JP3438324B2 - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

内燃機関の燃料噴射制御装置

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JP3438324B2
JP3438324B2 JP12016494A JP12016494A JP3438324B2 JP 3438324 B2 JP3438324 B2 JP 3438324B2 JP 12016494 A JP12016494 A JP 12016494A JP 12016494 A JP12016494 A JP 12016494A JP 3438324 B2 JP3438324 B2 JP 3438324B2
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に燃料タンク内また
はその周辺にプレッシャレギュレータを設置したときの
内燃機関用燃料噴射制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子式燃料噴射制御装置を採用
している内燃機関(エンジン)では、エンジンルーム内
に吸気負圧を制御要素として用いるプレッシャレギュレ
ータを設けている。このプレッシャレギュレータは、燃
料ポンプから燃料噴射弁に圧送される燃料の圧力が吸気
管内圧力に比べて高くなった場合に、燃料の一部をリタ
ーン配管を通して燃料タンクに戻すような構成になって
いる。これにより吸気負圧と燃料圧力との差圧を一定に
保つことができる(例えば、特開昭64−32066号
公報)。
【0003】しかしながら、このようなプレッシャレギ
ュレータでは、燃料の一部を燃料タンクに戻すためのリ
ターン配管を、一般に車両の前部に設けられているエン
ジンルームから車両の後部に設けられている燃料タンク
まで延ばす必要が生じる。そこで、プレッシャレギュレ
ータを燃料タンク近辺に設けることによりこのリターン
配管を短くするためのシステムが考えられる。
【0004】このようなリターン配管を短くするための
システムでは、燃料タンク内またはその周辺にプレッシ
ャレギュレータを設けるのが効率的であると考えられ
る。また、このようなシステムでは、吸気負圧と燃料圧
力との差圧を一定にする代わりに、プレッシャレギュレ
ータ周辺の圧力と燃料圧力との差圧を一定にすることに
より、吸気負圧を取り込むためにプレッシャレギュレー
タから吸気管内の脈動を抑えるためのサージタンク等の
吸気管にまで延びている吸気負圧導入配管を廃止するこ
とができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようなシステムにおいては、インジェクタに送る燃料の
圧力を燃料タンク内またはその周辺の圧力に対して一定
に保っているため、吸気管内圧力が変化するとインジェ
クタの作動時間が同一でも噴射燃料量が変化するという
問題が生じる。さらに、吸気管内圧力センサを備えない
内燃機関では吸気管内圧力を正確に推定する必要が生じ
る。
【0006】本発明は、吸気管内圧力が変化すると燃料
噴射量に影響がある内燃機関の燃料噴射装置において、
正確に吸気管内圧力を推定でき、かつ、吸気管内圧力が
変化しても、要求されている燃料量に応じた燃料噴射を
実行することができる内燃機関用燃料噴射制御装置を提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、燃料タンク内
またはその周辺に配置され、燃料ポンプから圧送されて
くる燃料の圧力が周辺の圧力に対して所定値以上高くな
ると、前記燃料タンク内に燃料を戻して燃料圧力を調節
するプレッシャレギュレータと、吸気管内に吸入される
空気量を検出する吸入空気量検出手段と、内燃機関の運
転状態を検出する運転状態検出手段と、運転状態検出手
段により検出された運転状態に基づいて第1,第2の定
数を設定する定数設定手段と、定数設定手段により設定
