JP3442446B2 - 高周波部材 - Google Patents

高周波部材

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JP3442446B2 JP32352193A JP32352193A JP3442446B2 JP 3442446 B2 JP3442446 B2 JP 3442446B2 JP 32352193 A JP32352193 A JP 32352193A JP 32352193 A JP32352193 A JP 32352193A JP 3442446 B2 JP3442446 B2 JP 3442446B2
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六月 山崎
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E40/00Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
    • Y02E40/60Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸化物超電導体を用い
た高周波部材に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、通信機器の分野において、移動通
信機器の需要が増加している。移動通信機器としては、
携帯電話の他に自動車電話等があり、これらは個々に移
動する機器(移動局)と幾つか点在する基地局との間を
無線で継ぎ、情報の伝達を行っている。この情報の授受
にはアンテナが必要であるが、移動局側は機器の小型化
に伴い、アンテナの小型化が望まれている。しかし、ア
ンテナが小さい場合には、受信によりアンテナを流れる
電流は微小となり、アンテナの電気抵抗により損失する
エネルギーの割合はかなり高いものとなる。
【0003】また、基地局で用いられるパラボラアンテ
ナは、一種の小さなアンテナの集合体とも考えることが
でき、そこでの導体損、あるいはこれらを継ぐ配線での
損失等が問題となるため、あまり小さくできないのが現
状である。
【0004】一方、医療機器の分野でも小型アンテナを
用いている機器があり、例えばMRI(核磁気共鳴吸収
診断装置)が挙げられる。この装置は、人間の体を構成
する元素の一つである水素の核が、磁場中において特定
の電磁波を共鳴吸収する現象を利用して、細胞の異常を
検知するものである。そして、共鳴吸収の情報は、調べ
ようとする人間の患部付近に設置したアンテナにより得
ている。
【0005】ところで、上記MRI等における信号のS
/N比は、サンプリング時間を長くすることで上げるこ
とができるが、その場合診断時間が長くなるという不都
合が生じる。従って、動きの大きな臓器の診断は難しく
なるため、このような用途にとっても、アンテナでの損
失を極力小さくすることが望まれている。
【0006】上述したようなアンテナでの損失は、アン
テナを構成する材料のもつ電気抵抗に起因するものであ
る。よって、アンテナ特性を向上させるには、抵抗の低
い材料の使用が望まれ、そのような材料として近年超電
導体が注目されている。超電導体の場合には冷却する必
要があるが、酸化物超電導体であれば冷媒は安価な液体
窒素でよいため、実用化が可能な機器もある。
【0007】このような事情に基いて、酸化物超電導体
を用いた小型アンテナの開発が近年活発になってきてい
る。アンテナへの酸化物超電導体の使用方法としては、
例えばバルク材をそのままアンテナ形状に加工する方法
と、酸化物超電導体薄膜を加工する方法とが挙げられ
る。しかし、前者の方法では、表面の平滑性が悪いこと
等に起因して、高周波に対して良好な特性を得ることが
できない。一方、後者の方法によれば、膜の表面形態は
成膜条件や組成により制御することができるため、高周
波特性のよいものが得られる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような酸化物超電導体薄膜は、良好な特性を得るため
には MgO、 SrTiO3 、 LaAlO3 等の単結晶状の酸化物基
板上に形成する必要があり、このような基板は大型のも
のが非常に高価であると共に、大面積の膜を作製して
も、アンテナに使用する場合には利用する部分が少な
