JP3442311B2 - 破袋装置 - Google Patents

破袋装置

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JP3442311B2
JP3442311B2 JP12428199A JP12428199A JP3442311B2 JP 3442311 B2 JP3442311 B2 JP 3442311B2 JP 12428199 A JP12428199 A JP 12428199A JP 12428199 A JP12428199 A JP 12428199A JP 3442311 B2 JP3442311 B2 JP 3442311B2
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  • Crushing And Pulverization Processes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ごみ等を包装して
いるビニール袋等の包装材を破って、ごみ等を包装材か
ら分離するための破袋装置に関し、例えばリサイクル施
設において、ビニール袋等の収集ごみ袋の中から再利用
可能な物を回収する際に有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、回収されたごみの中から、缶、び
ん、プラスチックボトル等の再利用可能な物を資源とし
て利用するためのごみのリサイクル施設においては、ビ
ニール袋等の収集ごみ袋の中から、これら再利用可能な
物が回収されている。
【0003】従前では、作業者が収集ごみ袋を手作業で
破るなどして再利用可能な物を回収していたが、このよ
うな袋を破る作業は容易ではないため、これを機械化し
た破袋装置が提案されている。
【0004】例えば、本出願人は、先に、袋を引っ掛け
て移動する爪と、該爪が通過可能でごみ等の内容物が入
った袋の通過が抑制されるスリットを有する堰止板と、
を含んで構成され、爪に引っ掛けられた袋が、堰止板の
スリットを通過しようとする際に、爪によって引き裂か
れるようにした構成を基本とする破袋装置を種々提案し
ている(特願平10−88949号,特願平10−19
6273号および特願平10−222918号参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
破袋装置において、堰止板のスリットは、少なくとも爪
が通過可能であれば良いため、堰止板は、爪の通過部分
と反対側の端部(スリツトを通過する爪の先端より先の
先端部)に、スリットが形成されていない櫛状(スリツ
トが閉塞又は閉ざされている状態)なのが通例であった
が、これによって次のような問題が生起することが知見
された。
【0006】すなわち、袋が濡れていたり、べたついて
いたりした状態のときに、破袋装置を連続的に運転する
と、スリットにおいてその爪の通過部分と反対側の閉ざ
された先端部に向かって袋が重なるように詰まることが
ある。
【0007】この状態でさらに運転が続けられると、ス
リットにおいて袋の詰まった状態が成長する。ここで、
例えば、爪を、弾性部材を有して、その爪先部にかかる
抵抗に応じて移動方向と反対側に揺動可能若しくは起倒
可能に構成したものでは、倒れる爪の弾性部材による弾
性力によって、詰まった袋が閉ざされた先端部に向かっ
て押圧され、圧縮された状態で成長を続ける。
【0008】そして、さらに運転が続けられると、スリ
ットは、詰まった袋で徐々に埋まってしまう。袋の引き
裂き作用が有効になるのは、爪が袋に引っ掛かった状態
でスリットを通過するときで、堰止板に堰止められた袋
が引き千切られる場合であるが、上記のように、スリッ
トが詰まった袋で埋まってしまった状態では、爪がスリ
ットを通過するときに常に倒れるため、このときに爪に
引っ掛かった袋が外れてしまい、爪と堰止板とによる袋
の引き裂き作用が発揮されなくなる場合がある。
【0009】本発明は、以上のような技術の問題点に鑑
みなされたものであり、袋を引っ掛けて移動する爪と、
該爪が通過可能でごみ等の内容物が入った袋の通過が抑
制されるスリットを有する堰止板と、を含んで構成さ
れ、ごみ等の内容物が入った状態で爪に引っ掛けられた
袋が、堰止板を通過しようとする際に、爪によって引き
裂かれるようにした構成を基本とする破袋装置におい
て、スリットにおいて袋が重なるように詰まる虞を回避
して、爪と堰止板とによる袋の引き裂き作用が常時確実
に発揮されるようにすることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1に係る発明は、袋を引っ掛けて順次移動す
る複数の爪と、各爪が通過可能で内容物が入った袋の通
過が抑制されるスリットを有する堰止板と、を含んで構
成され、各爪に引っ掛けられた袋が、前記堰止板を通過
しようとする際に、各爪の移動に伴って引き裂かれるよ
うにした破袋装置であって、前記スリットは両端部が開
放されたことを特徴とする。
【0011】請求項2に係る発明は、移動部に沿って配
列された複数の爪を有する無端コンベヤを、その上側の
移動部の移動方向先が高位に位置するように設けると共
に、前記爪が通過可能なスリットを有するプレートを前
記無端コンベヤの上側の移動部に沿って該無端コンベヤ
の上方に設ける一方、前記プレートに固定または一体に
連続形成され、かつ該プレートのスリツトに連なって前
記爪が通過可能なスリットを有すると共に、該スリット
を通過する爪の先端より外方に先端部が位置する堰止板
を設け、前記爪を、弾性部材を有して、その爪先部にか
かる抵抗に応じて移動方向と反対側に揺動可能若しくは
起倒可能に構成した破袋装置であって、前記堰止板のス
リットは先端部が開放されたことを特徴とする。
【0012】請求項3に係る発明は、移動部に沿って配
列された複数の爪をそれぞれ有する2つの無端コンベヤ
を、それぞれの上側の移動部の移動方向先が高位に位置
するように、かつ、それぞれの下端部相互が所定の間隔
をおいて接近し、上端部相互が最も離間するように相対
向させて設けると共に、各無端コンベヤの爪が通過可能
なスリットを有するプレートを各無端コンベヤの上側の
移動部に沿って各無端コンベヤの上方にそれぞれ設ける
一方、各プレートごとに、該プレートに固定または一体
に連続形成され、かつ該プレートのスリツトに連なって
前記爪が通過可能なスリットを有すると共に、該スリッ
トを通過する爪の先端より外方に先端部が位置する堰止
板を設け、各爪を、弾性部材を有して、その爪先部にか
かる抵抗に応じて移動方向と反対側に揺動可能若しくは
起倒可能にそれぞれ構成した破袋装置であって、前記堰
止板のスリットは先端部が開放されたことを特徴とす
る。
【0013】かかる請求項2および請求項3に係る発明
において、移動部に沿って配列された複数の爪を有する
無端コンベヤは、コンベヤベルトやコンベヤチェーン等
の移動部において連続する面が形成されたコンベヤ、例
えば、フラットトップコンベヤ、エプロンコンベヤ、パ
ンコンベヤ等のチェーンコンベヤやベルトコンベヤに爪
を設けたものが挙げられるが、その移動部において連続
する面が形成されている必要はなく、単に、コンベヤチ
ェーンにて移動される部材に爪を設けたものでも良い。
【0014】さらに、前記「堰止板」は、物品として独
立した部品を溶接、ボルト・ナット等でプレートに固定
したものでなくともよく、前記プレートと一体で形成さ
れたものであってもよい。さらに、プレートに一体に連
続形成され、堰止板とプレートとの区画が不明確でプレ
ートの一部であってもよく、要はプレートのスリツトに
連なって前記爪が通過可能なスリットを有すると共に、
該スリットを通過する爪の先端より外方に先端部が位置
するようになっていればよい。したがって、前記「堰止
板」は、本明細書においては、“プレートの堰止部”と
いう概念をも含み、請求項1に係わる発明を含めて、最
も広義に解釈する概念とする。
【0015】請求項4に係る発明は、少なくとも下端部
と上端部との間の上側の移動部において略連続した面が
形成され、移動部に沿って配列された複数の爪を有する
無端コンベヤを、その上側の移動部の移動方向先が高位
に位置するように設けると共に、一端部が前記無端コン
ベヤの上側の移動部の面に接し若しくは近接し、他端部
が該上側の移動部外方に位置する堰止板を設け、前記堰
止板には、前記爪が通過可能なスリットを設け、前記爪
を、弾性部材を有して、その爪先部にかかる抵抗に応じ
て移動方向と反対側に揺動可能若しくは起倒可能に構成
した破袋装置であって、前記堰止板のスリットは両端部
が開放されたことを特徴とする。
【0016】請求項5に係る発明は、少なくとも下端部
と上端部との間の上側の移動部において略連続した面が
それぞれ形成され、移動部に沿って配列された複数の爪
をそれぞれ有する2つの無端コンベヤを、それぞれの上
側の移動部の移動方向先が高位に位置するように、か
つ、それぞれの下端部相互が所定の間隔をおいて接近
し、上端部相互が最も離隔するように相対向させて設け
ると共に、各無端コンベヤごとに、一端部が無端コンベ
ヤの上側の移動部の面に接し若しくは近接し、他端部が
該上側の移動部外方に位置する堰止板をそれぞれ設け、
各堰止板には、各爪が通過可能なスリットをそれぞれ設
け、各爪を、弾性部材を有して、その爪先部にかかる抵
抗に応じて移動方向と反対側に揺動可能若しくは起倒可
能にそれぞれ構成した破袋装置であって、前記スリット
は両端部が開放されたことを特徴とする。
【0017】かかる請求項4および請求項5に係る発明
において、少なくとも下端部と上端部との間の上側の移
動部において略連続した面が形成され、移動部に沿って
配列された複数の爪を有する無端コンベヤは、例えば、
フラットトップコンベヤ、エプロンコンベヤ、パンコン
ベヤ等のチェーンコンベヤやベルトコンベヤに、爪をそ
の爪先端部が移動部の外側に位置するように設けたもの
が挙げられる。
【0018】請求項6に係る発明は、回転中心軸が横方
向の回転ドラムと、前記回転ドラム内側に設けられる堰
止板と、を含んで構成され、前記堰止板は、その一端が
前記回転ドラムの内周面に接し若しくは近接し該回転ド
ラムの略回転中心軸方向に沿った状態で当該回転ドラム
の外側で固定され、かつ回転ドラムの周壁内面には、該
回転ドラムと一体に回転移動する複数の爪が設けられる
と共に、前記堰止板にはこれらの回転移動する爪が通過
可能なスリットが形成された破袋装置であって、前記ス
リットは両端部が開放されたことを特徴とする。
【0019】かかる請求項6に係る発明において、前記
「略軸方向に沿った状態」とは、軸方向と平行な状態と
軸方向から外れた平行でない状態を含み、少なくとも軸
との交差角度を45度以内とする。
【0020】従って、本明細書においては、前記「略軸
方向に沿った状態」は最も広義に解釈するものとする。
また、前記「回転ドラムの外側で固定され」とは、例え
ば該回転ドラム端部に設けられ、投入口又は排出口を有
し外側で固定されている固定カバーや該回転ドラム外側
の支持フレーム等に直接または間接に支持され、回転ド
ラムと共に回転しない状態で固定されていることを意味
し、前記堰止板の端部が回転ドラムの外側に出ているこ
とを要件とするものではない。前記堰止板の端部が回転
ドラムの外側に出ていなくとも、また出ていてもよく、
要は直接または間接に外側で固定されていればよい。
