JP3443316B2 - オフセット印刷用塗被紙 - Google Patents

オフセット印刷用塗被紙

Info

Publication number
JP3443316B2
JP3443316B2 JP08613898A JP8613898A JP3443316B2 JP 3443316 B2 JP3443316 B2 JP 3443316B2 JP 08613898 A JP08613898 A JP 08613898A JP 8613898 A JP8613898 A JP 8613898A JP 3443316 B2 JP3443316 B2 JP 3443316B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
latex
paper
coated paper
average particle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP08613898A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11279992A (ja
Inventor
友治 佐藤
泰徳 南里
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Paper Industries Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paper Industries Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Paper Industries Co Ltd filed Critical Nippon Paper Industries Co Ltd
Priority to JP08613898A priority Critical patent/JP3443316B2/ja
Publication of JPH11279992A publication Critical patent/JPH11279992A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3443316B2 publication Critical patent/JP3443316B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paper (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不透明度及び印刷
表面強度に優れたオフセット印刷用塗被紙に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年オフセット印刷用紙は、チラシ、カ
タログ、パンフレット、ダイレクトメール等広告、宣伝
を目的とした商業印刷分野での需要が着実に伸びている
ことが特徴である。これら商業印刷物は、それ自体の商
品価値は低いが、宣伝媒体として目的が達成されること
が重要であるので、低コストで印刷仕上がりの良いもの
が求められてきている。特に通販用カタログの分野で
は、コストダウンのため使用される紙も一層軽量化に向
かっている。しかし、軽量化するほど不透明度、印刷裏
抜けが問題となるため、低坪量でもより高不透明度で印
刷裏抜けの少ない紙が求められる。また、チラシ、カタ
ログ用途の場合には、印刷物と実物の色が違えば問題
(クレーム、返品等)となるため、色再現性の良好な高
白色度の紙が求められる。
【0003】一般に不透明度(散乱係数、吸光係数)を
向上させる手段として、比表面積の大きな填料(ホワイ
トカーボン、微粉シリカ等)の使用、屈折率の高い填
料、顔料(二酸化チタン等)の使用、嵩高な塗工層を形
成する顔料(プラスチックピグメント、デラミネーテッ
ドクレー等)の使用、機械パルプの使用量増等の方法が
ある。しかし一般にこれら填料、顔料は価格が高く、塗
被液の粘度も高くなる傾向があり、操業性に劣る問題が
ある。また機械パルプを使用した場合には白色度が劣
る。そこで特に軽量塗被紙には、総合的な品質バランス
と操業性を考慮し、特定の形状(紡錘状、柱状、針状
等)を有する軽質炭酸カルシウムを原紙内添用填料ある
いは塗被液用顔料に使用する方法が近年多く採用される
傾向にある。
【0004】一方近年印刷サイドにおいても、オフセッ
ト印刷スピードの高速化とともに、インキの機上タック
が上昇し、顔料ピック(塗被層表層部の顔料粒子のム
ケ)や塗被層ピック、ベッセルピック(原紙層と塗被層
の界面付近で発生する広葉樹特有の導管のムケ)や、ラ
プチャーピック(原紙層内部から繊維間結合が破壊され
繊維が取られるムケ)等印刷表面強度が低下する問題が
増加しつつある。これらの問題は、印刷時にドライピッ
ク(単色ベタ部〜シャドウ部に発生する印刷白点)ある
いはウェットピック(湿し水が付いた直後に印刷される
印刷面に発生する印刷白点)として現れ、問題となる。
したがって近年高い不透明度と印刷表面強度を両立させ
る技術が一層求められてきている。
【0005】本発明者等も、先行技術文献(特開平6-73
695号公報、特開平6-73698号公報)において紡錘状、針
