JPH09246837A - 指向性アンテナと低温デバイス装置及びその製造方法 - Google Patents

指向性アンテナと低温デバイス装置及びその製造方法

Info

Publication number
JPH09246837A
JPH09246837A JP8049023A JP4902396A JPH09246837A JP H09246837 A JPH09246837 A JP H09246837A JP 8049023 A JP8049023 A JP 8049023A JP 4902396 A JP4902396 A JP 4902396A JP H09246837 A JPH09246837 A JP H09246837A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antenna
superconducting
superconductive
substrate
antennas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8049023A
Other languages
English (en)
Inventor
Eiji Natori
栄治 名取
Setsuya Iwashita
節也 岩下
Taketomi Kamikawa
武富 上川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP8049023A priority Critical patent/JPH09246837A/ja
Publication of JPH09246837A publication Critical patent/JPH09246837A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 指向性が強く高利得な指向性アンテナを提供
する。 【解決手段】 フォトリソグラフィーにより超伝導アン
テナ部と超伝導給電経路部を形成した基板をアンテナ部
が所定の間隔で重なるように積層した構造よりなるため
超電導アンテナを精度良くアレー化でき、また給電経路
の長さを自由に且つ高精度に管理出来るため位相差給電
が精密にでき指向性、利得が極めて高い超指向性アンテ
ナを得ることが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は主に衛星放送(B
S)、無線通信、レーダー等電磁波を受発信する装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】無線通信のアンテナは昔から小型で高感
度であることが要求されてきた。特に普及がめざましい
移動体通信用のアンテナ、家庭用通信アンテナ(例えば
BSアンテナ)はその要求が強い。また近年電波による
電子装置の誤動作問題や電波を有効に使うため所定の方
向のみに電波を送信するいわゆる指向性が要求されてき
た。
【0003】この様な状況の中で材料で大きく注目され
ているのが超電導体、特に小型冷凍機が使え使用環境の
制限が少なくなった酸化物超電導体である。
【0004】酸化物超電導体は(a)長波からマイクロ
波帯(ミリ波まで)に於て通常の金属に比べ桁違いに損
失が少ない(b)電磁波の侵入がマイスナー効果により
周波数に関係なく一定であるため周波数分散を持たず広
い周波数領域で使用出来る特徴を持っている。
【0005】故に酸化物超電導体をアンテナに使用する
と電磁波の波長に対してアンテナのサイズを数桁小さく
してもアンテナの絶対利得は低下しない。即ち極めて小
型のアンテナが可能となる。一方アンテナの利得は指向
性利得×放射効率で表される様に指向性を強くすると高
性能化が図れる。超電導アンテナには超電導体を用いて
初めて成しうる「超利得アンテナ」または「超指向性ア
ンテナ」と呼ばれるアンテナがある。これは微小アンテ
ナを近接して配置し、ほぼ逆位相で駆動させるものであ
り極めて高指向性で且つ高利得のアンテナが得られる可
能性がある。
【0006】超電導アンテナの詳細な説明は薄膜ではパ
ッチアンテナが信学技報,SCE93−12,pp75
−74(1993)にスロットアンテナが信学技報,M
W94−143,pp9−13(1995)に、ログペ
リアンテナが第56回応用物理学会学術講演会予稿集,
27a−R−1に述べられている。バルク的なアンテナ
としてはヘリカルアンテナがIEICE TRAN
S.,ELECTRON.,VOL.E75−C,N
O.2,FEBRUARY,1992に述べられてい
る。
【0007】前者はLaAlO3、NdGaO3、YS
Z、sapphire、MgO等酸化物単結晶基板上に
YBa2Cu37、Tl2Ba2CaCu28、Tl0.5
0.5Sr2Ca2Cu39等酸化物超電導膜をスパッタ
法、CVD法、MBE法、レーザーアブレーション法等
により形成した後、フォトリソグラフィによりパターニ
ングして得られる。また後者はYBa2Cu37または
Bi2Sr2Ca2Cu3xよりなる線材(約1mmφ)
をヘリカル状に形成した後焼結してできた素子を基板に