【0021】さらに、請求項1乃至請求項6に係る発明
において、前記「爪」は、角状、板状、線状等の突起や
フックなどを意味し、例えばピアノ線、鋼線等の線状部
材でも良く、先端部が爪の回転移動方向に傾斜したり、
かぎ状になっているものが好ましい。要は、袋等の包装
材の一部に先端が食い込んで、包装材を引っ掛けたり、
先端が包装材に接して剪断力により包装材を破る作用を
なすものであればなんでもよい。
【0022】請求項7に係る発明は、請求項1〜6のう
ちいずれか1つに記載の発明において、前記堰止板は、
前記スリットを構成する所定間隔を介して並列して並べ
られる複数の堰止板構成部材から構成される一方、前記
堰止板には、各堰止板構成部材の所定間隔を維持した状
態で互いに連結すると共に固定支持する連結支持部材が
設けられ、前記連結支持部材は、各堰止板構成部材の堰
止面の裏側にあたる裏面と離隔する位置に設けられた第
1の支持部と、該第1の支持部からそれぞれ各堰止板構
成部材の該裏面に向かって伸びて該裏面に固定される複
数の第2の支持部と、を含んで構成されたことを特徴と
する。
【0023】請求項8に係る発明は、請求項1〜7のう
ちいずれか1つに記載の発明において、前記堰止板のス
リットは、爪の通過部分と反対側の先端部に向かって徐
々にスリット幅が広くなるように形成されたことを特徴
とする。
【0024】請求項9に係る発明は、請求項1〜8のう
ちいずれか1つに記載の発明において、前記堰止板のス
リットの爪の通過部分と反対側の先端部近傍位置であっ
て、堰止板の堰止面の裏側にあたる裏面と所定間隔を介
して対面する位置に、スリット幅方向に横断する袋の回
り込み防止用の堰を設けたことを特徴とする。
【0025】かかる本発明の作用を説明する。請求項1
〜9のいずれかに記載の破袋装置において、例えば、ご
み(缶、びん、プラスチックボトル、厨芥等)を入れた
ビニール袋等の包装材(以下、単に袋と言う)が爪に引
っ掛けたまま、堰止板のスリットを通過しようとする。
【0026】堰止板のスリットを通過できるのは、スリ
ット幅よりも小さいもの、つまり、爪と、これに引っか
けられた袋等の軟質なもののみで、スリット幅より大き
な硬質ごみ等は、スリットを通過できない。
【0027】従って、ごみの詰った袋はスリットの通過
を抑制される一方、爪に引っ掛けられた袋は爪の移動に
伴って引き裂かれる。かかるごみの詰った袋は堰止板の
スリットの通過が抑制され、かつ爪に引っ掛けられた袋
は、爪の移動に伴って引き裂かれ、かかる作用を数回繰
り返すことにより、袋は引き裂かれて、ごみは袋から出
る(引き裂き作用)。ごみが完全に出た袋は、爪に引っ
掛けられたまま、堰止板を通過する。
【0028】このような引き裂き作用を受ける袋のう
ち、引き裂かれて完全にごみが出た袋、引き裂き作用の
途中でごみが残っている袋を問わず、袋の一部が堰止板
のスリットを通過し、残りの部分が堰止板のスリットを
通過していない状態で、スリットの爪通過部分(基端
部)と反対側の端部(先端部)側に引っ掛かった状態と
なる場合がある。
【0029】破袋装置の運転を続けると、この端部側に
詰まった袋は、新たにスリットのこの端部側に詰まる袋
に押され、該端部の開放された部分に達すると、ここか
ら外れる。以上により、安定した連続的な破袋運転が可
能となる。
【0030】特に、請求項2に係る発明においては、袋
が投入シュート等から投入されると、袋は、傾斜した無
端コンベヤ上に設置されたプレート上に落下し、プレー
トに設けられているスリットの間を下部から上部に向か
う爪に引っ掛けられて、上方へと掻き揚げられる。爪は
袋を引っ掛けたまま、固定されている堰止板のスリット
を通過しようとし、前述の引き裂き作用を受ける。
【0031】また、スリットを通過せずに爪から外れた
袋はプレート上に落下し、落下した袋は、再度爪に引っ
掛けられて、堰止板のスリットの方向に運ばれて、引き
裂き作用を受ける。これにより安定した連続的な破袋運
転が可能となる。
【0032】ごみが完全に出た袋は、爪に引っ掛けられ
たまま、堰止板を通過し、無端コンベヤの下側の移動部
へと引き込まれて、重力の作用により、例えば排出シュ
ートへと落下する。
【0033】袋から出たごみは、隣り合う爪の間をすり
抜けて傾斜したプレート下端の排出部へと落下し、例え
ばその下方に設けられた排出コンベヤ等によって次の処
理工程に搬送される。
【0034】また、特に請求項3に係る発明において
は、袋が投入シュート等から投入されると、袋は、略V
字形をなすように傾斜して対面して設置された各無端コ
ンベヤ上に設置されたプレート間の谷部の上に落下し、
落下した袋は、各無端コンベヤのプレートに設けられて
いるスリットの間を下部から上部に向かう各爪に引っ掛
けられ、両方の無端コンベヤの各爪の移動に伴って例え
ば袋の底部が両側に引き裂かれて、袋内のごみが排出さ
れる。
【0035】排出されたごみは、谷部に向けて落下し、
両プレート間の排出部から例えばその下方に設けられた
排出コンベヤ等によって装置外に排出される。上記のよ
うに引き裂かれた袋のうち大きいものや2つ以上にちぎ
れたものは、両無端コンベヤの各爪に引っ掛けられて、
あるいは、引き裂かれた袋のうち一方の無端コンベヤの
爪に対する引っ掛かりが強いものは、この一方の爪に引
っ掛けられて、上方へと掻き揚げられる。爪は袋を引っ
掛けたまま、固定されている堰止板のスリットを通過し
ようとし、前述の引き裂き作用を受ける。
【0036】また、スリットを通過せずに爪から外れた
袋はプレート上に落下し、落下した袋は、再度爪に引っ
掛けられて、堰止板のスリットの方向に運ばれて、引き
裂き作用を受ける。これにより安定した連続的な破袋運
転が可能となる。
【0037】ごみが完全に出た袋は、爪に引っ掛けられ
たまま、堰止板を通過し、無端コンベヤの下側の移動部
へと引き込まれて、重力の作用により、例えば排出シュ
ートへと落下する。
【0038】袋から出たごみは、隣り合う爪の間をすり
抜けて傾斜したプレート下端の排出部へと落下し、例え
ばその下方に設けられた排出コンベヤ等によって次の処
理工程に搬送される。
【0039】この請求項3に係る発明の両側にスリット
を有するプレートと無端コンベヤを配した破袋装置は、
上記のような両側の無端コンベヤの爪によるプレート下
端部周辺での引き裂き作用とプレート上端部周辺におけ
る爪と堰止板との作用によって、片側にプレートと無端
コンベヤを配し爪と堰止板との作用によって破袋する破
袋装置と比較して、2倍以上の破袋処理能力を発揮す
る。
【0040】さらに、請求項4に係る発明においても、
袋が投入シュート等から投入されると、袋は、傾斜した
無端コンベヤ上に落下し、下部から上部に向かう爪に引
っ掛けられて、上方へと掻き揚げられる。爪は袋を引っ
掛けたまま、固定されている堰止板のスリットを通過し
ようとし、前述の引き裂き作用を受ける。
【0041】また、スリットを通過せずに爪から外れた
袋は無端コンベヤ上に落下し、落下した袋は、再度爪に
引っ掛けられて、堰止板のスリットの方向に運ばれて、
引き裂き作用を受ける。これにより安定した連続的な破
袋運転が可能となる。
【0042】ごみが完全に出た袋は、爪に引っ掛けられ
たまま、堰止板を通過し、無端コンベヤの下側の移動部
へと引き込まれて、重力の作用により、例えば排出シュ
ートへと落下する。
【0043】袋から出たごみは、無端コンベヤ下端の排
出部へと落下し、例えばその下方に設けられた排出コン
ベヤ等によって次の処理工程に搬送される。また、請求
項5に係る発明においては、袋が投入シュート等から投
入されると、袋は、略V字形をなすように傾斜して対面
して設置された各無端コンベヤ間の谷部の上に落下し、
落下した袋は、各無端コンベヤにおいて下部から上部に
向かう各爪に引っ掛けられ、両方の無端コンベヤの各爪
の移動に伴って例えば袋の底部が両側に引き裂かれて、
袋内のごみが排出される。
【0044】排出されたごみは、谷部に向けて落下し、
両無端コンベヤ間の排出部から例えばその下方に設けら
れた排出コンベヤ等によって装置外に排出される。上記
のように引き裂かれた袋のうち大きいものや2つ以上に
ちぎれたものは、両無端コンベヤの各爪に引っ掛けられ
て、あるいは、引き裂かれた袋のうち一方の無端コンベ
ヤの爪に対する引っ掛かりが強いものは、この一方の爪
に引っ掛けられて、上方へと掻き揚げられる。爪は袋を
引っ掛けたまま、固定されている堰止板のスリットを通
過しようとし、前述の引き裂き作用を受ける。
【0045】また、スリットを通過せずに爪から外れた
袋は無端コンベヤ上に落下し、落下した袋は、再度爪に
引っ掛けられて、堰止板のスリットの方向に運ばれて、
引き裂き作用を受ける。これにより安定した連続的な破
袋運転が可能となる。
【0046】ごみが完全に出た袋は、爪に引っ掛けられ
たまま、堰止板を通過し、無端コンベヤの下側の移動部
へと引き込まれて、重力の作用により、例えば排出シュ
ートへと落下する。
【0047】袋から出たごみは、傾斜した無端コンベヤ
下端の排出部へと落下し、例えばその下方に設けられた
排出コンベヤ等によって次の処理工程に搬送される。こ
の請求項5に係る発明の両側に無端コンベヤを配した破
袋装置は、上記のような両側の無端コンベヤの爪による
コンベヤ下端部周辺での引き裂き作用とコンベヤ上端部
周辺における爪と堰止板との作用によって、片側のみに
無端コンベヤを配し爪と堰止板との作用によって破袋す
る破袋装置と比較して、2倍以上の破袋処理能力を発揮
する。
【0048】上記請求項4および請求項5においては、
無端コンベヤは、少なくとも下端部と上端部との間の上
側移動部において略連続した面が形成される構造、すな
わち、例えば、フラットトップコンベヤ、エプロンコン
ベヤ、パンコンベヤ等のチェーンコンベヤやベルトコン
ベヤ等に設けられた爪が下部から上部に向かうようにし
た構造にしたので、小さいごみ等は、飛散することなく
無端コンベヤの略連続した面上を滑りながら落ちて、排
出部に向かう。
【0049】なお、請求項4および請求項5における前
記「略連続した面」とは、例えば各スラット間に10ミ
リ以下、好ましくは5ミリ以下の間隙があって完全な連
続した面でなくとも、上記作用は生じるので、本明細書
においては、前記「略連続した面」は、最も広義に解す
るものとし、前記間隙があるのも実質的に連続した面と
する。
【0050】さらに、請求項6に係る発明においては、
袋が回転ドラムの一方の端部側から該回転ドラム内に投
入されると、ごみは回転ドラムの回転により、他方の端
部側に向けて送られ、回転ドラム内の爪が設置してある
位置に到達する。
【0051】袋は、爪に引っ掛けられて、回転ドラムの
回転方向へと掻き揚げられ、爪が堰止板のスリットを通
過しようとし、前述の引き裂き作用を受ける。また、ス
リットを通過せずに爪から外れた袋は回転ドラム底部に
落下し、落下した袋は、再度爪に引っ掛けられて、堰止
板のスリットの方向に運ばれて、引き裂き作用を受け
る。これにより安定した連続的な破袋運転が可能とな
る。
【0052】袋から出たごみは、回転ドラムの回転によ
り他方の端部側へと送られて、やがて外部に排出され
る。ごみの出た袋は、爪に引っ掛けられてスリットを通
過し、スリットの上方へと掻き揚げられ、回転ドラムの
頂上部で重力の作用により落下する。
【0053】特に、かかる請求項2〜6のいずれかに記
載の破袋装置においては、爪を、弾性部材を有して、そ
の爪先部にかかる抵抗に応じて移動方向と反対側に揺動
