JP3311330B2 - キースイッチ装置 - Google Patents

キースイッチ装置

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JP3311330B2
JP3311330B2 JP2000155821A JP2000155821A JP3311330B2 JP 3311330 B2 JP3311330 B2 JP 3311330B2 JP 2000155821 A JP2000155821 A JP 2000155821A JP 2000155821 A JP2000155821 A JP 2000155821A JP 3311330 B2 JP3311330 B2 JP 3311330B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、キースイッチ装置
に係り、特に、ノート型ワードプロセッサやノート型パ
ーソナルコンピュータ等に付設される薄型のキーボード
に使用されるキースイッチ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のキーボードに使用される
キースイッチ装置としては、キーステムを一体に有する
キー部材がホルダープレートに形成されたキーホルダ部
に挿通して支持されるとともに、キーステムの下方にス
イッチング部材が配設されたキースイッチ装置が一般に
用いられている。このようなキースイッチ装置におい
て、キー部材のキーステムはキーホルダ部を介して上下
に摺動案内され、キー部材を押下すると、キー部材が下
方へ移動するのに伴って、キーステムの下部によりスイ
ッチング部材を押下し、これによりスイッチング動作が
行われる。
【0003】また、スペースキーやリターンキー等の大
型のキーを使用するキースイッチ装置としては、キーの
押下時にキーが傾いた状態で押下されるのを防止するた
めに、特開昭60−62017号公報や特開昭64−7
441号公報に記載されたキースイッチ装置が知られて
いる。
【0004】前者に記載されたキースイッチ装置では、
キー部材の下方に配設され、キー部材を支持する案内部
材を2つのはさみ状部材により構成し、個々のはさみ状
部材の2つのアームを軸に回転可能に連結させている。
そして、キー部材を押下すると、各はさみ状部材の端部
に形成された複数個の各ピンがキー部材の裏面とキーボ
ードの基板の上面とで水平方向に摺動するように構成さ
れている。これにより、キー部材を押下すると、キー部
材は水平状態を保持したまま下方に移動し、これに伴っ
て、キー部材に垂設された押下部がキーホルダ部を介し
て摺動案内され、その下方に配設されたスイッチング部
材を押下し、スイッチング動作が行われる。
【0005】更に、後者に記載されたキースイッチ装置
は、前者に記載されたキースイッチ装置と基本的構成を
同じくするものであり、はさみ状部材に対するキー部材
の着脱を容易にする点に特徴を有するものである。
【0006】これら各公報に記載されたキースイッチ装
置は、スペースキー等の大型のキーにおける押下位置と
は無関係に、キーのどの部分を押下しても水平状態を保
持したままキーの上下動を案内できるものである。この
ように、前述した従来のキースイッチ装置のいずれにお
いても、スイッチング部材を押下するためのキーステム
やキー部材の押下部をキーホルダ部を介して上下に摺動
案内しつつ、スイッチング部材を押下させるようにして
いる点で共通するものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、
ワードプロセッサやパーソナルコンピュータ等における
小型化、薄型化に伴い、これらに付設されるキーボード
も小型化、薄型化が指向されている。一方、キー入力の
操作性を向上させるとともにキー入力の確実性を担うべ
く大きなキーストロークが要求されている状況下におい
て、従来のキースイッチ装置では十分なキーストローク
を得ることができないという問題点があった。
【0008】従来のキースイッチ装置において、キーボ
ードの薄型化を実現しようとすれば、キーステムがキー
ホルダ部により摺動案内される部分が減少し、これに伴
って、キーの傾動に起因するキーステムとキーホルダ部
間でキーのこじれが生じてしまう。これを防止するため
に、キーステムがキーホルダ部により摺動案内される部
分を大きくすると、キーストロークが減少してしまうと
いうジレンマがある。また、キーの押下時にキーステム
とキーホルダ部との間で生じるこじれは、摺動ノイズ発
