JP3440000B2 - サーマルヘッド - Google Patents

サーマルヘッド

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はワードプロセッサや
ファクシミリ等のプリンタ機構として組み込まれるサー
マルヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、プラスチックカードのような曲げ
ることが困難な硬質の記録媒体に感熱記録を行うため
に、記録媒体と接するサーマルヘッドの表面を出来るだ
け平坦になす試みがなされている。
【0003】このような従来のサーマルヘッドとして
は、例えば図4に示すように、上面に発熱抵抗体13及
び導電層14を有するアルミナ基板11に穴部11aを
設けるとともに該穴部11a内に発熱抵抗体13の発熱
を制御するためのドライバーIC15を埋設させたもの
を金属製の放熱板17上に載置させた構造のものが知ら
れている。
【0004】かかるサーマルヘッドは、記録媒体をサー
マルヘッドの上面に沿って発熱抵抗体13上に搬送しな
がらドライバーIC15の駆動に伴い発熱抵抗体13に
導電層14を介して電源電力を印加し、発熱抵抗体13
を個々に選択的にジュール発熱させるとともに、該発熱
した熱を記録媒体に伝導させることによって所定の印画
が形成されるようになっており、この場合、ドライバー
IC15をアルミナ基板11の穴部11a内に埋設した
ことでサーマルヘッドの表面には上方に大きく突出する
ものが存在しなくなっていることから、プラスチックカ
ードのような曲げることが困難な硬質の記録媒体に印画
を行う場合であっても記録媒体を略フラットな形状のま
ま発熱抵抗体13上に搬送すること、即ち記録媒体のス
トレートパスが可能となっている。
【0005】尚、上述した従来のサーマルヘッドにおい
てはアルミナ基板11の穴部壁面とドライバーIC側面
との間に樹脂材16が充填されており、この樹脂材16
によってドライバーIC15を穴部11a内の所定位置
に接着固定するとともに、該樹脂材16の上面をアルミ
ナ基板11やドライバーIC15の上面と面一になし導
電層14の一端をドライバーIC15上まで延在し得る
ようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来のサーマルヘッドにおいては、ドライバーIC15を
固定するための樹脂材16としてエポキシ樹脂が使用さ
れており、その熱膨張係数は115×10-61/℃とア
ルミナ基板11の熱膨張係数(7.8×10-61/℃)
に比し極めて大きい。このため、印画動作時、発熱抵抗
体13の発する熱によってサーマルヘッドが高温になる
と樹脂材16が大きく熱膨張を起こし、その結果、樹脂
材16に亀裂が入り、その上に被着されている導電層1
4が断線するという欠点を有している。
【0007】また前記樹脂材16として使用されるエポ
キシ樹脂は、その熱伝導率が0.25W/m・Kとアル
ミナ基板11の熱伝導率(25W/m・K)等に比し極
めて小さいことから、印画動作時等にアルミナ基板11
における熱の拡散を樹脂材16が遮断してしまい、アル
ミナ基板11の温度分布を不均一になすことがある。そ
のため、発熱抵抗体13の表面温度もアルミナ基板11
の温度分布の影響を受けて不均一なものとなり、特に全
ての発熱抵抗体13を同時に発熱させた場合等に、前述
の温度ばらつきに起因した印画の濃度むらが誘発される
欠点を有している。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記欠点に鑑み
案出されたもので、本発明のサーマルヘッドは、発熱抵
抗体及び導電層を有するアルミナ基板に穴部を設け、該
穴部内に上面に端子電極を有したドライバーICを埋設
するとともに、該ドライバーIC側面と前記穴部壁面と
の間にエポキシ樹脂を充填し、更に前記導電層の一端を
端子電極上まで延在させることにより導電層と端子電極
とを電気的に接続したサーマルヘッドであって、前記エ
ポキシ樹脂は、その上部領域にシリカフィラーが60〜
90重量%、下部領域にアルミナフィラーが60〜90
重量%含有されていることを特徴とするものである。
【0009】また本発明のサーマルヘッドは、前記エポ
キシ樹脂は、上部領域と下部領域との間にシリカフィラ
