JP3773708B2 - 破袋装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ごみ等の内容物を包装しているビニール袋等の包装材を破って、内容物を包装材から分離するための破袋装置に関し、例えばリサイクル施設において、収集ごみ袋の中から再利用可能な物を回収する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、排出されたごみの中から、缶、びん、プラスチックボトル等の再利用可能な物を取出し、これを資源として利用している。例えば、ごみのリサイクル施設においては、ビニール袋等の収集ごみ袋の中から、これら再利用可能な物が回収されている。
【0003】
従前では、作業者が収集ごみ袋を手作業で破るなどして内容物を取出し再利用可能な物を回収していたが、このような袋を破る作業は容易ではないため、これを機械化した破袋装置が提案されている。
【0004】
例えば、本出願人は、先に、移動部に沿って配列された複数の爪を有し、各爪が通過可能で内容物が入った袋の通過が抑制されるスリットを有する堰止板と、を含んで構成され、各爪に引っ掛けられた袋が、堰止板を通過しようとする際に、各爪の移動に伴って引き裂かれるようにした構成を基本とする破袋装置を種々提案している(特願平10−88049号、特願平10−196273号および特願平10−222918号参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
かかる破袋装置では、爪によって引っ掛けられたごみの詰まった袋が堰止板によって移動を抑制され、その時、爪の移動によって袋を引き裂き、引き裂かれて出たゴミを排出部へ排出させるという作用を行う。この際、ゴミが円滑に排出部へと導かれることが大切であり、そうでないと、ゴミの排出に時間を要して処理能力に劣るようになり、また装置内にゴミが滞留している間にごみの破損が助長されるという問題が生じる。
【0006】
一方、移動方向に沿って移動部に配列された複数の爪を有し、その上側の移動部の移動方向先が高位に位置するように設けられた無端コンベヤと、前記上側の移動部の上端部に前述のスリットを有する堰止板と、前記上側の移動部の下端部にごみの排出部を設けた破袋装置も提案されており、かかる破袋装置によれば、爪に引っ掛けられた袋は、移動部斜面を上へと移動し、堰止板を通過しようとする際に爪によって引き裂かれ、袋の中のごみは、自重によって移動部の斜面上を滑落して排出部へと向かうので、幾分かは処理時間が短縮化される。
【0007】
しかしながら、このような破袋装置にあっては、発泡スチロールの如く軽量なごみ、或いは接触面における摩擦係数の高い厨芥等のごみは、自重によっては滑落できず、排出部へと円滑に導かれ難いという不都合がある。
【0008】
本発明は、以上のような問題点に鑑みなされたものであり、引き裂かれた袋から出た内容物を円滑に排出部へと誘導し、以って処理時間の短縮を可能にする破袋装置の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の共通の課題を解決するため、請求項1に係る破袋装置は、袋を引っ掛けることが可能で順次移動する複数の爪と、各爪の通過が可能で所定大の内容物が入った袋の通過が抑制されるスリットを有する堰止板と、を含んで構成され、爪に引っ掛けられた袋が前記堰止板を通過しようとする際に、爪の移動に伴って該袋を引き裂き、引き裂かれた袋から出る内容物を袋の該堰止板への移動方向と反対の方向に移動するように構成された破袋装置であって、前記堰止板側から爪の移動面に沿って前記袋の該堰止板への移動方向と反対の方向に向け流体の流れをつくり、袋から出た内容物を該袋の堰止板への移動方向と反対の方向に円滑に移動させるノズルを有することとした。
【0010】
かかる請求項1並びに後述する請求項2、4及び6の各発明において、「爪」は、角状、板状、線状等の突起やフックなどを意味し、例えばピアノ線、鋼線等の線状部材でも良く、先端部が爪の移動方向に傾斜したり、かぎ状になっているものが好ましい。要は、袋等の包装材の一部に先端が食い込んで、包装材を引っ掛けたり、先端が包装材に接して剪断力により包装材を破る作用をなすものであればなんでもよい。
【0011】
又、同様に各発明において、流体の流れは、連続的なものであっても、間欠的なものであっても良い。さらに、流体の流れ方向は、所要の方向にだけ向けて全量が流れる必要はなく、そのベクトル成分が所要の方向になっていればよく、例えばプレートや無端コンベヤの側方に粗大物排出口等がある場合、流体流れを斜めにして、その各ベクトル成分が各請求項に記載された所要の方向と該粗大物排出口等とにそれぞれ向くようにしてもよく、流体の流れ方向は最も広義に解釈する概念とする。
請求項2に係る破袋装置は、移動方向に沿って移動部に配列された複数の爪を有する無端コンベヤを、その上側の移動部の移動方向先が高位に位置するように設け、前記爪が通過可能な第1のスリットを有するプレートを、前記無端コンベヤの上側の移動部に沿って該無端コンベヤの上方に設け、前記プレートに固定または一体に連続形成され、かつ該プレートの第1のスリットに連なって前記爪が通過可能で所定大の内容物が入った袋の通過を抑制する第2のスリットを有すると共に、該第2のスリットを通過する爪の先端より外方に先端部が位置する堰止板を設けた破袋装置であって、前記プレート上を、堰止板側から該プレートの下端部側に向かって流体の流れをつくり、袋から出た内容物の該プレートの下端部側への滑りを促進させるノズルを設けることとした。
【0012】
かかる請求項2に係る発明において、移動部に配列された複数の爪を有する無端コンベヤは、コンベヤベルトやコンベヤチェーン等の移動部において連続する面が形成されたコンベヤ、例えば、フラットトップコンベヤ、エプロンコンベヤ、パンコンベヤ等のチェーンコンベヤやベルトコンベヤに爪を設けたものが挙げられるが、その移動部において連続する面が形成されている必要はなく、単に、コンベヤチェーンにて移動される部材に爪を設けたものでも良い。
【0013】
さらに、前記「堰止板」は、物品として独立した部品を溶接、ボルト・ナット等でプレートに固定したものでなくともよく、前記プレートと一体で形成されたものであってもよい。さらに、プレートに一体に連続形成され、堰止板とプレートとの区画が不明確でプレートの一部であってもよく、要はプレートのスリットに連続して前記爪が通過可能なスリットを有すると共に、プレートの先端部が徐々に湾曲して該スリットを通過する爪の先端軌道より外方に先端部が位置するようになっていればよい。したがって、前記「堰止板」は、本明細書においては、“プレートの堰止部”という概念をも含み、請求項1に係わる発明を含めて、最も広義に解釈する概念とする。
【0014】
請求項3に係る破袋装置は、請求項2に係る破袋装置において、前記無端コンベヤ、前記プレート、前記堰止板及び前記ノズルを含むセットを少なくとも1対相対して設け、対をなす前記無端コンベヤの下端部相互が所定の間隔をおいて接近し、上端部相互が最も離間するように設けることとした。つまり、上記1対のセットを略V字型に相対させた。
【0015】
請求項4に係る破袋装置は、請求項2に係る破袋装置のプレートに代えて、移動部を略連続する面にて構成したものであって、少なくとも下端部と上端部との間の上側の移動部において略連続した面を形成し、移動方向に沿って移動部に配列された複数の爪を有する無端コンベヤを、その上側の移動部の移動方向先が高位に位置するように設け、一端部が該無端コンベヤの上側の移動部の面に接し若しくは近接し、他端部が該上側の移動部外方に位置する堰止板を設け、該堰止板には、前記爪が通過可能で所定大の内容物の通過を抑制するスリットを設け、前記上側の移動部の略連続した面上を、堰止板側から該移動部の前記下端部側に向け流体の流れをつくり、袋から出た内容物の該移動部の下端部側への滑りを促進させるノズルを設けることとした。
【0016】
かかる請求項4の発明において、「略連続する面」とは、最も広義に解するものとし、例えば、チェーンコンベヤにおいてチェーン間に橋渡された複数のスラット間に10ミリ以下、好ましくは5ミリ以下の間隙があっても差し支えなく、前記移動部と前記堰止板の一端部(下端部)との間隙を所定大の内容物が入った袋が破袋されずに通過することがない限り、実質的に連続する面とする。すなわち、移動部の面上に隙間があっても、目的とする破袋が該移動部と前記堰止板とで行えるかぎり、実質的に連続する面とする。
【0017】
請求項5に係る破袋装置は、請求項4に係る破袋装置において、前記無端コンベヤ、前記堰止板及び前記ノズルを含むセットを少なくとも1対相対して設け、対をなす前記無端コンベヤの下端部相互が所定の間隔をおいて接近し、上端部相互が最も離間するように設けることとした。
【0018】
請求項6に係る破袋装置は、請求項2に係る破袋装置の堰止板に代えて、固定刃をプレート上に形成したものであり、無端コンベヤと、該無端コンベヤの上側の移動部に沿って該無端コンベヤの上方に設けたプレートと、を含んで構成され、前記無端コンベヤは、その上側の移動部の移動方向先が高位に位置するように、該上側の移動部を傾斜させて設けるとともに、前記上側の移動部の移動方向前方に向けた爪先部を有する複数の爪をその移動部の外側に設け、前記プレートは、前記爪が通過可能なスリットと、該スリットの側方のプレート上面位置に、前記移動部の移動方向後方に向けられた刃部を有する複数の固定刃と、を備えた破袋装置であって、前記プレートに沿って該プレートの下端部側に向け流体の流れをつくり、袋から出た内容物の該プレートの下端部側への滑りを促進させるノズルを有することとした。
【0019】
請求項7に係る破袋装置は、請求項6に係る破袋装置において、前記無端コンベヤ、前記プレート及び前記ノズルを含むセットを少なくとも1対相対して設け、対をなす前記無端コンベヤの下端部相互が所定の間隔をおいて接近し、上端部相互が最も離間するように設けることとした。
【0020】
請求項8に係る破袋装置は、請求項1〜5の何れかに係る破袋装置において、ノズルは、前記堰止板の各スリット間に設けられることとした。
請求項9に係る破袋装置は、請求項2、3、6又は7の何れかに係る破袋装置において、ノズルは、前記プレートの各スリット間に設けられることとした。
【0021】
請求項10に記載の破袋装置は、請求項1〜9の何れかに係る破袋装置において、爪は、弾性部材により、爪の先端部にかかる抵抗に応じて、爪の移動方向後方側に揺動可能、若しくは起倒可能に構成されることとした。
【0022】
