JP2001107776A - 内燃機関の燃料噴射制御システム - Google Patents

内燃機関の燃料噴射制御システム

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JP2001107776A
JP2001107776A JP29019499A JP29019499A JP2001107776A JP 2001107776 A JP2001107776 A JP 2001107776A JP 29019499 A JP29019499 A JP 29019499A JP 29019499 A JP29019499 A JP 29019499A JP 2001107776 A JP2001107776 A JP 2001107776A
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fuel injection
fuel
pressure
injection amount
correction coefficient
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JP29019499A
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English (en)
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Takane Hayashi
孝根 林
Shigeaki Kakizaki
成章 柿崎
Hiroshi Kato
浩志 加藤
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料リターンレスシステムにおいて吸気管内
圧力の変動が及ぼす弊害を解消し、製造コストの上昇を
招来することなく、排気性能の向上を図る。 【解決手段】 エンジンコントロールユニット6は、吸
気管圧力と大気圧との差に応じて燃料噴射量補正係数を
演算する補正係数演算手段と、この燃料噴射量補正係数
に応じて燃料噴射量を補正する燃料噴射量補正手段とを
備えている。この補正係数演算手段は、2msec毎に加重
平均演算を行う2msec演算部61と、10msec毎に補正
係数演算を行う10msec演算部62とからなり、燃料噴
射量補正手段は、燃料噴射パルス幅演算部66と、燃料
噴射パルス幅を補正する乗算部67と、燃料噴射弁制御
部68とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関に設けら
れた燃料噴射弁を制御する燃料噴射制御システムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、内燃機関の燃料噴射制御システム
としては、燃料タンクから燃料配管を介して燃料ギャラ
リに燃料を送出し、この燃料ギャラリから高圧チューブ
を経て内燃機関の各気筒に設けられた燃料噴射弁に対し
て所定圧の燃料を供給するものがある。この従来の燃料
供給システムでは、燃料配管にリターン通路が設けられ
ているとともに、燃料ギャラリのリターン通路側に燃料
圧力を調整するプレッシャーレギュレータが取り付けら
れている。
【0003】リターン通路は、燃料噴射弁に供給される
燃料の圧力が高くなりすぎた場合に、余分な燃料を燃料
タンクに送り戻すものである。また、プレッシャーレギ
ュレータは、燃料噴射弁に供給する燃料の高圧状態を保
持する調節弁の働きをするものであり、吸気管内の圧力
を基準圧力として導入することによって、燃料圧力を常
に吸気管圧力に対して一定に保ち燃料噴射の安定を図っ
ている。
【0004】ところで、上記従来技術による内燃機関の
燃料噴射制御方法では、燃料ギャラリ側で加熱された燃
料が燃料タンクに戻されることになるため、燃料タンク
内の燃料温度が上昇し、ベーパ発生量の増加を招来する
という問題があった。
【0005】このベーパ発生を解消するシステムとし
て、いわゆる燃料リターンレスシステムと呼ばれるもの
がある。この燃料リターンレスシステムの一つに、プレ
ッシャーレギュレータを燃料タンク側に設け、燃料圧力
の調節を燃料タンク側で行うシステムがある。このシス
テムを用いると、燃料ギャラリで加熱された燃料が燃料
タンク内に戻されることがなく、ベーパの発生を低下さ
せることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記燃
