JP3441371B2 - 中空物洗浄装置および中空物の洗浄方法 - Google Patents
中空物洗浄装置および中空物の洗浄方法Info
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Description
着した切削屑等の異物を確実に、かつ効率良く洗浄する
ための中空物洗浄装置と、その洗浄方法に関するもので
ある。
冷式エキゾーストパイプ(例えばウォータージェット推
進艇の排気管)のような複雑な形状の中空物は、一般に
鋳造製法により形作られ、その鋳造後に各種の切削加工
が施される。この切削加工時には多量の切削屑が中空物
の内部に入るため、切削加工後の中空物は一旦洗浄さ
れ、全ての切削屑を排除されてから次の工程(塗装工
程、組立工程等)に移される。従来では、切削加工が終
了した中空物を作業員が1個ずつ手に持ち、例えばホー
スで水を流し込んで内部の切削屑を洗い出していた。
うに中空物を1個ずつ手に持ってホース等で洗浄するの
では、中空物の内部形状によっては切削屑を充分に洗い
出すことができないばかりか、大柄で高重量な中空物の
場合には洗浄作業が非常に困難になる。
の洗浄方法は、この課題を解決するために発明されたも
のであり、その目的は、中空物の内部に付着した切削屑
等の異物を確実に、かつ効率良く洗い流すことにある。
め、本発明に係る中空物洗浄装置は、請求項1に記載し
たように、洗浄する中空物を洗浄治具の定位置に位置決
めする位置決め手段と、上記位置決め手段に設置された
中空物の複数の洗浄開口部から離れた開放位置と上記洗
浄開口部に密着した密着位置との間を移動可能に設けら
れて上記密着位置において洗浄開口部から洗浄液と圧縮
空気を混合してなる洗浄媒体を注入可能な複数の洗浄媒
体注入手段と、上記各洗浄媒体注入手段を上記開放位置
と上記密着位置との間で移動させる第1の駆動手段と、
各洗浄媒体注入手段に上記洗浄媒体を給送する洗浄媒体
給送手段と、上記洗浄液を貯溜する洗浄液貯溜槽と、上
記位置決め手段に設置された中空物が上記洗浄液貯溜槽
に貯溜された洗浄液の液面上に露出した露出位置と液面
下に浸漬された浸漬位置との間で上下動するように位置
決め手段を移動させる第2の駆動手段と、各洗浄媒体注
入手段を中空物の複数の洗浄開口部に交互に一定時間密
着させ、その密着時間中に中空物の内部に洗浄液と圧縮
空気を混合した洗浄媒体を注入するサイクル洗浄を実行
して複数の洗浄開口部側から洗浄媒体を中空物の内部に
交互に給送し、かつ中空物を上記浸漬位置において洗浄
液中で上記サイクル洗浄した後、中空物を上記洗浄液の
液面上に露出させた露出位置に上昇させて上記露出位置
で上記洗浄媒体により再度サイクル洗浄するように上記
第1、第2の駆動手段および洗浄媒体給送手段を作動さ
せる制御手段とを備えて構成されたことを特徴とする。
求項2に記載したように、前記洗浄液と圧縮空気が混合
される洗浄媒体混合部を前記洗浄媒体注入手段の部分に
設けた。
は、請求項3に記載したように、洗浄液と圧縮空気を混
合した洗浄媒体を中空物の複数の洗浄開口部から交互に
一定時間注入して上記中空物の内部を洗浄するサイクル
洗浄を、最初に洗浄液貯溜槽に貯溜された洗浄液中で、
次に上記洗浄液の液面上に露出した露出位置で実行する
ことを特徴とする。
は、請求項3に記載したように、洗浄液と圧縮空気を混
合した洗浄媒体を中空物の複数の洗浄開口部から交互に
一定時間注入して上記中空物の内部を洗浄するサイクル
洗浄を、最初に洗浄貯溜槽に貯溜された洗浄液中で、次
に上記洗浄液の液面上に露出した露出位置で実行するこ
とを特徴とする。