ー及びアルミナフィラーを合計で60〜90重量%含有
する中間領域を有していることを特徴とするものであ
る。
【0010】更に本発明のサーマルヘッドは、前記シリ
カフィラーの平均粒径が10〜50μmであり、且つ各
々のシリカフィラーが熱処理にて略球状に成してあるこ
とを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に基づい
て詳細に説明する。図1は本発明の一形態に係るサーマ
ルヘッドの平面図、図2は図1のサーマルヘッドの断面
図、図3は図2のA部拡大図であり、1はアルミナ基
板、1aは穴部、3は発熱抵抗体、4a〜4cは導電
層、5はドライバーIC、6は樹脂材である。
【0012】前記アルミナ基板1は例えば純度95.0
〜99.8%のアルミナセラミックスにより0.5〜
1.5mmの厚みをもって矩形状をなすように形成さ
れ、その上面中央部には長手方向にわたって帯状の穴部
1aが設けられる。
【0013】前記アルミナ基板1はその上面で後述する
発熱抵抗体3や導電層4a〜4c等を支持するとともに
前記穴部1aに後述するドライバーIC5を埋設させて
ドライバーIC5の上面がサーマルヘッドの上面より大
きく突出しないようになす作用を為し、これによって記
録媒体のストレートパスを可能にしている。
【0014】尚、前記アルミナ基板1は、アルミナ、シ
リカ、マグネシア等のセラミックス原料粉末に適当な有
機溶剤、溶媒を添加混合して泥漿状に成すとともにこれ
を従来周知のドクターブレード法やカレンダーロール法
等を採用することによってセラミックグリーンシートを
形成し、しかる後、前記セラミックグリーンシートを所
定形状に打ち抜き加工するとともに、これを高温で焼成
することによって製作され、その後、得られたアルミナ
基板1の上面に所定強度のレーザーを照射し、その一部
を溶融・飛散させるか、或いはアルミナ基板1の一部を
切断することにより所定の穴部1aが形成される。
【0015】また、このようなアルミナ基板1の上面に
は、断面山状の部分グレーズ層2と、複数の発熱抵抗体
3と、所定パターンの導電層4a〜4cとが夫々、被着
される。
【0016】前記部分グレーズ層2はガラス等の低熱伝
導性材料から成り、その頂部付近に被着される複数の発
熱抵抗体3を上方に突出させて記録媒体等に対する押圧
力(印圧)を有効に高めるとともに、これら発熱抵抗体
3の発する熱を適当な温度となるように蓄積してサーマ
ルヘッドの熱応答特性を良好に維持する作用を為す。
【0017】また前記発熱抵抗体3は部分グレーズ層2
の頂部付近に被着配列されており、その各々がTaSi
O系抵抗材料、TiSiO系抵抗材料、TaN系抵抗材
料などの電気抵抗材料により形成されているため、後述
する導電層4a,4bを介して外部電源からの電力が印
加されるとジュール発熱を起こし、印画を形成するのに
必要な所定の温度、例えば150〜250℃の温度に発
熱する作用を為す。
【0018】また前記導電層4a〜4cは、発熱抵抗体
3の一端に共通接続される共通電極としての導電層4a
と、発熱抵抗体3の他端とドライバーIC5の端子電極
5aとを接続する個別電極としての導電層4bと、ドラ
イバーIC5に印画信号等を供給する制御信号線として
の導電層4cとから成り、前記導電層4a,4bは前述
の発熱抵抗体3に外部からの電力を印加する作用を、ま
た導電層4cは外部からの印画信号等をドライバーIC
5に供給する作用を為す。
【0019】尚、前記部分グレーズ層2は、所定のガラ
ス粉末に適当な有機溶剤、溶媒を添加混合して得たガラ
スペーストを従来周知のスクリーン印刷等によって帯状
に印刷塗布し、これを約1000〜1200℃の温度で
焼き付けることによってアルミナ基板1の上面に帯状に
被着形成され、前記発熱抵抗体3及び導電層4a〜4c
は、従来周知のスパッタリング法及びフォトリソグラフ
ィー技術等の薄膜手法を採用することによって所定厚
み、所定パターンに被着形成される。
【0020】またこのようなアルミナ基板1上の発熱抵
抗体3や導電層4a〜4cは窒化珪素等から成る保護膜
7によって被覆され、この保護膜7によって記録媒体の
摺接による磨耗や大気中に含まれている水分等の接触に
よる腐食等から発熱抵抗体3や導電層4a〜4c等を保
護するようにしている。
【0021】そして前記アルミナ基板1に設けた穴部1
aの内部には、アルミナ基板1と略等しい厚み(±60
