位置センサ。
  6. 【請求項6】 前記制御手段は、前記有効信号の発生タ
    イミングをサンプルタイミングとして前記位置信号をサ
    ンプルホールドし、これによる保持レベルに対応するデ
    ィジタル信号を出力するアナログ−ディジタル変換器を
    有することを特徴とする請求項5記載の磁気式位置セン
    サ。
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