JPH09246861A - 超電導デバイス装置 - Google Patents

超電導デバイス装置

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JPH09246861A
JPH09246861A JP4901696A JP4901696A JPH09246861A JP H09246861 A JPH09246861 A JP H09246861A JP 4901696 A JP4901696 A JP 4901696A JP 4901696 A JP4901696 A JP 4901696A JP H09246861 A JPH09246861 A JP H09246861A
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JP
Japan
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superconductor
superconducting
antenna
superconductive
superconducting device
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JP4901696A
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Inventor
Eiji Natori
栄治 名取
Taketomi Kamikawa
武富 上川
Setsuya Iwashita
節也 岩下
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高利得で且つ環境に合わせた自由度の高い通
信用超電導デバイスを提供する。 【解決手段】 ヒーターによる加熱、ペルチェ素子によ
る加熱または吸熱や電界効果による超電導体のキャリヤ
変調等による超電導体−非超電導体間の転移により基板
上に所定の形状の超電導パターンを形成し超電導デバイ
ス装置を得る。自由に超電導デバイス装置を形成、制御
出来るため高利得で且つ環境に合わせた自由度の高い超
電導デバイス装置が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は主に衛星放送(B
S)、無線通信、レーダー等電磁波を受発信する装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】無線通信の世界では情報量の増大に伴い
キャリヤ周波数を上げる、1チャンネルを狭帯域にして
多チャンネル化(多重化)を図るなど資源を有効利用す
る検討が積極的に進められている。この様な状況の中で
材料で大きく注目されているのが超電導体、特に小型冷
凍機が使え使用環境の制限が少なくなった酸化物超電導
体である。
【0003】酸化物超電導体は(a)長波からマイクロ
波帯(ミリ波まで)に於て通常の金属に比べ桁違いに損
失が少ない(b)電磁波の侵入がマイスナー効果により
周波数に関係なく一定であるため周波数分散を持たず広
い周波数領域で使用出来る特徴を持っている。
【0004】これらの特徴を活かしたアプリケーション
の主だったものには (1)超電導アンテナ 使用する電磁波の波長に対してアンテナのサイズを数桁
小さくしてもアンテナの絶対利得は低下しない。即ち極
めて小型のアンテナが可能となる。また超電導アンテナ
には超電導体を用いて初めて成しうる「超利得アンテ
ナ」または「超指向性アンテナ」と呼ばれるアンテナが
ある。いまだ良い特性が得られた報告は無いが図1に示
す様に微小アンテナを近接して配置し、ほぼ逆位相で駆
動させるものであり極めて高指向性で且つ高利得のアン
テナが得られる可能性がある。
【0005】(2)超電導共振器 水晶振動子より2桁以上高いQ値の共振器が得られる。
即ちクロック精度が高くなり多チャンネル化が可能にな
る。マイクロ波帯でQ=300万の報告がある。
【0006】(3)超電導フィルター 挿入損失が少なく多重極フィルターが可能なため狭帯域
