JP3440854B2 - 異吃水式二重カーテン壁を備えた反射波低減構造物 - Google Patents
異吃水式二重カーテン壁を備えた反射波低減構造物Info
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Description
された吃水の異なる二重カーテン壁を備えた反射波低減
構造物に関するものである。
て設置される防波施設では、構造物によって、波浪エネ
ルギーをより逸散させ、反射波および透過波の両者を低
減させることが望まれる。これは、防波施設の設置によ
る周辺海域の反射波災害及び周辺海域環境への副次的な
影響を低減するために設けられる。たとえば、防波堤等
の構造物の前面にあるカキ等の筏および停泊中の漁船へ
の反射波による災害の恐れ、または防波堤から反射した
反射波による砂浜の洗掘、あるいは入港する中小の漁船
あるいは中小の運搬船等の船が反射波によって、その運
行が困難となる恐れを排除する等のために設けられる。
杭式防波堤(防波構造物)であるカーテン式防波堤は、
軟弱地盤への建設が可能であることや、堤体下部をとう
しての海水交換機能を有することなどの利点を有する。
また、波動運動の卓越する水面付近のみをカーテン壁で
遮断することから効率よく透過波の低減が行える。しか
しながら透過波の効果的な低減には、カーテン壁の吃水
を深くすることが必要とされ、このとき逆に反射波は増
大し、周辺海域に前述のような比較的大きな影響を及ぼ
すことになる。
せるカーテン式防波堤として、前後のカーテン壁の吃水
を同じにした二重カーテン式防波堤が知られている。こ
の二重カーテン式防波堤の場合は、間隔をおいて配置さ
れた2枚のカーテン(隔壁)間に挟まれた堤内水域の共
振現象を利用して、堤体下端部での渦形成によるエネル
ギー逸散を促進させ、透過波・反射波をともに低減させ
る機能のあることが知られている。
以上の共振モードと、堤体間隔が波長に比べて狭いとき
に生じるピストンモード共振の両者があることが知られ
ている。港湾水域の有効利用や建設コストの面から考え
ると、前後カーテン壁の間隔は、1次以上の共振モード
を想定した長間隔のものは好ましくなく、カーテン式防
波堤で一般に設けられている上部矩形堤の幅程度に抑え
ることが望まれる。
防波堤の場合は、単一カーテン防波堤の場合に比較し
て、透過波は低減できるが、前後カーテン壁面の吃水を
同じにしてあるので、反射波の低減効果を大きく期待で
きないという問題があった。本発明は前述の課題を解決
したもので、カーテン壁下端部での渦形成によるエネル
ギー逸散を促進し、透過波・反射波によるエネルギーを
減衰させることにより、防波堤等の構造物の前面にある
カキ等の筏および停泊中の漁船への反射波による災害の
恐れを排除することができると共に、防波堤等から反射
した反射波による砂浜の洗掘を小さくすることができ、
また入港する中小の漁船あるいは中小の運搬船等の船が
反射波によって、その運行が困難となる恐れを排除する
ことができる等の反射波による障害を防止することがで
きる異吃水式二重カーテン壁を備えた反射波低減構造物
を提供することを目的とする。
め、本発明に係る異吃水式二重カーテン壁による反射波
低減構造物においては、下方が沖側に向かって傾斜する
ように水底地盤に打設された杭に横向きのスリットが形
成されるように上下方向に間隔をおいて複数のPC版を
配置したブラインド式前面カーテン壁と、下方が陸側に
向かって傾斜するように水底地盤に打設された杭に横向
きの小スリット が形成されるように上下方向に小間隔
をおいて配置したスリット式後面カーテン壁とを間隔を
おいて配置するようにした二重カーテン壁を備えた反射
波低減構造物において、沖側の前面カーテン壁の吃水を
陸側の後面カーテン壁の吃水よりも浅くしたことを特徴
とする。また、本発明に係る異吃水式二重カーテン壁に
よる反射波低減構造物における別の態様としては、垂直
に水底地盤に打設された前後の杭と、かつ上下可動自在
に前記前後の杭に嵌設された複数の浮体ユニットを上下
方向に積層一体化して構成され、最上部の浮体ユニット
の中間部が水面位置になるように浮力が調整された浮体
型堤体とからなり、沖側に面する前面カーテン壁と陸側
に面する後面カーテン壁とが、前記浮体型堤体の下部に
間隔をおいてそれぞれ固定されていると共に、前記前面
カーテン壁の吃水が後面カーテン壁の吃水よりも浅く設
定されたことを特徴とする。
実施形態の前面にブラインド形式の前面カーテン壁を有
