JP3442092B2 - 集積回路 - Google Patents

集積回路

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JP3442092B2
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成一 横川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、集積回路内で所望の温
度係数の抵抗を形成することに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図3は、従来の例として、集積回路に組
込まれた抵抗帰還による反転増幅回路を示す回路図であ
る。差動増幅器A11は便宜上、理想的な差動増幅器
(入力インピーダンス∞、出力インピーダンス0、オー
プンループゲイン∞)とする。そのマイナス端子には入
力Iinが接続され、プラス端子は接地されている。帰還
抵抗Rfは、差動増幅器A11の入出力側に結線されて
おり、この場合は単独の抵抗R11により構成されてい
る。
【0003】入力信号Iinが与えられたとき、出力Vo
は、以下の式で表わされる。 Vo =Iin×Rf …(1) 温度25℃のときの抵抗R11の抵抗値をr11、温度係
数をαとすると、(1)式は、 Vo =Iin×r11×(1+α×t) …(2) となる。ただし、tは温度変化量である。
【0004】入力電流Iinが一定であれば、この増幅器
のゲインは、帰還抵抗Rfの温度係数に支配されること
になる。
【0005】従来は、集積回路内で実現し得る抵抗の中
から、所望する温度係数を有する種類の抵抗を選んで設
計していた。
【0006】また、図4は、抵抗値測定用のモニタ抵抗
を同一チップに内蔵した従来の回路の一例である。図3
の差動増幅器A11のプラス端子と接地との間から抵抗
Rmが分岐されている。抵抗Rmは抵抗Rfと同種で同
一形状の抵抗であり、単独の抵抗R12により構成され
ている。このように、集積回路内で厳密な精度を必要と
する抵抗については、抵抗R11およびR12共に同種
で同一形状の抵抗を内蔵して、測定用パッドT1を設け
て、ウエハテストなどで測定を行なっており、温度係数
についても容易に確認できるようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来の設計方法
では集積回路内で実現し得る抵抗で実用的な抵抗は2種
類か3種類であるため、所望の温度係数を得ることがで
きない場合がある。
【0008】具体的には、大きな抵抗値を得ようとした
場合、シート抵抗の大きな抵抗を選択して設計するが、
シート抵抗の大きな抵抗は、有する温度係数も非常に大
きく、特性上問題になる場合がある。逆に、温度係数の
小さな抵抗を選択すると、シート抵抗が非常に小さいた
め、チップ面積の拡大を招き、大幅なコストアップにな
ったり、集積回路内での寄生効果が大きくなり、高速の
回路には使用し難いなどの問題がある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の集積回路におい
ては、モノリシック集積回路内において、異なる温度係
数を有する複数の抵抗を直列に組合せて使用し、所望の
温度係数を得るようにした。また、所望の温度係数を得
るために組合せた複数の抵抗の系列と、同じ温度係数の
組合せで同一の抵抗値を有する抵抗の系列、あるいは前
記の抵抗値と比例した抵抗値の、抵抗値測定用モニタ抵
抗の系列と測定に必要なパッドを設けるようにした。
【0010】
【作用】本発明においては、異なる温度係数を有する2
種類以上の抵抗を直列に組合せて使用することにより、
温度係数を調節して、所望の温度係数を有する抵抗を得
ることができる。また、組合せた抵抗と同じ温度係数の
組合せで、同一の抵抗値あるいは所定の抵抗比の抵抗値
測定用モニタ抵抗と測定パッドを設けることにより、従
来例と同様に測定用モニタ抵抗の役割を果たさせること
ができる。
【0011】
【実施例】図1は、本発明の一実施例の回路図である。
従来例の図3に対応するものであるが、差動増幅器A1
の帰還抵抗Rfの部分が抵抗R1およびR2の2つの抵
抗の直列接続になっていることが異なっている。
【0012】ここで、抵抗R1とR2は、それぞれ異な
る温度係数α1 とα2 を有する抵抗である。そして、温
度25℃のときの抵抗値をそれぞれr1 およびr2 とす
ると、帰還抵抗Rfは、 Rf=r1 ×(1+α1 ×t)+r2 ×(1+α2 ×t) …(3) となる。ただし、tは温度変化量であり、簡単のため温