た場合、洗浄液と圧縮空気を含んだ洗浄媒体が中空物の
複数の洗浄開口部から交互に給送され、圧縮空気の膨脹
作用によって洗浄液が中空物の内部形状に沿って隅々ま
で勢い良く拡散し、キャビテーション的な浸食作用が起
きて中空物の内部に付着した切削屑等の異物が剥離され
る。剥離された異物は洗浄液と共に開放されている側の
洗浄開口部から流出する。このため、切削屑等の異物を
確実に洗い流すことができる。しかも、中空物を位置決
め手段に一旦設置すれば、後は洗浄が終了するまで中空
物を取り回す必要がないため、大柄で高重量な物でも効
率良く洗浄することができる。その上、請求項1の中空
物洗浄装置および請求項3の中空物洗浄方法によれば、
一旦洗浄液中でサイクル洗浄された中空物が洗浄液から
引き上げられてから再びサイクル洗浄されるため、中空
物を洗浄液から引き上げる際に万一洗浄液中に浮遊して
いる切削屑等の異物が中空物の内部に残留しても、大気
中でのサイクル洗浄によって残留した異物を確実に洗い
流すことができる。
構成すれば、洗浄媒体が中空物の内部に給送される直前
に洗浄液と圧縮空気が混合されるため、洗浄液と圧縮空
気がむらなく混合されて中空物の内部における洗浄液の
拡散状態が良くなり、これによって洗浄性が大きく向上
する。
請求項3の中空物の洗浄方法によれば、一旦洗浄液中で
洗浄液と圧縮空気を混合した洗浄媒体を中空物の複数の
洗浄開口部から交互に一定時間注入して中空物の内部を
洗浄するサイクル洗浄後に、中空物が洗浄液から引き上
げられ、上記洗浄液の液面上に露出した露出位置で再び
サイクル洗浄されるため、中空物を洗浄液から引き上げ
る際に万一洗浄液中に浮遊している切削屑等の異物が中
空物の内部に残留しても、大気中でのサイクル洗浄によ
って残留した異物を確実に洗い流すことができる。
て図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る
中空物洗浄装置の一例を示す左側面図であり、図2は図
1の II-II線に沿う中空物洗浄装置の縦断面図である。
この中空物洗浄装置1は、例えば船舶用小型エンジンの
水冷式エキゾーストパイプ100 を洗浄するものであり、
その洗浄媒体としては洗浄液(例えば水)と圧縮空気を
混合したものが用いられる。
は、例えば図13〜図16に示すような略S字形の二重管状
に形成されたアルミ鋳造品であり、その一端が大端部10
1 、他端が小端部102 となっている。図14に示すよう
に、水冷式エキゾーストパイプ100 の外周壁103 と内周
壁104 との間に中空部となるウォータージャケット105
が形成されており、このウォータージャケット105 が中
空物洗浄装置1によって洗浄を受ける部分となる。大端
部101 と小端部102 の周部には、それぞれウォータージ
ャケット105 に連通する複数の連通口106,107 が開口し
ている。これらの連通口106,107 は、請求項1に記載し
た洗浄開口部となるものである。
2に支えられた台枠状のベースフレーム3を備えてお
り、このベースフレーム3の上には上方に開口する箱状
の洗浄液貯溜槽4が設置され、その上に洗浄カバー5が
載置されている。洗浄カバー5の前面は斜面状に形成さ
れて洗浄開口部6が開設されており、この洗浄開口部6
を開閉する開閉扉7が扉用エアシリンダー8に駆動され
て上下にスライドするようになっている。
部壁内面には縦に延びる左右一対の昇降レール9が固定
されており、この2本の昇降レール9の上端に水平梁状
のシリンダー座10が架設されている。このシリンダー座
10には左右一対のガイドスリーブ11と、その間の位置で
上方に向かって直立する昇降用エアシリンダー12が設け