生の原因となり、キー入力の操作性を著しく損なう。こ
のキーステムとキーホルダ部との間で生じるこじれは、
常にキーの中央部を押下している場合には、キーステム
が垂直に押下されることとなるので発生しにくいもので
ある。そこで、このこじれの発生を防止するために、キ
ーの操作面積を小さくし、常にキーの中央部にて押下さ
れるようにすることも考えられるが、この場合もキー入
力の操作性を著しく損なう点では前記のものと変わると
ころがない。
【0009】また、前記各公報に記載されたキースイッ
チ装置は、特にキーボードの薄型化を指向するものでは
なく、スイッチング部材を押下するためのキーステムを
ホルダ部により上下に摺動案内する構成を必要とするの
で、薄型化が困難となる。一方、キーステムをホルダ部
により上下に摺動案内する構成を削除すれば、キースイ
ッチ装置の薄型化を実現できるが、その場合には、キー
トップの押下時において、キートップに横ずれが生じて
しまうという問題点がある。
【0010】本発明は上述した問題点を解決するために
なされたものであり、キーボードの薄型化に対応しつつ
キーストロークを大きく維持すると共に、キートップの
横ずれを防止することができるキースイッチ装置を提供
することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに請求項1記載のキースイッチ装置は、裏面に第1係
止部が形成されたキートップと、そのキートップの下方
に配設され、第2係止部が形成されたホルダ部材と、第
1係止部および第2係止部にそれぞれ係止されるととも
、キートップの上下動を案内支持する案内支持部材
、キートップを上方へ付勢するとともに、そのキート
ップの上下動に伴ってスイッチング動作を行うスプリン
グ部材とを備え、案内支持部材は、側面視における一端
側にギヤ部を有し、そのギヤ部でかみ合わされ、同期し
て回動してキートップの上下動を案内支持する一対のリ
ンク部材から形成され、そのリンク部材の下側側面とホ
ルダ部材に形成された第2係止部の側面とは相互に接触
しているものてある。
【0012】請求項2記載のキースイッチ装置は、裏面
に第1係止部が形成されたキートップと、そのキートッ
プの下方に配設され、第2係止部が形成されたホルダ部
材と、第1係止部および第2係止部にそれぞれ係止され
るとともに、キートップの上下動を案内支持する案内支
持部材と、キートップを上方へ付勢するとともに、その
キートップの上下動に伴ってスイッチング動作を行う
プリング部材とを備え、案内支持部材は、側面視におけ
る一端側にギヤ部を有し、そのギヤ部でかみ合わされ
期して回動してキートップの上下動を案内支持する一
対のリンク部材から形成されるとともに、そのリンク部
材のうちホルダ部材の第2係止部に係止される部分の端
面は、その第2係止部の内壁面と相互に接触しているも
のである。
【0013】請求項3記載のキースイッチ装置は、請求
項1又は請求項2に記載のキースイッチ装置において、
前記リンク部材の上側側面と前記キートップに形成され
た第1係止部の側面とは相互に接触しているものであ
る。 請求項4記載のキースイッチ装置は、請求項1から
請求項3のいずれかに記載のキースイッチ装置におい
て、前記ギヤ部は、キートップの下方に配置されると共
に、そのキートップが非押下の状態においては前記ホル
ダ部材の上方に配置されている。 請求項5記載のキース
イッチ装置は、請求項1から請求項4のいずれかに記載
のキースイッチ装置において、前記ホルダ部材は貫通さ
れた開口を有し、その開口内に、前記スプリング部材を
配置したものである。
【0014】本発明のキースイッチ装置によれば、キー
トップが非押下の状態では、キートップはスプリング部
により上方に付勢され、上方に保持されている。かか
る状態からキートップが押下されると、キートップは
プリング部材の付勢力にして下降する。このキートッ
プの下降動作に伴って、ギヤ部でかみ合いながら同期し
て回動し、そのリンク部材の各端部がそれぞれキートッ
プ及びホルダ部材の各係止部内で回動又は摺動して、キ
ートップの下降動作を案内する。このキートップの下降
動作とともに、スプリング部材が押圧されてスイッチン
グ動作が行われる。一方、キートップの押下が解除され
ると、キートップは、スプリング部材により上方へ付勢
されているので、その付勢力により、リンク部材に支持
されつつ上方へ押し上げられて、元の位置に復帰する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