のバンドパスフィルターが出来る。故に多チャンネル化
が可能になる。尚現時点までに19重極の報告がある。
【0007】(4)超電導線路 広帯域、低損失、小型の遅延回路が出来る。
【0008】などが上げられる。
【0009】これら超電導デバイスの全般に関しては
M.Nisenoffの未踏科学技術協会の第21回新
超電導研究会シンポジューム資料(1995)やDUP
ONTSuperconductivityのTech
nical DataSheetに於て詳しく述べてい
る。アンテナに関してはパッチアンテナが信学技報,S
CE93−12,pp75−74(1993)にスロッ
トアンテナが信学技報,MW94−143,pp9−1
3(1995)に、ログペリアンテナが第56回応用物
理学会学術講演会予稿集,27a−R−1に述べられて
いる。
【0010】これらの超電導デバイスは超電導細線を基
本に構成される2次元的デバイスであり、LaAl
3、NdGaO3、YSZ、sapphire、MgO
等酸化物単結晶基板上にYBa2Cu37、Tl2Ba2
CaCu28、Tl0.5Pb0.5Sr2Ca2Cu39等酸
化物超電導膜をスパッタ法、CVD法、MBE法、レー
ザーアブレーション法等により形成した後、フォトリソ
グラフィによりパターニングして得られる。尚超電導デ
バイスは超電導アンテナ、超電導フィルター、超電導共
振器等を基板上に個々に形成するだけでなく組み合わせ
てモノリシック化する傾向にある。
【0011】他にバルク的なアンテナとしてはヘリカル
アンテナがIEICE TRANS.,ELECTRO
N.,VOL.E75−C,NO.2,FEBRUAR
Y,1992に述べられている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の超伝導
デバイス装置は以下の様な問題を有していた。
【0013】(1)ビルの谷間、機械装置の間、その他
所定の場所のみに電波を送信したい場合その指向は様々
であるため、必要な指向にアンテナを合わせるには都度
アンテナを専用に作る必要があった。またアンテナのセ
ット後に環境が変わった場合は必要な指向のアンテナに
交換しなくてはならなかった。
【0014】(2)アンテナの利得は指向性利得×放射
効率で表される様に指向性が強いほど高い。反面指向性
を持つアンテナ、特に超利得アンテナは指向性が強いが
故に他の方向に於ける利得が極端にすくなくなる。その
ため移動体のアンテナの様に方向が頻繁に変わるものに
は使えなかった。
【0015】(3)電波には使用目的により直線偏波、
円偏波があり、更に波長もVLFの数十kmから現在注
目されているマイクロ波(センチ波ーミリ波)のmm台
まで幅広いためアンテナもそれに合わせ多種となってい
た。
【0016】(4)超電導体は広い周波数領域で使える
ことを前に述べたが、超利得アンテナ、フィルター、共
振器は波長に合わせて形状を変える必要がある。即ち超
電導体の持つ周波数依存性の少ない特徴を活かしきって
いない。
【0017】(5)超利得アンテナの様にアンテナの素
子数が増えるほど指向性は向上するが反面給電の制御が
困難になる。これが超利得アンテナに関して未だ良い報
告がなされていない因子の一つとなっている。
【0018】本発明は以上述べた問題点を解決するもの
であり、高利得で且つ環境に合わせた自由度の高い超電
導デバイスを低コストで容易に得んとするものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明よりなる超伝導デバイス装置は超電導体の一
部を非超電導体に、または非超電導体の一部を超電導体
に転移させパターニングすることによりアンテナ、フィ
ルター、遅延回路、共振器またはそれらのモノリシック
デバイスを形成すること、超電導体の一部を非超電導体
に、または非超電導体の一部を超電導体に転移させるこ
とによりアンテナへの給電経路長を変え給電の位相を変
調することを特徴とする。ここで超電導体−非超電導間
の転移をする材料は薄膜であるかバルクであるかは問わ
ないが精度を要求する超利得アンテナやモノリシック化
デバイスを作製する上では薄膜が適している。更に超電