られている。
ト13が摺動自在に挿入され、各ガイドシャフト13の下端
には水平梁状の昇降座14が固定される。また、昇降座14
の中央部には昇降用エアシリンダー12から垂下するシリ
ンダーロッド15の下端が連結ブロック16を介して連結さ
れている。
18が一体的に連結される。この昇降フレーム18は、図3
に単体で示すように、昇降座14の左右端部から垂下する
左右一対のフレーム柱19と、このフレーム柱19の下端同
士を連結する後部ブリッジ部材20と、フレーム柱19の下
端から手前に延びる左右一対の水平アーム21と、水平ア
ーム21の先端同士を連結する前部ブリッジ部材22と備え
て構成されている。
リンダーロッド15の伸縮と共に昇降座14と昇降フレーム
18が上下に動かされる。昇降フレーム18は、図1に示す
ように、その上下動ストロークの最上部である最上位置
18aと最低部である最低位置18bとの間を直線的に昇降
する。
〜図6にそれぞれ平面図、正面図、左側面図を示すよう
な洗浄治具24が設置され、昇降フレーム18と共に上記最
上位置18aと最低位置18bとの間を昇降する。この洗浄
治具24は、略S字形の平面輪郭を持つ平坦なベース板25
の上に3個の位置決めブロック26,27,28が設けられる
とともに、2台の洗浄ノズル29A,29Bと、これらの洗
浄ノズル29A,29Bを駆動するノズル用エアシリンダー
30A,30Bと、ロータリークランプ31とが設けられた構
成である。
エキゾーストパイプ100 が横倒しの状態で水平に洗浄治
具24上に載置されるように、それぞれの高さと形状が定
められている。例えば、位置決めブロック26と27の上に
は、それぞれ水冷式エキゾーストパイプ100 の温度セン
サー取付ボス108 (図13参照)と加工基準用のリブ109
が載置され、位置決めブロック28には側方から締結ボス
110 が当接するようになっている。なお、位置決めブロ
ック26に突設されたノックピン26aが温度センサー取付
ボス108 の穴111 に嵌合することにより水冷式エキゾー
ストパイプ100の水平方向への動きが規制される。この
ように、各位置決めブロック26,27,28は、水冷式エキ
ゾーストパイプ100 を洗浄治具24の定位置に位置決めす
る位置決め手段(請求項1に記載)として機能する。
が最上位置18aに置かれている時の水冷式エキゾースト
パイプ100 の位置は露出位置100 aであり、昇降フレー
ム18が最低位置18bに置かれている時の水冷式エキゾー
ストパイプ100 の位置は浸漬位置100 bとなる。
れぞれスライダー32A,32Bによって図4中に示された
矢印X,Yの方向にスライド可能に設けられており、洗
浄ノズル29Aは、各位置決めブロック26,27,28に設置
された水冷式エキゾーストパイプ100 の大端部101 (連
通口106 )から離れた開放位置29Aaと、大端部101に
密着した密着位置29Abとの間を移動可能にされ、洗浄
ノズル29Bは水冷式エキゾーストパイプ100 の小端部10
2 (連通口107 )から離れた開放位置29Baと、小端部
102 に密着した密着位置29Bbとの間を移動可能にされ
ている。これらの洗浄ノズル29A,29Bは、請求項1に
記載した洗浄媒体注入手段として機能するものである。
浄ノズル29Aを開放位置29Aaと密着位置29Abとの間
で移動させ、ノズル用エアシリンダー30Bは洗浄ノズル
29Bを開放位置29Baと密着位置29Bbとの間で移動さ
せる。これらのノズル用エアシリンダー30A,30Bは請
求項1に記載した第1の駆動手段となる。
圧によって作動するもので、上端に固定アーム33を備え
