JP3440776B2 - 端子圧着ユニット - Google Patents

端子圧着ユニット

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】本発明は端子圧着ユニットに関する。 【0002】 【従来の技術】一般に電線の端部に端子を連続的に圧着
する装置として、端子圧着ユニットが知られている(例
えば、実開平7−27086号公報参照)。この端子圧
着ユニットは、端子帯を送給する端子帯送給機構と、送
給された端子帯から端子を切り離して、電線に圧着する
プレス機構とを含んでおり、これらの機構を連動して、
自動的に圧着工程を連続的に行っている。 【0003】上記プレス機構としては、端子を受けるア
ンビルと、アンビルと協働して端子をかしめることによ
り、端子を電線に圧着するクリンパーとを有するものが
一般的である。アンビルおよびクリンパーは、電線の被
覆部分に圧着される被覆バレルをかしめる被覆用の対
と、芯線部分に圧着される電線バレルをかしめる電線用
の対とが、それぞれ用意されている。 【0004】図3および図4は従来のクリンパー部分を
示す一部破断正面略図である。同図に示すように、被覆
バレルをかしめる被覆クリンパー30と電線バレルをか
しめる電線クリンパー31とは、支軸21の方向に互い
に重ね合わされた状態で同一の支軸12により、図示し
ないシャンクに連結され、このシャンクを介して図の上
下に駆動されるように構成されている。ここで被覆クリ
ンパー30は、電線クリンパー31とは別個に高さ調整
を行なうことができるようにするため、上下に所定の遊
びPが設けられた状態で支軸12に取り付けられ、専ら
自重によって下方に下がっていた。また、多くの場合、
図4に示すように、この被覆クリンパー30の前面側
(ワイヤー用のアンビルと反対側)には、電線を弾性的
に押圧するワイヤパンチ32が配置されている。 【0005】各クリンパー30、31の下部には、略逆
U字形に窪むかしめ面30A、31Aが形成されてお
り、これらは端子が圧着される電線の種類に応じて互い
に電線と干渉しない位置に上下高さが設定されている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】上述した端子圧着ユニ
ットにおいて、端子のかしめ工程を正確に行なうために
は、クリンパー30、31のかしめ面30A、31Aが
区画する最深部に電線を導入する必要がある。しかしな
がら、従来の端子圧着ユニットにおいては、しばしば電
線がクリンパー30、31内からはずれてしまうことが
あった。 【0007】その原因の一つとして、被覆クリンパー3
0の位置不良が上げられる。すなわち、上述したよう
に、被覆クリンパー30は、電線クリンパー31と相対
的に高さ調整を行なうために遊びPが設けられていたこ
とから、両クリンパー30、31がアンビルから離れて
いる際に、被覆クリンパー30が摩擦等の影響によって
正規の位置まで下がっていない状態でかしめ動作が行な
われることがあった。その場合には、図3に示すよう
に、開口間隔の狭い電線クリンパー31の下端面が電線
Wに当接してしまったり、図4に示すように、被覆クリ
ンパー30とワイヤパンチ32の外側面とによって区画
される部位に電線Wが嵌まり込んだりしてしまい、電線
Wを正規の端子Tのかしめ位置に送ることができなくな
ってかしめ不良が生じていたのである。 【0008】本発明は上記不具合に鑑みてなされたもの
であり、被覆クリンパーの位置不良に起因する圧着不良
を防止可能な端子圧着ユニットを提供することを課題と
している。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、端子圧着ユニットのシャンクに対し、裁断
パンチ、ワイヤパンチ、被覆クリンパーおよび電線クリ
ンパーをボルトで連結した端子圧着ユニットにおいて、
上記被覆クリンパーは、左右対称に二分割された一対の
クリンパー片で構成され、上記ボルトと一対のクリンパ
ー片との間には、一対のクリンパー片がシャンクに対し
て上下方向に変位可能なように遊びが形成されており、
一対のクリンパー片はシャンクに対して常時下方に変位
しているように、ボルトに対して一対のクリンパー片を
弾性的に下方に押し下げる付勢手段設けられているこ
とを特徴とする端子圧着ユニットである。 【0010】この特定事項を含む発明では、アンビルと
被覆クリンパーとをかしめ動作させるに当たり、両者が
離れている間は付勢手段の付勢力によって、被覆クリン
パーは、アンビルの方に付勢される。また、被覆クリン