例を図面を参照して説明する。図1は本実施例によるキ
ースイッチ装置の上面透視図、図2は図1のX−X線断
面図、図3は図1のY−Y線断面図、図4は押下時のキ
ースイッチ装置の側断面図、図5はキースイッチ装置の
リンク部材の斜視図、図6はキースイッチ装置のホルダ
ープレート部分の斜視図である。
【0016】キートップ1はABS樹脂等の合成樹脂か
ら成型されており、その上面にはアルファベット等の文
字が印刷等により形成されている。このキートップ1の
裏面からは、4つの第1係止部2a,2b,3a,3b
がキートップ1の裏面内部に、キートップ1本体と一体
になって垂設されている。第1係止部2a,2bには、
後述する2つのリンク部材7,8のうち、一方のリンク
部材(ヒンジ部材)7に形成された係止軸13a,13
bを回動可能に係止する係止孔4a,4bが穿設されて
おり、また、第1係止部3a,3bには、他方のリンク
部材8に形成された係止軸23a,23bを回動可能に
係止する係止孔5a,5bが穿設されている。
【0017】キートップ1の下方には、キートップ1の
上下動を案内支持する案内支持部材6が配設されてい
る。この案内支持部材6はキー押下時にキートップ1が
傾くのを防止する機構を有し、2つのリンク部材7,8
から構成されている。
【0018】一方のリンク部材7は、図1に示すよう
に、基部9の両端に2つの基端部10a,10bを一体
に形成してなり、基端部10a,10bには各々歯車1
2a,12bが形成されており、この歯車12a,12
bは後述する他方のリンク部材8に形成された歯車22
a,22bと作用点A,Bにてかみ合わされて、両者が
同期して回動可能となるように構成されている。また、
基部9には2つの係止軸13a,13bが形成されてお
り、この係止軸13a,13bは係止孔4a,4bに回
動可能に係止される。更に、基端部10a,10bの両
端延部11a,11bの側面からは係止ピン14a,1
4bが延設されている。この係止ピン14a,14bは
後述するホルダープレート26に形成された第2係止部
28a,28bに係止される。
【0019】他方のリンク部材8は、図1に示すよう
に、基部19の両端に2つの基端部20a,20bを一
体に形成してなり、基端部20a,20bには各々歯車
22a,22bが形成されており、この歯車22a,2
2bは他方のリンク部材7に形成された歯車12a,1
2bと作用点A,Bにてかみ合わされて、両者が同期し
て回動可能となるように構成されている。また、基部1
9には2つの係止軸23a,23bが形成されており、
この係止軸23a,23bは係止孔5a,5bに回動可
能に係止される。更に、基端部20a,20bの両端延
部21a,21bの側面からは係止ピン24a,24b
が延設されている。この係止ピン24a,24bは後述
するホルダープレート26に形成された第2係止部27
a,27bに係止される。そして、両リンク部材7,8
は、上面視ロ字形状に構成され、これにより中央に大き
な空間を有し、この空間に後述するラバースプリング3
2とコイルスプリング33を効率良くキートップ1の下
側に収納できるようになっている。
【0020】図1に示すように、リンク部材7の基端部
10a,10bの内側側面は、キートップ1に形成され
た第1係止部2a,2bの外側側面と接触しており、ま
た、リンク部材8の基端部20a,20bの内側側面
は、キートップ1に形成された第1係止部3a,3bの
外側側面と接触している。かかる接触により、キートッ
プ1に対して、基部9,19の軸方向におけるリンク部
材7,8の移動が規制されるので、キートップ1の押下
時において、そのキートップ1の横ずれを防止すること
ができる。
【0021】案内支持部材6の下方には、図6に示され
るような開口25を有したホルダープレート26が配設
されており、このホルダープレート26にはリンク部材
7,8に設けられた係止ピン14a,14b,24a,
24bを各々係止するための第2係止部27a,27
b,28a,28bが設けられている。各第2係止部2
7a,27b,28a,28bは,ホルダープレート2
6の内周縁の各角を形成する2辺をもって凸状に一体と
なって形成され、開口25中に係止溝29a,29b,
30a,30bを形成している。そして、各々の係止ピ
ン14a,14b,24a,24bを係止溝29a,2
9b,30a,30b内において水平方向に摺動可能に
係止している。
【0022】なお、各第2係止部27a,27b,28
