JP3437414B2 - フォーカス制御装置 - Google Patents

フォーカス制御装置

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JP3437414B2
JP3437414B2 JP18200897A JP18200897A JP3437414B2 JP 3437414 B2 JP3437414 B2 JP 3437414B2 JP 18200897 A JP18200897 A JP 18200897A JP 18200897 A JP18200897 A JP 18200897A JP 3437414 B2 JP3437414 B2 JP 3437414B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスク装置等
において焦点位置を光ディスク記録面上に追従させるフ
ォーカス制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フォーカス誤差信号の検出法として、光
学系の非点収差を用いる非点収差法がある。非点収差法
では、光ディスクの記録面が対物レンズの焦点位置にあ
るときに非点収差光学系の反射光の断面が円形となる位
置に4分割センサを設置する。そして、4分割センサか
ら得られた4つのセンサ信号A,B,C,Dを演算回路
で演算合成することによりフォーカス誤差信号FEを得
る。例えば、FE=(A+B)−(C+D)の演算によって
フォーカス誤差信号を生成する。以下に、非点収差法の
フォーカス誤差信号について簡単に説明する。
【0003】まず、光ディスクの記録面が対物レンズの
焦点位置にある場合、4分割センサ上のビーム断面は円
形となり、フォーカス誤差信号FEは零となる((A+
B)=(C+D))。光ディスクが対物レンズの焦点よ
り対物レンズに近づくと4分割センサ上の反射光の断面
は縦長の楕円となりフォーカス誤差信号FEは正の値と
なる((A+B)>(C+D))。逆に、光ディスクが
対物レンズの焦点より遠ざかると4分割センサ上の反射
光の断面は横長の楕円となりフォーカス誤差信号FEは
負の値となる((A+B)<(C+D))。
【0004】このようにして、対物レンズの焦点位置と
光ディスクの記録面とのずれ(以下、デフォーカスとい
う)に応じた信号がフォーカス誤差信号FEとして得ら
れる。非点収差法によるフォーカス誤差信号の検出は、
構成が簡単で検出感度が良好であることから、よく利用
されているフォーカス誤差信号検出方法である。
【0005】しかし、4分割センサと入射ビームとの位
置ずれや、4分割センサの感度ばらつき、さらには各セ
ンサ信号を増幅する増幅器の増幅率ばらつき等に起因し
て、光ディスクの記録面が対物レンズの焦点位置にある
にもかかわらず、フォーカス誤差信号FEの値が零とは
ならず、オフセット誤差が生じる場合がある。
【0006】このため、フォーカス誤差信号のオフセッ
ト調整が正しくなされていない光ディスク装置では、記
録面が対物レンズの焦点位置と合っていない状態(デフ
ォーカス状態)で記録再生が行われることになる。この
場合、デフォーカスによる反射光量の低下や周波数特性
の劣化等の問題が発生し、光ディスク装置の信頼性が低
下する。
【0007】このように、良好な記録再生に不可欠のオ
フセット調整を自動的に行う光ディスク装置として、特
開平8−7300号公報に開示されたものがある。この
光ディスク装置は、装置全体の制御を行うためのシステ
ム制御手段と、光ディスク装置のフォーカスサーボ制御
手段の他に以下のようなフォーカス制御装置を備えてい
る。つまり、このフォーカス制御装置は、オフセットを
検出するためにサーボループに注入するウォブリング信
号を生成するウォブリング信号生成手段と、ウォブリン
グ信号生成手段により生成されたウォブリング信号をフ
ォーカスサーボループに注入するためのウォブリング信
号加算手段と、ウォブリング信号を注入したときにフォ
ーカス和信号又はピット再生信号から特定信号のみを抽
出する特定信号抽出手段と、特定信号抽出手段により抽
出された特定信号のエンベロープを検出するエンベロー
プ検波手段と、エンベロープ検波手段で検出した特定信
号のエンベロープ値をサンプルホールドするサンプルホ
ールド手段と、ウォブリング信号の正区間及び負区間の
それぞれのサンプルホールド手段によりサンプルホール
ドされた特定信号のエンベロープ値を積算するための積
算手段と、積算手段によるウォブリング信号の正区間及
び負区間のそれぞれの特定信号エンベロープの積算結果
を比較する比較手段と、比較手段の結果からフォーカス
誤差信号に加えるオフセット電圧を算出し出力するオフ
セット算出手段と、オフセット算出手段により出力され
たオフセット電圧をフォーカス誤差信号に加算するため
のオフセット加算手段とを備えている。
【0008】上記のような構成により、記録再生を行う
光ディスクの状態や記録再生環境の違いを考慮し、周囲
温度の変化や部品特性の経年変化に対しても常に最適な
フォーカスオフセット調整が自動的に行われる。その結
果、光ディスクの情報再生の信頼性が向上する。調整工
程の簡素化により、光ディスク装置の生産効率の向上に
も寄与する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来のフォーカス制御装置は、ウォブリング信号
を注入する際、フォーカス制御系に悪影響を与えること
があった。フォーカス制御系にウォブリング信号を注入
すると、ウォブリング信号の振幅に応じた振幅の振動が
対物レンズに生じる。そして、このウォブリング信号の
振幅と対物レンズの振動振幅との関係は、フォーカス制
御系の周波数特性に大きく依存する。また、フォーカス
制御系の周波数特性は、フォーカス制御系を形成するフ
ォーカス誤差信号生成部の利得、演算部の利得、更に駆
動部とフォーカスアクチュエータの利得ばらつき等、様
々な要因で変化する。その結果、ウォブリング信号の振
幅に対する対物レンズの振動振幅がばらつくことにな
る。このばらつきが大きい場合には、フォーカス制御が
外れるという不具合が発生する。
【0010】本発明は上記のような従来の問題点に鑑
み、フォーカス制御系の周波数特性がばらついても安定
した自動オフセット調整(焦点位置調整)が行われるフ
