JP3442896B2 - 不織布の製造方法及び装置 - Google Patents

不織布の製造方法及び装置

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JP3442896B2
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cooling chamber
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医療、衛生資材、土木
資材、産業資材、包装資材などの各種用途に用いられる
不織布、ことにスパンボンド不織布の製造方法及び装置
に関する。
【0002】
【従来技術】スパンボンド不織布の製造方法には、紡糸
したフィラメントを丸型エアガン或いはスリットエアガ
ンに通して延伸したのち、セパレータやオシレータによ
りメッシュベルト上に散布する開放型のものと、特開昭
57−35053号、特開昭60−155765号等に
示されるように、紡糸したフィラメントを冷却室に導入
した冷却風により冷却したのち、ノズルを通して引出
し、メッシュベルト上に散布する密閉型タイプのものと
がある。後者の密閉型タイプのものにおいては、簡便な
プロセスで良好なフィラメントが得られ、均一性に優れ
たウェブを得ることができるが、冷却室に導入した冷却
風で延伸を行い、冷却風と延伸風を共用しているため、
冷却と延伸を独立して行うことができない。独国特許第
4014989号には、密閉系タイプのこうした問題を
解消するため、冷却風と延伸風を分離したものが開示さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】密閉型タイプのものに
おいて、冷却風と延伸風を分離した上述する従来の方法
では、溶融したフィラメントの結晶化開始前に分子配向
を進めるために必要な徐冷する区間を有しないので、繊
度の小さなフィラメントを安定的に供給することが困難
である。本発明は、冷却室を用いたスパンボンド不織布
の製造方法及び装置において、十分な強度を有する細デ
ニールのフィラメントよりなる不織布を安定的に製造で
きるようにすることを目的とする。
【0004】
【課題の解決手段】本発明の不織布の製造方法は、紡糸
口から紡糸された多数の連続フィラメントを冷却室に導
入した冷却風により冷却したのち、移動捕集面上に堆積
させるスパンボンド不織布の製造方法において、紡糸口
金から冷却室に達するまでの間における紡糸口金からの
距離が50〜200mmの範囲でフィラメントを自然冷却
して徐冷する徐冷過程と、冷却室においてフィラメント
に冷却風を流して強制冷却する過程と、冷却されたフィ
ラメントをノズルから導入した延伸風で延伸する過程
と、延伸したフィラメントを移動捕集面上に堆積させる
過程とよりなることを特徴とする。
【0005】本方法において、冷却前の徐冷過程は紡糸
口金からの距離が50〜200mmの範囲で行われる。こ
こで紡糸口金からの距離が50mm未満だとフィラメント
が急冷されるために糸切れが発生し易くなり、また20
0mmを越えると、糸揺れが発生するようになり、糸揺れ
が激しくなると、紡糸できなくなる。冷却風は0.1〜
2.0m/秒程度で冷却室に導入され、好ましくは、フ
ィラメントに対し、対向する二方向から流される。フィ
ラメントに両側より当てられることによりフィラメント
の振動がなく、紡糸が安定して行えるようになる。導入
に際してはまた、好ましくは温度や湿度、更にはダンパ
ー等により風量が調整され、より好ましくは冷却風の導
入部に角度が調整可能なルーパが設けられ、冷却風の導
入角度が制御できるようにされる。
【0006】本発明に係わる装置においては、更に捕集
面上に捕集されたフィラメントを交絡させる手段を付加
することができる。この場合の交絡過程は、ニードルパ
ンチ機、熱エンボス、ウォータージェットのうち、少な
くともいづれか一つによっておこなわれる。
【0007】図1は、本方法を実施するための装置の一
例を示すもので、紡糸口金1に喉部2を介して接続され
る冷却室3は、上部に冷却風の導入口3aを両側に、下
部に排出口3bを有し、導入口3aには外部操作によっ
て角度が調整可能なルーパ4とダンパー6とを備え、ブ
ロワー5より供給され、ダンパー6により風量を調整さ
れた冷却風がルーパ4において導入角度を調整され、フ
ィルター7を経てフィラメント8に吹付けられるように
してあり、フィラメント8を冷却した冷却風は、排出口
3bを出たのち、切換弁9を経て循環若しくは排出され
