JP3440579B2 - 加熱処理方法 - Google Patents

加熱処理方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加熱処理方法及び加熱
処理装置に関し、より詳しくは、例えば半導体装置の製
造における加熱処理方法及び加熱処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】超LSIの集積規模が16Mダイナミッ
クRAM、4MスタティックRAM、更に64Mダイナ
ミックRAM、16MスタティックRAMと大きくなる
につれて、加工寸法は0.5μmから0.35μmへと
小さくなってきている。このような微細加工寸法の超L
SI製造プロセスにおいては、熱処理が極めて重要な技
術的事項である。即ち、加工寸法が0.5μmから0.
35μmとなるに従い、接合深さは0.15μmから
0.1μmとなる。それ故、低エネルギーでイオン注入
した不純物の再分布の少ない活性化アニール法が必要と
されている。
【0003】このような要求に対して、熱処理の低温化
が図られる一方、短時間熱処理法としてレーザーアニー
ル処理法、ハロゲンランプやアークランプ等のインコヒ
ーレント光を用いる熱処理法、あるいは又、カーボンス
トリップヒーターによる加熱処理法等、様々な方法が開
発されている。これらの中では、インコヒーレント光を
用いた短時間熱処理法(RTA:Rapid Thrmal Anneali
ng)が最も実用的であると考えられている。
【0004】p+拡散層の形成のために、Miyake らは、
シリコンイオンでプリアモルファス化した半導体基板に
BF2イオンを打ち込み、RTAを行って極めて浅い接
合を形成している。即ち、15keVのイオン注入エネ
ルギーでBF2イオンをドーズ量2×1015/cm2とし
てシリコン半導体基板にイオン注入し、その後、950
゜C×15秒のRTAを行い、0.1μm程度あるいは
それ以下の浅いpn接合を得ている。Miyake et al., S
ymp.VLSI Tech., 91 (1987) 参照のこと。
【0005】一方、n+拡散層の形成には、活性化率が
高くしかも拡散係数が小さいために低抵抗の浅い接合が
得やすいAsイオンがイオン注入のための不純物として
多く用いられている。Asイオンをイオン注入した後R
TAを行うことによって浅い接合を形成した C. C. Ho
らの実験においては、ドーズ量5×1015/cm2のA
sイオンをイオン注入エネルギー60keVでシリコン
半導体基板にイオン注入し、1000゜C以上の温度で
のRTAを行い、比抵抗値が50〜70Ω/□、接合深
さが0.15μm程度あるいはそれ以下の浅いpn接合
を得ている。C.C.Ho at al., Proc. Symp. Process Phy
s. Model Semicond. Technol., '86, 117 (1986) を参
照のこと。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、RTA
では、半導体基板の温度を急速に上昇又は下降させるの
で、酸化珪素(SiO2)の相状態が不安定になる。そ
のため、例えば酸化珪素から成るゲート酸化膜とシリコ
ン半導体基板との界面に電流ストレスを印加した場合、
ゲート酸化膜とシリコン半導体基板の界面に界面準位が
発生し易く、その結果、ホットエレクトロン耐性が、通
常の拡散炉で半導体基板をアニール処理した場合よりも
低くなることが知られている。
【0007】即ち、シリコン半導体基板上に酸化珪素が
形成されている場合、900゜C以上でアニール処理を
行うと、昇降温時、特に降温時に、酸化珪素は結晶構造
を変え、酸化珪素には体積変化が生じる。ところが、シ
リコン半導体基板をRTAで急速に昇降温、特に降温し
た場合、酸化硅素は、相転移温度よりも高い温度で安定
な結晶構造のまま室温に戻る。その結果、酸化珪素には
応力が残ってしまう。これが、RTAによってアニール
処理した半導体装置のホットエレクトロン耐性が、拡散
炉を用いた場合のホットエレクトロン耐性より劣る理由
である。
【0008】この対策として、本出願人は、平成5年6
月25日付の特許出願(特許出願番号:特願平5−17
9759号)で、半導体装置から成る被熱処理体のRT
Aによる熱処理方法であって、昇温工程の途中及び/又
は降温工程の途中で、酸化珪素の相転移温度付近にて一
旦昇温及び/又は降温を中断し、その温度を暫く保持
し、その後再び昇温/及び又は降温する熱処理方法を提
案した。
【0009】この熱処理方法によれば、酸化珪素の相転
移温度付近で昇温又は降温を中断し、暫くこの中断時の
温度を保持することで、酸化硅素を高温時若しくは低温
時に安定な結晶構造に変えることができる。尚、昇温又
は降温を中断する代わりに、酸化珪素の相転移温度付近
での昇温速度若しくは降温速度を遅くしても同様の効果
が得られる。
【0010】全体の昇降温速度を遅くしたのでは、半導
体装置の製造スループットが低下するだけでなく、高温
で長時間アニール処理することになるので不純物が広く
拡散してしまい浅い接合の形成には不利になる。従っ
て、酸化硅素の相転移温度付近でのみ酸化珪素を徐熱若
しくは徐冷する特願平5−179759号にて提案され
た方法は効果的である。
【0011】しかしながら、この提案の方法の問題点の
1つは、RTA装置における酸化珪素の温度制御の難し
さである。例えば、図10の(A)に示すように、酸化
硅素の相転移温度付近で一旦昇降温を中断してその温度
を保持する場合、実際には、図10の(B)に示すよう