固定して得られる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の超伝導
アンテナは以下の様な問題を有していた。
【0009】(1)薄膜タイプに関しては小型化した報
告は有るがアレー化して利得を向上させた報告は無い。
超利得アンテナを得るにはアレー化した微小アンテナの
アンテナ間を精度よく作製し且つそれぞれのアンテナへ
位相差を持った給電を精密に行う必要があるが報告の無
いのは精密な給電が困難であるためと思われる。給電を
精密に制御出来ないとアレー化することにより逆にアン
テナ利得は低下する結果となる。
【0010】(2)バルクタイプでは指向性アンテナの
報告はあるが2素子をアレー化したのみでありまだ利得
は低い。精度の悪い焼結体よりなるアンテナであるため
多数の素子をバランスよく取り付けるのが困難なためと
思われる。また今後無線通信では情報量の増大に伴い短
波長化が進むため素子も小型にする必要があるが焼結に
よるアンテナでは小型化は困難と言える。
【0011】(3)ヘリカル構造のバルクタイプの超電
導アンテナは超電導細線を巻いた構造であり大きい割に
熱伝導が行われる部分は細線であり少ない。且つ超電導
体は熱伝導率が悪いため超電導アンテナ全体を冷やすに
は液体窒素に浸すしか手段はなた。故に 電源に接続す
るだけで冷却ができる閉サイクル冷凍機が使えず使用環
境の制限が多かった。
【0012】(4)閉サイクル型冷凍機を用いたデバイ
ス装置は輻射によるノイズが多く信号波形が不明瞭にな
る問題があった。
【0013】本発明は以上述べた問題点を解決するもの
であり使用環境の制限が少なく、指向性が強く且つ利得
の高いアンテナとノイズの少ない低温デバイス装置を容
易に得んとするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明よりなる指向性アンテナは少なくとも超伝導
アンテナ部と超伝導給電経路部を形成した基板をアンテ
ナ部が所定の間隔で重なるように積層した構造より成る
こと、基板に形成した各々の超伝導給電経路部は積層方
向に対して重ならないこと、給電経路部間に絶縁膜を介
して金属または超伝導体よりなるシールド膜を形成する
ことを特徴とする。また好ましくはシールド膜をアース
に短絡させたことを特徴とする。さらに本発明よりなる
低温デバイス装置は超伝導アンテナ、超電導ミクサ等低
温に冷やすデバイスの周部を冷却せしめたフィルターで
覆ったことを特徴とする。フィルターの冷却温度は超電
導アンテナや超電導ミクサ等デバイスの温度と同等であ
ることが好ましい。更に本発明よりなる指向性アンテナ
は超電導体を用いた指向性アンテナの製造方法におい
て、(1)基板上に超電導膜を形成する工程、(2)前
記超電導膜をフォトリソグラフィーによりパターニング
して少なくとも超電導アンテナと所定の長さに調整した
超電導給電経路を形成する工程、(3)超電導アンテナ
と超電導給電経路を形成した基板を厚さ方向に超電導ア
ンテナ部が所定の間隔で重なるように積層する工程、
(4)積層した基板を接合材等により固定する工程、を
有することを特徴とする。尚用いる超電導体は金属系、
化合物系、酸化物系を問わないが好ましくは使用環境の
制限の少ない酸化物系が良い。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、実施例に従って本発明を詳
細に説明していく。
【0016】(実施例1)本発明よりなる指向性アンテ
ナの斜視図を図1に、A−A’に於ける断面図を図2に
示す。微小アンテナの超電導アンテナ2と超電導給電経
路3を形成した基板1を超電導アンテナ2が厚さ方向に
重なるように積層して超電導アンテナ2をアレー化せし
めたものである。
【0017】本実施例の作製プロセス、構造のポイント
は次の通りである。先ずLaAlO3単結晶基板1に真
空中に於て酸素プラズマを照射し、表面の洗浄で取れな
い汚れやアモルファス層を除去し、更に大気に晒す事な
くプラズマフラッシュ法によりYBa2Cu37-x膜を
基板温度550〜600℃、成膜レート1〜5Å/se
c.の条件で100〜500nm形成する。尚LaAl
3単結晶は低誘電率(ε=10)で且つYBa2Cu3
7-xと格子定数の整合性に優れているため用い、また
プラズマフラッシュ法はスパッタ法や蒸着法に比べ桁違
いに速い成膜レートでエピタキシャル成長膜が形成でき
るため採用した。この条件により得られる超電導膜はT
c=90K、Jc=1×106A/cm2(77K)であ
る。次にYBa2Cu37-x膜を図3〜図5の平面図と
図6の断面図に示す様に基板1のa面とb面を基準にフ
ォトリソグラフィーによりパターニングして基板1、ダ
イポール型微小アンテナの超伝導アンテナ2、超伝導給
電経路3、13、23よりなるユニット7を作製する。
作製するユニット7の数はアレー化する数、即ち7つで
あり、そのユニット7毎のパターンは超伝導アンテナ2
の位置は基準面に対して何れも同じ位置であるが超伝導
給電経路3、13、23は位置と長さが異なる。尚図で
