JP3451081B2 - キースイッチ装置 - Google Patents

キースイッチ装置

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JP3451081B2
JP3451081B2 JP2002121281A JP2002121281A JP3451081B2 JP 3451081 B2 JP3451081 B2 JP 3451081B2 JP 2002121281 A JP2002121281 A JP 2002121281A JP 2002121281 A JP2002121281 A JP 2002121281A JP 3451081 B2 JP3451081 B2 JP 3451081B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、キースイッチ装置
に係り、特に、ノート型ワードプロセッサやノート型パ
ーソナルコンピュータ等に付設される薄型のキーボード
に使用されるキースイッチ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のキーボードに使用される
キースイッチ装置としては、キーステムを一体に有する
キー部材が、ホルダープレートに形成されたキーホルダ
部に挿通されて支持されるとともに、キーステムの下方
にスイッチング部材が配設されたキースイッチ装置が一
般に用いられている。このようなキースイッチ装置にお
いて、キー部材のキーステムはキーホルダ部を介して上
下に摺動案内され、キー部材を押下すると、キー部材が
下方へ移動するのに伴って、キーステムの下部によりス
イッチング部材を押下し、これによりスイッチング動作
が行われる。
【0003】また、スペースキーやリターンキー等の大
型キーを使用するキースイッチ装置としては、キーの押
下時にキーが傾いた状態で押下されるのを防止するた
め、特開昭60−62017号公報や特開昭64−74
41号公報に記載されたキースイッチ装置が知られてい
る。
【0004】前者に記載されたキースイッチ装置では、
キー部材の下方に配設され、キー部材を支持する案内部
材を2つのはさみ状部材により構成し、個々のはさみ状
部材の2つのアームを軸に回転可能に連結させている。
そして、キー部材を押下すると、各はさみ状部材の端部
に形成された複数個の各ピンがキー部材の裏面とキーボ
ードの基板の上面とで水平方向に摺動するように構成さ
れている。これにより、キー部材を押下すると、キー部
材は水平状態を保持したまま下方に移動し、これに伴っ
て、キー部材に垂設された押下部がキーホルダ部を介し
て摺動案内され、その下方に配設されたスイッチング部
材を押下し、スイッチング動作が行われる。
【0005】更に、後者に記載されたキースイッチ装置
は、前者に記載されたキースイッチ装置と基本的構成を
同じくするものであり、はさみ状部材に対するキー部材
の着脱を容易にする点に特徴を有するものである。
【0006】これら各公報に記載されたキースイッチ装
置は、スペースキー等の大型のキーにおける押下位置と
は無関係に、キーのどの部分を押下しても水平状態を保
持したままキーの上下動を案内できるものである。この
ように、前述した従来のキースイッチ装置は、いずれに
おいても、スイッチング部材を押下するためのキーステ
ムやキー部材の押下部をキーホルダ部を介して上下に摺
動案内しつつ、スイッチング部材を押下させるようにし
ている点で共通するものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、
ワードプロセッサやパーソナルコンピュータ等における
小型化、薄型化に伴い、これらに付設されるキーボード
も小型化、薄型化が指向されている。一方、キー入力の
操作性を向上させるとともにキー入力の確実性を担うべ
く大きなキーストロークが要求されている状況下におい
て、従来のキースイッチ装置では十分なキーストローク
を得ることができないという問題点があった。
【0008】従来のキースイッチ装置において、キーボ
ードの薄型化を実現しようとすれば、キーステムがキー
ホルダ部により摺動案内される部分が減少し、これに伴
って、キーの傾動に起因するキーステムとキーホルダ部
間でキーのこじれが生じてしまう。これを防止するため
