JP3441700B2 - キースイッチ装置 - Google Patents

キースイッチ装置

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JP3441700B2
JP3441700B2 JP2000183063A JP2000183063A JP3441700B2 JP 3441700 B2 JP3441700 B2 JP 3441700B2 JP 2000183063 A JP2000183063 A JP 2000183063A JP 2000183063 A JP2000183063 A JP 2000183063A JP 3441700 B2 JP3441700 B2 JP 3441700B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、キースイッチ装置に係
り、特に、ノート型ワードプロセッサやノート型パーソ
ナルコンピュータ等に付設される薄型のキーボードに有
効なキースイッチ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のキーボードに使用される
キースイッチ装置としては、キーステムを一体に有する
キー部材がホルダープレートに形成されたキーホルダ部
に挿通されて支持されるとともに、キーステムの下方に
スイッチング部材が配設されたキースイッチ装置が一般
に用いられている。このようなキースイッチ装置におい
て、キー部材のキーステムはキーホルダ部を介して上下
に摺動案内され、キー部材を押下すると、キー部材が下
方へ移動するのに伴って、キーステムの下部によりスイ
ッチング部材が押下され、これによりスイッチング動作
が行われる。
【0003】また、スペースキーやリターンキー等の大
型のキーを使用するキースイッチ装置としては、キーの
押下時にキーが傾いた状態で押下されるのを防止するた
めに、特開昭60−62017号公報や特開昭64−7
441号公報に記載されたキースイッチ装置が知られて
いる。
【0004】前者に記載されたキースイッチ装置では、
キー部材の下方に配設され、キー部材を支持する案内部
材を2つのはさみ状部材により構成し、個々のはさみ状
部材の2つのアームを軸に回転可能に連結させている。
そして、キー部材を押下すると、各はさみ状部材の端部
に形成された複数個の各ピンがキー部材の裏面とキーボ
ードの基板の上面とで水平方向に摺動するように構成し
ている。これにより、キー部材を押下すると、キー部材
は水平状態を保持したまま下方に移動し、これに伴って
キー部材に垂設された押下部がキーホルダ部を介して摺
動案内され、その下方に配設されたスイッチング部材を
押下し、スイッチング動作が行われる。
【0005】更に、後者に記載されたキースイッチ装置
は、前者に記載されたキースイッチ装置と基本的構成を
同じくするものであり、はさみ状部材に対するキー部材
の着脱を容易にする点に特徴を有するものである。
【0006】これら各公報に記載されたキースイッチ装
置は、スペースキー等の大型のキーにおける押下位置と
は無関係に、キーのどの部分を押下しても水平状態を保
持したままキーの上下動を案内できるものである。この
ように、前述した従来のキースイッチ装置は、いずれに
おいても、スイッチング部材を押下するためのキーステ
ムやキー部材の押下部をキーホルダ部を介して上下に摺
動案内しつつ、スイッチング部材を押下させるようにし
ている点で共通する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、
ワードプロセッサやパーソナルコンピュータ等における
小型化、薄型化に伴い、これらに付設されるキーボード
も小型化、薄型化が指向されている。一方、キー入力の
操作性を向上させるとともにキー入力の確実性を担うべ
く大きなキーストロークが要求される状況下において、
従来のキースイッチ装置では十分なキーストロークを得
ることができないという問題点があった。
【0008】従来のキースイッチ装置において、キーボ
ードの薄型化を実現しようとすれば、キーステムがキー
ホルダ部により摺動案内される部分が減少し、これに伴
って、キーの傾動に起因するキーステムとキーホルダ部
との間でのキーのこじれが生じる。これを防止するため
に、キーステムがキーホルダ部により摺動案内される部
分を大きくすると、キーストロークが減少するというジ
レンマがある。また、キーの押下時にキーステムとキー