状、柱状の軽質炭酸カルシウムを塗被液中の顔料に使用
することにより塗被紙の不透明度、印刷裏抜け、白色度
を改善する方法を見出したが印刷表面強度については不
十分であった。
【0006】また特開平7-331595号公報では、平均粒子
径が3〜6μmの針状軽質炭酸カルシウムを填料灰分と
して8〜16%使用し、かつ塗被液に使用する顔料中に
特定量のルチル型の二酸化チタンを配合する方法が提案
されているが、印刷表面強度については不十分であっ
た。
【0007】またこれまで印刷表面強度、特にドライピ
ック強度を改善する手段として、塗被用接着剤に小粒子
径のラテックスを使用する手法が提案されている。
【0008】特開平8-188989号公報では、平均粒子径が
30〜70nmで、ゲル含量が50〜90重量%である
ラテックスを使用することによりドライピック強度の向
上を図っている。本発明者等は、このような小粒子径ラ
テックスを使用した場合には、ドライピック強度は向上
するものの、同時にウェットピック強度が低下する傾向
になることを認め、その対策として還元末端基量が0.09
〜0.15mmol/gのデンプンを併用することが有効であるこ
とを認めた(特開平9-77862号公報)。
【0009】また本発明者等は、下塗り塗被層にゲル含
量が75〜90重量%のラテックスを、上塗り塗被層に
ゲル含量が30〜60重量%で、平均粒子径が50〜1
10nmのラテックスを使用することにより、耐ブリス
ター性、ドライピック強度、表面性を向上する手法(特
開平9-67796号公報)を認めたが、ウェットピック強度
の向上については不十分であった。また本発明者等は、
上塗り塗被層中に顔料として炭酸カルシウムを65〜8
0%と使用モノマー中のブタジエン含量が20〜40%
でかつ平均粒子径が50〜100nmであるラテックス
を使用した塗被液を原紙に塗被後、130℃以上の高温
でソフトカレンダー処理することにより、微小光沢ムラ
が少なく、表面性、印刷表面強度の優れる塗被紙を提供
する手法を提案した(特開平9-302597号公報)。しか
し、以上の手法ではいずれも不透明度とドライピック強
度、ウェットピック強度の三者を同時に満足させること
は困難であった。
【0010】これらピック強度は、塗被液の原紙への浸
み込みの程度や原紙層あるいは塗被層の厚さ方向におけ
る接着剤(ラテックス、デンプン等)の分布にも大きく
影響を受けることから、原紙の紙層構造に適した塗被液
組成の設計が、各ピック強度をコントロールする上で最
も重要な課題である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】以上のような状況に鑑
み、本発明は不透明度、ドライピック強度、ウェットピ
ック強度に優れたオフセット印刷用塗被紙を提供するこ
とにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課
題について鋭意研究を重ねた結果、原紙にそれぞれ顔料
と接着剤を含有する下塗り塗被層と上塗り塗被層を有す
るオフセット印刷用塗被紙において、内添填料として針
状または柱状の軽質炭酸カルシウムを原紙の重量を基準
として3〜20重量%含有した原紙を用い、ゲル含量が
75〜90重量%で、平均粒子径が40〜70nmであ
るスチレン・ブタジエン系共重合体ラテックスを含む下
塗り塗被液を原紙に塗被した後、ゲル含量が40〜70
重量%で、平均粒子径が40〜80nmであるスチレン
・ブタジエン系共重合体ラテックスを含む上塗り塗被液
を塗被することにより本発明を成すに至った。
【0013】以下発明の詳細を示す。
【0014】本発明者等は、針状または柱状の軽質炭酸
カルシウムを原紙の重量を基準として3〜20重量%含
有した原紙を使用することにより、塗被紙の不透明度を
向上し得ることを認めたが、同時にドライピック強度、
ウェットピック強度が低下する問題があることを認め
た。この理由は明確ではないが、粒子径が大きく、不定
形状の従来からの内添用填料と異なり、比表面積が大き
く、細長い形状を有する針状、柱状填料が、繊維間隙に
多く入り込み、繊維間結合の形成を阻害すること、ある
いは比表面積の大きな針状、柱状填料を使用することに
よって、原紙層の内部結合強度を保持するに必要な塗被
液中の接着剤量が不足することなどに起因しているもの
と推測される。
【0015】本発明者等はこの問題を解決するため鋭意
検討した結果、ゲル含量が75〜90重量%で、平均粒
子径が40〜70nmであるラテックスを含む下塗り塗
被液を原紙に塗被し、更にゲル含量が40〜70重量%
で、平均粒子径が40〜80nmであるラテックスを含
む上塗り塗被液を塗被することにより、問題を解決し得
ることを認めた。これは、(1)微小で高ゲル含量のラテ
ックスはドライピック強度に有利であるがウェットピッ
ク強度には不利であり、逆に低ゲル含量のラテックスは
ウェットピック強度に有利であるがドライピック強度に
は不利であること、(2)ドライピック強度は、下塗り塗
被層の影響が大きく、ウェットピック強度は上塗り塗被
層の影響が大きいことを見い出すことにより、下塗り塗
被層にはドライピック強度に有利な出来るだけ微小で高
ゲル含量のラテックスを使用し、上塗り塗被層には若干
ゲル含量の低いラテックスを使用することで、微小ラテ