導体、非超電導体間の転移を電界効果によるキャリヤ変
調により行うこと、超電導体、非超電導体間の転移を超
電導体に隣接したヒーターまたはペルチェ素子により行
うことを特徴とする。更に超電導体と非超電導体のパタ
ーンの移動や回転によりアンテナの指向をスキャンさせ
た後検出電磁波の強い方向にアンテナの指向を合わせ超
電導体、非超電導体のパターンを固定したこと、双安定
な強誘電体のメモリ効果により超電導体と非超電導体の
パターンの固定を行うことを特徴とする。更に基板上に
所定の形状でパターニングした超電導アンテナの上に該
アンテナの給電部にコンタクトホールを持つ絶縁膜を形
成し、更に該絶縁膜上に一部コンタクトホールに於いて
給電部に接合する所定の給電位相に長さを調整した給電
経路を形成したこと、基板の片面にアンテナを、一方の
片面に所定の長さの給電経路を形成し、該アンテナの給
電部と給電経路を基板に穿孔せるコンタクトホールに於
いて接合することを特徴とする。尚超指向性アンテナは
位相差給電を高精度で行い初めて成しうるため、給電経
路は精度が高くなくてはならない。更に本発明よりなる
超電導デバイス装置は超電導体−非超電導体間を転移す
る平面体または膜上に変調素子をマトリックス状に配
し、変調による転移により形成される超電導体の集合体
により成ることを特徴とする。
【0020】尚超電導体の種類は問わないが酸化物超電
導体は臨界温度が高いため使用環境の制限が少なく、ま
た金属系よりキャリヤ密度が少なくキャリヤの変調がし
易いため好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、実施例に従って本発明を詳
細に説明していく。
【0022】(実施例1)本発明よりなる超伝導アレー
アンテナの平面図を図1に、A−A’断面図を図2に、
B−B’断面図を図3に示す。LaAlO3単結晶基板
1の上に図1に示す様にパターニングしたYBa2Cu3
7-xよりなる超電導アンテナ2、更にその上に形成さ
れたZrO2よりなる保護膜3、Ni−Cr金属よりな
るヒーター4、ZrO2よりなる第2保護膜5、YBa2
Cu37-xよりなる給電経路6により構成される。
【0023】本実施例の作製プロセス、構造のポイント
は次の通りである。基板1にLaAlO3単結晶を用い
た理由は低誘電率(ε=10)で且つYBa2Cu3
7-xと格子定数の整合性に優れているためである。先ず
該基板1に真空中に於て酸素プラズマを照射し、表面の
洗浄で取れない汚れやアモルファス層を除去し、更に大
気に晒す事なくプラズマフラッシュ法によりYBa2
37-x膜を基板温度550〜600℃、成膜レート1
〜5Å/sec.の条件で100〜500nm形成す
る。プラズマフラッシュ法はスパッタ法や蒸着法に比べ
桁違いに速い成膜レートでエピタキシャル成長膜が形成
できるため採用した。この条件により得られる超電導膜
はTc=90K、Jc=1×106A/cm2(77K)
である。次にYBa2Cu37-x膜を図1に示す形状に
フォトリグラフィによりパターニングし5素子の超電導
アンテナ2を形成する。この超電導アンテナは図1では
略してあるがダイポールアンテナであり給電は中央部で
行う。次に中央部の給電部7を除く面に保護膜3となる
ZrO2をプラズマフラッシュ法により200〜100
0nm形成する。更に中央部の給電部7を除き、図1と
ほぼ同じパターンに成るように金属マスクを用いヒータ
ー4となるNi−Cr金属を200〜1000nm形成
する。ここで超電導アンテナ2とヒーター4の間に保護
膜3を形成したのは作製過程に於ける超電導アンテナ2
の劣化防止と超電導アンテナ2とヒーター4との線膨張
係数の違いによる冷却過程またはヒーター4の加熱時に
於ける超電導アンテナ2の歪による劣化、ヒーター4の
剥離防止のためである。そのため保護膜3には酸化物、
金属共に相性(密着性)が良い材料が必要である。Zr
2の他にはTiO2、HfO2またはそれらの混合物が
適している。これ以外の酸化物を用いる場合は保護膜3
とヒーター4の間に数nm程度のTiまたはZr膜を形