ホルダ部との間で生じるこじれは、摺動ノイズ発生の原
因となり、キー入力の操作性を著しく損なう。このキー
ステムとキーホルダ部間で生じるこじれは、常にキーの
中央部を押下している場合には、キーステムが垂直に押
下されることとなるので発生し難い。そこで、こじれの
発生を防止するために、キーの操作面積を小さくし、常
にキーの中央部にて押下されるようにすることも考えら
れるが、この場合もキー入力の操作性を著しく損なう点
では前記のものと変わるところがない。
【0009】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、キーステムをホルダ部により上
下に摺動案内する構成を不要として、キーボードの薄型
化に対応しつつ、キーストロークを大きく維持すること
ができ、しかも、キー入力の操作性が良好で、こじれの
ない確実なキー入力を可能とするキースイッチ装置を提
供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1記載のキースイッチ装置は、裏面に第1
係止部が形成されたキートップと、そのキートップの下
方に配設されるとともに第2係止部が形成されたホルダ
部材と、第1係止部および第2係止部にそれぞれ係止さ
れるとともにキートップの上下動を案内支持する一対の
リンク部材と、前記キートップの上下動に伴ってスイッ
チング動作を行うスイッチング部材とを備えたキースイ
ッチ装置であって、一対のリンク部材は、少なくとも一
方のリンク部材が他方のリンク部材を下方へ押圧するこ
とにより連動してキートップの下降動作を案内するもの
であり、キートップが最下位置に到達した際、一対のリ
ンク部材が略水平に折り畳まれる。
【0011】また、請求項2記載のキースイッチ装置
は、請求項1記載のキースイッチ装置において、前記キ
ートップの裏面に形成された第1係止部と、前記ホルダ
部材に形成された第2係止部とは、平面視において互い
に重ならない位置に配設されている。 請求項3記載のキ
ースイッチ装置は、請求項1または請求項2に記載のキ
ースイッチ装置において、前記キートップを上方に付勢
するラバースプリングと、前記ホルダ部材に形成され、
ホルダ部材の厚さ内に前記ラバースプリングの一部を収
納配置するとともに、そのラバースプリングの上端部を
ホルダ部材の上面から突出させる配置孔とを備えてい
る。
【0012】
【作用】本発明のキースイッチ装置によれば、キートッ
プが非押下の状態では、キートップは上方に保持されて
いる。かかる状態からキートップが押下されると、キー
トップは下降し、このキートップの下降動作に伴って
対のリンク部材は、連動して動き、キートップの下降
動作を案内する。このキートップの下降動作とともに、
スイッチング部材が押圧されスイッチング動作が行われ
る。一方、キートップの押下が解除されると、キートッ
プは、一対のリンク部材に支持されつつ上方へ押し上げ
られて、元の位置に復帰する。
【0013】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図面を
参照して説明する。図1は本実施例によるキースイッチ
装置の上面透視図、図2は図1のX−X線断面図、図3
は図1のY−Y線断面図、図4は押下時のキースイッチ
装置の側断面図、図5はキースイッチ装置のリンク部材
の斜視図、図6はキースイッチ装置のホルダープレート
部分の斜視図である。
【0014】キートップ1はABS樹脂等の合成樹脂か
ら成型されており、その上面にはアルファベット等の文
字が印刷等により形成されている。このキートップ1の
裏面からは、4つの第1係止部2a,2b,3a,3b
がキートップ1本体と一体になって垂設されている。第
1係止部2a,2bには、後述する2つのリンク部材
7,8のうち、一方のリンク部材7に形成された係止軸
13a,13bを回動可能に係止する係止孔4a,4b
が、後述する案内支持部材6の各係止ピン14a,14
b,24a,24bの摺動方向に並設された一対の挟持
壁2a1,2a2,2b1,2b2の間に形成されてい
る。また、第1係止部3a,3bには、他方のリンク部
材8に形成された係止軸23a,23bを回動可能に係
止する係止孔5a,5bが、案内支持部材6の各係止ピ
ン14a,14b,24a,24bの摺動方向に並設さ
れた一対の挟持壁3a1,3a2,3b1,3b2の間
に形成されている。
【0015】キートップ1の下方には、キートップ1の
上下動を案内支持する案内支持部材6が配設されてい