する二重カーテン式反射波低減構造物(防波堤)を示す
ものであって、下方が沖側に向かって傾斜するように前
部鋼管杭1が水底地盤3に打設されると共に、下方が陸
側に向かって傾斜するように後部鋼管杭2が水底地盤3
に打設され、前記前後一対の前部鋼管杭1と後部鋼管杭
2とが左右方向に間隔をおいて多数水底地盤3に打設さ
れ、前記各前部鋼管杭1の中間部に鋼製等の止水兼支承
用バンド4が固定され、その各止水兼支承用バンド4に
横断面中空矩形の前面PC版支承部材5が前記前部鋼管
杭1に嵌合された状態で載置され、前記前面PC版支承
部材5の下端部は、止水兼支承用バンド4の上面に設け
られている止水兼用の緩衝材(図示を省略した)により
止水され、前記前部鋼管杭1と前記前面PC版支承部材
5の透孔との間にモルタル等の充填材6が充填されて、
前記前部鋼管杭1に前記前面PC版支承部材5が固定さ
れている。左右方向に隣り合う前面PC版支承部材5の
前面側(沖側)にわたって、横向きのスリット(間隙)
13を設けるように、上下方向に間隔をおいて軽量コン
クリート等のプレキャストコンクリート版からなる複数
の前面PC版7が配置され、各前面PC版7がこれに挿
通されるボルト及び鉄筋(図示を省略した)等により前
記前面PC版支承部材5に固定されている。なお、第1
の実施形態にはブラインドを設けている場合を示した
が、各前面PC版7の取付角度および取付位置等を調整
することによりスリットタイプ及び閉鎖タイプ等に適宜
変更することも可能である。
兼支承用バンド4が固定され、その止水兼支承用バンド
4に横断面中空矩形の後面PC版支承部材8が前記後部
鋼管杭2に嵌合された状態で載置され、前記後面PC版
支承部材8の下端部は、止水兼支承用バンド4の上面に
設けられている止水兼用の緩衝材(図示を省略した)に
より止水され、前記後部鋼管杭2と前記後面PC版支承
部材8の透孔との間にモルタル等の充填材6が充填され
て、前記後部鋼管杭2に前記後面PC版支承部材8が固
定されている。左右方向に隣り合う後面PC版支承部材
8の後面側(陸側)にわたって、横向きの小スリット
(小間隙)14を設けるように、上下方向に小間隔をお
いて軽量コンクリート等のプレキャストコンクリート版
からなる後面PC版9がこれに挿通されるボルト及び鉄
筋(図示を省略した)等により前記後面PC版支承部材
8に固定されている。
ってH型鋼からなる連結材4が配設されて、前記前部鋼
管杭1および後部鋼管杭2に溶接またはボルト等により
固定され、左右方向に隣り合う複数の前部鋼管杭1と後
部鋼管杭2の上部と連結材4とを埋め込むように波返し
10aを有する上部構10が築造されている。前記上部
構10には、前面側および下面側が開口しているととも
に後面側が閉塞したほぼ断面逆U字型のプレキャストコ
ンクリート桁(PC桁)15が左右方向に間隔をおいて
複数埋設されている。
前記前面PC版7によりブラインド式前面側(沖側)カ
ーテン壁11が構成され、また上下方向に小間隔をおい
て配設される複数の前記後面PC版9によりスリット式
後面側(陸側)カーテン壁12が構成され、水面からの
前記前面側(沖側)カーテン壁11の下端レベル(吃
水)d1は、水面からの前記後面側(陸側)カーテン壁
12の下端レベル(吃水)d2よりも高レベルに位置す
るように設けられている。
11の吃水d1と後面側(陸側)カーテン壁12の吃水
d2とに差をもうけて異吃水とすることにより、すなわ
ち前面側(沖側)カーテン壁11の吃水d1を後面側
(陸側)カーテン壁12の吃水d2よりも浅くすること
により、前記カーテン壁11,12間より波長の長い波
浪および特に波長の短い波浪に対して、前記カーテン壁
11,12間での波の折り返しによるピストンモードの
波浪共振を利用して、すなわち前後カーテン壁11,1
2間でおこる波のピストン運動を伴う波浪共振を利用す
ると共に、前面側(沖側)カーテン壁11の下端部で渦
を発生させて、その渦形成による(この実施形態では、
各前面PC版7の各下端部での渦形成による)エネルギ
ー逸散を促進させ、結果的に透過波および反射波を効率
よく減衰させることができる。
態の浮体形式の二重カーテン式反射波低減構造物を示す
ものであって、前部鋼管杭1および後部鋼管杭2が前後
方向に間隔をおいて水底地盤3に垂直に打設されると共
に、前記前後一対の前部鋼管杭1と後部鋼管杭2とが左
右方向に間隔をおいて多数水底地盤3に打設されてい
る。前記前部鋼管杭1と後部鋼管杭2に、これらに沿っ