料リターンレスシステムでは、吸気管内の圧力が、例え
ば吸気脈動などによって変動した場合、燃料噴射量を一
定に保つことが困難であり、排気性能や運転性能が低下
する可能性があることから、これを防止するための手段
が別途必要となり製造コストが上昇する場合がある。
【0007】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
ので、燃料リターンレスシステムにおいて吸気管内圧力
の変動が及ぼす弊害を解消し、製造コストの上昇を招来
することなく、排気性能の向上を図ることのできる内燃
機関の燃料噴射システムを提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に請求項1に係る発明は、燃料タンク側に燃料ポンプ及
び燃料圧力レギュレータを配設し、一定圧力の燃料を各
気筒毎に設けた燃料噴射弁に供給する内燃機関の燃料噴
射制御システムにおいて、吸気管圧力を検出する吸気管
圧力検出手段と、大気圧を検出する大気圧検出手段と、
前記検出された吸気管圧力と大気圧との差に応じて燃料
噴射量補正係数を演算する補正係数演算手段と、前記燃
料噴射量補正係数に応じて燃料噴射量を補正する燃料噴
射量補正手段とを備えたことを特徴とする内燃機関の燃
料噴射制御システムである。
【0009】請求項2に係る発明は、燃料タンク側に燃
料ポンプ及び燃料圧力レギュレータを配設し、一定圧力
の燃料を各気筒毎に設けた燃料噴射弁に供給する内燃機
関の燃料噴射制御システムにおいて、吸気管圧力を検出
する吸気管圧力検出手段と、燃料タンク内圧を検出する
燃料タンク内圧検出手段と、前記検出された吸気管圧力
と燃料タンク内圧との差に応じて燃料噴射量補正係数を
演算する補正係数演算手段と、前記燃料噴射量補正係数
に応じて燃料噴射量を補正する燃料噴射量補正手段とを
備えたことを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御システ
ムである。
【0010】請求項3に係る発明は、請求項1または請
求項2記載の内燃機関の燃料噴射システムにおいて、前
記吸気管圧力検出手段は、吸気管内における吸気脈動の
周期の2倍以上の周期でサンプリングすることを特徴と
するものである。
【0011】請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求
項3のいずれか1項記載の内燃機関の燃料噴射制御シス
テムにおいて、前記吸気管圧力検出手段の出力を、運転
条件によらず一定の重み係数で加重平均して平滑化する
加重平均手段を備えたことを特徴とするものである。
【0012】請求項5に係る発明は、請求項4記載の内
燃機関の燃料噴射制御システムにおいて、前記重み係数
は、燃料圧力レギュレータの基準圧をBoostとする燃料
噴射量補正方式と同等の制御特性となるように0.2か
ら0.8の範囲内で設定したことを特徴とするものであ
る。
【0013】請求項6に係る発明は、請求項1乃至請求
項5のいずれか1項記載の内燃機関の燃料噴射制御シス
テムにおいて、前記補正係数演算手段は、前記吸気管圧
力と、前記大気圧又は前記燃料タンク内圧との差の1/
2乗に比例する前記燃料噴射量補正係数を適用したこと
を特徴とするものである。
【0014】
【発明の効果】上記請求項1に係る発明によれば、大気
圧検出手段によって大気圧を検出し、補正係数演算手段
及び燃料噴射量補正手段とによって、吸気管圧力と大気
圧との差に応じて燃料噴射量を補正するため、燃料噴射
量が吸気管圧力の変化に左右されず、安定した燃料噴射
を確保することができる。
【0015】上記請求項2に係る発明によれば、吸気管
圧力検出手段によって吸気管圧力を検出し、補正係数演
算手段及び燃料噴射量補正手段とによって、吸気管圧力
と燃料タンク内圧力との差に応じて燃料噴射量を補正す
るため、燃料噴射量が吸気管圧力の変化に左右されず、
安定した燃料噴射を確保することができる。
【0016】上記請求項3に係る発明によれば、吸気管
内における吸気脈動の周期の2倍以上の周期でサンプリ
ングすることによって、機関高回転時でも吸気管圧力信
号のエイリアシングを防止することができる。
【0017】上記請求項4に係る発明によれば、吸気管
圧力検出手段による出力を、運転条件によらず一定の重
み係数で加重平均して平滑化することによって、データ
量を減少させることができ、ROM等の記憶手段の容量