a,28bを形成する2辺のうち、ホルダープレート2
6に立設される制限壁27a1,27b1,28a1,
28b1は、各係止溝29a,29b,30a,30b
においてキートップ1の上昇動作時における各係止ピン
14a,14b,24a,24bの摺動方向側の端部に
形成されている。この制限壁27a1,27b1,28
a1,28b1により、案内支持部材6の各係止ピン1
4a,14b,24a,24bの摺動量が制限され、キ
ートップ1の上昇位置が規制される。
【0023】また、図1に示すように、リンク部材7の
一方の基端部10bの端延部11bの外側側面は、ホル
ダープレート26に形成された第2係止部28bの内側
側面と接触しており、また、リンク部材8の一方の基端
部20aの端延部21aの外側側面は、ホルダープレー
ト26に形成された第2係止部27aの内側側面と接触
している。更に、両リンク部材7,8の各係止ピン14
a,14b,24a,24bの端面は、第2係止部27
a,27b,28a,28bの内壁面とそれぞれ接触し
ている。これらの接触により、ホルダープレート26に
対して、基部9,19の軸方向におけるリンク部材7,
8の移動が規制されるので、キートップ1の押下時にお
いて、そのキートップ1の横ずれを防止することができ
る。
【0024】ホルダープレート26の下方には、スイッ
チ電極を含む所定の回路パターン(図示せず)が形成さ
れたフレキシブル回路基板31が配設され、スイッチ電
極に対応する位置には逆カップ状のラバースプリング3
2が載置されている。このラバースプリング32は内部
に可動電極を有しており、上方からの押下量が一定限度
を越えると座屈され、可動電極によりスイッチ電極が短
絡されるものである。ラバースプリング32の上端部
は、ホルダープレート26に穿設された開口25から上
方へ突出している。このラバースプリング32の上面に
は、弾性部材としてコイルスプリング33が配設され、
更に、このコイルスプリング33の上端部は、キートッ
プ1の裏面の凹部1aに取付けられている。この凹部1
aにコイルスプリング33の上端が係止されるため、コ
イルスプリング33の位置がずれることはない。さら
に、フレキシブル回路基板31の下方には、スイッチ支
持板34が配設されている。つまり、スイッチ支持板3
4は、フレキシブル回路基板31、ラバースプリング3
2、案内支持部材6およびホルダープレート26を支持
していることになる。
【0025】また、2つの位置決めピン36a,36b
が第2係止部28a,28bに近接してホルダープレー
ト26上に立設され、これらに対応して位置決め溝35
a,35bが、キートップ1の上下動にともなって位置
決めピン36a,36bを案内するようにキートップ1
の裏面から垂設されている。この位置決めピン36a,
36bの位置決め溝35a,35bとの係合部は、キー
トップ1の押下時に、こじれを生じることなくスムーズ
に位置決め溝35a,35bに沿って案内されるように
球状に形成されている。このホルダープレート26にお
ける位置決めピン36a,36bの直下位置には貫通孔
26aが設けられ、これにより、スライド型を用いるこ
となく、樹脂成形によって位置決めピン36a,36b
を作成可能となる。
【0026】なお、図6から明らかなように、ホルダー
プレート26の各第2係止部27a,27b,28a,
28bの下方は開放されている。このように構成するこ
とにより、ホルダ部材を樹脂成形する場合、所定の上型
と下型との間に形成される所定間隙に樹脂を注入して樹
脂成形した後に、上型と下型とを単純に上下抜きするだ
けでよく、これにより、コストの高いスライド型にする
ことなく、極めて簡単且つ低コストで、ホルダ部材を形
成することが可能になる。
【0027】これら位置決めピン36a,36bと位置
決め溝35a,35bとの係合でもって、位置決め部材
37が構成されており、この位置決め部材37は、キー
トップ1が水平方向に移動するのを防止する機構を有し
ている。また、キートップ1の傾きを防止する機構は案
内支持部材6が有しているため、位置決め部材37はキ
ートップ1の傾きを防止する機構を持つ必要がないの
で、位置決めピン36a,36bと位置決め溝35a,
35bとの係合部のオーバラップ量は少なくてよい。こ
のように、案内支持部材6により一方向の位置決めを行
い、この位置決めに対して90度の方向の位置決めが位
置決め部材37により行われているので、キートップ1
は、水平方向に移動することなく、また、案内支持部材
