JP3443811B2 - 魚釣用スピニングリール - Google Patents

魚釣用スピニングリール

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JP3443811B2
JP3443811B2 JP01414797A JP1414797A JP3443811B2 JP 3443811 B2 JP3443811 B2 JP 3443811B2 JP 01414797 A JP01414797 A JP 01414797A JP 1414797 A JP1414797 A JP 1414797A JP 3443811 B2 JP3443811 B2 JP 3443811B2
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明 山口
わたる 堤
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、魚釣操作性の向上
を図った魚釣用スピニングリールに関する。 【0002】 【従来の技術】従来周知のように、魚釣用スピニングリ
ールは、ロータに設けた一対の支持アームの先端に半環
状のベールがベール支持部材を介して釣糸巻取り位置と
釣糸放出位置へ、夫々、反転自在に取り付けられてい
る。そして、ベールを釣糸放出位置へ倒し釣竿を振り下
ろして仕掛けを投擲すると、スプールに巻回された釣糸
がスパイラル状に放出され、又、ベールを釣糸巻取り位
置へ反転させてハンドル操作でロータを釣糸巻取り方向
へ回転させると、ロータの回転に連動して前後方向へト
ラバース運動するスプールに釣糸が巻回されるようにな
っている。 【0003】ところで、実開昭63−38769号公報
又は図に示すように、従来、この種のスピニングリー
ルに装着されるスプール1は、前側鍔部3と釣糸巻回胴
部5と後側鍔部7とからなり、釣糸巻回胴部5の糸巻面
5aは、スプール軸方向前方へ順次小径となるテーパ状
(正テーパ)に形成されていた。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】然し乍ら、上述の如き
従来のスプール形状にあっては、釣竿を勢いよく振り下
ろして釣糸を遠方へ放出する場合、後側鍔部7近傍に巻
回された釣糸はスムーズに繰り出されるものの、前側鍔
部3近傍の釣糸が放出時の勢いや釣糸相互の糸抵抗によ
って前方に糸崩れを起こしてしまう虞があった。 【0005】又、ロータの回転で前後方向へトラバース
運動するスプール1に釣糸が巻き取られる場合にも、釣
糸巻回胴部5が正テーパ形状であるが故に、前側鍔部3
近傍の釣糸巻回胴部5に巻回された釣糸に多少糸崩れが
発生しているのが実情であった。そして、斯様に釣糸に
糸崩れが発生すると、スムーズな釣糸の放出操作が行え
なくなってキャスティングの飛距離が伸びないといった
不具合が指摘されている。 【0006】一方、実用新案登録第3007531号公
報には、図に示すように釣糸巻回胴部9の糸巻面9a
を上記糸巻面5aと逆方向のテーパ形状(逆テーパ)に
形成したスプール11が開示されており、斯様に糸巻面
9aを逆テーパ形状とすることで釣糸13が糸崩れのし
難い糸巻状態となるため、釣糸放出時に於けるトラブル
を防止することが可能になると共に、図のスプール形
状に比し釣糸13を前側鍔部14の外径寸法一杯(所謂
100%巻き)に巻くことができるため、釣糸放出時の
前鍔抵抗が軽減してキャスティングの飛距離が伸びる利
点を有する。 【0007】然し、この反面、糸巻面9aに巻回された
釣糸13が逆テーパ状の糸巻状態となるため、巻取り操
作時に於ける釣糸13の縒れや糸グセ,フケ等の影響も
加わって、後側鍔部15の後方から釣糸13がロータ1
7の円筒部19に落ちて当該円筒部19やスプール11
内のスプール軸(図示せず)に絡んでしまう虞がある
が、斯かる従来例にあってはこの糸落ちについての配慮