ォーカス制御装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によるフォーカス
制御装置の第1の構成は、光ディスクからの反射光を受
光し、複数個のセンサ信号を出力するセンサ手段と、セ
ンサ手段の複数個のセンサ信号を合成してフォーカス誤
差信号を生成する誤差信号合成手段と、光ディスクから
の反射光より前記光ディスクの記録情報を再生する情報
再生手段と、フォーカス誤差信号及び前記情報再生手段
の再生信号を入力し駆動信号を出力する演算手段と、駆
動信号に比例した駆動電流を出力する駆動手段と、駆動
手段の駆動電流に応じて対物レンズを駆動するフォーカ
スアクチュエータとを備え、演算手段は、フォーカス誤
差信号に所定のウォブリング信号を付加した信号を出力
するウォブリング手段と、ウォブリング手段の出力信号
を入力し、少なくとも位相補償演算及び増幅演算を行い
駆動信号を出力する位相補償手段と、ウォブリング信号
及び情報再生手段の再生信号に応じて焦点位置を調整す
る焦点調整手段と、ウォブリング信号とフォーカス誤差
信号に応じて位相補償手段の増幅演算の利得を調整する
利得調整手段とを備え、焦点調整手段の動作を利得調整
手段の動作完了後に行うことを特徴とする。
【0012】上記の誤差信号合成手段は、複数個のセン
サ信号を演算合成した後に所定のオフセット信号を加算
してフォーカス誤差信号を生成し、焦点調整手段は、ウ
ォブリング信号と情報再生手段の再生信号に応じて、誤
差信号合成手段の所定のオフセット信号を変化させるこ
とにより焦点位置を調整することが好ましい。
【0013】また、上記の焦点調整手段が動作するとき
のウォブリング手段のウォブリング信号の周波数は、利
得調整手段の動作後のフォーカス制御帯域内の周波数で
あることが好ましい。更に、焦点調整手段は、ウォブリ
ング手段がウォブリング信号をフォーカス誤差信号に付
加してから所定時間経過後に動作を開始することが好ま
しい。
【0014】本発明によるフォーカス制御装置の第2の
特徴は、光ディスクからの反射光を受光し、複数個のセ
ンサ信号を出力するセンサ手段と、センサ手段の複数個
のセンサ信号を合成してフォーカス誤差信号を生成する
誤差信号合成手段と、光ディスクからの反射光より光デ
ィスクの記録情報を再生する情報再生手段と、フォーカ
ス誤差信号及び情報再生手段の再生信号を入力し駆動信
号を出力する演算手段と、駆動信号に比例した駆動電流
を出力する駆動手段と、駆動手段の駆動電流に応じて対
物レンズを駆動するフォーカスアクチュエータとを備
え、演算手段は、フォーカス誤差信号に所定のウォブリ
ング信号を付加した信号を出力するウォブリング手段
と、ウォブリング手段の出力信号を入力し、少なくとも
位相補償演算及び増幅演算を行い駆動信号を出力する位
相補償手段と、ウォブリング信号及び情報再生手段の再
生信号に応じて焦点位置を調整する焦点調整手段と、ウ
ォブリング信号及びフォーカス誤差信号に応じて位相補
償手段の増幅演算の利得を調整する利得調整手段と、焦
点調整手段の動作を利得調整手段の動作完了後に行う動
作制御手段とを備えていることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施形態に
係るフォーカス制御装置のブロック図である。図1にお
いて、光ディスク113はモータ114により回転駆動
される。4分割センサ101により光ディスク113か
らの反射光を電気信号に変換し、それぞれのセンサに対
応したセンサ信号A,センサ信号B,センサ信号C,セ
ンサ信号Dを出力する。誤差信号合成器102は、セン
サ信号A,B,C,Dと後述の演算装置103のオフセ
ット信号OFを入力し、フォーカス誤差信号FEを出力
する。
【0016】図2に誤差信号合成器102の具体的な回
路図を示す。図2において、加算器201の一方の入力
端子には4分割センサ101のセンサ信号Aが入力さ
れ、他方の入力には4分割センサ101のセンサ信号B
が入力されている。また、加算器202の一方の入力端
子には4分割センサ101のセンサ信号Cが入力され、
他方の入力には4分割センサ101のセンサ信号Dが入
力されている。また、減算器203の+側の入力端子に
は加算器201の出力信号が入力され、−側の入力端子
には加算器202の出力信号が入力されている。これに
より、減算器203の出力信号は、センサ信号A,B,
C,Dを用いて、(A+B)−(C+D)の演算結果と
なる。
【0017】また、図2の加算器204の一方の入力端
子には減算器203の出力信号が入力され、他方の入力
にはオフセット信号OFが入力されている。そして、加
算器204の出力信号はフォーカス誤差信号FEとして
出力される。以下、図2の誤差信号合成器102の動作
について説明する。
【0018】図9に焦点位置を光ディスク113の記録
面近傍で変化させたときの4分割センサ101と4分割
センサ101上の反射光の形状を示す。図9(b)は、
焦点位置が光ディスク113の記録面に一致した状態を
示す。この状態では、センサ信号A、B、C、Dの受光
量が等しいため、図2の減算器203の出力信号は零と
なる。
【0019】また、図9(a)と図9(c)は、焦点位
置が光ディスク113の記録面に一致していない状態を
示す。図9(a)は対物レンズ110が光ディスク11
3から遠ざかる方向にデフォーカスした場合を示す。こ
の場合、センサ信号Cとセンサ信号Dを加算した信号量
(C+D)はセンサ信号Aとセンサ信号Bを加算した信
号量(A+B)より大きいため、図2の減算器203の
出力信号は負の信号となる。更に、図9(c)は対物レ
ンズ110が光ディスク113に近づく方向にデフォー
カスした場合を示す。この場合、センサ信号Aとセンサ
信号Bを加算した信号量(A+B)はセンサ信号Cとセ
ンサ信号Dを加算した信号量(C+D)より大きいた
め、図2の減算器203の出力信号は正の信号となる。
【0020】以上のようにして、図2の減算器203の
出力信号は、焦点位置のずれ量(デフォーカス量)に対
応した量となり、対物レンズ110が光ディスク113
に近づく方向にデフォーカスした場合、正の値となる。
【0021】またオフセット信号OFが零の場合、フォ
ーカス誤差信号FEは、デフォーカス量に対応した量と
なり、対物レンズ110が光ディスク113に近づく方
向にデフォーカスした場合、フォーカス誤差信号FEは
正の値となる。更に、オフセット信号OFが所定量変化