る。この案内支持部材6はキー押下時にキートップ1が
傾くのを防止する機構を有し、2つのリンク部材7,8
から構成されている。
【0016】一方のリンク部材7は、図1に示すよう
に、基部9の両端に2つの基端部10a,10bを一体
に形成してなり、基端部10a,10bには各々ロッド
12a,12bが延設されており、このロッド12a,
12bは後述する他方のリンク部材8に延設されたロッ
ド22a,22bと作用点A、Bにて押下し合うように
交叉状に構成されている。また、基部9には2つの係止
軸13a,13bが形成されており、この係止軸13
a,13bは前記の係止孔4a,4bに回動可能に係止
される。更に、基端部10a,10bの両端延部11
a,11bの側面からは係止ピン14a,14bが延設
されている。この係止ピン14a,14bは後述するホ
ルダープレート26に形成された第2係止部28a,2
8bに係止される。
【0017】他方のリンク部材8は、図1に示すよう
に、基部19の両端に2つの基端部20a,20bを一
体に形成してなり、基端部20a,20bには各々ロッ
ド22a,22bが延設されており、このロッド22
a,22bは他方のリンク部材7に形成されたロッド1
2a,12bと作用点A、Bにて押下し合うように交叉
状に構成されている。また、基部19には2つの係止軸
23a,23bが形成されており、この係止軸23a,
23bは前記の係止孔5a,5bに回動可能に係止され
る。更に、基端部20a,20bの両端延部21a,2
1bの側面からは係止ピン24a,24bが延設されて
いる。この係止ピン24a,24bは後述するホルダー
プレート26に形成された第2係止部27a,27bに
係止される。
【0018】両リンク部材7,8は、図2に示すよう
に、側面視においてX字状に交叉して、ロッド12a,
12b,22a,22bの部分で互いに組み合わされて
おり、このロッド12a,12b,22a,22bの部
分を組合せ係合部として、互いに作用し合って連動する
ように構成されている。また、両リンク部材7,8は、
上面視ロ字形状に構成され、これにより中央に大きな空
間を有し、この空間に後述するラバースプリング32と
コイルスプリング33を効率良くキートップ1の下側に
収納できるようになっている。
【0019】案内支持部材6の下方には、図6に示され
るような開口25を有したホルダープレート26が配設
されており、このホルダープレート26には前記リンク
部材7,8に設けられた係止ピン14a,14b,24
a,24bを各々係止するための第2係止部27a,2
7b,28a,28bが設けられている。各第2係止部
27a,27b,28a,28bは,ホルダープレート
26の内周縁の各角を形成する2辺をもって凸状に一体
となって形成され、開口25中に係止溝29a,29
b,30a,30bを形成している。そして、各々の係
止ピン14a,14b,24a,24bを係止溝29
a,29b,30a,30b内において水平方向に摺動
可能に係止している。
【0020】なお、各第2係止部27a,27b,28
a,28bを形成する2辺のうち、ホルダプレート26
に立設される制限壁27a1,27b1,28a1,2
8b1は、各係止溝29a,29b,30a,30bに
おいてキートップ1の上昇動作時における各係止ピン1
4a,14b,24a,24bの摺動方向側の端部に形
成されている。この制限壁27a1,27b1,28a
1,28b1により、案内支持部材6の各係止ピン14
a,14b,24a,24bの摺動量が制限され、キー
トップ1の上昇位置が規制される。
【0021】ホルダプレート26の下方には、スイッチ
電極を含む所定の回路パターン(図示せず)が形成され
たフレキシブル回路基板31が配設され、スイッチ電極
に対応する位置にはスイッチング部材として逆カップ状
のラバースプリング32が載置されている。このラバー
スプリング32は内部に可動電極を有しており、上方か
らの押下量が一定限度を越えると座屈され、可動電極に
よりスイッチ電極が短絡されるものである。ラバースプ
リング32の上面には弾性部材としてコイルスプリング
33が配設され、その上端部はキートップ1の裏面の凹
部1aに取付けられている。この凹部1aにコイルスプ
リング33の上端が係止されるため、コイルスプリング
33の位置がずれることはない。さらに、フレキシブル
回路基板31の下方には、スイッチ支持板34が配設さ
れている。つまり、スイッチ支持板34は、フレキシブ