0μm以内)をもった複数のドライバーIC5が一列に
並んで埋設される。
【0022】前記ドライバーIC5は、その上面に導電
層4b,4cに電気的に接続される複数の端子電極5a
とスイッチングトランジスタ等の電気回路が夫々形成さ
れているため、導電層4c等を介して外部からの印画信
号等が供給されると、該信号に基づき、導電層4a,4
b等を介して発熱抵抗体3に印加される電力のオン・オ
フを制御するようになっている。
【0023】またこの場合、ドライバーIC5の厚みは
アルミナ基板1と略等しくなっているため、その下面を
後述する放熱板9に良好に面当接させることができ、こ
れによってアルミナ基板1中の熱を該基板1の下面のみ
ならずドライバーIC5の下面からも放熱板9に伝導さ
せることができる。
【0024】尚、前記導電層4b,4cと端子電極5a
との電気的接続は、導電層4b,4cを前述の薄膜手法
によってアルミナ基板1の上面に形成する際、その一端
をドライバーIC上面の端子電極5a上まで延在させて
おくことにより行なわれる。
【0025】そして、このようなドライバーIC5の側
面と前述したアルミナ基板1の穴部壁面との間には樹脂
材6が充填される。
【0026】前記樹脂材6はエポキシ樹脂により形成さ
れており、該樹脂材6はドライバーIC5を穴部1a内
の所定位置に接着固定することに加え、該樹脂材6の上
面をアルミナ基板1及びドライバーIC5の上面と等し
い高さになしておくことで、導電層4b,4cをアルミ
ナ基板上面からドライバーIC上面にかけて良好な連続
膜として形成し易くする作用を為す。
【0027】そしてこのような樹脂材6は、その上部領
域(上面から深さ50〜300μmまでの領域)にシリ
カ(SiO2 )フィラー7が60〜90重量%、下部領
域(上面からの深さが350μm以上の領域)にアルミ
ナ(Al2 3 )フィラー8が60〜90重量%含有さ
れている。
【0028】前記シリカフィラー7はその含有率を60
〜90重量%の範囲内に設定することにより、樹脂材上
部の熱膨張係数を15×10-6〜20×10-61/℃と
してアルミナ基板1を形成するアルミナセラミックスや
ドライバーIC5を形成するシリコン(Si)の熱膨張
係数に近づける作用を為す。これにより、印画動作時、
発熱抵抗体3の発する熱によってサーマルヘッドが高温
になっても樹脂材6だけが大きく熱膨張を起こすことは
なく、樹脂材6を亀裂の無い良好な状態に維持すること
ができる。従って、その上に被着される導電層4b,4
c等も断線の無い良好な状態に維持されるようになり、
これによりサーマルヘッドを長期にわたって良好に機能
させることが可能となる。
【0029】このようなシリカフィラー7としては平均
粒径が10〜50μmで、且つ各々が熱処理にて略球状
に成してあるものが好ましく、そのようなシリカフィラ
ー7を使用することにより、樹脂材上面にシリカフィラ
ー7の一部が露出している場合であっても、その上の導
電層4b,4cを傷付けることはなく、これらを前述の
薄膜手法等によって良好な連続膜として形成することが
できる。このシリカフィラー7の熱処理は、例えばシリ
カ焼結体をボールミル等によって粒径10〜50μm程
度に粉砕したものを空中に浮遊させた状態で溶融させる
とともに該浮遊状態中に冷却することによって行なわ
れ、これによって個々のフィラーの外形を略球状になす
ことができる。
【0030】尚、前記シリカフィラー7の含有率が60
重量%よりも小さいと樹脂材上部の熱膨張係数をアルミ
ナ基板1等に対して十分に近づけることができず、また
90重量%よりも大きいと樹脂材6の上部領域を形成す
るのに使用される前駆体の粘度が極めて高くなり、この
前駆体をドライバーIC5の側面とアルミナ基板1の穴
部壁面との間に充填させる際、前駆体の流動性が著しく
低下することにより作業性が悪くなり、またそのような
工程を経て形成した樹脂材6の上部領域には多数の気泡
が残存するなど製造上の不具合を生じる。従って樹脂材
6の上部領域に含有させるシリカフィラー7の含有率は
60〜90重量%の範囲内に設定しておく必要がある。
【0031】一方、前記樹脂材6の下部領域に含有され
るアルミナフィラー8はその含有率を60〜90重量%
の範囲内に設定することにより、樹脂材下部の熱伝導率
を9.3〜15.0W/m・Kとしてアルミナ基板1を