可能若しくは起倒可能に構成した結果、移動する爪と堰
止板のスリットとの間に硬質物を噛み込んだ場合、爪に
所定以上の力が作用すると、爪が移動方向とは反対側の
方向に可動することで、堰止板のスリットと爪の間に噛
み込んだ硬質物が除去され、この硬質物は重力の作用に
より下方に落下する。また、大きい粗大物(硬質物)等
が投入された場合でも、上記の噛み込み防止作用によっ
て粗大物の噛み込みが防止される。
【0054】請求項7に係る発明において、堰止板構成
部材は、連結支持部材によって、各堰止板構成部材の所
定間隔を維持した状態で互いに連結されると共に固定支
持され、堰止板が分断された複数の構成部材から構成さ
れていようとも、堰止板のスリットが確実に形成され、
かつ、安定して支持することができる。
【0055】請求項8に係る発明においては、スリット
は、爪の通過部分と反対側の先端部(スリツトを通過す
る爪の先端より先の先端部)に向かって徐々にスリット
幅が広くなるように形成されているため、スリットを移
動する際の袋の通過抵抗が軽減され、スリットに詰まっ
た袋を速やかに押し出すことが可能となる。
【0056】すなわち、前述のように、新たにスリット
のこの先端部側に向かって詰まる袋によって、既に該先
端部側に詰まっていた袋が該先端部の開放された部分に
向けて押し出されるが、その間に、袋は圧縮された状態
となり、スリットを移動するときに、圧縮圧に応じて袋
の通過抵抗は大きくなる。袋の材質、大きさ、袋の汚れ
具合等によって、堰止板のスリットを移動する際の通過
抵抗は極端に大きくなり、従来のスリットの先端部が閉
ざされているときと同様に、一時的にスリットに袋が重
なるように詰まってしまう場合がある。
【0057】この間は、従来のスリットの先端部が閉ざ
されているときと同様に、装置の破袋処理能力が低下し
てしまうが、先端部に向かって徐々にスリット幅が広く
なるように形成されているので、該スリットを移動する
際の袋の通過抵抗が軽減され、詰まった袋が速やかに押
し出される。
【0058】特に、爪を、弾性部材を有して、その爪先
部にかかる抵抗に応じて移動方向と反対側に揺動可能若
しくは起倒可能に構成したものでは、スリットに詰まっ
ている袋が弾性部材の弾性力によって押されるので、よ
り移動しやすくなり、詰まった袋がさらに速やかに押し
出される。
【0059】請求項9に係る発明においては、スリット
の爪の通過部分と反対側の先端部近傍位置であって、堰
止板の堰止面の裏側にあたる裏面と所定間隔を介して対
面する位置に、スリット幅方向に横断する袋の回り込み
防止用の堰を設けるようにしたから、袋のごみが残った
部分が堰止板の先端部の開放された部分を回り込もうと
した場合でも、堰によってその回り込み移動が完全に阻
止される。
【0060】この阻止された状態でも、爪は、袋を引き
ちぎるか、袋を外した状態でスリットを通過し、結局、
袋は落下する。なお、請求項1に係る発明においては、
好ましくは、袋を引っ掛けて順次移動する複数の爪と、
各爪が通過可能で内容物が入った袋の通過が抑制される
スリットを有する堰止板とを含むと共に、前記爪を、弾
性部材を有して、その爪先部にかかる抵抗に応じて移動
方向と反対側に揺動可能若しくは起倒可能に構成するの
がよい。
【0061】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。なお、以下に説明する実施形態は、
本発明の破袋装置を、分別収集されたごみのリサイクル
施設に適用した場合の例である。
【0062】図1において、第1の実施形態の破袋装置
は、本体ケーシング1と、無端コンベヤ2と、プレート
3と、堰止板4と、を含んで構成される。前記無端コン
ベヤ2は、その上面が下方から上方に行くにしたがって
傾斜勾配がきつくなり鉛直近くになる軌道形状になって
おり、湾曲した移動部が存在するため、図示しないチェ
ーンガイドを、無端コンベヤの移動部の一部を構成する
後述のコンベヤチェーンの上下に配設して、チェーンを
湾曲させながら移動部に沿わせて案内するように構成す
る。
【0063】かかる無端コンベヤ2は、移動部に沿って
配列された複数の爪5を有する構成であって、その上側
の移動部の移動方向先が高位に位置するように本体ケー
シング1内に配設される。
【0064】かかる無端コンベヤ2は、本実施形態にお
いては、無端コンベヤ2の移動部の外側に移動方向に沿
って間隔をおいて爪5を設けた構成であり、具体的に
は、次のように構成される。
【0065】すなわち、それぞれ略水平方向に沿って配
設された一対の被駆動軸7が下部に、駆動軸8が上部
に、相互に平行に設けられ、これら被駆動軸7と駆動軸
8それぞれの両端部は、本体ケーシング1に回転自由に
支承されている。
【0066】前記駆動軸8の両端部には、それぞれ駆動
スプロケット9が固定取付されている。また、被駆動軸
7の両端部には、それぞれ被駆動スプロケット10が固
定取付されている。
【0067】一方の側の駆動スプロケット9と被駆動ス
プロケット10、10とには、コンベヤチェーン11
(図2参照)が巻き掛けられ、他方の側の駆動スプロケ
ット9と被駆動スプロケット10、10とには、コンベ
ヤチェーン12(図2参照)が巻き掛けられている。
【0068】そして、例えばモータ等により駆動軸8を
回転駆動し、この回転駆動が駆動スプロケット9,9と
被駆動スプロケット10,10に伝達されるように構成
されている。
【0069】ここで、図2〜図4に示すように、複数の
長尺の板状のスラット18が設けられており、各スラッ
ト18の一端部は一方のコンベヤチェーン11に、他端
部は他方のコンベヤチェーン12に固定取付される。
【0070】詳しくは、スラット18の一端部は、一方
のコンベヤチェーン11を構成するべく数珠つなぎ的に
結合された1つのチェーン構成部材11Aの上面部に固
定取付され、他端部は、他方のコンベヤチェーン12の
前記一方のコンベヤチェーン11の1つのチェーン構成
部材11Aと位置的に対応する1つのチェーン構成部材
12Aの上面部に固定取付される。
【0071】これによって、両コンベヤチェーン11,
12間には、多数のスラット18がそれぞれ橋渡しされ
て並列して設けられており、本実施形態においては、無
端コンベヤの移動部が、両コンベヤチェーン11,12
と多数のスラット18によって構成されている。
【0072】この場合、隣接するスラット18同士は、
コンベヤチェーン11,12が湾曲変形する部位以外の
少なくとも無端コンベヤ2の下端部と上端部との間の上
側移動部において、互いに端面同士が近接して、図3の
如く実質的にスラット18同士が連続した一つの面をな
すように構成されている。
【0073】そして、各スラット18上面には、該スラ
ット18の長手方向に沿って多数の爪5が所定間隔をも
って取り付けられる。この場合、1つのスラット18に
は、8本の爪5(図2中実線示)が取り付けられ、この
1つのスラット18と隣り合う1つのスラット18に
は、爪5が取り付けられず(図3参照)、この爪5が取
り付けられていないスラット18と隣り合う1つのスラ
ット18には、7本の爪5(図2中点線示)が、それぞ
れ前記8本の爪5が設けられたスラット18における爪
5,5の間に位置するように、取り付けられている。こ
の7本の爪5は、前記8本の爪5と同じ高さに形成され
ている。そして、この7本の爪5が設けられたスラット
18の後には、また爪5が取り付けられていないスラッ
ト18が位置している。
【0074】このように、4つの形態のスラット18の
配列が順次繰り返されて、それぞれ多数の爪5を有する
多数のスラット18が配設される。この場合、8本の爪
5が取り付けられた各スラット18における各爪5相互
は、無端コンベヤ2の移動方向に沿って列をなすように
整列されている。
【0075】また、7本の爪5が取り付けられた各スラ
ット18における各爪5相互も、無端コンベヤ2の移動
方向に沿って列をなすように整列されている。なお、上
記のスラット18は、単なる板状のものであったが、図
5に示すように、板部18aの両端または一端に板部1
8bを垂下させた構成であって、各チェーン構成部材1
1Aの上部に被せられるような構成のスラット18とし
ても良い。
【0076】さらに、無端コンベヤ2の移動部に爪5を
設けた構成として、チェーンコンベヤにおけるスラット
18に爪5を設けた例を示したが、前記移動部として
は、チェーンコンベヤにおけるチェーン、2条のチェー
ン間に取り付けたクロスバー、チェーンに取り付けた断
面が波形のエプロン、チェーンに取り付けた断面が皿形
のパンまたはチェーンに取り付けた各種形状のパレット
であってもよく、さらにはスラットやパレット同士で連
続する面を形成しなくてもよい。また、前記7本の爪5
を、前記8本の爪5の高さと異なる高さに形成してもよ
い。
【0077】次に、爪5の構造およびスラット18に対
する爪5の取付構造について同上の図2〜図4に基づい
て説明する。爪5は、一端部に爪5の移動方向に屈曲さ
れている爪先部5Aを有した板状部材から構成されてお
り、その他端部には支持穴(図示せず)が形成されてい
る。
【0078】スラット18には、爪5を取り付ける取付
座19が固定取付されている。この取付座19は、底板
19aと、該底板19aの両端部から上方に張り出した
一対の側板19bと、両側板19b間に差し渡されたピ
ン19cと、から構成される。
【0079】この実施形態において、爪5は、弾性部材
を有して、その爪先部5Aにかかる抵抗に応じて移動方
向と反対側に揺動可能若しくは起倒可能に構成されてお
り、爪5と弾性部材とは別体化されている。
【0080】すなわち、爪5は、取付座19のピン19
cにその支持穴挿通支持される一方、弾性部材としての
捩じりコイルスプリング20の一端部は取付座19に係
止され、他端部は爪5に係止される。
【0081】かかる爪5は、起倒可能になっており、倒
れた時には、プレート3の後述するスリット3Aの内側
に格納された状態となる。本実施形態においては、上述
した爪5の取付座19の側壁は、無端コンベヤ2(コン
ベヤチェーン11,12)の移動方向に向かうに従って
より低くなるように傾斜しており、具体的には、取付座
19の両側板19bの爪5の倒れる側と反対側の側端面
に傾斜面19Aが形成され、取付座19は略台形状に形
成されている。なお、傾斜面19Aは、平面である必要
はなく、曲線状であつてもよい。また、面である必要も
なく移動方向に向かって尖っていてもよい。したがって
取付座19の側壁は、無端コンベヤ2の移動方向に向か
うに従ってより低くなるように傾斜もしくは湾曲してい
ればよい。
【0082】以上の構成においては、爪5を、無端コン
ベヤ2のスラット18の上側に取り付けるようにした
が、スラット18の下側に取り付けるようにしても良
い。すなわち、図6において、スラット18下面には、
爪5を取り付ける取付座21が固定取付されている。
【0083】この取付座21は、底板21aと、該底板
21aの両端部から上方に張り出した一対の側板21b
と、両側板21b間に差し渡されたピン21cと、から
構成される。
【0084】そして、爪5は、取付座21のピン21c
にその支持穴が挿通支持される一方、弾性部材としての
捩じりコイルスプリング22の一端部は取付座21に係
止され、他端部は爪5に係止される。
【0085】かかる爪5は、起倒可能になっており、倒
れた時には、プレート3のスリット3Aおよびスラット