成するとよい。更に給電部7を除く面に第2保護膜5を
100nm形成する。この第2保護膜は後に形成する給
電経路6とヒーター4を絶縁させるためのものである。
次に超電導アンテナ2の給電部7を酸素プラズマに晒し
クリーニングした後全面にプラズマフラッシュ法により
超電導アンテナ2と接合するYBa2Cu37-x膜を基
板温度500℃、成膜レート100Å/sec.の条件
で2〜5μ形成する。次に該YBa2Cu37-x膜をフ
ォトリソグラフィーによりパターニングし給電の位相調
整をした給電経路6を形成する。給電経路6の形成に精
度の高いフォトリソグラフィ工程を導入出来る構造であ
るため精密な給電経路6が出来る。
【0024】尚超電導アンテナ2と給電経路6間の互い
に接合していない部分に保護膜3、第2保護膜5を介し
て金属または超電導体よりなるシールド膜を形成し超電
導アンテナ2と給電経路6の干渉を防止する場合もあ
る。以上により超電導デバイス装置を得る。
【0025】この様にして得られた超電導デバイス装置
の5素子アンテナとヒーター4に通電し加熱することに
より2素子を非超電導化した3素子アンテナの指向性と
利得を評価した。周波数は10GHzであり、冷却温度
は77Kである。
【0026】結果を図4と図5に示す。それぞれ5素子
アンテナと3素子アンテナである。先ず図4に於て指向
性の高い超利得アンテナが出来ていることが判る。これ
は超電導アンテナの寸法、位相差給電が精密に出来てい
るためである。また図4と図5からヒーター4に通電し
て超電導体を非超電導体に転移させることによりアンテ
ナの指向性が制御されていることが判る。
【0027】(実施例2)本発明よりなる給電経路6の
平面図を図6と図8にC−C’に於ける断面図を図9に
示す。LaAlO3単結晶基板1の上に図6に示す様に
パターニングしたYBa2Cu37-xよりなる超電導給
電経路6、更にその上にZrO2よりなる保護膜3a、
Ni−Cr金属よりなるヒーター4aにより構成され
る。図6のλは使用する電波の実効波長を示す。
【0028】本実施例の作製プロセス、構造のポイント
は次の通りである。実施例1と同様に基板1に真空中に
於て酸素プラズマを照射した後大気に晒す事なくプラズ
マフラッシュ法によりBi1.5Pb0.5Sr2Ca2Cu3
y膜を基板温度600℃、成膜レート1〜5Å/se
c.の条件で200〜400nm形成する。この条件に
より得られる超電導膜はTc=103K、Jc=3×1
6A/cm2(77K)である。次にBi1.5Pb0.5
2Ca2Cu3y膜を図6に示す形状にフォトリグラフ
ィによりパターニングし給電経路6を形成する。次に全
面に保護膜3aとなるZrO2をプラズマフラッシュ法
により200〜1000nm形成する。更に給電経路6
のループの部分に金属マスクを用い図7に示した形状の
NiーCrよりなるヒーター4A、ヒーター4Bをそれ
ぞれループの形状に合うように200〜1000nm形
成する。以上により超電導デバイス装置を作製した。
【0029】この超電導デバイス装置のヒーター4Aに
通電し部分的に給電経路6の超電導体を非超電導体に転
移させると図8(A)の経路となり、同様にヒーター4
Bに通電すると図8(B)の経路となり、λ/2の距離
差を作れる。更にヒーター4A、ヒーター4B共に通電
すると給電を止めることが出来る。この様な経路を組み
合わせるとアンテナへの給電を精密に容易に制御でき
る。即ち効率良く且つ容易に指向性を制御出来る。特に
位相をずらして多素子に給電する超利得アンテナに適し
ている。
【0030】尚基板上に給電経路6を直接形成する方法
で説明したが実施例1の超電導アンテナと組み合わせる
と断面は図10の様になる。また図10に於いては超電
導アンテナ2と給電経路6を保護膜3、第2保護膜5を
介して形成しているが図11に示す様に基板1の片面に
超電導アンテナ2を、別片面に所定の給電位相に長さを
調整した超電導給電経路6を形成し、基板1に穿孔した
コンタクトホール13にを通じてアンテナの給電部と給
電経路6を接合してもアンテナへの給電を精密に制御出
来るため何等差し支えない。この方法では基板1に薄肉