に、キーステムがキーホルダ部により摺動案内される部
分を大きくすると、キーストロークが減少してしまうと
いうジレンマがある。また、キーの押下時にキーステム
とキーホルダ部間で生じるこじれは、摺動ノイズ発生の
原因となり、キー入力の操作性を著しく損なう。
【0009】このキーステムとキーホルダ部間で生じる
こじれは、常にキーの中央部を押下している場合には、
キーステムが垂直に押下されることとなるので発生しに
くいものである。そこで、このこじれの発生を防止する
ために、キーの操作面積を小さくし、常にキーの中央部
にて押下されるようにすることも考えられるが、この場
合もキー入力の操作性を著しく損なう点では前記のもの
と変わるところがない。
【0010】また、米国特許第3771636号明細書
に記載されるキースイッチは、ギヤ部を有するリンク部
材により、キートップの上下動を案内するものであり、
キーステムをホルダ部により上下に摺動案内する構成を
不要としている。しかし、キートップの係止部、即ちリ
ンク部材の摺動端部を係止するキートップの係止部は、
キートップの裏面から突出してホルダ部材内に設けられ
ているので、その係止部の長さが邪魔をして、キースイ
ッチの厚さの割に大きなキーストロークを得ることがで
きないという問題点があった。
【0011】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、キーステムをホルダ部により上
下に摺動案内する構成を不要として、キーボードの薄型
化に対応しつつ、キーストロークを大きく維持すること
ができ、しかも、簡単な構成によりキー入力の操作性が
良好で、こじれのない確実なキー入力を可能とするキー
スイッチ装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1記載のキースイッチ装置は、裏面内部に
第1係止部が形成されたキートップと、そのキートップ
の下方に配設され、第2係止部が形成されたホルダ部材
と、第1係止部および第2係止部にそれぞれ係止される
とともに、側面視における一端側にギヤ部を形成し、そ
のギヤ部でかみ合わされ、同期して回動することにより
キートップの上下動を案内支持する一対のギヤリンク部
材と、キートップを上方へ付勢するとともに、そのキー
トップの上下動に伴ってスイッチング動作を行うラバー
スプリングとを備え、キートップが最下位置に到達した
際、一対のギヤリンク部材が略水平に折り畳まれるもの
である。
【0013】また、請求項2記載のキースイッチ装置
は、請求項1記載のキースイッチ装置において、前記キ
ートップの裏面内部に形成された第1係止部と、前記ホ
ルダ部材に形成された第2係止部とは、平面視において
互いに重ならない位置に配設されている。 更に、請求項
3記載のキースイッチ装置は、請求項1又は請求項2に
記載のキースイッチ装置において、前記ホルダ部材に形
成され、ホルダ部材の厚さ内に前記ラバースプリングの
一部を収納配置するとともに、そのラバースプリングの
上端部をホルダ部材の上面から突出させる配置孔とを備
えている。 そして、請求項4記載のキースイッチ装置
は、請求項1から請求項3のいずれかに記載のキースイ
ッチ装置において、前記第1係止部または第2係止部の
一方は、前記一対のギヤリンク部材を回動可能に係止す
る回動係止部として構成され、第1係止部または第2係
止部の他方は、一対のギヤリンク部材を摺動可能に係止
する摺動係止部として構成され、一対のギヤリンク部材
は、それぞれ側面視における一端側端部に、前記ギヤ部
と、前記キートップの裏面内部またはホルダ部材に形成
された回動係止部に回動可能に係止されるとともにギヤ
部の回動中心となる係止部材とを有し、回動係止部は、
一対のギヤリンク部材の摺動方向におけるキートップの
端部から間隔をおいて内側に形成されている。
【0014】上記構成を有する本発明のキースイッチ装
置によれば、キートップが非押下の状態では、キートッ
プはラバースプリングにより上方に付勢され、上方に保
持されている。かかる状態からキートップが押下される
と、キートップはラバースプリングの付勢力に抗して下
降する。このキートップの下降動作に伴って、一対のギ
ヤリンク部材がギヤ部でかみ合いながら同期して回動
し、そのギヤリンク部材がそれぞれキートップおよびホ
