JP3435847B2 - 電動機の固定子鉄芯 - Google Patents
電動機の固定子鉄芯Info
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- Iron Core Of Rotating Electric Machines (AREA)
- Induction Machinery (AREA)
Description
用電動機などの家電機器に用いられる電動機の固定子鉄
芯に関するものである。
機器の高効率化が進み、これに伴いこれらの機器に使用
される電動機として、より効率の良い電動機が要求され
ている。
率を上げるため、鉄芯に巻く巻線の線径を大きくする、
ヨーク部の幅を大きくする、ティース幅を大きくするな
どの方法がとられていた。しかし、線径やティース幅を
大きくする場合には、スペースファクターの関係上、巻
線の作業性が悪くなる一方、ヨーク部の幅を大きくする
場合には、鉄芯の径が大きくなるという欠点を有してい
た。
ル巻の単相誘導電動機における固定子鉄芯を示すもので
ある。図において、4はヨーク部、5a,5b,5c,
5dはそれぞれ同一幅を有するティース部、6はスロッ
ト、Mは主巻線、Aは補助巻線である。この固定子鉄芯
では、主巻線電流とコンデンサにより位相のずれた補助
巻線電流とにより回転磁界が発生し、図5では反時計方
向に回転子が回転する。主巻線Mのスロット6と補助巻
線Aのスロット6とが隣接する間に存在するティース部
5a,5b,5c,5dには、主巻線電流と補助巻線電
流との位相差により、両スロット6,6に施された巻線
に同時にティース部5a,5b,5c,5dに同方向の
磁束を発生させるような電流が流れるため、磁束密度が
高くなり磁気飽和が発生する場合がある。
には巻線に流れる電流が大きくなり、効率が低下する場
合があった。
下に説明する。図5の
イルを一方の端子から巻線を巻き始めたとき、紙面下か
ら上へコイルが入ることを示し、
ている。
を、IAは補助巻線電流波形を示している。図6の電流
波形は、上記第1マークの巻線に流れる電流を示すもの
である。
トに挿入された巻線の電流による磁束について考えるこ
ととする。
通りティース部5aは、両側に隣接するスロット6,6
に挿入された主巻線M及び補助巻線Aに流れる電流によ
る磁束が共に同じ方向であるため、ティース部5aに流
れる磁束量が大きくなる。
5bは、両側に隣接するスロット6,6にそれぞれ挿入
された補助巻線Aに流れる電流による磁束が、互いに反
対方向であるためティース部5bに流れる磁束量が小さ
くなる。
5cは、両側に隣接するスロット6,6に挿入された主
巻線M及び補助巻線Aに流れる電流による磁束が共に同
じ方向であるため、ティース部5cに流れる磁束量が大
きくなる。
補助巻線電流それぞれの絶対値は等しいが、電磁誘導の
法則より時刻Xaの方が時刻Xcよりも大きい電流が二
次導体に流れるため、ティース部5aがティース部5c
に比べて磁束量が多くなる。
の高い順に並べると、ティース部5a、ティース部5
c、ティース部5bの順になる。
界解析を行った結果、回転子の回転方向に補助巻線A、
主巻線Mの順で並ぶスロット6,6間のティース部5a
において磁束量が多く磁気飽和が確認された。
するものであり、磁気飽和の発生するティース部の幅を
大きくし磁束量の小さい部分のティース部の幅を小さく
することにより、スロット自身の大きさは変えず、した
がって巻線の作業性を悪くすることなく、かつ、鉄芯の
径も変えずに、磁気飽和を防ぎ、効率を上昇させること
を可能とする電動機の固定子鉄芯を提供することであ
る。
に本発明は、電動機の固定子鉄芯において、主巻線電流
と補助巻線電流の相互の影響により、磁束量の多いティ
ース部の磁気飽和を防止するために、主巻線のスロット
と補助巻線のスロットとが隣接する間に存在するティー
ス部の幅を大きくする一方、磁束量の少ないティース部
すなわち主巻線のスロット同士が隣接する間に存在する
ティース部及び補助巻線のスロット同士が隣接する間に
存在するティース部の幅を、それぞれ、上記磁束量の多
いティース部の幅より小さくし、各ティース部に磁束が
均一に分布するようにすることにより、ティース部の磁
気飽和を抑え電流を減少させて効率の向上を可能とする
ものである。
ク部と、該ヨーク部より固定子鉄芯中心側に径方向沿い
に突出した複数のティース部とを備えた電動機の固定子
鉄心において、前記ティース部は、幅広ティース部と幅
狭ティース部とが交互に配置されて構成している。
において、上記ティース部は、主巻線のスロット及び補
助巻線のスロット間に位置する第1ティース部を幅広テ
ィース部と、主巻線のスロット同士が隣接する間に位置