度の1次式で記述した。
【0013】 r2 =n×r1 …(4) とすると、 Rf=r1 ×(1+α1 ×t)+n×r1 ×(1+α2 ×t) …(5) となり、(5)式を整理すると、 Rf=(1+n)×r1 ×{1+(α1 +n×α2 )t/(1+n)} …(6) したがって、帰還抵抗Rfの温度係数は(α1 +n×α
2 )/(1+n)となる。
【0014】特に、n=1の場合、すなわち、r1 =r
2 のとき、(6)式は、 Rf=2×r1 ×{1+(α1 +α2 )t/2} …(7) となり、Rfの温度係数は(α1 +α2 )/2となる。
【0015】また、(6)式からわかるように、nを小
さくすれば、温度係数はα1 に近づき、逆にnを大きく
すれば、温度係数はα2 に近づく。
【0016】図2は、図4に対応するものであるが、差
動増幅器A1の帰還抵抗Rfは図1と同様に温度係数の
異なる抵抗R1およびR2を組合せてあり、接地側の抵
抗Rmは帰還抵抗Rfを構成する抵抗R1およびR2と
同じ温度係数で同一形状の抵抗R3およびR4の組合せ
か、あるいは、同じ温度係数で同じ抵抗比での組合せに
よるものである。すなわち、 r2 =n×r1 …(8) のとき、抵抗R3およびR4の25℃のときの抵抗値を
それぞれr3 およびr4 とすると、 r4 =n×r3 …(9) になるようにモニタ抵抗Rmを設ける。
【0017】そして、抵抗R1とR3を同種の抵抗、ま
た、抵抗R2とR4を同種の抵抗で形成する。集積回路
内では同種の抵抗は同じ割合でばらつき、異種の抵抗は
それぞれ独立にばらつく。したがって、抵抗R1および
抵抗R3のばらつき係数をa、抵抗R2とR4のばらつ
き係数をbとすると、帰還抵抗Rfおよびモニタ抵抗R
mはそれぞれ、 Rf=a×r1 +b×r2 =a×r1 +b×n×r1 =(a+b×n)×r1 …(10) Rm=a×r3 +b×r4 =a×r3 +b×n×r3 =(a+b×n)×r3 …(11) となる。したがって、抵抗R1とR3の値を同じにする
か、あるいは、予め相関をとっておくなどして、式
(8)および(9)を満たすように設定してやれば、集
積回路内で厳密な精度を必要とする抵抗についても、こ
の方法により、モニタ抵抗を内蔵して、測定用パッドT
1を設けてウエハテストなどで測定を行なうことができ
る。
【0018】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、異なる
温度係数を有する複数の抵抗を直列に組合せて使用する
ことにより、温度係数を調節して、所望の温度係数を有
する抵抗を容易に得ることができる。また、組合せた抵
抗と同じ組合せで同一の抵抗値、あるいは、同一の抵抗
比の抵抗値測定用モニタ抵抗と測定パッドを設けること
で、集積回路内で厳密な抵抗値精度を必要とする場合、
内蔵した抵抗により測定用モニタ抵抗の役割を果たさせ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の等価回路図である。
【図2】本発明の他の実施例の等価回路図である。
【図3】従来の一例の等価回路図である。
【図4】従来の他の例の等価回路図である。
【符号の説明】
A1 差動増幅器 Rf 帰還抵抗 Rm モニタ抵抗 R1,R2,R3,R4 抵抗 T1 測定用パッド
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01C 13/02 H03F 1/30

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 異なる温度係数を有する複数の抵抗を直
    列に組合せて所望の温度係数を有する抵抗を形成した系
    列と、 前記複数の抵抗と同じ温度係数であり、かつ、同一形状
    の複数の抵抗値測定用モニタ抵抗を直列に組合せた系列
    と、 測定に必要なパッドとを有することを特徴とする集積回
    路。
  2. 【請求項2】 異なる温度係数を有する複数の抵抗を直
    列に組合せて所望の温度係数を有する抵抗を形成した系
    列と、 前記複数の抵抗と同じ温度係数であり、かつ、前記複数
    の抵抗の抵抗値と比例した抵抗値を有する複数の抵抗値
    測定用モニタ抵抗の系列と、 測定に必要なパッドとを有することを特徴とする集積回
    路。
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