すると、加算器204によりフォーカス誤差信号FEに
オフセット信号OFが加算されているため、フォーカス
誤差信号FEも所定量だけオフセットした信号となる。
【0022】更に図1において、光ディスク113の記
録情報は、センサ111により光信号に変換され、情報
再生回路112に入力される。情報再生回路112で
は、センサ111の出力信号から所定の信号の振幅情報
を抽出し、振幅信号RF3Tとして出力する。情報再生
回路112の具体的なブロック図を図3に示す。センサ
111の出力信号はバンドパスフィルタ(BPF)30
1に入力され、帯域制限された信号が出力される。BP
F301の出力信号は、エンベロープ検波回路302に
入力され、エンベロープ検波された信号が出力される。
エンベロープ検波回路302の出力信号が振幅信号RF
3Tとして出力される。これにより、センサ111で検
出された光ディスク113上の記録情報のうち、BPF
301で抽出される信号のみが通過し、エンベロープ検
波回路302で検波され振幅信号RF3Tとして出力さ
れる。
【0023】また図1において、演算装置103は演算
器105、メモリ106、2個のDA変換器(デジタル
−アナログ変換器)107a,107b、及び2個のA
D変換器(アナログ−デジタル変換器)104a,10
4bによって構成される。誤差信号合成器102のフォ
ーカス誤差信号FEと振幅信号RF3Tとが入力される
と、演算装置103はメモリ106に内蔵されたプログ
ラムによる後述の計算処理を実行することにより、駆動
信号FODとオフセット信号OFを出力する。演算装置
103の出力する駆動信号FODは駆動回路108に入
力され、駆動回路108は電力増幅を行いフォーカスア
クチュエータ109に電力を供給して、対物レンズ11
0を駆動する。なお、駆動信号FODが正の信号の場
合、対物レンズ110に働く駆動力は、光ディスク11
3に対して、遠ざかる方向とする。
【0024】したがって、4分割センサ101(センサ
手段)と誤差信号合成器102(誤差信号合成手段)と
演算装置103(演算手段)とフォーカスアクチュエー
タ109と情報再生回路112(情報再生手段)と駆動
回路108(駆動手段)とによってフォーカス制御装置
が構成されている。
【0025】図1の演算装置103のメモリ106は、
所定のプログラムと定数が格納されたROM(リードオ
ンリーメモリ)領域106aと随時必要な値を格納する
RAM(ランダムアクセスメモリ)領域106bに別れ
ている。演算器105はROM領域106a内のプログ
ラムにしたがって所定の処理を行う。このプログラムに
よる処理の一例を図4に示すフローチャートに沿って詳
細に説明する。
【0026】まず、処理401では、後述の処理に必要
な変数値の初期設定を行う。具体的には、焦点調整部4
07の動作の初期設定として変数FOSWの内容を零に
初期化し(FOSW←0)、変数SUMの内容を零に初
期化し(SUM←0)、オフセット値FOの内容を零に
初期化する(FO←0)。また、オフセット値FOを図
1の演算装置103のDA変換器107aに出力し、オ
フセット信号OFに変換する。
【0027】処理401では更に、 後述する制御利得
調整部405の動作の初期設定として変数LGSWの内
容を零に初期化し(LGSW←0)、変数FEAの内容
を所定値FE_MINに初期化し(FEA←FE_MI
N)、変数FEBの内容を所定値FE_MAXに初期化
する(FEA←FE_MAX)。ここで、所定値FE_
MINは演算装置103の演算器105が扱い得る最小
の数値であり、所定値FE_MAXは演算装置103の
演算器105が扱い得る最大の数値である。また、後述
する位相補償部409の動作の初期設定として変数FE
_Iの値を零に初期化し(FE_I←0)、変数FAD
Dの内容を零に初期化する(FADD←0)。その後、
処理402の動作を行う。
【0028】処理402では、焦点位置を検出するフォ
ーカスサーチの動作を行う。具体的には、まず図1のフ
ォーカスアクチュエータ109に所定パターンの電流値
を供給し、対物レンズ110を光ディスク113に対し
て垂直の方向に移動させる。つぎに焦点位置が光ディス
ク113の記録面近傍に来たことをフォーカス誤差信号
FEの変化により検出して、焦点位置を検出し、フォー
カス制御の準備を行う。その後、処理403の動作を行
う。
【0029】処理403では、フォーカス誤差値FED
の入力動作を行う。すなわち、演算装置103のAD変
換器104aに入力された誤差信号合成器102のフォ
ーカス誤差信号FE信号をAD変換し、フォーカス誤差
値FEDに直す。その後、処理404の動作を行う。
【0030】処理404では、変数LGONの内容にし
たがって、つぎに行う動作を選択している。すなわち、
変数LGSWの値が零の場合、処理405の動作を行
い、変数LGSWの値が零でない場合、処理406の動
作を行う。処理404は動作制御部(動作制御手段)を
構成している。
【0031】処理405では、後述の制御利得調整部の
動作を行う。制御利得調整部の動作を行うことにより、
フォーカス制御系の周波数特性が所望の値となる。その
後、処理408の動作を行う。処理405は制御利得調
整部(利得調整手段)を構成している。
【0032】処理406では、変数FOSWの内容にし
たがって、つぎに行う動作を選択している。すなわち、
変数FOSWの値が零の場合、処理407の動作を行
い、変数FOSWの値が零でない場合、処理408の動
作を行う。
【0033】処理407では、後述の焦点調整部の動作
を行う。焦点調整部の動作を行うことにより、焦点位置
が光ディスク113の記録面に一致する。その後処理4
08の動作を行う。処理407は焦点調整部(焦点調整
手段)を構成している。
【0034】処理408では、フォーカス誤差値FED
にウォブリング信号FADDを加算した値を、誤差信号
FOEとする(FOE←FED+FADD)。その後、
処理409の動作を行う。処理408はウォブリング部
(ウォブリング手段)を構成している。
【0035】処理409では、誤差信号FOEに対して
位相補償演算を行う。具体的には、まず誤差信号FOE
をk1倍(ここでk1は、正の整数である)した値と変
数FE_Iを加算した値を新しい変数FE_Iの値とす
る(FE_I←FE_I+FOE×k1)。また変数F
E_Iの値をk2倍(ここでk2は、正の実数である)