は図3、図4、図5と3ユニットで説明しており残る4
ユニットは省略している。ここで給電経路3、13、2
3の長さがそれぞれユニット7毎に異なるのは超伝導ア
ンテナ2への給電位相を超伝導給電経路3、13、23
の長さにより調整するためでありフォトリソグラフィー
を用いると精密に且つ自由に調整出来る。また超伝導給
電経路3、13、23の位置がユニット7毎異なるのは
積層後の給電経路3、13、23間に於ける干渉を防止
しノイズの発生と損失を抑制するためである。また超電
導アンテナ2と超電導給電経路3、13、23をモノリ
シック化したのはインピーダンス整合を取り易くするた
めである。次に金属マスクを用いた電子ビーム蒸着によ
りAl23よりなり、超伝導アンテナ2と同等ないしは
厚いスペーサー4を形成する。これは後の積層時に於け
る超伝導アンテナ2、超伝導給電経路3、13、23、
の劣化(擦れ、キズ、歪)の防止、接合材6の入る空間
の確保と超伝導アンテナ間距離hを一定にするためであ
る。現在の技術では基板1の厚さを数十μm〜数μ単位
で管理することは出来るがロット毎にスペーサー4の膜
厚を調整すると超電導アンテナ間距離hを容易に管理出
来低コスト化が図れる。
【0018】次にユニット7を基準面であるa面、b面
を揃え位相差順に積層する。精度の高いフォトリソグラ
フィーと基準面を同じにしているため超伝導アンテナ2
は積層方向に精度良くアレー化される。次に接合材6で
ある低粘度タイプのセラミックボンドを減圧雰囲気でス
ペーサーにより形成した隙間に浸透させる。続いて20
0℃に加熱しユニット7間を接合固定する。尚スペーサ
ー4により超伝導アンテナ2と超伝導給電経路3、1
3、23に応力が掛からない様にしているため接合材6
は線膨張係数の異なる金属ペースト、低融点金属、樹脂
ボンドであっても差し支え無い。以上により指向性アン
テナを得る。
【0019】得られた指向性アンテナの指向性と利得を
評価した。周波数は60GHzであり、冷却はスターリ
ングサイクル冷凍機を用いた。結果を図7に示す。最外
円が10dBである。図から指向性と利得が極めて高い
アンテナ(超指向性アンテナ)が確実に出来ていること
が判る。これは超伝導アンテナ2を高精度にアレー化し
たこと、位相差給電を精密に行ったこと、給電経路間の
干渉を抑えノイズの発生と損失を低減したことによるも
のである。また指向性アンテナ15の形状は空間が少な
い構造であり、熱伝導性が良く全体を均一に冷却できる
め小型の閉サイクル冷却装置を用いても差し支え無かっ
た。
【0020】(実施例2)本発明よりなる指向性アンテ
ナのユニット7の平面図と断面図を図8と図9に示す。
実施例1で得られるユニット7の超伝導アンテナ2を除
く部分(図8斜線部)に絶縁膜5を介してYBa2Cu3
7-xよりなるシールド膜3を形成するものである。
【0021】先ず実施例1と同様な工程で得られたユニ
ット7の超伝導アンテナ2を除く部分にZrO2よりな
る絶縁膜5をプラズマフラッシュ法により200〜50
0nm形成する。超伝導アンテナ2のマスキングは金属
マスクを用いる。次に絶縁膜5と同様にプラズマフラッ
シュ法と金属マスクによりYBa2Cu37-xよりなる
シールド膜8を絶縁膜5上に500〜1000nm形成
する。尚絶縁膜5とシールド膜8の形成は同一チャンバ
ー内で連続して行う。次に金属マスクを用いた電子ビー
ム蒸着によりAl23よりなり、シールド膜8の基板1
からの高さと同等ないしは厚いスペーサー4を形成す
る。更に実施例1と同様に基準面を揃え積層し3次元的
に架橋する熱硬化性樹脂よりなる接合材6で固定し指向
性アンテナを得る。
【0022】得られた指向性アンテナの指向性と利得を
評価したところシールド膜8を形成したことにより指向
性は殆ど差は見られなかったが利得は約1.2dBの改
善が図れた。これはマイスナー効果により超電導給電経
路3間の干渉を確実に抑えられたためと思われる。また
測定はシールドルーム内で行ったが外では電磁波が入り
乱れているためシールド膜8はこれらのシールドも出来
る。更にシールド膜8を形成すると給電経路3が重なっ
ても干渉は少なくなるため重ねることにより基板1上の
空いている部分が多くなり超電導フィルター、超電導ミ
クサ等他の素子とのモノリシック化が図れる。シールド
膜8はマイスナー効果を利用した超電導膜より若干シー
ルド特性は落ちるが厚くすると金属膜を用いることも可
能である。この場合熱電導が良くなるため更に冷却効率
が良くなり均熱化が図れる。但し酸化物と相性が悪いと
剥離するため酸化物、金属共に相性の良いTi、Zrの
極薄膜を中間に挟むと良い。
【0023】尚シールド膜8は使用状況に依ってはパッ
チアンテナにもなり相互干渉が発生しシールド膜8を形
成したことにより利得が逆に低下する場合がある。この
場合はシールド膜8をアースに短絡させると良い。
【0024】以上実施例では超電導材料にYBa2Cu3
7-xを用いたがBi1.5Pb0.5Sr2Ca2Cu3y
他の酸化物超電導体でもNb等金属系やNb3Ge等化
合物系であっても効果は同じであり何等差し支えない。