パーが二分割されており、被覆バレルの食いつきを防止
できる。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら、
本発明の好ましい実施の形態について詳述する。図1は
本発明の実施の一形態に係るサイドフィード式の端子圧
着ユニット1の斜視図である。同図に示すように、本実
施の形態に係る端子帯Bは、長尺のキャリアT4の一側
部に間隔を隔てて繋ぎ部T1を突出させ、この繋ぎ部T
1を介して端子Tを、当該キャリアT4の長手方向と直
交する方向に沿わせて一体に連結している。この端子帯
Bの端子Tは、図示しない被覆電線の端部に圧着される
圧着部T2と、圧着部T2に延設されて、他の端子に接
続されるための接続部T3とを一体に備えている。上記
圧着部T2は、被覆電線Wの被覆端部W1にかしめられ
る被覆バレルt1と、皮剥ぎされて露出している芯線端
部W2にかしめられる電線バレルt2とを含んでいる。 【0012】図1に示すように、端子圧着ユニット1は
周知の自動調尺電線製造装置に載置され固定されるベー
スプレート2を備えている。上記自動調尺電線製造装置
は、電線を予め定められた長さに裁断されたもの(調尺
電線)に調尺し、その両端に端子を自動的に圧着するも
のである。上記端子圧着ユニット1は、ベースプレート
2の所定位置に立設された本体ブロック3と、この本体
ブロック3に連結されて、上記端子帯Bを送給する端子
帯送給機構4と、端子帯送給機構4によって送給された
端子帯Bの端子Tを圧着するためのプレス機構5とを備
えている。 【0013】本体ブロック3は、平面視略矩形の直方体
であり、その前面には、上下に延びるガイド溝3Aが形
成されている。このガイド溝3Aは、上下および前方に
開放されている。図1に示す端子帯送給機構4は、本体
ブロック3に一体的に取り付けられた組付プレート4A
と、組付プレート4Aを通過する端子Tに係合すること
により、端子Tを一つずつ送るための送り爪4Bと、送
り爪4Bを後述するプレス機構5に連動させるためのリ
ンクレバー4Cとを備えている周知のものである。 【0014】上記プレス機構5は、本体ブロック3の下
部に装着されている受圧ユニット6と、本体ブロック3
のガイド溝3Aに摺動可能に嵌合した状態で上記自動調
尺電線製造装置のプレス装置7に連結されるシャンク8
と、シャンク8に連結され、上記受圧ユニット6と協働
して端子Tをかしめる加圧ユニット10とを含んでい
る。なお、図示の例において、上記端子帯供給機構4の
リンクレバー4Cは、上記シャンク8と連結されてお
り、シャンク8の昇降動作に合わせて端子Tの非圧着時
に端子Tをプレス機構5に一つずつ送給することができ
るようになっている。 【0015】受圧ユニット6は、基体となるアンビルハ
ウジング6Aに対し、スライドカッタ6B、アンビルホ
ルダ(図示せず)、被覆アンビル6D、電線アンビル6
E、ガイドカバー6F等を組付けることによりユニット
化したものであり、一対の蝶ボルト6Gにより、工具を
用いることなく、手作業で本体ブロック3に対して着脱
できるようになっている。 【0016】加圧ユニット10は、図示の具体例におい
て、スライドカッタ6Bを加圧する裁断パンチ10A
と、電線Wを押し下げるワイヤパンチ10Bと、被覆ア
ンビル6Dと協働して端子Tの被覆バレルt1をかしめ
る被覆クリンパー組立体11と、電線アンビル6Eと協
働して端子Tの電線バレルt2をかしめる電線クリンパ
ー10C等を組み付け、支軸としてのキャップボルト1
2でシャンク8に連結したものである。 【0017】上記シャンク8には、被覆クリンパー組立
体11のかしめ高さを調整するための調整ダイヤル13
が設けられている。この調整ダイヤル13で被覆クリン
パー組立体11の高さを調整可能にするために、上記キ
ャップボルト12と被覆クリンパー組立体11との間に
は、後述するように遊びPが形成されており、それによ
って図の上下方向において、シャンク8に対して相対的
に変位可能に構成されている(図2参照)。 【0018】図2は図1の実施の形態の要部を示す一部
破断正面略図である。同図を参照して、被覆クリンパー
組立体11は、被覆バレルt1の食いつき防止のため
に、互いに左右対に二分割された一対のクリンパー片
11A、11Bで構成されているクリンパー14と、こ
のクリンパー14に組付けられる付勢手段としてのコイ
ルばね15とで構成されているものである。 【0019】上記クリンパー14は、その下部に、端子
Tの被覆バレルt1をかしめる加圧凹部14Aを区画し