ックスのそれぞれの長所を生かした使い分けをすること
により、ドライピック強度及びウェットピック強度を改
善したことが特徴である。
【0016】下塗り塗被層のラテックスのゲル含量が7
5重量%より少ない場合や平均粒子径が70nmより大
きい場合には、ラテックス被膜、塗被層凝集強度の低下
あるいは接着点(接着面積)の減少によりドライピック
強度が劣る。またゲル含量が90重量%を超えた場合に
は接着剤としての機能を果たさない。平均粒子径が40
nmより小さい場合には、ラテックス製造時に使用する
親水性の乳化剤の量が多くなりすぎ、ウェットピック強
度が低下する。
【0017】一方上塗り塗被層のラテックスのゲル含量
が70重量%より大きい場合には、塗被層表層部の空隙
構造が密になり、印刷時に湿し水の浸み込みが少なくな
るためウェットピック強度が劣る。またゲル含量が40
重量%より小さい場合や平均粒子径が80nmより大き
い場合には、原紙層、塗被層の層間強度を保持できない
ためドライピック強度が劣る。平均粒子径が40nmよ
り小さい場合には、前記同様過剰な乳化剤の影響により
ウェットピック強度が劣る。
【0018】なお、内添填料として針状または柱状軽質
炭酸カルシウムの含有量が3重量%より少ない場合に
は、不透明度が劣る。逆に含有量が20重量%より多い
場合には、原紙層の層間強度が過度に低下するため、下
塗り及び上塗り塗被液中に本発明に規定するラテックス
を使用しても、ドライピック強度、ウェットピック強度
共に低下する。
【0019】また、本発明において使用する針状、柱状
の軽質炭酸カルシウムは、長径が1.0〜7.0μm、短
径が0.2〜0.6μmの範囲内であることが好ましい。
【0020】長径が 7.0μmより大きいものを使用
した場合には、比表面積が小さくなり不透明度が低下す
る上、原紙層表面に大きな填料が散在するため、印刷時
にこれらが剥けることにより発生するピックが多く発生
し、ドライピック強度が低下する傾向となる。
【0021】また、長径が1.0μmより小さい場合や
短径が0.2μmより小さい場合には、繊維間隙に侵入
し繊維間結合の形成を阻害するためドライピック強度が
低下する上、不透明度も低下する傾向となる。短径が
0.6μmより大きなものは、比表面積も小さくなるた
め不透明度が低下する傾向となる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明で規定する特定の形状を有
する軽質炭酸カルシウムは、石灰乳と炭酸ガスとの反応
による方法あるいは硫酸塩法またはソーダ法によるパル
プ製造工程の苛性化工程で製造されたものを使用する。
またその他併用する填料を特に規定するものではない
が、一般的に原紙に使用される重質炭酸カルシウム、そ
の他の軽質炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリン、
クレー、タルク、シリカ、硫酸バリウム、硫酸カルシウ
ム、硫化亜鉛、二酸化チタンなどを1種以上併用するこ
とができる。
【0023】本発明で使用される原紙としては、化学パ
ルプ、機械パルプ及び古紙回収パルプ等を任意の比率で
混合して用いられ、必要に応じて内添サイズ剤、歩留ま
り向上剤、紙力増強剤等を添加した原料を、通常使用さ
れる長網フォーマやギャップタイプのツインワイヤーフ
ォーマ、長網部の後半部をツインワイヤーで構成するハ
イブリッドフォーマで抄紙される。
【0024】なお本発明の場合、原紙としては軽量のも
のに特に効果が見られるものであり、坪量としては55
g/m2以下、好ましくは50g/m2以下の場合に本発明の効
果が特に顕著に発揮される。
【0025】下塗り及び上塗り塗被液に使用する顔料を
特に規定するものではないが、一般製紙用に用いられる
重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、カオリン、
クレー、デラミネーテッドクレー、タルク、サチンホワ
イト、シリカ、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜
鉛、二酸化チタンなどの無機顔料、プラスチックピグメ
ントなどの有機顔料等を1種以上併用することができ
る。
【0026】また、本発明に使用する特定のゲル含量と
平均粒子径を有するスチレン・ブタジエン系共重合体ラ
テックスとは、モノマーとしてスチレンとブタジエンを
含み、必要に応じ他のモノマーを共重合させたり、化学
反応により共重合体を変性した、紙塗工用に一般的に使
用される共重合体ラテックスである。他のモノマーとし
ては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸あるいは
メタクリル酸のアルキルエステル、アクリロニトリル、
マレイン酸、フマル酸、酢酸ビニルなどのビニル系モノ
マーが良く使用されるものである。
【0027】ラテックスの配合量については、下塗り塗
被液、上塗り塗被液ともそれぞれ全顔料に対して3〜1
8重量%の範囲内で使用することが望ましい。またラテ
ックスは、下塗り、上塗り塗被液それぞれ本発明で規定
するラテックスを単独で使用しても、本発明で規定しな
いラテックスを併用しても構わないが、少なくとも本発
明に規定するラテックスを、全ラテックスに対し30%