ており、この固定アーム33は上方に持ち上がった開放位
置33aと、下方に下がって90゜回動した固定位置33bと
の間を動き、固定位置33bでは水冷式エキゾーストパイ
プ100 を上方から押さえ付けて洗浄治具24に固定する。
と洗浄ノズル29Bの斜視図であり、図8と図9は、それ
ぞれ洗浄ノズル29Aと洗浄ノズル29Bの横断面図であ
る。洗浄ノズル29Aと洗浄ノズル29Bには、それぞれ水
冷式エキゾーストパイプ100 の大端部101 と小端部102
の連通口106,107 に整合する複数の洗浄媒体吐出口36
a,36bが設けられている。なお、洗浄ノズル29Aと洗
浄ノズル29Bが水冷式エキゾーストパイプ100 の大端部
101 と小端部102 に密着する部位には柔軟な材料で形成
されたパッキン材37a,37bが設けられている。
背面側には、それぞれ洗浄媒体混合部38a,38bが設け
られており、この洗浄媒体混合部38a,38bの内部に形
成された媒体通路39a,39bが、それぞれ洗浄媒体吐出
口36a,36bに繋がっている。この洗浄媒体混合部38
a,38bには、それぞれ媒体通路39a,39bに繋がる大
口径ユニオン40,41と小口径ユニオン42,43が狭角度で
設けられている。
り、そのベース板25の部分が昇降フレーム18の左右の水
平アーム21の上に2個のボルト44,45で締結固定され
る。そして、前述したように昇降フレーム18を洗浄治具
24と共に昇降させる昇降用エアシリンダー12は、位置決
めブロック26,27,28に設置された水冷式エキゾースト
パイプ100を前記露出位置100aと浸漬位置100bとの間
で上下動させる第2の駆動手段(請求項1に記載)とし
て機能する。
ーム48が立設され、この支持フレーム48の上部にコント
ローラー49(CPU装置等)が載置され、支持フレーム
の下部にはウォーターポンプ50が設置される。ウォータ
ーポンプ50は、例えば渦巻型(遠心型)のポンプであ
り、隣接して設けられた電動モーター51に駆動される。
ウォーターポンプ50の吸入口52から延びる吸入管53は洗
浄液貯溜槽4内に突入し、その先端にフィルター54が接
続されている。なお、洗浄液貯溜槽4にはフィルター54
の位置に合わせて点検口55が設けられる。また、図1お
よび図2中に想像線で示す位置に制御盤56が設置され
る。
ォーターポンプ50の吐出口58から延びる洗浄液管59が二
股状に分岐し、その一方の洗浄液分岐管59aが洗浄ノズ
ル29Aの大口径ユニオン40に接続され、他方の洗浄液分
岐管59bが洗浄ノズル29Bの大口径ユニオン41に接続さ
れる。一方、中空物洗浄装置1の外部に設けられたエア
ポンプ60から延びる圧縮空気管61が二股状に分岐し、そ
の一方の圧縮空気分岐管61aが洗浄ノズル29Aの小口径
ユニオン42に接続され、他方の圧縮空気分岐管61bが洗
浄ノズル29Bの小口径ユニオン43に接続される。
縮空気分岐管61a,61bの途中には切換弁62(図10参
照)が接続される。この切換弁62は、洗浄ノズル29Aに
繋がる洗浄液分岐管59aと圧縮空気分岐管61aのみを開
通させる開通モードAと、洗浄ノズル29Bに繋がる洗浄
液分岐管59bと圧縮空気分岐管61bのみを開通させる開
通モードBと、両方の洗浄液分岐管59a,59bおよび圧
縮空気分岐管61a,61bを閉鎖する閉鎖モードCの3つ
の作動モードが付与されている。
浄液分岐管59a,59b、エアポンプ60、圧縮空気管61、
圧縮空気分岐管61a,61b、切換弁62、そして洗浄ノズ
ル29A,29Bの洗浄媒体混合部38a,38bは、請求項1
に記載した洗浄媒体給送手段を構成する機材である。ま