請求項11に係る破袋装置は、請求項1〜10の何れかに係る破袋装置において、前記流体として圧縮気体を用いることとした。
請求項12に係る破袋装置は、請求項1〜10の何れかに係る破袋装置において、前記流体として高圧液体を用いることとした。
請求項13に係る破袋装置は、請求項1〜12の何れかに係る破袋装置において、前記爪の移動面若しくは前記無端コンベヤの上面は、下方から上方に行くにしたがって傾斜勾配がきつくなり鉛直近くになる軌道形状を有することとした。
【0023】
【作用】
本発明の作用を説明する。
請求項1に係る破袋装置において、例えば、内容物(缶、びん、プラスチックボトル、厨芥等のごみ)を入れたビニール袋等の包装材(以下、単に袋と言う)が投入シュート等から移動部へと投入されと、袋は、移動部に設けられた爪に引っ掛けられて移動する。そして、その爪は袋を引っ掛けたまま、固定されている堰止板のスリットを通過しようとする。
【0024】
堰止板のスリットを通過できるのは、スリット幅よりも小さいもの、つまり、爪と、これに引っ掛けられた袋等の軟質なもののみで、スリット幅より大きな硬質ごみ等は、スリットを通過できない。
【0025】
従って、内容物の詰った袋はスリットの通過を抑制される一方、爪に引っ掛けられた袋は爪の移動に伴って引き裂かれる。
かかる内容物の詰った袋は堰止板のスリットの通過が抑制され、かつ爪に引っ掛けられた袋は、爪の移動に伴って引き裂かれ、袋の中から内容物が取り出される(引き裂き作用)。スリットを通過せずに爪から外れた袋は、後続の爪による引き裂き作用を再度受け、更に内容物が取り出される。このとき、例えば、堰止板の近傍に設置されたノズルによって、堰止板側から爪の移動面に沿って袋の該堰止板への移動方向と反対の方向に向かって連続的または間欠的に流体が流されているので、袋から出た内容物は袋の該堰止板への移動方向と反対の方向に円滑に移動し、処理能力を決定する爪の移動速度を速めても堰止板近傍や移動する爪間に滞留することがない。一方、内容物が完全に出た袋は、爪に引っ掛けられたまま堰止板を通過する。
【0026】
請求項2に係る破袋装置にあっては、移動部を有する無端コンベヤが、移動部の上側の移動方向先が高位に位置するように配置され、移動部の上方に移動部に沿ってプレートが設けられているので、プレート上に投入された袋は、プレートに設けられているスリットの間を下部から上部に向かう爪に引っ掛けられて、上方へと掻き揚げられる。そして、請求項1に係る破袋装置と同様の引き裂き作用を受ける。堰止板のスリットを通過せずに爪から外れた袋はプレート上を滑落し、後続の爪に引っ掛けられて、再度上方へと掻き揚げられ、同様に引き裂き作用を受ける。これにより安定した連続的な破袋運転が可能となる。
【0027】
内容物が完全に出た袋は、爪に引っ掛けられたまま、堰止板を通過する。
一方、袋から出た内容物は、隣り合う爪の間をすり抜けて傾斜したプレートの下端部側へと滑り落ちる。このとき、例えば、堰止板やプレートの近傍に設置されたノズルから、堰止板側から該プレートの下端部側に向かって流体が連続的または間欠的に流されているので、袋から出た内容物の該プレートの下端部側への滑りが促進される。
【0028】
すなわち、ノズルからの流体の流れに押し流されることによって更に滑りが促進されたり、または、流体がプレート上に単に介在することによってプレート面に対する内容物の摩擦が低減され、特に、発泡スチロール等の軽量もの、厨芥などの接触面における摩擦係数の高いもの等、自重によっては滑り落ちることが難しい内容物であっても、プレート面との摩擦を軽減させることができるので、該プレートの下端部側への滑りが促進される。
【0029】
その結果、内容物が容易に円滑に滑り落ちやすくなり、処理能力を決定する爪の移動速度を速めても堰止板近傍やプレート上に滞留することがない。
なお、ノズルからの流体の流れは、圧力があり流速が速いものが好ましいが、内容物の摩擦を低減するだけであれば、流体の流れは単に流体がプレート上に介在する程度でよく、高圧の速い流速は要しない。
【0030】
請求項3に係る破袋装置は、複数の爪を有す無端コンベヤ、プレート、堰止板及びノズルを含むセットを少なくとも1対相対して設け、対をなす前記無端コンベヤの下端部相互が所定の間隔をおいて接近し、上端部相互が最も離間するよう略V字形に対面させて設置したことによって、略V字形に相対向して配置されたプレート間の谷部上に落下した大きな袋は、両側の各爪に引っ掛けられて両側に引き裂かれる引き裂き作用を受けるので、この両側の無端コンベヤの爪によるプレート下端部周辺の引き裂き作用と、前述した無端コンベヤの爪と堰止板とによる引き裂き作用とによって、複数の爪を有す無端コンベヤ、プレート、堰止板及びノズルを片側だけに配置したものに比較して、2倍以上の破袋能力を発揮すると共に、例えば、堰止板やプレートの近傍に設置されたノズルから、堰止板側から該プレートの下端部側に向かって流体が連続的または間欠的に流されているので、袋から出た内容物の該プレートの下端部側への滑りが促進され、処理能力を決定する爪の移動速度を速めても堰止板近傍やプレート上に滞留することがない。しかも、プレート間の谷部に排出部が形成され、処理された内容物と上記流体が、該排出部を通じて集中的に排出することができる。
【0031】
請求項4に係る破袋装置は、請求項2に係る破袋装置のプレートに代えて、無端コンベヤの少なくとも上側の移動部を略連続する面で構成したので、請求項2に係る発明と同様の爪と堰止板による引き裂き作用によって破袋され、袋から取り出された内容物は、略連続する斜面上を滑り落ちる。このとき、例えば、堰止板や上記略連続する面の近傍に設置されたノズルから、堰止板側から該移動部の下端部側に向かって流体が連続的または間欠的に流されているので、袋から出た内容物の該移動部の下端部側への滑りが促進され、請求項2に係る発明と同様に、ノズルからの流体の流れに押し流されることによって更に滑りが促進されたり、または、流体が移動部の略連続した面上に単に介在することによって該略連続した面に対する内容物の摩擦が低減され、自重によっては容易に滑り落ちることができず排出され難い内容物であっても、該略連続した面との摩擦を軽減させることができるので、該移動部の下端部側への滑りが促進される。その結果、処理能力を決定する爪の移動速度を速めても堰止板近傍や移動部の略連続する面上に滞留することがない。
【0032】
請求項5に係る破袋装置は、請求項3に係る発明と同様,上側の移動部におて略連続した面を形成すると共に複数の爪を有する無端コンベヤ、堰止板及びノズルを含むセットを少なくとも1対相対して設け、対をなす前記無端コンベヤの下端部相互が所定の間隔をおいて接近し、上端部相互が最も離間するよう略V字形に対面させて配置したことによって、略V字形に相対向して配置された無端コンベヤ間の谷部上に落下した大きな袋は、両側の各爪に引っ掛けられて両側に引き裂かれる引き裂き作用を受けるので、この両側の無端コンベヤの爪による無端コンベヤ下端部周辺の引き裂き作用と、前述した無端コンベヤの爪と堰止板とによる引き裂き作用とによって、複数の爪を有す無端コンベヤ、堰止板及びノズルを片側だけに配置したものに比較して、2倍以上の破袋能力を発揮すると共に、例えば、堰止板や上記略連続する面の近傍に設置されたノズルから、堰止板側から該移動部の下端部側に向かって流体が連続的または間欠的に流されているので、袋から出た内容物の該移動部の下端部側への滑りが促進され、処理能力を決定する爪の移動速度を速めても堰止板近傍や移動部の略連続する面上に滞留することがない。しかも、無端コンベヤ間の谷部に排出部が形成され、処理された内容物と上記流体が、該排出部を通じて集中的に排出することができる。
【0033】
請求項6に係る破袋装置は、無端コンベヤの上側の移動部の傾斜に沿って設けられたプレート上面に固定刃を設けたことによって、爪に引っ掛けられてプレート上を移動する袋は、固定刃による袋底部の袋移動方向前方からの切り裂作用と、固定刃によって移動を抑制された袋に対しての爪移動に伴う引き裂作用とによって破袋される。袋から出た内容物は、プレート斜面上を滑り落ちる。このとき、例えば、プレートの近傍に設置されたノズルから、プレート面に沿って該プレートの下端部側に向かって流体が連続的または間欠的に流されているので、袋から出た内容物の該プレートの下端部側への滑りが促進され、請求項2に係る発明と同様に、自重によっては容易に滑り落ちることができず排出され難い内容物であっても、プレート面との摩擦を軽減させることができるので、容易に滑り落ちることができ、該プレートの下端部側へと円滑に押し流され、処理能力を決定する爪の移動速度を速めてもプレート上に滞留することがない。
【0034】
請求項7に係る破袋装置は、複数の爪を有す無端コンベヤ、複数の固定刃を備えたプレート及びノズルを含むセットを少なくとも1対相対して設け、対をなす前記無端コンベヤの下端部相互が所定の間隔をおいて接近し、上端部相互が最も離間するよう略V字形に対面させて設置したことによって、略V字形に相対向して配置されたプレート間の谷部上に落下した大きな袋は、両側の各爪に引っ掛けられて両側に引き裂かれる引き裂き作用を受けるので、この両側の無端コンベヤの爪によるプレート下端部周辺の引き裂き作用と、前述した無端コンベヤの爪とプレート上の固定刃とによる引き裂き作用とによって、複数の爪を有す無端コンベヤ、複数の固定刃を備えたプレート及びノズルを片側だけに配置したものに比較して、2倍以上の破袋能力を発揮すると共に、例えば、プレートの近傍に設置されたノズルから、プレート上面に沿って該プレートの下端部側に向かって流体が連続的または間欠的に流されているので、袋から出た内容物の該プレートの下端部側への滑りが促進され、処理能力を決定する爪の移動速度を速めてもプレート上に滞留することがない。しかも、プレート間の谷部に排出部が形成され、処理された内容物と上記流体が、該排出部を通じて集中的に排出することができる。
【0035】
請求項8及び9に係る破袋装置は、ノズルを各スリット間に、すなわちスリットとスリットの間のプレートまたは移動部の略連続した面に対応して複数設けたので、流体の流れが多数つくられると共に、各スリットを移動する爪の間に沿って流体が流れ易くなる。
【0036】
請求項10の破袋装置は、爪を、その爪先部にかかる抵抗に応じて移動方向と反対側に揺動可能若しくは起倒可能に構成したことによって、袋の引き裂き作用の際、移動する爪と堰止板のスリットまたは固定刃との間に硬質物を噛み込んだ場合、爪に所定以上の力が作用したとき爪が移動方向後方側に可動するので、堰止板のスリットまたは固定刃と爪との間に噛み込んだ硬質の内容物の除去が可能となる。また、大きい粗大物(硬質物)等が投入された場合でも、上記の噛み込み防止作用によって粗大物の噛み込みが防止されると共に、爪の移動が容易になる。