に、A点、B点あるいはC点でオーバーシュートが発生
する。特にC点での温度制御は難しい。即ち、一旦急激
に酸化硅素の相転移温度を通過して降温した後に再び相
転移温度を通過して昇温する現象が何度か起きた後に、
酸化珪素は相転移温度付近の温度に収束し、その温度に
保持される。オーバーシュート現象が生じると、酸化珪
素の温度は数十゜Cも変動する。そのため、酸化珪素の
相転移の状態にばらつきが発生し易くなる。急激な昇降
温を避けるために一旦昇降温を中断するにも拘わらず、
酸化硅素を低温での安定構造に変えることによって半導
体装置のホットエレクトロン耐性を向上させるという効
果を、このようなオーバーシュート現象は減少させてし
まう危険性があり、好ましくない。
【0012】従来のRTA装置100は、図9に概念図
を示すように、試料20を上下からランプ等から成る加
熱手段112で挟んだ構造(加熱手段が試料の上方ある
いは下方にのみ配置されたRTA装置もある)になって
いる。そして、例えばランプ等の加熱手段112への供
給電力を制御することにより、試料20の温度制御を行
っている。降温時には、ランプ等の加熱手段112の殆
どをパワーオフしている。それ故、酸化珪素の相転移温
度を通過した時点若しくは通過する直前に加熱手段11
2をパワーオンしても暫くは酸化珪素は降温し続け、そ
の後、酸化珪素の温度が急激に上昇する。こうして、図
10の(B)に示すように、酸化珪素の相転移温度付近
へと酸化珪素の温度が収束するまでに、オーバーシュー
ト現象が生じる。
【0013】従って、本発明の目的は、例えば被熱処理
物の昇温中若しくは降温中に、被熱処理物を或る所望の
温度に確実に且つ安定して保持し得る加熱処理方法、及
びかかる加熱処理方法の実行に適した加熱処理装置を提
供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の第1の態様に係る加熱処理方法は、第1の
加熱手段及び第2の加熱手段から成る加熱処理装置を用
いて、被熱処理物を加熱し、被熱処理物を所定の温度に
所定時間保持し、次いで被熱処理物を冷却する加熱処理
方法であって、(イ)第1の加熱手段を動作させること
によって、被熱処理物を構成する材料の相転移温度若し
くはその近傍の温度まで被熱処理物を加熱し、所定時間
この温度を保持する工程と、(ロ)第1の加熱手段を動
作させたまま第2の加熱手段を動作させて、被熱処理物
を加熱し、被熱処理物を前記所定の温度に所定時間保持
する工程と、(ハ)第1の加熱手段を動作させたまま第
2の加熱手段の動作を中止し若しくは制御し、被熱処理
物を構成する材料の相転移温度若しくはその近傍の温度
まで被熱処理物を降温し、所定時間この温度を保持する
工程と、(ニ)第1の加熱手段の動作を中止し、被熱処
理物を冷却する工程、から成ることを特徴とする。
【0015】尚、本発明の第1の態様に係る加熱処理方
法にあっては、上記(イ)の工程において、第2の加熱
手段の動作を制御した状態に置いてもよい。
【0016】上記の目的を達成するための本発明の第2
の態様に係る加熱処理方法は、第1の加熱手段及び第2
の加熱手段から成る加熱処理装置を用いて、被熱処理物
を加熱し、被熱処理物を所定の温度に所定時間保持し、
次いで被熱処理物を冷却する加熱処理方法であって、
(イ)第1の加熱手段及び第2の加熱手段を動作させ
て、被熱処理物を加熱し、被熱処理物を前記所定の温度
に所定時間保持する工程と、(ロ)第1の加熱手段を動
作させたまま第2の加熱手段の動作を中止し若しくは制
御し、被熱処理物を構成する材料の相転移温度若しくは
その近傍の温度まで被熱処理物を降温し、所定時間この
温度を保持する工程と、(ハ)第1の加熱手段の動作を
中止し、被熱処理物を冷却する工程、から成ることを特
徴とする。
【0017】上記の目的を達成するための本発明の第3
の態様に係る加熱処理方法は、第1の加熱手段及び第2
の加熱手段から成る加熱処理装置を用いて、被熱処理物
を加熱し、被熱処理物を所定の温度に所定時間保持し、
次いで被熱処理物を冷却する加熱処理方法であって、
(イ)第1の加熱手段を動作させることによって、被熱
処理物を構成する材料の相転移温度若しくはその近傍の
温度まで被熱処理物を加熱し、所定時間この温度を保持
する工程と、(ロ)第1の加熱手段を動作させたまま第
2の加熱手段を動作させて、被熱処理物を加熱し、被熱
処理物を前記所定の温度に所定時間保持する工程と、
(ハ)第1の加熱手段及び第2の加熱手段の動作を中止
し、被熱処理物を冷却する工程、から成ることを特徴と
する。
【0018】本明細書において、第2の加熱手段の動作
を制御するとは、第2の加熱手段の発熱量を制御するこ
とによって、被熱処理物の相転移温度若しくはその近傍
の温度付近において、被熱処理物の結晶構造が他の結晶
構造に安定して移行する昇温速度若しくは降温速度を保
持することを意味する。尚、かかる昇温速度若しくは降
温速度を保持する間に被熱処理物の相転移温度を通過す
ることが好ましい。
【0019】本発明の第1〜第3の態様に係る加熱処理
方法においては、被熱処理物を、半導体基板に形成され
た酸化珪素とすることができる。被熱処理物が酸化珪素
の場合の相転移温度は、573゜C及び870゜Cであ
る。即ち、相転移温度573゜Cにおいて、酸化珪素は
低温石英と高温石英との間を相転移する。一方、相転移
温度870゜Cにおいて、酸化珪素は高温石英とトリジ
マイトとの間を相転移する。従って、被熱処理物が酸化
珪素から成る場合、被熱処理物を構成する材料の相転移
温度は573゜C及び/又は870゜Cである。また、
被熱処理物を構成する材料の相転移温度近傍の温度と