た、コントローラー49は請求項1に記載した制御手段と
して機能する。
ており、その洗浄液貯溜槽4の内部には洗浄液が貯溜さ
れる。洗浄液としては、油分や薬剤等を洗浄するような
場合を除いて水または温水が用いられる。洗浄液の液面
Lの高さは、昇降フレーム18が最上位置18aにある時に
おいては洗浄治具24に載置された水冷式エキゾーストパ
イプ100 (露出位置100 a)が液面Lよりも上方に位置
し、昇降フレーム18が最低位置18bに位置した時におい
ては水冷式エキゾーストパイプ100 (浸漬位置100 b)
が液面Lの下方に位置するように予め調整される。
kg/cm2 (例えば3kg/cm2 )に設定され、エアポンプ
60の吐出圧力は10kg/cm2 以下(例えば6〜7kg/c
m2 )に設定される。なお、本実施形態において、洗浄
液貯溜槽4の容量は例えば 300リットルであり、ウォー
ターポンプ50の吐出量は例えば毎分 125リットルに設定
されている。
ゾーストパイプ100 を洗浄する時は、まず制御盤56の扉
開閉スイッチ(非図示)を操作して扉用エアシリンダー
8に洗浄カバー5の開閉扉7を開かせ、次に開かれた洗
浄開口部6から水冷式エキゾーストパイプ100 を洗浄治
具24の位置決めブロック26,27,28の上の載置し、次に
制御盤56の固定スイッチ(非図示)を操作してロータリ
ークランプ31の固定アーム33を開放位置33aから固定位
置33bに動作させて水冷式エキゾーストパイプ100 を洗
浄治具24に固定する。そして、扉開閉スイッチを操作し
て洗浄カバー5の開閉扉7を閉じ、制御盤56の洗浄開始
スイッチを投入する。
ーラー49は、昇降用エアシリンダー12とノズル用エアシ
リンダー30A,30Bと切換弁62を作動させ、各洗浄ノズ
ル29A,29Bを水冷式エキゾーストパイプ100 の大端部
101 (連通口106 )と小端部102 (連通口107 )に交互
に一定時間密着させ、その密着時間中に水冷式エキゾー
ストパイプ100 のウォータージャケット105 内に洗浄媒
体を注入するサイクル洗浄を実施する。このサイクル洗
浄は、最初に洗浄液貯溜槽4内に貯溜された洗浄液中
で、次に大気中で実行される。以下に、洗浄液中でのサ
イクル洗浄について段階順に説明する。
スイッチの投入後、昇降用エアシリンダー12を駆動させ
て昇降フレーム18を洗浄治具24と共に最上位置18aから
最低位置18bに下降させる。これに伴い、洗浄治具24に
固定された水冷式エキゾーストパイプ100 が洗浄液の液
面L上に露出した露出位置100 aから洗浄液の液面L下
に浸漬された浸漬位置100 bに下降する。この時、洗浄
ノズル29Aと洗浄ノズル29Bは共に開放位置29Aa,29
Baに置かれており、切換弁62は閉鎖モードCとされて
いる。
はノズル用エアシリンダー30Bを駆動させ、洗浄ノズル
29Bを開放位置29Baから密着位置29Bbにスライドさ
せて水冷式エキゾーストパイプ100 の小端部102 (連通
口107 )に密着させ、同時に切換弁62を開通モードBに
切り換える。これにより、ウォーターポンプ50から洗浄
液管59および洗浄液分岐管59bを経て給送される洗浄液
と、エアポンプ60から圧縮空気管61および圧縮空気分岐
管61bを経て給送される圧縮空気とが洗浄ノズル29Bの
洗浄媒体混合部38bに給送され、媒体通路39b内で混合
されて洗浄媒体となり、洗浄ノズル29Bの洗浄媒体吐出
口36bから吹き出して水冷式エキゾーストパイプ100 の
小端部102 側の連通口107 からウォータージャケット10
5 内に流入する。
浄媒体は、ウォータージャケット105 に入っている切削