した値と誤差信号FOEをk3倍(ここでk3は、正の
整数である)した値とを加算した値から、後述の変数F
E1の値をk4倍(ここでk4は、k3より小さい正の
整数である)した値を減算した値に変数kg(後述)の
値を乗算し、その値を変数FDの値とする(FD←(F
E_I×k2+FOE×k3−FE1×k4)×k
g)。更に誤差信号FEDの値を変数FE1の新しい値
とする(FE1←FED)。その後、処理410の動作
を行う。上記の計算を行うことにより、誤差信号FOE
の位相補償が行われ、その結果が変数FDの値となる。
変数kgの値は増幅演算の増幅率を表し、処理409は
位相補償演算部(位相補償手段)を構成している。
【0036】処理410では、変数FDの内容を演算装
置103のDA変換器107aに出力し、変数FDの値
に比例した駆動信号FODに変換する。その後、処理4
11の動作を行う。
【0037】処理411では、遅延動作を行う。すなわ
ち、処理403から処理410までの動作が所定の周期
(例えば23μs)で行われるように遅延動作を行う。
その後、処理403の動作に戻る。
【0038】以上の処理を行うことにより、フォーカス
制御系によるフォーカス制御を実現している。以下、オ
フセット信号OFが零であり、制御利得調整部405と
焦点調整部407の動作が停止している場合を例にとっ
て説明を加える。
【0039】まず、焦点位置が光ディスク113の記録
面にある場合、フォーカス誤差信号FEは零となるた
め、図4の処理403で得られたフォーカス誤差値FE
Dも零となる。処理408では変数FADDの初期値が
零のため、誤差信号FOEも零となる。誤差信号FOE
が零の場合、処理409の計算結果である変数FDの値
も零となる。変数FDの値が零の場合、駆動信号FOD
も零となり、対物レンズ110の駆動力は発生しない。
これにより、対物レンズ110は、焦点位置を光ディス
ク113の記録面に保持されることになる。
【0040】つぎに、対物レンズ110が光ディスク1
13に近づく方向にデフォーカスした場合、フォーカス
誤差信号FEは正の値となるため、図4の処理403で
得られたフォーカス誤差値FEDも正の値となる。処理
408では変数FADDの初期値が零のため、誤差信号
FOEも正の値となる。誤差信号FOEが正の値の場
合、処理409の計算結果である変数FDの値も正の値
となる。変数FDの値が正の値の場合、駆動信号FOD
が正の信号となり、対物レンズ110の駆動力は光ディ
スク113から離れる方向に働く。これにより、デフォ
ーカスが補正される。
【0041】つぎに、対物レンズ110が光ディスク1
13から離れる方向にデフォーカスした場合、フォーカ
ス誤差信号FEは負の値となるため、図4の処理403
で得られたフォーカス誤差値FEDも負の値となる。処
理408では変数FADDの初期値が零のため、誤差信
号FOEも負の値となる。誤差信号FOEが負の値の場
合、処理409の計算結果である変数FDの値も負の値
となる。変数FDの値が負の値の場合、駆動信号FOD
が負の信号となり、対物レンズ110の駆動力は光ディ
スク113に近づく方向に働く。これにより、デフォー
カスが補正される。
【0042】したがって、上記のようにフォーカス制御
系を構成すると、デフォーカスが自動的に補正される。
このようにして、フォーカス制御(焦点位置制御)が行
われる。
【0043】つぎに、オフセット信号OFが正の値であ
り、制御利得調整部405と焦点調整部407の動作が
停止している場合を考える。まず焦点位置が光ディスク
113の記録面にある場合、オフセット信号OFが正の
値のため、フォーカス誤差信号FEは正の値となる。こ
の場合、先ほどの説明と同様にして、対物レンズ110
に光ディスクから遠ざかる方向に駆動力が働き、図2の
減算器203の出力信号は、負の値となる。そして、こ
の動作はフォーカス誤差信号FEの値が零となる動作点
で定常となる。すなわち、デフォーカスにより、図2の
減算器203の出力信号は負の値となり、オフセット信
号OFと釣り合うように動作する。
【0044】この動作は、オフセット信号OFが負の値
であるときも同様である。したがって、オフセット信号
OFとして所定の電圧が付加された場合、そのオフセッ
ト信号OFの電圧値に対応した量のデフォーカスが生じ
る。処理408において変数FADDの値を変化させた
場合も同様の現象が生じる。また、図2の加算器20
1、202、204や減算器203に電気的なオフセッ
トが存在する場合も同様の現象が生じる。したがって、
フォーカス制御が正常に動作していても、図2の加算器
201、202、204や減算器203に電気的なオフ
セット等が存在する場合には、デフォーカスが生じる。
【0045】図4の制御利得調整部405を構成するプ
ログラムのフローチャートの一例を図5に示す。処理5
01では、変数SCの値に5を加算した値を新しい変数
SCの値とする(SC←SC+5)。この動作を行うこ
とにより、変数SCの内容は処理501を行うごとに5
ずつ増加する。5を加算することにより、1を加算する
よりも早く変数SCの内容が増加する。その後、処理5
02の動作を行う。
【0046】処理502では、処理501で得た変数S
Cに基づいてメモリ106のROM領域106aに格納
されている正弦波の関数テーブルを参照し、図4の処理
408の変数FADDの値を設定する。すなわち、下記
の式(数1)を用いて計算する。
【0047】
【数1】 FADD=Table(SC) ここで、Table(n)はアドレス値nの正弦波関数
テーブル値を表す。処理501で変数SCに5を加算す
ることにより、変数SCの増加が早まり、処理502に
おいてアドレス値の更新が早まる。これにより、処理5
02で1を加算するよりも高い周波数の正弦波を得てい
る。その後、処理503の処理を行う。
【0048】処理503では、フォーカス誤差値FED
と後述の変数FEAの値とを比較し、その比較結果に応
じて、つぎに行う処理を選択している。すなわち、フォ
ーカス誤差値FEDが変数FEAより大きい場合は、処
理504の動作を行い、フォーカス誤差値FEDが変数
FEAより大きくない場合、処理505の動作を行う。
【0049】処理504では、フォーカス誤差値FED
を新しい変数FEAの値とする(FEA←FED)。そ
の後、処理505の動作を行う。処理505では、フォ