された第1,第2の定数と、吸入空気量検出手段により
検出された吸入空気量とにより、第1の定数をC
第2の定数をC ,吸入空気量をG としたとき、
吸気管内圧力PmgをPmg=C ×G +C
ら算出することにより推定する吸気管内圧力推定手段
と、燃料噴射弁から内燃機関に供給する燃料の噴射量を
制御する燃料噴射量制御手段と、吸気管内圧力検出推定
の推定結果に応じて、プレッシャレギュレータ周辺の圧
力と吸気管内圧力との差に起因するプレッシャレギュレ
ータによる調整燃料圧力の適正値からのずれ分に対応し
て燃料噴射量を補正する燃料噴射量補正手段と、前記吸
気管の体積を変化させる吸気管体積可変手段とを備え、
前記定数設定手段は前記吸気管体積可変手段の駆動状態
に基づいて前記第1,第2の定数を設定する手段を含む
ことを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置を提供す
る。
【0008】
【0009】また、請求項2に記載の発明では、吸気管
に吸入される空気の温度を検出する吸気温度検出手段
と、定数設定手段により設定された第1,第2の定数を
吸気温度検出手段により検出された温度に基づいて補正
する温度補正手段とを備えることを特徴とする請求項1
記載の内燃機関の燃料噴射制御装置を提供する。
【0010】さらに、請求項に記載の発明では、運転
状態検出手段は少なくとも内燃機関の回転数を検出する
手段を含むことを特徴とする請求項1または請求項2の
いずれかに記載の内燃機関の燃料噴射制御装置を提供す
る。
【0011】
【作用】請求項1に記載の装置において、プレッシャレ
ギュレータは燃料ポンプから圧送されてくる燃料の圧力
が周辺の圧力に対して所定値以上高くなると、燃料タン
ク内に燃料を戻して燃料圧力を調節する。また、吸入空
気量検出手段は吸気管内に吸入される空気量を検出し、
運転状態検出手段は、内燃機関の運転状態を検出する。
【0012】そして、定数設定手段は、運転状態検出手
段により検出された運転状態に基づいて第1,第2の定
数を設定する。さらに、吸気管内圧力推定手段は、定数
設定手段により設定された第1,第2の定数と、吸入空
気量検出手段により検出された吸入空気量とにより、第
1の定数をC1 ,第2の定数をC2 ,吸入空気量をG a
としたとき、吸気管内圧力Pmgを Pmg=C1 ×Ga +C2 から算出することにより推定する。
【0013】また、燃料噴射量制御手段は燃料噴射弁か
ら内燃機関に供給する燃料の噴射量を制御し、燃料噴射
量補正手段は吸気管内圧力検出推定の推定結果に応じ
て、プレッシャレギュレータ周辺の圧力と吸気管内圧力
との差に起因するプレッシャレギュレータによる調整燃
料圧力の適正値からのずれ分に対応して燃料噴射量を補
正する。
【0014】さらに、吸気管体積可変手段は吸気管の体
積を変化させ、定数設定手段は吸気管体積可変手段の駆
動状態に基づいて第1,第2の定数を設定する。
【0015】
【0016】また、請求項に記載の装置において、吸
気温度検出手段は吸気管に吸入される空気の温度を検出
し、温度補正手段は定数設定手段により設定された第
1,第2の定数を吸気温度検出手段により検出された温
度に基づいて補正する。また、請求項に記載の装置に
おいて、運転状態検出手段は少なくとも内燃機関の回転
数を検出する。
【0017】
【実施例】本発明を適用する前の、吸入空気量から燃料
噴射量を演算する燃料噴射制御装置を備える内燃機関
(エンジン)のシステム構成図を図1に示す。図1
は、プレッシャレギュレータ3と燃料ポンプ2とを燃料
タンク1内に配置している。
【0018】燃料タンク1内に貯蓄されている燃料は燃
料ポンプ2により汲み上げられ、加圧されてプレッシャ
レギュレータ3に送られる。プレッシャレギュレータ3
は吸気弁15上流の吸気管に配置されている燃料噴射弁
(インジェクタ)4に送られる燃料の圧力を、燃料の一
部をリターン配管5を通して燃料タンク1に戻すことに
より燃料タンク内圧力に対して一定値高くなるように設
定している。プレッシャレギュレータ3の詳細な構造お
よび作動については後述する。
【0019】プレッシャレギュレータ3によって、燃料
タンク1内に対して圧力を一定値(例えば3.0kg/
cm2 )高い値に調整された燃料は、燃料フィルタ6を
通ってデリバリパイプ7に送られ、このデリバリパイプ
7によって各インジェクタ4に供給される。そして、各
インジェクタ4は電子制御装置(ECU)9に制御され
た噴射量だけ各気筒に対して燃料噴射を行う。
【0020】このインジェクタ4によって噴射された燃
料は、吸気管10内に設けられているエアクリーナ1
1、スロットルバルブ12、アイドルスピードコントロ
ール(ISC)バルブ13、サージタンク14を通って
吸入される大気と混合されて、吸気弁15を介してシリ
ンダ16内の燃焼室17に吸気される。ここで、スロッ
トルバルブ12はエンジン18に供給される吸入空気量
を制御し、ISCバルブ13は、アイドル運転時のエン
ジン18の回転数を調節する。また、サージタンク14
は吸入空気の脈動を抑えるものである。また、エアクリ
ーナ11下流の吸気管10内には吸入空気量を検出する
エアフロメータ29が備えられている。
【0021】シリンダ16内の燃焼室17に供給された
混合気はその中で圧縮され、点火プラグ20が発生する
点火火花により点火され爆発する。燃焼後のガスは排出
ガスとして排気弁21を介して排気管22に排出され
る。このとき、排気管22に設置されている酸素濃度セ
ンサ(O2 センサ)23により排出ガス中の酸素濃度が
検出される。
【0022】回転角センサ26は、点火プラグ20に高
電圧を供給するディストリビュータ25に取り付けられ
ており、エンジン18の回転数および回転角を検出す
る。また、水温センサ27はシリンダ16に設置されて
おり、このシリンダ16を冷却する冷却水温を検出す
る。さらに、タンク内圧力センサ28は、燃料タンクの
上端壁に設置されており、大気圧と燃料タンク内の圧力
との差圧を検出する。
【0023】電子制御装置(ECU)9は、各種センサ
からの情報を随時更新、記憶するランダムアクセスメモ
リ(RAM)9a、各種制御プログラム,制御マップ等
を記憶しているリードオンリメモリ(ROM)9b、各
種演算を行う中央演算処理装置(CPU)9c、各種デ
ータをやり取りする入出力装置9d、これらを結ぶコモ
ンバス9eから構成されている。
【0024】また、ECU9はエアフロメータ29で検
出された吸入空気量と回転角センサ26により検出され
たエンジン回転数とから基本燃料噴射時間を求める。さ
らに、ECU9はO2 センサ23の出力に応じて、エン
ジン18の空燃比フィードバック制御を行い、回転角セ
ンサ26、水温センサ27、タンク内圧力センサ28、
エアフロメータ29等からの信号より、インジェクタ4
の噴射タイミングおよび噴射量制御、ISC制御等を行
う。
【0025】次にプレッシャレギュレータ3の構成およ
び作動について、図2に従って説明する。まず始めに、
プレッシャレギュレータ3の構成について説明する。プ
レッシャレギュレータ3のハウジング301は軸方向に
2分割された薄板製の第1、第2の筐体301a、30
1bを突き合わせて構成されている。また、これら第
1、第2の筐体301a、301bは折り曲げ縁302
にて嵌合されている。さらに、第1、第2の筐体301
a、301bの突き合わせ面にはダイアフラム303の
周縁部が気液密に挟持されており、このダイアフラム3
03はハウジング301内を軸方向に、ダイアフラム室
304と燃料室305とに区画している。
【0026】ダイアフラム室304にはダイアフラム3
03を燃料室305に向けて押圧付勢する圧縮コイルば
ね306が収容されており、また、このダイアフラム室
304には第1の筐体301aに固定され、燃料タンク
1からタンク内圧力を導入する周辺圧力導入パイプ30
7が接続されている。さらに、この周辺圧力導入パイプ
307は燃料が燃料タンク1内に満ちているときでも、
その先端が燃料に浸からない位置にまで鉛直下向きに設
けられている。このように、鉛直下向きに取り付けるこ
とにより、振動等により燃料が跳ね上がり、周辺圧力導
入パイプ307内に入っても中に溜まることなく、すぐ
に燃料タンク1内に戻される。
【0027】燃料室305には、第2の筐体301bに
固定されており、燃料流入管に接続される流入接続管3
08、燃料流出管に接続される流出接続管309、リタ
ーン配管に接続されるリターン用接続管320が接続さ
れている。流入接続管308および流出接続管309は
第2の筐体301bのそれぞれ下端部、上端部壁に取り
付けられているとともに、リターン用接続管320は第
2の筐体301b側壁に取り付けられている。また、こ
のリターン用接続管320はハウジング301の中心軸
線上に設置されている。
【0028】燃料室305内には円筒形の区画筒311
が設けられている。そして、区画筒311の内部開口端
には弁座312が固定されており、この弁座312には
中心部に弁孔313が開口されている。つまり、流入接
続管308とリターン用接続管320とは弁孔313を
介して連通している。また、ダイアフラム303には、
中心部に弁保持体314が取り付けられている。この弁
保持体314にはボール315が回転自在に支持されて
いる。さらに、このボール315にはプレート状の弁体
316が固定されている。なお、317はボール315
を押圧するバネである。
【0029】弁体316は弁座312に対向して設置さ
れており、ダイアフラム303のたわみ変形により弁体
316が弁座312に近接すると、弁孔313の弁体側
開口面積を減少させる。すなわち、燃料タンク1に戻す
燃料量を規制し、燃料圧力を上昇させるようになってい
る。次に、以上のような構成を持つプレッシャレギュレ
ータ3の作動について説明する。
【0030】燃料ポンプ2からインジェクタ4に供給さ
れる燃料が流入接続管308を通ってプレッシャレギュ
レータ3内の燃料室305に送られ、このプレッシャレ
ギュレータ3によってインジェクタ4に供給される燃料
の圧力が制御される。つまり、周辺圧力導入パイプ30
7を通ってダイアフラム室304に導入される燃料タン
ク1内の圧力よりも燃料室305内の圧力が相対的に高
くなった場合には、この燃料圧力によりダイアフラム3
03を圧縮コイルばね306の押圧力に抗して変位させ
る。
【0031】これにより、弁保持体314および弁体3
16が弁座312から離れ、弁孔313を開く。このた
め、燃料室305の燃料は弁孔313から区画筒311
内を通じてリターン用接続管320に流れ、このリター
ン用接続管320から燃料タンクに逃がされる。したが
って、燃料ポンプ2からインジェクタ4に供給される燃
料の圧力を下げることができる。
【0032】一方、燃料タンク1内の圧力よりも燃料室
305内の圧力が相対的に低くなった場合には、ダイア
フラム303が圧縮コイルばね306に押され、弁保持
体314および弁体316が弁座312に向けて変位さ
れる。弁体316が弁座312に近接すると弁孔313
の開口面積は規制され、燃料室305からの燃料流出が
減少する。したがって、燃料ポンプ2からインジェクタ
4に供給される燃料の圧力を上げることができる。
【0033】このようにして、燃料タンク1内圧力に対
して、プレッシャレギュレータ3内の燃料室305に送
られる燃料の圧力を一定に保つことができ、流出接続管
309を通ってインジェクタ4に供給する燃料の圧力を
一定にすることができる。以上のように、本実施例に用
いるプレッシャレギュレータ3は燃料タンク1内の圧力
に対してインジェクタ4に供給する燃料の圧力を一定値
高い値に調整している。
【0034】ところで、インジェクタ4から噴射される
燃料量は、その開口面積と開弁時間と燃料を噴射すると
きの燃料の流速とで決まるので、燃料の圧力、または吸
気管内圧力が変化して流速が変化すると同じ開口面積と
同じ開弁時間とでも噴射される燃料量が変わってくる。
本実施例では、基本燃料噴射時間TPOを吸入空気量とエ