屑等の異物を小端部102 側から大端部101 側に向かって
洗い流し、この異物と共に水冷式エキゾーストパイプ10
0 の大端部101 側の連通口106 から外部に流出して洗浄
液貯溜槽4に戻る。洗浄ノズル29Aは水冷式エキゾース
トパイプ100 の小端部102 に一定時間、例えば30秒間密
着させられ、その密着時間中に上記小端部102 側からの
洗浄が実行される。なお、水冷式エキゾーストパイプ10
0 の大端部101 側から流出して実質的に洗浄液貯溜槽4
に戻るのは洗浄液のみであり、洗浄媒体中に含まれる圧
縮空気は大気中に放散される。
は切換弁62を開通モードBから閉塞モードCに切り換え
て洗浄液と圧縮空気の給送を一旦停止させ、ノズル用エ
アシリンダー30Bを駆動させて洗浄ノズル29Bを密着位
置29Bbから開放位置29Baにスライドさせ、小端部10
2 側からの洗浄を終了させる。
はノズル用エアシリンダー30Aを駆動させ、洗浄ノズル
29Aを開放位置29Aaから密着位置29Abにスライドさ
せて水冷式エキゾーストパイプ100 の大端部101 (連通
口106 )に密着させ、同時に切換弁62を閉塞モードCか
ら開通モードAに切り換える。これにより、ウォーター
ポンプ50から洗浄液管59および洗浄液分岐管59aを経て
給送される洗浄液と、エアポンプ60から圧縮空気管61お
よび圧縮空気分岐管61aを経て給送される圧縮空気とが
洗浄ノズル29Aの洗浄媒体混合部38aに給送され、媒体
通路39a内で混合されて洗浄媒体となり、洗浄ノズル29
Aの洗浄媒体吐出口36aから吹き出して水冷式エキゾー
ストパイプ100 の大端部101 側の連通口106 からウォー
タージャケット105 内に流入する。
浄媒体は、ウォータージャケット105 に残留している切
削屑等の異物を、第2洗浄段階の時とは逆に大端部101
側から小端部102 側に向かって洗い流し、異物と共に小
端部102 側の連通口107 から外部に流出して(洗浄液の
みが)洗浄液貯溜槽4に戻る。洗浄ノズル29Aは大端部
101 に一定時間(例えば30秒間)密着させられ、その密
着時間中に上記大端部101 側からの洗浄が実行される。
49は切換弁62を開通モードAから閉塞モードCに戻して
洗浄液と圧縮空気の給送を停止させ、ノズル用エアシリ
ンダー30Aを駆動させて洗浄ノズル29Aを密着位置29A
bから開放位置29Aaにスライドさせ、大端部101 側か
らの洗浄を終了させる。そして、上記第1〜第5洗浄段
階を終えて洗浄液中でのサイクル洗浄が終了する。
洗浄液中でのサイクル洗浄が終了した後、コントローラ
ー49は昇降用エアシリンダー12を駆動させて昇降フレー
ム18を洗浄治具24と共に最低位置18bから最上位置18a
に上昇させ、水冷式エキゾーストパイプ100 を洗浄液の
液面L上に露出させた露出位置100 aに置く。そして、
大気中にて前記第1〜第5洗浄段階と同じ内容のサイク
ル洗浄を反復する。この時に洗浄ノズル29Aと29Bが水
冷式エキゾーストパイプ100 の大端部101 と小端部102
に密着して洗浄媒体を注入する時間は、洗浄液中におけ
るサイクル洗浄での密着時間(30秒間)よりも短くても
よく、例えば10秒間程度に設定される。
おける2度のサイクル洗浄が終了したら、扉開閉スイッ
チを操作して洗浄カバー5の開閉扉7を開き、固定スイ
ッチを操作してロータリークランプ31の固定アーム33を
固定位置33bから開放位置33aに動作させ、水冷式エキ
ゾーストパイプ100 を洗浄治具24から取り外せば、全て
の洗浄作業が完了する。
によれば、洗浄液と圧縮空気が混合されてなる洗浄媒体