ルダ部材の各係止部内で回動または摺動して、キートッ
プの下降動作を案内する。このキートップの下降動作と
ともに、ラバースプリングが押圧されてスイッチング動
作が行われる。
【0015】一方、キートップの押下が解除されると、
キートップはラバースプリングにより上方へ付勢されて
いるので、その付勢力により、ギヤリンク部材に支持さ
れつつ上方へ押し上げられて、元の位置に復帰する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
例を図面を参照して説明する。図1は本実施例によるキ
ースイッチ装置の上面透視図、図2は図1のX−X線断
面図、図3は図1のY−Y線断面図、図4は押下時のキ
ースイッチ装置の側断面図、図5はキースイッチ装置の
ギヤリンク部材の斜視図、図6はキースイッチ装置のホ
ルダープレート部分の斜視図である。
【0017】キートップ1はABS樹脂等の合成樹脂か
ら成型されており、その上面にはアルファベット等の文
字が印刷等により形成されている。このキートップ1の
裏面からは、4つの第1係止部2a,2b,3a,3b
がキートップ1の裏面内部に、キートップ1本体と一体
になって垂設されている。第1係止部2a,2bには、
後述する2つのギヤリンク部材7,8のうち、一方のギ
ヤリンク部材7に形成された係止軸13a,13bを回
動可能に係止する係止孔4a,4bが穿設されており、
また、第1係止部3a,3bには、他方のギヤリンク部
材8に形成された係止軸23a,23bを回動可能に係
止する係止孔5a,5bが穿設されている。
【0018】キートップ1の下方には、キートップ1の
上下動を案内支持する案内支持部材6が配設されてい
る。この案内支持部材6はキー押下時にキートップ1が
傾くのを防止する機構を有し、2つのギヤリンク部材
7,8から構成されている。一方のギヤリンク部材7
は、図1に示すように、基部9の両端に2つの基端部1
0a,10bを一体に形成してなり、基端部10a,1
0bには各々歯車(ギヤ部)12a,12bが形成され
ており、この歯車12a,12bは後述する他方のギヤ
リンク部材8に形成された歯車(ギヤ部)22a,22
bと作用点A,Bにてかみ合わされて、両者が同期して
回動可能となるように構成されている。
【0019】また、基部9には2つの係止軸13a,1
3bが形成されており、この係止軸13a,13bは係
止孔4a,4bに回動可能に係止される。更に、基端部
10a,10bの両端延部11a,11bの側面からは
係止ピン14a,14bが延設されている。この係止ピ
ン14a,14bは後述するホルダープレート26に形
成された第2係止部28a,28bに係止される。
【0020】他方のギヤリンク部材8は、図1に示すよ
うに、基部19の両端に2つの基端部20a,20bを
一体に形成してなり、基端部20a,20bには各々歯
車22a,22bが形成されており、この歯車22a,
22bは他方のギヤリンク部材7に形成された歯車12
a,12bと作用点A,Bにてかみ合わされて、両者が
同期して回動可能となるように構成されている。
【0021】また、基部19には2つの係止軸23a,
23bが形成されており、この係止軸23a,23bは
係止孔5a,5bに回動可能に係止される。更に、基端
部20a,20bの両端延部21a,21bの側面から
は係止ピン24a,24bが延設されている。この係止
ピン24a,24bは後述するホルダープレート26に
形成された第2係止部27a,27bに係止される。そ
して、両ギヤリンク部材7,8は、上面視ロ字形状に構
成され、これにより、中央に大きな空間を有し、この空
間に後述するラバースプリング32とコイルスプリング
33を効率良くキートップ1の下側に収納できるように
なっている。
【0022】案内支持部材6の下方には、図6に示され
るような開口25を有したホルダープレート26が配設
されており、このホルダープレート26にはギヤリンク
部材7,8に設けられた係止ピン14a,14b,24
a,24bを各々係止するための第2係止部27a,2
7b,28a,28bが設けられている。各第2係止部
27a,27b,28a,28bは,ホルダープレート
26の内周縁の各角を形成する2辺をもって凸状に一体
となって形成され、開口25中に係止溝29a,29
b,30a,30bを形成している。そして、各々の係