以上好ましくは70%以上配合するものである。
【0028】またラテックス以外に使用される接着剤と
して、塗被液の保水性を維持し、原紙の内部結合強度を
高めるために、酸化デンプン、尿素リン酸エステル化デ
ンプン等のエステル化デンプン、ヒドロキシエチルエー
テル化デンプン等のエーテル化デンプン、酵素変性デン
プンや冷水可溶性デンプン等が使用される。またその他
カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ース、ヒドロキシメチルセルロース等のセルロース誘導
体を使用しても良い。
【0029】本発明の下塗り及び上塗り塗被液には分散
剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤等、通常の塗被
紙用顔料に配合される各種助剤を使用しても良い。
【0030】また塗被方法についても特に規定しない
が、下塗り塗被には、ゲートロールコータ、ブレードあ
るいはロッドメタリングサイズプレスコータ等フィルム
トランスファー方式あるいはファウンテンあるいはロー
ルアプリケーション等によるブレード方式が好ましい。
上塗り塗被にはブレード方式が好ましい。
【0031】下塗り及び上塗りを合わせた総塗被量は、
原紙の片面当たり固形分で9〜20g/m2の範囲で塗被す
るのが好ましい。また、下塗り層及び上塗り層は、それ
ぞれ一層あるいはそれ以上設けても良い。
【0032】塗被液を塗被乾燥された塗被紙は、通常の
ごとくカレンダー装置(スーパーカレンダー、ソフトカ
レンダー、グロスカレンダー等)で表面仕上げされる。
【0033】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に示す
が、これらによって本発明は何等制約を受けるものでは
ない。なお、例中の部および%はそれぞれ重量部および
重量%を示す。
【0034】〈品質評価方法〉 (1)軽質炭酸カルシウム形態観察:生成物を水洗ろ過
し、乾燥後走査型電子顕微鏡(日本電子JSM-5300)で形
状及び短径、長径平均値を測定した。
【0035】(2)ラテックスのゲル含量:ラテックス約
0.3gをスライドグラス上に薄く広げ、50℃の乾燥
機でフィルムとなるまで乾燥する。ラテックスフィルム
を約50mlのトルエン中に一昼夜浸せきし、ガラスフ
ィルターでろ過後、ろ液を105℃の乾燥機で乾燥して、
トルエン可溶分の重量を測定する。ここで得られたトル
エン可溶分の重量から、次式によりゲル含量を算出す
る。 ゲル含量(%)=(乾燥フィルム重量−トルエン可溶分重量)
×100/乾燥フィルム重量
【0036】(3)ラテックス平均粒子径:0.05〜0.2%濃
度に希釈した試料を調製し、波長525nmの吸光度を測定
し、あらかじめ作成した検量線により求めた。
【0037】(4)不透明度:ハンター白色度計を用いてJ
IS P-8138、A法に従い測定した。
【0038】(5)ドライピック強度:RI-II型印刷機(明
製作所製)を用い、東洋インキ製TV-24を使用し、イン
キ量0.35ml一定で印刷し、印刷面のピッキングの程度を
目視で相対評価した。 ◎=ピッキングほとんど発生しない、○=ピッキングわ
ずかに発生する、△=ピッキング発生多い、×=ピッキ
ング発生が著しい
【0039】(6)ウェットピック強度:RI-I型印刷機
(明製作所製)を用い、サンプルに湿し水を付与し、5
秒後に東洋インキ製TKハイプラス紅インキを使用し、イ
ンキ量0.30ml一定で印刷し、ゴムロールに付いた印刷跡
を転写紙に手動で転写して、ピッキングの程度を目視で
相対評価した。 ◎=ピッキングほとんど発生しない、○=ピッキングわ
ずかに発生する、△=ピッキング発生多い、×=ピッキ
ング発生が著しい
【0040】[実施例1]ろ水度が300mlの広葉樹
晒しクラフトパルプ75部とろ水度が480mlの針葉
樹晒しクラフトパルプ25部を混合したパルプスラリー
に、硫酸バンド、アルキルケテンダイマーを0.03
%、歩留まり向上剤としてカチオン化デンプン、コロイ
ダルシリカを添加し、オントップタイプツインワイヤー
ハイブリッドフォーマを使用し、内添填料として石灰乳
と炭酸ガスを反応させて製造された、長径3.5μm、
短径0.3μmの針状軽質炭酸カルシウムを紙中に10
重量%含有するように抄紙し、坪量45g/m2の原紙を得
た。
【0041】更に平均粒子径が0.80μmの重質炭酸
カルシウム90部及び平均粒子径が0.45μmのカオ
リン10部に対して、ポリアクリル酸ソーダ系分散剤
0.3部を添加し、カウレス分散機を用いて水に分散
し、接着剤としてリン酸エステル化デンプン25部とゲ
ル含量が85重量%で、平均粒子径が65nmであるカ
ルボキシ変性スチレン・ブタジエン共重合ラテックスを
4部配合して固形分濃度37%の下塗り塗被液を調製し
た。この下塗り塗被液をゲートロールコータを使用し、
上記原紙に対し6g/m2を両面に塗被、乾燥し、坪量51
g/m2の塗被紙を得た。
【0042】更に平均粒子径が0.55μmの重質炭酸
カルシウム60部及び平均粒子径が0.45μmのカオ
リン40部に対して、ポリアクリル酸ソーダ系分散剤
0.3部を添加し、カウレス分散機を用いて水に分散
し、接着剤としてリン酸エステル化デンプン4部とゲル