が水冷式エキゾーストパイプ100 の大端部101 (連通口
106)側と小端部102 (連通口107 )側とから交互にウ
ォータージャケット105 内に給送され、圧縮空気の膨脹
作用によって洗浄液がウォータージャケット105 の内部
形状に沿って隅々まで勢い良く拡散し、圧縮空気の影響
によりキャビテーション的な浸食作用が起きてウォータ
ージャケット105 の内面に付着している切削屑等の異物
が剥離されるため、異物を確実に洗い流すことができ
る。
洗浄治具24に一旦設置すれば、後は洗浄が終了するまで
水冷式エキゾーストパイプ100 を取り回す必要がないた
め、大柄で重量の重い水冷式エキゾーストパイプ100 を
効率良く洗浄することができ、多数の水冷式エキゾース
トパイプ100 を短時間内に容易に洗浄することができ
る。
気が、水冷式エキゾーストパイプ100 のウォータージャ
ケット105 に給送される直前に洗浄ノズル29A,29Bの
洗浄媒体混合部38a,38bの部分で混合されるため、ウ
ォータージャケット105 に給送される途中で洗浄液と圧
縮空気が分離するようなことがなく、洗浄液と圧縮空気
がむらなく混合される。したがって、ウォータージャケ
ット105 内における洗浄液の拡散状態が良くなり、高い
洗浄効果が得られる。
方法によれば、一旦洗浄液中でサイクル洗浄された水冷
式エキゾーストパイプ100 が洗浄液から引き上げられて
から大気中で再びサイクル洗浄を受けるため、例えば水
冷式エキゾーストパイプ100を洗浄液から引き上げる際
に万一洗浄液中に浮遊する切削屑等の異物がウォーター
ジャケット105 内に残留しても、大気中でのサイクル洗
浄によって残留した異物を確実に洗い流すことができ
る。
た水冷式エキゾーストパイプ100 の大端部101 側に接続
される水冷式エキゾーストチャンバー115 を洗浄するよ
うに構成された洗浄治具65の平面図と左側面である。こ
の水冷式エキゾーストチャンバー115 も、略L字形の二
重管状に形成されたアルミ鋳造品であり、その一端が大
端部116 、他端が小端部117 とされ、その内周壁と外周
壁との間に形成された図示しないウォータージャケット
に連通する連通口(非図示)が設けられている。
6,67,68,69が設けられるとともに、2つの洗浄ノズ
ル71A,71Bと、これらの洗浄ノズル71A,71Bを駆動
するノズル用エアシリンダー72A,72Bと、ロータリー
クランプ73とが設けられている。これらの部材の構造お
よび動作内容は、前に述べた洗浄治具24と同様である。
この洗浄治具65に固定された水冷式エキゾーストチャン
バー115 は、水冷式エキゾーストパイプ100 の場合と同
じく、その大端部116 と小端部117 に交互に洗浄ノズル
71A,71Bが一定時間密着され、洗浄媒体を注入されて
洗浄される。
コントローラー49のプログラムを多少変更することによ
り、前記水冷式エキゾーストパイプ100 や水冷式エキゾ
ーストチャンバー115 に限らず、エンジンブロックやイ
ンテークマニホールドのような他の中空物を設置し、こ
れらの中空物を効果的に洗浄することができる。
物洗浄装置および中空物の洗浄方法によれば、洗浄液と
圧縮空気をむらなく混合させた洗浄媒体を中空物の複数
の洗浄開口部から交互に中空物の内部に注入し、洗浄媒
体に含まれる圧縮空気の膨脹作用を利用して洗浄液を中
空物の内部形状に沿って隅々まで勢い良く拡散させ、キ
ャビテーション的な浸食作用を起こさせて中空物の内部
に付着している切削屑等の異物を確実に、かつ効率良く
洗い流すことができる。
洗浄した後に大気中で再びサイクル洗浄するため、中空