る。なお、ブロワー5より排出される冷却風は、クーラ
10等の温度調整手段により温度を、更には温度調整手
段やそれに付属する加湿器により湿度を調整されるよう
にしてある。
【0008】冷却室3において冷却されたフィラメント
8は、次にノズル11から導入された延伸風で延伸さ
れ、捕集面12上に散布されたのち、図示しないニード
ルパンチ機等の交絡手段により交絡される。本装置によ
れば、紡糸口金1より紡出されたフィラメント8は、喉
部2で徐冷されたのち、冷却室3において、導入口3a
より温度、湿度、風量、風向きを調整された冷却風によ
り冷却される。喉部2を設けることにより冷却が緩やか
に行われ、これにより溶融樹脂の粘度が低く保たれ、低
圧のプロセスエアを用いても、フィラメント繊度を小さ
くすることができる。
【0009】また、冷却風は延伸風とは独立して用いら
れるため、冷却をより積極的に行う場合には冷却風の使
用量を増し、冷却を抑えたい場合は冷却風を減らすとよ
い。延伸と冷却過程を独立させることにより、広範囲の
繊度のフィラメントを安定して紡糸することができる。
【実施例】図1に示す装置を用い、冷却風量2000N
3/hr/m幅、延伸風速6000m/分で喉部2の
1の長さを20、50、200、300、500mmと
順次変えて0.3mmφ、2470孔の紡糸口金1から、
MFR35のポリプロピレンを単孔当たり、毎分0.2
1g紡出した。その結果、L1が20mmでは、紡出直後
に糸切れが発生し、紡糸することができなかったが、L
1を50mm及び200mmにすると、フィラメントの糸揺
れがなく安定した紡糸が行え、繊度も0.8dと、比較
的小さな繊度のフィラメントが得られた。またL1を3
00mmにすると、紡糸中のフィラメントに糸揺れが見ら
れ、繊度も1.0dと大きくなった。更にL1を500m
mにした場合、糸揺れのためフィラメント同志が融着
し、紡糸ができなかった。以上の結果を表1に示す。
【表1】
【0010】本発明の不織布の製造方法によれば、冷却
風は延伸風と独立して用いられるため、それぞれ最適な
条件に調整して冷却と延伸を行うことができるほか、強
制冷却を行う前に自然冷却して徐冷する徐冷過程を設け
たことにより、繊度の大きなフィラメントはもとより小
さなフィラメントのものまで広範囲のデニールのフィラ
メントよりなる不織布を安定して製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るスパンボンド不織布の製造装置
の概略図。
【符号の説明】
1・・・紡糸口金 2・・・喉部 3・・・冷却室 4・・・ルーパ 5・・・ブロワー 6・・・ダンパー 8・・・フィラメント 9・・・切換弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−155765(JP,A) 特開 平7−173751(JP,A) 特開 平7−11559(JP,A) 独国特許出願公開4014989(DE,A 1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D04H 1/00 - 18/00 D01D 1/00 - 13/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】紡糸口から紡糸された多数の連続フィラメ
    ントを冷却室に導入した冷却風により冷却したのち、移
    動捕集面上に堆積させるスパンボンド不織布の製造方法
    において、紡糸口金から冷却室に達するまでの間におけ
    る紡糸口金からの距離が50〜200mmの範囲でフィラ
    メントを自然冷却して徐冷する徐冷過程と、冷却室にお
    いてフィラメントに冷却風を流して強制冷却する過程
    と、冷却されたフィラメントをノズルから導入した延伸
    風で延伸する過程と、延伸したフィラメントを移動捕集
    面上に堆積させる過程とよりなることを特徴とする不織
    布の製造方法。
  2. 【請求項2】冷却風がフィラメントに対し、対向する二
    方向から流される請求項1記載の不織布の製造方法。
  3. 【請求項3】冷却室に導入される冷却風は、温度、湿度
    及び風量が調整される請求項1記載の不織布の製造方
    法。
  4. 【請求項4】「冷却室に導入される冷却風は、導入角度
    が調整される請求項1又は記載の不織布の製造方法。
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