【0037】
請求項11及び12の発明は、流体として圧縮気体及び高圧の液体を用いることによって、特に発泡スチロール等の軽量なもの、或いは厨芥などの接触面における摩擦係数の高いもの等、自重では滑落できない内容物の摩擦係数を低減し、内容物の滑りが促進され、円滑な滑動を可能にする。
【0038】
又、内容物を強い力で押し流すことができ、更に内容物の滑りが促進され、円滑な滑動を可能にする。
請求項13の発明は、爪の移動面若しくは無端コンベヤの上面を、下方から上方に行くにしたがって傾斜勾配がきつくなり鉛直近くになる軌道形状にすることができる。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明の破袋装置を、分別収集されたごみのリサイクル施設に適用した場合の例である。
【0040】
図1において、本実施形態の破袋装置は、本体ケーシング1と、無端コンベヤ2と、プレート3と、堰止板4と、を含んで構成される。
前記無端コンベヤ2は、その上面が下方から上方に行くにしたがって傾斜勾配がきつくなり鉛直近くになる軌道形状になっており、この軌道形状に沿って無端コンベヤの移動部の一部を構成するコンベヤチェーン11、12(図2参照)が、配設されている。したがって、無端コンベヤ2は、湾曲した移動部が存在するため、図示しないチェーンガイドを、無端コンベヤの移動部の一部を構成する後述のコンベヤチェーンの上下に配設して、チェーンを湾曲させながら移動部に沿わせて案内するように構成する。
【0041】
かかる無端コンベヤ2は、移動方向に沿って移動部に配列された複数の爪5を有する構成であって、その上側の移動部の移動方向先が高位に位置するように本体ケーシング1内に配設される。
【0042】
かかる無端コンベヤ2は、本実施形態においては、無端コンベヤ2の移動部の外側に移動方向に沿って間隔をおいて爪5を設けた構成であり、具体的には、次のように構成される。
【0043】
すなわち、それぞれ略水平方向に沿って配設された一対の被駆動軸7が下部に、駆動軸8が上部に、相互に平行に設けられ、これら被駆動軸7と駆動軸8それぞれの両端部は、本体ケーシング1に回転自由に支承されている。
【0044】
前記駆動軸8の両端部には、それぞれ駆動スプロケット9が固定取付されている。
また、被駆動軸7の両端部には、それぞれ被駆動スプロケット10が固定取付されている。
【0045】
一方の側の駆動スプロケット9と被駆動スプロケット10、10とには、コンベヤチェーン11(図2参照)が巻き掛けられ、他方の側の駆動スプロケット9と被駆動スプロケット10、10とには、コンベヤチェーン12(図2参照)が巻き掛けられている。
【0046】
そして、例えばモータ等により駆動軸8を回転駆動し、この回転駆動が駆動スプロケット9、9と被駆動スプロケット10、10に伝達されるように構成されている。
【0047】
ここで、図2〜図4に示すように、複数の長尺の板状のスラット18が設けられており、各スラット18の一端部は一方のコンベヤチェーン11に、他端部は他方のコンベヤチェーン12に固定取付される。
【0048】
詳しくは、スラット18の一端部は、一方のコンベヤチェーン11を構成するべく数珠つなぎ的に結合された1つのチェーン構成部材11Aの上面部に固定取付され、他端部は、他方のコンベヤチェーン12の前記一方のコンベヤチェーン11の1つのチェーン構成部材11Aと位置的に対応する1つのチェーン構成部材12Aの上面部に固定取付される。
【0049】
これによって、両コンベヤチェーン11、12間には、多数のスラット18がそれぞれ橋渡しされて並列して設けられており、本実施形態においては、無端コンベヤの移動部が、両コンベヤチェーン11、12と多数のスラット18によって構成されている。
【0050】
この場合、隣接するスラット18同士は、コンベヤチェーン11、12が湾曲変形する部位以外の少なくとも無端コンベヤ2の下端部と上端部との間の上側移動部において、互いに端面同士が近接して、図3の如く実質的にスラット18同士が連続した一つの面をなすように構成されている。
【0051】
そして、各スラット18上面には、該スラット18の長手方向に沿って多数の爪5が所定間隔をもって取り付けられる。
この場合、1つのスラット18には、長手方向に等距離だけ離間して8本の爪5(図2中実線示)が取り付けられ、この1つのスラット18と隣り合う1つのスラット18には、爪5が取り付けられず(図3参照)、この爪5が取り付けられていないスラット18と隣り合う1つのスラット18には、7本の爪5(図2中点線示)が、それぞれ前記8本の爪5が設けられたスラット18における爪5、5の間に位置するように、取り付けられている。この7本の爪5は、プレート3からの突出部が前記8本の爪5と同じ高さに形成されている。そして、この7本の爪5が設けられたスラット18の後には、また爪5が取り付けられていないスラット18が位置している。
【0052】
このように、4つの形態のスラット18の配列が順次繰り返されて、それぞれ多数の爪5を有する多数のスラット18が配設される。
この場合、8本の爪5が取り付けられた各スラット18における各爪5相互は、無端コンベヤ2の移動方向に沿って列をなすように整列されている。
【0053】
また、7本の爪5が取り付けられた各スラット18における各爪5相互も、無端コンベヤ2の移動方向に沿って列をなすように整列されている。
なお、上記のスラット18は、単なる板状のものであったが、図5に示すように、板部18aの両端または一端に板部18bを垂下させた構成であって、各チェーン構成部材11Aの上部に被せられるような構成のスラット18としても良い。
【0054】
さらに、無端コンベヤ2の移動部に爪5を設けた構成として、チェーンコンベヤにおけるスラット18に爪5を設けた例を示したが、前記移動部としては、チェーンコンベヤにおけるチェーン、2条のチェーン間に取り付けたクロスバー、チェーンに取り付けた断面が波形のエプロン、チェーンに取り付けた断面が皿形のパンまたはチェーンに取り付けた各種形状のパレットであってもよく、さらにはスラットやパレット同士で連続する面を形成しなくてもよい。また、前記爪5を異なる高さに形成してもよい。
【0055】
次に、爪5の構造およびスラット18に対する爪5の取付構造について同上の図2〜図4に基づいて説明する。
爪5は、一端部に爪5の移動方向に屈曲されている爪先部5Aを有した板状部材から構成されており、その他端部には支持穴(図示せず)が形成されている。
【0056】
スラット18には、爪5を取り付ける取付座19が固定取付されている。
この取付座19は、底板19aと、該底板19aの両端部から上方に張り出した一対の側板19bと、両側板19b間に差し渡されたピン19cと、から構成される。
【0057】
この実施形態において、爪5は、弾性部材を有して、その爪先部5Aにかかる抵抗に応じて移動方向後方側に揺動可能若しくは起倒可能に構成されており、爪5と弾性部材とは別体化されている。
【0058】
すなわち、爪5は、取付座19のピン19cにその支持穴挿通支持される一方、弾性部材としての捩じりコイルスプリング20の一端部は取付座19に係止され、他端部は爪5に係止される。
【0059】
かかる爪5は、起倒可能になっており、倒れた時には、プレート3の後述するスリット3Aの内側に格納された状態となる。
本実施形態においては、上述した爪5の取付座19の側壁は、無端コンベヤ2(コンベヤチェーン11、12)の移動方向前方に向かうに従ってより低くなるように傾斜しており、具体的には、取付座19の両側板19bの爪5の倒れる側と反対側の側端面に傾斜面19Aが形成され、取付座19は略台形状に形成されている。なお、傾斜面19Aは、平面である必要はなく、曲線状であつてもよい。また、面である必要もなく移動方向に向かって尖っていてもよい。したがって取付座19の側壁は、無端コンベヤ2の移動方向に向かうに従ってより低くなるように傾斜もしくは湾曲していればよい。
【0060】
以上の構成においては、爪5を、無端コンベヤ2のスラット18の上側に取り付けるようにしたが、スラット18の下側に取り付けるようにしても良い。この例においても、複数の爪を無端コンベヤ移動部の外側に設けたものである。
【0061】
すなわち、図6において、スラット18下面には、爪5を取り付ける取付座21が固定取付されている。
この取付座21は、底板21aと、該底板21aの両端部から上方に張り出した一対の側板21bと、両側板21b間に差し渡されたピン21cと、から構成される。
【0062】
そして、爪5は、取付座21のピン21cにその支持穴が挿通支持される一方、弾性部材としての捩じりコイルスプリング22の一端部は取付座21に係止され、他端部は爪5に係止される。
【0063】
かかる爪5は、起倒可能になっており、倒れた時には、プレート3のスリット3Aおよびスラット18に形成されたスリット18Aから該スラット18下面側に格納された状態となる。
【0064】
以上説明したように、移動方向に沿って移動部に配列された複数の爪5を有する無端コンベヤ2は、その上側の移動部の移動方向先が高位に位置するように傾斜しつつ湾曲して、かつ、その移動部方向と直交する方向の一側部が他側部より高位に位置するように傾斜して本体ケーシング1内に配設されて固定される。
【0065】
一方、前記プレート3は、爪5が通過可能なスリット3Aを有しており、無端コンベヤ2の上側の移動部に沿って該無端コンベヤ2の上方に配設される。
すなわち、プレート3は、図1の如く無端コンベヤ2の上側の移動部に沿って該無端コンベヤ2の上方に傾斜しつつ湾曲して配設されてスリット3Aを有する傾斜・湾曲部3aと、該傾斜・湾曲部3aの下端部に連接して下方に向かって傾斜して伸び、かつスリット3Aが形成されていないごみ排出シュート部3bと、から構成される。
【0066】
そして、前記スリット3Aは、8本の爪5が設けられたスラット18の爪5による8つの爪列に対応して、かつ、7本の爪5が設けられたスラット18の爪5による7つの爪列に対応して、それぞれ設けられ、プレート3には、合計15列のスリット3Aが設けられる。
【0067】
前記堰止板4は、プレート3に一体に連続形成され、プレート3から徐々に湾曲して爪5の先端軌道より外方(無端コンベヤ2の上側の移動部から離れる方向)に位置するようにして形成されている。言い換えると、前記堰止板4は、その基端部がプレート3に連接し、先端部がプレート3外方に位置するように、湾曲傾斜して配設され、プレート3のスリット3Aに対応させて爪5が通過可能で、内容物が入った袋の通過が抑制され、かつ両端部が開放されたスリット4Aが設けられている。