を縮小化することができる。
【0018】上記請求項5に係る発明によれば、なまし
処理(加重平均処理)の重み係数を、0.2から0.8
の範囲内で設定することで燃料圧力レギュレータの基準
圧をBoostとする燃料噴射量補正と同等の制御特性が確
保できる。さらに吸気管圧力センサ出力のなまし処理を
行うことによって、燃料噴射量がハンチングするのを防
止することができる。
【0019】上記請求項6に係る発明によれば、吸気管
圧力と大気圧又は燃料タンク内圧との差の1/2乗に比
例する燃料噴射量補正係数を記憶したテーブルを備えた
ことにより、テーブルと照合するだけで燃料噴射量補正
係数を求めることができ、演算処理を簡略化することが
でき処理速度の向上を図ることができるとともに、演算
手段の小型化や負担の軽減を図ることができる。また、
テーブル範囲を縮小することで補完誤差及びROM容量
の低減を図ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】(燃料噴射制御システムの構成)
以下、本発明に係る内燃機関の燃料噴射制御システムの
実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る内燃機関の燃料噴射システム
を示す概略構成図である。
【0021】同図に示すように、本実施形態に係る内燃
機関の燃料噴射システムは、内燃機関1と、燃料タンク
15に設けられた燃料圧力レギュレータ16と、吸気マ
ニホールド18に設けられた吸気圧センサ19と、大気
圧センサ20と、各部の制御を行うエンジンコントロー
ルユニット(ECU)6とから構成される。
【0022】内燃機関1は、シリンダブロック2と、こ
のシリンダブロック2内に挿通されるピストン3と、シ
リンダヘッド4とから画成される燃焼室5を備えてお
り、エンジンコントロールユニット6によってその動作
が制御されるものである。
【0023】前記シリンダヘッド4には、吸気ポート7
を開閉する吸気バルブ8と、排気ポート9を開閉する排
気バルブ10とが配設されているとともに、燃焼室5に
臨ませて点火プラグ12が配設されている。また、吸気
ポート7内には、燃料を噴射する燃料噴射弁11が設け
られている。
【0024】このような内燃機関1では、吸気行程にお
いて燃料噴射弁11から燃料が噴射されて燃焼室5内に
混合気が形成され、この混合気を圧縮行程におけるピス
トン3の上昇によって高温高圧化するとともに、点火プ
ラグ12によってこの混合気に点火させ、燃焼を行わせ
る。尚、燃料噴射方式は直噴式でも予混合方式でもいず
れの形態でも良い。その後、燃焼された排気ガスは排気
バルブ10の開動作時に排気ポート9に排出される。
【0025】前記吸気バルブ8及び排気バルブ10は、
電磁アクチュエータ13,14によって電磁的に上下動
されて開閉されるものである。即ち、この電磁アクチュ
エータ13,14は、エンジンコントロールユニット6
から出力される制御信号に基づいて供給される電流によ
って任意の時期にそれぞれ独立して吸気バルブ8及び排
気バルブ10を開閉駆動する。
【0026】前記燃料噴射弁11は、燃料タンク15内
の燃料ポンプ21から燃料配管17を介して供給され
る、例えばガソリン等の燃料を吸気ポート7内に噴射す
るものであり、エンジンコントロールユニット6によっ
てその噴射量や噴射タイミングを制御されるものであ
る。
【0027】前記燃料圧力レギュレータ16は、燃料ポ
ンプ21や燃料フィルタと一体化されて燃料タンク15
内に配設されるものであり、燃料噴射弁11に供給され
る燃料を加圧して高圧状態を維持するための調節弁の働
きをするものである。本燃料圧力レギュレータ16によ
り、燃圧はタンク内圧に対し一定の圧力に維持される。
【0028】吸気圧センサ19は、吸気マニホールド1
8内の圧力を検出するものであり、この吸気圧センサ1
9による出力は、エンジンコントロールユニット6に入
力される。また、大気圧センサ20は、大気圧を燃料タ
ンク15内の圧力として検出するものである。
【0029】前記エンジンコントロールユニット6は、
車両各部に設けられたセンサからの情報に基づいて演算
処理を行い、燃料噴射弁11による燃料噴射時期や燃料
噴射量、点火プラグ12による点火時期、及び電磁アク
チュエータ13,14の動作制御等を行う。
【0030】特に、本実施形態に係るエンジンコントロ
ールユニット6は、吸気圧センサ19及び大気圧センサ