18に形成されたスリット18Aから該スラット18下
面側に格納された状態となる。
【0086】以上説明したように、移動部に沿って配列
された複数の爪5を有する無端コンベヤ2は、その上側
の移動部の移動方向先が高位に位置するように傾斜しつ
つ湾曲して、かつ、その移動部方向と直交する方向の一
側部が他側部より高位に位置するように傾斜して本体ケ
ーシング1内に配設されて固定される。
【0087】一方、前記プレート3は、爪5が通過可能
なスリット3Aを有しており、無端コンベヤ2の上側の
移動部に沿って該無端コンベヤ2の上方に配設される。
すなわち、プレート3は、図1の如く無端コンベヤ2の
上側の移動部に沿って該無端コンベヤ2の上方に傾斜し
つつ湾曲して配設されてスリット3Aを有する傾斜・湾
曲部3aと、該傾斜・湾曲部3aの下端部に連接して下
方に向かって傾斜して伸び、かつスリツト3Aが形成さ
れていないごみ排出シュート部3bと、から構成され
る。
【0088】そして、前記スリット3Aは、8本の爪5
が設けられたスラット18の爪5による8つの爪列に対
応して、かつ、7本の爪5が設けられたスラット18の
爪5による7つの爪列に対応して、それぞれ設けられ、
プレート3には、合計15列のスリット3Aが設けられ
る。
【0089】前記堰止板4は、プレート3に一体に連続
形成され、プレート3の先端部が徐々に湾曲して爪5の
先端移動部より外方(無端コンベヤ2の上側の移動部か
ら離れる方向)に位置するようにして形成されている。
言い換えると、前記堰止板4は、その基端部がプレート
3に連接し、先端部がプレート3外方に位置するよう
に、湾曲傾斜して配設され、プレート3のスリット3A
に対応させて爪5が通過可能で、かつ両端部が開放され
たスリット4Aが設けられている。
【0090】この場合、スリット4Aは、8本の爪5が
設けられたスラット18の爪5による8つの爪列に対応
して、かつ、7本の爪5が設けられたスラット18の爪
5による7つの爪列に対応して、それぞれ設けられ、堰
止板4にも、プレート3と同様に合計15列のスリット
4Aが設けられる。
【0091】ここで、本実施形態においては、図7に示
すように、前記プレート3は、前記スリツト3Aが形成
されていないごみ排出シュート部3bを共通部分とし
て、スリット3Aを有する傾斜・湾曲部3aが、前記ス
リット3Aを構成する所定間隔を介して、横方向に並列
して並べられる複数のプレート構成部材50から構成さ
れると共に、前記堰止板4は、前記スリット4Aを構成
する所定間隔を介して、横方向に並列して並べられて、
一端部が前記プレート構成部材50にそれぞれ固定され
る複数の堰止板構成部材51から構成される。
【0092】この場合、プレート構成部材50と堰止板
構成部材51とは、一体成形品からなる。つまり、各プ
レート構成部材50の端部である堰止板構成部材51の
先端部が徐々に湾曲して爪5の先端移動部より外方に位
置するように形成されている。すなわち、各プレート構
成部材50が、該プレート構成部材50間の所定間隔お
よび各堰止板構成部材51の所定間隔を維持した状態で
互いに連結されているわけである。
【0093】以上、言い換えるとプレート3のごみ排出
シュート部3bを除いて中間部から爪5が通るスリット
が形成され、そのスリツトは先端で開放されていると共
に、そのプレート3の先端部が徐々に湾曲して爪5の先
端移動部より外方に位置するように形成されている。
【0094】この状態で堰止板4には、固定支持する連
結支持部材が設けられている。前記連結支持部材は、各
堰止板構成部材51の堰止面の裏側にあたる裏面と離隔
する位置に配設され、本体ケーシング1壁にその上端が
溶接固定された横桟部材52(第1の支持部)と、該横
桟部材52からそれぞれ各堰止板構成部材51の前記裏
面に向かって伸びて該裏面に固定される複数の支持足5
3(第2の支持部)、を含んで構成される。
【0095】この場合、各支持足53は、その一端部が
各堰止板構成部材51の上面にボルト54等により固定
された取付板55に溶接等によって固着されて立設さ
れ、横方向に並列して並べられる。
【0096】そして、並列して並べられた各支持足53
の他端部は、横桟部材52の側面にボルト56等により
固定される。なお、スリット4Aの幅は、図6で示すよ
うにスリット3Aの幅より広くなるように、スリット3
Aから段差を介してスリツト4Aに連なるようにしても
よく、またスリット3Aの幅とスリット4Aの基端部の
幅とが同じになるようにしてもよい。
【0097】いずれにしても、本実施形態においては、
前記堰止板4のスリット4A、すなわち、隣接する堰止
板構成部材51間の間隔は、爪5の通過部側端部(通過
部分)と反対側の先端部に向かって徐々にスリット幅が
広くなるように形成される。
【0098】この場合、隣り合う堰止板構成部材51の
内側面が斜めにカットされて、上記のスリット幅に設定
される。また、堰止板4のスリット4Aの爪5の通過部
側端部(通過部分)と反対側の先端部近傍位置であっ
て、堰止板4の堰止面(図7において下面)の裏側にあ
たる裏面(図7において上面)と所定間隔を介して対面
する位置に、スリット幅方向に横断する袋の回り込み防
止用の堰57が設けられている。
【0099】この堰57は、並列に立設された各支持足
53の横桟部材52取付面側に配置された横方向の板部
材からなり、その堰57がボルト58等によって両側に
位置する支持足53に固定される。
【0100】さらに、図7および図8に示すように、各
プレート構成部材50の高位側の上面には、袋、ごみ、
粗大物等を粗大物排出口70側に案内するために、後述
する投入シュート69側が高位に粗大物排出口70側が
低位になるように固定したガイド板59が設けられてい
る。
【0101】ここで、図1および図8に示すように前記
本体ケーシング1の内面から斜め下方に、プレート3の
ごみ排出シュート部3bに向かって伸びる切出シュート
60が設けられており、この切出シュート60と、ごみ
排出シュート部3bと、によってごみの排出部を構成す
る間隔部61を設けるようにしている。
【0102】なお、切出シュート60の先端部には、前
記間隔部61の間隔を調整するためのゴム製調整部材6
2が設けられている。一方、無端コンベヤ2の下側の移
動部の下方には、袋落下防止ガイド63が設けられてい
る(図1参照)。
【0103】すなわち、袋落下防止ガイド63は、無端
コンベヤ2の下側の移動部のうち水平部分に沿って該無
端コンベヤ2の下方に配設される。かかる袋落下防止ガ
イド63は、図9に示すように、多数の湾曲した細板部
材64から構成される。
【0104】具体的には、袋落下防止ガイド63を構成
する細板部材64は、水平部64Aと、該水平部64A
の一端部に連接して無端コンベヤ2下側の一方の方向転
換部に沿って湾曲形成されて上側に伸びる上側湾曲部6
4Bと、水平部64Aの他端部に連接して無端コンベヤ
2下側の他方の方向転換部の手前側で湾曲形成されて下
側に伸びる下側湾曲部64Cと、から構成される。
【0105】そして、所定間隔を持って並列される一対
一組の細板部材64が、互いに所定間隔で並列して多数
組配設される。各組の一対の細板部材64の間隔は、プ
レート3と堰止板4のスリット3A,4Aに対応して設
けられて爪5が通過可能なスリットを構成するものであ
る。
【0106】各細板部材64の上側湾曲部64Bには、
上側取付部材65の一端部が固定され、下側湾曲部64
Cには、下側取付部材66の一端部が固定され、上側取
付部材65の他端部は、本体ケーシング1の内壁に、下
側取付部材66の他端部は、本体ケーシング1の後述す
る袋シュートと小片シュートの境部に、それぞれ固定さ
れている。
【0107】また、かかる袋落下防止ガイド63の各細
板部材64の下側湾曲部64C側の端部近傍位置には、
回転駆動される分岐ローラ67が配設されている。この
分岐ローラ67は、袋落下防止ガイド63の各細板部材
64の下側湾曲部64C側の端部の並列する方向に沿
い、かつ該下側湾曲部64Cに近接して水平方向に伸び
て配設されている。
【0108】かかる分岐ローラ67は、その上側の円筒
側面が、後述する袋シュート71側に向かって回転移動
するように回転駆動される(図1において右回り)。こ
の場合、分岐ローラ67は、無端コンベヤ2用の駆動モ
ータとは別途設けられた専用のモータにより、あるい
は、無端コンベヤ用の駆動モータの駆動力をチェーンや
歯車等の伝達機構を介して伝達して駆動するようにす
る。
【0109】次に、以上のように無端コンベヤ2、プレ
ート3および堰止板4が配設された本体ケーシング1の
構造について説明する。すなわち、本体ケーシング1
は、支持足68によって設置面に支持される。
【0110】上述したように、無端コンベヤ2は、その
移動部方向と直交する方向の一側部が他側部より高位に
位置するように傾斜して配設されており、無端コンベヤ
2の高位の一側部の側には、投入口が設けられている。
具体的には、無端コンベヤ2の高位の一側部の側にある
本体ケーシング1の側壁に、投入口としての投入シュー
ト69が設けられている。
【0111】この場合、投入シュート69は、前記切出
シュート60の横側に(図8において上側)に開口され
る。この投入シュート69の側壁には、図1および図8
に示すように前記本体ケーシング1の一部をなすカバー
1Aが、該本体ケーシング1の外面から斜め下方に伸
び、前記切出シュート60を内側に覆い、他端が無端コ
ンベヤ2の低位の他側部の側にある本体ケーシング1の
側壁にいたるように設けられている。
【0112】また、無端コンベヤ2の低位の他側部の側
には、粗大物排出口70が設けられている。すなわち、
無端コンベヤ2の低位の他側部の側にある本体ケーシン
グ1の側壁に、切出シュート60がない部分が形成さ
れ、これによって粗大物排出口70が形成されている。
【0113】さらに、本体ケーシング1底部の無端コン
ベヤ2の下方位置には、排出口としての袋シュート71
と小片シュート72とが並列して設けられている。この
場合、袋シュート71は、前述した袋落下防止ガイド6
3の各細板部材64の下側湾曲部64Cに対応する位置
に、小片シュート72は、袋落下防止ガイド63の各細
板部材64の水平部64Aに対応する位置に、それぞれ
配置される。
【0114】なお、無端コンベヤ2の上側の移動部と下
側の移動部との間には、上側の移動部に対面して前記小
片シュート72に向かって傾斜して伸びる板部材からな
る小片ガイド73が配設されて固定されている。
【0115】この場合、プレート3のスリット3Aや無
端コンベヤ2の隣接するスラット18間の若干の隙間か
ら落下するごみ等の小片を導くのであるが、プレート3
が設けられているので、無端コンベヤ2の爪5が設けら
れていないスラット18を除去する構成にしてもよい。
【0116】さらに、本体ケーシング1の外部であっ
て、ごみ排出シュート3bの下端近傍位置には、排出コ
ンベヤ74が配設されている。ここで、本実施形態にお
いては、投入シュート69やプレート3等の投入される
袋が落下供給される際に衝突するような箇所に緩衝材を
設置する。
【0117】すなわち、例えば、プレート3上面の投入
シュート69からの袋の投入落下位置、すなわち、図8
および図10に示すように、各プレート構成部材50の
上面の所定位置に、緩衝材としての方形のゴム板75が
予め接着された取付板としての方形の鉄板76をボルト
77等によって着脱可能に固定取付する。