ているとともに、上端側途中部に、上記キャップボルト
12を挿通させる挿通孔14Bを区画している。この挿
通孔14Bには、加圧凹部14Aの方に向かって延びる
ばね室14Cが連続しており、上記コイルばね15は、
組付時において、このばね室14C内に収容され、キャ
ップボルト12との間で図2の上下方向に縮設されてい
る。 【0020】以上の構成では、組付時において、被覆ク
リンパー14はコイルばね15の付勢力により、弾性的
に下方に押し下げられて被覆アンビル6Dに近接した状
態でキャップボルト12に規定される正規の姿勢に維持
されている。この結果、端子Tを電線Wに圧着する際に
おいても、被覆クリンパー14は、その前方に設けられ
たワイヤパンチ10Bや後方に配置された電線クリンパ
ー11Cよりも確実に下方に下がっている結果、かしめ
時において、被覆クリンパー14の位置ずれに起因して
電線Wがワイヤパンチ10Bや電線クリンパー11C等
と干渉することはなく、図2の矢印Aで示すように確実
に端子Tの圧着部T2内に導入される。 【0021】以上説明したように上述した実施の形態に
よれば、被覆クリンパー14が被覆アンビル6Dから離
れている間、被覆クリンパー14は、アンビルに近接す
る方向に弾性的に付勢された状態でキャップボルト12
に係止しているので、被覆クリンパー14は、必ずキャ
ップボルト12によって規定される正規の位置に位置決
めされることになるから、被覆クリンパー14とキャッ
プボルト12との間に遊びPを設けているにも拘らず、
被覆クリンパー14が位置ずれするのを防止することが
できる。従って、被覆クリンパー14の位置ずれに起因
して電線Wが他の加圧部材(電線クリンパー10Cやワ
イヤパンチ10B等)と干渉しなくなる結果、被覆クリ
ンパー14の位置ずれによる圧着不良を確実に防止する
ことができるという顕著な効果を奏する。 【0022】 【0023】 【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ア
ンビルと被覆クリンパーとが離れている間、被覆クリン
パーは、アンビルに近接する方向に弾性的に付勢された
状態で支軸に係止するので、被覆クリンパーは、必ず支
軸によって規定される正規の位置に位置決めされること
になるから、被覆クリンパーと支軸との間に遊びを設け
ているにも拘らず、被覆クリンパーが位置ずれするのを
防止することができる。従って、被覆クリンパーの位置
ずれに起因して電線が他の加圧部材(電線クリンパーや
ワイヤパンチ等)と干渉しなくなる結果、被覆クリンパ
ーの位置ずれによる圧着不良を確実に防止することがで
きるという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の実施の一形態に係るサイドフィード式
の端子圧着ユニットの斜視図である。 【図2】図1の実施の形態の要部を示す一部破断正面略
図である。 【図3】従来のクリンパー部分を示す一部破断正面略図
である。 【図4】従来のクリンパー部分を示す一部破断正面略図
である。 【符号の説明】 1 端子圧着ユニット 10B ワイヤパンチ 10C 電線クリンパー 12 キャップボルト(支軸) 14 被覆クリンパー 15 コイルばね(付勢手段)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】端子圧着ユニットのシャンクに対し、裁断
    パンチ、ワイヤパンチ、被覆クリンパーおよび電線クリ
    ンパーをボルトで連結した端子圧着ユニットにおいて、 上記被覆クリンパーは、左右対称に二分割された一対の
    クリンパー片で構成され、 上記ボルトと一対のクリンパー片との間には、一対のク
    リンパー片がシャンクに対して上下方向に変位可能なよ
    うに遊びが形成されており、 一対のクリンパー片はシャンクに対して常時下方に変位
    しているように、ボルトに対して一対のクリンパー片を
    弾性的に下方に押し下げる 付勢手段設けられているこ
    とを特徴とする端子圧着ユニット
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JP2016149196A (ja) * 2015-02-10 2016-08-18 矢崎総業株式会社 端子圧着装置
JP2017152179A (ja) * 2016-02-24 2017-08-31 住友電装株式会社 端子圧着装置

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