JP3446982B2 - 磁性体 - Google Patents

磁性体

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JP3446982B2
JP3446982B2 JP17107495A JP17107495A JP3446982B2 JP 3446982 B2 JP3446982 B2 JP 3446982B2 JP 17107495 A JP17107495 A JP 17107495A JP 17107495 A JP17107495 A JP 17107495A JP 3446982 B2 JP3446982 B2 JP 3446982B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の技術分野】本発明は、直流用の磁気回路部品等
として用いられる磁性体に関する。 【0002】 【従来の技術】直流用の磁気回路部品等として用いられ
る磁性体では、純鉄、Ni−Fe系軟磁性材料としての
パーマロイ(商品名)あるいはFe−Al系軟磁性材料
としてのフェロパーム(商品名)を素材とした軟磁性板
をプレス加工等により所定の形状に形成し、その後に磁
性焼鈍によりプレス加工時等の歪みを除去して直流磁化
特性を安定化させたものが適用されている。なお、いわ
ゆるフェロパームは、Alを0.5〜3.5wt%を含
有するFe−Al系軟磁性材料として知られている。詳
しくは、重量%で、C:0.0005〜0.0070
%、T.N:0.0005〜0.0100%、Si:
0.005〜0.50%、Mn:0.01〜0.25
%、P:0.2000%以下、S:0.0100%以
下、sol.Al:0.5〜3.5%、T.O:0.0
100%以下を含有し、残部がFeおよび不可避不純物
からなる軟磁性材料として知られている(特開平5−1
17817号)。 【0003】この種の磁性体では、最大透磁率や保磁力
や磁束密度などの直流磁化特性については、素材固有の
ものとして定められる。そして、最大透磁率や保磁力や
磁束密度などは、低く過ぎても、あるいは必要以上に高
すぎても、不都合が生じる場合がある。例えば、モータ
用ステータでは、最大透磁率が低いと、ロータを効率良
く回転できず、逆に最大透磁率が必要以上に高いと、停
止時におけるロータとの吸着力が増大して起動時のロー
タの回転トルクが増大し、起動時の消費電力が増大する
という不都合が生じる。このような場合には、必要な直
流磁化特性を考慮して素材が選択され、素材の選択だけ
では不十分な場合には直流磁化特性の調整が図られてい
る。例えば、素材の選択だけでは不十分な場合には、歪
み付与や熱処理により直流磁化特性が変化するという軟
磁性材料の特性に鑑み、歪み付与や熱処理より直流磁化
特性の調整が図られている。また、いわゆるフェロパー
ムを素材としたものでは、Alの添加により大きな結晶
粒の組織が得られ、この結晶粒の大きさに影響する板厚
に応じて直流磁化特性が変化するという素材固有の特性
があり、この特性に鑑み、板厚の調整によっても直流磁
化特性の調整が図られている。なお、純鉄やいわゆるパ
ーマロイを素材としたものでは、結晶粒が極めて小さ
く、その組織構造上、板厚を調整しても直流磁化特性が
変化することがなく、専ら歪み付与や熱処理より直流磁
化特性の調整が図られている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の直流磁化特性の調整手段にあっては、歪み付与や熱
処理によるものでは熱処理や歪み付与のための処理条件
の設定が難しく、しかも熱処理や歪み付与のための処理
条件を設定したとしても、その処理上、再現性に劣り、
直流磁化特性の調整が困難であり、板厚の調整によるも
のでは、所定肉厚の下での直流磁化特性の調整が不可能
であり、設計上の理由等により肉厚が制約される場合に
対応できず、特に、所定肉厚の下、直流磁化特性が必要
以上に高くなるという問題があった。 【0005】本発明の目的は、直流磁化特性の調整を容