ル回路基板31、ラバースプリング32、案内支持部材
6およびホルダープレート26を支持していることにな
る。
【0022】また、2つの位置決めピン36a,36b
が第2係止部28a,28bに近接してホルダープレー
ト26上に立設され、これらに対応して位置決め溝35
a,35bが、キートップ1の上下動にともなって位置
決めピン36a,36bを案内するようにキートップ1
の裏面から垂設されている。この位置決めピン36a,
36bの位置決め溝35a,35bとの係合部は、キー
トップ1の押下時に、こじれを生じることなくスムーズ
に位置決め溝35a,35bに沿って案内されるように
球状に形成されている。このホルダープレート26にお
ける位置決めピン36a,36bの直下位置には貫通孔
26aが設けられ、これにより、スライド型を用いるこ
となく、樹脂成形により作成可能となる。
【0023】これら位置決めピン36a,36bと位置
決め溝35a,35bとの係合でもって、位置決め部材
37が構成されており、この位置決め部材37は、キー
トップ1が水平方向に移動するのを防止する機構を有し
ている。また、キートップ1の傾きを防止する機構は案
内支持部材6が有しているため、その機構を持つ必要が
ないことより、位置決めピン36a,36bと位置決め
溝35a,35bとの係合部のオーバラップ量は少なく
てよい。このように、案内支持部材6により一方向の位
置決めを行い、この位置決めに対して90度の方向の位
置決めを位置決め部材37により行われているので、キ
ートップ1は、水平方向に移動することなく、また、案
内支持部材6のリンク部材7、8が互いに作用点A、B
で押下し合って作用することにより、水平状態を保持し
たまま上下動される。
【0024】前記構成において、図2における作用点
A、Bを通る垂線Lを基準に左側の第1係止部2a,2
bには、係止軸13a,13bを回動可能に係止する係
止孔4a,4bが設けられ、第2係止部27a,27b
には、係止ピン24a,24bを水平方向に係止する係
止溝29a,29bが設けられている。また、垂線Lを
基準に図2の右側の第1係止部3a,3bには、係止軸
23a,23bを回動可能に係止する係止孔5a,5b
が設けられ、第2係止部28a,28bには、係止ピン
14a,14bを水平方向に係止する係止溝30a,3
0bが設けられている。
【0025】通常、ワードプロセッサやパーソナルコン
ピュータにおけるキーボードは、キー入力しやすいよう
に装置手前側が低くなるように斜面をもって形成される
のに対し、各キートップ1の上面は水平に配設される。
このため、各キースイッチ装置においては、装置手前側
の方が厚みがある、つまり、スイッチ支持板34からキ
ートップ1までの高さ寸法が長くなる。この高さ寸法が
長い所に位置決め部材37を配設することにより、上述
した位置決め溝35a,35bと位置決めピン36a,
36bとの係合部のオーバーラップ量が少なくてよいこ
とと相俟って、キーの所定量のストロークを確保しよう
としたときの全体の高さ寸法を小さくすることができ
る。また、本実施例では、キートップ1の周囲の肉厚が
上方へ盛り上がって高くなっているので、この部分に位
置決め部材37を設けることで、可能な限り、全体の高
さ寸法を小さくしている。図2においては右側が装置手
前側となる。
【0026】次に、このように構成されたキースイッチ
装置の動作を説明する。キートップ1を押下すると、キ
ートップ1が下方へ移動するのに伴って、リンク部材7
の各々の係止軸13a,13bは第1係止部2a,2b
の係止孔4a,4b内で反時計方向に回動し、リンク部
材8の各々の係止軸23,24は第1係止部3a,3b
の係止孔5a,5b内で時計方向に回動する。これと同
時に、リンク部材7の各々の係止ピン14a,14bは
第2係止部28a,28bの係止溝30a,30b内で
水平方向(図2の右方向)に摺動し、リンク部材8の各
々の係止ピン24a,24bは第2係止部27a,27
bの係止溝29a,29b内で水平方向(図2の左方
向)に摺動する。
【0027】その結果、リンク部材7のロッド12a,
12bとリンク部材8のロッド22a,22bとが互い
に作用点A、Bにて押下し合い、即ち、組合せ係合部に
て、両リンク部材7,8は互いに相手側のリンク部材
7,8を押下し合い、これにより、キートップ1は水平
状態を保持したまま下方に移動する。このとき、位置決
めピン36a,36bは、こじれを生じることなくスム
ーズに位置決め溝35a,35bに案内され、キートッ