ーカス誤差値FEDと後述の変数FEBの値とを比較
し、その比較結果に応じて、つぎに行う処理を選択して
いる。すなわち、フォーカス誤差値FEDが変数FEB
より小さい場合は処理506の動作を行い、フォーカス
誤差値FEDが変数FEAより小さくない場合は処理5
07の動作を行う。
【0050】処理506では、フォーカス誤差値FED
を新しい変数FEBの値とする(FEB←FED)。処
理503から処理506の動作を行うことにより、変数
FEAにはフォーカス誤差値FEDの最大値が、変数F
EBにはフォーカス誤差値FEDの最小値がそれぞれ保
持されることになる。更に、変数FEAの値から変数F
EBの値を減算した値は、フォーカス誤差値FEDの信
号振幅に対応している。その後、処理507の動作を行
う。
【0051】処理507では、変数SCと基準値SC_
REFを比較し、その結果に応じてつぎに行う処理を選
択している。すなわち、変数SCが基準値SC_REF
より大きい場合は処理508の動作を行い、変数SCが
基準値SC_REFより大きくない場合は次の処理、す
なわち、図4の処理408へ移行する。これにより、処
理501から処理506の動作が所定回実行されること
を監視している。
【0052】処理508では、変数FEA、変数FE
B、及び基準値REFに応じて図4の処理409の変数
kgの値を変更する。具体的には基準値REFの値を、
変数FEAの値から変数FEBの値を減算した値で除算
し、更に変数kgを乗算した値を新しい変数kgの値と
する。つまり、処理508では変数kgの補正計算を行
っている。その後、処理509の動作を行う。
【0053】処理509では、次の補正計算の準備のた
めに変数の初期設定を行う。すなわち、変数SCの値を
零にし(SC←0)、変数FEAの値を所定値FE_M
INにし、変数FEBの値を所定値FE_MAXにす
る。これにより、次の補正計算のための準備を行う。そ
の後、処理510の動作を行う。
【0054】処理510では、変数NLGの値に1を加
算した値を新しい変数NLGの値とする。この動作を行
うことにより、変数NLGは処理508から処理510
の動作を行うごとに内容が増加するため、処理508の
補正計算を行った回数を保持することになる。その後、
処理511の動作を行う。
【0055】処理511では、変数NLGと基準値NL
G_MAXを比較し、その結果に応じてつぎに行う処理
を選択している。すなわち、変数NLGが基準値NLG
_MAXと等しい場合は処理512の動作を行い、変数
NLGが基準値NLG_MAXと等しくない場合は次の
処理、すなわち、図4の処理408に移行する。
【0056】処理512では、変数LGSWの値を1に
する。この処理を行うことにより、次回からは、図4の
処理404の分岐判断により処理405の動作は行われ
ないことになる。
【0057】以上の処理を行うことにより、フォーカス
制御系の周波数特性を所望の値にすることができる。こ
れについて以下に説明を加える。まず、処理502で変
数FADDの値として正弦波状の値を設定しているた
め、フォーカス制御が動作している状態では、変数FA
DDの値に応じて対物レンズ110は正弦波状に振動
し、フォーカス誤差信号FEも正弦波状に振動する。
【0058】また、図4のように構成したフォーカス制
御系において、変数FADDとして正弦波状の値を加算
したときの対物レンズ110の振動振幅を図7の曲線L
Lに示す。ここで、図7の曲線LLをフォーカス制御系
の周波数特性とする。
【0059】また、図7において、横軸は対数目盛の周
波数であり、縦軸は変数FADDの振幅値に対する対物
レンズ110の振動振幅をデシベルで目盛っている。図
7の曲線LLは、周波数が所定の値(fdよりやや高い
周波数)より高い領域において、右下がりの特性となっ
ている。すなわち、周波数の高い領域においては、対物
レンズ110の振動振幅は、周波数が高くなるにつれて
減少する。
【0060】一方、周波数の低い領域では、曲線LLは
平坦な特性となっている。すなわち、周波数の低い領域
においては、対物レンズ110の振動振幅は、周波数の
変化に対してほぼ一定になる。この領域は、フォーカス
制御系が制御効果を発揮している領域であり、制御帯域
という(周波数fdより低い周波数の領域)。図7にお
いて、直線L1は周波数が高い領域での曲線LLの漸近
線を表し、直線L2は周波数が低い領域での曲線LLの
漸近線を表す。そして、直線L1と直線L2との交点の
周波数がfdである。曲線LLの特性をフォーカス制御
系の周波数特性と呼ぶ。図4の処理409の増幅演算の
変数kgが所定の値であるときの周波数特性を図8に特
性Aとして示す。また、係数kgが所定の値より小さい
ときの周波数特性を図8に特性Bとして示す。係数kg
は、フォーカス制御系の一巡伝達関数H(s)の利得を
変化させるものである。一巡伝達関数H(s)の利得が
変化すると、ウォブリング信号から対物レンズの移動量
までの伝達関数L(s)(閉ループ伝達関数)の高周波
領域における振幅特性が変化する。従って、係数kgを
変化させることにより、図8の振幅特性を特性Bから特
性Aに変化させることができる。
【0061】また、図5の処理501において、処理5
02で使用する変数SCの加算量を5とすることによ
り、処理502の正弦波の関数テーブルを間引きながら
参照している。
【0062】これにより、変数FADDに設定される正
弦波状の信号の周波数は、比較的高い周波数となる。図
8の周波数f2は、その周波数を示す。この比較的高い
周波数f2では、対物レンズ110の振動振幅が、図4
の処理409の増幅演算の係数kgの値によって大きく
異なる。
【0063】図5の処理503から処理506により、
対物レンズ110の振動振幅に対応したフォーカス誤差
値FEDの最小値と最大値を検出している。これによ
り、対物レンズ110の振動振幅が検出され、図4の処
理409の増幅演算の係数kgの大きさが検出される。
処理508において、この検出結果より対物レンズ11
0の振動が小さい場合、新しい係数kgの値が大きくな
るように補正される。
【0064】すなわち、図8の特性Bの場合、対物レン
ズ110の振動振幅が小さいために、図5の処理503
から処理506で検出されたフォーカス誤差値FEDの
振幅も小さくなる。図5の処理508において、フォー
カス誤差値FEDの振幅が小さい場合(変数FEAの値