6のギヤリンク部材7,8が互いに作用点A,Bでかみ
合って作用することにより、水平状態を保持したまま上
下動される。
【0028】前記構成において、図2における作用点
A,Bを通る垂線Lを基準に左側の第1係止部2a,2
bには、係止軸13a,13bを回動可能に係止する係
止孔4a,4bが設けられ、第2係止部27a,27b
には、係止ピン24a,24bを水平方向に係止する係
止溝29a,29bが設けられている。また、垂線Lを
基準に図2における右側の第1係止部3a,3bには、
係止軸23a,23bを回動可能に係止する係止孔5
a,5bが設けられ、第2係止部28a,28bには、
係止ピン14a,14bを水平方向に係止する係止溝3
0a,30bが設けられている。
【0029】通常、ワードプロセッサやパーソナルコン
ピュータにおけるキーボードは、キー入力しやすいよう
に装置手前側が低くなるように斜面をもって形成される
のに対し、各キートップ1の上面は水平に配設される。
このため、各キースイッチ装置においては、装置手前側
の方が厚みがある、つまり、スイッチ支持板34からキ
ートップ1までの高さ寸法が長くなる。この高さ寸法が
長い所に位置決め部材37を配設することにより、上述
した位置決め溝35a,35bと位置決めピン36a,
36bとの係合部のオーバーラップ量が少なくてよいこ
とと相俟って、キーの所定量のストロークを確保しよう
としたときの全体の高さ寸法を小さくすることができ
る。また、本実施例では、キートップ1の周囲の肉厚が
上方へ盛り上がって高くなっているので、この部分に位
置決め部材37を設けることで、可能な限り、全体の高
さ寸法を小さくしている。図2においては右側が装置手
前側となる。
【0030】次に、このように構成されたキースイッチ
装置の動作を説明する。キートップ1を押下すると、キ
ートップ1が下方へ移動するのに伴って、リンク部材7
の各々の係止軸13a,13bは第1係止部2a,2b
の係止孔4a,4b内で反時計方向に回動し、リンク部
材8の各々の係止軸23,24は第1係止部3a,3b
の係止孔5a,5b内で時計方向に回動する。これと同
時に、リンク部材7の各々の係止ピン14a,14bは
第2係止部28a,28bの係止溝30a,30b内で
水平方向(図2における右方向)に摺動し、リンク部材
8の各々の係止ピン24a,24bは第2係止部27
a,27bの係止溝29a,29b内で水平方向(図2
における左方向)に摺動する。
【0031】その結果、リンク部材7の歯車12a,1
2bとリンク部材8の歯車22a,22bとが互いに作
用点A,Bにてかみ合いながら同期して回動し、これに
より、キートップ1は水平状態を保持したまま下方に移
動する。前記した通り、リンク部材7,8の係止軸13
a,13b,23,23bは、キートップ1に形成され
た第1係止部2a,2b,3a,3bに回動可能に係止
されているので、キートップ1の下降動作の最中にも、
一方のリンク部材7の係止軸13a,13bと他方のリ
ンク部材8の係止軸23a,23bとの間隔は一定に保
たれ、両リンク部材7,8の歯車12a,12b,22
a,22bのかみ合わせが維持される。また、位置決め
ピン36a,36bは、こじれを生じることなくスムー
ズに位置決め溝35a,35bに案内されるので、キー
トップ1が水平方向に移動することはない。
【0032】キートップ1の下方への移動により、キー
トップ1の裏面に取付けられたコイルスプリング33を
圧縮し、ラバースプリング32が除々に押下される。そ
して、その押下量が一定限度を越えた時点でラバースプ
リング32は座屈され、これにより、ラバースプリング
32内の可動電極がフレキシブル回路基板31上のスイ
ッチ電極を短絡し、所定のスイッチング動作が行われ
る。このとき、キートップ1の裏面内部に形成された第
1係止部2a,2b,3a,3bは、図4に示すよう
に、キートップ1の内部に収容されるので、第1係止部
2a,2b,3a,3bによりキーストロークが減殺さ
れることはない。
【0033】キートップ1の押下を解除すると、キート
ップ1はコイルスプリング33、ラバースプリング32
の弾性復元力により上方に押し上げられる。これに伴っ
て、係止軸13a,13b,23a,23bおよび係止
ピン14a,14b,24a,24bは前述した動作と
逆の動作を行い、その結果、キートップ1は元の位置に
復帰される。
【0034】なお、ラバースプリング32は前述のよう
に側面視略台形であり、その上底の長さと下底の長さ及
び高さに起因する側面の角度は、その所望キータッチに