て浮体型堤体16が上下方向に可動自在に嵌設されてい
る。
下部ガイド部材17とほぼ筒状の後面PC版下部支承兼
ガイド部材18とこれらを同レベルにおいて一体に連結
する中空の下部連結梁材19とからなる下部浮体ユニッ
ト20と、ほぼ角筒状の前面PC版中間支承部材22と
ほぼ筒状の後面PC版中間支承部材21とこれらを同レ
ベルにおいて一体に連結する中空の中間連結梁材23と
からなる中間浮体ユニット24と、左右方向に延長する
と共に中間部が下向きに開口した断面倒コ字状の前面上
部浮体梁材25とこれに間隔を置いて平行に配置された
同断面形状の後部浮体梁材26と、これらを同レベルに
おいて一体に連結する同断面形状の複数の上部連結梁材
27とからなる平面梯子状の上部浮体ユニット28とを
備えており、各下部浮体ユニット20,中間浮体ユニッ
ト24および上部浮体ユニット28を構成する各部材
は、これらの隅部に設けられた前後方向に延長する透孔
(図示を省略した)にわたって挿通された連結部材29
により一体に横締め固定されている。
浮体ユニット24と、上部浮体ユニット28とは、これ
らの隅部に設けられた上下方向の透孔(図示を省略し
た)にわたって挿通された連結部材(図示を省略した)
により一体に縦締め固定されて一体化され、かつ上部浮
体ユニット28の中間部に水面が位置するように浮力が
調整されている。
材22の前面側(沖側)にわたって、軽量コンクリート
等のプレキャストコンクリート版からなる複数または一
枚の前面PC版7が前面上部浮体梁材25に当接された
状態で配置され、その前面PC版7がこれに挿通される
ボルト及び鉄筋(図示を省略した)等により前面PC版
中間支承部材22に固定されている。
支承部材21および後面PC版下部支承兼ガイド部材1
8の前面側(陸側)にわたって、上下方向に密に軽量コ
ンクリート等のプレキャストコンクリート版からなる後
面PC版9がこれに挿通されるボルト及び鉄筋(図示を
省略した)等により前記後面PC版中間支承部材21お
よび後面PC版下部支承兼ガイド部材18に固定されて
いる。また、前記最上部の後面PC版9は、後部浮体梁
材26の下部に当接されている。
前面側上部には、切欠部が設けれて、すなわちPC版7
の板厚分だけ前後方向の寸法を小さく設定されて、PC
版7を配置した状態で、前面上部浮体梁材25の前面側
とほぼ同一垂直面になるように設定されている。また、
前記後面PC版中間支承部材21および後面PC版下部
支承兼ガイド部材18の前面側は、各PC版7,9の板
厚分だけ前後方向の寸法を小さく設定されて、各PC版
7,9を配置した状態で、後部浮体梁材26の前面側と
ほぼ同一垂直面になるように設定されている。
ーテン壁11が構成され、また上下方向に当接された状
態で配設される複数の前記後面PC版9により後面側
(陸側)カーテン壁12が構成され、前記第一実施形態
と同様に水面からの前記前面側(沖側)カーテン壁11
の下端レベル(吃水)d1は、水面からの前記後面側
(陸側)カーテン壁12の下端レベル(吃水)d2より
も高レベルに位置するように設けられている。
とには、上部連結部材27との交差部において、それぞ
れ前部鋼管杭挿通用透孔31および後部鋼管杭挿通用透
孔32が設けられている。前記各浮体梁材25,26お
よび各連結梁材19,23および27の中空溝部には、
独立気泡性等の発泡スチロール30が充填されて、前記
浮体型堤体16に浮力が付与されるよう構成されてい
る。
よび後部鋼管杭挿通用透孔32の下端部の周囲には、複
数のガイド用案内部材33が等角度間隔をおいて配設さ
れ、前記浮体型堤体16が各鋼管杭1,2に沿って上下
スライド可能に構成されている。このように構成するこ
とにより、潮の干満のみならず波による海面の上下動に
追従しながら前記浮体型堤体16が上下スライドできる
ので、前記浮体型堤体16に波による、大きな支承力を
発揮させることなくしかも、逐次、海面レベルに対応し
て入力波の低減をはかることができ、また前記カーテン
壁11,12間より波長の長い波浪および特に波長の短
い波浪に対して、前記実施形態と同様に、カーテン壁1
1,12間での波の折り返しによるピストンモードの波
浪共振を利用して、すなわち前後カーテン壁11,12
間でおこる波のピストン運動を伴う波浪共振を利用する
と共に、前面側(沖側)カーテン壁11の下端部で渦を
発生させて、その渦形成によるエネルギー逸散を促進さ
せ、結果的に透過波および反射波を効率よく減衰させる
ことができる。
において、前部鋼管杭1と後部鋼管杭2の上端部に渡っ