止ピン14a,14b,24a,24bを係止溝29
a,29b,30a,30b内において水平方向に摺動
可能に係止している。
【0023】なお、各第2係止部27a,27b,28
a,28bを形成する2辺のうち、ホルダプレート26
に立設される制限壁27a1,27b1,28a1,2
8b1は、各係止溝29a,29b,30a,30bに
おいてキートップ1の上昇動作時における各係止ピン1
4a,14b,24a,24bの摺動方向側の端部に形
成されている。この制限壁27a1,27b1,28a
1,28b1により、案内支持部材6の各係止ピン14
a,14b,24a,24bの摺動量が制限され、キー
トップ1の上昇位置が規制される。
【0024】ホルダプレート26の下方には、スイッチ
電極を含む所定の回路パターン(図示せず)が形成され
たフレキシブル回路基板31が配設され、スイッチ電極
に対応する位置には逆カップ状のラバースプリング32
が載置されている。このラバースプリング32は内部に
可動電極を有しており、上方からの押下量が一定限度を
越えると座屈され、可動電極によりスイッチ電極が短絡
されるものである。ラバースプリング32の上端部は、
ホルダプレート26に穿設された開口25から上方へ突
出している。このラバースプリング32の上面には、弾
性部材としてコイルスプリング33が配設され、更に、
このコイルスプリング33の上端部は、キートップ1の
裏面の凹部1aに取付けられている。
【0025】この凹部1aにコイルスプリング33の上
端が係止されるため、コイルスプリング33の位置がず
れることはない。さらに、フレキシブル回路基板31の
下方には、スイッチ支持板34が配設されている。つま
り、スイッチ支持板34は、フレキシブル回路基板3
1、ラバースプリング32、案内支持部材6およびホル
ダープレート26を支持していることになる。
【0026】また、2つの位置決めピン36a,36b
が第2係止部28a,28bに近接してホルダープレー
ト26上に立設され、これらに対応して位置決め溝35
a,35bが、キートップ1の上下動にともなって位置
決めピン36a,36bを案内するようにキートップ1
の裏面から垂設されている。この位置決めピン36a,
36bの位置決め溝35a,35bとの係合部は、キー
トップ1の押下時に、こじれを生じることなくスムーズ
に位置決め溝35a,35bに沿って案内されるように
球状に形成されている。このホルダープレート26にお
ける位置決めピン36a,36bの直下位置には貫通孔
26aが設けられ、これにより、スライド型を用いるこ
となく、樹脂成形によって位置決めピン36a,36b
を作成可能となる。
【0027】なお、図6から明らかなように、ホルダー
プレート26の各第2係止部27a,27b,28a,
28bの下方は開放されている。このように構成するこ
とにより、ホルダ部材を樹脂成形する場合、所定の上型
と下型との間に形成される所定間隙に樹脂を注入して樹
脂成形した後に、上型と下型とを単純に上下抜きするだ
けでよく、これにより、コストの高いスライド型にする
ことなく、極めて簡単且つ低コストで、ホルダ部材を形
成することが可能になる。
【0028】これら位置決めピン36a,36bと位置
決め溝35a,35bとの係合でもって、位置決め部材
37が構成されており、この位置決め部材37は、キー
トップ1が水平方向に移動するのを防止する機構を有し
ている。また、キートップ1の傾きを防止する機構は案
内支持部材6が有しているため、位置決め部材37はキ
ートップ1の傾きを防止する機構を持つ必要がないの
で、位置決めピン36a,36bと位置決め溝35a,
35bとの係合部のオーバラップ量は少なくてよい。こ
のように、案内支持部材6により一方向の位置決めを行
い、この位置決めに対して90度の方向の位置決めが位
置決め部材37により行われているので、キートップ1
は、水平方向に移動することなく、また、案内支持部材
6のギヤリンク部材7,8が互いに作用点A,Bでかみ
合って作用することにより、水平状態を保持したまま上
下動される。
【0029】前記構成において、図2における作用点
A,Bを通る垂線Lを基準に左側の第1係止部2a,2
bには、係止軸13a,13bを回動可能に係止する係
止孔4a,4bが設けられ、第2係止部27a,27b