は、被熱処理物を構成する材料にも依存するが、例えば
相転移温度±100゜Cを意味する。
【0020】本発明の第1〜第3の態様に係る加熱処理
方法においては、加熱処理装置は、ラピッドサーマルア
ニーリング装置から成ることが好ましい。
【0021】上記の目的を達成するための本発明の加熱
処理装置は、それぞれ独立して被熱処理物を均一に加熱
し得る第1の加熱手段及び第2の加熱手段を備えたこと
を特徴とする。
【0022】本発明の加熱処理装置の好ましい態様にお
いては、被熱処理物の一方の側に第1の加熱手段及び第
2の加熱手段が配置され、被熱処理物の他方の側にも第
1の加熱手段及び第2の加熱手段が配置されている。あ
るいは、被熱処理物を挟んで、第1の加熱手段及び第2
の加熱手段が対向して配置されている。あるいは又、被
熱処理物の一方の側に、第1の加熱手段及び第2の加熱
手段が配置されている。尚、第1及び第2の加熱手段は
ランプから成り、加熱処理装置はラピッドサーマルアニ
ーリング装置から成ることが望ましい。本発明の加熱処
理装置において、被熱処理物を均一に加熱するとは、加
熱処理装置にも依存するが、被熱処理物内の温度ばらつ
きが例えば±10゜C以内であることを意味する。
【作用】本発明の加熱処理方法においては、被熱処理物
を構成する材料の相転移温度若しくはその近傍の温度ま
での被熱処理物の加熱は、第1の加熱手段の動作によっ
て行う(尚、必要に応じて、それに加えて第2の加熱手
段の動作を制御することもできる)ので、かかる温度ま
での加熱は主に第1の加熱手段の発熱量に依存するだけ
である。即ち、第1の加熱手段が加熱し得る温度を被熱
処理物の温度が上回ることはない。従って、被熱処理物
を構成する材料の相転移温度若しくはその近傍の温度に
被熱処理物を安定して保持することができ、オーバーシ
ュートの発生を効果的に抑制することができる。
【0023】また、被熱処理物を構成する材料の相転移
温度若しくはその近傍の温度までの被熱処理物の降温
も、第1の加熱手段を動作させたまま第2の加熱手段の
動作を中止し若しくは制御することによって行うので、
かかる温度までの温度低下は主に第1の加熱手段の発熱
量に依存するだけである。即ち、第1の加熱手段が保持
し得る温度を被熱処理物の温度が下回ることはない。従
って、被熱処理物を構成する材料の相転移温度若しくは
その近傍の温度に被熱処理物を安定して保持することが
でき、オーバーシュートの発生を効果的に抑制すること
ができる。
【0024】従来のRTA装置100においては、例え
ばランプ等の加熱手段112への供給電力を制御するこ
とにより、そして特に降温時には、ランプ等の加熱手段
112の殆どをパワーオフすることで、被熱処理物の温
度制御を行っている。従って、オーバーシュートが発生
し易い。一方、本発明の加熱処理装置においては、それ
ぞれ独立して被熱処理物を均一に加熱し得る第1の加熱
手段及び第2の加熱手段を備えている。それ故、被熱処
理物の加熱処理の工程においては、専ら第1の加熱手段
を動作させておくことで、被熱処理物を構成する材料の
相転移温度若しくはその近傍の温度まで安定して被熱処
理物を加熱しあるいは降温することができる。加えて、
第2の加熱手段のオンオフ操作(あるいは第2の加熱手
段の制御)によって被熱処理物の熱処理を行うので、容
易に且つ高い精度で被熱処理物の温度制御を行うことが
でき、オーバーシュートの発生を効果的に抑制すること
が可能となる。
【0025】例えばシリコン半導体基板上に被熱処理物
である酸化硅素が形成されている場合、900゜C以上
でアニール処理すると、酸化珪素は、昇温時及び降温時
にその相転移温度(573゜C及び870゜C)を通過
する。この時に、ゆっくり昇降温、特に降温すれば、酸
化硅素は結晶構造を変えながら、つまり体積変化を伴っ
て昇降温する。
【0026】然るに、RTAで急速に昇降温、特に降温
した場合、酸化硅素は相転移温度よりも高い温度で安定
な結晶構造のまま室温に戻る。その結果、酸化珪素中に
は応力が残ってしまう。これが、RTAによりアニール
処理した半導体装置のホットエレクトロン耐性が、拡散
炉を用いてアニール処理した半導体装置のホットエレク
トロン耐性より劣る理由である。
【0027】それ故、酸化珪素から成る被熱処理物の相
転移温度付近で温度の上昇若しくは降下を止め、暫くの
間この温度を保持することで、酸化硅素を高温若しくは
低温で安定な結晶構造に変えることができる。尚、昇降
温を止める代わり、相転移温度付近でゆっくり昇降温し
ても(即ち、昇温速度や降温速度を遅くしても)、同様
の効果を得ることができる。但し、温度上昇の全工程若
しくは温度下降の全工程を長時間としたのでは、スルー
プットが低下するし、高温で長時間アニール処理するこ
とになるので不純物が広く拡散してしまい浅い接合を形
成することが困難になる。
【0028】
【実施例】以下、図面を参照して、実施例に基づき本発
明を説明する。
【0029】先ず、本発明の加熱処理方法の実施に適し
た加熱処理装置について説明する。図1及び図2に本発
明のラピッドサーマルアニーリング装置(RTA装置)
から成る加熱処理装置の概念図を示す。
【0030】図1の(A)に示す加熱処理装置10にお
いては、被熱処理物20の一方の側に第1の加熱手段1
2A及び第2の加熱手段14Aが配置され、被熱処理物
20の他方の側にも第1の加熱手段12B及び第2の加
熱手段14Bが配置されている。これによって、被熱処
理物20の面内を均一に加熱することができる。尚、図
1及び図2においては、第1の加熱手段を二重丸印で示
し、第2の加熱手段を丸印で示した。