【0118】この場合、ゴム板75並びに鉄板76共に
同位置にボルト77用の挿通孔75A,76Aが形成さ
れ、鉄板76側の挿通孔76Aは、ゴム板75側の挿通
孔75Aよりも小径に形成される。
【0119】また、プレート構成部材50側にはボルト
77のねじ溝50Aが形成される。さらに、ゴム板75
の厚みは、ボルト77の頭部が突出せずに収納されるよ
うな厚みに設定される。
【0120】なお、このようなゴム板75の取付構造に
よれば、ゴム板75が予め接着された鉄板76をプレー
ト構成部材50の上面に着脱自由に固定する構成によっ
て、次の利点がある。
【0121】すなわち、ゴム板75を直接プレート構成
部材50の上面に接着すると、ゴム板75の交換時に
は、古いゴム板75を剥がし、プレート構成部材50を
磨き、新しいゴム板75を接着し、接着完了まで待機す
るといった工程が必要となるが、ゴム板75が予め接着
された鉄板76をプレート構成部材50の上面に着脱自
由に固定する構成にすれば、古くなったゴム板75を鉄
板76から外し、新しいゴム板75を取り付けといった
簡単な工程となる。
【0122】なお、上述した爪5の屈曲角度、堰止板4
のスリット4Aの幅等は後に詳述する。次に、かかる構
成の破袋装置の作用を説明する。
【0123】例えば、ごみ(缶、びん、プラスチックボ
トル、厨芥等)を入れたビニール袋等の包装材(以下、
単に袋と言う)78が投入シュート69からプレート3
上面のゴム板75上面に落下投入される(図11(A)
参照)。
【0124】この場合、袋78がゴム板75上面に落下
されることで、落下時の衝撃が緩和され、袋内の缶、び
ん、プラスチックボトル等のごみの破損等が防止され
る。そして、袋78は、プレート3に設けられているス
リット3Aの間を下部から上部に向かう爪5に引っ掛け
られて、上方へと掻き揚げられる。爪5は袋78を引っ
掛けたまま、固定されている堰止板4のスリット4Aを
通過しようとする(図11(B)参照)。
【0125】堰止板4のスリット4Aを通過できるの
は、スリット4A幅よりも小さいもの、つまり、爪5
と、これに引っかけられた袋78等の軟質なもののみ
で、スリット4Aより幅の広い缶、びん、プラスチック
ボトル等の硬質ごみは、スリット4Aを通過できない。
【0126】従って、ごみの詰った袋78はスリット4
Aの通過を抑制される一方、爪5に引っ掛けられた袋7
8は爪5の移動に伴って引き裂かれる(図11(C),
(D)参照)。
【0127】かかるごみの詰った袋78がスリット4A
の通過を抑制され、かつ爪5に引っ掛けられた袋78が
爪5によって引き裂かれるという作用を数回繰り返すう
ちに、袋78は引き裂かれて、ごみ78Aは袋78から
出る。
【0128】ごみ78Aが完全に出た袋78は、爪5に
引っ掛けられたまま、堰止板4を通過し、無端コンベヤ
2の下側の移動部へと引き込まれて、重力の作用によ
り、袋シュート71へと落下する。
【0129】袋78から出たごみ78Aは、隣り合う爪
5の間をすり抜けて傾斜したプレート3の底部へと落下
し、間隔部61(排出部)を経て、その下方に配設され
た排出コンベヤ74によって次の処理工程へ搬送され
る。
【0130】ここで、本実施形態においては、プレート
3と無端コンベヤ2とを、爪5の移動部方向と直交する
方向の一側部が他側部より高位に位置するように傾斜し
て配設し、高位の一側部の側に袋78の投入シュート6
9を設けるようにしたから、破袋が不完全なまま爪5か
ら外れてプレート3の傾斜に沿って下方へと落下した袋
78や、中にさらに小さい袋が入った状態で同様に落下
した袋78は、低位に位置するプレート3の他側部方
向、つまり、プレート3の低位の他側部の側に設けられ
た粗大物排出口70に近づく方向に落下し、この方向に
設けられた爪5と堰止板4の作用によって繰り返し破袋
作用を受ける。
【0131】ここで、爪5を、弾性部材(捩じりコイル
スプリング22)を有して、その爪先部5Aにかかる抵
抗に応じて移動方向と反対側に揺動可能若しくは起倒可
能に構成した結果、プレート3から突出した爪5と堰止
板4の間に硬質物を噛み込んだ場合、爪5に所定以上の
力が作用すると、爪5がスリット3A内に挿入される方
向に可動し、堰止板4と爪5の間に噛み込んだ硬質物が
除去され、この硬質物は重力の作用によりプレート3上
に落下し、ごみ排出シュート3bから排出コンベヤ74
に至り、ここから、よって装置外に排出される。
【0132】したがって、爪5および堰止板4を損傷す
ることなく連続して処理を行うことができる。上記の硬
質物を除去する作用を図12に基づいて説明する。
【0133】同図(A)に示すように、スリット4Aよ
り大きな硬質物79に向かって起きた状態の爪5が進行
する。同図(B)に示すように、爪5と堰止板4との間
に硬質物79が噛み込むと、爪5が弾性部材の弾性力に
抗してその進行方向と逆方向に回動して倒れる。
【0134】同図(C)に示すように、爪5が回動する
ことにより、硬質物79が爪5と堰止板4との間から逃
げる。従って、同図(D)に示すように、爪5が堰止板
4のスリット4Aを通り抜けて進む。
【0135】かかる動作によって、堰止板4と爪5の間
に噛み込んだ硬質物79を除去でき、爪5および堰止板
4を損傷することなく連続して処理が可能となる。ま
た、間隔部61(排出部)よりも大きい粗大物(硬質
物)等が投入された場合は、上記の噛み込み防止作用に
よって粗大物の噛み込みが防止され、また、無端コンベ
ヤ2が、その移動部方向と直交する方向の一側部が他側
部より高位に位置するように傾斜して配設されているた
め、粗大物は装置内で爪5による引掻上方移動と堰止板
4近傍からの落下とによって上下運動を繰り返し受け、
徐々に無端コンベヤ2の低位の他側部の側に設けられた
粗大物排出口に近づく方向に送られ、この粗大物排出口
70から装置外に排出される。
【0136】ここで、爪5に引っ掛けられて、堰止板4
のスリット4Aを通過した袋78は、無端コンベヤ2の
下側の移動部へと引き込まれて、重力の作用により袋シ
ュート71へと落下する。しかし、一部の袋78は、袋
シュート71上で落下せずに、爪5に引っ掛けられたま
まの場合がある。
【0137】この爪5に引っ掛けられたままの袋78
は、袋落下防止ガイド63上を爪5に引きずられて通過
して、さらに無端コンベヤ2の上側の移動部を通過し
て、再度下側の移動部に引き込まれ、重力の作用により
袋シュート71へと落下する機会を得る。
【0138】すなわち、袋落下防止ガイド63によっ
て、袋シュート71側に落下しない袋78が袋シュート
71以外に落下することを防止しており、袋78が袋シ
ュート71側に確実に落下するようにして、袋78の選
別能力の向上を図っている。
【0139】また、袋落下防止ガイド63の各細板部材
64の下側湾曲部64C側の端部の並列する方向に沿っ
て水平方向に伸びて配設される分岐ローラ67を設け、
これをその上側の移動部が袋シュート71側に向かって
回転移動するように回転駆動するようにしたから、袋シ
ュート71に向かって落下せずに、袋シュート71の小
片シュート72との境部近傍位置に落下するような袋7
8は、分岐ローラ67の回転によって袋シュート71側
へと強制的に運ばれるようになり、袋78が袋シュート
17の小片シュート72との境部近傍位置に落下して、
ここに引っ掛かるのが防止され、袋78を確実に袋シュ
ート71に落下させることができる。
【0140】なお、袋落下防止ガイド63の各細板部材
64の下側湾曲部64C側における爪5の移動部から外
れる端部位置においては、隣り合う各細板部材64間に
袋78が詰まることがあるが、上記の分岐ローラ67
が、袋落下防止ガイド63の各細板部材64の下側湾曲
部64C側の端部に近接して設けられているため、この
分岐ローラ67によって袋落下防止ガイド63の各細板
部材64の下側湾曲部64C側の端部位置に袋が至ら
ず、この位置の隣り合う各細板部材64間に袋78が詰
まることが防止されている。
【0141】さらに、プレート3のスリット3Aから抜
け落ちたごみ等の小片80は、通常無端コンベヤ2の上
側の移動部にあるスラット18を滑って小片シュート7
2内に落下するが、さらに無端コンベヤ2のスラット1
8間の間隙から無端コンベヤ2の上側の移動部と下側の
移動部との間に落下した小片80は、その一部が、無端
コンベヤ2の下側の移動部の方に直接的に落下し、他部
は、小片ガイド73上面に落下して受けられ、小片ガイ
ド73上面を滑りながら無端コンベヤ2の下側の移動部
の方に落下する。
【0142】この落下した小片80は、さらに無端コン
ベヤ2の下側の移動部の間隙と袋落下防止ガイド63の
各組の細板部材64間の間隔および各組間の間隔を通過
して小片シュート72内に落下する。
【0143】この小片ガイド73を設けることにより、
無端コンベヤ2の爪5が設けられていないスラット18
を除去しても、確実に落下した小片80を小片シュート
72内に落下さすことができ、無端コンベヤの構成を簡
略化できる。すなわち、スラット18除去部から無端コ
ンベヤ2の上側の移動部と下側の移動部との間に落下し
た小片80は、その一部が、下側移動部のスラット18
除去部の方に直接的に落下し、他部は、小片ガイド73
上面に落下して受けられ、小片ガイド73上面を滑りな
がら下側移動部のスラット18除去部の方に落下し、最
終的に小片シュート72に到る。
【0144】上記のようにして、ごみの詰まった袋78
は堰止板4のスリット4Aの通過が抑制され、爪5に引
っ掛けられた袋78は、爪5の移動に伴って引き裂か
れ、かかる作用を数回繰り返すことにより、袋78は引
き裂かれて、ごみは袋78から出る(引き裂き作用)。
【0145】このような引き裂き作用を受ける袋のう
ち、引き裂かれて完全にごみが出た袋、引き裂き作用の
途中でごみが残っている袋を問わず、袋の一部が堰止板
4のスリット4Aを通過し、残りの部分が堰止板4のス
リット4Aを通過していない状態で、スリット4Aの爪
5の通過部分(基端部)と反対側の端部(先端部)側に
引っ掛かった状態となる場合がある。
【0146】破袋装置の運転を続けると、この端部側に
詰まった袋は、爪5のこの端部側への押出し作用などに
より新たにスリット4Aの該端部側に詰まる袋に押され
て、該端部の開放された部分に達すると、ここから外れ
る。
【0147】例えば、本実施形態のように、爪5が通過
可能なスリット3Aを有するプレート3を設けたもので
は、上記の外れた袋はプレート3上に落下し、落下した
袋は、再度爪5に引っ掛けられて、堰止板4のスリット
4Aの方向に運ばれて、「引き裂き作用」を受け、安定
した連続的な破袋運転が可能となる。
【0148】さらに、本実施形態においては、スリット
4Aは、爪5の通過部分と反対側の先端部(スリット4
Aを通過する爪5の先端より先の先端部)に向かって徐
々にスリット幅が広くなるように形成されているため、
スリット4Aを移動する際の袋の通過抵抗が軽減され、
スリット4Aに詰まった袋を速やかに押し出すことが可
能となる。
【0149】すなわち、前述のように、新たにスリット
4Aの爪5の通過部分と反対側の先端部側に向かって詰
まる袋によって、既に先端部側に詰まっていた袋が該先
端部の開放された部分に向けて押し出される作用におい
て、例えば、爪5を、弾性部材を有して、その爪先部に
かかる抵抗に応じて移動方向と反対側に揺動可能若しく
は起倒可能に構成したものでは、スリット4Aに詰まっ
ている袋が弾性部材の弾性力に押されて移動する。この