から変数FEBの値を減算した値が小さい場合)、処理
508の補正計算の結果、変数kgは大きくなる方向に
補正される。
【0065】更に図5の処理508の基準値REFとし
て、図8の特性Aの場合の図5の処理508の変数FE
Aから変数FEBを減算した値(FEA−FEB)を用
いると、上記の補正の結果、図8の特性Bの制御利得調
整の結果は特性Aになる。特性Aの場合、図5の処理5
08のREF/(FEA−FEB)の計算結果は1にな
るために、変数kgは補正後に変化せず、一定値とな
る。このように、図5の処理508の基準値REFを適
切に設定することにより、制御利得調整後のフォーカス
制御系の周波数特性を所定の特性に設定することができ
る。 以上のようにして、フォーカス制御系の制御利得
調整が行われ、フォーカス制御の周波数特性は所望の特
性となる。
【0066】図4の焦点調整部407を構成するプログ
ラムのフローチャートの一例を図6に示す。処理601
では、変数SCの値に1を加算した値を新しい変数SC
の値とする(SC←SC+1)。この動作を行うことに
より、変数SCの内容は処理601を行うごとに1ずつ
増加する。その後、処理602の動作を行う。
【0067】処理602では、処理601で得た変数S
Cに基づいてメモリ106のROM領域106aに格納
されている正弦波の関数テーブルを参照し、図4の処理
408の変数FADDの値とする。すなわち、前記の式
(数1)を用いて計算する。その後、処理603の処理
を行う。
【0068】処理603では、変数SCの値と基準値S
C_THとを比較し、その比較結果に応じて、つぎに行
う処理を選択している。すなわち、変数SCの値が基準
値SC_THより大きい場合は、処理604の動作を行
い、変数SCの値が基準値SC_THより大きくない場
合、次の処理、すなわち、図4の処理408へ移行す
る。処理603の動作を行うことにより、変数FADD
の所定回数だけ値が設定されることを監視している処理
604では、図1の情報再生回路112の振幅信号RF
3Tを入力し、デジタル値に変換して、振幅値M3Tと
する。その後、処理605の動作を行う。
【0069】処理605では、変数FADDの値と零を
比較し、その比較結果に応じて、つぎに行う処理を選択
している。すなわち、変数FADDの値が零より大きい
場合は、処理606の動作を行い、変数FADDの値が
零より大きくない場合、処理607の動作を行う。
【0070】処理606では、変数SUMの値に振幅値
M3Tを加算した値を新しい変数SUMの値とする(S
UM←SUM+M3T)。その後、処理608の動作を
行う。
【0071】処理607では、変数SUMの値から振幅
値M3Tを減算した値を新しい変数SUMの値とする
(SUM←SUM−M3T)。変数SUMの値に振幅値
M3Tを加減算するときに、変数FADDの値に対応し
て加減算している。これにより、変数SUMの値は、振
幅値M3Tの値を変数FADDに関して同期検波した値
となる。すなわち、振幅値M3Tと変数FADDの値が
正弦波状に振動した場合、両者の位相が一致したときに
変数SUMの内容は正の数値となり、両者の位相が約1
80度異なったときに変数SUMの内容は負の数値とな
る。その後、処理608の動作を行う。
【0072】処理608では、変数SCの値と基準値S
C_REF1とを比較し、その比較結果に応じて、つぎ
に行う処理を選択している。すなわち、変数SCの値が
基準値REF1と一致した場合は処理609の動作を行
い、変数SCの値が基準値REF1と一致しない場合は
次の処理、すなわち、図4の処理408へ移行する。こ
の処理を行うことにより、所定回数だけ変数FADDに
値が設定され、所定回数の同期検波動作を行うことを監
視している。
【0073】処理609では、変数SUMの値と零を比
較し、その比較結果に応じて、つぎに行う処理を選択し
ている。すなわち、変数SUMの値が零より大きい場合
は、処理610の動作を行い、変数SUMの値が零より
大きくない場合、処理611の動作を行う。
【0074】処理610では、オフセット値FOと補正
値DFOを加算した値を新しいオフセット値FOとする
(FO←FO+DFO)。補正値DFDは、1以上の正
数で、ここでは1とする。
【0075】処理611では、オフセット値FOから補
正値DFOを減算した値を新しいオフセット値FOとす
る(FO←FO−DFO)。その後、処理612の動作
を行う。
【0076】処理612では、オフセット値FOを図1
の演算装置103のDA変換器107aに出力し、オフ
セット信号OFに変換する。処理610から処理612
において、オフセット信号OFの補正動作を行ってい
る。その後、処理613の動作を行う。
【0077】処理613では、次の補正動作の準備のた
めに変数の初期設定を行う。すなわち、変数SCの値を
零にし(SC←0)、変数SUMの値を零にする(SU
M←0)。これにより、次の補正動作のための準備を行
う。その後、処理614の動作を行う。
【0078】処理614では、変数NFOの値に1を加
算した値を新しい変数NFOの値とする。この動作を行
うことにより、変数NFOは処理609から処理613
までの動作を行うごとに内容が増加するため、補正演算
を行った回数を保持することになる。その後、処理61
5の動作を行う。処理615では、変数NFOと基準値
NFO_MAXを比較し、その結果に応じてつぎに行う
処理を選択している。すなわち、変数NFOが基準値N
FO_MAXと等しい場合は、処理616の動作を行
い、変数NFOが基準値NFO_MAXと等しくない場
合は、次の処理、すなわち、図4の処理408に移行す
る。
【0079】処理616では、変数FOSWの値を1に
する。この処理を行うことにより、次回からは、図4の
処理406の分岐判断により、処理407の動作は行わ
れないことになる。
【0080】以上のような制御により、自動焦点調整が
行われる。以下に説明を加える。まず、図6の処理60
1において、処理602で使用する変数SCに1を加算
することにより、処理502の正弦波の関数テーブルを
間引きながら参照している。これにより、変数FADD
の設定される正弦波状の信号は、比較的低い周波数とな
る。この比較的低い周波数がフォーカス制御の制御帯域
内に設定されていると、変数FADDの信号に対応して
対物レンズ110が振動する。
【0081】焦点位置が光ディスク113の記録面に一
