JP3445581B2 - 画像投影システム - Google Patents

画像投影システム

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JP3445581B2
JP3445581B2 JP2001118199A JP2001118199A JP3445581B2 JP 3445581 B2 JP3445581 B2 JP 3445581B2 JP 2001118199 A JP2001118199 A JP 2001118199A JP 2001118199 A JP2001118199 A JP 2001118199A JP 3445581 B2 JP3445581 B2 JP 3445581B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像投影システ
ム、より詳しくは、スクリーンへの投影画像をラインセ
ンサにより読み取って画像投影装置により生成する画像
を補正し得る画像投影システムに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば透過型LCD等の表示素子により
画像を生成して、該表示素子に照明光を照射し、投影光
学系を介して画像をスクリーンに投影する画像投影装置
は、従来より種々のものが提案されているが、これらの
画像投影装置により投影される画像は、例えば周辺光量
が不足する等により、画面全体の輝度やカラーバランス
が均一となっていない場合がある。
【0003】そこで、こうした画面の輝度やカラーバラ
ンスが均一となるように、上記表示素子により形成する
画像を補正するために、スクリーン上に投影された画像
を読み取る技術が提案されている。
【0004】このような技術の一例として、特開平9−
326981号公報には、高精細な画像データを生成す
る画像生成手段と、上記高精細な画像データの少なくと
も一部を投影するための複数のプロジェクタを有する画
像投影手段と、上記高精細な画像データの少なくとも一
部を選択して処理し上記複数のプロジェクタに出力する
画像処理手段と、観客の視点付近に配置されていて投影
画像を撮影するデジタルカメラやビデオカメラ等の撮像
手段と、上記投影画像を上記撮像手段で撮影した画像デ
ータからプロジェクタ配置パラメータを算出するパラメ
ータ算出手段と、を備えた画像投影システムが記載され
ている。
【0005】また、特開平7−123207号公報に
は、プラテン上に置かれた原稿の画像をスキャナを用い
て読み取るデジタル複写機の倍率誤差補正方法におい
て、プラテンガラスまたは整合ガイドの裏面の原稿像が
投影されない非画像領域に目盛りを設け、所定の2点間
においてスキャナで上記目盛りを読み取り、スキャナが
上記2点間を移動するのに要した時間を計算し、該スキ
ャナの移動時間を複写機内に記憶した基準時間と比較
し、その比較の結果に基づいてスキャナの移動速度を制
御するかまたは画像処理部において画像の変動分を補正
するデジタル複写機の倍率誤差補正方法が記載されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平9−326981号公報に記載のものでは、補正処
理を行うパラメータを抽出するべく、投影画像をデジタ
ルカメラやビデオカメラを用いて撮影するようにしてい
るために、スクリーンに対するカメラの設置位置や、角
度、ピントなどを熟練していない一般ユーザが最適なも
のに調整するのは容易でなく、不正確に設置されると画
像の正確な補正が行えない可能性がある。さらに、スク
リーンを一旦設置した後では、その設置場所によって、
デジタルカメラやビデオカメラを設置する場所を確保す
るのが困難であったり、あるいはスクリーンに入射する
外光を十分に遮断することができないなどの課題があ
る。
【0007】また、上記特開平7−123207号公報
に記載のものでは、スキャナで原稿の画像を読み取る際
に、原稿以外の非画像領域に目盛りを付けてスキャナで
読み取り、その時間を計測して画像の変動分を補正する
ようにしているために、スキャナの読取信号から目盛り
部分の信号を抽出して基準時間と比較するための余計な
回路が必要となって、コストが増したり処理時間を要し
たりすることになってしまう。
【0008】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、画像投影装置により生成する画像を容易かつ正確
に補正することができる画像投影システムを提供するこ
とを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、第1の発明による画像投影システムは、2次元状
に配列した複数の表示画素を垂直同期信号と水平同期信
号とを含む画像信号により駆動して画像を生成し投影す
る画像投影装置と、この画像投影装置からの画像が観察
可能に投影されるスクリーンと、複数の読取画素を1次
元状に配列してなり上記スクリーンに投影された画像を
該配列に係る一方向に主走査して読み取るラインセンサ
と、このラインセンサを上記一方向と独立な他方向に移
動させることにより副走査を行う副走査手段と、上記ラ
インセンサの各読取画素における電荷蓄積時間が上記垂
直同期信号の周期の自然数倍となるように上記主走査の
開始タイミングを示す駆動信号を生成して該ラインセン
サに供給する駆動信号生成手段と、上記主走査と副走査
を行うことによって上記ラインセンサから出力される画
像データに基づき上記画像投影装置により生成する画像
を補正する画像補正手段と、を備えたものである。
【0010】また、第2の発明による画像投影システム
は、上記第1の発明による画像投影システムにおいて、
上記副走査手段が、上記表示画素を上記スクリーン上に
投影して得られる投影画素を上記他方向に1ピッチ分だ
け副走査するのに要する時間が、上記垂直同期信号の1
周期よりも長くなるように上記ラインセンサを移動させ
るものである。
【0011】さらに、第3の発明による画像投影システ
ムは、画像を生成して投影する画像投影装置と、この画
像投影装置からの画像が観察可能に投影されるスクリー
ンと、このスクリーンを支持するスクリーン支持部材
と、複数の読取画素を1次元状に配列してなり上記スク
リーンに投影された画像を該配列に係る一方向に主走査
して読み取るラインセンサと、このラインセンサを上記
一方向と独立な他方向に移動させることにより副走査を
行う副走査手段と、上記ラインセンサをこの副走査手段
により移動可能となるように保持するものであって上記
スクリーン支持部材に対して着脱可能な可動部と、上記
主走査と副走査を行うことによって上記ラインセンサか
ら出力される画像データに基づき上記画像投影装置によ
り生成する画像を補正する画像補正手段と、を備えたも
のである。
【0012】第4の発明による画像投影システムは、画
像を生成して投影する画像投影装置と、この画像投影装
置からの画像が観察可能に投影されるスクリーンと、こ
のスクリーンを支持するスクリーン支持部材と、このス
クリーン支持部材の上記スクリーンの画像投影範囲の外
側近傍となる部分に配設された光を反射または放射する
マーカと、複数の読取画素を1次元状に配列してなり該
配列に係る一方向に主走査することにより上記スクリー
ンに投影された画像を読み取るとともに上記マーカを読
み取り得るラインセンサと、このラインセンサを上記一
方向と独立な他方向に移動させることにより副走査を行
う副走査手段と、上記主走査と副走査を行うことにより
上記ラインセンサから出力される画像データに含まれる
マーカ画像に基づいて上記副走査手段による副走査の速
度が変動したことに起因する該画像データの変動分を補
正し補正された画像データに基づいて上記画像投影装置
により生成する画像を補正する画像補正手段と、を備え
たものである。
【0013】第5の発明による画像投影システムは、画
像を生成して投影する画像投影装置と、この画像投影装
置からの画像が観察可能に投影されるスクリーンと、複
数の読取画素を1次元状に配列してなり上記スクリーン
に投影された画像の少なくとも一部を該配列に係る一方
向に主走査して読み取る逐次読み出し方式の部分ライン
センサを該一方向に略沿って複数配設してなるラインセ
ンサと、このラインセンサに含まれる複数の部分ライン
センサに対して上記主走査の開始タイミングを示す駆動
信号を生成して各部分ラインセンサに同時に供給する駆
動信号生成手段と、このラインセンサを上記一方向と独
立な他方向に移動させることにより副走査を行う副走査
手段と、上記主走査と副走査を行うことによって上記ラ
インセンサから出力される画像データに基づき上記画像
投影装置により生成する画像を補正する画像補正手段
と、を備えたものである。
【0014】第6の発明による画像投影システムは、画
像を生成して投影する画像投影装置と、この画像投影装
置からの画像が観察可能に投影されるものであって湾曲
して形成されているスクリーンと、複数の読取画素を1
次元状に配列してなり上記スクリーンに投影された画像
の少なくとも一部を該配列に係る一方向に主走査して読