物が洗浄液から引き上げられる際に万一洗浄液中に浮遊
している切削屑等の異物が中空物の内部に残留しても、
大気中でのサイクル洗浄によって残留した異物を確実に
洗い流すことができ、一層高い洗浄効果を得ることがで
きる。
面図。
図。
密着される洗浄ノズルの斜視図、(B) は水冷式エキゾー
ストパイプの小端部側に密着される洗浄ノズルの斜視
図。
れる洗浄ノズルの横断面図。
れる洗浄ノズルの横断面図。
断面図。
図。
図。
ー 24 洗浄治具 26,27,28 位置決め手段として機能する位置決めブロ
ック 29A,29B 洗浄媒体注入手段として機能する洗浄ノズ
ル 29Aa,29Ba 洗浄ノズルの開放位置 29Ab,29Bb 洗浄ノズルの密着位置 30A,30B 第1の駆動手段として機能するノズル用エ
アシリンダー 38a,38b 洗浄媒体給送手段を構成する洗浄媒体混合
部 49 制御手段として機能するコントローラー 50 洗浄媒体給送手段を構成するウォーターポンプ 59 洗浄媒体給送手段を構成する洗浄液管 59a,59b 洗浄媒体給送手段を構成する洗浄液分岐管 60 洗浄媒体給送手段を構成するエアポンプ 61 洗浄媒体給送手段を構成する圧縮空気管 61a,61b 洗浄媒体給送手段を構成する圧縮空気分岐
管 62 洗浄媒体給送手段を構成する切換弁 100 中空物としての水冷式エキゾーストパイプ 100a 水冷式エキゾーストパイプの露出位置 100b 水冷式エキゾーストパイプの浸漬位置 105 中空部となるウォータージャケット 106,107 洗浄開口部となる連通口
Claims (3)
- 【請求項1】 洗浄する中空物を洗浄治具の定位置に位
置決めする位置決め手段と、上記位置決め手段に設置さ
れた中空物の複数の洗浄開口部から離れた開放位置と上
記洗浄開口部に密着した密着位置との間を移動可能に設
けられて上記密着位置において洗浄開口部から洗浄液と
圧縮空気を混合してなる洗浄媒体を注入可能な複数の洗
浄媒体注入手段と、上記各洗浄媒体注入手段を上記開放
位置と上記密着位置との間で移動させる第1の駆動手段
と、各洗浄媒体注入手段に上記洗浄媒体を給送する洗浄
媒体給送手段と、上記洗浄液を貯溜する洗浄液貯溜槽
と、上記位置決め手段に設置された中空物が上記洗浄液
貯溜槽に貯溜された洗浄液の液面上に露出した露出位置
と液面下に浸漬された浸漬位置との間で上下動するよう
に位置決め手段を移動させる第2の駆動手段と、各洗浄
媒体注入手段を中空物の複数の洗浄開口部に交互に一定
時間密着させ、その密着時間中に中空物の内部に洗浄液
と圧縮空気を混合した洗浄媒体を注入するサイクル洗浄
を実行して複数の洗浄開口部側から洗浄媒体を中空物の
内部に交互に給送し、かつ中空物を上記浸漬位置におい
て洗浄液中で上記サイクル洗浄した後、中空物を上記洗
浄液の液面上に露出させた露出位置に上昇させて上記露
出位置で上記洗浄媒体により再度サイクル洗浄するよう
に上記第1、第2の駆動手段および洗浄媒体給送手段を
作動させる制御手段とを備えて構成されたことを特徴と
する中空物洗浄装置。 - 【請求項2】 前記洗浄液と圧縮空気が混合される洗浄
媒体混合部を前記洗浄媒体注入手段の部分に設けた請求
項1に記載の中空物洗浄装置。 - 【請求項3】 洗浄液と圧縮空気を混合した洗浄媒体を
中空物の複数の洗浄開口部から交互に一定時間注入して
上記中空物の内部を洗浄するサイクル洗浄を、最初に洗
浄液貯溜槽に貯溜された洗浄液中で、次に上記洗浄液の
液面上に露出した露出位置で実行することを特徴とする
中空物の洗浄方法。
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