致している場合には、図1の情報再生回路112の振幅
信号RF3Tの値は最大となり、図6の処理604の振
幅値M3Tも最大値となる。更に、焦点位置から対物レ
ンズ110がデフォーカスするにしたがって、振幅信号
RF3Tと振幅値M3Tは小さくなる。
【0082】ここで、対物レンズ110が焦点位置から
デフォーカスした位置で振動すると、デフォーカス方向
の違いにより、変数FADDの変動と振幅値M3Tの変
動との位相が約180度異なる。すなわち、対物レンズ
110が光ディスク113から遠ざかる方向にデフォー
カスしている場合、変数FADDが増加すると、対物レ
ンズ110は光ディスク113から更に遠ざかる方向に
移動し、振幅値M3Tの値は減少する。よって変数FA
DDと振幅値M3Tの増減関係の位相は約180度異な
る。一方、対物レンズ110が光ディスク113に近づ
く方向にデフォーカスしている場合、変数FADDが増
加すると、対物レンズ110が光ディスク113から遠
ざかる方向移動するため、デフォーカスが改善され、振
幅値M3Tの値は増加する。よって変数FADDと振幅
値M3Tの増減関係の位相は一致する。
【0083】図6の処理602により変数FADDの値
を正弦波状に変化させて、処理605から処理607に
より、変数FADDに同期して振幅値M3Tを検出して
いるため、デフォーカスの方向が検出できる。
【0084】処理609では、処理605から処理60
7の処理により検出したデフォーカスの方向に応じて、
オフセット値FOを補正している。これによりデフォー
カスが補正される。
【0085】すなわち、対物レンズ110が光ディスク
113から遠ざかる方向にデフォーカスしている場合、
変数FADDと振幅値M3Tの増減関係の位相は180
度異なるため、変数SUMの同期検波結果は負の数値と
なる。変数SUMの値が負の場合は、処理処理611で
オフセット値FOを負方向に補正している。これによ
り、対物レンズ110は光ディスク113に近付く方向
に移動し、デフォーカスが補正される。
【0086】一方、対物レンズ110が光ディスク11
3に近付く方向にデフォーカスしている場合、変数FA
DDと振幅値M3Tの増減関係の位相は一致するため、
変数SUMの同期検波結果は正の数値となる。変数SU
Mの値が正の場合は、処理処理610でオフセット値F
Oを正方向に補正する。これにより、対物レンズ110
は光ディスク113から遠ざかる方向に移動し、デフォ
ーカスが補正される以上のようにして、図6のような焦
点調整部407の動作を行うことにより、フォーカス制
御系の焦点調整が行われる。
【0087】また本実施形態では、図4の変数LGSW
を用いて、制御利得調整部405と焦点調整部407の
動作を制御している。すなわち図4の動作制御部404
により、変数LGSWが0の場合は焦点調整部407の
動作を行わない。また変数LGSWは、制御利得調整部
405の動作が完了すると図5の処理512により1に
設定される。その結果、図4の動作制御部404の動作
により、焦点調整部407の動作が行われるようにな
る。
【0088】図4のような処理によって、焦点調整部4
07の動作の前に制御利得調整部405の動作を必ず行
うようにしている。これにより焦点調整部407の動作
が安定する。以下、このことについて説明を加える。
【0089】図5の処理503の増幅演算の変数kgが
所定の値のとき、つまり制御利得調整部405が動作し
た後の周波数特性が図8に特性Aとして示されている。
また、変数kgが所定の値より小さいとき、つまり制御
利得調整部405が動作していないときの周波数特性が
図8に特性Bとして示されている。また、焦点調整時の
対物レンズ110の振動周波数f1が図8に示されてい
る。
【0090】図8において、特性Aの場合の周波数f1
での対物レンズ110の振動振幅はR3であるが、特性
Bの場合の周波数f1での対物レンズ110の振動振幅
はR4となる。図8に示すように、フォーカス制御系に
おいて制御利得調整が行われていない場合の周波数特性
(図8の特性B)では、対物レンズ110の振動が大き
い。対物レンズ110の揺れが大きい場合、フォーカス
制御系の制御限界を超えてフォーカス制御が不可能にな
るおそれがある。
【0091】しかし本実施形態のように、焦点調整部4
07の動作を行う前に制御利得調整部405の動作を行
うと、図8の特性Aに示す周波数特性となるため、周波
数f1での対物レンズ110の振動振幅は、初期の周波
数特性の状態によらないで一定となる。これにより、焦
点調整部407の動作の安定度が向上する。
【0092】また本実施形態では、図8の周波数f1を
フォーカス制御の制御帯域内に設定している。これによ
り周波数f1の値が多少変化した場合にも、対物レンズ
110の振動振幅は所定量に維持される。これにより更
に、焦点調整部407の動作の安定度が向上する。
【0093】更に本実施形態では、図6の処理603に
おいて、変数SCの値が所定値SC_THになるのを待
っている。これは、変数FADDに値が設定されてから
所定時間経過後に振幅信号RF3Tを取り込むためのも
のである。このように構成することにより、対物レンズ
110の振動が整定されてから焦点調整部407の補正
計算の動作が開始するため、振幅信号RF3Tの検出精
度が向上し、焦点調整部407の調整精度が更に向上す
る。
【0094】上記のように、焦点調整部407の動作よ
り前に制御利得調整部405の動作を行うことにより、
焦点調整部407の調整精度及び安定度が向上する。な
お本実施形態では、誤差信号合成部においてオフセット
信号を加算してフォーカス誤差信号のオフセットを調整
する構成としたが、複数個のセンサ信号を所定の合成比
で合成加算してフォーカス誤差信号を生成し、オフセッ
ト信号により合成比を変化させるようにしても同様の効
果が得られる。
【0095】また、焦点調整部の動作において、本実施
形態では誤差信号合成部のオフセット信号を変化させて
焦点位置を調整するようにしたが、変数FADDに直流
オフセットを与えるようにしてもよい。
【0096】また、本実施形態では変数FADDへの設
定値を変化させることによりウォブリング信号の付加を
実現したが、誤差信号合成部のオフセット信号を変化さ
せても同様の効果が得られる。
【0097】また、フォーカス誤差信号の生成法とし
て、本実施形態では非点収差法を使用したが、ナイフ・