には、係止ピン24a,24bを水平方向に係止する係
止溝29a,29bが設けられている。また、垂線Lを
基準に図2における右側の第1係止部3a,3bには、
係止軸23a,23bを回動可能に係止する係止孔5
a,5bが設けられ、第2係止部28a,28bには、
係止ピン14a,14bを水平方向に係止する係止溝3
0a,30bが設けられている。
【0030】通常、ワードプロセッサやパーソナルコン
ピュータにおけるキーボードは、キー入力しやすいよう
に装置手前側が低くなるように斜面をもって形成される
のに対し、各キートップ1の上面は水平に配設される。
このため、各キースイッチ装置においては、装置手前側
の方が厚みがある、つまり、スイッチ支持板34からキ
ートップ1までの高さ寸法が長くなる。この高さ寸法が
長い所に位置決め部材37を配設することにより、上述
した位置決め溝35a,35bと位置決めピン36a,
36bとの係合部のオーバーラップ量が少なくてよいこ
とと相俟って、キーの所定量のストロークを確保しよう
としたときの全体の高さ寸法を小さくすることができ
る。
【0031】また、本実施例では、キートップ1の周囲
の肉厚が上方へ盛り上がって高くなっているので、この
部分に位置決め部材37を設けることで、可能な限り、
全体の高さ寸法を小さくしている。図2においては右側
が装置手前側となる。
【0032】次に、このように構成されたキースイッチ
装置の動作を説明する。キートップ1を押下すると、キ
ートップ1が下方へ移動するのに伴って、ギヤリンク部
材7の各々の係止軸13a,13bは第1係止部2a,
2bの係止孔4a,4b内で反時計方向に回動し、ギヤ
リンク部材8の各々の係止軸23,24は第1係止部3
a,3bの係止孔5a,5b内で時計方向に回動する。
これと同時に、ギヤリンク部材7の各々の係止ピン14
a,14bは第2係止部28a,28bの係止溝30
a,30b内で水平方向(図2における右方向)に摺動
し、ギヤリンク部材8の各々の係止ピン24a,24b
は第2係止部27a,27bの係止溝29a,29b内
で水平方向(図2における左方向)に摺動する。
【0033】その結果、ギヤリンク部材7の歯車12
a,12bとギヤリンク部材8の歯車22a,22bと
が互いに作用点A,Bにてかみ合いながら同期して回動
し、これにより、キートップ1は水平状態を保持したま
ま下方に移動する。前記した通り、ギヤリンク部材7,
8の係止軸13a,13b,23,23bは、キートッ
プ1に形成された第1係止部2a,2b,3a,3bに
回動可能に係止されているので、キートップ1の下降動
作の最中にも、一方のギヤリンク部材7の係止軸13
a,13bと他方のギヤリンク部材8の係止軸23a,
23bとの間隔は一定に保たれ、両ギヤリンク部材7,
8の歯車12a,12b,22a,22bのかみ合わせ
が維持される。
【0034】また、位置決めピン36a,36bは、こ
じれを生じることなくスムーズに位置決め溝35a,3
5bに案内されるので、キートップ1が水平方向に移動
することはない。
【0035】キートップ1の下方への移動により、キー
トップ1の裏面に取付けられたコイルスプリング33を
圧縮し、図3に示すように、そのコイルスプリング33
を介して、即ち2つのギヤリンク部材7,8を介するこ
となく、ラバースプリング32が除々に押下される。
【0036】そして、その押下量が一定限度を越えた時
点でラバースプリング32は座屈され、これにより、ラ
バースプリング32内の可動電極がフレキシブル回路基
板31上のスイッチ電極を短絡し、所定のスイッチング
動作が行われる。このとき、図4に示すように、両ギヤ
リンク部材7,8は互いに折り畳まれた状態で略水平に
なり、且つキートップ1の裏面内部に形成された第1係
止部2a,2b,3a,3bはキートップ1の内部に収
容されるので、第1係止部2a,2b,3a,3bによ
りキーストロークが減殺されることはない。すなわち、
キートップ1の最下位置において両ギヤリンク部材7,
8が折り畳まれた状態で略水平になるため、その取扱い
が極めて容易になり、これにより、両ギヤリンク部材
7,8とホルダープレート26との連結係止作業を簡便
に行うことが可能になる。
【0037】キートップ1の押下を解除すると、キート
ップ1はコイルスプリング33、ラバースプリング32