て鋼製H型鋼からなる連結材4が配設されて、前記前部
鋼管杭1および後部鋼管杭2に溶接またはボルト等の固
定手段により固定されている。なお、前記連結材4は、
前記浮体型堤体16が設計値以上に上昇した場合のスト
ッパとしても作用している。
に間隔をおいて配置されると共に、左右方向に間隔をお
いて配置された4つ一組の前後の鋼管杭1,2に挿入配
置されて、海面または水面のレベルに応じて鋼管杭1,
2に沿って上下方向に摺動可能に構成されている。
ドを設けている場合を示したが、このようにブラインド
を設けないで、第2の実施形態に示すように隙間を設け
ない閉鎖したカーテン壁としてもよく、また前後鋼管杭
を垂直に水底地盤に打設して、前部側および後面側のカ
ーテン壁を垂直面内に配置するようにしてもよい。
壁11の下端レベル(吃水)d1を、水面からの前記後
面側(陸側)カーテン壁12の下端レベル(吃水)d2
よりも浅くする場合、各PC版7,9の設置枚数にもよ
るが、前面側(沖側)カーテン壁11の吃水d1を後面
側(陸側)カーテン壁12の吃水d2の約1/4〜3/
4に設定すればよい。
堤体模型の縦断側面図であって、2枚の前面および後面
防水ベニヤ板11a,12a(前面カーテン壁11,1
2に相当)を片持梁35a,35bを介して、上部横梁
36に支持させた二重カーテン壁の防波堤の模型を示し
たもので、このような堤体模型を使用して、水理実験を
実施した。 なお、カーテン壁の吃水d2は、単一カー
テン版とした場合に有効な透過波の制御効果が得られる
程度の吃水深(d2=27.5cm)に固定した。ま
た、前面壁の吃水d1を後面壁と同じ吃水深より順次浅
く(d1=27.5cm,12cm,6cm)3段階に
変化させて、反射波・透過波およびカーテン壁間の波高
分布等を測定し、各前面壁吃水時における反射率・透過
率・エネルギー逸散率および堤内波高の増幅度の周期や
波高による変動特性などを把握した。これらの結果のう
ち、一重式カーテン壁の防波堤模型と二重式カーテン壁
の防波堤模型との場合の反射率Crと透過率Ctの検証
結果の代表例(d1=12cmの場合)を図18及び図
19に示し、また、波のエネルギー逸散率Edの検証結
果を図20に示す。なお、Lは波の波長であり、H1は
入射波の波高であり、fcは減衰波領域において、流速
に比例する抵抗が作用する仮想的な流体を想定した場合
の運動方程式における線形抵抗係数である。また、単一
カーテン壁の防波堤模型のデータについては、本実験と
同じスケールおよび同じ波の条件下で実施されたものを
援用している。これらの結果から、二重式カーテン壁の
防波堤の反射率については、特定のd2/Lで一旦低下
する特性があり、また、透過波については、後面壁の影
響が支配的なことから、比較的ばらつきも少なく解析結
果と良く合うことが判明した。またエネルギー逸散率E
d(Ed=1−Cr×Cr−Ct×Ct)は、実験値・
計算値ともに各前面壁の吃水条件に対応して、特定のd
2/Lでピークを示し、またエネルギー逸散率Edがピ
ークを示すd2/Lの条件は、反射率が、一旦低下する
d2/Lの条件とほぼ一致している。したがって、反射
率が一旦低下するのは、エネルギー逸散の増大化による
ものと推測できる。また、反射率の低下は、直接的に
は、前面カーテン壁の下端での渦流れの増大化に起因す
ると推測できる。これらのことから、次のようなことが
判明した。 (1) 二重式カーテン壁の防波堤において、後面壁の
吃水を単一カーテン壁の防波堤と同程度に保ち、前面壁
の吃水を浅くすると、単一カーテン壁の防波堤の場合に
比較して効果的に反射波が低減できる。また、透過波の
低減効果については、単一カーテン壁の防波堤と同程度
かそれを多少上回る程度である。このときの、前後カー
テン壁の間隔は、従来の防波堤の上部工の幅程度でよ
い。このとき、前面カーテン壁の吃水を浅くすると、反
射率が低減できる周期は、短周期側に順次移行する。 (2) 反射波の低減は、堤内波浪の共振に伴う前面カ
ーテン壁下端部での渦流れの極大化による。そして、波
のエネルギー逸散は、この条件下で、最大値を示しその
周期条件は、前面カーテン壁の吃水が浅くなると、短周
期側に移行する。 (3) 前後カーテン壁面の吃水が同じで、その間隔を
上部工の幅と同等とした二重式カーテン壁の防波堤の場
合は、単一カーテン壁の防波堤の場合に比較して、透過
波は低減できるが、反射波の制御効果はほとんど期待で
きない。 (4) 渦流れの発生による逸散効果を近似的に考慮し