間、袋は圧縮された状態となり、スリット4Aを移動す
るときに、圧縮圧に応じて袋の通過抵抗は大きくなる。
【0150】袋の材質、大きさ、袋の汚れ具合等によっ
て、堰止板4のスリット4Aを移動する際の通過抵抗は
極端に大きくなり、従来のスリット4Aの先端部が閉ざ
されているときと同様に、一時的にスリット4Aに袋が
重なるように詰まってしまう場合がある。
【0151】この間は、スリット4Aの先端部が閉ざさ
れているときと同様に、装置の破袋処理能力が低下して
しまうが、先端部に向かって徐々にスリット幅が広くな
るように形成されているため、スリット4Aを移動する
際の袋の通過抵抗が軽減され、スリット4Aに詰まった
袋が速やかに押し出される。
【0152】また、本実施形態においては、スリット4
Aの爪5の通過部分と反対側の先端部近傍位置であっ
て、堰止板4の堰止面の裏側にあたる裏面と所定間隔を
介して対面する位置に、スリット幅方向に横断する袋の
回り込み防止用の堰57を設けるようにしたから、袋の
ごみが残った部分が爪5の堰止板4の先端部の開放され
た部分を回り込もうとした場合でも、堰57によってそ
の回り込み移動が阻止される。
【0153】この阻止された状態でも、爪5は、袋を引
きちぎるか、袋を外した状態でスリット4Aを通過し、
結局、袋は落下する。本実施形態のように、爪5が通過
可能なスリット3Aを有するプレート3を設けたもので
は、上記の爪5から離れた袋はプレート3上に落下し、
落下した袋は、再度爪5に引っ掛けられて、堰止板4の
スリット4Aの方向に運ばれて、「引き裂き作用」を受
け、以上により、安定した連続的な破袋運転が可能とな
る。
【0154】また、本実施形態においては、堰止板4と
プレート3とが一体形成されているので、この部分で噛
み込みが発生することがない。さらに、本実施形態にお
いては、爪5が、無端コンベヤ2のその移動部に沿うス
ラット18の上側に取り付けられたことによって、爪5
のメンテナンスが容易となる。
【0155】また、図2〜図5の実施形態で示した爪5
の取付座19の側壁は、無端コンベヤ2の移動方向に向
かうに従ってより低くなる傾斜面19Aを有する略台形
状に形成されたことによって、例えば、投入された異物
として、水筒のように紐を有するものでは、その水筒本
体が堰止板4で阻止され、その紐が万が一にもプレート
3のスリット3Aに入り込んで爪5の取付座19に引っ
掛かった場合でも、紐が取付座19から滑り抜け易く、
装置が非常停止するおそれを極力回避できるようになっ
ている。
【0156】また、図6の実施形態で示した爪5は、無
端コンベヤ2の移動部であるスラット18の下側に取り
付けられているので、移動部であるスラット18の上側
に不要な凹凸を極力回避でき、爪5をスラット18上側
に取付座を介して取り付けたもののようにプレートのス
リットを通過した袋から出たごみが引っ掛かるおそれが
ない。
【0157】次に、以上の構成の第1の実施形態の破袋
装置における各部の寸法等を図6等を参照して説明す
る。爪5は、直線状でも差し支えないが、本実施形態に
おいては、爪5の爪先部5Aは、爪5の移動方向に屈曲
されており、その屈曲角度θは、30°〜80°、好ま
しくは45°〜60°の範囲がよい。
【0158】屈曲角度θが60°により近づくことで、
爪5が袋78を引っ掛けるのが容易となるため、破袋効
率が高まる。上記の範囲の角度より小さい場合は、爪5
により袋78を引っ掛けることがし損じやすくなり、破
袋に必要な時間が長くなる。即ち、処理能力が低下す
る。
【0159】また、上記の範囲の角度より大きい角度で
は、堰止板4と爪5に、固形物が挟まった場合に、爪5
が可動した場合であっても、スムーズに固形物を逃がす
ことが難しくり、結果として、ごみの破損を発生させ
る。
【0160】なお、屈曲部の長さaは、10mm〜50
mm好ましくは25mm〜35mmの範囲とするのが良
い。屈曲部の長さaが、上記の範囲の長さよりも短い場
合には、爪5により袋78を引っ掛けることがし損じや
すくなり、破袋に必要な時間が長くなる。即ち、処理能
力が低下する。
【0161】また、爪の厚みbは、爪の強度が許す限り
薄い方が好ましいが、例えば、3mm〜10mm程度が
現実的である。次に、堰止板4とプレート3(無端コン
ベヤ2)との関係について説明する。
【0162】本実施形態の如く、堰止板4を、プレート
3に一体に連続形成し、プレート3の先端部が徐々に湾
曲して爪5の先端軌道より外方に位置するようにして形
成したものは、爪5の移動範囲内(爪の先端軌道と堰止
板4またはプレート3との間)においては、爪5先端の
軌道と垂直な仮想線と堰止板4の接線との角度が常に零
度以上になるように(堰止板4の接線のプレート外方側
が、爪5先端の軌道と垂直な仮想線に対して上側となる
ように)、堰止板4を緩やかに湾曲させるのが好まし
い。これにより、電線コード、電線ケーブル、ハンガ
ー、傘等の爪5に押されて変形しスリット4Aに詰まり
やすい異物が噛み込んだ場合でも、堰止板4が緩やかに
湾曲しているので、爪5によって押されても異物に対し
て外方への分力が生じ、自動的に取り除かれる。この作
用効果は、爪5を、捩じりコイルスプリング20、22
等の弾性部材を有して、その爪5先部にかかる抵抗に応
じて移動方向と反対側に揺動可能若しくは起倒可能に構
成した作用効果と相まってより効果的に発揮される。
【0163】なお、後述する図13〜図16の如き、堰
止板4とプレート3(無端コンベヤ2)や回転ドラム8
2の区画が明確な場合には、堰止板4とプレート3(無
端コンベヤ2)や回転ドラム82とがなす角度φ(図1
5参照)を60度〜120度好ましくは80度〜100
度とするのが好ましい。
【0164】さらに、爪5と堰止板4との関係について
説明する。爪5のプレート3から上方の爪の垂直高さで
ある爪有効長cは、100mm〜200mmとする。
【0165】この爪5の爪有効長cは、袋78の大きさ
によって最適値が異なる。処理対象の袋78の大きさに
幅がある場合には、数種類の長さの爪5を組み合わせる
ことも有効である。
【0166】堰止板4のスリット幅dは、爪5と破袋さ
れた袋78のみが通過する範囲とし、15mm〜40m
m好ましくは20mm〜35mmとする。また、爪5と
堰止板4のスリット4Aとの隙間は、爪の両側で各5m
m以上確保するのが好ましい。
【0167】上記のスリット幅dが狭いと、破袋した袋
78が堰止板4のスリット4Aを通過することが困難と
なり、破袋した袋78の円滑な排出が行われなくなるこ
とで、破袋効率の低下をきたす。また、スリット幅dが
広すぎると、スリット4Aを袋78と共にごみも通過し
てしまい、袋78にごみが入ったままの不完全破袋物を
発生させてしまう。
【0168】次に、プレート3と爪5との関係について
説明する。爪5とプレート3のスリット3Aとの隙間
は、(爪5の厚さ+0mm〜30mm)好ましくは(爪
5の厚さ+10mm〜20mm)とする。この隙間は、
プレート3のスリット3Aにおける爪5の円滑な通過が
可能な範囲においてできる限り小さい方が好ましい。こ
の隙間が大き過ぎると大きいごみがスリットから落下し
易くなる。
【0169】次に、第1の実施形態におけるプレート3
のごみ排出シュート3bと切出シュート60との間隔部
(排出部)61について説明する。上記の間隔部61
は、処理対象となるごみの排出が可能な範囲で可能な限
り小さい方が、ごみの入った小さい袋が爪5に引っ掛か
らずに排出されてしまうことが少なくなる。
【0170】ごみとして、缶、びん、プラスチックボト
ルを対象にする場合、上記の間隔fは、80mm〜20
0mm好ましくは120mm〜160mmとするのが良
い。なお、以上の実施形態においては、無端コンベヤ2
に複数の爪5のみを設けた例を示したが、これに限ら
ず、複数の爪5の幾つかに代えて袋を切ることのできる
刃物を設けてもよいのは当然である。
【0171】また、以上の実施形態においては、爪5と
弾性部材であるコイルスプリング20,22とは別体化
されているが、爪と弾性部材としてのコイルスプリング
とをを同一の線材で構成し一体としたものでもよい。こ
の場合、コイルスプリング部分がピンに挿通支持された
状態で爪座に係止され、そのコイルスプリング部分から
張り出す線材部分が爪部分となるようにすればよい。
【0172】さらに、ごみの排出コンベヤ74は、それ
自体を独立させて設置する必要はなく、ごみを次工程に
搬送するコンベヤを排出部下方まで延長して、ごみ排出
コンベヤ74と兼用させるようにしても良い。
【0173】次に、本発明の第2の実施形態を図13に
基づいて説明する。この実施形態の破袋装置は、基本的
には第1の実施形態の破袋装置の構成と同様であり、ご
みの排出コンベヤ74を袋シュート71と並列した位置
に配し、この排出コンベヤ74を小片の回収と排出に使
用するようにしたものである。
【0174】具体的には、排出シュート部3bを無端コ
ンベヤ2の前端部にて下方に折り曲げて垂下させる一
方、この排出シュート部3bに間隔をもって対面する位
置に本体ケーシング1内壁を位置させ、排出シュート部
3bと本体ケーシング1内壁との間隔の下方位置に排出
コンベヤ74を配設する。
【0175】また、袋落下防止ガイド63位置から落下
する小片80を排出コンベヤ74に向かわせるように、
袋シュート71と連接して排出コンベヤ74側に向かっ
て傾斜して伸びるガイド板81を設ける。
【0176】かかる実施形態においては、排出コンベヤ
74を小片の回収と排出に兼用した構成としたことによ
り、第1の実施形態と比較して装置をコンパクトに抑え
ることができる。
【0177】また、第1の実施形態の破袋装置の構成と
ことなり、この第2の実施形態の破袋装置は、堰止板4
とプレート3とが一体に形成されているが、堰止板4と
プレート3とが所定の角度で折り返されており、その区
画が明確になっている。
【0178】なお、上述した作用・効果以外の第2の実
施形態の作用・効果は、第1の実施形態と同様である。
かかる第2の実施形態は、爪5が通過可能なスリット3
Aを有するプレート3を無端コンベヤ2の上側の移動部
に沿って該無端コンベヤ2の上方に配設した構成を特徴
としており、移動部に沿って配列された複数の爪5を有
する一つの無端コンベヤ2を配設した構成としたが、上
記の特徴を有する破袋装置として、移動部に沿って配列
された複数の爪をそれぞれ有する2つの無端コンベヤ
を、それぞれの上側の移動部の移動方向先が高位に位置
するように、かつ、それぞれの下端部相互が所定の間隔
をおいて接近し、上端部相互が最も離隔するように相対
向させて、すなわち、両無端コンベヤを、略V字形をな
すように傾斜して対面して設置した構成のものでも良い
(第3の実施形態)。
【0179】かかる第3の実施形態の両側に無端コンベ
ヤを配した破袋装置は、両側の無端コンベヤの爪による
プレート下端部周辺での引き裂き作用とプレート上端部
周辺における爪と堰止板との作用によって、片側に無端
コンベヤ2を配した破袋装置と比較して、2倍以上の破
袋処理能力を発揮する。
【0180】なお、上述した作用・効果以外の第3の実
施形態の作用・効果は、第1の実施形態と同様である。
次に、本発明の第4の実施形態を図14に基づいて説明
する。
【0181】この実施形態の破袋装置は、基本的には第
1〜第3の実施形態の破袋装置の構成と同様であり、異
なる点は、爪が通過可能なスリットを有するプレートを
無端コンベヤ2の上側の移動部に沿って配設していない