【0031】第1及び第2の加熱手段は、例えば複数の
タングステン・ハロゲン・ランプから成る。第1及び第
2の加熱手段のそれぞれは、加熱手段制御装置に接続さ
れており、加熱手段制御装置によってそれらの動作が独
立して制御される。尚、加熱手段制御装置は1つであっ
てもよい。加熱手段制御装置は、図示しないホストコン
ピュータからの命令により、例えば図3の(A)及び
(B)に模式的に図示した温度プロファイルが得られる
ように、第1及び第2の加熱手段を制御する。被熱処理
物20は、その上下から図3の(A)及び(B)に示す
温度プロファイルで加熱され、図3の(C)に示すよう
な被熱処理物の温度変化を得ることができる。
【0032】図1の(B)に示す加熱処理装置10Aに
おいては、被熱処理物20を挟んで、第1の加熱手段1
2及び第2の加熱手段14が対向して配置されている。
また、図2に示す加熱処理装置10Bにおいては、被熱
処理物20の一方の側に、第1の加熱手段12及び第2
の加熱手段14が配置されている。このような第1及び
第2の加熱手段の配置が異なることを除き、加熱処理装
置10A,10Bの他の構成は図1の(A)に示した加
熱処理装置10と同様とすることができるので、詳細な
説明は省略する。
【0033】次に、本発明の加熱処理方法について説明
する。
【0034】(実施例1)実施例1の加熱処理方法は、
本発明の第1の態様に係る加熱処理方法に関し、基本的
にはRTA処理に基づいている。図3の(A)に第1の
加熱手段によって得られる温度プロファイルを模式的に
示す。また、図3の(B)に第1の加熱手段によって得
られる温度プロファイルを模式的に示す。更に、第1及
び第2の加熱手段の動作によって得られる被熱処理物の
温度変化を図3の(C)に模式的に示す。以下、実施例
1の加熱処理方法の各工程を、図3を参照して説明す
る。実施例1においては、被熱処理物を酸化珪素とし、
相転移温度若しくはその近傍の温度まで被熱処理物を加
熱するが、このときの温度を573゜Cとした。更に、
相転移温度若しくはその近傍の温度まで被熱処理物を降
温するが、このときの温度を573゜Cとした。
【0035】尚、この酸化珪素は、MOS型トランジス
タのゲート酸化膜に相当し、酸化珪素はシリコン半導体
基板上に形成されており、酸化珪素から成るゲート酸化
膜の下にはソース・ドレイン領域が形成されているもの
とする。そして、以下に説明する[工程−110]にお
いて、被熱処理物を加熱し、被熱処理物を所定の温度
(例えば1050゜C)に所定時間(例えば10秒間)
保持することによって、ソース・ドレイン領域の活性化
アニール処理が行われる。
【0036】[工程−100]図3の(A)に示すよう
に、時刻t0において、第1の加熱手段の動作を開始す
る。そして、被熱処理物を構成する材料の相転移温度
(例えば573゜C)まで被熱処理物を加熱する。図3
の(C)に示すように、時刻t1において、被熱処理物
はこの温度(T1)に達する。時刻t0からt1までの被
熱処理物の昇温速度は、第1の加熱手段の発熱量や加熱
処理装置の熱容量、被熱処理物の熱容量等に依存する
が、例えば100゜C/秒とすることができる。その
後、時刻t1からt2までの所定時間(例えば60秒間)
この温度(T1:573゜C)状態を保持する。尚、こ
の温度(T1)の保持は、第1の加熱手段の発熱量や加
熱処理装置の熱容量、被熱処理物の熱容量等に依存す
る。それ故、予め、各種の試験を行い、第1の加熱手段
の発熱量を適切な値に設定することで、この温度
(T1)の保持を得ることができる。また、被熱処理物
を第1の加熱手段のみで加熱するので、安定して、被熱
処理物を構成する材料の相転移温度まで被熱処理物を加
熱することができ、しかも、オーバーシュートが発生す
ることなく、この温度(T1)に被熱処理物を保持する
ことができる。また、被熱処理物の相転移を比較的長時
間で行うことができるので、被熱処理物の相転移が円滑
に行われる。
【0037】[工程−110]時刻t2になった時点
で、第1の加熱手段を動作させたまま第2の加熱手段を
動作させて、被熱処理物を加熱し、被熱処理物を所定の
温度(T2:例えば1050゜C)に所定時間(例えば
10秒間:時刻t3〜t4)保持する。時刻t3において
被熱処理物が所定の温度(T2)に達する。時刻t2から
時刻t3までの被熱処理物の昇温速度は、第1の加熱手
段の発熱量、第2の加熱手段の発熱量、加熱処理装置の
熱容量、被熱処理物の熱容量等に依存するが、例えば1
00゜C/秒とすることができる。尚、[工程−10
0]における昇温速度と異なっていてもよい。所定の温
度(T2)の保持も、第1の加熱手段の発熱量、第2の
加熱手段の発熱量、加熱処理装置の熱容量、被熱処理物
の熱容量等に依存する。従って、予め、各種の試験を行
い、第2の加熱手段の発熱量を適切な値に設定すること
で、この所定の温度(T2)の保持を得ることができ
る。
【0038】[工程−120]所定時間の経過後(即
ち、時刻t4において)、第1の加熱手段を動作させた
まま第2の加熱手段の動作を中止し、被熱処理物を構成
する材料の相転移温度まで被熱処理物を降温し、所定時
間この温度を保持する。即ち、図3の(C)に示すよう
に、時刻t5において、被熱処理物はこの温度(T1:5
73゜C)に達する。時刻t4からt5までの被熱処理物
の降温速度は、第1の加熱手段の発熱量や加熱処理装置
の熱容量、被熱処理物の熱容量等に依存するが、例えば
100゜C/秒である。その後、時刻t5からt6までの
所定時間(例えば60秒間)この温度(T1)状態を保
持する。尚、この温度(T1)の保持は、第1の加熱手