プ1が水平方向に移動することはない。また、キートッ
プ1の下方への移動により、キートップ1の裏面に取付
けられたコイルスプリング33を圧縮し、ラバースプリ
ング32が除々に押下される。そして、その押下量が一
定限度を越えた時点でラバースプリング32は座屈さ
れ、これにより、ラバースプリング32内の可動電極が
フレキシブル回路基板31上のスイッチ電極を短絡し、
所定のスイッチング動作が行われる。
【0028】キートップ1の押下を解除すると、キート
ップ1はコイルスプリング33、ラバースプリング32
の弾性復元力により上方に押し上げられる。これに伴っ
て、係止軸13a,13b,23a,23bおよび係止
ピン14a,14b,24a,24bは前述した動作と
逆の動作を行い、その結果、キートップ1は元の位置に
復帰される。
【0029】なお、ラバースプリング32は前述のよう
に側面視略台形であり、その上底の長さと下底の長さ及
び高さに起因する側面の角度は、その所望キータッチに
応じて決まる。さらに、この台形部の高さ、即ち、ラバ
ースプリング32の高さはキーストロークとコイルスプ
リング33に応じて決定され、高い方が好まれる。しか
し、装置全体の厚さを鑑みれば、このラバースプリング
32はそれほど大きくすることができない。そこで、本
実施例にあっては、前述のように両リンク部材7,8を
上面視ロ字形状に組付けることにより、その中心に大き
な空間を取り得るようにし、この空間にラバースプリン
グ32とコイルスプリング33を配設した。これによ
り、本実施例にあっては、両リンク部部材を側面視略直
線状とし、装置中央部に大きな空間を有し得ない特開昭
60−62017号公報あるいは特開昭64−7441
号公報記載の装置と比べ、より薄型で大きなストローク
を得ることができる。
【0030】以上詳細に説明したように、本実施例によ
るキースイッチ装置は、2つのリンク部材7,8をキー
トップ1の下方にロ字形状に構成することにより、その
中心に大きな空間を取り、この空間にラバースプリング
32とコイルスプリング33を配設し、キートップ1を
押下することにより、コイルスプリング33を介してラ
バースプリング32が押下されるようにした。これによ
り、従来のキースイッチ装置のように、キーステムをキ
ーホルダ部により摺動案内する構成やスイッチング部材
を押下するための特別な構成を不要とした。これによ
り、キーボードの薄型化に対応しつつキーストロークを
大きくすることができ、よって、キーの操作性が良好
で、キー入力を確実に行い得ると共に、簡単な構成によ
り低コストのキースイッチ装置を提供することができ
る。
【0031】特に、キーステムをキーホルダ部により摺
動案内する構成を必要としなくなるので、従来のキース
イッチ装置のようにキーの押下時にキーステムとキーホ
ルダ部間で摺動ノイズが生じることもなく、これと共
に、キーの中央部を押下させるために、キーの操作面積
を小さくする必要性はなくなる。
【0032】また、位置決め機能のある案内支持部材6
と位置決め部材37を設けたことにより、キ−トップ1
の押下時にも、案内支持部材6のリンク部材7、8が互
いに作用点A、Bで押下し合うことにより下方に力が加
わるだけで、キートップ1が水平方向に移動することは
ない。しかも、位置決めピン36a,36bの位置決め
溝35a,35bとの係合部を球状に形成したので、位
置決めピン36a,36bは、こじれを生じることなく
スムーズに位置決め溝35a,35bに沿って摺動案内
されることより、摺動ノイズを生じることもない。従っ
て、前記のこととも相俟って、この点からもキー入力の
操作性が良好で、キー入力を確実に行い得るキースイッ
チ装置を提供することができる。
【0033】なお、本発明は上記実施例に限られるもの
ではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変
形、改良が可能である。例えば、本実施例におけるリン
ク部材7、8の本数を増やしてT字形にし、互いに作用
し合うように組み合わせた構成としてもよく、この場合
においても上述と同様の効果が得られるとともに、位置
決め溝および位置決めピンからなる位置決め部材37を
省略することが可能となる。また、上記実施例にあって
は、キートップ1に凹部1aを設けてコイルスプリング
33を係止したが、キートップ1下面にコイルスプリン
グ33内径と略同一の半球状凸部を設けて係止してもよ
い。