た減衰波理論を用いて、各種条件下での二重式カーテン
壁の防波堤における透過波および反射波の低減効果が概
略的に推定できる。
ン壁11の吃水d1を後面側(陸側)カーテン壁12の
吃水d2よりも浅くしたので、前記カーテン壁11,1
2間より波長の長い波浪に対しても、および特に波長の
短い波浪に対して、前記カーテン壁11,12間での波
の折り返しによるピストンモードの波浪共振を利用し
て、すなわち前後カーテン壁11,12間でおこる波の
ピストン運動を伴う波浪共振を利用すると共に、前面側
(沖側)カーテン壁11の下端部で渦を発生させて、そ
の渦形成によるエネルギー逸散を促進させ、結果的に透
過波および反射波を効率よく減衰させることができる。
したがって、防波堤等の構造物の前面にあるカキ等の筏
および停泊中の漁船への反射波による災害の恐れを排除
することができると共に、防波堤から反射した反射波に
よる砂浜の洗掘を小さくすることができ、また入港する
中小の漁船あるいは中小の運搬船等の船が反射波によっ
て、その運行が困難となる恐れを排除することができ、
また、反射波の波周期を対象にして、前面壁の吃水を適
宜設定することにより、反射波を効果的に低減させるこ
とができる。
ン壁版を備えた防波構造物を示す斜視図である。
面図である。
ン壁版を備えた防波構造物を示す斜視図である。
側面図である。
テン壁版を備えた防波構造物を多数設置した状態を示す
平面図である。
ある。
防波堤模型の場合の反射率Crの検証結果の代表例を示
す図である。
防波堤模型の場合の透過率Ctの検証結果の代表例を示
す図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 下方が沖側に向かって傾斜するように水
底地盤に打設された杭に横向きのスリットが形成される
ように上下方向に間隔をおいて複数のPC版を配置した
ブラインド式前面カーテン壁と、下方が陸側に向かって
傾斜するように水底地盤に打設された杭に横向きの小ス
リット が形成されるように上下方向に小間隔をおいて
配置したスリット式後面カーテン壁とを間隔をおいて配
置するようにした二重カーテン壁を備えた反射波低減構
造物において、沖側の前面カーテン壁の吃水を陸側の後
面カーテン壁の吃水よりも浅くしたことを特徴とする異
吃水式二重カーテン壁による反射波低減構造物。 - 【請求項2】 垂直に水底地盤に打設された前後の杭
と、かつ上下可動自在に前記前後の杭に嵌設された複数
の浮体ユニットを上下方向に積層一体化して構成され、
最上部の浮体ユニットの中間部が水面位置になるように
浮力が調整された浮体型堤体とからなり、沖側に面する
前面カーテン壁と陸側に面する後面カーテン壁とが、前
記浮体型堤体の下部に間隔をおいてそれぞれ固定されて
いると共に、前記前面カーテン壁の吃水が後面カーテン
壁の吃水よりも浅く設定されたことを特徴とする異吃水
式二重カーテン壁による反射波低減構造物。
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---|---|---|---|
JP33215598A JP3440854B2 (ja) | 1998-11-24 | 1998-11-24 | 異吃水式二重カーテン壁を備えた反射波低減構造物 |
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Publications (2)
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-
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- 1998-11-24 JP JP33215598A patent/JP3440854B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Title |
---|
中村 孝行 外3名,異吃水の二重式カーテン防波堤による反射波の低減機構について,第53会年次学術講演会 講演概要集 ,日本,社団法人土木学会,1998年 8月 1日,第2部,P.326−327 |
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JP2000154518A (ja) | 2000-06-06 |
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