段の発熱量や加熱処理装置の熱容量、被熱処理物の熱容
量等に依存する。それ故、予め、各種の試験を行い、第
1の加熱手段の発熱量を適切な値に設定することで、こ
の温度(T1)の保持を得ることができる。また、被熱
処理物を第1の加熱手段のみで加熱するので、安定し
て、被熱処理物を構成する材料の相転移温度まで被熱処
理物を降温することができ、しかも、オーバーシュート
が発生することなく、この温度(T1)に被熱処理物を
保持することができる。また、被熱処理物の相転移を比
較的長時間で行うことができるので、被熱処理物の相転
移が円滑に行われる。その結果、被熱処理物の温度が室
温に戻ったとき、被熱処理物には応力が殆ど残らない。
【0039】[工程−130]所定時間の経過後(即
ち、時刻t6において)、第1の加熱手段の動作を中止
し、被熱処理物を冷却する。
【0040】[工程−100]あるいは[工程−12
0]において、被熱処理物を構成する材料の相転移温度
に被熱処理物を保持することが好ましいが、例えば相転
移温度±100゜C程度の温度範囲内における任意の温
度で、一定時間被熱処理物を保持してもよい。この場合
においても、被熱処理物の温度が室温に戻ったとき、被
熱処理物には応力が殆ど残らない。
【0041】尚、[工程−120]において、第1の加
熱手段を動作させたまま第2の加熱手段の動作を中止す
る代わりに、第1の加熱手段を動作させたまま第2の加
熱手段の動作を制御してもよい。即ち、第2の加熱手段
の発熱量を低い状態に制御することによって、被熱処理
物の相転移温度若しくはその近傍の温度付近において、
被熱処理物の結晶構造が安定な状態に移行する降温速度
を保持してもよい。この場合には、時刻t5から或る時
間が経過した後に(時刻t6あるいはそれ以前に)、第
2の加熱手段の動作を中止する。尚、このような操作に
よる被熱処理物の温度変化を図4の(A)に模式的に示
す。
【0042】また、[工程−100]において、第1の
加熱手段を動作させ、且つ第2の加熱手段の動作を制御
した状態で第2の加熱手段の動作を開始してもよい。即
ち、第2の加熱手段の発熱量を低い状態に制御し、被熱
処理物の相転移温度若しくはその近傍の温度付近におい
て、被熱処理物の結晶構造が安定な状態に移行する昇温
速度を保持してもよい。この場合には、時刻t2に達し
たならば、第2の加熱手段の正規の動作(即ち、被熱処
理物を所定の温度(T2)にするために、第2に加熱手
段の発熱量を増加させる)を開始する。尚、このような
操作による被熱処理物の温度変化を図4の(B)に模式
的に示す。
【0043】実施例1においては、被熱処理物を酸化珪
素とし、相転移温度若しくはその近傍の温度まで被熱処
理物を加熱するが、このときの温度を870゜Cとして
もよい。更に、相転移温度若しくはその近傍の温度まで
被熱処理物を降温するが、このときの温度を870゜C
としてもよい。更には、相転移温度若しくはその近傍の
温度まで被熱処理物を加熱及び降温するが、このときの
温度を573゜Cと870゜Cの2段階若しくは870
゜Cと573゜Cの2段階とすることもできる。このよ
うな2段階の操作に関しては、実施例2にて説明する。
更には、相転移温度若しくはその近傍の温度まで被熱処
理物を加熱するときの温度と、相転移温度若しくはその
近傍の温度まで被熱処理物を降温するときの温度とを異
ならせてもよい。
【0044】(実施例2)実施例2の加熱処理方法は、
本発明の第2の態様に係る加熱処理方法に関し、基本的
にはRTA処理に基づいている。図5の(A)に第1の
加熱手段によって得られる温度プロファイルを模式的に
示す。また、図5の(B)に第1の加熱手段によって得
られる温度プロファイルを模式的に示す。更に、第1及
び第2の加熱手段の動作によって得られる被熱処理物の
温度変化を図5の(C)に模式的に示す。以下、実施例
2の加熱処理方法の各工程を、図5を参照して説明す
る。実施例2においては、実施例1と同様に、被熱処理
物をMOS型トランジスタのゲート酸化膜に相当する酸
化珪素とし、相転移温度若しくはその近傍の温度まで被
熱処理物を降温するが、このときの温度を573゜Cと
した。また、以下に説明する[工程−200]におい
て、被熱処理物を加熱し、被熱処理物を所定の温度(例
えば1050゜C)に所定時間(例えば10秒間)保持
することによって、ソース・ドレイン領域の活性化アニ
ール処理が行われる。
【0045】[工程−200]図5の(A)に示すよう
に、時刻t0において、第1の加熱手段及び第2の加熱
手段を動作させて、被熱処理物を加熱し、被熱処理物を
所定の温度(T2)に所定時間保持する。図5の(C)
に示すように、時刻t1において、被熱処理物はこの所
定の温度(T2:例えば1050゜C)に達する。時刻
0からt1までの被熱処理物の昇温速度は、第1の加熱
手段や第2の加熱手段の発熱量、加熱処理装置の熱容
量、被熱処理物の熱容量等に依存するが、例えば100
゜C/秒とすることができる。その後、時刻t1からt2
までの所定時間(例えば10秒間)この所定の温度(T
2)状態を保持する。尚、この所定の温度(T2)の保持
は、第1の加熱手段や第2の加熱手段の発熱量、加熱処
理装置の熱容量、被熱処理物の熱容量等に依存する。そ
れ故、予め、各種の試験を行い、第2の加熱手段の発熱
量を適切な値に設定することで、この所定の温度
(T2)の保持を得ることができる。尚、被熱処理物を
第1及び第2の加熱手段で加熱するので、安定して、被
熱処理物を所定の温度(T2)まで加熱することがで
き、しかも、オーバーシュートが発生することなく、こ
の温度(T2)に被熱処理物を保持することができる。