【0034】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のキースイ
ッチ装置によれば、一対のリンク部材によりキートップ
の上下動を案内支持するので、キーステムをホルダ部に
より上下に摺動案内する構成を不要にすることができ
。よって、キーストロークの大きさを維持しつつ、キ
ーボードを薄型化することができるという効果がある。
また、かかるリンク部材を使用することにより、キー入
力の操作性を良好にするとともに、こじれのない確実な
キー入力を可能とすることができるという効果がある。
更に、キートップが最下位置に到達した際には、一対の
リンク部材が略水平に折り畳まれるため、キートップの
押下時に、一対のリンク部材をキートップの下方にコン
パクトに収納することができ、かつリンク部材によるキ
ーストロークの損失を極力少なくして、大きなキースト
ロークを維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるキースイッチ装置の上
面透視図である。
【図2】図1のX−X線断面図である。
【図3】図1のY−Y線断面図である。
【図4】本実施例によるキースイッチ装置の押下時の側
断面図である。
【図5】本実施例によるキースイッチ装置のリンク部材
の斜視図である。
【図6】本実施例によるキースイッチ装置のホルダープ
レート部分の斜視図である。
【符号の説明】
1 キートップ 2a,2b,3a,3b 第1係止部 2a1,2a2,2b1,2b2 挟持壁 3a1,3a2,3b1,3b2 挟持壁 4a,4b,5a,5b 係止孔 6 案内支持部材 7,8 リンク部材 9,19 基部 10a,10b,20a,20b 基端部 12a,12b,22a,22b ロッド 13a,13b,23a,23b 係止 14a,14b,24a,24b 係止ピ 25 開口 26 ホルダープレー 27a,27b,28a,28b 第2係止部 27a1,27b1,28a1,28b1 制限壁 29a,29b,30a,30b 係止溝 31 フレキシブル回路基 32 ラバースプリン 33 コイルスプリン 35a,35b 位置決め 36a,36b 位置決めピ 37 位置決め部材
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−62017(JP,A) 特開 昭64−7441(JP,A) 実開 平2−5236(JP,U) 実開 昭62−31341(JP,U) 米国特許3771636(US,A) 米国特許443325(US,A) 西独国特許出願公開4039379(DE, A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01H 13/14

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 裏面に第1係止部が形成されたキートッ
    プと、 そのキートップの下方に配設されるとともに第2係止部
    が形成されたホルダ部材と、 前記第1係止部および第2係止部にそれぞれ係止される
    とともに前記キートップの上下動を案内支持する一対の
    リンク部材と、 前記キートップの上下動に伴ってスイッチング動作を行
    うスイッチング部材とを備えたキースイッチ装置であっ
    て、前記 一対のリンク部材は、少なくとも一方のリンク部材
    が他方のリンク部材を下方へ押圧することにより連動し
    て前記キートップの下降動作を案内するものであり、 前記キートップが最下位置に到達した際、前記一対のリ
    ンク部材が略水平に折り畳まれる ことを特徴とするキー
    スイッチ装置。
  2. 【請求項2】 前記キートップの裏面に形成された第1
    係止部と、前記ホルダ部材に形成された第2係止部と
    は、平面視において互いに重ならない位置に配設されて
    いることを特徴とする請求項1記載のキースイッチ装
    置。
  3. 【請求項3】 前記キートップを上方に付勢するラバー
    スプリングと、前記ホルダ部材に形成され、ホルダ部材
    の厚さ内に前記ラバースプリングの一部を収納配置する
    とともに、そのラバースプリングの上端部をホルダ部材
    の上面から突出させる配置孔とを備えていることを特徴
    とする請求項1または請求項2に記載のキースイッチ装
    置。
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