エッジ法やその他の検出法を用いてもよい。フォーカス
誤差の検出方式によらず同様の効果が得られる。
【0098】更に、演算装置をハードウエアによって構
成し、本実施形態のプログラムによる動作と同じ動作を
行わせるようにしてもよい。その他、本発明の主旨から
逸脱することなく、上記の実施形態に種々の変更を加え
て実施することが可能である。
【0099】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、焦点調整
部の動作より前に制御利得調整部の動作を行うことによ
り、焦点調整部の動作の安定度が向上する。したがっ
て、フォーカス制御系の初期状態によらず安定な焦点調
整が可能となり、種々の光ディスク装置に本発明による
フォーカス制御装置を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るフォーカス制御装置の
構成図
【図2】図1のフォーカス制御装置を構成する誤差信号
合成器の例を示す回路図
【図3】図1のフォーカス制御装置を構成する情報再生
回路の例を示すブロック図
【図4】図1のフォーカス制御装置を構成する演算装置
による処理の例を示すフローチャート
【図5】図4のフローチャート中の制御利得調整の処理
を示すフローチャート
【図6】図4のフローチャート中の焦点調整の処理を示
すフローチャート
【図7】図1のフォーカス制御装置における対物レンズ
の振動振幅の周波数特性を示すグラフ
【図8】図1のフォーカス制御装置による焦点調整にお
ける対物レンズの振動振幅の周波数特性を示すグラフ
【図9】4分割センサと反射光のスポット形状を示す図
【符号の説明】
101 4分割センサ 102 誤差信号合成器 103 演算装置 108 駆動回路 109 フォーカスアクチュエータ 112 情報再生回路 404 動作制御部 405 制御利得調整部 407 焦点調整部 408 ウォブリング部 409 位相補償部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−11774(JP,A) 特開 平1−220229(JP,A) 特開 平8−249682(JP,A) 特開 平2−247827(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 7/09 - 7/10

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ディスクからの反射光を受光し、複数
    個のセンサ信号を出力するセンサ手段と、前記センサ手
    段の複数個のセンサ信号を合成してフォーカス誤差信号
    を生成する誤差信号合成手段と、前記光ディスクからの
    反射光より前記光ディスクの記録情報を再生する情報再
    生手段と、前記フォーカス誤差信号及び前記情報再生手
    段の再生信号を入力し駆動信号を出力する演算手段と、
    前記駆動信号に比例した駆動電流を出力する駆動手段
    と、前記駆動手段の駆動電流に応じて対物レンズを駆動
    するフォーカスアクチュエータとを備え、 前記演算手段は、前記フォーカス誤差信号に所定のウォ
    ブリング信号を付加した信号を出力するウォブリング手
    段と、前記ウォブリング手段の出力信号を入力し、少な
    くとも位相補償演算及び増幅演算を行い前記駆動信号を
    出力する位相補償手段と、前記ウォブリング信号及び前
    記情報再生手段の再生信号に応じて焦点位置を調整する
    焦点調整手段と、前記ウォブリング信号及び前記フォー
    カス誤差信号に応じて前記位相補償手段の増幅演算の利
    得を調整する利得調整手段とを備え、前記焦点調整手段
    の動作を前記利得調整手段の動作完了後に行うことを特
    徴とするフォーカス制御装置。
  2. 【請求項2】 誤差信号合成手段は、複数個のセンサ信
    号を演算合成した後に所定のオフセット信号を加算して
    フォーカス誤差信号を生成し、焦点調整手段は、ウォブ
    リング信号及び情報再生手段の再生信号に応じて、前記
    誤差信号合成手段の所定のオフセット信号を変化させる
    ことにより焦点位置を調整することを特徴とする請求項
    1記載のフォーカス制御装置。
  3. 【請求項3】 焦点調整手段が動作するときのウォブリ
    ング手段のウォブリング信号の周波数は、利得調整手段
    の動作後のフォーカス制御帯域内の周波数であることを
    特徴とする請求項1記載のフォーカス制御装置。
  4. 【請求項4】 焦点調整手段は、ウォブリング手段がウ
    ォブリング信号をフォーカス誤差信号に付加してから所
    定時間経過後に動作を開始することを特徴とする請求項
    1記載のフォーカス制御装置。
  5. 【請求項5】 光ディスクからの反射光を受光し、複数
    個のセンサ信号を出力するセンサ手段と、前記センサ手
    段の複数個のセンサ信号を合成してフォーカス誤差信号
    を生成する誤差信号合成手段と、前記光ディスクからの
    反射光より前記光ディスクの記録情報を再生する情報再
    生手段と、前記フォーカス誤差信号及び前記情報再生手
    段の再生信号を入力し駆動信号を出力する演算手段と、
    前記駆動信号に比例した駆動電流を出力する駆動手段
    と、前記駆動手段の駆動電流に応じて対物レンズを駆動
    するフォーカスアクチュエータとを備え、 前記演算手段は、前記フォーカス誤差信号に所定のウォ
    ブリング信号を付加した信号を出力するウォブリング手
    段と、前記ウォブリング手段の出力信号を入力し、少な
    くとも位相補償演算及び増幅演算を行い前記駆動信号を
    出力する位相補償手段と、前記ウォブリング信号及び前
    記情報再生手段の再生信号に応じて焦点位置を調整する
    焦点調整手段と、前記ウォブリング信号及び前記フォー
    カス誤差信号に応じて前記位相補償手段の増幅演算の利
    得を調整する利得調整手段と、前記焦点調整手段の動作
    を前記利得調整手段の動作完了後に行う動作制御手段と
    を備えていることを特徴とするフォーカス制御装置。
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