く、大部分はエッチングしてしまうので無駄が多いとい
う欠点があった。さらに、酸化物超電導体薄膜の特性は
基板温度に影響され易く、少しの温度むらが存在してい
ても均一なものは得られないため、大型の酸化物基板上
に酸化物超電導体薄膜を形成することは、特性面からも
不利である。
【0009】一方、高周波部材をアンテナとして使用す
る場合、アンテナの形状により特性が大きく変化するた
め、使用目的に応じて容易に形状が変えられることが望
ましい。このような事情に対しても、大面積の酸化物超
電導体薄膜を作製しておき、その場に応じてパターンを
変えてエッチングすることは、生産性に欠けるという不
具合があった。
【0010】本発明は、このような課題に対処するため
になされたもので、酸化物超電導体を用いてS/N比を
高めると共に、種々の形状に容易に対応させることを可
能にした実用性に優れる高周波部材を提供することを目
的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明高周波部材は、
基板上に酸化物超電導体層を形成してなる超電導部材を
具備する高周波部材であって、複数個の前記超電導部材
開口部を有する閉ループ状に配置されていると共に、
前記超電導部材間電気的に接続されており、かつ前記
超電導部材間の電気的な接続部が使用周波数による定在
波の節の近傍に設けられていることを特徴としている。
本発明の他の高周波部材は、基板上に酸化物超電導体層
を形成してなる超電導部材を具備する高周波部材であっ
て、複数個の前記超電導部材が開口部を有する閉ループ
状に配置されていると共に、前記超電導部材間が電気的
に接続されており、かつ前記超電導部材間の電気的な接
続部が前記酸化物超電導体層間に空気または前記基板を
誘電体として介在させたコンデンサによる接続を構成し
ていることを特徴としている。
【0012】本発明に用いられる超電導部材は、例えば
SrTiO3 、 MgO、LaAl2 O 3 、NdAl2 O 3 、 NdGaO3
LaSrGaO3 等の酸化物超電導体と反応せず、結晶格子の
マッチングが良好な材料を基板として用い、その上に酸
化物超電導体層を形成したものが挙げられる。また、ハ
ステロイ等の耐熱性および耐酸化性の高い金属基板上
に、上記した酸化物材料や Y安定化 ZrO2 等の酸化物を
積層形成したものを、酸化物超電導体層の形成基板とし
て用いることもできる。上記酸化物基板や金属基板上の
酸化物層は、単結晶状態であることが望ましいが、多結
晶状態のものを除外するものではなく、酸化物層を形成
する場合には多結晶となる場合もある。
【0013】また、本発明に使用される酸化物超電導体
としては、希土類元素含有のペロブスカイト型の酸化物
超電導体、 Bi-Sr-Ca-Cu-O系酸化物超電導体、 Tl-Ba-C
a-Cu-O系酸化物超電導体等、各種の酸化物超電導体を適
用することが可能である。
【0014】上記希土元素を含有しペロブスカイト型構
造を有する酸化物超電導体は、超電導状態を実現できる
ものであればよく、例えば REM2 Cu3 O 7-y 系(REは
Y、La、Sc、Nd、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho、Er、Yb、Lu等の
希土類元素から選ばれる少なくとも 1種の元素を、 Mは
Ba、Sr、Caから選ばれる少なくとも 1種の元素を、 yは
酸素欠損を表し通常1以下の数である。Cuの一部はTi、
V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Zn等で置換可能)の酸化物等
が例示される。
【0015】また、 Bi-Sr-Ca-Cu-O系の酸化物超電導体
は、 化学式:Bi2 (Sr,Ca)3 Cu2 Ox Bi2 Sr2 Ca2 Cu3 Ox Bi2 Sr2 Ca3 Cu4 Ox (式中、Biの一部はPb等で置換可能)等で表されるもの
であり、また、同様な構造を有する Tl-Ba-Ca-Cu-O系酸
化物超電導体は、 化学式:Tl2 (Ba,Ca)3 Cu2 Ox Tl2 Ba2 Ca2 Cu3 Ox Tl2 Ba2 Ca3 Cu4 Ox Tl2 Ba2 Ca4 Cu5 Ox 等で表されるものである。
【0016】そして、本発明においては、上述したよう
な基板上に10nm〜10μm 程度の膜厚の酸化物超電導体層
を、例えばスパッタ法、CVD法、反応性蒸着法、分子