【0068】
この場合、スリット4Aは、8本の爪5が設けられたスラット18の爪5による8つの爪列に対応して、かつ、7本の爪5が設けられたスラット18の爪5による7つの爪列に対応して、それぞれ設けられ、堰止板4にも、プレート3と同様に合計15列のスリット4Aが設けられる。
【0069】
ここで、本実施形態においては、図7に示すように、前記プレート3は、前記スリット3Aが形成されていないごみ排出シュート部3bを共通部分として、スリット3Aを有する傾斜・湾曲部3aが、前記スリット3Aを構成する所定間隔を介して、一側部から他側部に(横方向に)並列して並べられる複数のプレート構成部材50から構成されると共に、前記堰止板4は、前記スリット4Aを構成する所定間隔を介して、横方向に並列して並べられて、一端部が前記プレート構成部材50にそれぞれ連続して構成される複数の堰止板構成部材51から構成される。
【0070】
この場合、プレート構成部材50と堰止板構成部材51とは、一体成形品からなる。つまり、各プレート構成部材50の端部である堰止板構成部材51の先端部が徐々に湾曲して爪5の先端軌道より外方に位置するように形成されている。各プレート構成部材50は、該プレート構成部材50間の所定間隔および各堰止板構成部材51の所定間隔を維持した状態で互いに連結されている。
【0071】
以上、言い換えるとプレート3のごみ排出シュート部3bを除いて中間部から爪5が通るスリットが形成され、そのスリットは先端で開放されていると共に、そのプレート3の先端部が徐々に湾曲して爪5の先端軌道より外方に位置するように形成されている。
【0072】
この状態で堰止板4には、固定支持する連結支持部材が設けられている。
前記連結支持部材は、各堰止板構成部材51の堰止面の裏側にあたる裏面と離隔する位置に配設され、本体ケーシング1壁にその上端が溶接固定された横桟部材52(第1の支持部)と、該横桟部材52からそれぞれ各堰止板構成部材51の前記裏面に向かって伸びて該裏面に固定される複数の支持足53(第2の支持部)、を含んで構成される。
【0073】
この場合、各支持足53は、その一端部が各堰止板構成部材51の上面にボルト54等により固定された取付板55に溶接等によって固着されて立設され、横方向に並列して並べられる。
【0074】
そして、並列して並べられた各支持足53の他端部は、横桟部材52の側面にボルト56等により固定される。
なお、スリット4Aの幅dは、図6で示すようにスリット3Aの幅より広くなるように、スリット3Aから段差を介してスリット4Aに連なるようにしてもよく、またスリット3Aの幅とスリット4Aの基端部の幅とが同じになるようにしてもよい。
【0075】
いずれにしても、本実施形態においては、前記堰止板4のスリット4A、すなわち、隣接する堰止板構成部材51間の間隔dは、爪5の通過部側端部(通過部分)から先端部に向かって徐々にスリット幅が広くなるように形成される。 この場合、隣り合う堰止板構成部材51の内側面が斜めにカットされて、上記のスリット幅に設定される。
【0076】
また、堰止板4のスリット4Aの爪5の通過部側端部(通過部分)とは反対側の先端部近傍位置であって、堰止板4の堰止面(図7において下面)の裏面(図7において上面)と所定間隔を介して対面する位置に、スリット幅方向に横断する袋の回り込み防止用の堰57が設けられている。
【0077】
この堰57は、並列に立設された各支持足53の横桟部材52取付面側に配置された横方向の板部材からなり、その堰57がボルト58等によって両側に位置する支持足53に固定される。
【0078】
又、堰57の上方には、本体ケーシング1の外部に設けられた給水部から延設されたノズル給水管90が取り付けられており、ノズル給水管からは、複数のノズル91が分岐している。各ノズル91は、プレート構成部材50の間のスリット4Aの間でノズル給水管90から分岐し、プレート構成部材50の裏面から堰止板4の先端方向に延びその先端部で下方に向けて曲折されており、各プレート構成部材50の上面に沿って水がプレート3下端部側(排出部側)に向け流れるよう微調整されている。このノズル91の吐出口からは、高圧水が放出される。
【0079】
さらに、図1、図7および図8に示すように、各プレート構成部材50の高位側の上面には、袋、ごみ、粗大物等を粗大物排出口70側に案内するために、後述する投入シュート69側が高位に粗大物排出口70側が低位になるように固定したガイド板59が設けられている。
【0080】
ここで、図1および図8に示すように前記本体ケーシング1の内面から斜め下方に、プレート3のごみ排出シュート部3bに向かって伸びる切出シュート60が設けられており、この切出シュート60と、ごみ排出シュート部3bと、によってごみの排出部を構成する間隔部61を設けるようにしている。
【0081】
なお、切出シュート60の先端部には、前記間隔部61の間隔を調整するためのゴム製調整部材62が設けられている。
一方、無端コンベヤ2の下側の移動部の下方には、袋落下防止ガイド63が設けられている(図1参照)。
【0082】
すなわち、袋落下防止ガイド63は、無端コンベヤ2の下側の移動部のうち水平部分に沿って該無端コンベヤ2の下方に配設される。
かかる袋落下防止ガイド63は、図9に示すように、多数の湾曲した細板部材64から構成される。
【0083】
具体的には、袋落下防止ガイド63を構成する細板部材64は、水平部64Aと、該水平部64Aの一端部に連接して無端コンベヤ2下側の一方の方向転換部に沿って湾曲形成されて上側に伸びる上側湾曲部64Bと、水平部64Aの他端部に連接して無端コンベヤ2下側の他方の方向転換部の手前側で湾曲形成されて下側に伸びる下側湾曲部64Cと、から構成される。
【0084】
そして、所定間隔を持って並列される一対一組の細板部材64が、互いに所定間隔で並列して多数組配設される。
各組の一対の細板部材64の間隔は、プレート3と堰止板4のスリット3A、4Aに対応して設けられて爪5が通過可能なスリットを構成するものである。
【0085】
各細板部材64の上側湾曲部64Bには、上側取付部材65の一端部が固定され、下側湾曲部64Cには、下側取付部材66の一端部が固定され、上側取付部材65の他端部は、本体ケーシング1の内壁に、下側取付部材66の他端部は、本体ケーシング1の後述する袋シュートと小片シュートの境部に、それぞれ固定されている。
【0086】
また、かかる袋落下防止ガイド63の各細板部材64の下側湾曲部64C側の端部近傍位置には、回転駆動される分岐ローラ67が配設されている。
この分岐ローラ67は、袋落下防止ガイド63の各細板部材64の下側湾曲部64C側の端部の並列する方向に沿い、かつ該下側湾曲部64Cに近接して水平方向に伸びて配設されている。
【0087】
かかる分岐ローラ67は、その上側の円筒側面が、後述する袋シュート71側に向かって回転移動するように回転駆動される(図1において右回り)。
この場合、分岐ローラ67は、無端コンベヤ2用の駆動モータとは別途設けられた専用のモータにより、あるいは、無端コンベヤ用の駆動モータの駆動力をチェーンや歯車等の伝達機構を介して伝達して駆動するようにする。
【0088】
次に、以上のように無端コンベヤ2、プレート3および堰止板4が配設された本体ケーシング1の構造について説明する。
すなわち、本体ケーシング1は、支持足68によって設置面に支持される。
【0089】
上述したように、無端コンベヤ2は、その移動部方向と直交する方向の一側部が他側部より高位に位置するように傾斜して配設されており、無端コンベヤ2の高位の一側部の側には、投入口が設けられている。具体的には、無端コンベヤ2の高位の一側部の側にある本体ケーシング1の側壁に、投入口としての投入シュート69が設けられている。
【0090】
この場合、投入シュート69は、前記切出シュート60の横側に(図8において上側)に開口される。
この投入シュート69の側壁には、図1および図8に示すように前記本体ケーシング1の一部をなすカバー1Aが、該本体ケーシング1の外面から斜め下方に伸び、前記切出シュート60を内側に覆い、他端が無端コンベヤ2の低位の他側部の側にある本体ケーシング1の側壁にいたるように設けられている。
【0091】
また、無端コンベヤ2の低位の他側部の側には、粗大物排出口70が設けられている。すなわち、無端コンベヤ2の低位の他側部の側にある本体ケーシング1の側壁に、切出シュート60がない部分が形成され、これによって粗大物排出口70が形成されている。
【0092】
さらに、本体ケーシング1底部の無端コンベヤ2の下方位置には、排出口としての袋シュート71と小片シュート72とが並列して設けられている。
この場合、袋シュート71は、前述した袋落下防止ガイド63の各細板部材64の下側湾曲部64Cに対応する位置に、小片シュート72は、袋落下防止ガイド63の各細板部材64の水平部64Aに対応する位置に、それぞれ配置される。
【0093】
なお、無端コンベヤ2の上側の移動部と下側の移動部との間には、上側の移動部に対面して前記小片シュート72に向かって傾斜して伸びる板部材からなる小片ガイド73が配設されて固定されている。
【0094】
この場合、プレート3のスリット3Aや無端コンベヤ2の隣接するスラット18間の若干の隙間から落下するごみ等の小片を導くのであるが、プレート3が設けられているので、無端コンベヤ2の爪5が設けられていないスラット18を除去する構成にしてもよい。
【0095】
さらに、本体ケーシング1の外部であって、ごみ排出シュート3bの下端近傍位置には、排出コンベヤ74が配設されている。
ここで、本実施形態においては、投入シュート69やプレート3等の投入される袋が落下供給される際に衝突するような箇所に緩衝材を設置する。
【0096】
すなわち、例えば、プレート3上面の投入シュート69からの袋の投入落下位置、すなわち、図8および図10に示すように、各プレート構成部材50の上面の所定位置に、緩衝材としての方形のゴム板75が予め接着された取付板としての方形の鉄板76をボルト77等によって着脱可能に固定取付する。
【0097】
この場合、ゴム板75並びに鉄板76共に同位置にボルト77用の挿通孔75A、76Aが形成され、鉄板76側の挿通孔76Aは、ゴム板75側の挿通孔75Aよりも小径に形成される。
【0098】
また、プレート構成部材50側にはボルト77のねじ溝50Aが形成される。
さらに、ゴム板75の厚みは、ボルト77の頭部が突出せずに収納されるような厚みに設定される。
【0099】