【0025】(実施例3)本発明よりなる低温デバイス
装置の断面図を図10に示す。スターリングサイクル冷
凍機9の冷却ヘッド10に固定した冷却ステージ11、
更に冷却ステージに固定した超電導アンテナ、超電導ミ
クサを形成した低温デバイス15、冷却ステージ11に
固定され低温デバイスを囲む様に配したフィルター1
2、これらを囲み真空断熱室12を形成する石英筒13
から構成されている。尚低温デバイスと外部装置を接続
するケーブル、コネクターは省略してある。
【0026】本実施例の作製プロセス、構造のポイント
は次の通りである。先ずスターリングサイクル冷凍機9
の冷却ヘッド10に無酸素銅に金メッキを施した冷却ス
テージを低融点合金であるIn−Ga合金で接着固定す
る。ここでスターリングサイクルを用いたのは閉サイク
ル冷凍機の中で現在最も冷却効率が高く小型化が可能で
あるためである。小型のデバイスが出来ても冷凍機大き
くては意味がなくなる。また低融点合金で接着固定した
のは熱伝導率を上げ効率良く冷却するためであり、低融
点合金の他に金属ペーストでも良い。次にバイクリスタ
ル基板を用い平面に超電導アンテナと超電導ミクサを形
成した低温デバイス15をケーブル他所定の接続を行っ
た後冷却ステージ11にIn−Ga合金で接合固定す
る。
【0027】次に所定の電波を透過する様に石英ガラス
に誘電体膜を多層に積層したフィルター12を低温デバ
イスを覆う様に冷却ステージ11に同じくIn−Gaで
接着固定する。超電導体のエネルギーギャップより高い
エネルギーの可視光、赤外線は超電導デバイスに影響を
与えるため、フィルター12はそれらの除去を目的とし
ている。特にエネルギーギャップの低い金属系や化合物
系超電導体を用いるとその影響は大きい。次にチャンバ
ー内に入れ10ー3Torr以下の圧力に真空引きした後
石英からなる外枠13を被ぶせハーメチックシールドに
より密封固定する。そのため断熱室14は大気中に出し
ても高真空に保持される。ここで外枠13に石英を用い
たのは電波(マイクロ波、ミリ波)の透過率が高いため
である。この様にして冷凍機一体型の低温デバイス装置
を得る。
【0028】得られた低温デバイスのビデオ検波特性を
太陽下に於て評価した。結果を表1にフィルター12を
用いない場合、フィルター12を石英筒13の外に形成
した場合と比較した。
【0029】
【表1】
【0030】表に示す様にフィルター12を用いること
により太陽下でもビデオ検波が可能になり、更にフィル
ター12を冷却すると出力波形が明瞭になった。これは
フィルター12を用いないとエネルギーの高い電磁波が
入り超電導体のクーパー対が破壊され超電導状態が不安
定になるためであり特に超電導ミクサを含め超電導体内
に粒界がある場合は顕著にその現象が出る。またフィル
ター12を冷却する場合としない場合に差があるのは石
英筒13から赤外線が出ているためと考えられる。
【0031】物体から射出される電磁波の波長は λ=b/T b=0.289cmK T:絶対温度 で表わされる。この式から太陽下に於ける外枠13の温
度323K(50℃)を当てはめると数μmの赤外線が
射出されていることが判る。石英の50℃近傍の射出率
は約0.95であるためほぼ最大限赤外線が射出してい
ると言える。またそのエネルギーは S=σT4 σ=5.67×10ー12W・cm-2deg-4 で表される。この式から温度の4乗に比例して低くなる
ことが判る。即ちフィルター12を冷却したことにより
射出される電磁波の波長は長波長になり、更にエネルギ
ーが極めて少なくなったためと考えられる。この問題は
液体窒素を用いる方法では容器自体も冷却されこの影響
は出ないため閉サイクル冷凍機ならではのものと言え
る。尚放射率の低い材料は沢山有るがそれらは電波の透
過率の悪い材料であり用いることは出来ず、また誘電体
膜を外枠13の内部に形成しても石英と誘電体膜との射
出率の差は少なく改善とはならない。本実施例では超電
導アンテナ、超電導ミクサ等超電導デバイス装置で説明
したがHEMTミクサの様な高感度な半導体デバイス装
置でも冷却して用いる場合は同様な効果が得られる。
【0032】尚前後するが実施例1と実施例2で述べた
指向性アンテナは基板にガードされているためフィルタ
ー12を設けなくても射出電磁波の影響は比較的少な
い。
【0033】
【発明の効果】本発明は、以上説明した様に構成されて
いるので、以下に記載される様な効果を奏する。
【0034】フォトリソグラフィーにより超伝導アンテ
ナ部と超伝導給電経路部を形成した基板をアンテナ部が
所定の間隔で重なるように積層した構造よりなるため超
電導アンテナを精度良くアレー化でき、また給電経路の
長さを高精度に出来るため位相差給電が精密にでき指向
性、利得が極めて高い超指向性アンテナを得ることが出
来る。また超電導アンテナと超電導給電経路をモノリシ
ック化したことによりインピーダンス整合がとれるこ
と、積層間に適切なシールド膜を形成すると給電経路間
の干渉が防止できノイズ、損失が低減されたことにより
利得が高くなる。
【0035】また熱伝導性のよい構造であるため冷却効