20によって検出された吸気管圧力と大気圧との差に応
じて燃料噴射量補正係数を演算する補正係数演算手段
と、この燃料噴射量補正係数に応じて燃料噴射量を補正
する燃料噴射量補正手段とを備えている。図2は、本実
施形態に係るエンジンコントロールユニット6に設けら
れた補正係数演算手段及び燃料噴射量補正手段の概略構
成を示すブロック図である。
【0031】即ち、エンジンコントロールユニット6
は、図2に示すように、補正係数演算手段として、2ms
ec毎に加重平均演算を行う2msec演算部61と、10ms
ec毎に補正係数演算を行う10msec演算部62とを有す
るとともに、燃料噴射量補正手段として、燃料噴射パル
ス幅演算部66と、燃料噴射パルス幅を補正する乗算部
67と、燃料噴射弁制御部68とを有している。
【0032】(補正係数演算手段の各構成)2msec演算
部61は、吸気管圧力(パラメータVPMAP)につい
て加重平均処理を行う加重平均処理部63を備えてお
り、吸気圧センサ19からの出力信号を2msecのサンプ
リング周期で取得するものである。この加重平均処理部
63による演算結果は、吸気管絶対圧センサ出力加重平
均値(パラメータBSTN)として後段の燃料噴射量補
正部62に出力される。
【0033】ここで、2msec演算部61によるサンプリ
ング周期を2msecとした理由について以下に説明する。
【0034】吸気圧センサ19からの出力信号のエイリ
アシングを防止するためには、出力信号の変動周波数の
2倍以上の周波数でサンプリングする必要がある。出力
信号の変動の原因としては、吸気脈動がある。本実施形
態では、この吸気脈動に注目し、出力信号のサンプリン
グ周波数をこの吸気脈動の周波数の2倍以上とする。
【0035】吸気脈動の周波数は、エンジンの回転数と
気筒数により以下の式で求めることができる。
【0036】吸気脈動の周波数=(回転数/60)×
(気筒数/2) ここで、(回転数/60)は、クランクの回転周波数を
意味し、(気筒数/2)は、クランクが一回転する間の
吸気周波数を意味する。
【0037】上述したように、吸気圧センサ19からの
出力信号のサンプリング周波数は、この吸気脈動の周波
数の2倍以上とする必要があることから、サンプリング
周波数は以下の式から求めることができる。
【0038】サンプリング周波数≧(2×回転数×気筒
数)/(60×2) これを周期で表すと、 サンプリング周期≧(60×2)/(2×回転数×気筒
数) となる。
【0039】本実施形態では、気筒数を4とし、保証回
転回転数を7000rpmとしてサンプリング周波数(サ
ンプリング周期)を求める。従って、本実施形態におけ
るサンプリング周波数は466.7Hz以上となり、サン
プリング周期は2.14msec以上となる。よって、本実
施形態では、7000回転までを考慮し、約2msec以上
の周期でサンプリングする。
【0040】次に、2msec演算部61による加重平均処
理について説明する。図3は、上記2msec演算部61に
よる加重平均処理のフローチャート図である。
【0041】同図に示すように、補正係数演算部61で
は、パラメータVPMAP(吸気圧力)を2msec毎に読
み込み(S101)、読み込んだ値について、所定の重
み係数を用いて加重平均演算を行いパラメータBSTN
を算出する(S102)。なお、本実施形態において
は、重み係数として0.2〜0.8の範囲を用いる。
【0042】前記10msec演算部62は、図2に示すよ
うに、入力されたパラメータPAMB及びパラメータB
STNについて燃圧差圧割合を演算し、この演算結果を
パラメータRTOPFLとして出力する燃圧差圧割合演
算部64と、このパラメータRTOPFLについてパル
ス幅吸入負圧補正係数テーブル(パラメータTKBS
T)と照合してパルス幅吸入負圧補正係数(パラメータ
KBST)を検索し出力するテーブル検索部65とを備
えるものである。
【0043】ここで、本実施形態において重み係数を
0.2〜0.8とした理由について説明する。図4〜図
6は、リターンシステムを採用した場合における定常時
のA/Fのばらつきと、各重み係数で加重平均した場合
における定常時のA/Fのばらつきを比較したグラフで
あり、図7〜図9は、リターンシステムを採用した場合
における応答性と、各重み係数で加重平均した場合にお
ける過渡時の応答性を比較したグラフである。
【0044】先ず、定常時において重み係数を0.1か
ら増加させていった場合、図4〜図6に示すように、重