含量が65重量%で、平均粒子径が75nmであるカル
ボキシ変性スチレン・ブタジエン共重合ラテックスを9
部配合して濃度65%の上塗り塗被液を調製した。
【0043】この上塗り塗被液を高速ファウンテンブレ
ードコータを使用し、塗被速度1200m/分で15g/m2を両
面に塗被、乾燥し、坪量66g/m2の塗被紙を得た。
【0044】更にショアD硬度90°の弾性ロールを有
する2ロール・4スタックのソフトカレンダーで温度1
40℃、線圧200kg/cm、4ニップの条件でカレンダ
ー処理した。
【0045】[実施例2]内添填料として長径5.5μ
m、短径0.4μmの柱状軽質炭酸カルシウムを13重
量%含有した原紙を用い、下塗り塗被液にゲル含量が8
0重量%で、平均粒子径が55nmであるラテックスを
3部配合し、上塗り塗被液にゲル含量が55重量%で、
平均粒子径が60nmであるラテックスを9部配合した
以外は実施例1と同様に塗被紙を製造した。
【0046】[実施例3]内添填料として長径0.9μ
m、短径0.17μmの針状軽質炭酸カルシウムを6重
量%含有した原紙を用い、下塗り塗被液にゲル含量が8
5重量%で、平均粒子径が50nmであるラテックスを
3部配合し、上塗り塗被液にゲル含量が50重量%で、
平均粒子径が50nmであるラテックスを8部配合した
以外は実施例1と同様に塗被紙を製造した。
【0047】[比較例1]内添填料に平均粒子径(セイ
シン企業製遠心沈降式粒度分布測定装置での測定値)が
0.65μmの不定形の軽質炭酸カルシウムを使用した
以外は実施例1と同様に塗被紙を製造した。
【0048】[比較例2]下塗り塗被層にゲル含量が4
0%であるラテックスを用いた以外は実施例1と同様に
塗被紙を製造した。
【0049】[比較例3]下塗り塗被層に平均粒子径が
100nmであるラテックスを用いた以外は実施例1と
同様に塗被紙を製造した。
【0050】[比較例4]下塗り塗被層に平均粒子径が
35nmであるラテックスを用いた以外は実施例1と同
様に塗被紙を製造した。
【0051】[比較例5]上塗り塗被層にゲル含量が2
5%であるラテックスを用いた以外は実施例1と同様に
塗被紙を製造した。
【0052】[比較例6]上塗り塗被層にゲル含量が8
5%であるラテックスを用いた以外は実施例1と同様に
塗被紙を製造した。
【0053】[比較例7]内添填料として長径0.9μ
m、短径0.17μmの針状軽質炭酸カルシウムを13
重量%含有した原紙を用い、上塗り塗被層に平均粒子径
が100nmであるラテックスを用いた以外は実施例1
と同様に塗被紙を製造した。
【0054】[比較例8]内添填料として長径7.5μ
m、短径0.70μmの針状軽質炭酸カルシウムを13
重量%含有した原紙を用い、上塗り塗被層に平均粒子径
が35nmであるラテックスを用いた以外は実施例1と
同様に塗被紙を製造した。
【0055】[比較例9]内添填料として針状軽質炭酸
カルシウムの含有量を2重量%とした以外は実施例1と
同様に塗被紙を製造した。
【0056】[比較例10]内添填料として針状軽質炭
酸カルシウムの含有量を22重量%とした以外は実施例
1と同様に塗被紙を製造した。
【0057】[比較例11]顔料、ラテックスを配合せ
ず、70%濃度のリン酸エステル化デンプンからなる表
面サイズ液を原紙に対し、付着量が0.7g/m2にな
るようにゲートロールコータで塗被し、坪量45g/m
2の原紙を得た。更に、実施例1で使用した上塗り塗被
液と同一の塗被液を上記原紙に21g/m2を両面に単
層塗被し、坪量66g/m2の塗被紙を得た以外は実施
例1と同様に塗被紙を製造した。
【0058】以上の結果を表1に示した。
【0059】
【表1】
【0060】表1から明らかなように、実施例1〜3
は、不透明度、ドライピック強度、ウェットピック強度
に優れる。
【0061】これに対して比較例1は、不透明度が劣
る。比較例2及び3は、ドライピック強度が劣る。比較
例4は、ウェットピック強度が劣る。比較例5は、ドラ
イピック強度が劣る。比較例6は、ウェットピック強度
が劣る。比較例7は、不透明度が若干低く、ドライピッ
ク強度が劣り、比較例8は、不透明度が若干低く、ドラ
イピック強度、ウェットピック強度が劣る。比較例9
は、不透明度が劣る。
【0062】比較例10は、ドライピック強度、ウェッ
トピック強度が劣る。比較例11は、ドライピック強度
が劣る。
【0063】従って、本発明により製造されたオフセッ
ト印刷用塗被紙は従来にない優れた塗被紙品質を与え、
その効果は極めて大なるものがある。
【0064】
【発明の効果】下塗り塗被層と上塗り塗被層を有するオ
フセット印刷用塗被紙の製造において不透明度及び印刷
表面強度(ドライピック強度、ウェットピック強度)に
優れた塗被紙を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−67796(JP,A) 特開 平6−158597(JP,A) 特開 平10−131093(JP,A) 特開 昭57−71499(JP,A) 特開 平9−324395(JP,A) 特開 平10−77598(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21H 11/00 - 27/42

