JP3439027B2 - Bn系焼結体の製造方法 - Google Patents
Bn系焼結体の製造方法Info
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Description
性、機械的性質に優れ、小豆色に発色させてなるBN系
焼結体の製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、各種のセラミックスが多くの産業
分野における構造材料として利用されるようになった。
これはセラミックスの持つ優れた耐熱性、耐食性、耐熱
衝撃性、電気絶縁性、機械的性質等によるものである。 【0003】例えば、BN焼結体は、溶融金属に対する
耐食性、耐熱衝撃性、加工性及び電気絶縁性に優れてい
るが、機械的強度が低く、熱伝導率もさほど高くない。
一方、AlN焼結体は、機械的強度、熱伝導性に優れる
が、加工性に劣るため複雑な形状の製品には不向きであ
る。 【0004】従って、BN及びAlNの両者の特長を活
かしたBN−AlN系複合焼結体が提案されている(例
えば、特開昭60ー195059号公報)。BN−Al
N系複合焼結体は機械加工が可能で熱伝導性が高く、し
かも構造材料として使用可能な機械的強度を備えてい
る。 【0005】また、BNとAlNの混合原料粉末中に、
金属Al粉末を添加することによって金属Alがホウ素
と反応してアルミニウムのホウ素化合物(AlBn)と
なり、AlNとBNの粒界を強固に結合させ、機械的強
度を向上させる役割を果たすことが知られている(特開
昭63−260866号公報参照)。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
BN−AlN系複合焼結体は灰白色であり、BN焼結体
等の白色の材料と組み合わせて使用すると見分けがつき
にくいので、いづれかが着色されていることが望ましい
場合が多い。 【0007】従来より、セラミックスの着色法としては
塗料の塗布、施釉等があるが、これらの方法をBN系焼
結体に適用されたことはない。また、これらの方法で製
造されたセラミックスを高温下で使用すると塗料・釉薬
の分解などによってセラミックスが変質・変色する問題
がある。 【0008】BN焼結体やBN−AlN系複合焼結体な
どのBN系焼結体中に、ある種の第三成分を含ませるこ
とによって発色させることが可能であるが、その場合、
第三成分がBN系焼結体の特性に影響を及ぼしたり、色
ムラや色のくすみを発生させたりする。例えば、上記特
開昭63−260866号公報の発明は、BN−AlN
系複合焼結体にアルミニウムのホウ素化合物(AlB
n)を存在させたものであり灰白色であるが、1500
℃以上の高温下で使用すると機械的特性が急激に低下す
る。 【0009】本発明者らは上記に鑑み鋭意検討した結
果、小豆色に発色させたBN系焼結体は、高温下で使用
しても機械的特性が急激に低下せず、他の材料と見分け
がつきやすいものであることを見いだし、本発明を完成
させたものである。 【0010】 【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、酸
素含有量1〜4重量%のBN粉末と、金属Al粉末1〜
5重量%とを含む混合原料粉末を昇温速度250℃/h
r以上、温度1800〜2200℃で常圧焼結又はホッ
トプレス焼結することを特徴とする小豆色に発色させて
なるBN系焼結体の製造方法である。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、更に詳しく本発明について
説明する。 【0012】BN系焼結体を小豆色に発色させるために
は、一定量のスピン濃度と微量のAlONを含むことが
必要であるが、その理由は定かでない。しかしながら、
本発明者らによる種々の実験によれば、小豆色に発色さ
せたBN系焼結体とするには、1×107 スピン/g以
上のスピン濃度が必要であることが見いだされた。 【0013】BN系焼結体のスピン濃度の測定方法とし
ては、ESRによるスピン濃度測定法が一般的であり、
本発明では日本電子社製「JES−FE2XG」により
測定した。スピン濃度が1×107 未満では、BN系焼
結体特にBN−AlN系複合焼結体の小豆色が不明瞭と
なる。本発明においては、スピン濃度の上限には特に制
限はないが、1×109 以上であるとBN系焼結体を加
熱した場合に退色するので好ましくはない。 【0014】一方、BN系焼結体のAlONはX線回折
により測定することができ、小豆色に発色させるには
0.1重量%程度以上の含有量が必要である。0.1重
量%程度よりも著しく少量では小豆色が不明瞭となる。
本発明においては、AlON含有量の上限については特
に制限はないが、1重量%をこえると少なからずやBN
系焼結体の物性に悪影響を与えるので好ましくはない。 【0015】本発明のように、小豆色に発色させたBN
系焼結体は、酸素含有量1〜4重量%のBN粉末と、金
属Al粉末1〜5重量%とを含む混合原料粉末を昇温速
度250℃/hr以上、温度1800〜2200℃で常
圧焼結又はホットプレス焼結をすることによって製造す
ることができる。すなわち、本発明の製造方法の特徴
は、原料粉末の選定、高速昇温速度及び高温焼結にあ
る。 【0016】本発明において、混合原料粉末のBN粉末
に含まれる酸素は焼結時にAlONを生成するために必
要な成分である。BN粉末の酸素含有量が1重量%未満
では生成するAlONの量が少なくなり、小豆色が不明
瞭となる。また、BN粉末の酸素含有量が4重量%をこ
えると、焼結時にB2 O3 を生成し過剰の液相を形成し
色ムラやクラックが発生するようになる。 【0017】また、本発明において、混合原料粉末の金
属AlはBN系焼結体中にラジカルを生成させスピン濃
度1×107 スピン/g以上とするために必要な成分で
ある。混合原料粉末中の金属Al粉末の含有量が1重量
%未満では得られたBN系焼結体のスピン濃度を1×1
07 スピン/g以上にすることができず、小豆色が不明
瞭となる。また、混合原料粉末中の金属Al粉末の含有