化が可能で選択異方性エッチングが出来、コンタクトホ
ール13の形成がし易いSiウエハーを用いることが好
ましい。Si基板とBi1.5Pb0.5Sr2Ca2Cu3y
膜が反応する場合はZrO2、YSZ、sapphir
eからなるバッファー層を基板1との中間部に形成する
と良い。
【0031】(実施例3)超電導フィルター(多重極バ
ンドパスフィルター)は図12に示す様に使用する基板
1等の誘電率を限定した場合、h,d,lのサイズを周
波数に合わせて調節する。即ちこの調節は超電導体−非
超電導体の転移を利用しても調整可能である。中心周波
数20GHzのバンドパスフィルターにパターニングし
た超電導フィルターを中心周波数15GHzに合わせて
超電導ー非超電導転移により所定のh,d,lに調節し
た。超電導ー非超電導の転移はヒーター、ペルチェ素子
と電界効果素子により行った。
【0032】ヒーターとペルチェ素子による変調は温度
(発熱または吸熱)による変調であり実施例2と変調素
子がヒーターからペルチェ素子に置き変わるだけであり
基本構造は変わらないため省略し電界効果による超電導
デバイス装置に付いて説明する。電界効果素子の断面図
を図13に示す。構造は誘電体膜9と電極10からな
り、電極10に電界を加えることにより誘電体膜9を分
極させ超電導体8内のキャリヤを直接変調し超電導体−
非超電導体の転移を行うものである。そのため超電導体
にキャリヤ密度が金属系に比べ1桁少なく変調のし易い
酸化物超電導体が好ましい。このタイプはヒーターの様
に常時超電導体を非超電導体に転移させるだけでなくと
ペルチェ素子と同じ様に常時非超電導体を非超電導体
に、常時超電導体を非超電導体に両方転移が可能であ
る。
【0033】得られた超電導デバイス装置を20GHz
対応から15GHz対応に変調した後中心周波数15G
Hzに於ける挿入損失を調べた。結果を表1に超電導体
ー非超電導体転移の変調方法別に示した。
【0034】
【表1】
【0035】表1より判る様にフォトリソのみによりパ
ターニングした超電導フィルターの挿入損失は0.5d
Bであるため若干本発明の特性は劣るが理想的な銅薄膜
のシミュレーションによる挿入損失は5.4dBである
ため低損失と言える。即ち低損失に周波数に対応した変
調が出来るため、周波数依存性の少ない超電導フィルタ
ーが出来る。
【0036】尚電界効果変調の挿入損失が少ないのは電
界効果はデプレッションが形成出来て超電導体を絶縁体
に極めて近く出来るためと考えられる。
【0037】また誘電体膜9に双安定な強誘電体を用い
ると変調した形状を記憶固定させることが出来る。
【0038】(実施例4)本発明よりなる超電導アンテ
ナを図14に示す。断面構造は図3、または図12とほ
ぼ同じである。
【0039】基板1上に超電導アレーアンテナ11を放
射状に複数個形成したものであり、ヒーター、ペルチェ
素子、電界効果素子など変調素子はそれぞれの超電導ア
レーアンテナ11に個々に形成されている。基本的な作
製方法は実施例1と同じである。
【0040】本実施例では超指向性アンテナの利得の低
い方向を超指向性アンテナを放射状に配置することで補
っている。この様な配置は相手の方位が不明の場合、方
位が頻繁に変わる移動体用に適している。方位が一定の
場合は交信する方位が判明した場合は図15に示す様に
変調素子によりブロック別に超電導体を非超電導体に転
移させると限られた方向のみに指向性を持たせることが
出来る。
【0041】また動作する超電導アレーアンテナ11を
変調素子により1本にして且つ動作する超電導アレーア
ンテナを一つずつ移動回転させると指向性の強いビーム
をスキャンさせることが出来る。電界効果素子はns〜
ps台で高速にスイッチ出来るため電界効果素子を変調
に用いるとモーター等による機械的回転に比べ極めて高
速にスキャンすることが出来る。
【0042】(実施例5)本発明よりなる超電導デバイ
ス装置を図16に示す。基板状に形成した超電導体膜8
と微細化し且つマトリックス化したヒーター、ペルチェ
素子、電界効果素子など変調素子12から構成される。