ンジン回転数とのマップから決定しているため、吸気管
内圧力の変化に対するプレッシャレギュレータ3による
調整圧力の適正値からのずれ分に対応する燃料量の補正
を行う必要がある。
【0035】以下、この補正を含む燃料噴射時間算出処
理について図3に示したフローチャートに従って説明す
る。なお、このフローチャートは所定時間ごとに実行さ
れる。燃料噴射時間演算ルーチンが起動されると、まず
ステップ11において吸入空気量Ga を取り込む。次に
ステップ12においてエンジン回転数NEを取り込み、
ステップ13で吸入空気量をエンジン回転数で割った値
の図示しない1次元マップから基本噴射時間TPOGAを読
み込む。そして、ステップ14において、タンク内圧力
T を取り込み、ステップ15では図4に示したフロー
チャートの処理によって求められる推定吸気管内圧力P
m(i)を取り込む。図4のフローチャートの説明は後述す
る。ステップ16では吸気管内圧力の変化に対する燃料
噴射量の変化を補正するための吸気管内圧力補正係数K
pmを求める。ここで、吸気管内圧力補正係数Kpmは次に
示す数式1により求められるが、実際にはあらかじめ算
出した値を吸気管内圧力の1次元マップとしてROM9
bに記憶しておき、必要に応じてそのときの吸気管内圧
力に対する値を読み込むようにしている。
【0036】
【数1】Kpm=〔設定燃圧/{設定燃圧+(大気圧−吸
気管圧力)}〕1/2 =〔Pf /{Pf +(Pa −Pm )}〕1/2 ここで、Pf はプレッシャレギュレータ3の設定燃圧
を、Pa は大気圧を、Pmは吸気管圧力をそれぞれ示し
ている。
【0037】次に、ステップ17において、水温センサ
27からの信号をもとに、この冷却水温に応じた水温補
正係数FWLを求める。また、次のステップ18におい
ては、O2 センサ23からの信号に基づく空燃比フィー
ドバックのためのフィードバック係数FAFを求める。
そして、ステップ19で、これらの補正係数を基本噴射
時間に乗じて燃料噴射時間TPGA を次式より求めて、こ
のルーチンを終了する。
【0038】
【数2】TPGA =TPOGA×Kpm×FWL×FAF 以上の処理を行うことにより、吸入空気量から燃料噴射
量を演算するシステムにおいて、吸気管内圧力の変化に
対するプレッシャレギュレータ3による調整燃料圧力の
適正値のずれ分に対応する燃料量誤差の補正を行うこと
ができる。
【0039】なお、上述したように、プレッシャレギュ
レータ3の周辺圧力導入パイプ307が燃料タンク内に
開口しているにもかかわらずタンク内圧力と大気圧と差
が小さいことから大気圧を設定燃圧の基準として用いて
いる。よって、ステップ14で取り込んだタンク内圧力
を用いていない。このため、タンク内圧力センサ28は
必ずしも必要ではない。しかし、このタンク内圧力を用
いて吸気管内圧力の変化だけでなくタンク内圧力の変化
に対する燃料噴射量の補正を行いたい場合にはタンク内
圧センサ28は必要となり、このタンク内圧センサ28
の出力を用いたタンク内圧の変化を考慮したときの補正
定数を求める式は、タンク内圧力をPとすると次式の
ようになる。
【0040】
【数3】Kpm=〔設定燃圧/{設定燃圧+(タンク内圧
力−吸気管圧力)}〕1/2 =〔Pf /{Pf +(Pt −Pm )}〕1/2 この式により求めた補正定数Kpmをステップ13で求め
た基本噴射時間に掛け合わせることにより、燃料タンク
内圧力および吸気管内圧力の変化に対する燃料噴射量の
変化を補正することができる。
【0041】次に、図4に示すフローチャートにしたが
って、吸入空気量とエンジン回転数とから吸気管内圧力
を推定する処理を説明する。なお、このフローチャート
は所定クランク角毎に実行されるものとし、例えば36
0°CA毎に実行される。本処理が実行されると、ま
ず、ステップ21にて吸入空気量Ga を取り込む。そし
て、ステップ22において、エンジン回転数NEを取り
込み、ステップ23において、ステップ22にて取り込