み取る部分ラインセンサを該一方向に略沿いつつかつ上
記スクリーンの湾曲形状に沿うように複数配設してなる
ラインセンサと、このラインセンサを上記一方向と独立
な他方向に移動させることにより副走査を行う副走査手
段と、上記主走査と副走査を行うことによって上記ライ
ンセンサから出力される画像データに基づき上記画像投
影装置により生成する画像を補正する画像補正手段と、
を備えたものである。
【0015】第7の発明による画像投影システムは、画
像を生成して投影する画像投影装置と、この画像投影装
置からの画像が観察可能に投影されるものであって湾曲
して形成されているスクリーンと、複数の読取画素を1
次元状に配列してなり上記スクリーンに投影された画像
の少なくとも一部を該配列に係る一方向に主走査して読
み取る部分ラインセンサを該一方向に略沿いつつかつ上
記スクリーンの湾曲形状に該略沿いながらも互いに平行
となるよう階段状に複数配設してなるラインセンサと、
このラインセンサを上記一方向と独立な他方向に移動さ
せることにより副走査を行う副走査手段と、上記主走査
と副走査を行うことによって上記ラインセンサから出力
される画像データに基づき上記画像投影装置により生成
する画像を補正する画像補正手段と、を備えたものであ
る。
【0016】第8の発明による画像投影システムは、画
像を生成して投影する画像投影装置と、この画像投影装
置からの画像が観察可能に投影されるものであって湾曲
して形成されているスクリーンと、複数の読取画素を1
次元状に配列してなり上記スクリーンに投影された画像
を該配列に係る一方向に主走査して読み取るラインセン
サと、このラインセンサを上記一方向と独立な他方向に
移動させることにより副走査を行う副走査手段と、上記
ラインセンサとスクリーンとの間隔を変更するラインセ
ンサ移動機構と、このラインセンサ移動機構により上記
ラインセンサとスクリーンとの間隔を変更して上記主走
査と副走査を複数回行うことにより上記ラインセンサか
ら出力される複数の画像データに基づきスクリーンに投
影された画像の全体に焦点の合った一画像データを生成
する画像処理手段と、この画像処理手段により生成され
た画像データに基づき上記画像投影装置により生成する
画像を補正する画像補正手段と、を備えたものである。
【0017】第9の発明による画像投影システムは、画
像を生成して投影する画像投影装置と、この画像投影装
置からの画像が観察可能に投影されるスクリーンと、複
数の読取画素を1次元状に配列してなり上記スクリーン
に投影された画像を該配列に係る一方向に主走査して読
み取るラインセンサと、このラインセンサを上記一方向
と独立な他方向に移動させることにより副走査を行う副
走査手段と、所定の観察位置から見たときの画像データ
を上記ラインセンサが出力するように上記副走査手段に
よる副走査位置に応じて該ラインセンサを回転させるラ
インセンサ回転手段と、上記主走査と副走査を行うこと
によって上記ラインセンサから出力される画像データに
基づき上記画像投影装置により生成する画像を補正する
画像補正手段と、を備えたものである。
【0018】第10の発明による画像投影システムは、
画像を生成して投影する画像投影装置と、この画像投影
装置からの画像が観察可能に投影されるスクリーンと、
このスクリーンを支持するスクリーン支持部材と、複数
の読取画素を1次元状に配列してなり上記スクリーンに
投影された画像を該配列に係る一方向に主走査して読み
取るラインセンサと、このラインセンサを上記一方向と
独立な他方向に移動させることにより副走査を行う副走
査手段と、上記ラインセンサをこの副走査手段により移
動可能となるように保持する可動部と、上記主走査と副
走査を行うことによって上記ラインセンサから出力され
る画像データに基づき上記画像投影装置により生成する
画像を補正する画像補正手段と、上記可動部を上記スク
リーン支持部材の少なくとも画像観察側の表面から突出
することのないように該スクリーン支持部材の内部また
は近傍に収納し得る収納機構と、を備えたものである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図1から図21は本発明の一実施
形態を示したものであり、図1は画像投影システムの構
成の第1の例を示す図である。
【0020】この図1に示す画像投影システムは、2次
元状に配列した複数の表示画素を有してなる例えば透過
型LCD等の表示素子を、垂直同期信号と水平同期信号
とを含む画像信号により駆動して画像を生成し、該表示
素子に照明光を照射し投影光学系を介して画像を投影す
る画像投影装置1と、この画像投影装置1からの画像が
投影されるスクリーン2と、このスクリーン2上に投影
された画像を読み取るラインセンサ3と、上記画像投影
装置1の垂直同期信号に基づいてこのラインセンサ3を
駆動するためのラインセンサ駆動信号を供給する駆動信
号生成手段たるラインセンサ駆動信号生成回路5を備え
た画像読取制御部4と、を有して構成されている。
【0021】上記ラインセンサ3は、図示の長手方向に
沿って複数の読取画素が配列されてなるものであり、該
読取画素の配列方向に沿って蓄積された電荷を読み出す
ことにより主走査を行うようになっている。
【0022】さらに、このラインセンサ3は、図1の紙
面垂直方向に移動することにより副走査を行うようにな
っており、上記主走査とこの副走査とを行うことによ
り、スクリーン2上の画像を全面に渡って読み取ること
ができるようになっている。
【0023】なお、ラインセンサ3は、外光の影響を受
けることなく画像投影装置1からスクリーン2に投影さ
れた画像に係る電荷のみを蓄積することができるよう
に、この図1においては図示はしないが、外光を遮断す
るための遮光部材が設けられている(後述する図7の遮
光部材15参照)。
【0024】また、図2は画像投影システムの構成の第
2の例を示す図であり、ここでは、複数の画像投影装置
を有する例となっている。
【0025】すなわち、この図2に示す画像投影システ
ムは、第1の画像投影装置1Aと、第2の画像投影装置
1Bと、これらの画像投影装置1A,1Bから部分画像
が各々の辺縁において一部重畳するように投影されるこ
とにより全体として一画像が投影されるスクリーン2
と、このスクリーン2上に投影された画像を読み取るラ
インセンサ3と、このラインセンサ3による画像の読み
取り動作を制御する画像読取制御部4と、を有して構成
されている。
【0026】この第2の例における画像読取制御部4
は、外部から例えば手動により設定される周波数に従っ
て、該周波数の垂直同期信号を発生させる同期信号発生
部6と、この同期信号発生部6から発生された垂直同期
信号に基づいて上記ラインセンサ3を駆動するためのラ
インセンサ駆動信号を供給するラインセンサ駆動信号生
成回路5と、を備えており、上記同期信号発生部6から
発生される垂直同期信号は、上記第1の画像投影装置1
Aおよび第2の画像投影装置1Bの両方に対して供給さ
れるようになっている。
【0027】この図2に示したような構成によれば、複
数の独立した画像投影装置を用いて画像を投影する場合
にも、垂直同期信号の周期やタイミングがずれることが
ないという利点がある。
【0028】さらに、図3は画像投影システムの構成の
第3の例を示す図であり、ここでも、複数の画像投影装
置を有する例となっている。
【0029】すなわち、この図3に示す画像投影システ
ムは、第1の画像投影装置1Aと、第2の画像投影装置
1Bと、これらの画像投影装置1A,1Bから部分画像
が各々の辺縁において一部重畳するように投影されるこ
とにより全体として一画像が投影されるスクリーン2
と、このスクリーン2上に投影された画像を読み取るラ
インセンサ3と、このラインセンサ3による画像の読み
取り動作を制御する画像読取制御部4と、を有して構成
されている。
【0030】上記第1の画像投影装置1Aと第2の画像
投影装置1Bは、何れも、垂直同期信号の周期が既知で
あって、同一の値τをとるものである。
【0031】また、この第3の例における画像読取制御
部4は、上記画像投影装置1A,1Bと同一の周期τを
設定することにより、該周期τの垂直同期信号を発生さ
せる同期信号発生部6と、この同期信号発生部6から発
生された垂直同期信号に基づいて上記ラインセンサ3を
駆動するためのラインセンサ駆動信号を供給するライン
センサ駆動信号生成回路5と、を備えている。
【0032】この図3に示したような構成によれば、垂
直同期信号を入力したり出力したりすることができない
画像投影装置に対して有効となる。
【0033】次に図4は、上述したように各構成された
画像投影システムにおける画像投影装置の垂直同期信号
とラインセンサによる画像の読み取りタイミングとの関
連を示すタイミングチャートである。
【0034】図4(A)は、画像投影装置1(または1
A,1B)の表示素子(ここではLCDとする)に供給
される垂直同期信号を示し、図示のような周期T1 のパ
ルス状信号となっている。
【0035】図4(B)は、画像投影装置1(または1
A,1B)のLCDに配列されている複数の表示画素の
内の、ある1表示画素における電極電位の波形を示して
いる。上記図4(A)に示したように、垂直同期信号が
周期T1 で与えられるのに対応して、この1表示画素に
おける電極電位も、期間T1 の矩形幅を有するものとな
っている。
【0036】より詳しくは、このLCDは、垂直期間毎
に極性を反転させた書き込みパルスを全表示画素に対し
て順次与えるものであるために、電極電位波形の周期と
しては2T1 となっている。そして、各表示画素の電極
電位は、書き込みパルスが与えられた後には時間が経過
するにつれて徐々に変化するようになっており、これに
応じて表示画素を投影して得られる投影画素の輝度も期
間T1 の中で徐々に変化する。さらに、正の書き込みパ
ルスを与えたときの正の期間と、負の書き込みパルスを
与えたときの負の期間とでは、電極電位の変化が厳密な
正負対称とはなっていない。
【0037】従って、投影画像における各投影画素の輝
度は、期間T1 毎にほぼ周期的に変化するということが
でき、より正確には、期間2T1 毎に周期的に変化する
ということができる。
【0038】次に、図4(C)は、ラインセンサ3に与
える読取開始信号を示し、周期T2のパルス状信号とな
っている。ここに、読取開始信号の周期T2 は、 T2 =n×T1 (n=1,2,3,…) となるように設定されており、この図4(C)に示す例
ではn=2となるときの様子を示している。
【0039】こうして、ラインセンサ3の各読取画素が
電荷を蓄積する時間が、画像投影装置1(または1A,
1B)のLCDに対する垂直同期信号の周期T1 の自然
数倍となるようにしている。
【0040】さらに、図4(D)は、ラインセンサ3を
構成する全読取画素から出力される読取信号の出力波形
を示しており、全読取画素のデータが読み出されるまで
には読取開始信号の周期T2 よりも短い所定の期間を要
するが、画素単位で見た場合には、ある読取画素のデー
タが読み出されてから次に読み出されるまでの期間が、
何れの読取画素についても共通してT2 となっている。
【0041】こうして、第1番目の読取画素の読取信号
出力間隔Ts1も、第n番目の読取画素の読取信号出力間
隔Tsnも、全て周期T2 に等しくなっていて、つまり、
全ての読取画素の電荷蓄積時間が、投影画像の垂直同期
信号周期の自然数倍となっている。
【0042】上述したように、投影画像における各投影
画素の輝度は、画素電極の電位が期間T1 でほぼ周期的
に変化しているのに伴って変化しているが、ラインセン
サ3を構成する各読取画素は、このT1 の自然数倍の期
間だけ電荷を蓄積しているために、該輝度の変動の影響
を受けることなく正確にセンシングすることが可能とな
る。
【0043】さらに、上述したように、画素電極の電位
は、正確には、期間2T1 で周期的に変化して、正の期
間と負の期間とでは対称となっていないために、投影画
像における各投影画素の輝度は、これら正負の期間では
異なることになる。
【0044】そこで、読取開始信号の周期T2 が、垂直
同期信号の周期T1 の偶数倍となるようにすることで、
正の期間と負の期間との輝度の違いの影響を受けること
のないようにすることができるために、より正確に読み
取ろうとする場合には上記nが偶数となるように設定す
ることが望ましい。
【0045】このように、ラインセンサの蓄積時間を画
像投影装置における垂直同期信号の周期の自然数倍に設
定して、この蓄積時間だけ電荷を蓄積した読取信号を出
力するようにしたために、輝度変化の影響を抑制して、
安定して投影画像を読み取ることができる。特に、ライ
ンセンサの蓄積時間を画像投影装置における垂直同期信
号の周期の偶数倍に設定することで、より安定した読み
取りを行うことが可能となる。
【0046】なお、垂直同期信号の周期に対して電荷の
蓄積時間を充分に長くとるようにすれば、同様に安定し
た投影画像の読み取りが可能であるが、この場合には、
1画面全体を走査するのに非常に長い時間を要してしま
うことになる。これに比して、本実施形態のように適宜
の自然数倍を設定することで、安定した読み取りを行い
ながら、かつ走査に要する時間を短縮することが可能と
なる。
【0047】図5は画像投影システムの構成の第4の例
を示す図である。
【0048】この図5に示す画像投影システムは、画像
投影装置1と、この画像投影装置1からの画像が投影さ
れるスクリーン2と、このスクリーン2を支持するもの
であって紙面垂直方向に細長のレール状をなす副走査ガ
イド14が取り付けられているスクリーン枠11と、上
記スクリーン2上に投影された画像を読み取るラインセ
ンサ3と、このラインセンサ3を上記副走査ガイド14
に沿って移動させることにより副走査を行わせるための
副走査手段たる副走査機構13と、このラインセンサ3
を主走査させるための駆動信号を供給して出力信号を受
けるとともに副走査制御信号により上記副走査機構13
を制御する画像読取制御部4と、上記ラインセンサ3と
画像読取制御部4と副走査機構13を一体に内蔵する可
動部12と、上記画像読取制御部4から出力される読取
画像データに基づき上記画像投影装置1を補正するため
の表示補正データを作成して供給する画像補正手段であ
り画像処理手段たる画像補正処理部8と、を有して構成
されている。
【0049】上記副走査機構13は、図示しないモータ
や動力伝達機構等を有してなり、上記画像読取制御部4
から出力される副走査制御信号や動力伝達機構の減速比
設定指示などにより、投影画素1ピッチ当たりの副走査
時間が垂直同期信号の1周期よりも長くなるように、そ
の走査速度が設定されている。
【0050】次に、図6は、上記図5に示したような画
像投影システムにおける、垂直同期信号周期と走査時間
との関係を示すタイミングチャートである。
【0051】図6(A)は、LCDに供給される周期T
1 の垂直同期信号を示している。
【0052】図6(B)は、LCDに配列されている複
数の表示画素の内の、ある1表示画素における電極電位
の波形、図6(C)は、上記図6(B)の表示画素に隣
接した1表示画素であって該図6(B)の表示画素を投
影して得られる投影画素の次に副走査方向において読み
取られる投影画素に係る表示画素の電極電位の波形、を
それぞれ示している。
【0053】この図6(B)、図6(C)において、投
影画素1ピッチ当たりの副走査時間Tm は、ハッチング
して示す部分の幅となっており、垂直同期信号の1周期
T1よりも長くなるように設定されている。
【0054】ラインセンサ3は、まず、図6(B)の表
示画素に係る投影画素上をハッチング部分で示した期間
に渡って副走査方向に移動し、次に、図6(C)の表示
画素に係る投影画素上をハッチング部分で示した期間に
渡って副走査方向に移動するようになっている。
【0055】従って、ラインセンサ3は、これらのハッ
チング部分で示した期間に渡って、各投影画素に係る電
荷を蓄積することが可能である。
【0056】図6(D)は上記図6(B)の表示画素に
係る投影画素に対するラインセンサの蓄積期間の例、図
6(E)は上記図6(C)の表示画素に係る投影画素に
対するラインセンサの蓄積期間の例、をそれぞれ示して
いる。
【0057】図示のように、何れの表示画素に係る投影
画素についても同一の蓄積時間Tsだけ電荷の蓄積を行
うように制御されており、この蓄積時間Ts は、例え
ば、副走査時間Tm の先頭から開始されるようになって
いる。
【0058】上記蓄積時間Ts は、より詳しくは、上記
副走査時間Tm よりも短い時間であって、かつ、 Ts =n×T1 (n=1,2,3,…) となるような時間として設定されている。
【0059】上記図6(B)、図6(C)に示した例で
は、T1 <Tm <2T1 となるように設定されているた
めに、図6(D)、図6(E)においてはn=1、つま
りTs =T1 となっているが、例えば、2T1 <Tm <
3T1 となるように設定した場合には、n=1、または
n=2の何れかとなるように設定することができ、より
一般的には、 k×T1 <Tm <(k+1)×T1 (k=1,2,
3…) となるようにTm を設定した場合には、n=1〜kの何
れかとなるようにTs を設定すればよい。
【0060】このとき、nが偶数である方がより正確に
輝度を測定することができるのは、上記図4を参照して
説明した例と同様である。
【0061】なお、上記図5に示したような構成におい
ても、上記図1から図3に示したように、種々の垂直同
期信号に対応することが可能である。
【0062】すなわち、画像読取制御部4が、上記図1
と同様に、上記画像投影装置1から垂直同期信号を入力
して、この垂直同期信号の周期に応じて、上記副走査機
構13に出力する副走査制御信号の周期や電圧、電流な
どを変化させることにより、走査速度を最適にすること
ができる。
【0063】また、画像読取制御部4に同期信号発生部
6(図2、図3参照)を設けて、この同期信号発生部6
により発生させた垂直同期信号を副走査制御信号に反映
させるとともに、必要に応じて図2に示すように、発生
させた垂直同期信号を画像投影装置1に供給することも
できる。
【0064】こうして、投影した画像に係る全ての投影
画素に対して、垂直同期信号の周期の自然数倍の時間だ
け、ラインセンサによる蓄積を行っているために、投影
画素の輝度を正確に測定することが可能となって、読取
画像にモアレやフリッカが発生するのを防止することが
できる。
【0065】次に、図7は、副走査方向に移動する可動
部をスクリーンに対して着脱可能とした画像投影システ
ムの構成例を示す(A)斜視図および(B)平断面図で
ある。
【0066】この画像投影システムは、図7(A)、図
7(B)に示すように、基本的には、例えば上記図5に
示したものと同様に構成されていて、図7(B)では上
側に配置されている上記画像投影装置1(図7には示し
ていないので図5等を参照)から画像が投影されるスク
リーン2と、このスクリーン2を支持するものであって
例えばロッド状の副走査ガイド14を内蔵するスクリー
ン枠11と、上記スクリーン2上に投影された画像を読
み取るラインセンサ3と、このラインセンサ3を上記副
走査ガイド14に沿って移動させることにより副走査を
行わせるための副走査手段たる副走査機構13と、上記
ラインセンサ3を内蔵する可動部12と、を含んで構成
されているが、上記可動部12は、上記副走査機構13
に対して着脱可能となっている。
【0067】これに応じて、可動部12には、複数の位
置決めピン17aが突設されるとともに、上記画像読取
制御部4(図5等参照)との間で駆動信号や出力信号の
授受を行うための電気接点16aが設けられている。
【0068】さらに、この可動部12には、スクリーン
2上に投影された画像をラインセンサ3により読み取る
際に、画像投影装置1以外からの光の影響を受けること
のないように、遮光部材15が設けられている。
【0069】一方、副走査機構13の側には、上記位置
決めピン17aに対応する位置に位置決めピン受け穴1
7bが穿設されており、上記電気接点16aに対応する
電気接点16bが設けられていて、該電気接点16bを
介して授受される電気信号は、ケーブル18により伝達
されるようになっている。
【0070】こうして、この図7に示すような構成によ
れば、可動部をスクリーン面に対して着脱可能としてい
るために、表示補正処理を行わないときには該可動部を
取り外すことにより、可動部に視界を遮られることなく
スクリーンを観察することが可能となり、スクリーンの
可視範囲を広げることができる。
【0071】また、可動部を取り外すことにより、該可
動部に内蔵されているラインセンサの清掃を容易に行う
ことができる。これにより、ラインセンサをクリーンな
状態に保つことができ、投影画像を正確に表示補正する
ことが可能となる。
【0072】次に、図8から図10を参照して、スクリ
ーン枠にマーカを設けて、ラインセンサの副走査方向の
位置を確認することができるようにした構成について説
明する。
【0073】図8は、スクリーン枠にマーカを設けた構
成を示す正面図である。
【0074】スクリーン2をその4辺縁側で支持するス
クリーン支持部材たるスクリーン枠11には、副走査方
向に平行となる上下の枠部分に、複数のマーカ11aが
該副走査方向に沿って等間隔に設けられている。
【0075】これらのマーカ11aは、可動部12に内
蔵されているラインセンサ3が副走査方向に移動するの
に従って、その読み取り範囲3Aにより光学的に読み取
ることができるように構成されている。
【0076】このような構成により、スクリーン2全体
を走査した画像データには、可動部12の上部と下部そ
れぞれの走査速度ムラによるマーカ位置のずれが、該画
像データの一部として含まれているために、例えば上記
画像補正処理部8(図5参照)によってマーカ位置が等
間隔になるように補正することで、速度ムラのない読取
画像データを生成するようになっている。
【0077】図9は、マーカの一構成例を示す縦断面図
である。
【0078】この例においては、上述したようなマーカ
11aは、スクリーン枠11の内部に配設された光源2
1と、この光源21から発光される光を通過させるため
に該スクリーン枠11のラインセンサ3に対向する側に
配設された微小なスリットや孔等でなる光透過部11b
と、を有して構成されている。
【0079】上記光源21から発光された光は、上記光
透過部11bを通過して射出される。上記ラインセンサ
3が、副走査機構(図7の副走査機構13等参照)によ
り図9の紙面と垂直な方向に副走査されて、光透過部1
1bの正面に位置すると、このときにラインセンサ3が
該光透過部11bを介して射出される光を検出する。こ
れにより、ラインセンサ3からの出力画像データには、
マーカ11aの像が記録されていることになる。
【0080】また、図10は、マーカの他の構成例を示
す縦断面図である。
【0081】この例においては、上述したようなマーカ
11aは、スクリーン枠11のラインセンサ3に対向す
る面に貼設した反射部材11cと、可動部12の該ライ
ンセンサ3の近傍に取り付けられた光源21と、を有し
て構成されている。
【0082】これに応じて、スクリーン枠11は、上記
反射部材11cとは異なる反射率となるように、例えば
ほぼ無反射に近くなるように表面が塗装されている。
【0083】上記光源21から発光された光は、上記ス
クリーン枠11に向かって照射されるが、反射部材11
cが存在しない部分ではほぼ無反射であるために、反射
光はラインセンサ3にほぼ入射しない。
【0084】可動部12が上記副走査機構により図10
の紙面と垂直な方向に副走査されて、反射部材11cの
正面に位置すると、このときにラインセンサ3が該反射
部材11cにより反射される光を検出する。これによ
り、ラインセンサ3からの出力画像データには、マーカ
11aの像が記録されていることになる。
【0085】なお、マーカ11aは、見栄えの観点から
目立たないようにすることが望ましいために、例えば、
光源21を赤外半導体レーザや赤外発光ダイオードと
し、かつ、反射部材11cを赤外光のみを反射する特性
のものとするようにしても良い。
【0086】また、反射部材11cとしては、鏡面反射
を行う部材に限るものではなく、入射光を散乱してから
反射させる部材を用いても良い。反射部材11cとして
散乱反射部材を用いた場合には、光源21を、ラインセ
ンサ3の近傍であって、かつこの光源21からの光が反
射部材11cに斜めに入射するように位置に配置するこ
とができるために、反射部材11c以外のスクリーン枠
11の表面により光源21の光が反射されてラインセン
サ3に入射するのを抑制することが可能となる。
【0087】このような構成によれば、マーカ11aを
スクリーン枠11に配置しているために、該スクリーン
枠11で規制されるスクリーン2上の投影可能領域に対
して正確にマーカ11aを配置することができるととも
に、このマーカ11aをラインセンサ3で読み取ること
により、副走査速度の変動があったとしても該ラインセ
ンサ3の位置を正確に捉えることができる。こうして、
マーカ11a間の移動時間を計算することなく、つまり
該移動時間を計算するための回路等を不要としながら、
ラインセンサ3の副走査速度ムラに起因するずれを補正
することが可能となる。また、ラインセンサ3とは独立
した位置センサ等を設ける必要がないために、コストを
削減することができる。
【0088】図11は、複数の部分ラインセンサを組み
合わせてなるラインセンサを備えた画像投影システムの
構成例を示す図である。
【0089】この画像投影システムは、基本的には、例
えば上記図2または図3に示したものと同様に構成され
ていて、第1の画像投影装置1Aと、第2の画像投影装
置1Bと、これらの画像投影装置1A,1Bから部分画
像が各々の辺縁において一部重畳するように投影される
ことにより全体として一画像が投影されるスクリーン2
と、このスクリーン2上に投影された画像を部分毎に読
み取る部分ラインセンサたるラインセンサ3a,3b,
3c,3dと、これらのラインセンサ3a,3b,3
c,3dを駆動するための駆動信号生成手段たるライン
センサ駆動信号生成回路5を備えた画像読取制御部4
と、を有して構成されている。
【0090】上記複数のラインセンサ3a,3b,3
c,3dは、副走査機構(図5の副走査機構13等参
照)により図11の紙面垂直方向に副走査されるように
なっており、これらのラインセンサ3a,3b,3c,
3dは、該副走査方向に垂直な主走査方向に沿って配列
されている。これらのラインセンサ3a,3b,3c,
3dは、すなわち、この主走査方向に沿って読取画素が
配列されたものである。
【0091】上記各ラインセンサ3a,3b,3c,3
dは、例えばMOS型の逐次読出型センサとして構成さ
れており、上記ラインセンサ駆動信号生成回路5から常
にクロック信号を供給して、読取開始のタイミングに読
取開始信号のパルスを与えることにより、1クロック毎
に1読取素子の出力信号を順次得ることができるように
なっている。
【0092】この逐次読出型センサでは、各読取素子の
蓄積時間は一定であるが、蓄積開始時間と蓄積終了時間
は、隣の読取素子と1クロック分の差があるために、ラ
インセンサ1本分を読み取るのにクロック周期の素子数
倍だけ蓄積開始(あるいは蓄積終了)時間のずれが生じ
る。しかし、ラインセンサ駆動信号生成回路5の読取開
始信号は、全てのラインセンサに同時に入力されるため
に、ラインセンサの数によることなく、1つのラインセ
ンサを読み取る時間で読取動作が終了するものとなって
いる。
【0093】主走査方向に読取画素が多数配列された長
尺のラインセンサは、用途範囲が限られているために一
般に高価であり、こうしたラインセンサを採用するとコ
ストの上昇は避け難い。これに対して、一般的用途に向
けて多数製造され使用されている比較的短いラインセン
サは安価であるために、こうしたラインセンサを複数配
列して主走査方向の長さを確保することにより、大画面
のスクリーンを一括して走査することができる画像投影
システムを低コストで構成することが可能となる。
【0094】さらに、一つの長尺なラインセンサを使用
した場合や、あるいは複数の短い部分ラインセンサを組
み合わせて主走査方向に長いラインセンサを構成した場
合であっても、各読取画素に対して、総体としての画素
配列の端から取込信号を順次発生させた場合には、最初
の読取素子の取り込みタイミングと、最後の読取素子の
取り込みタイミングのずれが、総体として配列された素
子数分だけ大きくなるために、その間の走査によってス
クリーン上の取り込み位置が大きくずれることになる。
このずれ量を小さく抑えるためには、高速に取り込み動
作を行う必要があるが、この図11に示したような構成
を採用することにより、比較的遅い取り込み動作であり
ながら、かつスクリーン上の取り込み位置のずれを抑制
することが可能となる。
【0095】図12は、湾曲したスクリーンの画像を読
み取るのに適するように複数の部分ラインセンサを配列
した画像投影システムの第1の構成例を示す図である。
【0096】スクリーン枠11に取り付けられているス
クリーン2Aは、この例では、画像投影装置に向かって
凸となるように構成されており、例えば主走査方向に湾
曲し、副走査方向に直線をなす円筒面の一部となるよう
に構成されている。
【0097】このような湾曲したスクリーン2Aの画像
を適切に読み取るために、可動部12に取り付けられた
ラインセンサ3は、複数の部分ラインセンサを、各部分
ラインセンサの中心に立てた法線が該スクリーン2Aに
ほぼ直交するように、つまり全体として円弧状に湾曲す
るように、配列して構成されている。こうして、各部分
ラインセンサからスクリーン2Aまでの距離は何れもほ
ぼ同じとなっており、スクリーン2Aが、各部分ライン
センサの読取画素上に各設けられたレンズの焦点深度内
に入るように構成されている。
【0098】なお、スクリーン2Aの湾曲が大きい場合
には、複数の部分ラインセンサ同士がなす角度が大きく
なって、継ぎ目部分で読み取ることができない領域が生
じる可能性がある。このような場合には、隣接する部分
ラインセンサを副走査方向にずらして、走査範囲の一部
が重なるように配置すると良い。
【0099】こうして、湾曲したスクリーンが全ての部
分ラインセンサの焦点深度内に入るようにしているため
に、何れの部分ラインセンサからも画像をぼけさせるこ
となく取り込むことができて、正確な補正処理を行うこ
とが可能となる。また、ラインセンサの読取画素に設け
られているレンズの焦点深度を深くしなくても良いため
に、レンズの開口径を極端に小さくする必要がなくな
り、画像を取り込むときの光量が不足することもなく、
入射光量を多くするために副走査速度を遅くする必要も
ない。
【0100】図13は、湾曲したスクリーンの画像を読
み取るのに適するように複数の部分ラインセンサを配列
した画像投影システムの第2の構成例を示す図である。
【0101】スクリーン2Aは、上記図12に示した例
と同様に、画像投影装置に向かって凸となるように構成
されている。
【0102】これに対して、このような湾曲したスクリ
ーン2Aの画像を適切に読み取るために、可動部12に
取り付けられたラインセンサ3は、複数の部分ラインセ
ンサを、各部分ラインセンサが、互いに平行であって、
かつ各々の中心から該スクリーン2A面までの距離をほ
ぼ均しくするように(図13中の矢印参照)、階段状に
ずらしながら配列して構成されている。
【0103】こうして、各部分ラインセンサからスクリ
ーン2Aまでの距離は何れもほぼ同じとなっており、ス
クリーン2Aが、各部分ラインセンサの読取画素上に各
設けられたレンズの焦点深度内に入るように構成されて
いる。
【0104】なお、スクリーン2Aの湾曲が大きい場合
には、複数の部分ラインセンサ同士のずれ量が大きくな
って、継ぎ目部分で他の部分ラインセンサの影になる
(けられる)などにより読み取ることができない領域が
生じる可能性がある。このような場合には、隣接する部
分ラインセンサを副走査方向にずらして、走査範囲の一
部が重なるように配置すると良い。
【0105】こうして、湾曲したスクリーンが全ての部
分ラインセンサの焦点深度内に入るようにしているため
に、何れの部分ラインセンサからも画像をぼけさせるこ
となく取り込むことができて、正確な補正処理を行うこ
とが可能となる。そして、部分ラインセンサを円弧状に
配置した場合よりも部分ラインセンサ同士の継ぎ目の影
響を小さくすることが可能となる。また、ラインセンサ
の読取画素に設けられているレンズの焦点深度を深くし
なくても良いために、レンズの開口径を極端に小さくす
る必要がなくなり、画像を取り込むときの光量が不足す
ることもなく、入射光量を多くするために副走査速度を
遅くする必要もない。
【0106】次に、図14は、湾曲したスクリーンの画
像を読み取るのに適するように構成した画像投影システ
ムの第3の構成例を示す図である。
【0107】スクリーン2Aは、上記図12や図13に
示した例と同様に、画像投影装置に向かって凸となるよ
うに構成されている。
【0108】一方、可動部12に取り付けられたライン
センサ3は、例えば複数のラインセンサを主走査方向に
沿って直線状に配列した構成となっており、さらに、上
述したような湾曲したスクリーン2Aの画像を適切に読
み取るために、このラインセンサ3からスクリーン2A
までの距離を変更することができるように構成されてい
る。
【0109】すなわち、可動部12には、上記ラインセ
ンサ3を、画像投影装置(図1の画像投影装置1等参
照)から投影される光束の光軸方向に移動させるための
ラインセンサ移動機構たるラインセンサ繰出機構23が
設けられている。
【0110】まず、図14(A)は、ラインセンサ繰出
機構23がラインセンサ3を繰り込んだ状態(遠位置)
を示しており、スクリーン2Aに最も近接する最上部お
よび最下部に位置するラインセンサの焦点深度範囲に、
該スクリーン2Aが入るような距離(図中の矢印参照)
となっている。
【0111】次に、図14(B)は、ラインセンサ繰出
機構23がラインセンサ3を繰り出した状態(近位置)
を示しており、スクリーン2Aから最も離間している中
央部のラインセンサの焦点深度範囲に、該スクリーン2
Aが入るような距離(図中の矢印参照)となっている。
【0112】こうして、まず、図14(A)に示すよう
な状態でスクリーン2Aを走査し、次に、図14(B)
に示すような状態でスクリーン2Aを走査することによ
り、2枚の読取画像が得られる。その後に、これらの読
取画像を、例えば上記画像補正処理部8(図5参照)に
送出し、この画像補正処理部8で各画像における焦点の
合った部分を抽出してこれらを合成することにより、全
面に焦点の合った読取画像を生成することができる。
【0113】なお、スクリーン2Aの湾曲が大きい場合
には、2枚の画像をどのように継ぎ合わせても非合焦と
なる部分が残っている可能性がある。このような場合に
は、ラインセンサ繰出ステップを細かくして、3枚、も
しくはそれ以上の枚数の画像を読み取るようにすれば、
スクリーンの湾曲の度合いによらず、適応的に、全面に
焦点の合った画像を生成することが可能となる。
【0114】なお、この図14に示す構成においては、
ラインセンサ3は、複数の部分ラインセンサを配列した
ものでも良いが、1つの長尺のラインセンサであっても
構わない。
【0115】こうして、スクリーンまでの距離を異なら
せた複数枚の読取画像から、湾曲しているスクリーン上
の画像全体に焦点の合った画像を生成しているために、
画像をぼけさせることなく取り込むことができ、正確な
補正処理を行うことが可能となる。
【0116】また、ラインセンサの読取画素に設けられ
ているレンズの焦点深度を深くしなくても良いために、
レンズの開口径を極端に小さくする必要がなくなり、画
像を取り込むときの光量が不足することもなく、入射光
量を多くするために副走査速度を遅くする必要もない。
【0117】そして、スクリーンの湾曲の程度が変化し
ても、容易に対応することができる利点がある。
【0118】次に、図15は斜め方向から入射する光が
スクリーンを通過するときの拡散特性を示す図、図16
は副走査位置が変化するのに伴ってラインセンサの角度
を変更する様子を示す図、図17はラインセンサの読取
角度によることなくスクリーン上の読取位置を一定とす
る機構の一例を示す図である。
【0119】スクリーン2は、図15に示すように、画
像を観察し得る視野角を広げるために、入射した光を拡
散させるように構成されている。
【0120】このときに、このスクリーン2は、斜めか
ら入射した光も、ほぼ垂直な方向を中心とするように拡
散させるが、図示のように、スクリーン2の面に垂直な
方向の拡散光の強度に比して、それよりも斜め方向の拡
散光の強度が徐々に低下するような拡散特性を有してい
る。このようなスクリーン2では、該スクリーン2を観
察する角度によって、スクリーン2の明るさが変化して
しまうことになる。つまり、例えば画面の中心を垂直に
見込む角度で観察する場合には、画面の周辺は斜めの角
度で観察することになるために、画面全体を同一の輝度
に設定しても、実際の観察では周辺光量が不足すること
になる。
【0121】そこで、図16に示すように、実際に最も
頻繁に使用されると想定される観察位置P0に対する画
像が最適となるように、該観察位置P0を中心とするよ
うな角度にラインセンサ3を回転させてスクリーン2上
の画像を読み取り、読み取った画像に基づいて、上記画
像補正処理部8(図5参照)により画像投影装置1から
投影する画像を補正するようにしたものである。
【0122】すなわち、ラインセンサ3は、可動部12
に対して、主走査方向と平行な軸周りに回転することが
できるように構成されており、スクリーン2上のどの位
置の画像を読み取る際にも、読取方向を延長すると、上
記観察位置P0に到達するように回転される。
【0123】例えば、スクリーン2の左端部分を読み取
っているときの読取方向DAを延長した直線と、スクリ
ーン2の中央部分を読み取っているときの読取方向DB
を延長した直線と、スクリーン2の右端部分を読み取っ
ているときの読取方向DCを延長した直線と、は、何れ
も上記観察位置P0において交差するようになってい
る。
【0124】可動部12に対してラインセンサ3を回転
させるための具体的な構成は、例えば図17に示すよう
なものとなっている。
【0125】可動部12には、駆動源たるモータ25が
設けられており、該モータ25の駆動軸に固着された歯
車26が、円弧状歯車27に噛合していて、これらによ
りラインセンサ回転手段が構成されている。
【0126】この円弧状歯車27には、ラインセンサ3
が取り付けられており、上記モータ25を駆動すること
により、該円弧状歯車27が回転するのに伴って、回転
するようになっている。
【0127】このときのラインセンサ3の回転中心R0
は、スクリーン2上に位置するように構成されていて、
これにより、読取角度を変化させても、副走査速度が変
化することなく一定に保たれるようになっている。
【0128】上述したように、スクリーンが、該スクリ
ーンを見込む角度により大きく変化するような拡散特性
を有するものである場合には、何等の工夫を施さない
と、ラインセンサを用いてセンシングし、その結果に基
づいて画面の輝度が均一になるように調整しても、実際
の観察位置から観察した場合には均一とならず不自然な
表示になってしまう可能性があるが、上記図15から図
17を参照して説明したように構成によれば、最も多用
されると想定した観察位置に対して自然な画像を得るこ
とが可能となる。
【0129】続いて、図18は、画像投影システムにお
いて可動部を収納可能にする構成の一例を示す斜視図で
ある。
【0130】可動部12は、上端部および下端部から腕
部31がそれぞれ延出されて先端側でモータ等の駆動源
や歯車等を内蔵してなる回転式の収納機構たる回転収納
機構32に支持されており、この回転収納機構32は、
副走査機構13に取り付けられている。
【0131】また、副走査機構13は、ロッド状の副走
査ガイド14に沿って移動することができるようになっ
ている。
【0132】このような構成において、画像の読み取り
を行う際には、副走査機構13が上記副走査ガイド14
に沿って移動することにより、上記可動部12が矢印で
示すような副走査方向に移動される。
【0133】一方、画像投影装置から投影される画像の
読み取りを行わない場合には、上記回転収納機構32に
より上記可動部12を図18中の2点差線で示すような
ほぼ真横になるところまで回転させることにより、可動
部12がスクリーン2の観察を妨げることのない収納位
置となる。
【0134】なお、この図18に示す構成では、可動部
12が上記収納位置になったときには、スクリーン枠1
1の外部に位置するようになっているが、これに限ら
ず、例えばスクリーン枠11に収納スペースを設けて、
この収納スペース内に格納するようにしても良い。この
場合には、収納時に塵芥等が付着するのを防止すること
も可能となる。
【0135】また、図19は、画像投影システムにおい
て可動部を収納可能にする構成の他の例を示す斜視図で
ある。
【0136】可動部12は、上端部および下端部からラ
ックが形成された腕部33がそれぞれ延出されていて、
この腕部33のラックがモータ等の駆動源を内蔵してな
る収納機構34の歯車に噛合している。この収納機構3
4は、副走査機構13に取り付けられていて、該副走査
機構13がロッド状の副走査ガイド14に沿って移動す
るのに伴って、副走査方向に移動するようになってい
る。
【0137】さらに、スクリーン枠11には、上記可動
部12を収納するための収納凹部11dが形成されてい
る。
【0138】このような構成において、画像の読み取り
を行う際には、副走査機構13が上記副走査ガイド14
に沿って移動することにより、上記可動部12が矢印で
示すような副走査方向に移動される。
【0139】一方、画像投影装置から投影される画像の
読み取りを行わない場合には、上記収納機構34により
上記可動部12を図19中の2点差線で示すような、収
納凹部11d内に収納される収納位置まで移動させるこ
とにより、該可動部12がスクリーン枠11の観察側の
面から突出しない状態となって、スクリーン2の観察を
妨げることがなくなる。
【0140】なお、この図19に示す構成では、可動部
12が上記収納凹部11dに収納されて一部が露呈する
ようになっているが、例えばスクリーン枠11の内部に
完全に収納されて非使用時には外部からは見えないよう
にしても良く、この場合には、収納時に塵芥等が付着す
るのを防止することができるという利点がある。
【0141】続いて、図20はラインセンサに色フィル
タを配設した構成の一例を示す正面図である。
【0142】可動部12には、例えば上記図11等で説
明したような部分ラインセンサを主走査方向に例えば5
つ並べて部分ラインセンサ群を構成し、さらに、この部
分ラインセンサ群を副走査方向に4つ並べてなるライン
センサ3が配設されており、このラインセンサ3の受光
面側(スクリーン2に対向する側)には、符号C1,C
2,C3,C4で示す各色をストライプ状に配列した色
フィルタが、各色を上記部分ラインセンサ群に各対応さ
せるように配設されている。
【0143】この図20に示したような構成によれば、
少なくとも4色のフィルタを使用して、投影画像の取り
込みを行うことにより、3色のフィルタでは正確に捉え
ることができない分光分布の違いを識別することが可能
となり、こうして得られたデータに基づいて画像投影装
置を補正することにより、主観的に違和感の少ない画像
を表示することが可能となる。
【0144】次に、図21はラインセンサに色フィルタ
を配設した構成の他の例を示す部分拡大図である。
【0145】ラインセンサ3は、ラインセンサ基板41
上に、複数の受光素子を直線状に配列してなる受光素子
アレイ42が設けられ、さらに各受光素子に符号C1,
C2,C3,C4で示す内の一色が対応するように色フ
ィルタアレイ43が設けられて構成されている。
【0146】この色フィルタアレイ43は、より詳しく
は、符号C1,C2,C3,C4で示されるようなそれ
ぞれ異なる分光特性を有する色フィルタを、主走査方向
に各色が循環的に繰り返されるように、ストライプ状に
配列して構成されたものである。
【0147】さらに、ラインセンサ3上には、複数のロ
ッドレンズを主走査方向に沿って直線状に配列してなる
ロッドレンズアレイ45が配設されている。このロッド
レンズアレイ45を構成するロッドレンズの一つは、ス
クリーン2上に投影された投影画素の1画素分の幅L1
よりも狭い読取幅L2の像を、上記符号C1,C2,C
3,C4で示す4色の色フィルタの組を介して受光素子
アレイ42の各対応する4つの受光素子上に結像させる
ものであり、上記読取幅L2が循環的に配列された色フ
ィルタの1周期分の読取幅となっている。
【0148】なお、この例では符号C1,C2,C3,
C4で示されるような4色組のフィルタを例に挙げた
が、より多数の異なる色フィルタの組を用いるようにし
ても構わない。
【0149】この図21に示したような構成によれば、
上記図20に示した構成と同様の効果を奏するととも
に、一つのラインセンサを用いるだけで複数色の画像を
取り込むことができるために、各色毎に複数のラインセ
ンサを並列して設ける必要がなくなり、安価に構成する
ことができるとともに、スクリーンを走査する可動部の
特に副走査方向の幅を小さくすることができる。
【0150】また、上記図21に示した構成において、
白色光源を該ラインセンサ3の主走査方向に移動させ
て、各読取画素に蓄積された電荷を読み出すことによ
り、色毎の感度ばらつきを補正するラインセンサ3のキ
ャリブレーションを行うことができる。
【0151】さらに、こうした白色光源を用いたキャリ
ブレーションは、上記図21の構成に限らず、上記図2
0に示したような構成における色毎の感度ばらつきや、
あるいは色に限らず輝度のみを検出する場合の読取画素
毎の感度ばらつきを補正するのにも用いることができ
る。
【0152】以上説明したように、このような実施形態
によれば、画像投影装置により生成する画像を容易かつ
正確に補正することが可能となる。
【0153】なお、本発明は上述した実施形態に限定さ
れるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲内にお
いて種々の変形や応用が可能であることは勿論である。
【0154】
【発明の効果】以上説明したように請求項1による本発
明の画像投影システムによれば、ラインセンサの各読取
画素における電荷蓄積時間が垂直同期信号の周期の自然
数倍となるようにしているために、画像投影装置により
生成する画像を容易かつ正確に補正することが可能とな
る。
【0155】また、請求項2による本発明の画像投影シ
ステムによれば、投影画素を1ピッチ分だけ副走査する
のに要する時間が垂直同期信号の1周期よりも長くなる
ようにすることで、請求項1に記載の発明と同様の効果
を奏することができる。
【0156】さらに、請求項3による本発明の画像投影
システムによれば、可動部をスクリーン支持部材に対し
て着脱可能としたために、非使用時に該可動部が観察視
野を妨げることはないとともに、取り外した際にはライ
ンセンサの清掃も容易となるために、画像投影装置によ
り生成する画像を容易かつ正確に補正することが可能と
なる。
【0157】請求項4による本発明の画像投影システム
によれば、ラインセンサの読取範囲内にマーカを設け
て、画像データに含まれるマーカ画像に基づいて副走査
の速度変動に起因する画像データの変動分を補正してか
ら用いるようにしたために、画像投影装置により生成す
る画像を容易かつ正確に補正することが可能となる。
【0158】請求項5による本発明の画像投影システム
によれば、逐次読み出し方式の部分ラインセンサを主走
査の方向に略沿って複数配設し、これら部分ラインセン
サに同時に主走査を開始させるようにしたために、安価
な構成でありながら短時間に画像の読み取りを行うこと
ができ、画像投影装置により生成する画像を容易かつ正
確に補正することが可能となる。
【0159】請求項6による本発明の画像投影システム
によれば、複数の部分ラインセンサをスクリーンの湾曲
形状に沿うように配設したために、スクリーンが湾曲し
ていても投影画像の全体に焦点の合った読み取りを行う
ことができ、画像投影装置により生成する画像を容易か
つ正確に補正することが可能となる。
【0160】請求項7による本発明の画像投影システム
によれば、複数の部分ラインセンサをスクリーンの湾曲
形状に該略沿いながらも互いに平行となるよう階段状に
配設したために、スクリーンが湾曲していても投影画像
の全体に焦点の合った読み取りを行うことができ、画像
投影装置により生成する画像を容易かつ正確に補正する
ことが可能となる。
【0161】請求項8による本発明の画像投影システム
によれば、ラインセンサ移動機構によりラインセンサと
スクリーンとの間隔を変更して複数の画像データを取得
し、これら複数の画像データからスクリーンに投影され
た画像の全体に焦点の合った一画像データを生成して用
いるようにしたために、画像投影装置により生成する画
像を容易かつ正確に補正することが可能となる。
【0162】請求項9による本発明の画像投影システム
によれば、ラインセンサ回転手段が副走査位置に応じて
ラインセンサを回転させるようにしたために、所定の観
察位置から見たときの画像データを正確に得ることがで
き、画像投影装置により生成する画像を容易かつ正確に
補正することが可能となる。
【0163】請求項10による本発明の画像投影システ
ムによれば、収納機構が、ラインセンサを保持する可動
部をスクリーン支持部材の少なくとも画像観察側の表面
から突出することのないように収納し得るようにしたた
めに、非使用時に該可動部が観察視野を妨げることはな
く、塵芥の付着等も防止することができるために、画像
投影装置により生成する画像を容易かつ正確に補正する
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における画像投影システム
の構成の第1の例を示す図。
【図2】上記実施形態における画像投影システムの構成
の第2の例を示す図。
【図3】上記実施形態における画像投影システムの構成
の第3の例を示す図。
【図4】上記図1から図3に示したような画像投影シス
テムにおける画像投影装置の、垂直同期信号とラインセ
ンサによる画像の読み取りタイミングとの関連を示すタ
イミングチャート。
【図5】上記実施形態における画像投影システムの構成
の第4の例を示す図。
【図6】上記図5に示したような画像投影システムにお
ける、垂直同期信号周期と走査時間との関係を示すタイ
ミングチャート。
【図7】上記実施形態において、副走査方向に移動する
可動部をスクリーンに対して着脱可能とした画像投影シ
ステムの構成例を示す斜視図および平断面図。
【図8】上記実施形態において、スクリーン枠にマーカ
を設けた構成を示す正面図。
【図9】上記実施形態におけるマーカの一構成例を示す
縦断面図。
【図10】上記実施形態におけるマーカの他の構成例を
示す縦断面図。
【図11】上記実施形態において、複数の部分ラインセ
ンサを組み合わせてなるラインセンサを備えた画像投影
システムの構成例を示す図。
【図12】上記実施形態において、湾曲したスクリーン
の画像を読み取るのに適するように複数の部分ラインセ
ンサを配列した画像投影システムの第1の構成例を示す
図。
【図13】上記実施形態において、湾曲したスクリーン
の画像を読み取るのに適するように複数の部分ラインセ
ンサを配列した画像投影システムの第2の構成例を示す
図。
【図14】上記実施形態において、湾曲したスクリーン
の画像を読み取るのに適するように構成した画像投影シ
ステムの第3の構成例を示す図。
【図15】上記実施形態において、斜め方向から入射す
る光がスクリーンを通過するときの拡散特性を示す図。
【図16】上記実施形態において、副走査位置が変化す
るのに伴ってラインセンサの角度を変更する様子を示す
図。
【図17】上記実施形態において、ラインセンサの読取
角度によることなくスクリーン上の読取位置を一定とす
る機構の一例を示す図。
【図18】上記実施形態の画像投影システムにおいて、
可動部を収納可能にする構成の一例を示す斜視図。
【図19】上記実施形態の画像投影システムにおいて、
可動部を収納可能にする構成の他の例を示す斜視図。
【図20】上記実施形態において、ラインセンサに色フ
ィルタを配設した構成の一例を示す正面図。
【図21】上記実施形態において、ラインセンサに色フ
ィルタを配設した構成の他の例を示す部分拡大図。
【符号の説明】
1,1A,1B…画像投影装置 2,2A…スクリーン 3…ラインセンサ 3A…読み取り範囲 3a,3b,3c,3d…ラインセンサ(部分ラインセ
ンサ) 4…画像読取制御部 5…ラインセンサ駆動信号生成回路(駆動信号生成手
段) 6…同期信号発生部 8…画像補正処理部(画像補正手段、画像処理手段) 11…スクリーン枠(スクリーン支持部材) 11a…マーカ 11b…光透過部 11c…反射部材 11d…収納凹部 12…可動部 13…副走査機構(副走査手段) 14…副走査ガイド 15…遮光部材 16a,16b…電気接点 17a…位置決めピン 17b…位置決めピン受け穴 21…光源 23…ラインセンサ繰出機構(ラインセンサ移動機構) 25…モータ(ラインセンサ回転手段) 26…歯車(ラインセンサ回転手段) 27…円弧状歯車(ラインセンサ回転手段) 31…腕部 32…回転収納機構(収納機構) 33…腕部 34…収納機構 41…ラインセンサ基板 42…受光素子アレイ 43…色フィルタアレイ 45…ロッドレンズアレイ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03B 21/00 - 21/30 H04N 5/74 H04N 13/00 - 17/06

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2次元状に配列した複数の表示画素を垂
    直同期信号と水平同期信号とを含む画像信号により駆動
    して画像を生成し投影する画像投影装置と、 この画像投影装置からの画像が観察可能に投影されるス
    クリーンと、 複数の読取画素を1次元状に配列してなり、上記スクリ
    ーンに投影された画像を該配列に係る一方向に主走査し
    て読み取るラインセンサと、 このラインセンサを、上記一方向と独立な他方向に移動
    させることにより、副走査を行う副走査手段と、 上記ラインセンサの各読取画素における電荷蓄積時間
    が、上記垂直同期信号の周期の自然数倍となるように、
    上記主走査の開始タイミングを示す駆動信号を生成して
    該ラインセンサに供給する駆動信号生成手段と、 上記主走査と副走査を行うことによって上記ラインセン
    サから出力される画像データに基づき、上記画像投影装
    置により生成する画像を補正する画像補正手段と、 を具備したことを特徴とする画像投影システム。
  2. 【請求項2】 上記副走査手段は、上記表示画素を上記
    スクリーン上に投影して得られる投影画素を上記他方向
    に1ピッチ分だけ副走査するのに要する時間が、上記垂
    直同期信号の1周期よりも長くなるように上記ラインセ
    ンサを移動させるものであることを特徴とする請求項1
    に記載の画像投影システム。
  3. 【請求項3】 画像を生成して投影する画像投影装置
    と、 この画像投影装置からの画像が観察可能に投影されるス
    クリーンと、 このスクリーンを支持するスクリーン支持部材と、 複数の読取画素を1次元状に配列してなり、上記スクリ
    ーンに投影された画像を該配列に係る一方向に主走査し
    て読み取るラインセンサと、 このラインセンサを、上記一方向と独立な他方向に移動
    させることにより、副走査を行う副走査手段と、 上記ラインセンサをこの副走査手段により移動可能とな
    るように保持するものであって、上記スクリーン支持部
    材に対して着脱可能な可動部と、 上記主走査と副走査を行うことによって上記ラインセン
    サから出力される画像データに基づき、上記画像投影装
    置により生成する画像を補正する画像補正手段と、 を具備したことを特徴とする画像投影システム。
  4. 【請求項4】 画像を生成して投影する画像投影装置
    と、 この画像投影装置からの画像が観察可能に投影されるス
    クリーンと、 このスクリーンを支持するスクリーン支持部材と、 このスクリーン支持部材の、上記スクリーンの画像投影
    範囲の外側近傍となる部分に配設された、光を反射また
    は放射するマーカと、 複数の読取画素を1次元状に配列してなり、該配列に係
    る一方向に主走査することにより、上記スクリーンに投
    影された画像を読み取るとともに、上記マーカを読み取
    り得るラインセンサと、 このラインセンサを、上記一方向と独立な他方向に移動
    させることにより、副走査を行う副走査手段と、 上記主走査と副走査を行うことにより上記ラインセンサ
    から出力される画像データに含まれるマーカ画像に基づ
    いて、上記副走査手段による副走査の速度が変動したこ
    とに起因する該画像データの変動分を補正し、補正され
    た画像データに基づいて上記画像投影装置により生成す
    る画像を補正する画像補正手段と、 を具備したことを特徴とする画像投影システム。
  5. 【請求項5】 画像を生成して投影する画像投影装置
    と、 この画像投影装置からの画像が観察可能に投影されるス
    クリーンと、 複数の読取画素を1次元状に配列してなり、上記スクリ
    ーンに投影された画像の少なくとも一部を該配列に係る
    一方向に主走査して読み取る逐次読み出し方式の部分ラ
    インセンサを、該一方向に略沿って複数配設してなるラ
    インセンサと、 このラインセンサに含まれる複数の部分ラインセンサに
    対して、上記主走査の開始タイミングを示す駆動信号を
    生成して各部分ラインセンサに同時に供給する駆動信号
    生成手段と、 このラインセンサを、上記一方向と独立な他方向に移動
    させることにより、副走査を行う副走査手段と、 上記主走査と副走査を行うことによって上記ラインセン
    サから出力される画像データに基づき、上記画像投影装
    置により生成する画像を補正する画像補正手段と、 を具備したことを特徴とする画像投影システム。
  6. 【請求項6】 画像を生成して投影する画像投影装置
    と、 この画像投影装置からの画像が観察可能に投影されるも
    のであって湾曲して形成されているスクリーンと、 複数の読取画素を1次元状に配列してなり、上記スクリ
    ーンに投影された画像の少なくとも一部を該配列に係る
    一方向に主走査して読み取る部分ラインセンサを、該一
    方向に略沿いつつ、かつ上記スクリーンの湾曲形状に沿
    うように複数配設してなるラインセンサと、 このラインセンサを、上記一方向と独立な他方向に移動
    させることにより、副走査を行う副走査手段と、 上記主走査と副走査を行うことによって上記ラインセン
    サから出力される画像データに基づき、上記画像投影装
    置により生成する画像を補正する画像補正手段と、 を具備したことを特徴とする画像投影システム。
  7. 【請求項7】 画像を生成して投影する画像投影装置
    と、 この画像投影装置からの画像が観察可能に投影されるも
    のであって湾曲して形成されているスクリーンと、 複数の読取画素を1次元状に配列してなり、上記スクリ
    ーンに投影された画像の少なくとも一部を該配列に係る
    一方向に主走査して読み取る部分ラインセンサを、該一
    方向に略沿いつつ、かつ上記スクリーンの湾曲形状に該
    略沿いながらも互いに平行となるよう階段状に複数配設
    してなるラインセンサと、 このラインセンサを、上記一方向と独立な他方向に移動
    させることにより、副走査を行う副走査手段と、 上記主走査と副走査を行うことによって上記ラインセン
    サから出力される画像データに基づき、上記画像投影装
    置により生成する画像を補正する画像補正手段と、 を具備したことを特徴とする画像投影システム。
  8. 【請求項8】 画像を生成して投影する画像投影装置
    と、 この画像投影装置からの画像が観察可能に投影されるも
    のであって湾曲して形成されているスクリーンと、 複数の読取画素を1次元状に配列してなり、上記スクリ
    ーンに投影された画像を該配列に係る一方向に主走査し
    て読み取るラインセンサと、 このラインセンサを、上記一方向と独立な他方向に移動
    させることにより、副走査を行う副走査手段と、 上記ラインセンサとスクリーンとの間隔を変更するライ
    ンセンサ移動機構と、 このラインセンサ移動機構により上記ラインセンサとス
    クリーンとの間隔を変更して、上記主走査と副走査を複
    数回行うことにより上記ラインセンサから出力される複
    数の画像データに基づき、スクリーンに投影された画像
    の全体に焦点の合った一画像データを生成する画像処理
    手段と、 この画像処理手段により生成された画像データに基づ
    き、上記画像投影装置により生成する画像を補正する画
    像補正手段と、 を具備したことを特徴とする画像投影システム。
  9. 【請求項9】 画像を生成して投影する画像投影装置
    と、 この画像投影装置からの画像が観察可能に投影されるス
    クリーンと、 複数の読取画素を1次元状に配列してなり、上記スクリ
    ーンに投影された画像を該配列に係る一方向に主走査し
    て読み取るラインセンサと、 このラインセンサを、上記一方向と独立な他方向に移動
    させることにより、副走査を行う副走査手段と、 所定の観察位置から見たときの画像データを上記ライン
    センサが出力するように、上記副走査手段による副走査
    位置に応じて該ラインセンサを回転させるラインセンサ
    回転手段と、 上記主走査と副走査を行うことによって上記ラインセン
    サから出力される画像データに基づき、上記画像投影装
    置により生成する画像を補正する画像補正手段と、 を具備したことを特徴とする画像投影システム。
  10. 【請求項10】 画像を生成して投影する画像投影装置
    と、 この画像投影装置からの画像が観察可能に投影されるス
    クリーンと、 このスクリーンを支持するスクリーン支持部材と、 複数の読取画素を1次元状に配列してなり、上記スクリ
    ーンに投影された画像を該配列に係る一方向に主走査し
    て読み取るラインセンサと、 このラインセンサを、上記一方向と独立な他方向に移動
    させることにより、副走査を行う副走査手段と、 上記ラインセンサをこの副走査手段により移動可能とな
    るように保持する可動部と、 上記主走査と副走査を行うことによって上記ラインセン
    サから出力される画像データに基づき、上記画像投影装
    置により生成する画像を補正する画像補正手段と、 上記可動部を、上記スクリーン支持部材の少なくとも画
    像観察側の表面から突出することのないように、該スク
    リーン支持部材の内部または近傍に収納し得る収納機構
    と、 を具備したことを特徴とする画像投影システム。
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