形成するアルミナセラミックスの熱伝導率に近づける作
用を為す。これにより、印画動作時等にアルミナ基板1
における熱の拡散が樹脂材6によって妨げられることは
少なくなり、アルミナ基板1の温度分布を略均一になす
ことができる。従って、全ての発熱抵抗体3を同時に発
熱させたとしても、これらの表面温度を略等しくなすこ
とができ、これによって濃度むらの無い良好な印画を形
成することが可能となる。
【0032】尚、前記アルミナフィラー8の含有率が6
0重量%よりも小さいと樹脂材下部の熱伝導率をアルミ
ナ基板1に対して十分に近づけることができず、また9
0重量%よりも大きいと樹脂材6の上部領域を形成する
ために使用される前駆体の粘度が極めて高くなり、この
前駆体をドライバーIC5の側面とアルミナ基板1の穴
部壁面との間に充填させる際、前駆体の流動性が著しく
低下することにより作業性が悪くなり、またそのような
工程を経て形成した樹脂材6の下部領域には多数の気泡
が残存するなど製造上の不具合を生じる。従って樹脂材
6の下部領域に含有させるアルミナフィラー8の含有率
も60〜90重量%の範囲内に設定しておく必要があ
る。
【0033】このような樹脂材6は、まず、液状に成し
たエポキシ樹脂の前駆体に平均粒径3〜5μmのアルミ
ナフィラーと平均粒径30〜50μmのアルミナフィラ
ーを3:1の比率で合計60〜90重量%となるように
添加混合し、これをディスペンサ等を用いてアルミナ基
板1の穴部壁面とドライバーIC5の側面との間に所定
のの深さまで流し込み、しかる後、これを約150℃の
温度で熱硬化させることによって樹脂材6の下部領域を
形成し、次に先に使用したエポキシ樹脂と同じ組成の前
駆体に平均粒径3〜5μmのシリカフィラーと平均粒径
30〜50μmのシリカフィラーを3:1の比率で合計
60〜90重量%となるように添加混合し、これを先に
形成した下部領域の上にディスペンサ等を用いて流し込
んだ上、同様に約150℃の温度で熱硬化させることに
よって樹脂材6の上部領域が形成され、これによって上
部領域にシリカフィラー7が60〜90重量%、下部領
域にアルミナフィラー8が60〜90重量%含有された
樹脂材6が形成されることとなる。
【0034】このとき、アルミナ基板1の穴部壁面とド
ライバーIC5の側面との間を200〜600μmに保
っておけば、樹脂材6の前駆体を充填するにあたり、穴
部壁面とIC側面との間に気泡が発生しにくく、また縮
重合の際の収縮に伴う位置ずれの発生が低減される。従
ってアルミナ基板1の穴部壁面とドライバーIC5の側
面との間は200〜600μmに保っておくことが好ま
しい。
【0035】そして、前述したアルミナ基板1は穴部1
a内のドライバーIC5と共に金属製の放熱板9上に載
置固定される。
【0036】前記放熱板9はアルミニウムやSUS等の
金属から成り、アルミナ基板1中の熱を伝導吸収するこ
とによってアルミナ基板1の温度が過度に高温となるの
を有効に防止し、これによってアルミナ基板1を常に良
好な温度状態に維持するようになっている。
【0037】尚、前記放熱板9は例えば、アルミニウム
から成る場合、アルミニウムのインゴット(塊)を従来
周知の金属加工法を採用し、所定形状になすことによっ
て製作される。
【0038】かくして上述した本発明のサーマルヘッド
は、記録媒体をサーマルヘッドの上面に沿って搬送しな
がら、ドライバーIC5の駆動に伴い導電層4a,4b
を介して発熱抵抗体3に電源電力を印加し、発熱抵抗体
3を個々に選択的にジュール発熱させるとともに、該発
熱した熱を記録媒体に伝導させることによって所定の印
画が形成される。
【0039】尚、本発明は上述の実施形態に限定される
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において
種々の変更、改良等が可能である。
【0040】例えば上述の形態では樹脂材6をシリカフ
ィラーが60〜90重量%含有された上部領域とアルミ
ナフィラーが60〜90重量%含有された下部領域の2
つの領域のみで形成したが、この2つの領域の間に更に
シリカフィラー及びアルミナフィラーを合計で60〜9
0重量%含有する中間領域を設けても良い。この場合、
エポキシ樹脂の熱膨張係数は上部領域から下部領域にか
けて連続的に変化することになるため、サーマルヘッド
が高温となってもエポキシ樹脂自身の熱応力を低く抑え