んだエンジン回転数NEに応じて、図5に示すマップに
したがって吸気管内圧力Pmgを推定する時に用いる定数
1 ,C2 を読み込む。なお、これらC1 ,C2 の値は
動的効果を考慮して設定されている。そして、ステップ
24において、吸気管内圧力Pmgを次式より推定する。
【0042】
【数4】Pmg=C1 ×Ga +C2 さらに、ステップ25にて、次式より吸気管内圧力を正
式に求める。このステップでは過渡時の吸気管内圧力の
応答遅れを考慮している。
【0043】
【数5】 Pm(i){P mg +(k 1 −1)×P m(i-1) }/k1 なお、上式において、k1 はなまし係数(例えば、8
とする),Pm(i-1)は前回の予測値である。
【0044】以上の処理を実行することにより、吸気管
内圧力Pm を直接検出しなくても、吸入空気量G
とエンジン回転数NEとにより吸気管内圧力を求めるこ
とができる。
【0045】以上説明したように、数式4により吸気管
内圧力を推定するため、C ,C の値を求めるだ
けでよい。そして、このC ,C の値はエンジン
回転数NEに対する1次元マップから検索するため、マ
ップを記憶するための記憶容量を減らすことができる。
また、C ,C の値は動的効果を考慮して設定で
きるため、例えば、可変吸気制御装置等を備えた内燃機
関において吸気管内圧力を推定するときに容易に適用す
ることができる。
【0046】以下、可変吸気制御装置を備えた内燃機関
本発明を用いた第1実施例を説明する。図6は図1に
示した内燃機関の概略構成図に可変吸気制御装置を備え
たときの概略構成図である。なお、本図において、図1
と同様の構成のものには同じ番号を付し、説明を省略す
る。
【0047】本実施例において、吸気管10はサージタ
ンク14下流にて吸気管10aと吸気管10bとに分か
れ、燃料噴射弁上流にて再び合流している。さらに、吸
気管10bにはバタフライ弁32が配設されている。こ
のバタフライ弁32はECU9からの駆動信号に応じ
て、アクチュエータ31を介して開閉駆動される。この
バタフライ弁32は、特にエンジンの低回転時に閉駆動
され、高回転時に開駆動される。このようにバタフライ
弁32を駆動することにより、エンジンの低回転時にも
吸気管内に十分な流速を確保することができる。
【0048】しかしながら、バタフライ弁32が開閉駆
動されると吸気管の体積が変化するため、吸気管内圧力
も変化する。よって、吸気管内圧力を推定する際、バタ
フライ弁32の開弁時と閉弁時とに分けて推定する必要
がある。そこで、吸気管内圧力を推定する際に用いる定
数C1 ,C2 をそれぞれの場合に応じて設定する必要が
生じる。
【0049】以下、バタフライ弁の開閉状態に応じて吸
気管内圧力を推定する処理を図7に示すフローチャート
にしたがって説明する。なお、このフローチャートは所
定角度毎(例えば、360°CA毎)に実行される。本
処理が実行されると、ステップ31にて吸入空気量Ga
を取り込む。そして、ステップ32にて、エンジン回転
数NEを取り込む。次のステップ33ではバタフライ弁
32の開閉状態が開状態か否かを判断する。開状態であ
れば、ステップ34に進み、開状態用の定数C1ON ,C
2ON を図8に示す開状態用のマップから検索する。そし
て、ステップ35において、ステップ34で検索した値
をそれぞれC1 ,C2 としてステップ38に進む。
【0050】また、ステップ33にてバタフライ弁32
が閉状態にあると判定されると、ステップ36に進む。
ステップ36では閉状態用の定数C1OFF,C2OFFを図9
に示す閉状態用のマップから検索する。そして、ステッ
プ37において、ステップ36で検出した値をそれぞれ
1 ,C2 としてステップ38に進む。ステップ38で
は、ステップ35またはステップ37にて求めた定数C
1 ,C 2 を用いて、数式4により吸気管内圧力Pmgを求
め、さらに、ステップ39において過渡時の吸気管内圧
力の応答遅れを考慮した吸気管内圧力Pm(i)を数式5に