率がよく使用環境の制限が少ない閉サイクル冷凍機を用
いることが出来る。更に低温デバイスを冷却せしめたフ
ィルターで覆ったことにより可視光、赤外光など外部か
らの必要外の電磁波を除去出来るだけでなく低温デバイ
スの周囲から射出される電磁波の発生を抑えることがで
き高性能な低温デバイス装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明よりなる第1の実施例に於ける指向性
アンテナの斜視図。
【図2】 本発明よりなる第1の実施例に於ける指向性
アンテナのA−A’断面図。
【図3】 本発明よりなる第1の実施例に於ける指向性
アンテナのユニットの平面図。
【図4】 本発明よりなる第1の実施例に於ける指向性
アンテナの別ユニットの平面図。
【図5】 本発明よりなる第1の実施例に於ける指向性
アンテナの別ユニットの平面図。
【図6】 本発明よりなる第1の実施例に於ける指向性
アンテナのユニットのB−B’断面図。
【図7】 本発明よりなる第1の実施例に於ける指向性
アンテナの指向性−利得特性図。
【図8】 本発明よりなる第2の実施例に於ける指向性
アンテナのユニットの平面図。
【図9】 本発明よりなる第2の実施例に於ける指向性
アンテナのユニットのC−C’断面図。
【図10】 本発明よりなる第3の実施例に於ける低温
デバイス装置の断面図。
【符号の説明】
1 ・・・ 単結晶基板 2 ・・・ 超電導アンテナ 3、13、23 ・・・ 超電導給電経路 4 ・・・ スペーサー 5 ・・・ 絶縁膜 6 ・・・ 接合材 7 ・・・ ユニット 8 ・・・ シールド膜 9 ・・・ 冷凍機 10・・・ 冷却ヘッド 11・・・ 冷却ステージ 12・・・ フィルター 13・・・ 外枠 14・・・ 真空断熱室 15・・・ 低温デバイス

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも超伝導アンテナ部と超伝導給
    電経路部を形成した基板をアンテナ部が所定の間隔で重
    なるように積層した構造より成ることを特徴とする指向
    性アンテナ。
  2. 【請求項2】 基板に形成した各々の超伝導給電経路部
    は積層方向に対して重ならないことを特徴とする請求項
    1記載の指向性アンテナ。
  3. 【請求項3】 給電経路部間に絶縁膜を介して金属また
    は超伝導体よりなるシールド膜を形成することを特徴と
    する請求項1記載の指向性アンテナ。
  4. 【請求項4】 シールド膜をアースに短絡させたことを
    特徴とする請求項3記載の指向性アンテナ。
  5. 【請求項5】 超伝導アンテナ、超電導ミクサ等低温に
    冷やすデバイスの周部を冷却せしめたフィルターで覆っ
    たことを特徴とする低温デバイス装置。
  6. 【請求項6】 超電導体を用いた指向性アンテナの製造
    方法において、(1)基板上に超電導膜を形成する工
    程、(2)前記超電導膜をフォトリソグラフィーにより
    パターニングして少なくとも超電導アンテナと所定の長
    さに調整した超電導給電経路を形成する工程、(3)超
    電導アンテナと超電導給電経路を形成した基板を厚さ方
    向に超電導アンテナ部が所定の間隔で重なるように積層
    する工程、(4)積層した基板を接合材等により固定す
    る工程、を有することを特徴とする指向性アンテナの製
    造方法。
JP8049023A 1996-03-06 1996-03-06 指向性アンテナと低温デバイス装置及びその製造方法 Pending JPH09246837A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8049023A JPH09246837A (ja) 1996-03-06 1996-03-06 指向性アンテナと低温デバイス装置及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8049023A JPH09246837A (ja) 1996-03-06 1996-03-06 指向性アンテナと低温デバイス装置及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09246837A true JPH09246837A (ja) 1997-09-19

Family

ID=12819527

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8049023A Pending JPH09246837A (ja) 1996-03-06 1996-03-06 指向性アンテナと低温デバイス装置及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09246837A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014027375A (ja) * 2012-07-24 2014-02-06 Toshiba Corp アレイアンテナ装置とそのアンテナユニット