の弾性復元力により上方に押し上げられる。これに伴っ
て、係止軸13a,13b,23a,23bおよび係止
ピン14a,14b,24a,24bは前述した動作と
逆の動作を行い、その結果、キートップ1は元の位置に
復帰される。
【0038】なお、ラバースプリング32は前述のよう
に側面視略台形であり、その上底の長さと下底の長さお
よび高さに起因する側面の角度は、その所望キータッチ
に応じて決まる。さらに、この台形部の高さ、即ち、ラ
バースプリング32の高さはキーストロークとコイルス
プリング33に応じて決定され、高い方が好まれる。し
かし、装置全体の厚さを鑑みれば、このラバースプリン
グ32はそれほど大きくすることができない。
【0039】そこで、本実施例にあっては、前述のよう
に両ギヤリンク部材7,8を上面視ロ字形状に組付ける
ことにより、その中心に大きな空間を取り得るように
し、この空間にラバースプリング32とコイルスプリン
グ33を配設した。これにより、本実施例にあっては、
両ギヤリンク部材を側面視略直線状とし、装置中央部に
大きな空間を有し得ない特開昭60−62017号公報
あるいは特開昭64−7441号公報記載の装置と比
べ、より薄型で大きなストロークを得ることができる。
【0040】以上詳細に説明したように、本実施例によ
るキースイッチ装置は、2つのギヤリンク部材7,8を
キートップ1の下方にロ字形状に構成することにより、
その中心に大きな空間を取り、この空間にラバースプリ
ング32とコイルスプリング33を配設し、キートップ
1を押下することにより、コイルスプリング33を介し
て、即ち2つのギヤリンク部材7,8を介することな
く、ラバースプリング32が押下されるようにした。こ
れにより、従来のキースイッチ装置のように、キーステ
ムをキーホルダ部により摺動案内する構成やスイッチン
グ部材を押下するための特別な構成を不要とすることが
できるとともに、キートップにかかる押下力が、ギヤリ
ンク部材を介することなく、そのままラバースプリング
に付与されるため、ラバースプリングに対する負荷が大
きくなることがなく、ラバースプリングの耐久寿命を長
くすることができる。
【0041】従って、キーボードの薄型化に対応しつつ
キーストロークを大きくすることができ、よって、キー
の操作性が良好で、キー入力を確実に行い得るととも
に、簡単な構成により低コストのキースイッチ装置を提
供することができる。
【0042】特に、キーステムをキーホルダ部により摺
動案内する構成を必要としなくなるので、従来のキース
イッチ装置のようにキーの押下時にキーステムとキーホ
ルダ部間で摺動ノイズが生じることもなく、これと共
に、キーの中央部を押下させるために、キーの操作面積
を小さくする必要性はなくなる。
【0043】また、位置決め機能のある案内支持部材6
と位置決め部材37を設けたことにより、キ−トップ1
の押下時にも、案内支持部材6のギヤリンク部材7,8
が互いに作用点A,Bでかみ合って作用し合うことによ
り下方に力が加わるだけで、キートップ1が水平方向に
移動することはない。しかも、位置決めピン36a,3
6bの位置決め溝35a,35bとの係合部を球状に形
成したので、位置決めピン36a,36bは、こじれを
生じることなくスムーズに位置決め溝35a,35bに
沿って摺動案内されることより、摺動ノイズを生じるこ
ともない。従って、前記のこととも相俟って、この点か
らもキー入力の操作性が良好で、キー入力を確実に行い
得るキースイッチ装置を提供することができる。
【0044】なお、本発明は上記実施例に限られるもの
ではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変
形、改良が可能である。例えば、本実施例におけるギヤ
リンク部材7,8の本数を増やしてI字型にし、歯車を
刻んだ円筒が互いに作用し合うように組み合わせた構成
としてもよく、この場合においても上述と同様の効果が
得られるとともに、位置決め溝および位置決めピンから
なる位置決め部材37を省略することが可能となる。
【0045】また、上記実施例にあっては、キートップ
1に凹部1aを設けてコイルスプリング33を係止した
が、キートップ1下面にコイルスプリング33内径と略
同一の半球状凸部を設けて係止してもよい。