量が5重量%をこえると得られたBN系焼結体の電気絶
縁性が低下したり、色ムラが生じたりする。 【0018】本発明においては、BN系焼結体の種類に
ついては特に制限はなく、好適な一例としてBN−Al
N系複合焼結体がある。そのBN成分は、機械加工性、
耐熱衝撃性を向上させる役割を果たす成分であり、5〜
95重量%特に10〜90重量%であることが望まし
い。5重量%未満では機械加工性、耐熱衝撃性が低下
し、また95重量%をこえると機械的強度が低下する。
一方、AlN成分は、機械的強度と耐摩耗性を向上させ
る役割を果たす成分であり、5〜95重量%特に10〜
90重量%であることが望ましい。5重量%未満では機
械的強度、耐摩耗性が低下し、95重量%をこえると硬
度が増し、機械加工性が悪くなる。 【0019】原料の混合にはボールミル、振動ミルなど
の公知の混合方法を使用することができるが、長時間の
乾式混合は、混合原料粉末中の酸素量を増加させるため
注意を要する。 【0020】混合原料粉末の焼結方法としては、混合原
料粉末を常温で成型後、窒素等の非酸化性ガス雰囲気
下、250℃/hr以上で昇温し1800〜2200℃
で常圧焼結する方法、又は同様な焼成条件でホットプレ
ス焼結する方法を採用することができる。本発明で重要
な点は昇温速度と焼結温度であり、昇温速度が250℃
/hr未満では得られたBN系焼結体中のスピン濃度が
低下し、小豆色が不明瞭となる。しかも、金属Alはア
ルミニウムのホウ素化合物となり、高温使用下における
機械的特性が低下する。昇温速度の上限には特に制限は
ないが、1000℃/hrをこえるような高速昇温で
は、温度分布の不均一さにより、得られたBN系焼結体
の特性にバラツキが生じるようになる。また、焼結炉の
損耗が激しくなり好ましくない。 【0021】次に、焼結温度が1800℃未満では、B
N系焼結体にスピン形成が行われず、小豆色に発色しな
い。また、焼結温度が2200℃をこえるとBN系焼結
体の機械的強度等の特性が低下する。 【0022】 【実施例】以下、実施例、比較例をあげて更に具体的に
本発明を説明する。 【0023】(実施例1〜10 比較例1〜4)表1に
示される酸素含有量のBN粉末、AlN粉末及び金属A
l粉末の各原料を、表1に示す配合で振動ミルを用いて
2時間混合した。得られた混合原料粉末を円筒状黒鉛型
に充填し、黒鉛型の上下に加圧のための黒鉛製の押し棒
を入れ、圧力200kg/cm2 の条件でホットプレス
焼結した。得られたBN系焼結体の特性を表1に示す。 【0024】表1に示したAlON量はX線回折による
回折ピーク強度で測定し、スピン濃度はESRによるス
ピン濃度測定より求めた。色は目視観察により行い、日
本塗料工学会の色見本「T85−60D」相当に発色し
たものを「小豆色」とした。 【0025】 【表1】 (注:スピン濃度の単位は(×107 スピン/g)である。また、比較例3及び 比較例4ではX線回折によりAlB12の生成が認められた。) 【0026】更に、実施例1〜3と比較例3で製造され
たBN系焼結体について、3点曲げ強度及び熱伝導性率
を測定した。それらの結果を表2に示す。また、BN系
焼結体を加工する際のチッピング発生状況を評価したと
ころ、いずれもそれがなく良好であった。 【0027】 【表2】【0028】表1〜表2から明らかなように、小豆色に
発色させた本発明のBN系焼結体は、スピン濃度が1×
107 スピン/g以上でしかもAlONを含有してなる
ものであり、1500℃の高温下においても曲げ強度が
著しく低下しないものであることがわかる。 【0029】 【発明の効果】本発明によれば、BN系焼結体の優れた
特性を維持し、特に高温下で使用しても機械的強度が著
しく低下しないものであり、小豆色に発色させたBN系
焼結体が提供される。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】【請求項1】 酸素含有量1〜4重量%のBN粉末と、
金属Al粉末1〜5重量%とを含む混合原料粉末を昇温
速度250℃/hr以上、温度1800〜2200℃で
常圧焼結又はホットプレス焼結することを特徴とする小
豆色に発色させてなるBN系焼結体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14889996A JP3439027B2 (ja) | 1996-06-11 | 1996-06-11 | Bn系焼結体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP14889996A JP3439027B2 (ja) | 1996-06-11 | 1996-06-11 | Bn系焼結体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH101365A JPH101365A (ja) | 1998-01-06 |
JP3439027B2 true JP3439027B2 (ja) | 2003-08-25 |
Family
ID=15463173
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP14889996A Expired - Fee Related JP3439027B2 (ja) | 1996-06-11 | 1996-06-11 | Bn系焼結体の製造方法 |
Country Status (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN116751065B (zh) * | 2023-08-11 | 2023-11-03 | 山东博奥新材料技术有限公司 | 一种无压烧结氮化硼的制备方法 |
-
1996
- 1996-06-11 JP JP14889996A patent/JP3439027B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH101365A (ja) | 1998-01-06 |
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