が何等施されておらず、そのため、連続的に行われる釣
糸13の巻取り操作や放出操作をスムーズに行うことが
できない課題を残している。 【0008】又、図3に示すように、スプール11の後
側鍔部15に嵌入するロータ17の円筒部19は、スプ
ール11内への釣糸13や異物の侵入を防止する目的も
あって後側鍔部15の内周に沿って大径に形成されてい
るため、ロータ17が大型化しリール全体の軽量,コン
パクト化の点で課題が残されていた。本発明は斯かる実
情に鑑み案出されたもので、スプール自体の形状に改良
を加えることで、リール全体の軽量,コンパクト化を図
り、併せて釣糸放出時に於ける糸崩れを防止してスムー
ズな釣糸の放出操作を可能とした魚釣用スピニングリー
ルを提供することを第一の目的とする。 【0009】そして、本発明は、釣糸の巻取り操作時に
糸落ちが発生した場合に、速やかに対応することのでき
る魚釣用スピニングリールを提供することを第二の目的
とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】斯かる目的を達成するた
め、請求項1に係る発明は、前側鍔部と釣糸巻回胴部と
後側鍔部とからなるスプールをスプール軸に装着した魚
釣用スピニングリールに於て、上記釣糸巻回胴部を、ス
プール軸方向後方に向け順次小径となるテーパ状に形成
すると共に、後側鍔部の後端側を、スプール軸方向後方
に向け順次小径となる先細なテーパ状に形成して、後側
鍔部の後端側内径をスプール軸方向後方に向け順次縮径
したことを特徴とする。 【0011】(作用)請求項1に係る発明によれば、ス
プールの釣糸巻回胴部が逆テーパ形状とされているた
め、放出時の勢いの影響で糸崩れが発生することがな
く、又、斯様に釣糸巻回胴部を逆テーパ形状に成形した
ことで、釣糸を前側鍔部の外径寸法迄100%巻くこと
ができるため、釣糸放出時の前側鍔部の前鍔抵抗が軽減
してキャスティングの飛距離が伸びることとなる。 【0012】又、後側鍔部の後端側を、スプール軸方向
後方に向け順次小径となる先細なテーパ状に形成して、
後側鍔部の後端側内径をスプール軸方向後方に向け順次
縮径したため、ロータの円筒部を釣糸のループより小さ
くすることができる。 従って、釣糸の巻取り操作時に、
釣糸の縒れや糸グセ,フケによって糸落ちが発生して
も、ロータの円筒部が釣糸のループより小さいことで糸
落ちした釣糸を円筒部から容易に引き出すことができ、
而も、後側鍔部の後端側が、スプール軸方向後方に向け
順次小径となる先細なテーパ状となっているため、糸落
ちした釣糸を釣糸巻回胴部へ容易に戻すことが可能とな
る。 【0013】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づき詳細に説明する。図1は請求項1に係る魚釣用ス
ピニングリール(以下、「スピニングリール」という)
の一実施形態を示し、図に於て、21はスピニングリー
ル23のリール本体で、当該リール本体21の前端にロ
ータ25が回転可能に軸着されており、ロータ25には
これと一体に一対の支持アーム27がリール本体21の
前後方向に形成されている。 【0014】そして、各支持アーム27の先端には、一
対のベール支持部材29が釣糸巻取り位置と釣糸放出位
置とに反転自在に装着されており、両ベール支持部材2
9間に半環状のベール31が取り付き、そして、一方の
ベール支持部材29にラインローラ33が回転可能に支
持されている。又、リール本体21にはロータ25と同
軸上にスプール35が装着されており、スプール35は
リール本体21にトラバース運動可能に取り付く図示し
ないスプール軸の先端に取付ナットを介して螺着されて
いる。 【0015】更に又、リール本体21には釣糸巻取用の
ハンドル36が装着されており、ハンドル36の回転軸
とロータ25は、図示しない従来周知の駆動歯車やピニ
オンからなるギヤ機構を介して連繋され、又、スプール
軸は、その後端部に固着した摺動子やトラバースカム軸