【0043】実施例1〜実施例4に於いては超電導アン
テナ、超電導給電経路、超電導フィルター等を予めパタ
ーニングを行った後部分的に変調する方式で本発明を説
明してきたが、本実施例は超電導膜8を殆どパターニン
グしないものである。微細化した変調素子12を用いる
と超電導体ー非超電導体のパターンも微細に制御でき、
また変調素子12をマトリックス状に配列したことによ
り自由な位置に自由な超電導デバイス装置を形成でき
る。即ち真白なキャンパス(加工の無い超電導膜8)に
自由に絵(超電導体と非超電導体のパターン)を描く様
なものであり極めて自由度が高い。
【0044】以上実施例に於いては超電導体にYBa2
Cu37-x系とBi1.5Pb0.5Sr2Ca2Cu3y系を
用いたが他の酸化物超電導体を用いてもよく、超電導体
ー非超電導体の転移を行う変調方法を限定すれば超電導
体はNb等金属系やNb3Ge等化合物系であっても差
し支えない。また超電導体ー非超電導体転移にヒータ
ー、ペルチェ素子、電界効果素子を用い説明したが光の
照射等他の転移方法であっても良く、変調性の高い薄膜
による応用が好ましいがヘリカルアンテナ等バルク的な
ものでも効果は同じであり何等差し支えない。
【0045】
【発明の効果】本発明は、以上説明した様に構成されて
いるので、以下に記載される様な効果を奏する。
【0046】超電導デバイス装置を超電導体ー非超電導
体転移によるパターニングで形成するため、自由に超電
導デバイス装置を形成、制御出来る。故に超電導アンテ
ナと超電導給電経路に応用すると高い利得の超利得アン
テナが容易に得られ、更に指向性が容易に制御出来る。
超電導フィルター、超電導遅延回路に応用すると周波数
依存性の無い超電導デバイス装置が得られ、周波数依存
性の少ないという超電導体の持つ本来の特徴を活かすこ
とが出来る。当然モノリシック化も容易に出来き装置全
体の効率の向上が図れる。
【0047】またフォトリソが利用出来て超電導アンテ
ナ、超電導給電経路を精度良く形成できる構造であるこ
とも超利得アンテナを容易に得る手助けをしている。
【0048】また超電導体ー非超電導体転移によりパタ
ーンを高速に移動、回転させることが出来、更に必要な
方向にパターンを固定出来るため必要な方向に効率よく
指向性を合わせることが可能になり電波を有効に使え
る。また頻繁に方向を変える移動体の通信に指向性を持
たせたまま用いる事が出来る。
【0049】更に超指向性アンテナを放射状に配したこ
とにより全方位に渉り利得の高い超電導アンテナが得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明よりなる第1の実施例に於ける超伝導
デバイス装置(超電導アンテナ)の平面図。
【図2】 本発明よりなる第1の実施例に於ける超伝導
デバイス装置のA−A’断面図。
【図3】 本発明よりなる第1の実施例に於ける超伝導
デバイス装置のB−B’断面図。
【図4】 本発明よりなる第1の実施例に於ける超伝導
デバイス装置の指向性−利得図。
【図5】 本発明よりなる第1の実施例に於ける超伝導
デバイス装置の変調時に於ける指向性−利得図。
【図6】 本発明よりなる第2の実施例に於ける超伝導
デバイス装置(超電導給電経路)の平面図。
【図7】 本発明よりなる第2の実施例に於ける超電導
デバイス装置のヒーターの平面図。
【図8】 本発明よりなる第2の実施例に於ける超伝導
デバイス装置の変調後の超電導経路平面図。
【図9】 本発明よりなる第2の実施例に於ける超伝導
デバイス装置のC−C’断面図。
【図10】 本発明よりなる第2の実施例に於ける超伝
導デバイス装置のアンテナ一体に於ける断面図。
【図11】 本発明よりなる第2の実施例に於ける超伝
導デバイス装置の別形態の断面図。
【図12】 本発明よりなる第3の実施例に於ける超伝
導デバイス装置(超電導フィルター)の平面図。
【図13】 本発明よりなる第3の実施例に於ける超伝
導デバイス装置の電界効果型変調素子の断面図。
【図14】 本発明よりなる第4の実施例に於ける超伝
導デバイス装置(放射状超電導アレーアンテナ)の平面
図。
【図15】 本発明よりなる第4の実施例に於ける超電