ることができる利点がある。かかる中間層は、アルミナ
フィラーが含有されたエポキシ樹脂の前駆体とシリカフ
ィラーが含有されたエポキシ樹脂の前駆体をドライバー
IC側面と穴部壁面との間に順次充填し、これを一定時
間放置することによって両者の境界付近でシリカフィラ
ーとアルミナフィラーを拡散させ、しかる後、前記前駆
体に熱を印加せしめ、これらを一括的に重合させること
により形成することができる。
【0041】また上述の形態において樹脂材6の上面の
表面粗さを中心線平均粗さRaで2,000 〜40,000Åの範
囲内に設定しておけば、表面の細かい凹凸で塵が効率良
く捕獲されるため、このような塵によって印画品質が低
下するのを有効に防止することができる。従って樹脂材
6の上面の表面粗さを中心線平均粗さRaで2,000 〜4
0,000Åの範囲内に設定しておくことが好ましい。
【0042】
【発明の効果】本発明のサーマルヘッドによれば、アル
ミナ基板の穴部壁面とドライバーIC側面との間に充填
されるエポキシ樹脂の上部領域にシリカフィラーを60
〜90重量%含有させておくことにより、エポキシ樹脂
の上部の熱膨張係数をアルミナ基板やドライバーICの
熱膨張係数に近づけることができ、これによってエポキ
シ樹脂を亀裂の無い良好な状態に維持して導電層等の断
線を有効に防止することができる。
【0043】また本発明のサーマルヘッドによれば、前
記エポキシ樹脂の下部領域にシリカフィラーを60〜9
0重量%含有させておくことにより、エポキシ樹脂の下
部の熱伝導率をアルミナ基板に近づけることができ、こ
れによってアルミナ基板における熱の拡散がエポキシ樹
脂によって妨げられることは少なくなり、アルミナ基板
の温度分布を略均一になして濃度むらの無い良好な印画
を形成することが可能となる。
【0044】更に本発明のサーマルヘッドによれば、前
記エポキシ樹脂の上部領域に含有されるシリカフィラー
の平均粒径を10〜50μmとした上、これらを熱処理
にて略球状に成しておくことにより、エポキシ樹脂の上
面にシリカフィラーの一部が露出する場合であっても、
その上の導電層を傷付けることはなく、これらを薄膜手
法等によって良好な連続膜として形成することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一形態に係るサーマルヘッドの平面図
である。
【図2】図1のサーマルヘッドの断面図である。
【図3】図2のA部拡大図である。
【図4】従来のサーマルヘッドの断面図である。
【符号の説明】
1・・・・・アルミナ基板、1a・・・・・穴部、3・
・・・・発熱抵抗体、4b,4c・・・・・導電層、5
・・・・・ドライバーIC、6・・・・・樹脂材(エポ
キシ樹脂)、7・・・・・シリカフィラー、8・・・・
・アルミナフィラー、9・・・・・放熱板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/335 B41J 2/345

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発熱抵抗体及び導電層を有するアルミナ基
    板に穴部を設け、該穴部内に上面に端子電極を有したド
    ライバーICを埋設するとともに、該ドライバーIC側
    面と前記穴部壁面との間にエポキシ樹脂を充填し、更に
    前記導電層の一端を端子電極上まで延在させることによ
    り導電層と端子電極とを電気的に接続したサーマルヘッ
    ドであって、 前記エポキシ樹脂は、その上部領域にシリカフィラーが
    60〜90重量%、下部領域にアルミナフィラーが60
    〜90重量%含有されていることを特徴とするサーマル
    ヘッド。
  2. 【請求項2】前記エポキシ樹脂は、上部領域と下部領域
    との間にシリカフィラー及びアルミナフィラーを合計で
    60〜90重量%含有する中間領域を有していることを
    特徴とする請求項1に記載のサーマルヘッド。
  3. 【請求項3】前記シリカフィラーの平均粒径が10〜5
    0μmであり、且つ各々のシリカフィラーが熱処理にて
    略球状に成してあることを特徴とする請求項1に記載の
    サーマルヘッド。
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