線エピタキシー法等の各種薄膜形成法により形成するこ
とによって、特性の良好な超電導部材が得られる。ここ
で、酸化物超電導体層の成膜方法について述べる。
【0017】例えば、スパッタ法により酸化物超電導体
層を形成する場合のターゲットとしては、各酸化物超電
導体の構成元素を含む化合物を個々に用いてもよいし、
あるいは各構成元素を含む単一ターゲットを用いてもよ
い。酸化物超電導体の焼結体をターゲットとして用いる
際には、得られる膜の組成とターゲット組成が必ずしも
一致しない場合があるため、実験的に形成した膜の組成
を分析し、不足している元素をターゲットの中に多く含
有させたり、あるいは不足しやすい元素を含有するター
ゲットをさらに設置して、独立して制御することが望ま
しい。
【0018】なお、スパッタ法により酸化物超電導体層
を形成する場合、必要に応じて真空槽内に酸素を導入し
ながら熱処理を行ったり、真空槽から取り出した後、酸
素雰囲気中で熱処理することによって、酸素欠損が少な
い良質の酸化物超電導体膜が得られ、よって超電導転移
温度の向上が図れる。
【0019】また、反応性蒸着法は、各構成元素を含む
原料を個々に加熱し蒸発させて付着させる方法であり、
各元素ごとに組成制御することが可能である。ただし、
酸化物の薄膜を形成する場合、酸化物の融点は一般に高
くそれ自身を蒸発させることは困難であるため、酸素雰
囲気中で各元素を蒸発させ、反応させながら成膜を行
う。従って、酸素の供給方法が重要な要因となる。酸素
の供給は、電子サイクロトロン共鳴(ECR)によりイ
オン化して供給したり、高周波、マイクロ波、光等によ
り酸素のプラズマを形成して供給したり、あるいは加熱
して活性化状態の酸素を供給することが好ましい。これ
らにより、単に酸素を被着面に吹き付けるよりも大きな
効果が得られる。また酸素だけではなく酸素を無声放電
によりオゾン化させることも効果的である。さらに酸素
を含む気体で、 N2 O やCO等は他原子との結合エネルギ
ーが弱く、分子状酸素からもより高周波電力等による放
電によって容易に酸素ラジカルを形成することができ
る。
【0020】本発明の高周波部材は、上述したような成
膜法により基板上に酸化物超電導体槽を積層形成した超
電導部材を複数個用い、これらを一ケ所に開口部が形成
されるような閉ループ状に配置すると共に、隣接する超
電導部材間を電気的に接続したものであり、これにより
酸化物超電導体を用いた所望の大きさおよび形の高周波
部材を容易に得ることができる。超電導部材間の電気的
な接続は、例えば超電導部材間を半田等で接続したり、
酸化物超電導体層同士を直接もしくはAgやAu等を介して
当接させて接続する等、種々の方法を適用して行うこと
ができる。また、酸化物超電導体層同士を当接させる場
合には、空気を誘電体として介在させたコンデンサによ
る接続と見なすことができ、高周波にとってはインピー
ダンスは高くならず、低抵抗の接続が実現できる。さら
に、酸化物基板等を誘電体として介在させ、積極的にコ
ンデンサによる接続を用いることもできる。
【0021】
【作用】本発明においては、基板上に酸化物超電導体層
を形成した複数個の超電導部材を開口部を有する閉ルー
プ状に配置し、各々の超電導体間を電気的に接続するこ
とで高周波部材を構成しているため、酸化物超電導体の
超電導転移温度以下、例えば液体窒素温度以下に冷却し
た場合には、接続部での損失はあるものの、大部分は超
電導体であるため、全体としては抵抗を極めて小さくす
ることができ、導体による損失を大幅に低減することが
可能となる。従って、損失が極めて少ない高周波部材、
例えばS/N比の高い小型アンテナ等が実現できる。ま
た、高周波部材の大きさや形状は、複数個の超電導部材
を配置することで自由に設定することができ、さらに個
々の超電導部材は例えば良好な酸化物基板が容易に入手
可能な大きさに合せることができるため、酸化物超電導
体層の品質(特性)向上が容易であると共に、製造コス
トの削減にも寄与する。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0023】実施例1 まず、図1(a)に示すように、酸化物基板1として S
rTiO3 (100) 基板を用い、その (100)面上に、反応性蒸
着法によりc軸配向させた YBa2 Cu3 O 7-y 系酸化物超
電導体膜2を成膜して超電導部材3を作製した。この超