導デバイス装置の変調後の平面図。
【図16】 本発明よりなる第5の実施例に於ける超電
導デバイス装置の断面図。
【符号の説明】
1 ・・・ 単結晶基板 2 ・・・ 超電導アンテナ 3 ・・・ 保護膜 3a・・・ 保護膜(給電経路用) 4 ・・・ ヒーター(アンテナ用) 4A・・・ ヒーター(給電経路用) 4B・・・ ヒーター(給電経路用) 5 ・・・ 第2保護膜 6 ・・・ 給電経路 7 ・・・ 給電部 8 ・・・ 超電導体膜8 9 ・・・ 誘電体膜 10・・・ 電極 11・・・ 超電導アレーアンテナ 12・・・ 変調素子(ヒーター、ペルチェ、電界効果
素子) 13・・・ コンタクトホール

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超電導体の一部を非超電導体に、または
    非超電導体の一部を超電導体に転移させパターニングす
    ることによりアンテナ、フィルター、遅延回路、共振器
    またはそれらのモノリシックデバイスを形成することを
    特徴とする超電導デバイス装置。
  2. 【請求項2】 超電導体の一部を非超電導体に、または
    非超電導体の一部を超電導体に転移させることによりア
    ンテナへの給電経路長を変え給電の位相を変調すること
    を特徴とする超電導デバイス装置。
  3. 【請求項3】 超電導体、非超電導体間の転移を電界効
    果によるキャリヤ変調により行うことを特徴とする請求
    項1または請求項2記載の超電導デバイス装置。
  4. 【請求項4】 超電導体、非超電導体間の転移を超電導
    体に隣接したヒーターまたはペルチェ素子により行うこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2記載の超電導デ
    バイス装置。
  5. 【請求項5】 超電導体と非超電導体のパターンの移動
    や回転によりアンテナの指向をスキャンさせた後検出電
    磁波の強い方向にアンテナの指向を合わせ超電導体、非
    超電導体のパターンを固定したことを特徴とする超電導
    デバイス装置。
  6. 【請求項6】 双安定な強誘電体のメモリ効果により超
    電導体と非超電導体のパターンの固定を行うことを特徴
    とする請求項3及び請求項5記載の超電導デバイス装
    置。
  7. 【請求項7】 基板上に所定の形状でパターニングした
    超電導アンテナ上に該アンテナの給電部にコンタクトホ
    ールを持つ絶縁膜を形成し、更に該絶縁膜上に一部コン
    タクトホールに於いて超電導アンテナの給電部に接合す
    る所定の給電位相に長さを調整した給電経路を形成した
    ことを特徴とする超電導デバイス装置。
  8. 【請求項8】 基板の片面に超電導アンテナを、別片面
    に所定の給電位相に長さを調整した超電導給電経路を形
    成し、該アンテナの給電部と給電経路を基板に穿孔せる
    コンタクトホールに於いて接合することを特徴とする超
    電導デバイス装置。
  9. 【請求項9】 超指向性アンテナ(超電導アレーアンテ
    ナ)を放射状に配することを特徴とする超電導デバイス
    装置。
  10. 【請求項10】 超電導体−非超電導体間を転移する平
    面体または膜上に変調素子をマトリックス状に配し、変
    調による転移により形成される超電導体の集合体により
    成ることを特徴とする超電導デバイス装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100804201B1 (ko) * 2000-02-28 2008-02-18 일리노이 수퍼컨덕터 코포레이션 고선택 필터를 갖는 지연 등화 무선 통신 시스템
CN107069222A (zh) * 2017-03-02 2017-08-18 上海汇珏网络通信设备有限公司 定向分布天线

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