【0046】[工程−210]所定時間の経過後(即
ち、時刻t4において)、第1の加熱手段を動作させた
まま第2の加熱手段の動作を中止し、被熱処理物を構成
する材料の相転移温度まで被熱処理物を降温し、所定時
間この温度を保持する。即ち、図5の(C)に示すよう
に、時刻t3において、被熱処理物は相転移温度(57
3゜C)に達する。時刻t2からt3までの被熱処理物の
降温速度は、第1の加熱手段の発熱量や加熱処理装置の
熱容量、被熱処理物の熱容量等に依存するが、例えば1
00゜C/秒である。その後、時刻t3からt4までの所
定時間(例えば60秒間)この温度(T1:573゜
C)状態を保持する。尚、この温度(T1)の保持は、
第1の加熱手段の発熱量や加熱処理装置の熱容量、被熱
処理物の熱容量等に依存する。それ故、予め、各種の試
験を行い、第1の加熱手段の発熱量を適切な値に設定す
ることで、この温度(T1)の保持を得ることができ
る。また、被熱処理物を第1の加熱手段のみで加熱する
ので、安定して、被熱処理物を構成する材料の相転移温
度まで被熱処理物を降温することができ、しかも、オー
バーシュートが発生することなく、この温度に被熱処理
物を保持することができる。また、被熱処理物の相転移
を比較的長時間で行うことができるので、被熱処理物の
相転移が円滑に行われる。その結果、被熱処理物の温度
が室温に戻ったとき、被熱処理物には応力が殆ど残らな
い。
【0047】[工程−220]所定時間の経過後(即
ち、時刻t4において)、第1の加熱手段の動作を中止
し、被熱処理物を冷却する。
【0048】[工程−210]において、被熱処理物を
構成する材料の相転移温度に被熱処理物を保持すること
が好ましいが、例えば相転移温度±100゜C程度の温
度範囲内における任意の温度で、一定時間被熱処理物を
保持してもよい。この場合においても、被熱処理物の温
度が室温に戻ったとき、被熱処理物には応力が殆ど残ら
ない。
【0049】尚、[工程−210]において、第1の加
熱手段を動作させたまま第2の加熱手段の動作を中止す
る代わりに、第1の加熱手段を動作させたまま第2の加
熱手段の動作を制御してもよい。即ち、第2の加熱手段
の発熱量を低い状態に制御することによって、被熱処理
物の相転移温度若しくはその近傍の温度付近において、
被熱処理物の結晶構造が安定な状態に移行する降温速度
を保持してもよい。この場合には、時刻t2から或る時
間が経過した後に(時刻t4あるいはそれ以前に)、第
2の加熱手段の動作を中止する。尚、このような操作に
よる被熱処理物の温度変化を図6の(A)に模式的に示
す。
【0050】実施例2においては、被熱処理物を酸化珪
素とし、相転移温度若しくはその近傍の温度まで被熱処
理物を降温するが、このときの温度を870゜Cとして
もよい。
【0051】更に、相転移温度若しくはその近傍の温度
まで被熱処理物を降温するが、このときの温度を870
゜C及び573゜Cの2段階としてもよい。この場合に
は、第1の加熱手段を2つの加熱手段群(以下、第1群
の加熱手段及び第2群の加熱手段と呼ぶ)から構成す
る。そして、図6の(B)の模式的に示すように、[工
程−200]においては、第1群の加熱手段及び第2群
の加熱手段、並びに第2の加熱手段を同時に動作させ
る。一方、[工程−210]においては、先ず、第2の
加熱手段の動作を中止し、あるいは制御する。第1群の
加熱手段及び第2群の加熱手段は動作させておく。これ
によって、例えば酸化珪素から成る被熱処理物を、その
相転移温度である870゜C(T1’)まで降温し、こ
の温度を一定時間保持する。次いで、例えば第2群の加
熱手段の動作を中止する。これによって、例えば酸化珪
素から成る被熱処理物を、その相転移温度である573
゜C(T1”)まで降温し、この温度を一定時間保持す
る。その後、第1群の加熱手段の動作を中止する。
【0052】(実施例3)実施例3の加熱処理方法は、
本発明の第3の態様に係る加熱処理方法に関し、基本的
にはRTA処理に基づいている。図7の(A)に第1の
加熱手段によって得られる温度プロファイルを模式的に
示す。また、図7の(B)に第1の加熱手段によって得
られる温度プロファイルを模式的に示す。更に、第1及
び第2の加熱手段の動作によって得られる被熱処理物の
温度変化を図7の(C)に模式的に示す。以下、実施例
3の加熱処理方法の各工程を、図7を参照して説明す
る。実施例3においては、実施例1と同様に、被熱処理
物をMOS型トランジスタのゲート酸化膜に相当する酸
化珪素とし、相転移温度若しくはその近傍の温度まで被
熱処理物を加熱するが、このときの温度を573゜Cと
した。また、以下に説明する[工程−310]におい
て、被熱処理物を加熱し、被熱処理物を所定の温度(例
えば1050゜C)に所定時間(例えば10秒間)保持
することによって、ソース・ドレイン領域の活性化アニ
ール処理が行われる。
【0053】[工程−300]図7の(A)に示すよう
に、時刻t0において、第1の加熱手段を動作させるこ
とによって、被熱処理物を構成する材料の相転移温度ま
で被熱処理物を加熱し、所定時間この温度を保持する。
図7の(C)に示すように、時刻t1において、被熱処
理物は相転移温度(例えば573゜C)に達する。時刻
0からt1までの被熱処理物の昇温速度は、第1の加熱
手段の発熱量、加熱処理装置の熱容量、被熱処理物の熱
容量等に依存するが、例えば100゜C/秒とすること
ができる。その後、時刻t1からt2までの所定時間(例
えば60秒間)この温度(T1:573゜C)の温度を
保持する。尚、この温度(T1)の保持は、第1の加熱