応じて決まる。さらに、この台形部の高さ、即ち、ラバ
ースプリング32の高さはキーストロークとコイルスプ
リング33に応じて決定され、高い方が好まれる。しか
し、装置全体の厚さを鑑みれば、このラバースプリング
32はそれほど大きくすることができない。そこで、本
実施例にあっては、前述のように両リンク部材7,8を
上面視ロ字形状に組付けることにより、その中心に大き
な空間を取り得るようにし、この空間にラバースプリン
グ32とコイルスプリング33を配設した。これによ
り、本実施例にあっては、両リンク部材を側面視略直線
状とし、装置中央部に大きな空間を有し得ない特開昭6
0−62017号公報あるいは特開昭64−7441号
公報記載の装置と比べ、より薄型で大きなストロークを
得ることができる。
【0035】以上詳細に説明したように、本実施例によ
るキースイッチ装置は、2つのリンク部材7,8をキー
トップ1の下方にロ字形状に構成することにより、その
中心に大きな空間を取り、この空間にラバースプリング
32とコイルスプリング33を配設し、キートップ1を
押下することにより、コイルスプリング33を介してラ
バースプリング32が押下されるようにした。これによ
り、従来のキースイッチ装置のように、キーステムをキ
ーホルダ部により摺動案内する構成を不要とした。これ
により、キーボードの薄型化に対応しつつキーストロー
クを大きくすることができ、よって、キーの操作性が良
好で、キー入力を確実に行い得ると共に、簡単な構成に
より低コストのキースイッチ装置を提供することができ
る。
【0036】特に、キーステムをキーホルダ部により摺
動案内する構成を必要としなくなるので、従来のキース
イッチ装置のようにキーの押下時にキーステムとキーホ
ルダ部間で摺動ノイズが生じることもなく、これと共
に、キーの中央部を押下させるために、キーの操作面積
を小さくする必要性はなくなる。
【0037】また、位置決め機能のある案内支持部材6
と位置決め部材37を設けたことにより、キ−トップ1
の押下時にも、案内支持部材6のリンク部材7,8が互
いに作用点A,Bでかみ合って作用し合うことにより下
方に力が加わるだけで、キートップ1が水平方向に移動
することはない。しかも、位置決めピン36a,36b
の位置決め溝35a,35bとの係合部を球状に形成し
たので、位置決めピン36a,36bは、こじれを生じ
ることなくスムーズに位置決め溝35a,35bに沿っ
て摺動案内されることより、摺動ノイズを生じることも
ない。従って、前記のこととも相俟って、この点からも
キー入力の操作性が良好で、キー入力を確実に行い得る
キースイッチ装置を提供することができる。更に、リン
ク部材7,8の下側側面とホルダプレート26に形成さ
れた第2係止部27a,27b,28a,28bの側面
とは相互に接触して、或いは、リンク部材7,8のうち
ホルダプレート26の第2係止部27a,27b,28
a,28bに係止される部分の端面(即ち、係止ピン1
4a,14b,24a,24bの端面)はその第2係止
部27a,27b,28a,28bの内壁面と相互に接
触して、ホルダプレート26に対する案内支持部材6の
移動を規制するので、キートップ1の押下時におけるそ
のキートップ1の横ずれを防止することができる。ま
た、リンク部材7,8の上側側面とキートップ1に形成
された第1係止部2a,2b,3a,3bの側面とは相
互に接触して、キートップ1に対する案内支持部材6の
移動を規制するので、キートップ1の押下時におけるそ
のキートップ1の横ずれを一層効果的に防止することが
できる。
【0038】なお、本発明は上記実施例に限られるもの
ではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変
形、改良が可能である。例えば、本実施例におけるリン
ク部材7,8の本数を増やしてI字型にし、歯車を刻ん
だ円筒が互いに作用し合うように組み合わせた構成とし
てもよく、この場合においても上述と同様の効果が得ら
れるとともに、位置決め溝および位置決めピンからなる
位置決め部材37を省略することが可能となる。また、
上記実施例にあっては、キートップ1に凹部1aを設け
てコイルスプリング33を係止したが、キートップ1下
面にコイルスプリング33内径と略同一の半球状凸部を
設けて係止してもよい。
【0039】
【発明の効果】以上詳述したように本発明のキースイッ
チ装置によれば、ギヤ部でかみ合わされ同期して回動す
る一対のリンク部材により、キートップの上下動を案内