み係数が0.8のときにリターンシステムでのA/Fの
ばらつきとほぼ一致し、0.8を超えると通常の燃料リ
ターンシステムよりもA/Fのばらつきが大きくなる。
従って、定常時でのA/Fのばらつきをリターンシステ
ム以下に抑えるためには、重み係数を0.8以下に設定
する必要がある。
【0045】また、負荷全開から全閉にする過渡時にお
いて重み係数を0.1から増加させていった場合、図7
〜図9に示すように、重み係数が0.2のときに燃料リ
ターンシステムの応答性とほぼ一致し、0.2未満では
応答性が遅延する。従って、燃料リターンシステムと応
答性を同等とするためには、重み係数を0.2以上に設
定する必要がある。
【0046】以上の検討結果に基づいて、本実施形態で
は、加重平均演算に用いる重み係数を0.2以上0.8
以下の範囲で設定する。
【0047】前記パルス幅吸入負圧補正係数テーブル
(TKBST)は、吸気管圧力に対する大気圧の差圧に
応じた燃料噴射パルス幅の補正係数を求めるものであ
る。図10は、差圧[mmHg]と補正係数との関係を示す
グラフである。同図において燃料噴射量補正係数は、吸
気管圧力と大気圧との差の1/2乗に比例している。本
実施形態では、テーブルTKBSTの設定範囲は、図1
0に示すグラフのうち、車両の使用環境下において実施
に必要とされる範囲となっている。これについて以下に
具体的に説明する。
【0048】先ず、大気圧が取り得る範囲としては、測
定可能な範囲では、200mmHg〜879mmHgであるが、
実際に車両が使用される範囲は、最小値が464mmHg程
度である。例えば北米において車両が走行可能な最高標
高は4000mであり、標高4000mでの大気圧は4
64mmHgとなる。一方、最大値は、772mmHg程度であ
る。高気圧下における大気圧は772mmHg=1030mb
rとなる。従って大気圧センサの出力範囲は464mmHg
〜772mmHgに設定する。
【0049】また、吸気圧センサの取り得る範囲は、最
小値150mmHg程度である。吸気管内絶対圧150mmHg
以下になると、シリンダ内に空気が入らなくなり失火が
発生することから、吸気管内絶対圧は通常150mmHgよ
り下がらないように制御されている。
【0050】一方、最大値としては、ブーストの測定結
果(1000rpm〜6000rpm)より、ブーストの最大
圧力は849mmHgであるため、余裕をもって938mmHg
程度と設定するのが好ましいが、センサ自体の検出限界
が770mmHgであることから、吸気圧センサの出力範囲
は、150mmHg〜770mmHgに設定する。
【0051】以上の各設定値から前記パラメータRTO
PFLは以下のように求められる。即ち、本実施形態に
おいてパラメータRTOPFLは、燃圧に対する差圧の
割合であり、RTOPFL=(2608−(大気圧−吸気圧))
/2608(圧力単位:mmHg)で求められることから、
この式に上記各センサ出力の最小値、最大値を代入する
と、RTOPFLの範囲は、0.751〜1.151と
なる。
【0052】よって、テーブルTKBSTの設定範囲を
0.75〜1,16とする(図11中ステップS203
参照)。
【0053】(燃料噴射量補正手段の各構成)前記燃料
噴射パルス幅演算部66は、アクセル開度や車速、エン
ジン回転数等に基づいて燃料噴射パルス幅を演算するも
のであり、乗算部67は、燃料噴射補正部62及び燃料
噴射パルス幅演算部66による演算結果を乗算し燃料噴
射パルス幅を補正して燃料噴射弁制御部68に出力する
ものである。
【0054】また、燃料噴射弁制御部68は、補正され
た燃料噴射パルス幅に従って内燃機関1の燃料噴射弁1
1の動作を制御する。
【0055】(燃料噴射量補正処理)次いで、以上説明
した本実施形態に係るエンジンコントロールユニット6
による燃料噴射量補正処理について説明する。図11
は、上述したエンジンコントロールユニット6における
燃料噴射量補正処理を示すフローチャート図である。
【0056】同図に示すように、先ず、大気圧(パラメ
ータPAMB)と吸気管圧力(パラメータVPMAP)
とを10msec毎に読み込み(S201)、これらについ
て燃圧差圧割合(パラメータRTOPFL)を演算しテ
ーブル検索部65に対し出力する(S202)。
【0057】次いで、テーブル検索部65においてテー
ブル検索を行う(S203)。即ち、パルス幅吸入負圧
補正係数テーブル(パラメータTKBST)を用いて、