【0046】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のキースイ
ッチ装置によれば、キーステムをホルダ部により上下に
摺動案内する構成を不要することができ、キーストロー
クの大きさを維持しつつ、キーボードを薄型化すること
ができるという効果がある。また、キートップが最下位
置に到達した際には、一対のギヤリンク部材が略水平に
折り畳まれるため、キートップの押下時に、一対のギヤ
リンク部材をキートップの下方にコンパクトに収納する
ことができ、かつギヤリンク部材によるキーストローク
の損失を極力少なくして、大きなキーストロークを維持
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるキースイッチ装置の上
面透視図である。
【図2】図1のX−X線断面図である。
【図3】図1のY−Y線断面図である。
【図4】本実施例によるキースイッチ装置の押下時の側
断面図である。
【図5】本実施例によるキースイッチ装置のギヤリンク
部材の斜視図である。
【図6】本実施例によるキースイッチ装置のホルダープ
レート部分の斜視図である。
【符号の説明】
1 キートップ 2a,2b,3a,3b 第1係止部 6 案内支持部材 7,8 ギヤリンク部材 10a,10b,20a,20b 基端部 12a,12b,22a,22b 歯車 13a,13b,23a,23b 係止軸 14a,14b,24a,24b 係止ピン 25 開口 26 ホルダープレート 27a,27b,28a,28b 第2係止部 27a1,27b1,28a1,28b1 制限壁 29a,29b,30a,30b 係止溝 31 フレキシブル回路基
板 32 ラバースプリング 33 コイルスプリング 34 スイッチ支持板

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 裏面内部に第1係止部が形成されたキー
    トップと、 そのキートップの下方に配設され、第2係止部が形成さ
    れたホルダ部材と、 前記第1係止部および第2係止部にそれぞれ係止される
    とともに、側面視における一端側にギヤ部を形成し、そ
    のギヤ部でかみ合わされ、同期して回動することにより
    前記キートップの上下動を案内支持する一対のギヤリン
    ク部材と、 前記キートップを上方へ付勢するとともに、そのキート
    ップの上下動に伴ってスイッチング動作を行うラバース
    プリングとを備え、 前記キートップが最下位置に到達した際、前記一対のギ
    ヤリンク部材が略水平に折り畳まれることを特徴とする
    キースイッチ装置。
  2. 【請求項2】 前記キートップの裏面内部に形成された
    第1係止部と、前記ホルダ部材に形成された第2係止部
    とは、平面視において互いに重ならない位置に配設され
    ていることを特徴とする請求項1記載のキースイッチ装
    置。
  3. 【請求項3】 前記ホルダ部材に形成され、ホルダ部材
    の厚さ内に前記ラバースプリングの一部を収納配置する
    とともに、そのラバースプリングの上端部をホルダ部材
    の上面から突出させる配置孔とを備えていることを特徴
    とする請求項1または請求項2に記載のキースイッチ装
    置。
  4. 【請求項4】 前記第1係止部または第2係止部の一方
    は、前記一対のギヤリンク部材を回動可能に係止する回
    動係止部として構成され、第1係止部または第2係止部
    の他方は、一対のギヤリンク部材を摺動可能に係止する
    摺動係止部として構成され、 前記一対のギヤリンク部材は、それぞれ側面視における
    一端側端部に、前記ギヤ部と、前記キートップの裏面内
    部またはホルダ部材に形成された回動係止部に回動可能
    に係止されるとともにギヤ部の回動中心となる係止部材
    とを有し、 前記回動係止部は、前記一対のギヤリンク部材の摺動方
    向における前記キートップの端部から間隔をおいて内側
    に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項
    3のいずれかに記載のキースイッチ装置。
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