より正式に求める。
【0051】以上の処理を実行することにより、吸気管
の体積を変えることのできる可変吸気制御装置を備えた
内燃機関でも確実に吸気管内圧力を求めることができ
る。
【0052】なお、第実施例においては、バタフライ
弁を開閉させる可変吸気制御の例について説明したが、
本発明の適用範囲はこの限りでない。例えば吸気管長を
変化させることなどして、吸気管の体積を変化させるも
のについては、定数C ,C の値を吸気管体積に
応じて設定することにより適用させることができる。ま
た、その他にも、吸気バルブのシフト量・開弁タイミン
グを変化させる装置にも適用させることができる。例え
ば、このような装置において、カム軸を切り換えてバル
ブシフト量・開弁タイミングを変化させているものにお
いては、カム軸毎に定数C ,C を設定すること
により、適用させることができる。
【0053】
【0054】
【0055】
【0056】
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】また、本実施例では単位時間当たりに吸入
される空気の質量から吸入空気量を検出するエアフロメ
ータ29を用いている。しかしながら、吸入空気の温度
が変化すると、単位体積当たりの空気の質量が変化する
ため、同じ吸入空気量でも温度が高いほど質量が軽くな
る。よって、エアフロメータ29による検出値が同じで
も温度が高いほど実際には吸入空気量が多いことにな
る。そこで、エアフロメータ29の出力に応じて算出す
る吸気管内圧力を吸気温度により補正する必要がある。
【0062】以下、この補正方法について第実施例と
して説明する。なお、吸気温により推定吸気管内圧力を
補正するためには吸気温センサ33が必要であるが、吸
気温による補正を行わない場合には、吸気温センサ33
は必ずしも必要でない。図10はECU9により実行さ
れる吸気温度補正処理のフローチャートである。以下、
このフローチャートにしたがって説明する。なお、この
フローチャートは所定クランク角(例えば、360°C
A)毎に実行されるものである。
【0063】本処理が実行されると、ステップ61にお
いて、エアフロメータの出力から吸入空気量G をを
取り込み、ステップ62において、エンジン回転数NE
を取り込む。そして、ステップ63ではこれらの信号か
ら吸気管内圧力Pmgを推定する時に用いる定数C
,C を図5に示すマップから読み込む。次に、ス
テップ64において、吸気温センサ33の信号から吸気
温Tを取り込み、ステップ65に進む。ステップ65で
は各定数C ,C の吸気温補正率FT,FT
を図11に示すマップより読み込む。そして、ステッ
プ66において、次式により定数C ,C を補正
する。
【0064】
【数6】C ←C ×FT ←C ×FT ステップ67では、ステップ66で求めたC ,C
に基づいて吸気管内圧力Pmgを数式4により算出す
る。さらに、ステップ67にて、過渡時の吸気管内圧力
の応答遅れを考慮して、数式5により最終的な吸気管内
圧力Pm(i)を求めて本処理を終了する。
【0065】以上の処理を実行することにより、吸気温
の変化による推定吸気管内圧力の推定誤差を補正するこ
とができる。
【0066】
【発明の効果】以上の構成を採ることにより、請求項1
に記載の発明においては吸気管内圧力を、例えば請求項
に記載のようにエンジン回転数を含む内燃機関の運転
状態に基づいて設定される第1,第2の定数C ,C
を用いて、Pmg=C×G +Cから算出す
ることにより推定するため、吸気管内圧力を推定する際
に必要になるマップを記憶するための記憶容量を減らす
ことができる。また、C ,C の値は動的効果を
考慮して設定できるため、外乱による吸気管内圧力変化
に応じて容易に補正することができる。
【0067】また、第1,第2の定数を吸気管の体積の
変化に応じて設定しているため、吸気管の体積を変化さ
せることのできる装置を備えるものにおいても吸気管内
圧力を正確に推定することができる。