なお、このようなゴム板75の取付構造によれば、ゴム板75が予め接着された鉄板76をプレート構成部材50の上面に着脱自由に固定する構成によって、次の利点がある。
【0100】
すなわち、ゴム板75を直接プレート構成部材50の上面に接着すると、ゴム板75の交換時には、古いゴム板75を剥がし、プレート構成部材50を磨き、新しいゴム板75を接着し、接着完了まで待機するといった工程が必要となるが、ゴム板75が予め接着された鉄板76をプレート構成部材50の上面に着脱自由に固定する構成にすれば、古くなったゴム板75を鉄板76ごと外し、新しいゴム板75の付いた鉄板76を取り付けといった簡単な工程となる。
【0101】
なお、上述した爪5の屈曲角度、堰止板4のスリット4Aの幅等は後に詳述する。
次に、かかる構成の破袋装置の作用を説明する。
【0102】
例えば、ごみ(缶、びん、プラスチックボトル、厨芥等)を入れたビニール袋等の包装材(以下、単に袋と言う)78が投入シュート69からプレート3上面のゴム板75上面に落下投入される(図11(A)参照)。
【0103】
この場合、袋78がゴム板75上面に落下されることで、落下時の衝撃が緩和され、袋内の缶、びん、プラスチックボトル等のごみの破損等が防止される。
そして、袋78は、プレート3に設けられているスリット3Aの間を下部から上部に向かう爪5に引っ掛けられて、上方へと掻き揚げられる。爪5は袋78を引っ掛けたまま、固定されている堰止板4のスリット4Aを通過しようとする(図11(B)参照)。
【0104】
堰止板4のスリット4Aを通過できるのは、スリット4A幅よりも小さいもの、つまり、爪5と、これに引っ掛けられた袋78等の軟質なもののみで、スリット4Aより幅の広い缶、びん、プラスチックボトル等の硬質ごみは、スリット4Aを通過できない。
【0105】
従って、ごみの詰った袋78はスリット4Aの通過を抑制される一方、爪5に引っ掛けられた袋78は爪5の移動に伴って引き裂かれる(図11(C)、(D)参照)。
【0106】
かかるごみの詰った袋78がスリット4Aの通過を抑制され、かつ爪5に引っ掛けられた袋78が爪5によって引き裂かれるという作用を数回繰り返すうちに、袋78は引き裂かれて、ごみ78Aは袋78から出る。
【0107】
ごみ78Aが完全に出た袋78は、爪5に引っ掛けられたまま、堰止板4を通過し、無端コンベヤ2の下側の移動部へと引き込まれて、重力の作用により、袋シュート71へと落下する。
【0108】
袋78から出たごみ78Aは、隣り合う爪5の間をすり抜けて傾斜したプレート3の底部へと落下し、間隔部61(排出部)を経て、その下方に配設された排出コンベヤ74によって次の処理工程へ搬送される。
【0109】
ここで、本実施形態においては、プレート3と無端コンベヤ2とを、爪5の移動方向と直交する方向の一側部が他側部より高位に位置するように傾斜して配設し、高位側のプレート3上方に袋78の投入シュート69を設けるようにした。このため、破袋が不完全なまま爪5から外れてプレート3の傾斜に沿って下方へと落下した袋78や、中にさらに小さい袋が入った状態の袋78は、落下の回数を重ねて、より低位に位置するプレート3の他側部寄りの位置、つまり、プレート3の低位の他側部に設けられた粗大物排出口70に近づく方向に進み、この方向に設けられた爪5と堰止板4の作用によって繰り返し破袋作用を受けつつ、粗大物排出口70から排出される。
【0110】
この際、袋78から出たごみ78Aは、堰止板4の上方に配設されたノズル91からの高圧水によって押し流されて滑りが促されると共に、軽量なごみ78A、或いは接触面における摩擦係数の高いごみ78Aであっても、プレート3の面との摩擦が低減されるので円滑に滑動して排出コンベヤ74上に排出される。
【0111】
ここで、爪5を、弾性部材(捩じりコイルスプリング22)を有して、その爪先部5Aにかかる抵抗に応じて移動方向後方側に揺動可能若しくは起倒可能に構成した結果、プレート3から突出した爪5と堰止板4の間に硬質物を噛み込んだ場合、爪5に所定以上の力が作用すると、爪5がスリット3A内に挿入される方向に可動し、堰止板4と爪5の間に噛み込んだ硬質物が除去され、この硬質物は重力の作用によりプレート3上に落下し、ごみ排出シュート3bから排出コンベヤ74に至り、ここから、よって装置外に排出される。
【0112】
したがって、爪5および堰止板4を損傷することなく連続して処理を行うことができる。
上記の硬質物を除去する作用を図12に基づいて説明する。
【0113】
同図(A)、(B)に示すように、スリット4Aより大きな硬質物79に向かって起きた状態の爪5が進行する。
同図(C)に示すように、爪5と堰止板4との間に硬質物79が噛み込むと、爪5が弾性部材の弾性力に抗してその進行方向後方に回動して倒れる。
【0114】
同図(D)に示すように、爪5が回動することにより、硬質物79が爪5と堰止板4との間から逃げ、一方爪5は堰止板4のスリット4Aを通り抜けて進む。かかる動作によって、堰止板4と爪5の間に噛み込んだ硬質物79を除去でき、爪5および堰止板4を損傷することなく連続して処理が可能となる。
【0115】
また、間隔部61(排出部)よりも大きい粗大物(硬質物)等が投入された場合は、上記の噛み込み防止作用によって粗大物の噛み込みが防止され、また、無端コンベヤ2が、その移動方向と直交する方向の一側部が他側部より高位に位置するように傾斜して配設されているため、粗大物は装置内で爪5による引掻上方移動と堰止板4近傍からの落下とによって上下運動を繰り返し受け、徐々に無端コンベヤ2の低位側に設けられた粗大物排出口に近づく方向に送られ、この粗大物排出口70から装置外に排出される。
【0116】
ここで、爪5に引っ掛けられて、堰止板4のスリット4Aを通過した袋78は、無端コンベヤ2の下側の移動部へと引き込まれて、重力の作用により袋シュート71へと落下する。しかし、一部の袋78は、袋シュート71上で落下せずに、爪5に引っ掛けられたままの場合がある。
【0117】
この爪5に引っ掛けられたままの袋78は、袋落下防止ガイド63上を爪5に引きずられて通過して、さらに無端コンベヤ2の上側の移動部を通過して、再度下側の移動部に引き込まれ、重力の作用により袋シュート71へと落下する機会を得る。
【0118】
すなわち、袋落下防止ガイド63によって、袋シュート71側に落下しない袋78が袋シュート71以外に落下することを防止しており、袋78が袋シュート71側に確実に落下するようにして、袋78の選別能力の向上を図っている。
【0119】
また、袋落下防止ガイド63の各細板部材64の下側湾曲部64C側の端部の並列する方向に沿って水平方向に伸びて配設される分岐ローラ67を設け、これをその上側の移動部が袋シュート71側に向かって回転移動するように回転駆動するようにしたから、袋シュート71に向かって落下せずに、袋シュート71の小片シュート72との境部近傍位置に落下するような袋78は、分岐ローラ67の回転によって袋シュート71側へと強制的に運ばれるようになり、袋78が袋シュート71の小片シュート72との境部近傍位置に落下して、ここに引っ掛かるのが防止され、袋78を確実に袋シュート71に落下させることができる。
【0120】
なお、袋落下防止ガイド63の各細板部材64の下側湾曲部64C側における爪5の移動部から外れる端部位置においては、隣り合う各細板部材64間に袋78が詰まるおそれがあるが、上記の分岐ローラ67が、袋落下防止ガイド63の各細板部材64の下側湾曲部64C側の端部に近接して設けられているため、この分岐ローラ67によって袋落下防止ガイド63の各細板部材64の下側湾曲部64C側の端部位置に袋が至らず、この位置の隣り合う各細板部材64間に袋78が詰まることが防止されている。
【0121】
さらに、プレート3のスリット3Aから抜け落ちたごみ等の小片80は、通常無端コンベヤ2の上側の移動部にあるスラット18を滑って小片シュート72内に落下するが、さらに無端コンベヤ2のスラット18間の間隙から無端コンベヤ2の上側の移動部と下側の移動部との間に落下した小片80は、その一部が、無端コンベヤ2の下側の移動部の方に直接的に落下し、他部は、小片ガイド73上面に落下して受けられ、小片ガイド73上面を滑りながら無端コンベヤ2の下側の移動部の方に落下する。
【0122】
この落下した小片80は、さらに無端コンベヤ2の下側の移動部の間隙と袋落下防止ガイド63の各組の細板部材64間の間隔および各組間の間隔を通過して小片シュート72内に落下する。
【0123】
この小片ガイド73を設けることにより、無端コンベヤ2の爪5が設けられていないスラット18を除去しても、確実に落下した小片80を小片シュート72内に落下させることができ、無端コンベヤの構成を簡略化できる。すなわち、スラット18除去部から無端コンベヤ2の上側の移動部と下側の移動部との間に落下した小片80は、その一部が、下側移動部のスラット18除去部の方に直接的に落下し、他部は、小片ガイド73上面に落下して受けられ、小片ガイド73上面を滑りながら下側移動部のスラット18除去部の方に落下し、最終的に小片シュート72に到る。
【0124】
上記のようにして、ごみの詰まった袋78は堰止板4のスリット4Aの通過が抑制され、爪5に引っ掛けられた袋78は、爪5の移動に伴って引き裂かれ、かかる作用を数回繰り返すことにより、袋78は引き裂かれて、ごみは袋78から出る(引き裂き作用)。
【0125】
このような引き裂き作用を受ける袋のうち、引き裂かれて完全にごみが出た袋、引き裂き作用の途中でごみが残っている袋を問わず、袋の一部が堰止板4のスリット4Aを通過し、残りの部分が堰止板4のスリット4Aを通過していない状態で、爪5の通過側(基端部)とは反対側の堰止板4端部(先端部)側に引っ掛かった状態となる場合がある。
【0126】
破袋装置の運転を続けると、この端部側に詰まった袋は、爪5のこの端部側への押出し作用などにより新たにスリット4Aの該端部側に詰まる袋に押されて、該端部の開放された部分に達すると、ここから外れる。
【0127】
上記の外れた袋はプレート3上に落下し、落下した袋は、再度爪5に引っ掛けられて、堰止板4のスリット4Aの方向に運ばれて、「引き裂き作用」を受け、安定した連続的な破袋運転が可能となる。
【0128】
さらに、本実施形態においては、スリット4Aは、爪5の通過側とは反対側の先端部(スリット4Aを通過する爪5の先端より先の先端部)に向かって徐々にスリット幅が広くなるように形成されているため、スリット4Aを移動する際の袋の通過抵抗が軽減され、スリット4Aに詰まった袋を速やかに押し出すことが可能となる。
【0129】