易に行なうことができ、しかも所定の肉厚の下でも直流
磁化特性が必要以上に高くならないように調整できる磁
性体を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明に係る磁性体で
は、Alを0.5〜3.5wt%を含有するFe−Al
系軟磁性材料を素材とした複数枚の軟磁性板を重ね合わ
せた状態にて磁性焼鈍して合板させてなることを特徴と
している。 【0007】 【発明の実施の形態】本発明が適用された磁性体を図1
に基づいて説明する。磁性体1は、コ字状に形成され、
モータ用ステータとして用いられるようになっている。
すなわち、磁性体1には、1対の平行板部2と、平行板
部2の一端部を連結する連結部3とが形成されている。
そして、1対の平行板部2の間に図示しないロータ磁石
が挿置され、当該ロータの回転用として用いられるよう
になっている。 【0008】磁性体1は、Alを0.5〜3.5wt%
を含有するFe−Al系軟磁性材料、いわゆるフェロパ
ームを素材とした2枚の軟磁性板1aを重ね合わせた状
態にて磁性焼鈍して合板させたものとなっている。各軟
磁性板1aの板厚tは、同一の厚みに設定されている。 【0009】各軟磁性板1aは、その重ね合わせ面にて
一体に結合されているとともに非重ね合わせ面外周に酸
化膜が形成されている。すなわち、磁性焼鈍時には、各
軟磁性板1aの重ね合わせにより、その重ね合わせ面が
酸化し難くなり、磁性焼鈍時の熱により、各軟磁性板1
aがその重ね合わせ面にて一体に結合するとともに非重
ね合わせ面外周に酸化膜が形成される。 【0010】上記の構成によれば、Alを0.5〜3.
5wt%を含有するFe−Al系軟磁性材料、いわゆる
フェロパームを素材とした2枚の軟磁性板1aを重ね合
わせた状態にて磁性焼鈍して合板させたものであるの
で、軟磁性板1aの素材固有の特性上、軟磁性板1aの
板厚に応じて直流磁化特性が変化し、軟磁性板1aの板
厚tの調整により、直流磁化特性の調整を容易に行なう
ことができ、しかも所定の肉厚の下でも軟磁性板1aの
枚数および板厚tの調整により直流磁化特性が必要以上
に高くならないように調整できる。例えば、各軟磁性板
1aの板厚tを大きく設定すれば、それに伴って直流磁
化特性が向上し、直流磁化特性を調整できる。また、各
軟磁性板1aの板厚tを小さく設定し、この設定による
肉厚の減少分を補うように軟磁性板1aの枚数を増やせ
ば、所定の肉厚の下でも直流磁化特性が低下し、直流磁
化特性が必要以上に高くならないように調整できる。 【0011】また、各軟磁性板1aを重ね合わせた状態
にて磁性焼鈍したものであるので、製造に手間がかから
ず、しかも磁性焼鈍時の熱により、各軟磁性板1aがそ
の重ね合わせ面にて一体に結合するとともに非重ね合わ
せ面外周に酸化膜が形成されて耐蝕性が付与され、磁気
回路部品等としての機能上、不都合が生じることもな
い。 【0012】なお、磁性焼鈍時の熱により、各軟磁性板
1aをその重ね合わせ面にて一体に結合するには、露点
がマイナス70度程度の高還元性雰囲気のもとで磁性焼
鈍することが望ましい。 【0013】また、磁性焼鈍時の熱により各軟磁性板1
aを強固に結合するには、磁性焼鈍時に各軟磁性板1a
を重ね合わせた状態にてワイヤや治具等で拘束して各軟
磁性板1aの重ね合わせ面を圧接することが望ましい。
すなわち、各軟磁性板1aの重ね合わせ面を圧接すれ
ば、各軟磁性板1aの重ね合わせ面の接触力が増して各
軟磁性板1aの重ね合わせ面がより酸化し難くなり、磁
性焼鈍時の熱により各軟磁性板1aが強固に結合する。
この場合、ワイヤや治具等は、直流磁化特性に影響を及
ぼさないようにニッケルやアルミニウム等により形成す
ることが望ましく、治具の構造としては例えば図2に図
示のものが適用可能である。 【0014】図2に図示の治具4では、4枚の同一板厚
の軟磁性板1aを重ね合わせた状態にて拘束できるよう
になっている。各軟磁性板1aには、複数箇所に位置決