【0068】また、請求項に記載の発明では、吸気温
に対して第1,第2の定数を補正するため、吸気温の変
化に対する吸入空気量検出手段の検出誤差を補正するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する前のシステム構成図である。
【図2】レッシャレギュレータの断面図である。
【図3】CUによって実行されるルーチンのフローチ
ャートである。
【図4】CUによって実行されるルーチンのフローチ
ャートである。
【図5】エンジン回転数から定数C ,C を求め
るためのマップである。
【図6】本発明を用いた第実施例のシステム構成図で
ある。
【図7】第実施例のECUによって実行されるルーチ
ンのフローチャートである。
【図8】バタフライ弁が開いている時にエンジン回転数
から定数C ,C を求めるためのマップである。
【図9】バタフライ弁が閉じている時にエンジン回転数
から定数C ,C を求めるためのマップである。
【図10】第実施例のECUによって実行されるルー
チンのフローチャートである。
【図11】吸気温から吸気温補正率を求めるときに用い
るマップである。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 41/18 F02D 45/00 360 F02M 69/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料タンク内またはその周辺に配置さ
    れ、燃料ポンプから圧送されてくる燃料の圧力が周辺の
    圧力に対して所定値以上高くなると、前記燃料タンク内
    に燃料を戻して燃料圧力を調節するプレッシャレギュレ
    ータと、 吸気管内に吸入される空気量を検出する吸入空気量検出
    手段と、 内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、 前記運転状態検出手段により検出された運転状態に基づ
    いて第1,第2の定数を設定する定数設定手段と、 前記定数設定手段により設定された前記第1,第2の定
    数と、前記吸入空気量検出手段により検出された吸入空
    気量とにより、前記第1の定数をC ,前記第2の定
    数をC ,前記吸入空気量をG としたとき、吸気
    管内圧力Pmgを Pmg=C ×G +C から算出することにより推定する吸気管内圧力推定手段
    と、 前記燃料噴射弁から前記内燃機関に供給する燃料の噴射
    量を制御する燃料噴射量制御手段と、 前記吸気管内圧力検出推定の推定結果に応じて、前記プ
    レッシャレギュレータ周辺の圧力と前記吸気管内圧力と
    の差に起因する前記プレッシャレギュレータによる調整
    燃料圧力の適正値からのずれ分に対応して前記燃料噴射
    量を補正する燃料噴射量補正手段と 前記吸気管の体積を変化させる吸気管体積可変手段とを
    備え、 前記定数設定手段は前記吸気管体積可変手段の駆動状態
    に基づいて前記第1,第2の定数を設定する手段を含む
    ことを 特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  2. 【請求項2】 前記吸気管に吸入される空気の温度を検
    出する吸気温度検出手段と、 前記定数設定手段により設定された前記第1,第2の定
    数を前記吸気温度検出手段により検出された温度に基づ
    いて補正する温度補正手段とを備えることを特徴とする
    請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  3. 【請求項3】 前記運転状態検出手段は少なくとも前記
    内燃機関の回転数を検出する手段を含むことを特徴とす
    る請求項1または請求項2のいずれかに記載の内燃機関
    の燃料噴射制御装置。
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