点である。
【0182】すなわち、この実施形態においては、少な
くとも下端部と上端部との間の上側の移動部において略
連続した面が形成され、移動部に沿って配列された複数
の爪5を有する無端コンベヤ2を、その上側の移動部の
移動方向先が高位に位置するように配設すると共に、堰
止板4を、その一端部が前記無端コンベヤ2の上側の移
動部の面に接し若しくは近接し、他端部が該上側の移動
部外方に位置するように設けた点が先の実施形態とは異
なる。
【0183】この実施形態において、堰止板4は、図1
5に示すように、横方向に所定間隔(スリットとなる間
隔)で並列して並べられ、かつ、相互に連結される多数
の方形状の堰止板構成部材51から構成される。
【0184】また、各堰止板構成部材51を、該各堰止
板構成部材51の所定間隔を維持した状態で互いに連結
すると共に固定支持する連結支持部材が設けられてい
る。前記連結支持部材は、各堰止板構成部材51の堰止
面の裏側にあたる裏面と離隔する位置に配設され、本体
ケーシング1壁に固定された横桟部材52(第1の支持
部)と、該横桟部材52からそれぞれ各堰止板構成部材
51の堰止面に向かって伸びて該堰止面に固定される複
数の支持足53(第2の支持部)と、を含んで構成され
る。
【0185】この場合、各支持足53は、その一端部が
各堰止板構成部材51の上面にボルト54等により固定
された取付板55に溶接等によって固着されて立設さ
れ、横方向に並列して並べられる。
【0186】そして、並列して並べられた各支持足53
の他端部は、横桟部材52の側面にボルト56等により
固定される。ここで、本実施形態においては、前記堰止
板4のスリット4A、すなわち、隣接する堰止板構成部
材51間の間隔は、爪5の通過部側端部から該端部と反
対側の端部(先端部)に向かって徐々にスリット幅が広
くなるように形成される。
【0187】この場合、隣り合う堰止板構成部材51の
内側面が斜めにカットされて、上記のスリット幅に設定
される。また、堰止板4のスリット4Aの爪5の通過部
側端部(通過部分)と反対側の先端部近傍位置であっ
て、堰止板4の堰止面(図15において下面)の裏側に
あたる裏面(図15において上面)と所定間隔を介して
対面する位置に、スリット幅方向に横断する袋の回り込
み防止用の堰57が設けられている。
【0188】この堰57は、横方向に並列して並べられ
た各支持足53の横桟部材52取付面側に配置された横
方向の板部材からなり、その堰57の両端部がボルト5
8等によって両側に位置する支持足53に固定される。
【0189】また、この実施形態においては、第2の実
施形態と同様に、ごみの排出コンベヤ74を袋シュート
71と並列した位置に配し、この排出コンベヤ74を小
片80の回収と排出に使用するようにしている。
【0190】かかる実施形態においても、排出コンベヤ
74を小片80の回収と排出に兼用した構成としたこと
により、第1の実施形態と比較して装置をコンパクトに
抑えることができる。
【0191】なお、堰止板4と無端コンベヤ2との間の
硬質物等の噛み込み対策として、例えば、本体ケーシン
グ1壁にヒンジ等を介して前記横桟部材52を揺動可能
に取付けると共に、スプリング等の揺動手段を本体ケー
シング1壁と前記支持足53に介装し、所定以上の力が
堰止板4に加わった場合、堰止板4が爪5の移動方向に
後退するように構成してもよい。この対策は、第1〜3
の実施形態においてプレート3と堰止板4を別体とする
場合にも有効である。
【0192】以上、上述した作用・効果以外の第4の実
施形態の作用・効果は、第1の実施形態で説明した作用
・効果と同様である。かかる第4の実施形態は、堰止板
4を、その一端部が無端コンベヤ2の上側の移動部の面
に接し若しくは近接し、他端部が該上側の移動部外方に
位置するように設けた点を特徴としており、移動部に沿
って配列された複数の爪5を有する一つの無端コンベヤ
2を配設した構成としたが、上記の特徴を有する破袋装
置として、少なくとも下端部と上端部との間の上側の移
動部において略連続した面がそれぞれ形成され、移動部
に沿って配列された複数の爪をそれぞれ有する2つの無
端コンベヤ2を、それぞれの上側の移動部の移動方向先
が高位に位置するように、かつ、それぞれの下端部相互
が所定の間隔をおいて接近し、上端部相互が最も離隔す
るように相対向させて、すなわち、両無端コンベヤを、
略V字形をなすように傾斜して対面して設置した構成の
ものでも良い(第5の実施形態)。
【0193】かかる第5の実施形態の両側に無端コンベ
ヤを配した破袋装置は、両側の無端コンベヤの爪による
下端部周辺での引き裂き作用と上端部周辺における爪と
堰止板との作用によって、片側に無端コンベヤ2を配し
た破袋装置と比較して、2倍以上の破袋処理能力を発揮
する。
【0194】次に、本発明の破袋装置の第6の実施形態
を図16に基づいて説明する。この実施形態の破袋装置
は、回転ドラム82と、堰止板83と、を含んで構成さ
れ、堰止板83は、その一端が前記回転ドラム82の内
周面に接しまたは近接し、該回転ドラム82の略回転中
心軸方向に沿った状態で当該回転ドラム82の外側で固
定され、かつ回転ドラム82の周壁内面には、該回転ド
ラム82と一体に回転移動する複数の爪84が設けられ
ると共に、堰止板83にはこれらの回転移動する爪84
が通過可能で、かつ両端部が開放されたスリット83A
が形成されたことを特徴としている。
【0195】すなわち、破袋装置は、回転中心軸が横方
向の回転ドラム82と、該回転ドラム82内側に設けら
れる堰止板83と、を含んで構成される。前記回転ドラ
ム82は、円筒状に形成されており、一方の開放端部が
投入部として、他方の開放端部が排出部として構成され
ている。
【0196】そして、かかる回転ドラム82は、投入部
側が高位、排出部4側が低位となるように傾斜して配設
され、回転ドラム82の底部の該回転ドラム82の回転
中心軸方向に離隔する2位置に夫々左右に一対ずつ配設
された受ローラ85により回転自在に支持されており、
図示しない回転装置によって、回転中心軸を中心として
回転駆動される。
【0197】この場合、堰止板83は、先の実施形態と
同様に、横方向に所定間隔(スリットとなる間隔)で並
列して並べられ、かつ、相互に連結される多数の方形状
の堰止板構成部材86から構成される。
【0198】また、各堰止板構成部材86を、該各堰止
板構成部材86の所定間隔を維持した状態で互いに連結
すると共に固定支持する連結支持部材87が設けられて
いる。
【0199】なお、この連結支持部材87による各堰止
板構成部材86の連結・固定支持構造は、前記連結支持
部材の横桟部材(第1の支持部)が、先の実施形態の本
体ケーシング1壁に固定されるのと異なり、回転ドラム
82の外側で固定され回転ドラム82内を挿通する図示
しない梁に固定されている。その他の点は、先の実施形
態と同様(図15参照)であり、この説明を省略する。
【0200】また、この実施形態においても、先の実施
形態と同様に、堰止板83のスリット83Aの爪84の
通過部側端部(通過部分)と反対側の先端部近傍位置で
あって、堰止板83の堰止面(図16において下面)の
裏側にあたる裏面(図16において上面)と所定間隔を
介して対面する位置に、スリット幅方向に横断する袋の
回り込み防止用の堰88が設けられている。
【0201】次に、かかる構成の破袋装置の作用を説明
する。ごみ(缶、びん、プラスチックボトル、厨芥等)
が入ったビニール袋(以下、単に袋と言う)78が投入
部から回転ドラム82へ投入されると、傾斜した回転ド
ラム82の回転により、排出部側へと送られ、回転ドラ
ム82内の爪84が設置してある位置に到達する(図1
7(A)参照)。
【0202】袋78は、爪84に引っ掛けられて、回転
ドラム82の回転方向へと掻き揚げられ、爪84が堰止
板83のスリット83Aを通過しようとする(図17
(B)参照)。
【0203】スリット83Aを通過できるのは、回転ド
ラム82内に設置した爪84と、これに引っかけられた
袋78等の軟質なもののみで、スリット83Aより幅の
広い缶、びん、プラスチックボトル等の硬質ごみは、ス
リット83Aを通過できない。
【0204】従って、ごみの詰った袋78はスリット8
3Aの通過を抑制される一方、爪84に引っ掛けられた
袋78は爪84の移動に伴って引き裂かれる(図17
(C)及び図17(D)参照)。
【0205】かかるごみの詰った袋78がスリット83
Aの通過を抑制され、かつ爪84に引っ掛けられた袋7
8が爪84によって引き裂かれるという作用を数回繰り
返すうちに、袋78は引き裂かれて、ごみは袋78から
出る。
【0206】また、袋78の中にさらに小さい袋が入っ
て場合は、その小さい袋も排出部側方向に数箇所設けら
れた爪84とスリット83Aにより同様に破袋される。
袋13から出たごみは、回転ドラム82の回転により排
出部側へと送られて、やがて排出される。
【0207】ごみの出た袋78は、爪84に引っ掛けら
れてスリット83Aを通過し、スリット83Aの上方へ
と掻き揚げられ、回転ドラム82の頂上部で重力の作用
により落下する。
【0208】なお、堰止板83と回転ドラム82との間
の硬質物等の噛み込み対策として、前述したように、回
転ドラム82の外側で固定され回転ドラム82内を挿通
する図示しない梁にヒンジ等を介して前記横桟部材を揺
動可能に取付けると共に、スプリング等の揺動手段を梁
と支持足(第2の支持部)に介装し、所定以上の力が堰
止板83に加わった場合、堰止板83が爪84の移動方
向に後退するように構成してもよい。
【0209】上述した作用・効果以外の第6の実施形態
の作用・効果は、第1の実施形態で説明した作用・効果
と同様である。
【0210】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜9のい
ずれかに記載の本発明に係る破袋装置によれば、例え
ば、ごみの詰まった袋は、堰止板のスリットの通過が抑
制され、爪に引っ掛けられた袋は、爪の移動に伴って引
き裂かれ、かかる作用を数回繰り返すことにより、袋は
引き裂かれて、ごみは袋から出るという引き裂き作用を
受ける袋のうち、引き裂かれて完全にごみが出た袋、引
き裂き作用の途中でごみが残っている袋を問わず、袋の
一部が堰止板のスリットを通過し、残りの部分が堰止板
のスリットを通過していない状態で、スリットの爪の通
過部分(基端部)と反対側の端部(先端部)側に引っ掛
かった状態となっても、破袋装置の運転を続けると、ス
リットの該端部側に詰まった袋は、新たにスリットのこ
の端部側に詰まる袋に押され、該端部の開放された部分
に達すると、ここから外れるので、スリットが詰まった
袋で堅く埋まり閉塞するのが防止され、自然に詰まった
袋がスリットから排出されて、爪と堰止板とによる袋の
引き裂き作用が常時発揮され、安定した連続的な破袋運
転が可能となる。
【0211】特に、請求項2〜6のいずれかに記載に係
る発明の破袋装置によれば、被梱包物を梱包しているビ
ニール等の包装材からなる袋の大きさに制限を受けるこ
となく破袋が行えると共に、破袋されずに未処理のまま
排出されるという事態を可及的に回避でき、効率の良い
破袋装置を提供することができ、しかも、爪を、弾性部
材を有して、その爪先部にかかる抵抗に応じて移動方向
と反対側に揺動可能若しくは起倒可能に構成したから、
堰止板のスリットと爪の間に噛み込んだ硬質物の除去効
果を得られ、爪およびスリットが損傷を受けることなく
連続して破袋処理を行うことができる。
【0212】さらに、請求項3に係る発明によれば、移
動部に沿って配列された複数の爪をそれぞれ有する2つ
の無端コンベヤを、それぞれの上側の移動部の移動方向
先が高位に位置するように、かつ、それぞれの下端部相
互が所定の間隔をおいて接近し、上端部相互が最も離隔
するように相対向させて設けるようにしたから、両側の
無端コンベヤの爪によるプレート下端部周辺での引き裂
き作用とプレート上端部周辺における爪と堰止板との作
用によって、請求項1に係る発明の片側に無端コンベヤ
を配し爪と堰止板との作用によって破袋する破袋装置と
比較して、2倍以上の破袋処理能力を発揮する。
【0213】同様に、請求項5に係る発明によっても、
移動部に沿って配列された複数の爪をそれぞれ有する2
つの無端コンベヤを、それぞれの上側の移動部の移動方
向先が高位に位置するように、かつ、それぞれの下端部
相互が所定の間隔をおいて接近し、上端部相互が最も離
隔するように相対向させて設けるようにしたから、両側
の無端コンベヤの爪によるコンベヤ下端部周辺での引き
裂き作用とコンベヤ上端部周辺における爪と堰止板との
作用によって、片側のみに無端コンベヤを配し爪と堰止
板との作用によって破袋する破袋装置と比較して、2倍
以上の破袋処理能力を発揮する。
【0214】また、請求項7に係る発明によれば、堰止
板のスリットを両端部が開放された構成とする上で、堰
止板のスリットが確実に形成され、かつ、安定して支持
することができる。
【0215】請求項8に係る発明によれば、スリット
は、爪の通過部分と反対側の先端部に向かって徐々にス
リット幅が広くなるように形成されているため、スリッ
トを移動する際の袋の通過抵抗が軽減され、スリットに
詰まった袋を速やかに押し出すことが可能となる。
【0216】請求項9に係る発明によれば、スリットの
爪の通過部分と反対側の先端部近傍位置であって、堰止
板の堰止面の裏側にあたる裏面と所定間隔を介して対面
する位置に、スリット幅方向に横断する袋の回り込み防
止用の堰を設けるようにしたから、袋のごみが残った部
分が爪の堰止板の先端部の開放された部分を回り込もう
とした場合でも、堰によってその回り込み移動が阻止さ
れる。阻止された袋は爪によって引きちぎられてスリッ
トを通過するか、可動する爪から外れて、再び爪にひっ
かけられて堰止板のスリットの方向に運ばれて、引き裂
き作用を受けるので、安定した連続的な破袋運転が可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る破袋装置の第1の実施形態を示
す正面断面図
【図2】 同上の実施形態におけるチェーンコンベヤの
正面断面図
【図3】 その側面図
【図4】 同上のチェーンコンベヤにおける一つのチェ
ーン構成部材と爪とスラットとの関係を示す側面図
【図5】 一つのチェーン構成部材と爪とスラットとの
関係を示す側面図で、スラットの他の例を示す図
【図6】 同上の実施形態における爪の支持構造を示す
図で、(A)は側面図、(B)はその正面図
【図7】 同上の実施形態におけるプレートと堰止板の
構成を示す斜視図
【図8】 同上の実施形態の破袋装置の平面図で、本体
ケーシング内を透視した図
【図9】 同上の実施形態における袋落下防止ガイドの
構成を示す斜視図
【図10】 同上の実施形態におけるプレート上面の袋の
投入落下位置の構成を示す正面断面図
【図11】 (A)〜(D)は同上の実施形態における破
袋作用を説明する図
【図12】 (A)〜(D)は同上の実施形態における堰
止板のスリットと爪の間に噛み込んだ硬質物を除去する
作用を説明する図
【図13】 本発明に係る破袋装置の第2の実施形態の正
面断面図
【図14】 本発明に係る破袋装置の第4の実施形態の正
面断面図
【図15】 同上の実施形態における堰止板の構成を示す
斜視図
【図16】 本発明に係る破袋装置の第6の実施形態の正
面断面図
【図17】 (A)〜(D)は同上の実施形態における破
袋作用を説明する図
【符号の説明】
1 本体ケーシング 2 無端コンベヤ 3 プレート 3A スリット 4 堰止板 4A スリット 5 爪 50 プレート構成部材 51 堰止板構成部材 57 袋の回り込み防止用の堰 78 袋 82 回転ドラム 83 堰止板 83A スリット 84 爪 85 堰止板構成部材 86 堰止板構成部材 87 連結支持部材 88 袋の回り込み防止用の堰
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−173530(JP,A) 特開 平7−237624(JP,A) 特表 平10−511910(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B02C 18/00 - 18/44 B65B 69/00 101 B09B 1/00 - 5/00 B65F 5/00 - 9/00

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】袋を引っ掛けて順次移動する複数の爪と、
    各爪が通過可能で内容物が入った袋の通過が抑制される
    スリットを有する堰止板と、を含んで構成され、各爪に
    引っ掛けられた袋が、前記堰止板を通過しようとする際
    に、各爪の移動に伴って引き裂かれるようにした破袋装
    置であって、 前記スリットは両端部が開放されたことを特徴とする破
    袋装置。
  2. 【請求項2】移動部に沿って配列された複数の爪を有す
    る無端コンベヤを、その上側の移動部の移動方向先が高
    位に位置するように設けると共に、 前記爪が通過可能なスリットを有するプレートを前記無
    端コンベヤの上側の移動部に沿って該無端コンベヤの上
    方に設ける一方、 前記プレートに固定または一体に連続形成され、かつ該
    プレートのスリツトに連なって前記爪が通過可能なスリ
    ットを有すると共に、該スリットを通過する爪の先端よ
    り外方に先端部が位置する堰止板を設け、 前記爪を、弾性部材を有して、その爪先部にかかる抵抗
    に応じて移動方向と反対側に揺動可能若しくは起倒可能
    に構成した破袋装置であって、 前記堰止板のスリットは先端部が開放されたことを特徴
    とする破袋装置。
  3. 【請求項3】移動部に沿って配列された複数の爪をそれ
    ぞれ有する2つの無端コンベヤを、それぞれの上側の移
    動部の移動方向先が高位に位置するように、かつ、それ
    ぞれの下端部相互が所定の間隔をおいて接近し、上端部
    相互が最も離間するように相対向させて設けると共に、 各無端コンベヤの爪が通過可能なスリットを有するプレ
    ートを各無端コンベヤの上側の移動部に沿って各無端コ
    ンベヤの上方にそれぞれ設ける一方、 各プレートごとに、該プレートに固定または一体に連続
    形成され、かつ該プレートのスリツトに連なって前記爪
    が通過可能なスリットを有すると共に、該スリットを通
    過する爪の先端より外方に先端部が位置する堰止板を設
    け、 各爪を、弾性部材を有して、その爪先部にかかる抵抗に
    応じて移動方向と反対側に揺動可能若しくは起倒可能に
    それぞれ構成した破袋装置であって、 前記堰止板のスリットは先端部が開放されたことを特徴
    とする破袋装置。
  4. 【請求項4】少なくとも下端部と上端部との間の上側の
    移動部において略連続した面が形成され、移動部に沿っ
    て配列された複数の爪を有する無端コンベヤを、その上
    側の移動部の移動方向先が高位に位置するように設ける
    と共に、 一端部が前記無端コンベヤの上側の移動部の面に接し若
    しくは近接し、他端部が該上側の移動部外方に位置する
    堰止板を設け、 前記堰止板には、前記爪が通過可能なスリットを設け、 前記爪を、弾性部材を有して、その爪先部にかかる抵抗
    に応じて移動方向と反対側に揺動可能若しくは起倒可能
    に構成した破袋装置であって、 前記堰止板のスリットは両端部が開放されたことを特徴
    とする破袋装置。
  5. 【請求項5】少なくとも下端部と上端部との間の上側の
    移動部において略連続した面がそれぞれ形成され、移動
    部に沿って配列された複数の爪をそれぞれ有する2つの
    無端コンベヤを、それぞれの上側の移動部の移動方向先
    が高位に位置するように、かつ、それぞれの下端部相互
    が所定の間隔をおいて接近し、上端部相互が最も離隔す
    るように相対向させて設けると共に、 各無端コンベヤごとに、一端部が無端コンベヤの上側の
    移動部の面に接し若しくは近接し、他端部が該上側の移
    動部外方に位置する堰止板をそれぞれ設け、 各堰止板には、各爪が通過可能なスリットをそれぞれ設
    け、 各爪を、弾性部材を有して、その爪先部にかかる抵抗に
    応じて移動方向と反対側に揺動可能若しくは起倒可能に
    それぞれ構成した破袋装置であって、 前記スリットは両端部が開放されたことを特徴とする破
    袋装置。
  6. 【請求項6】回転中心軸が横方向の回転ドラムと、 前記回転ドラム内側に設けられる堰止板と、 を含んで構成され、 前記堰止板は、その一端が前記回転ドラムの内周面に接
    し若しくは近接し該回転ドラムの略回転中心軸方向に沿
    った状態で当該回転ドラムの外側で固定され、 かつ回転ドラムの周壁内面には、該回転ドラムと一体に
    回転移動する複数の爪が設けられると共に、 前記堰止板にはこれらの回転移動する爪が通過可能なス
    リットが形成され、 さらに前記爪を、弾性部材を有して、その爪先部にかか
    る抵抗に応じて移動方向と反対側に揺動可能若しくは起
    倒可能に構成した破袋装置であって、 前記スリットは両端部が開放されたことを特徴とする破
    袋装置。
  7. 【請求項7】前記堰止板は、前記スリットを構成する所
    定間隔を介して並列して並べられる複数の堰止板構成部
    材から構成される一方、 前記堰止板には、各堰止板構成部材の所定間隔を維持し
    た状態で互いに連結すると共に固定支持する連結支持部
    材が設けられ、 前記連結支持部材は、各堰止板構成部材の堰止面の裏側
    にあたる裏面と離隔する位置に設けられた第1の支持部
    と、該第1の支持部からそれぞれ各堰止板構成部材の該
    裏面に向かって伸びて該裏面に固定される複数の第2の
    支持部と、を含んで構成されたことを特徴とする請求項
    1〜6のうちいずれか1つに記載の破袋装置。
  8. 【請求項8】前記堰止板のスリットは、爪の通過部分と
    反対側の先端部に向かって徐々にスリット幅が広くなる
    ように形成されたことを特徴とする請求項1〜7のうち
    いずれか1つに記載の破袋装置。
  9. 【請求項9】前記堰止板のスリットの爪の通過部分と反
    対側の先端部近傍位置であって、堰止板の堰止面の裏側
    にあたる裏面と所定間隔を介して対面する位置に、スリ
    ット幅方向に横断する袋の回り込み防止用の堰を設けた
    ことを特徴とする請求項1〜8のうちいずれか1つに記
    載の破袋装置。
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