すなわち、前述のように、新たにスリット4Aの爪5の通過側とは反対側の先端部側に向かって詰まる袋によって、既に先端部側に詰まっていた袋が該先端部の開放された部分に向けて押し出される作用において、例えば、爪5を、弾性部材を有して、その爪先部にかかる抵抗に応じて移動方向後方側に揺動可能若しくは起倒可能に構成したものでは、スリット4Aに詰まっている袋が弾性部材の弾性力に押されて移動する。この間、袋は圧縮された状態となり、スリット4Aを移動するときに、圧縮圧に応じて袋の通過抵抗は大きくなるが、先端部に向かって徐々にスリット幅が広くなるように形成されているため、スリット4Aを移動する際の袋の通過抵抗が軽減され、スリット4Aに詰まった袋が速やかに押し出される。
【0130】
また、本実施形態においては、スリット4Aの爪5の通過部分とは反対側の先端部近傍位置であって、堰止板4の堰止面の裏面と所定間隔を介して対面する位置に、スリット幅方向に横断する袋の回り込み防止用の堰57を設けるようにしたから、袋のごみが残った部分が堰止板4の先端部の開放された部分を回り込もうとした場合でも、堰57によってその回り込み移動が阻止される。
【0131】
この阻止された状態でも、爪5は、袋を引きちぎるか、袋を外した状態でスリット4Aを通過し、結局、袋は落下する。
本実施形態のように、爪5が通過可能なスリット3Aを有するプレート3を設けたものでは、上記の爪5から離れた袋はプレート3上に落下し、落下した袋は、再度爪5に引っ掛けられて、堰止板4のスリット4Aの方向に運ばれて、「引き裂き作用」を受け、以上により、安定した連続的な破袋運転が可能となる。
【0132】
以上説明した実施形態のその他の作用は次の通りである。
堰止板4とプレート3とが一体形成されているので、この部分で噛み込みが発生することがない。
【0133】
さらに、爪5が、無端コンベヤ2のその移動方向に沿ってスラット18の上側に取り付けられたことによって、爪5のメンテナンスが容易となる。
また、図2〜図5の実施形態で示した爪5の取付座19の側壁は、無端コンベヤ2の移動方向前方に向けてより低くなる傾斜面19Aを有する略台形状に形成されたことによって、例えば、投入された異物として、水筒のように紐を有するものでは、その水筒本体が堰止板4で阻止され、その紐が万が一にもプレート3のスリット3Aに入り込んで爪5の取付座19に引っ掛かった場合でも、紐が取付座19から滑り抜け易く、装置が非常停止するおそれを極力回避できるようになっている。
【0134】
また、図6の実施形態で示した爪5は、無端コンベヤ2の移動部であるスラット18の下側に取り付けられているので、移動部であるスラット18の上側に不要な凹凸を極力回避でき、爪5をスラット18上側に取付座を介して取り付けたもののようにプレートのスリットを通過した袋から出たごみが引っ掛かるおそれがない。
【0135】
次に、以上の構成の破袋装置における各部の寸法等を図6等を参照して説明する。
爪5は、直線状でも差し支えないが、本実施形態においては、爪5の爪先部5Aは、爪5の移動方向に屈曲されており、その屈曲角度θは、30°〜80°、好ましくは45°〜60°の範囲がよい。
【0136】
屈曲角度θが60°により近づくことで、爪5が袋78を引っ掛けるのが容易となるため、破袋効率が高まる。
上記の範囲の角度より小さい場合は、爪5により袋78を引っ掛けることがし損じやすくなり、破袋に必要な時間が長くなる。即ち、処理能力が低下する。
【0137】
また、上記の範囲の角度より大きい角度では、堰止板4と爪5に、固形物が挟まった場合に、爪5が可動した場合であっても、スムーズに固形物を逃がすことが難しくり、結果として、ごみの破損を発生させる。
【0138】
なお、屈曲部の長さaは、10mm〜50mm好ましくは25mm〜35mmの範囲とするのが良い。
屈曲部の長さaが、上記の範囲の長さよりも短い場合には、爪5により袋78を引っ掛けることがし損じやすくなり、破袋に必要な時間が長くなる。即ち、処理能力が低下する。
【0139】
また、爪の厚みbは、爪の強度が許す限り薄い方が好ましいが、例えば、3mm〜10mm程度が現実的である。
さらに、爪5と堰止板4との関係について説明する。
【0140】
爪5のプレート3から上方の爪の垂直高さである爪有効長cは、100mm〜200mmとする。
この爪5の爪有効長cは、袋78の大きさによって最適値が異なる。
【0141】
処理対象の袋78の大きさに幅がある場合には、数種類の長さの爪5を組み合わせることも有効である。
堰止板4のスリット幅dは、爪5と破袋された袋78のみが通過する範囲とし、15mm〜40mm好ましくは20mm〜35mmとする。
【0142】
また、爪5と堰止板4のスリット4Aとの隙間は、爪の両側で各5mm以上確保するのが好ましい。
上記のスリット幅dが狭いと、破袋した袋78が堰止板4のスリット4Aを通過することが困難となり、破袋した袋78の円滑な排出が行われなくなることで、破袋効率の低下をきたす。また、スリット幅dが広すぎると、スリット4Aを袋78と共にごみも通過してしまい、袋78にごみが入ったままの不完全破袋物を発生させてしまう。
【0143】
次に、プレート3と爪5との関係について説明する。
爪5とプレート3のスリット3Aとの隙間は、(爪5の厚さ+0mm〜30mm)好ましくは(爪5の厚さ+10mm〜20mm)とする。この隙間は、プレート3のスリット3Aにおける爪5の円滑な通過が可能な範囲においてできる限り小さい方が好ましい。この隙間が大き過ぎると大きいごみがスリットから落下し易くなる。
【0144】
次に、かかる実施形態におけるプレート3のごみ排出シュート3bと切出シュート60との間隔部(排出部)61について説明する。
上記の間隔部61は、処理対象となるごみの排出が可能な範囲で可能な限り小さい方が、ごみの入った小さい袋が爪5に引っ掛からずに排出されてしまうことが少なくなる。
【0145】
ごみとして、缶、びん、プラスチックボトルを対象にする場合、上記の間隔fは、80mm〜200mm好ましくは120mm〜160mmとするのが良い。
なお、以上の実施形態においては、無端コンベヤ2に複数の爪5のみを設けた例を示したが、これに限らず、複数の爪5の幾つかに代えて袋を切ることのできる刃物を設けてもよいのは当然である。
【0146】
また、以上の実施形態においては、爪5と弾性部材であるコイルスプリング20、22とは別体化されているが、爪と弾性部材としてのコイルスプリングとをを同一の線材で構成し一体としたものでもよい。この場合、コイルスプリング部分がピンに挿通支持された状態で爪座に係止され、そのコイルスプリング部分から張り出す線材部分が爪部分となるようにすればよい。
【0147】
又、ごみの排出コンベヤ74は、それ自体を独立させて設置する必要はなく、ごみを次工程に搬送するコンベヤを排出部下方まで延長して、ごみ排出コンベヤ74と兼用させるようにしても良い。
【0148】
又、ノズル91から吐出される高圧水は、後続工程を考慮し、洗浄剤等の薬品の入った溶液であってもよく、或いは圧縮空気等の気体であってもよい。又、吐出は連続的であっても、間欠的であってもよい。
【0149】
ノズルの個数及び取付位置は、プレート構成部材50の傾斜を考慮して適宜調節するものとし、又、ノズル給水管90は、支持足53或いは横桟部材52に取り付けてもよい。ノズル91の形状及び吐出口の吐出状態は、プレート3の構造、ごみの種類に応じて適宜調節するものとする。
【0150】
さらに、流体の流れ方向は、プレート3の下端部方向にだけ向けて全量が流れる必要はなく、そのベクトル成分がプレート3の下端部方向になっていればよく、例えばプレート3の側方に粗大物排出口70がある場合、流体流れを斜め下方にして、その各ベクトル成分がプレート3の下端部方向と該粗大物排出口70のある側方とにそれぞれ向くようにしてもよい。
【0151】
また、1対の無端コンベヤを、それぞれの上側の移動部が対面するよう略V字型に配置させてもよく、又、対面して略V字型に配置された1対の無端コンベヤを複数並列させて配置してもよい。無端コンベヤ2、プレート3、堰止板4、及びノズル91を含むセットを少なくとも1対相対して設け、対をなす無端コンベヤの下端部相互が所定の間隔をおいて接近し、上端部相互が最も離間するように略V字型に配置する。
【0152】
V字型の谷部にごみの詰まった袋を投入することによって、何れかの無端コンベヤにて処理されることとなり、処理能力が倍増する。又、無端コンベヤをこのように配置させることによって、V字型の谷部の下方に配置された排出コンベヤに、各無端コンベヤによって処理された内容物が排出されるので、複数の破袋装置によって処理された内容物を一括して後続工程へと搬送する事が可能となる。
【0153】
次に、本発明の第2の実施形態を図13に基づいて説明する。
この実施形態の破袋装置は、基本的には第1の実施形態の破袋装置の構成と同様であり、異なる点は、プレートの代わりに無端コンベヤ2の上側の移動部によって略連続した面に形成した点である。
【0154】
すなわち、この実施形態においては、少なくとも下端部と上端部との間の上側の移動部において略連続した面が形成され、移動部に沿って配列された複数の爪5を有する無端コンベヤ2を、その上側の移動部の移動方向先が高位に位置するように配設すると共に、堰止板4を、その一端部が前記無端コンベヤ2の上側の移動部の面に接し若しくは近接し、他端部が該上側の移動部外方に位置するように設ける。
【0155】
この実施形態において、堰止板4は、図14に示すように、横方向に所定間隔(スリットとなる間隔)で並列して並べられ、かつ、相互に連結される多数の方形状の堰止板構成部材51から構成される。
【0156】
また、各堰止板構成部材51を、該各堰止板構成部材51の所定間隔を維持した状態で互いに連結すると共に固定支持する連結支持部材が設けられている。
前記連結支持部材は、各堰止板構成部材51の堰止面の裏側にあたる裏面と離隔する位置に配設され、本体ケーシング1壁に固定された横桟部材52(第1の支持部)と、該横桟部材52からそれぞれ各堰止板構成部材51の該裏面に向かって延びて該裏面に固定される複数の支持足53(第2の支持部)と、を含んで構成される。
【0157】
この場合、各支持足53は、その一端部が各堰止板構成部材51の上面にボルト54等により固定された取付板55に溶接等によって固着されて立設され、横方向に並列して並べられる。
【0158】
そして、並列して並べられた各支持足53の他端部は、横桟部材52の側面にボルト56等により固定される。