JP2015087378A (ja) * 2013-09-25 2015-05-07 株式会社東芝 検査装置及び検査システム
US9099778B2 (en) 2013-09-25 2015-08-04 Kabushiki Kaisha Toshiba Superconducting antenna device

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014027375A (ja) * 2012-07-24 2014-02-06 Toshiba Corp アレイアンテナ装置とそのアンテナユニット
JP2015087378A (ja) * 2013-09-25 2015-05-07 株式会社東芝 検査装置及び検査システム
US9099778B2 (en) 2013-09-25 2015-08-04 Kabushiki Kaisha Toshiba Superconducting antenna device
US10254397B2 (en) 2013-09-25 2019-04-09 Kabushiki Kaisha Toshiba Inspection apparatus and inspection system

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4175368B2 (ja) アンテナ装置、電波受信装置、及び、電波送信装置
US5280013A (en) Method of preparing high temperature superconductor films on opposite sides of a substrate
US5339457A (en) Superconductive electromagnetic wave mixer and superconductive electromagnetic wave mixing apparatus employing the same
Romanofsky et al. K-band phased array antennas based on Ba/sub 0.60/Sr/sub 0.40/TiO/sub 3/thin-film phase shifters
US5773875A (en) High performance, low thermal loss, bi-temperature superconductive device
WO2000052782A1 (fr) Module de filtre supraconducteur, filtre supraconducteur et cable coaxial thermoisole
JP4052967B2 (ja) アンテナ結合モジュール
US5215959A (en) Devices comprised of discrete high-temperature superconductor chips disposed on a surface
US5604375A (en) Superconducting active lumped component for microwave device application
EP0567407B1 (en) Microwave component of oxide superconducter material
KR100838969B1 (ko) 극저온 장치, 극저온 수신기 및 일체형 안테나 조립체
JPH09246837A (ja) 指向性アンテナと低温デバイス装置及びその製造方法
JP2822953B2 (ja) 超伝導回路の製造方法
JPH09275310A (ja) 超電導デバイス装置
CA2134008C (en) Array antenna and production process therefor
US7283855B2 (en) Dielectric waveguide having a 45° face and method of production thereof
JPH05299914A (ja) 超伝導高周波共振器およびフィルター
JPH09246861A (ja) 超電導デバイス装置
JPH05110329A (ja) 超伝導アンテナ
Chaloupka Superconducting multiport antenna arrays
JPH0964643A (ja) 超伝導発振器およびその作製方法
Chaloupka HTS antennas
JPH07182935A (ja) 高周波部材
CA2004555C (en) Superconductive electromagnetic wave mixer and superconductive electromagnetic wave mixing apparatus employing the same
WO1992006518A1 (en) Devices using high-temperature superconductors