取得したパラメータRTOPFLに対応するパルス幅吸
入負圧補正係数(パラメータKBST)を求める。
【0058】その後、求められたパラメータKBSTを
用いて燃料噴射パルス幅の補正を行う(S204)。即
ち、乗算部67において、図11に示す演算式によっ
て、燃料噴射パルス幅演算部66から出力値に、パルス
幅吸入負圧補正係数(パラメータKBST)を乗算する
ことによって、始動時噴射パルス幅(パラメータTIS
T)、シーケンシャル噴射時出力パルス幅(パラメータ
TIPS)、気筒別壁流補正出力パルス幅(パラメータ
CHOS)及び気筒別割り込み噴射パルス幅(パラメー
タIJSET)を求める。
【0059】以上の演算処理によって補正された各パル
ス幅は、燃料噴射弁制御部68に入力され、燃料噴射弁
制御部68は、各パルス幅に基づいて燃料噴射弁11の
動作を制御する。
【0060】(燃料噴射制御システムの効果)以上の構
成及び処理動作の本実施形態に係る燃料噴射制御システ
ムによれば、いわゆる燃料リターンレスシステムを採用
しているため、燃料タンク内において燃料温度が上昇す
るのを防止し、ベーパ発生を抑制することができる。
【0061】2msec演算部61で吸気管圧力センサの出
力信号を2msecでサンプリングするため、吸気管で発生
する吸気脈動によるセンサ出力信号のエイリアシングを
防止することができる。また、このサンプリングされた
出力信号について、機関運転条件によらず一定の重み係
数を用いて加重平均処理を行うため、重み係数のデータ
量を低減することができ、これを格納するROM等の記
憶手段を縮小することができる。
【0062】さらに、上記テーブルTKBSTは、必要
な領域分のみテーブル化されたものであるため、これを
格納するROM等の記憶手段を縮小することができると
ともに、テーブル保管誤差を小さくすることができる。
【0063】(変更例)なお、上述した実施形態におい
ては、大気圧検出手段として大気圧センサ20を設け、
吸気管内圧力と大気圧との差圧により燃料噴射パルスを
補正するようにしたが、図12に示すように、大気圧セ
ンサ20に代えて燃料タンク15内に燃料タンク内圧力
センサを設け、吸気管内圧力と燃料タンク内圧力との差
圧により燃料噴射パルスの補正を行うようにすることも
できる。
【0064】この場合、図2に示す補正係数演算手段に
おいては、パラメータPAMB(大気圧)に代えて燃料
タンク内圧力センサからの出力値をパラメータとして、
各部における演算処理を行う。
【0065】このような変更例に係る燃料噴射制御シス
テムによれば、大気圧に代えて燃料タンク内圧力を用い
て補正係数を算出するため、燃料噴射弁11の背圧をよ
り正確に求めることができ、より適切な燃料噴射量の制
御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る内燃機関の噴射制御シ
ステムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態に係るエンジンコントロールユニッ
ト6に設けられた補正係数演算手段及び燃料噴射量補正
手段の概略構成を示すブロック図である。
【図3】本実施形態に係る2msec演算部61による加重
平均処理のフローチャート図である。
【図4】リターンシステムを採用した場合における定常
時のA/Fのばらつきと、重み係数0.7で加重平均し
た場合における定常時のA/Fのばらつきを比較したグ
ラフである。
【図5】リターンシステムを採用した場合における定常
時のA/Fのばらつきと、重み係数0.8で加重平均し
た場合における定常時のA/Fのばらつきを比較したグ
ラフである。
【図6】リターンシステムを採用した場合における定常
時のA/Fのばらつきと、重み係数0.9で加重平均し
た場合における定常時のA/Fのばらつきを比較したグ
ラフである。
【図7】リターンシステムを採用した場合における応答
性と、重み係数0.1で加重平均した場合における過渡
時の応答性を比較したグラフである。
【図8】リターンシステムを採用した場合における応答
性と、重み係数0.2で加重平均した場合における過渡
時の応答性を比較したグラフである。
【図9】リターンシステムを採用した場合における応答
性と、重み係数0.3で加重平均した場合における過渡
時の応答性を比較したグラフである。
【図10】補正係数(パラメータKBST)と、大気圧
と吸気圧力との差圧との関係を示すグラフである。
【図11】エンジンコントロールユニット6における燃
料噴射量補正処理を示すフローチャート図である。
【図12】本発明の変更例に係る内燃機関の噴射制御シ
ステムの概略構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 内燃機関 2 シリンダ 3 ピストン 4 シリンダヘッド、 5 燃焼室 6 エンジンコントロールユニット 7 吸気ポート、 8 吸気バルブ 9 排気ポート 10 排気バルブ 11 燃料噴射弁 12 点火プラグ 13,14 アクチュエータ 15 燃料タンク 16 燃料圧力レギュレータ 17 燃料配管、 18 吸気マニホールド 19 吸気圧センサ 20 大気圧センサ 61 2msec演算部 62 10msec演算部 63 加重平均処理部 64 燃圧差圧割合演算部 65 テーブル検索部、 66 燃料噴射パルス幅演算部 67 乗算部 68 燃料噴射弁制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 浩志 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 3G084 BA13 BA23 DA00 DA06 DA10 EA05 EA11 EB08 EB25 EC03 FA01 FA11 3G301 HA04 HA19 JA06 JA18 JA21 LA07 LB04 LB17 LC01 MA11 NA02 NA08 NB03 NC02 PA07Z PA09Z PE01Z PF01Z PF03Z

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料タンク側に燃料ポンプ及び燃料圧力
    レギュレータを配設し、一定圧力の燃料を各気筒毎に設
    けた燃料噴射弁に供給する内燃機関の燃料噴射制御シス
    テムにおいて、 吸気管圧力を検出する吸気管圧力検出手段と、 大気圧を検出する大気圧検出手段と、 前記検出された吸気管圧力と大気圧との差に応じて燃料
    噴射量補正係数を演算する補正係数演算手段と、 前記燃料噴射量補正係数に応じて燃料噴射量を補正する
    燃料噴射量補正手段とを備えたことを特徴とする内燃機
    関の燃料噴射制御システム。
  2. 【請求項2】 燃料タンク側に燃料ポンプ及び燃料圧力
    レギュレータを配設し、一定圧力の燃料を各気筒毎に設
    けた燃料噴射弁に供給する内燃機関の燃料噴射制御シス
    テムにおいて、 吸気管圧力を検出する吸気管圧力検出手段と、 燃料タンク内圧を検出する燃料タンク内圧検出手段と、 前記検出された吸気管圧力と燃料タンク内圧との差に応
    じて燃料噴射量補正係数を演算する補正係数演算手段
    と、 前記燃料噴射量補正係数に応じて燃料噴射量を補正する
    燃料噴射量補正手段とを備えたことを特徴とする内燃機
    関の燃料噴射制御システム。
  3. 【請求項3】 前記吸気管圧力検出手段は、吸気管内に
    おける吸気脈動の周期の2倍以上の周期でサンプリング
    することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の内燃
    機関の燃料噴射制御システム。
  4. 【請求項4】 前記吸気管圧力検出手段の出力を、運転
    条件によらず一定の重み係数で加重平均して平滑化する
    加重平均手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至請
    求項3のいずれか1項記載の内燃機関の燃料噴射制御シ
    ステム。
  5. 【請求項5】 前記重み係数は、燃料圧力レギュレータ
    の基準圧をBoostとする燃料噴射量補正方式と同等の制
    御特性となるように0.2から0.8の範囲内で設定し
    たことを特徴とする請求項4記載の内燃機関の燃料噴射
    制御システム。
  6. 【請求項6】 前記補正係数演算手段は、前記吸気管圧
    力と、前記大気圧又は前記燃料タンク内圧との差の1/
    2乗に比例する前記燃料噴射量補正係数を適用したこと
    を特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載
    の内燃機関の燃料噴射制御システム。
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