横桟部材52には、ノズル給水管90が取り付けられており、ノズル給水管からは、複数のノズル91が分岐している。各ノズル91は、堰止板構成部材51の中央位置(スリット4Aとスリット4Aとの間)でノズル給水管90から分岐して無端コンベヤ2の方向に延び、下方に向けて曲折されている。そして、堰止板4とスラット18で構成される無端コンベヤ2の移動部の上面との間から移動部上面に沿って水が流れるよう微調整されている。
【0159】
なお、堰止板4と無端コンベヤ2との間の硬質物等の噛み込み対策として、例えば、本体ケーシング1壁にヒンジ等を介して前記横桟部材52を揺動可能に取付けると共に、スプリング等の揺動手段を本体ケーシング1壁と前記支持足53に介装し、所定以上の力が堰止板4に加わった場合、堰止板4が爪5の移動方向に後退するように構成してもよい。
【0160】
以上、上述した作用・効果以外の第2の実施形態の作用・効果は、第1の実施形態で説明した作用・効果と同様である。
なお、前記各ノズル91は、堰止板構成部材51の中央位置(スリット4Aとスリット4Aとの間)に設け、堰止板4と無端コンベヤ2の移動部の上面との間から移動部上面に沿って水が流れるようにしたが、堰止板4のスリット4Aの位置に合わせて各ノズル91を設け、このスリット4Aから水が移動部上面に沿って流れるようにしてもよい。その場合、移動してくる爪5にノズル91が接触しないようにしなければならない。
【0161】
図15に示す第3の実施形態に係る破袋装置は、無端コンベヤ2と、プレート3と、堰止板4とを含んで構成されるという点では、第1の実施形態と同様であるが、無端コンベヤ2の上側の移動面の傾斜が一定であるという点と、プレート上に固定刃95を有するという点と、堰止板4は、無端コンベヤ2の下側の移動部の面に近接するように設けられている点で第1の実施形態とは相違する。
【0162】
プレート3は、図16に示すように、爪5が通過可能な複数のスリット3Aと、各スリット3Aの側方のプレート上面位置に設けられ、無端コンベヤ2の移動部の移動方向と反対方向に向けられた刃部を有する複数の固定刃95と、を有しており、無端コンベヤ2の上側の移動部に沿って該無端コンベヤ2の上方に設けられる。なお、この固定刃95は、刃部の上部が刃部の下部より爪の進行方向後方に出ている形状をしている。
【0163】
プレート3は、スリット3Aを構成する所定間隔を介して、横方向に並列して並べられる複数の細長い板状のプレート構成部材50から構成され、各プレート構成部材50が所定間隔を維持した状態で互いに連結されている。又、プレート3の1つのプレート構成部材50には、3つの固定刃95が取り付けられ、この1つのプレート構成部材50と隣り合う1つのプレート構成部材50には、前記3つの固定刃95の取付位置とはプレート構成部材50の長手方向に所定長ずれた位置に3つの固定刃95が取り付けられている。
【0164】
このように、2つの形態のプレート構成部材50の配列が順次繰り返されて、固定刃95が各スリット3Aの側方のプレート上面位置に該スリット3Aの延びる方向に沿って間隔をもって複数設けられる。
【0165】
本体ケーシング1の天面には、ノズル給水管90が取り付けられており、ノズル給水管90からは複数のノズル91が分岐している。ノズル91からは高圧水が放出されており、プレート3の上端部側から爪5の移動方向に沿って下端部側までの水の流れが作られている。
【0166】
次に、かかる破袋装置の作用について説明する。 袋78は、前述の実施形態と同様に、爪5に引っ掛けられて、プレート3上面を引きずられながら、爪5の移動に従って移動する。
【0167】
爪5に引っ掛けられて移動する袋78は、プレート3上面に設けられた固定刃95の位置を通過する際、固定刃95によって袋移動方向前方から切り裂かれると共に、袋78が固定刃95に移動を抑止された状態で爪5によって移動させられるため、爪5の移動に伴って引き裂かれる。
【0168】
固定刃95と爪5とによる、切り裂き作用及び引き裂き作用の後、爪5に引っ掛かけられたままの袋は、爪5の移動にしたがってさらに前進するが、固定刃95は、スリット3A方向に沿って間隔をもって複数設けられているので、さらに前方に位置する固定刃95によって、袋はさらに上記の切り裂き作用と引き裂き作用を繰り返し受ける。
【0169】
一方、上記切り裂き作用と引き裂き作用の後、爪5から外れた袋は、プレート3の斜面に沿って滑落し、次々と移動してくる爪5のいずれかに引っ掛けられて再び前進し、やはり上記の引き裂き作用を繰り返し受ける。
【0170】
このように固定刃95に多少でも刃による切り裂き作用を持たせることによって、爪5による引き裂き作用の後、爪5に引っ掛かり易くなり、袋78を爪5に引っ掛かけてさらに前進させ、更に上記の引き裂き作用を行なうという繰返し作用が、より効果的に奏される。
【0171】
爪5に引っ掛けられた袋78が前進し、無端コンベヤ2の上端までくると、自重によって落下する。或いは、上側の移動部の外側に設けられた堰止板4によって移動を抑止され、爪5による更なる引き裂き作用を受けたのち落下して装置外に排出される。尚、本実施形態における堰止板4の機能は、第1、第2の実施形態における堰止板4の機能の如く、ごみの詰まった袋の通過を抑制するというものではない。
【0172】
固定刃95により引き裂かれた袋78から出たごみ78Aは、プレート3上を滑落し排出コンベヤ78等の排出部から排出される。この際、本体ケーシング1の天面に取り付けられたノズル91から排出される高圧水によってごみ78Aが押し流され、処理が効率化される。
【0173】
本発明の第4の実施形態を図17に基づいて説明する。
この実施形態の破袋装置は、基本的には第1の実施形態の破袋装置の構成と同様であり、異なる点は、堰止板4とプレート3とが溶接接合されている点と、ガイド板59の部位に固定刃95を配設する点と、ノズル給水管90から分岐するノズル91の方向が第2実施形態に示す方向であるという点である。
【0174】
固定刃95をプレート3に取り付けたことによって、爪の移動に伴う袋の底部を引き裂く作用に、固定刃によって袋の上部を切り裂く作用が加わり、更に破袋が効率化すると共に、袋が爪に引っ掛かった状態が維持され易く、袋及び内容物のの排出処理が迅速化する。
【0175】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る破袋装置によれば、特に、堰止板側から爪の移動面に沿って袋の該堰止板への移動方向と反対の方向に向かう流体の流れをつくるノズルを有することとしたので、この流体によって内容物が袋の該堰止板への移動方向と反対の方向に円滑に移動し、処理能力を決定する爪の移動速度を速めても堰止板近傍や移動する爪間に滞留することがないので、要処理時間を短縮化でき、ごみが装置内に滞留する間に生じるごみの破損を抑制できると共に、装置全体の処理能力を向上させることができる。
【0176】
請求項2に係る破袋装置にあっては、移動部を有する無端コンベヤが、上側の移動部の移動方向先が高位に位置するように配置されるので、内容物が自重によって該プレートの下端部側へと滑り落ちるのではあるが、ノズルからの流体に押し流されることによって更に滑りが促進されたり、または、流体がプレート上に単に介在することによってプレート面に対する内容物の摩擦が低減され、特に、発泡スチロール等の軽量もの、厨芥などの接触面における摩擦係数の高いもの等、自重によっては滑り落ちることが難しい内容物であっても、プレート面との摩擦を軽減させることができるので、該プレートの下端部側への滑りが促進される。
【0177】
その結果、容易に該プレートの下端部側へと円滑に滑り落ち、処理能力を決定する爪の移動速度を速めても堰止板近傍やプレート上に滞留することがない。
従って、内容物の自重による滑動の他に、流体の流れにより滑りが促進されたり、または、流体がプレート上に単に介在することによってプレート面との摩擦が低減されて内容物の滑りが促進され、破袋後の内容物の滞留時間を大幅に短縮でき、滞留する間に生じる内容物の破損を抑制できると共に、装置全体の処理能力を向上させることができる。
【0178】
請求項3に係る破袋装置にあっては、1対の複数の爪を有す前記無端コンベヤ、前記プレート、前記堰止板及び前記ノズルを含むセットを略V字形をなすように対面して設置したことによって、両側の無端コンベヤの爪によるプレート下端部周辺の引き裂き作用と、前述した無端コンベヤの爪と堰止板とによる引き裂き作用とによって、複数の爪を有す無端コンベヤ、プレート、堰止板及びノズルを片側だけに配置したものに比較して、2倍以上の破袋能力を発揮させることが可能となる。しかも、ノズルからの流体によって、袋から出た内容物の該プレートの下端部側への滑りが促進され、装置全体の処理能力が向上できるとと共に、プレート間の谷部に排出部が形成され、処理された内容物と上記流体が、該排出部を通じて集中的に排出することができ、例えば、流体物が液体の場合において、流体物の一括処理が可能になる。
【0179】
請求項4に係る破袋装置は、請求項2に係る破袋装置と同様、ノズルからの流体物によって、袋から出た内容物の該移動部の下端部側への滑りが促進される。従って、内容物の自重による滑動の他に、流体の流れにより滑りが促進されたり、または、流体が移動部の略連続した面上に単に介在することによって該略連続した面との摩擦が低減されて内容物の滑りが促進され、処理能力を決定する爪の移動速度を速めても堰止板近傍や移動部の略連続する面上に滞留することがなく、破袋後の内容物の滞留時間を大幅に短縮でき、滞留する間に生じる内容物の破損を抑制できると共に、装置全体の処理能力を向上させることができる。また、これにより、プレートを設ける必要がなくなる。
【0180】
請求項5に係る破袋装置は、請求項3に係る発明と同様,上側の移動部におて略連続した面を形成すると共に複数の爪を有する無端コンベヤ、堰止板及びノズルを含むセットを略V字形をなすように対面して設置したことによって、両側の無端コンベヤの爪による無端コンベヤ下端部周辺の引き裂き作用と、前述した無端コンベヤの爪と堰止板とによる引き裂き作用とによって、複数の爪を有す無端コンベヤ、堰止板及びノズルを片側だけに配置したものに比較して、2倍以上の破袋能力を発揮させることが可能となる。しかも、ノズルからの流体によって、袋から出た内容物の該移動部の下端部側への滑りが促進され、装置全体の処理能力が向上できるとと共に、無端コンベヤ間の谷部に排出部が形成され、処理された内容物と上記流体が、該排出部を通じて集中的に排出することができ、例えば、流体物が液体の場合において、流体物の一括処理が可能になる。
【0181】