手段の発熱量、加熱処理装置の熱容量、被熱処理物の熱
容量等に依存する。それ故、予め、各種の試験を行い、
第1の加熱手段の発熱量を適切な値に設定することで、
この温度(T1)の保持を得ることができる。尚、被熱
処理物を第1の加熱手段のみで加熱するので、安定し
て、被熱処理物を温度(T1)まで加熱することがで
き、しかも、オーバーシュートが発生することなく、こ
の温度(T1)に被熱処理物を保持することができる。
【0054】[工程−210]時刻t2になった時点
で、第1の加熱手段を動作させたまま第2の加熱手段を
動作させて、被熱処理物を加熱し、被熱処理物を所定の
温度(T2:例えば1050゜C)に所定時間(例えば
10秒間:時刻t3〜t4)保持する。時刻t3において
被熱処理物が所定の温度(T2)に達する。時刻t2から
時刻t3までの被熱処理物の昇温速度は、第1の加熱手
段の発熱量、第2の加熱手段の発熱量、加熱処理装置の
熱容量、被熱処理物の熱容量等に依存するが、例えば1
00゜C/秒とすることができる。尚、[工程−30
0]における昇温速度と異なっていてもよい。所定の温
度(T2)の保持も、第1の加熱手段の発熱量、第2の
加熱手段の発熱量、加熱処理装置の熱容量、被熱処理物
の熱容量等に依存する。従って、予め、各種の試験を行
い、第2の加熱手段の発熱量を適切な値に設定すること
で、この所定の温度(T2)の保持を得ることができ
る。尚、被熱処理物を第1及び第2の加熱手段で加熱す
るので、安定して、被熱処理物を所定の温度(T2)ま
で加熱することができ、しかも、オーバーシュートが発
生することなく、この所定の温度(T2)に被熱処理物
を保持することができる。
【0055】[工程−320]所定時間の経過後(即
ち、時刻t4において)、第1及び第2の加熱手段の動
作を中止し、被熱処理物を冷却する。
【0056】尚、[工程−300]において、被熱処理
物を構成する材料の相転移温度に被熱処理物を保持する
ことが好ましいが、例えば相転移温度±100゜C程度
の温度範囲内における任意の温度で、一定時間被熱処理
物を保持してもよい。
【0057】また、[工程−300]において、第1の
加熱手段を動作させ、且つ第2の加熱手段の動作を制御
した状態で第2の加熱手段の動作を開始してもよい。即
ち、第2の加熱手段の発熱量を低い状態に制御し、被熱
処理物の相転移温度若しくはその近傍の温度付近におい
て、被熱処理物の結晶構造が安定な状態に移行する昇温
速度を保持してもよい。この場合には、時刻t2に達し
たならば、第2の加熱手段の正規の動作(即ち、被熱処
理物を所定の温度(T2)にするために、第2に加熱手
段の発熱量を増加させる)を開始する。尚、このような
操作による被熱処理物の温度変化を図8に模式的に示
す。
【0058】実施例3においては、被熱処理物を酸化珪
素とし、相転移温度若しくはその近傍の温度まで被熱処
理物を加熱するが、このときの温度を870゜Cとして
もよいし、あるいは又、このときの温度を、実施例2に
て説明したと同様に、573゜C及び870゜Cの2段
階としてもよい。
【0059】以上、本発明を好ましい実施例に基づき説
明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。各実施例にて説明した条件や数値、温度プロフ
ァイル等は例示であり、適宜変更することができる。ま
た、相転移温度は被熱処理物に依存した物理量であるが
故、被熱処理物に依存して決まる値である。被熱処理物
は酸化珪素(SiO2)に限定されず、相転移を示す被
熱処理物であれば如何なる被熱処理物であっても本発明
の加熱処理方法を適用することができる。また、被熱処
理物は一種類の材料から構成されている場合に限定され
ず、相転移温度が異なる材料から構成された被熱処理物
(例えば多層構造を有する被熱処理物)にも、同様に本
発明の加熱処理方法を適用することができる。
【0060】
【発明の効果】本発明の加熱処理方法によれば、例えば
被熱処理物の昇温中若しくは降温中に、被熱処理物を或
る所望の温度に安定して保持することができ、オーバー
シュートの発生を抑制することができる。更には、加熱
処理後の被熱処理物に応力が残存しない。それ故、被熱
処理物の加熱処理を安定して行うことができ、均一で高
い品質を有する被熱処理物を得ることができる。本発明
の加熱処理方法をMOS型トランジスタのソース・ドレ
イン領域の活性化アニール処理に適用した場合、MOS
型トランジスタのホットエレクトロン耐性を効果的に且
つ再現性良く改善することが可能となり、MOS型トラ
ンジスタに高い信頼性を付与することができ、LSIの
市場故障率を改善することができる。
【0061】また、本発明の加熱処理方法はRTA処理
に適用できるので、半導体装置の製造スループットの向
上が図れ、しかも高温で短時間アニール処理することに
より浅い接合を容易に形成することができ、半導体素子
の性能向上、高集積化を図ることができる。
【0062】更には、本発明の加熱処理装置において
は、それぞれ独立して被熱処理物を均一に加熱し得る第
1の加熱手段及び第2の加熱手段を備えているので、被
熱処理物の加熱時あるいは降温時に、オーバーシュート
の発生を効果的に抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の加熱処理装置の概念図である。
【図2】本発明の加熱処理装置の概念図である。
【図3】実施例1における温度プロファイル及び被熱処
理物の温度変化を模式的に示した図である。
【図4】実施例1の変形における被熱処理物の温度変化
を模式的に示した図である。