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原紙に、顔料と接着剤を有する下塗り塗
    被層と上塗り塗被層を有するオフセット印刷用塗被紙に
    おいて、原紙に内添填料として針状または柱状の軽質炭
    酸カルシウムを原紙の重量を基準として3〜20重量%
    含有し、下塗り塗被層にゲル含量が75〜90重量%
    で、平均粒子径が40〜70nmであるスチレン・ブタ
    ジエン系共重合体ラテックスを含有し、上塗り塗被層に
    ゲル含量が40〜70重量%で、平均粒子径が40〜8
    0nmであるスチレン・ブタジエン系共重合体ラテック
    スを含有することを特徴とするオフセット印刷用塗被
    紙。
  2. 【請求項2】 前記軽質炭酸カルシウムの長径が1.0
    〜7.0μmの範囲内にあり、短径が0.2〜0.6μm
    の範囲内にある請求項1記載のオフセット印刷用塗被
    紙。
JP08613898A 1998-03-31 1998-03-31 オフセット印刷用塗被紙 Expired - Fee Related JP3443316B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08613898A JP3443316B2 (ja) 1998-03-31 1998-03-31 オフセット印刷用塗被紙

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08613898A JP3443316B2 (ja) 1998-03-31 1998-03-31 オフセット印刷用塗被紙