請求項6に係る破袋装置は、無端コンベヤの上側の移動部に沿って設けられたプレート上面に固定刃を設けたことによって、爪に引っ掛けられてプレート上を移動する袋は、固定刃による切り裂き作用を受けると同時に、固定刃による袋の移動が抑止される際に、爪の移動によって引き裂き作用を受けるので、連続的な破袋が可能になる。更に、固定刃の切り裂き作用によって引き裂かれた袋は、爪に引っ掛りやすくなり、後続の爪に引っ掛けられてさらに前進して引き裂き作用を繰り返し受けるという繰り返し引き裂き作用を効果的に奏する。
【0182】
さらに、請求項2に係る破袋装置と同様、ノズルからの流体物によって、袋から出た内容物の該プレートの下端部側への滑りが促進される。従って、内容物の自重による滑動の他に、流体の流れにより滑りが促進されたり、または、流体がプレート上に単に介在することによってプレート面との摩擦が低減されて内容物の滑りが促進され、処理能力を決定する爪の移動速度を速めてもプレート上に滞留することがなく、破袋後の内容物の滞留時間を大幅に短縮でき、滞留する間に生じる内容物の破損を抑制できると共に、装置全体の処理能力を向上させることができる。
【0183】
請求項7に係る破袋装置は、複数の爪を有す無端コンベヤ、複数の固定刃を備えたプレート及びノズルを含むセットを略V字形をなすように対面して設置したことによって、両側の無端コンベヤの爪によるプレート下端部周辺の引き裂き作用と、前述した無端コンベヤの爪とプレート上の固定刃とによる引き裂き作用とによって、複数の爪を有す無端コンベヤ、複数の固定刃を備えたプレート及びノズルを片側だけに配置したものに比較して、2倍以上の破袋能力を発揮させることが可能となる。しかも、ノズルからの流体によって、袋から出た内容物の該プレートの下端部側への滑りが促進され、装置全体の処理能力が向上できるとと共に、プレート間の谷部に排出部が形成され、処理された内容物と上記流体が、該排出部を通じて集中的に排出することができ、例えば、流体物が液体の場合において、流体物の一括処理が可能になる。
【0184】
請求項8及び9に係る破袋装置は、ノズルを各スリット間に複数設したので、袋が通過して爪の移動面であるプレートまたは移動部の略連続した面に沿って流体が流れるので、自重によっては滑落できず無端コンベヤの斜面上に残留する内容物の部位に流体が流れ、以て内容物の滑りが促進される。
【0185】
請求項10の破袋装置にあっては、堰止板のスリットまたは固定刃と爪の間に噛み込んだ硬質の内容物の除去が可能となり、大きい粗大物(硬質物)等が投入された場合でも、上記の噛み込み防止作用によって粗大物の噛み込みが防止されるものであるが、かかる爪に向けて流体物を流すことによって、硬質の内容物の除去が更に容易になり、粗大物の噛み込みが更に防止される。
【0186】
請求項11の発明は、流体として圧縮気体を用いることによって、特に発泡スチロール等の軽量なもの、或いは厨芥などの接触面における摩擦係数の高いもの等、自重では滑落できない内容物の摩擦係数を低減でき、内容物の滑りが促進され、円滑な滑動を可能にする。
【0187】
又、内容物を強い力で押し流すことができ、更に内容物の滑りが促進され、円滑な滑動を可能にする。
又、流体を液体等にした場合に比べ、無端コンベヤのメンテナンス及び流体の排出処理等の観点では好ましい効果を有する。
【0188】
請求項12の発明は、流体として高圧の液体を用いることによって、ほんの少しの液体が接触面上に介在するだけで、摩擦が低減されて内容物の滑りが促進され、特に発泡スチロール等の軽量なもの、或いは厨芥などの接触面における摩擦係数の高いもの等、自重では滑落できない内容物の摩擦係数を低減でき、内容物の滑りが促進され、円滑な滑動を可能にする。
【0189】
又、圧縮空気に比して内容物を強い力で押し流すことができ、より内容物の滑りが促進され、円滑な滑動を可能にする。
請求項13の発明は、爪の移動面若しくは無端コンベヤの上面を、下方から上方に行くにしたがって傾斜勾配がきつくなり鉛直近くになる軌道形状にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る破袋装置の第1の実施形態を示す正面断面図
【図2】 同上の実施形態におけるチェーンコンベヤの正面断面図
【図3】 その側面図
【図4】 同上のチェーンコンベヤにおける一つのチェーン構成部材と爪とスラットとの関係を示す側面図
【図5】 一つのチェーン構成部材と爪とスラットとの関係を示す側面図で、スラットの他の例を示す図
【図6】 同上の実施形態における爪の支持構造を示す図で、(A)は側面図、(B)はその正面図
【図7】 同上の実施形態におけるプレートと堰止板の構成を示す斜視図
【図8】 同上の実施形態の破袋装置の平面図で、本体ケーシング内を透視した図
【図9】 同上の実施形態における袋落下防止ガイドの構成を示す斜視図の構成を示す正面断面図
【図10】 同上の実施形態におけるプレート上面の袋の投入落下位置トと爪の間に噛み込んだ硬質物を除去する作用を説明する図
【図11】 (A)〜(D)は同上の実施形態における破袋作用を説明する図
【図12】 (A)〜(D)は同上の実施形態における堰止板のスリット
【図13】 本発明に係る破袋装置の第2の実施形態を示す正面断面図
【図14】 同上の実施形態における堰止板の構成を示す斜視図
【図15】 本発明に係る破袋装置の第3の実施形態を示す正面断面図
【図16】 同上の実施形態におけるプレートの構成を示す斜視図
【図17】 本発明に係る破袋装置の第4の実施形態を示す正面断面図
【符号の説明】
1 本体ケーシング
2 無端コンベヤ
3 プレート
3A スリット
4 堰止板
4A スリット
5 爪
63 袋落下防止ガイド
64 細板部材
64C 下側湾曲部
67 分岐ローラ
71 袋シュート
72 小片シュート
73 小片ガイド
78 袋
90 ノズル給水管
91 ノズル
95 固定刃

Claims (13)

  1. 袋を引っ掛けることが可能で順次移動する複数の爪と、各爪の通過が可能で所定大の内容物が入った袋の通過が抑制されるスリットを有する堰止板と、を含んで構成され、
    爪に引っ掛けられた袋が前記堰止板を通過しようとする際に、爪の移動に伴って該袋を引き裂き、引き裂かれた袋から出る内容物を袋の該堰止板への移動方向と反対の方向に移動するように構成された破袋装置であって、
    前記堰止板側から爪の移動面に沿って前記袋の該堰止板への移動方向と反対の方向に向け流体の流れをつくり、袋から出た内容物を該袋の堰止板への移動方向と反対の方向に円滑に移動させるノズルを有することを特徴とする破袋装置。
  2. 移動方向に沿って移動部に配列された複数の爪を有する無端コンベヤを、その上側の移動部の移動方向先が高位に位置するように設け、
    前記爪が通過可能な第1のスリットを有するプレートを、前記無端コンベヤの上側の移動部に沿って該無端コンベヤの上方に設け、
    前記プレートに固定または一体に連続形成され、かつ該プレートの第1のスリットに連なって前記爪が通過可能で所定大の内容物が入った袋の通過を抑制する第2のスリットを有すると共に、該第2のスリットを通過する爪の先端より外方に先端部が位置する堰止板を設けた破袋装置であって、
    前記プレート上を、堰止板側から該プレートの下端部側に向かって流体の流れをつくり、袋から出た内容物の該プレートの下端部側への滑りを促進させるノズルを設けたことを特徴とする破袋装置。
  3. 前記無端コンベヤ、前記プレート、前記堰止板及び前記ノズルを含むセットを少なくとも1対相対して設け、対をなす前記無端コンベヤの下端部相互が所定の間隔をおいて接近し、上端部相互が最も離間するように設けたことを特徴とする請求項2に記載の破袋装置。
  4. 少なくとも下端部と上端部との間の上側の移動部において略連続した面を形成し、移動方向に沿って移動部に配列された複数の爪を有する無端コンベヤを、その上側の移動部の移動方向先が高位に位置するように設け、
    一端部が該無端コンベヤの上側の移動部の面に接し若しくは近接し、他端部が該上側の移動部外方に位置する堰止板を設け、該堰止板には、前記爪が通過可能で所定大の内容物の通過を抑制するスリットを設け、
    前記上側の移動部の略連続した面上を、堰止板側から該移動部の前記下端部側に向け流体の流れをつくり、袋から出た内容物の該移動部の下端部側への滑りを促進させるノズルを設けたことを特徴とする破袋装置。
  5. 前記無端コンベヤ、前記堰止板及び前記ノズルを含むセットを少なくとも1対相対して設け、対をなす前記無端コンベヤの下端部相互が所定の間隔をおいて接近し、上端部相互が最も離間するように設けたことを特徴とする請求項4に記載の破袋装置。
  6. 無端コンベヤと、該無端コンベヤの上側の移動部に沿って該無端コンベヤの上方に設けたプレートと、を含んで構成され、
    前記無端コンベヤは、その上側の移動部の移動方向先が高位に位置するように、該上側の移動部を傾斜させて設けるとともに、前記上側の移動部の移動方向前方に向けた爪先部を有する複数の爪をその移動部の外側に設け、
    前記プレートは、前記爪が通過可能なスリットと、該スリットの側方のプレート上面位置に、前記移動部の移動方向後方に向けられた刃部を有する複数の固定刃と、を備えた破袋装置であって、
    前記プレートに沿って該プレートの下端部側に向け流体の流れをつくり、袋から出た内容物の該プレートの下端部側への滑りを促進させるノズルを有することを特徴とする破袋装置。
  7. 前記無端コンベヤ、前記プレート及び前記ノズルを含むセットを少なくとも1対相対して設け、対をなす前記無端コンベヤの下端部相互が所定の間隔をおいて接近し、上端部相互が最も離間するように設けたことを特徴とする請求項6に記載の破袋装置。
  8. 前記ノズルは、前記堰止板の各スリット間に設けられることを特徴とする請求項1〜5の何れか1つに記載の破袋装置。
  9. 前記ノズルは、前記プレートの各スリット間に設けられることを特徴とする請求項2、3、6又は7の何れか1つに記載の破袋装置。
  10. 前記爪は、弾性部材により、爪の先端部にかかる抵抗に応じて、爪の移動方向後方側に揺動可能、若しくは起倒可能に構成されたことを特徴とする請求項1〜9の何れか1つに記載の破袋装置。
  11. 前記流体は、圧縮気体であることを特徴とする請求項1〜10の何れか1つに記載の破袋装置。
  12. 前記流体は、高圧液体であることを特徴とする請求項1〜10の何れか1つに記載の破袋装置。
  13. 前記爪の移動面若しくは前記無端コンベヤの上面は、下方から上方に行くにしたがって傾斜勾配がきつくなり鉛直近くになる軌道形状を有していることを特徴とする請求項1〜12の何れか1つに記載の破袋装置。
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