支持する構成を使用して、キーステムをホルダ部により
上下に摺動案内する構成を不要としている。よって、キ
ーストロークの大きさを維持しつつ、キーボードを薄型
化することができるという効果がある。また、かかるリ
ンク部材を使用することにより、キー入力の操作性を良
好にすると共に、こじれのない確実なキー入力を可能と
することができるという効果がある。
【0040】
【0041】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるキースイッチ装置の上
面透視図である。
【図2】図1のX−X線断面図である。
【図3】図1のY−Y線断面図である。
【図4】本実施例によるキースイッチ装置の押下時の側
断面図である。
【図5】本実施例によるキースイッチ装置のリンク部材
の斜視図である。
【図6】本実施例によるキースイッチ装置のホルダープ
レート部分の斜視図である。
【符号の説明】
1 キートップ 2a,2b,3a,3b 第1係止部 6 案内支持部材 7,8 リンク部材 12a,12b,22a,22b 歯車 13a,13b,23a,23b 係止軸 14a,14b,24a,24b 係止ピン 25 開口 26 ホルダープレー 27a,27b,28a,28b 第2係止部 27a1,27b1,28a1,28b1 制限壁 29a,29b,30a,30b 係止溝 31 フレキシブル回路基
板 32 ラバースプリング 33 コイルスプリング 34 スイッチ支持板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01H 13/14

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 裏面に第1係止部が形成されたキートッ
    プと、 そのキートップの下方に配設され、第2係止部が形成さ
    れたホルダ部材と、 前記第1係止部および第2係止部にそれぞれ係止される
    とともに、前記キートップの上下動を案内支持する案内
    支持部材と、 前記キートップを上方へ付勢するとともに、そのキート
    ップの上下動に伴ってスイッチング動作を行うスプリン
    グ部材とを備えたキースイッチ装置であって、 前記案内支持部材は、側面視における一端側にギヤ部を
    有し、そのギヤ部でかみ合わされ、同期して回動して前
    記キートップの上下動を案内支持する一対のリンク部材
    から形成され、そのリンク部材の下側側面と前記ホルダ
    部材に形成された第2係止部の側面とは相互に接触して
    いることを特徴とするキースイッチ装置。
  2. 【請求項2】 裏面に第1係止部が形成されたキートッ
    プと、 そのキートップの下方に配設され、第2係止部が形成さ
    れたホルダ部材と、 前記第1係止部および第2係止部にそれぞれ係止される
    とともに、前記キートップの上下動を案内支持する案内
    支持部材と、 前記キートップを上方へ付勢するとともに、そのキート
    ップの上下動に伴ってスイッチング動作を行うスプリン
    グ部材とを備えたキースイッチ装置であって、 前記案内支持部材は、側面視における一端側にギヤ部を
    有し、そのギヤ部でかみ合わされ、同期して回動して前
    記キートップの上下動を案内支持する一対のリンク部材
    から形成されると共に、 そのリンク部材のうち前記ホルダ部材の第2係止部に係
    止される部分の端面は、その第2係止部の内壁面と相互
    に接触していることを特徴とするキースイッチ装置。
  3. 【請求項3】 前記リンク部材の上側側面と前記キート
    ップに形成された第1係止部の側面とは相互に接触して
    いることを特徴とする請求項1又は2に記載のキースイ
    ッチ装置。
  4. 【請求項4】 前記ギヤ部は、キートップの下方に配置
    されると共に、そのキートップが非押下の状態において
    は前記ホルダ部材の上方に配置されていることを特徴と
    する請求項1から3のいずれかに記載のキースイッチ装
    置。
  5. 【請求項5】 前記ホルダ部材は貫通された開口を有
    し、その開口内に、前記スプリング部材を配置したこと
    を特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のキース
    イッチ装置。
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