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11279992A JPH11279992A (ja) 1999-10-12
JP3443316B2 true JP3443316B2 (ja) 2003-09-02

Family

ID=13878373

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP08613898A Expired - Fee Related JP3443316B2 (ja) 1998-03-31 1998-03-31 オフセット印刷用塗被紙

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3443316B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006316393A (ja) * 2005-05-16 2006-11-24 Jsr Corp 塗工紙の製造方法及び塗工紙
JP5684965B2 (ja) * 2005-06-20 2015-03-18 大王製紙株式会社 塗工紙の製造方法
JP2007046189A (ja) * 2005-08-10 2007-02-22 Nippon Paper Industries Co Ltd 印刷用塗工紙
CN101595261B (zh) 2006-12-11 2014-04-09 国际纸业公司 纸张施胶组合物、施胶纸张和对纸张进行施胶的方法
JP2010133050A (ja) * 2008-12-04 2010-06-17 Daio Paper Corp 紙ムケを抑制した塗工紙

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11279992A (ja) 1999-10-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4911876B2 (ja) 印刷用ダル調塗工紙
US20070054100A1 (en) Coated paper
JP5313545B2 (ja) 多層塗り嵩高塗工紙
KR101100338B1 (ko) 인쇄용 도피지
JP4266829B2 (ja) 印刷用塗工紙の製造方法
JP3443316B2 (ja) オフセット印刷用塗被紙
JP2003171893A (ja) 印刷用塗工紙
US20130011553A1 (en) Processes for preparing coated printing paper
JP4918746B2 (ja) オフセット印刷用塗工紙の製造方法及び塗工紙
JP2967723B2 (ja) オフセット印刷用塗被紙の製造方法及び塗被紙
JP2003213595A (ja) 艶消し塗工紙
JP2018141260A (ja) コールドセット型オフセット印刷用塗工紙
JPH0593392A (ja) 印刷用中質紙
JPH11279991A (ja) オフセット印刷用塗工紙及びその製造方法
JP2000054288A (ja) オフセット印刷用塗工紙
JP4919574B2 (ja) 印刷用塗工紙の製造方法及び塗工紙。
JP3143892B2 (ja) 輪転オフセット印刷用塗被紙及びその製造方法
JP4385629B2 (ja) 印刷用塗工紙
JP4635493B2 (ja) ダル調塗工紙
JP5203770B2 (ja) 印刷用紙の製造方法
JP4120338B2 (ja) 印刷用塗工紙
JP4210507B2 (ja) 印刷用嵩高塗工紙
JP3401780B2 (ja) グラビア印刷用光沢塗被紙の製造方法
JP3713875B2 (ja) 光沢塗被紙の製造方法
JP3726422B2 (ja) オフセット印刷用塗被紙の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090620

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120620

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees