JP3438123B2 - 射出成形機の油圧駆動装置 - Google Patents

射出成形機の油圧駆動装置

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JP3438123B2 JP24302096A JP24302096A JP3438123B2 JP 3438123 B2 JP3438123 B2 JP 3438123B2 JP 24302096 A JP24302096 A JP 24302096A JP 24302096 A JP24302096 A JP 24302096A JP 3438123 B2 JP3438123 B2 JP 3438123B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、射出シリンダを駆
動する射出成形機の油圧駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の射出成形機の油圧駆動装置は、
通常、油圧ポンプ、電動機、アキュムレータ等を有して
いる。さらに、使用流量の変動によらず、一定の圧力の
圧油を供給するための油圧源と、この油圧源から供給さ
れた圧油を制御するための制御弁とを有している。
【0003】制御弁として、具体的には、サーボ弁と電
磁式の比例弁とが知られている。このうちのサーボ弁
は、その構造上、その内部にごみが入り込むなどして動
作に支障を来す虞があり、また高価である。
【0004】一方、電磁式の比例弁は、一般に、流量制
御または圧力制御のどちらか一方の機能のみを有してい
る。ところで、射出成形機は、その射出動作として、計
量工程、射出工程、および保圧工程を含むサイクルを繰
り返すものであり、各工程毎に流量制御や圧力制御等、
異なる制御特性が要求されるものである。このため、電
磁式の比例弁を用いる場合には、複数の弁を組み合わせ
て用いることにより、必要な機能を実現している。
【0005】電磁比例弁を用いた従来の射出成形機の油
圧駆動装置を図2に示す。尚、図2において、実線は圧
油が大きな流量でもって流通する管路の部分を示し、破
線は圧力を伝達するためのパイロット圧部分を示す。
【0006】以下、図2を参照して、この油圧駆動装置
について説明する。この油圧駆動装置は、射出成形機の
各工程中にて、以下のように動作する。
【0007】計量工程中は、スクリュ回転用油圧モータ
2の回転速度を制御するように、油圧源10から供給さ
れる作動油の流量制御を行う。このとき、同時に射出シ
リンダ1の圧力制御を行う。即ち、計量工程中は、比例
方向流量制御弁3のソレノイドbに通電し、スクリュ回
転用油圧モータ2への作動油の供給流量を制御する。ま
た、スクリュが回転することにより、射出シリンダ1が
後退してくるので、このときに射出シリンダ1からタン
ク9に戻る作動油を比例圧力制御弁8により制御される
メインリリーフ弁7により制御して、射出シリンダ1の
圧力(背圧)を制御する。比例圧力制御弁8は、油圧源
10から流量制御弁11を通して圧油の供給を受け、与
えられた電気信号に応じてパイロット圧力を発生させ
る。
【0008】射出工程中は、射出シリンダ1の速度を制
御するように、油圧源10から供給される作動油の流量
制御を行う。このとき、スクリュ回転用油圧モータ2は
停止している。即ち、射出工程中は、比例方向流量制御
弁3のソレノイドaに通電する電流によって、射出シリ
ンダ1に供給されている作動油の流量を制御する。これ
と共に、補償圧切換弁5にも通電し、射出シリンダ1の
負荷圧を負荷圧補償弁4に導く。これにより、負荷圧の
影響を受けないで射出シリンダ1の速度を制御すること
ができる。
【0009】保圧工程中は、射出シリンダ1の圧力制御
を行う。スクリュ回転用油圧モータ2は停止している。
即ち、保圧工程中は、比例方向流量制御弁3により一定
流量の作動油を供給し、余分な作動油をメインリリーフ
弁7からタンク9へ逃すことで、射出シリンダ1の圧力
制御を行う。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図2に示した
従来の射出成形機の油圧駆動装置には、以下のような問
題点がある。
【0011】計量工程では、射出シリンダ1の後退によ
る戻り油のみによりメインリリーフ弁7により圧力制御
を行うため、射出シリンダ1の後退速度の影響を受けや
すく、特に、後退速度の遅いときに、十分な圧力制御を
実行できない場合がある。
【0012】また、保圧工程では、射出シリンダ1内の
圧力を急激に昇圧したい場合があるが、このとき、比例
方向流量制御弁3から供給される作動油の流量が十分で
なければ、十分な昇圧特性が得られない。一方、比例方
向流量制御弁3からの供給流量が大きすぎれば、メイン
リリーフ弁7から損失する流量が大きくなり、エネルギ
効率が低下する。
【0013】本発明の課題は、計量工程、保圧工程それ
ぞれにおける圧力制御特性に優れていると共に、エネル
ギ効率の高い射出成形機の油圧駆動装置を提供すること
である。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、射出シ
リンダを駆動する射出成形機の油圧駆動装置において、
比例圧力制御弁からのパイロット圧力により制御され、
射出シリンダからタンクに戻る作動油を制御して射出シ
リンダの圧力を制御するためのメインリリーフ弁と、射
出シリンダの駆動速度を制御するための比例方向流量制
御弁と射出シリンダとの間に設けられたメイン減圧弁と
を有し、前記メイン減圧弁用のパイロット圧力として、
該比例圧力制御弁から得られる前記メインリリーフ弁用
のパイロット圧力を共用することを特徴とする射出成形
機の油圧駆動装置が得られる。
【0015】本発明によればまた、射出成形の充填工程
では、前記パイロット圧力を前記比例圧力制御弁によっ
て所定値以上に高くすることにより前記メイン減圧弁を
全開にすると共に前記メインリリーフ弁を全閉にし、前
記比例方向流量制御弁によって制御することにより前記
メイン減圧弁および前記メインリリーフ弁により射出シ
リンダの圧力制御を行い、計量工程では、前記比例方向
流量制御弁により前記メイン減圧弁に作動油を供給し、
前記比例圧力制御弁により射出シリンダの圧力制御を行
うことを特徴とする前記射出成形機の油圧駆動装置が得
られる。これによって、優れた圧力制御特性と、高いエ
ネルギ効率とが実現される。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の一形態による射出成形機の油圧駆動装置を説明す
る。
【0017】図1は、本発明の実施の一形態による射出
成形機の油圧駆動装置を示す図である。尚、図1におい
て、従来例と同一部あるいは同様部には図2と同符号を
付し、説明を省略する。
【0018】図1を参照して、本油圧駆動装置は、射出
シリンダ1を駆動する射出成形機の油圧駆動装置であっ
て、射出シリンダ1の駆動速度を制御するための比例方
向流量制御弁3´と射出シリンダ1との間に設けられ、
パイロット圧により制御されるメイン減圧弁6を有して
いる。メイン減圧弁6用のパイロット圧としては、比例
圧力制御弁8から得られるメインリリーフ弁7用のパイ
ロット圧を共用する。
【0019】そして、本油圧駆動装置は、射出成形の計
量工程および保圧工程にて、射出シリンダ1の圧力制御
を行う際に、メイン減圧弁6およびメインリリーフ弁7
の両方を用いる。比例方向流量制御弁3´は、計量工程
および保圧工程のいずれのときにも、メイン減圧弁6へ
流量を供給する。
【0020】本油圧駆動装置は、射出成形機の各工程中
にて、以下のように動作する。
【0021】計量工程中では、スクリュ回転用油圧モー
タ2への作動油の供給流量の制御は、図2に示した従来
例と同様である。スクリュ回転用油圧モータ2への作動
油の供給流量の制御の際には、比例方向流量制御弁3´
により、メイン減圧弁6に流量を供給する。これによ
り、メイン減圧弁6とメインリリーフ弁7とを使用し
て、射出シリンダ1の圧力制御を行う。
【0022】保圧工程中では、比例圧力制御弁8に与え
られた圧力指令に基づいて、メイン減圧弁6と、メイン
リリーフ弁7により、射出シリンダ1の圧力制御を行
う。昇圧時にはメイン減圧弁6から作動油を供給する一
方、降圧時にはメインリリーフ弁7により圧抜きを行
う。
【0023】射出工程中は、図2に示した従来例と基本
的に同じ動作である。ただし、本油圧駆動装置は、比例
圧力制御弁8に十分大きい指令を入れることで、メイン
リリーフ弁7を全閉とすると共に、メイン減圧弁6を全
開とすることで、メイン減圧弁6が速度制御に悪影響を
与えることを防止する。
【0024】
【発明の効果】本発明による射出成形機の油圧駆動装置
は、射出シリンダの駆動速度を制御するための比例方向
流量制御弁と射出シリンダとの間に設けられ、パイロッ
ト圧により制御されるメイン減圧弁を有し、メイン減圧
弁用のパイロット圧として、比例圧力制御弁から得られ
るメインリリーフ弁用のパイロット圧を共用すると共
に、計量工程、保圧工程時に比例方向流量制御弁からメ
イン減圧弁に流量を供給するため、計量工程、保圧工程
それぞれにおける圧力制御特性に優れていると共に、エ
ネルギ効率が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態による射出成形機の油圧
駆動装置を示す図である。
【図2】従来例による射出成形機の油圧駆動装置を示す
図である。
【符号の説明】
1 射出シリンダ 2 スクリュ回転用油圧モータ 3、3´ 比例方向流量制御弁 4 負荷圧補償弁 5 補償圧切換弁 6 メイン減圧弁 7 メインリリーフ弁 8 比例圧力制御弁 9 タンク 10 油圧源 11 流量制御弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺田 眞司 千葉県千葉市稲毛区長沼原町731番地1 住友重機械工業株式会社千葉製造所内 (56)参考文献 特開 平5−4265(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 45/00 - 45/84 B22D 17/32 F15B 11/00 - 11/22

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 射出シリンダを駆動する射出成形機の油
    圧駆動装置において、比例圧力制御弁からのパイロット圧力により制御され、
    射出シリンダからタンクに戻る作動油を制御して射出シ
    リンダの圧力を制御するためのメインリリーフ弁と、 射出シリンダの駆動速度を制御するための比例方向流量
    制御弁と射出シリンダとの間に設けられたメイン減圧弁
    とを有し該メイン減圧弁用のパイロット圧力として、前記比例圧
    力制御弁から得られる前記メインリリーフ弁用のパイロ
    ット圧力を共用する ことを特徴とする射出成形機の油圧
    駆動装置。
  2. 【請求項2】 射出成形の充填工程では、前記パイロッ
    ト圧力を前記比例圧力制御弁によって所定値以上に高く
    することにより前記メイン減圧弁を全開にすると共に前
    記メインリリーフ弁を全閉にし、前記比例方向流量制御
    弁によって制御することにより前記メイン減圧弁および
    前記メインリリーフ弁により射出シリンダの圧力制御を
    行い、 計量工程では、前記比例方向流量制御弁により前記メイ
    ン減圧弁に作動油を供給し、前記比例圧力制御弁により
    射出シリンダの圧力制御を行うことを特徴とする請求項
    1に記載の射出成形機の油圧駆動装置。
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