電導部材3を複数個用いて、開口部4aを有する閉ルー
プ形状の金属製支持基体4上に、複数個の超電導部材3
を配置すると共に、図1(b)に示すように、隣接する
超電導部材3間を半田、Inまたはそれらの合金等の接続
用金属5で電気的に接続して、本発明の高周波部材から
なるアンテナを作製した。
【0024】このようにして得た高周波部材を液体窒素
で冷却し、 10MHzから 10GHzの周波数帯で共振させたと
きのQ値を調べたところ、周波数によって異なるもの
の、数100から1000の範囲の値が得られた。これは、ア
ンテナの大きさが周波数によって異なり、図1に示した
ような形状の場合、一辺をλ/2(λ:波長)とすること
が望ましく、波長が長い場合には継ぐ場所が多くなるた
めに損失が大きくなり、Q値が低下するためである。
【0025】また、 YBa2 Cu3 O 7-y 系酸化物超電導体
膜2の成膜方法については、CVD法、スパッタリング
法、レーザー蒸着法等のいずれでもよいが、表面性のよ
い膜を用いることが好ましく、表面に 1μm を超える凹
凸がない膜がよい。このような膜を 100nmから10μm の
厚さで積層した超電導部材3を、一辺が約15cmとなるよ
うに並べてアンテナを作製し、約1GHzの高周波に対する
Q値を調べたところ、400という高い値が得られた。さ
らに、表面に 100nmを超える凹凸がない膜をスパッタリ
ング法で成膜した超電導部材3を用いたところ、Q値は
さらに 600に向上した。
【0026】ところで、この実施例の高周波部材におい
ては、金属製の支持基体4上に超電導部材3を並べてい
るが、支持基体は金属に限定されるものでなく、必要な
機械的強度を有するものであれば、セラミックス、ガラ
ス、プラスチック等の種々の材質を用いることができ、
特に超電導部材3を構成する酸化物基板1と低温での熱
膨張率が近似する材質を用いることが好ましい。
【0027】ただし、金属製支持基体4を用いる場合
に、給電回路との接続を一方は酸化物超電導体膜2側
に、もう一方は金属製支持基体4側にすると、酸化物基
板1は誘電体であるので、コイルとコンデンサとの直列
回路となる。この際、基板1の材質を変えると誘電率が
変わるので、コンデンサの容量を変えることができる。
例えば、酸化物基板1として MgOを用いるとεが10程度
であるのでCは小さくなり、 SrTiO3 を用いるとεが 3
00位あるのでCは 1桁大きくなる。また、このような場
合の金属製支持基体4としては、導電性が高いAg、Cu、
Al等を用いることが好ましい。
【0028】実施例2 上記実施例1の高周波部材において、超電導部材3間の
電気的な接続を、図2に示すように、超電導部材3の端
部で酸化物超電導体膜2の膜面同士を接触させて圧着す
ることにより行い、本発明の高周波部材からなるアンテ
ナを作製した。この場合、圧力のかけ方で抵抗は異なる
が、接触面積が少ない場合には空間が誘電体とするコン
デンサによる接続と見なすことができ、高周波にとって
はインピーダンスは高くならい。また、図3に示すよう
に、接続部分6の面積を大きくすることで、インピーダ
ンスをさらに小さくすることができる。
【0029】また、上述したような接続を実施した場合
には、接続部分が短縮コンデンサの役割を果たすため、
図4に示すように、xに対してyを長くするとさらに好
ましい。この際、x+y>λ(λは共振させる電波の波
長)、y>xの関係を満たすようにする。このようにし
て作製したアンテナを実施例1と同様に試験したとこ
ろ、Q値は1000に向上した。
【0030】実施例3 超電導部材3間の接続抵抗を小さくするために、図5に
示すように、酸化物超電導体膜2上にAgやAuの膜7を蒸
着し、この金属膜7を介して圧着して、超電導部材3間
を電気的に接続した。このとき、Agペーストを介在させ
るとより接着強度が高くなる。また、AgやAuの膜7は、
図5(a)に示すように、圧着する部分だけに形成して
もよいし、また図5(b)に示すように、酸化物超電導
体膜2の全面に形成してもよい。ただし、耐環境性を考
慮すると、酸化物超電導体膜2全面を10nm以上、さらに
は 100nm以上のAgやAuの膜7で覆うことが望ましい。こ
のような状態でも、接続部6の接触抵抗は数10から数 1
00mmΩ(直流に対し)となり、十分に小さくすることが
できるが、これを酸素中で 300℃から 800℃の温度、好
ましくは 400℃から 600℃の温度で熱処理すると、接触
抵抗は数mmΩ以下になる。このようにして作製したアン
テナを同様に試験したところ、Q値は2000まで向上し
た。
【0031】実施例4 図6に示すように、酸化物超電導体膜2を積層形成する
酸化物基板1の端部に段差1aを設け、実施例3と同様
に、酸化物超電導体膜2上にAgやAuの膜7を蒸着法によ
り形成し、段差1aを重ね合せて圧着して、超電導部材
3間を電気的に接続した。このような接続方法によれ
ば、超電導部材3が一平面上に並ぶため、支持しやすい
という利点が得られる。
【0032】また、図6中に示した角度θ1 は、90°以
上とすることが好ましく、さらには120°以上とするこ
とが望ましい。その理由は、θ1 が小さいと酸化物基板
1の表面と平行ではない面に、成膜方法によっては酸化
物超電導体膜2が形成されない場合があるためである。
例えば、反応性蒸着法やMBE法等の指向性を有する蒸
発原子で膜を作る場合である。
【0033】一方、CVD法はガスに触れる全ての面に
膜が形成されるため、θ1 の許容範囲が広い。また、酸
化物超電導体膜2は基板1の面方位によって配向性が異
なり、特性も異なるものとなる。通常、特性がよいとさ
れるc軸配向膜は、 (100)面上に得られるため、基板1
表面が (100)面のときは、θ1 が90°であると傾斜面も
(100)面となる。従って、θ1 が90°の基板1を用い
て、CVD法で酸化物超電導体膜2を成膜した場合に、
最も良好な結果が得られる。
【0034】なお、図6中に示した角度θ2 は、90°以
下であれば特に問題にはならない。ただしθ1 +θ2
180°の関係を満たすことが望ましい。
【0035】超電導部材3の端部を重ね合せて接続する
方法としては、例えば図7に示すように、一方の超電導
部材3の端部に凹部3aを形成し、他方の超電導部材3
の端部に凸部3bを形成して、これらを組合せて接続す
るような方法を適用することもできる。図7に示す接続
方法では、凹部3a内や凸部3b表面を含めて、酸化物
基板1の両面に酸化物超電導体膜2をCVD法により成
膜している。このように、酸化物基板1の両面に酸化物
超電導体膜2を成膜することは、信頼性等を高める上か
らも好ましく、この実施例に限らず、酸化物基板1の両
面に酸化物超電導体膜2を成膜することは望ましい形態
といえる。
【0036】また図8は、前述したコンデンサを介した
接続をより積極的に採用した例である。すなわち、一方
の超電導部材3の凸部3b上面を含めて酸化物超電導体
膜2を形成すると共に、凹部3bを形成した超電導部材
3側は酸化物基板1の上面のみに酸化物超電導体膜2を
形成したものであり、凹部3aを構成している酸化物基
板1を誘電体とするコンデンサを介して接続したもので
ある。
【0037】さらに、図9、図10および図11に示す
ように、超電導部材3を複数積ねてもよい。これらの方
法は、いずれもコンデンサによる接続と見なすことがで
きる。インピーダンスを小さくするためには、誘電率が
小さい基板を用いることが好ましく、 LaAlO3 、 MgO、
NdGaO3 等が望ましい。また、積ねる数は 2段に限らず
多いほどよい。
【0038】実施例5 超電導部材3間を接続する位置としては、アンテナ上に
できる高周波による電界のできる限り小さいところとす
ることが望ましい。言い換えれば、定在波の振幅が小さ
いところで節に近ければ近いほどよい。例えば、2GHzの
場合λ/2が 7.5cmになるので 7.5cm角以上の基板が入手
可能ならばよいが、単結晶は長さ方向で7.5cmを超える
ものが得られても、径ではそのような大きなものを作製
することは困難である。従って、得られる最大の基板が
7.5× 4cmであった。
【0039】上記したような基板をコ字状に加工し、図
12に示すように、給電側およびその対辺側以外の二辺
のほぼ中央で接続した。このようなループアンテナで
は、給電側およびその対辺では中央付近が定在波の腹に
なり、それ以外の辺では中央付近が節になる。このよう
なアンテナにおける超電導部材3間の接続を、前述の実
施例1〜4に示した各接続方法により行ったところ、実
施例3、4と同じ方法で接続したときにQ値は最も高
く、3000の値が得られた。
【0040】上述した各実施例で示したように、各種の
接続方法により超電導部材3間を電気的に接続すること
によって、比較的容易に大面積の高周波部材が得られ
る。よって、衛星用機器をはじめとする通信機器の他
に、サイクロトロンのように粒子を加速する加速器にも
用いることができる等、本発明の高周波部材は種々の分
野における高周波関連機器として使用することができ
る。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
電気抵抗により損失するエネルギーを極めて小さくする
ことが可能であると共に、種々の形状に容易に対応させ
ることができる、実用性に優れた高周波部材を提供する
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例による高周波部材の構成を
示す図であって、(a)はその斜視図、(b)はその接
続部を拡大して示す側面図である。
【図2】 本発明の高周波部材における超電導部材間の
接続方法の他の例を示す図である。
【図3】 図2に示す接続方法の変形例を示す図であ
る。
【図4】 本発明の他の実施例による高周波部材の構成
を示す平面図である。
【図5】 本発明の高周波部材における超電導部材間の
接続方法のさらに他の例を示す図である。
【図6】 本発明の高周波部材における超電導部材間の
接続方法のさらに他の例を示す図である。
【図7】 本発明の高周波部材における超電導部材間の
接続方法のさらに他の例を示す図である。
【図8】 本発明の高周波部材における超電導部材間の
コンデンサを介した接続方法の例を示す図である。
【図9】 本発明の高周波部材における超電導部材間の
コンデンサを介した接続方法の他の例を示す図である。
【図10】本発明の高周波部材における超電導部材間の
コンデンサを介した接続方法のさらに他の例を示す図で
ある。
【図11】 本発明の高周波部材における超電導部材間
コンデンサを介したの接続方法のさらに他の例を示す図
である。
【図12】 本発明の高周波部材における超電導部材間
の接続位置を説明するための図である。
【符号の説明】
1……酸化物基板 2……酸化物超電導体膜 3……超電導部材 4……金属製支持基体 4a…開口部 5……接続用金属 6……接続部 7……AuまたはAgの膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前田 忠彦 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝 研究開発センター内 (56)参考文献 特開 平3−211889(JP,A) 特開 昭64−81503(JP,A) 特開 平2−5602(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01B 12/00 - 13/00 H01Q 7/00 - 19/00 H01L 39/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に酸化物超電導体層を形成してな
    る超電導部材を具備する高周波部材であって、 複数個の前記超電導部材開口部を有する閉ループ状に
    配置されていると共に、前記超電導部材間電気的に接
    されており、かつ前記超電導部材間の電気的な接続部
    が使用周波数による定在波の節の近傍に設けられている
    ことを特徴とする高周波部材。
  2. 【請求項2】 基板上に酸化物超電導体層を形成してな
    る超電導部材を具備する高周波部材であって、 複数個の前記超電導部材が開口部を有する閉ループ状に
    配置されていると共に、前記超電導部材間が電気的に接
    続されており、かつ前記超電導部材間の電気的な接続部
    が前記酸化物超電導体層間に空気または前記基板を誘電
    体として介在させたコンデンサによる接続を構成してい
    ることを特徴とする高周波部材。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の高周波部材において、 前記複数個の超電導部材は矩形状に配置されており、か
    つ前記矩形状配置における給電側の辺の長さをx、その
    対辺の長さをyとしたとき、y>xおよびx+y>λ
    (ここで、λは共振させる電波の波長である)の関係を
    満足することを特徴とする高周波部材。
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