からなるトラバース機構により、ロータ25の回転に連
動してリール本体21の前後方向へトラバース運動する
ようになっている。 【0016】そして、従来のスピニングリールと同様、
ベール31を釣糸放出位置へ倒して仕掛けを投擲する
と、スプール35に巻回された釣糸がスパイラル状に繰
り出され、又、ベール31を釣糸巻取り位置へ反転させ
てハンドル36の操作でロータ25を釣糸巻取り方向へ
回転させると、これに連動してリール本体21の前後方
向へトラバース運動するスプール35に、ラインローラ
33を介して釣糸が巻回されるようになっている。 【0017】而して、本実施形態は、上述の如き従来と
同様の構成からなるスピニングリール23に於て、以下
の如き改良をスプール35に施したことを特徴とする。
即ち、図1に示すように本実施形態に於けるスプール3
5も、前側鍔部35aと釣糸巻回胴部35bと後側鍔部
35cとで構成されている。そして、従来周知のように
スプールの大口径化、即ち、前側鍔部の外径寸法の大口
径化を図ることでサミング操作がし易くなると共に、釣
糸巻回胴部の糸巻面が大径化して糸巻量が増加し、又、
糸グセが付き難くなる等の利点を有するが、図の如く
釣糸巻回胴部5を正テーパ状に成形した従来のスプール
5にあっては、前側鍔部3を大口径化してしまうとこれ
に伴い後側鍔部7が大口径化し、この結果、ロータが大
型化しリール全体が大型化してしまう欠点がある。 【0018】そこで、本実施形態では、スプール35の
大口径化を図りつつロータ25の大型化を避けるため、
後側鍔部35cの外径寸法を図の後側鍔部7と同一に
設定し、そして、前側鍔部35aを当該後側鍔部35c
の外径寸法と略同一に形成して前側鍔部35aを大口径
化すると共に、釣糸放出時に於ける釣糸の糸崩れを防止
するため、釣糸巻回胴部35bをスプール軸方向後方に
向け逆テーパ状に形成したものである。 【0019】又、後側鍔部35cは均一な肉厚で形成さ
れているが、その後端側にはスプール軸方向後方に向け
順次小径となる先細なテーパ部35c-1が形成されて、
後側鍔部35cの後端側内径がスプール軸方向後方へ順
次縮径した構造となっている。そして、従来と同様、上
記後側鍔部35c内にロータ25の円筒部25aが嵌入
しているが、上述したように後側鍔部35cの後端側に
テーパ部35c-1が形成されて後側鍔部35cが後方へ
順次縮径した構造となっているため、従来の円筒部に比
し上記円筒部25aは釣糸のループより極めて小さい
径となり、その結果、従来に比べ小型のロータ25が使
用されている。 【0020】本実施形態はこのように構成されているか
ら、ベール31を釣糸放出位置へ倒して仕掛けを投擲す
ると、スプール35の釣糸巻回胴部35bに巻回された
釣糸はスパイラル状に繰り出されるが、スプール35の
釣糸巻回胴部35bは逆テーパに成形されているため、
で既述したように釣糸放出時に於ける釣糸の糸崩れ
が防止される。 【0021】而も、斯様に釣糸巻回胴部35bを逆テー
パ形状に成形したことで、釣糸を前側鍔部35aの外径
寸法迄100%巻くことができるため、図に示す従来
例に比し、釣糸放出時の釣糸の糸崩れの防止を図り乍ら
前側鍔部35aの前鍔抵抗が軽減してキャスティングの
飛距離が伸びることとなる。一方、ベール31を釣糸巻
取り位置へ反転させてハンドル36の操作でロータ25
を釣糸巻取り方向へ回転させると、これに連動してリー
ル本体21の前後方向へトラバース運動するスプール3
5にラインローラ33を介して釣糸が釣糸巻回胴部35
bに巻回されるが、釣糸の縒れや糸グセ,フケによって
釣糸が糸落ちしても、従来に比べロータ25の円筒部2
5aが釣糸のループより極めて小さいため、糸落ちした
釣糸を円筒部25aから容易に引き出すことができ、而
も、後側鍔部35cの後端側には先細なテーパ部35c
-1が形成されているから、円筒部25aから引き出され
た釣糸を当該テーパ部35c-1を通って釣糸巻回胴部3
5bに容易に戻すことが可能となる。 【0022】又、従来に比しスプール35の大口径化が
図られているため、前側鍔部35aによってサミング操
作が容易にでき、そして、上記テーパ部35c-1がスプ
ール35内への釣糸や異物の侵入を防止することとな
る。このように、本実施形態によれば、前側鍔部35a
前方からの釣糸の糸崩れによる不規則な糸放出の防止を
図り乍ら、ロータ25の円筒部25aの小型,軽量化に
よって釣竿を含めた全体的な軽量化が可能となるので、
釣竿を振り下ろして仕掛けを遠方へ放出する釣糸放出操
作時に、全体的な軽量化により疲労が軽減されて円滑で
軽快な釣糸放出操作が行えることとなった。 【0023】又、釣糸放出時の糸崩れの防止は継続的に
行われるが、糸切れや放出量及び巻回径の関係で、釣糸
巻回胴部への釣糸巻回量が少なくなった場合、釣糸の巻
テーパ巻回状態より前側鍔部35aに釣糸が接触して放
出時に接触音が発生し易くなるが、後側鍔部35cの後
端側内径を縮径することにより後側鍔部35cに接触音
を籠もらせることができるため、不快感が解消される利
点を有する。 【0024】 【0025】 【0026】 【0027】 【0028】 【0029】 【発明の効果】以上述べたように、請求項1に係る発明
によれば、スプールの釣糸巻回胴部を逆テーパ状に形成
すると共に、スプールの後側鍔部の後端側を、スプール
軸方向後方に向け順次小径となる先細なテーパ状に形成
して、後側鍔部の後端側内径をスプール軸方向後方に向
け順次縮径したので、前側鍔部前方からの釣糸の糸崩れ
による不規則な糸放出の防止を図り乍ら、ロータ円筒部
の小型,軽量化によって釣竿を含めた全体的な軽量化が
可能となり、釣竿を振り下ろして仕掛けを遠方へ放出す
る特に釣糸放出操作時に、全体的な軽量化により疲労が
軽減されて円滑で軽快な釣糸放出操作が行える。 【0030】又、釣糸放出時の糸崩れの防止は継続的に
行われるが、糸切れや放出量及び巻回径の関係で、釣糸
巻回胴部への釣糸巻回量が少なくなった場合、釣糸の巻
テーパ巻回状態より前側鍔部に釣糸が接触して放出時に
接触音が発生し易くなるが、後側鍔部の後端側内径を縮
径することにより、後側鍔部に接触音を籠もらせること
ができ、不快感が解消されることとなる。 【0031】更に又、本発明によれば、後側鍔部の後端
側がスプール軸方向後方に向け順次小径となる先細なテ
ーパ状に形成されているため、糸落ちした釣糸をロータ
円筒部から引き出して釣糸巻回胴部に容易に戻すこと
ができ、トラブルに対する対応が簡単となって従来に比
し魚釣操作性が一段と向上する利点を有する。
【図面の簡単な説明】 【図1】請求項1の一実施形態に係るスピニングリール
の側面図である。 【図2】従来のスプールの側面図である。 【図3】従来の他のスプールの側面図である。 【符号の説明】21 リール本体 23 スピニングリール 25 ロータ 25a 円筒部 27 支持アーム 33 ラインローラ 35 スプール 35a 前側鍔部 35b 釣糸巻回胴部 35c 後側鍔部 35c-1 テーパ部
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01K 89/01

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 前側鍔部と釣糸巻回胴部と後側鍔部とか
    らなるスプールをスプール軸に装着した魚釣用スピニン
    グリールに於て、 上記釣糸巻回胴部を、スプール軸方向後方に向け順次小
    径となるテーパ状に形成すると共に、 後側鍔部の後端側を、スプール軸方向後方に向け順次小
    径となる先細なテーパ状に形成して、後側鍔部の後端側
    内径をスプール軸方向後方に向け順次縮径したことを特
    徴とする魚釣用スピニングリール。
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