め用の孔1bが穿設されている。治具4には、各軟磁性
板1aが載置される基台4aと、各軟磁性板1aを介し
て基台4aの上に載置される押台4bとが設けられてい
る。基台4aの上面には、各軟磁性板1aの位置決め用
の各孔1bに挿入されて各軟磁性板1aを貫通する複数
の位置決め用のピン4cが突設され、これらのピン4c
によって各軟磁性板1aが位置決めされるようになって
いる。押台4bには、複数の脚部4dが突設されてお
り、これらの各脚部4dの先端部には各ピン4cの逃げ
孔(図2では図示されていない。)が形成されている。
そして、押台4bが各軟磁性板1aを介して基台4aの
上に載置されると、押台4bの荷重が脚部4dを介して
各軟磁性板1aの押圧力として作用し、この押圧力によ
り各軟磁性板1aの重ね合わせ面の接触力が増すことと
なる。 【0015】次に、Alを0.5〜3.5wt%を含有
するFe−Al系軟磁性材料、いわゆるフェロパームの
特性について説明する。フェロパームを素材とした板厚
0.5mmの軟磁性板、フェロパームを素材とした板厚
1.0mmの軟磁性板およびフェロパームを素材とした板
厚0.5mmの軟磁性板を2枚重ね合わせたものを 熱処理炉:純水素ガス雰囲気炉、純水素ガス分圧6〜1
30Pa、 熱処理条件:1050度×1時間、炉冷 の条件のもとで磁性焼鈍し、直流磁化特性を調べた。な
お、各軟磁性板の平面形状は、図1に図示の軟磁性板1
aと同一形状とした。 【0016】この結果、板厚0.5mmの軟磁性板では、 保磁力:Hc=0.190[Oe] 最大透磁率:Цm=33000 磁束密度:B10=15240[G] であり、板厚1.0mmの軟磁性板では、 保磁力:Hc=0.165[Oe] 最大透磁率:Цm=50400 磁束密度:B10=15320[G] であり、板厚0.5mmの軟磁性板を2枚重ね合わせたも
のでは、 保磁力:Hc=0.190[Oe] 最大透磁率:Цm=33000 磁束密度:B10=15240[G] であり、板厚1.0mmの軟磁性板を磁性焼鈍したものと
板厚0.5mmの軟磁性板を磁性焼鈍したものとを比較す
ると、保磁力、最大透磁率、磁束密度に差異が認めら
れ、異なる直流磁化特性が得られた。また、板厚0.5
mmの軟磁性板を磁性焼鈍したものと板厚0.5mmの軟磁
性板を2枚重ね合わせたものとを比較すると、保磁力、
最大透磁率、磁束密度に差異が認められず、同一の直流
磁化特性が得られた。 【0017】 【発明の効果】以上説明したように本発明に係る磁性体
では、Alを0.5〜3.5wt%を含有するFe−A
l系軟磁性材料を素材とした複数枚の軟磁性板を重ね合
わせた状態にて磁性焼鈍して合板させてなるので、軟磁
性板の素材固有の特性上、軟磁性板の板厚に応じて直流
磁化特性が変化し、軟磁性板の板厚の調整により、直流
磁化特性の調整を容易に行なうことができ、しかも所定
の肉厚の下でも軟磁性板の枚数および板厚の調整により
直流磁化特性が必要以上に高くならないように調整でき
る。また、製造に手間がかからず、しかも磁性焼鈍時の
熱により、各軟磁性板がその重ね合わせ面にて一体に結
合するとともに非重ね合わせ面外周に酸化膜が形成され
て耐蝕性が付与され、磁気回路部品等としての機能上、
不都合が生じることもない。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明が適用された磁性体の斜視図である。 【図2】複数枚の軟磁性板を磁性焼鈍するときに用いら
れる治具を示す斜視図である。 【符号の説明】 1 磁性体 1a 軟磁性板

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 Alを0.5〜3.5wt%を含有する
    Fe−Al系軟磁性材料を素材とした複数枚の軟磁性板
    を重ね合わせた状態にて磁性焼鈍して合板させてなるこ
    とを特徴とする磁性体。
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