【図5】実施例2における温度プロファイル及び被熱処
理物の温度変化を模式的に示した図である。
【図6】実施例2の変形における被熱処理物の温度変化
を模式的に示した図である。
【図7】実施例3における温度プロファイル及び被熱処
理物の温度変化を模式的に示した図である。
【図8】実施例3の変形における被熱処理物の温度変化
を模式的に示した図である。
【図9】従来のRTA装置の概念図である。
【図10】本出願人が先に提案した加熱処理方法におけ
る被熱処理物の温度変化及び問題点を説明するための図
である。
【符号の説明】
10,10A,10B 加熱処理装置 12,12A,12B 第1の加熱手段 14,14A,12B 第2の加熱手段 20 被熱処理物
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−68134(JP,A) 特開 平2−294027(JP,A) 特開 昭59−211221(JP,A) 特開 平3−266424(JP,A) 特開 昭58−66329(JP,A) 特開 平2−73627(JP,A) 特開 平3−154349(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/265 H01L 21/324

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の加熱手段及び第2の加熱手段から成
    る加熱処理装置を用いて、半導体基板に形成された酸化
    珪素から成る被熱処理物を加熱し、被熱処理物を所定の
    温度に所定時間保持し、次いで被熱処理物を冷却する加
    熱処理方法であって、 (イ)第1の加熱手段を動作させることによって、被熱
    処理物を構成する酸化珪素の相転移温度若しくはその近
    傍の温度である870±100゜Cまで被熱処理物を加
    熱し、所定時間この温度を保持する工程と、 (ロ)第1の加熱手段を動作させたまま第2の加熱手段
    を動作させて、被熱処理物を加熱し、被熱処理物を前記
    所定の温度に所定時間保持する工程と、 (ハ)第1の加熱手段を動作させたまま第2の加熱手段
    の動作を中止し若しくは制御し、被熱処理物を構成する
    酸化珪素の相転移温度若しくはその近傍の温度である8
    70±100゜Cまで被熱処理物を降温し、所定時間こ
    の温度を保持する工程と、 (ニ)第1の加熱手段の動作を中止し、被熱処理物を冷
    却する工程、 から成ることを特徴とする加熱処理方法。
  2. 【請求項2】第1の加熱手段及び第2の加熱手段から成
    る加熱処理装置を用いて、半導体基板に形成された酸化
    珪素から成る被熱処理物を加熱し、被熱処理物を所定の
    温度に所定時間保持し、次いで被熱処理物を冷却する加
    熱処理方法であって、 (イ)第1の加熱手段を動作させることによって、被熱
    処理物を構成する酸化珪素の相転移温度若しくはその近
    傍の温度である870±100゜Cまで被熱処理物を加
    熱し、所定時間この温度を保持する工程と、 (ロ)第1の加熱手段を動作させたまま第2の加熱手段
    を動作させて、被熱処理物を加熱し、被熱処理物を前記
    所定の温度に所定時間保持する工程と、 (ハ)第1の加熱手段を動作させたまま第2の加熱手段
    の動作を中止し若しくは制御し、被熱処理物を構成する
    酸化珪素の相転移温度若しくはその近傍の温度である5
    73±100゜Cまで被熱処理物を降温し、所定時間こ
    の温度を保持する工程と、 (ニ)第1の加熱手段の動作を中止し、被熱処理物を冷
    却する工程、 から成ることを特徴とする加熱処理方法。
  3. 【請求項3】第1の加熱手段及び第2の加熱手段から成
    る加熱処理装置を用いて、半導体基板に形成された酸化
    珪素から成る被熱処理物を加熱し、被熱処理物を所定の
    温度に所定時間保持し、次いで被熱処理物を冷却する加
    熱処理方法であって、 (イ)第1の加熱手段を動作させることによって、被熱
    処理物を構成する酸化珪素の相転移温度若しくはその近
    傍の温度である573±100゜Cまで被熱処理物を加
    熱し、所定時間この温度を保持し、次いで、被熱処理物
    を構成する酸化珪素の相転移温度若しくはその近傍の温
    度である870±100゜Cまで被熱処理物を加熱し、
    所定時間この温度を保持する工程と、 (ロ)第1の加熱手段を動作させたまま第2の加熱手段
    を動作させて、被熱処理物を加熱し、被熱処理物を前記
    所定の温度に所定時間保持する工程と、 (ハ)第1の加熱手段を動作させたまま第2の加熱手段
    の動作を中止し若しくは制御し、被熱処理物を構成する
    酸化珪素の相転移温度若しくはその近傍の温度である8
    70±100゜Cまで被熱処理物を降温し、所定時間こ
    の温度を保持し、次いで、被熱処理物を構成する酸化珪
    素の相転移温度若しくはその近傍の温度である573±
    100゜Cまで被熱処理物を降温し、所定時間この温度
    を保持する工程と、 (ニ)第1の加熱手段の動作を中止し、被熱処理物を冷
    却する工程、 から成ることを特徴とする加熱処理方法。
  4. 【請求項4】 加熱処理装置はラピッドサーマルアニーリ
    ング装置から成ることを特徴とする請求項1乃至請求項
    3のいずれか1項に記載の加熱処理方法。
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