する第2ティース部及び補助巻線のスロット同士が隣接
する間に位置する第3ティース部を幅狭ティース部とす
る構成としている。
ヨーク部より固定子鉄芯中心側に径方向沿いに突出した
複数のティース部とを備えた電動機の固定子鉄心におい
て、前記ティース部は、幅広ティース部と幅狭ティース
部から構成され、かつこの2つのティース部の幅(T 1
+T 2 )の合計と、ヨーク部の幅(W)が大略等しく構
成している。
の発明において、主巻線のスロット及び補助巻線のスロ
ット間に位置するティース部を幅広ティース部、主巻線
のスロット同士が隣接する間及び補助巻線のスロット同
士が隣接する間に位置するティース部を幅狭ティース部
としている。
求項3のいずれか1項に記載の電動機の固定子鉄芯を有
する電動機であり、請求項6にかかる発明は、前記電動
機を有する家電機器である。
ースは幅が広くなるので磁気飽和がなく鉄芯の磁束密度
は均一になり、巻線に流れる電流が減少することによっ
て効率を上昇させることができる。
家電機器に用いられる電動機の固定子鉄芯に関する本発
明の実施例を図面を参照しながら説明する。
極誘導電動機の固定子鉄芯を示すものである。
内周面より、スロット3を間に挟みながら、固定子鉄芯
の径方向に固定子鉄芯の中心に向かって突出した多数の
ティース部2a,2b,2c,2dを一体的に形成して
いる。これらのティース部は、図1に矢印で示された回
転子の回転方向とは反対方向沿いに、ティース部2a、
ティース部2b、ティース部2c、ティース部2dが順
に配置され、これら4つのティース部2a,2b,2
c,2dが1組となって、合計4組のティース部が形成
されている。
方向沿いに、補助巻線A、主巻線Mの順に並ぶスロット
3,3間に存在している。上記ティース部2b及び2d
は、同じ極内に存在している。すなわち、ティース部2
bは補助巻線A,Aのスロット3,3間に存在し、ティ
ース部2dは主巻線M,Mのスロット3,3間に存在す
る。上記ティース部2cは上記回転子の回転方向に主巻
線M、補助巻線Aの順に並ぶスロット3,3間に存在し
ている。なお、1つのティース部において上記回転子の
回転方向沿いの幅は、スロット開口部分近傍を除き、固
定子鉄芯の径方向沿いにおいて同一寸法をとる。
相違はティース部の幅についてである。すなわち、ティ
ース部2a及び2cには、主巻線M、補助巻線Aに流れ
る電流による磁束が共に同じ方向であるためティース部
2a,2cに流れる磁束量が大きくなるので幅を広くし
ている。一方、ティース部2bは、補助巻線Aに流れる
電流による磁束が互いに反対方向であるためティース部
2bに流れる磁束量が小さくなり該ティース部2bの幅
をティース部2a及び2cより狭くしている。さらに、
ティース部2dは、主巻線Mに流れる電流による磁束が
互いに反対方向であるためティース部2dに流れる磁束
量が小さくなり該ティース部2dの幅をティース部2a
及び2cより狭くしている。言い換えれば、従来の固定
子鉄芯のティース部は総てその幅が同一であったが、第
1実施例では、ティース部2a,2b,2c,2dにお
いてその幅が順に大小大小となるように配置されてい
る。この第1実施例において、これらの相違点以外の構
成は、図5の従来例と同一構成である。
幅のティース部2a,2cと小さな幅のティース2b,
2dとが交互に配置されるため、各スロット3がヨーク
部1と大きな幅のティース部と小さな幅のティース部と
で構成されることになり、図2に示すように、スロット
開口部の中心がヨーク部1の中心に対して等角度間隔に
(すなわち、図2では角度α毎に)配置されることにな
る。この結果、巻線有効面積は同一となる。また、1つ
のスロットにおいて、該スロットを形成する2つのティ
ース部に流れる磁束の合計は、当該スロットを形成する
ヨーク部に流れる磁束とほぼ等しいので、大、小のティ
ース部の幅の合計とヨーク部の幅は同一にしてもよい。
すなわち、ヨーク部1の幅をW、主巻線及び補助巻線間
のティース部2a,2cの幅をT1、同種巻線間のティ
ース部2b,2dの幅をT2としたとき、これらの間
に、W=T1+T2の関係式が成立するようにしてもよ
い。具体的な数値例としては、鉄芯の外形寸法が79m
mの場合、W=7.2mm、T1=4mm、T2=3mm
で、7.2≒4+3となっている。
子鉄芯のティース部の最大磁束密度は、図5の従来品と
比較して、図1の第1実施例の固定子鉄芯は約10%低
下し磁束の分布が均一になった。また電流値は約5%の
減少であり、それに伴い効率も約5%向上している。こ
のとき、上記固定子鉄芯の外形寸法は79mm、ヨーク
部の幅寸法は7.2mm、従来品のティース部の幅寸法
は3mm、第1実施例の固定子鉄芯のティース部の幅寸
法T1は4mm、T2は3mmである。
の誘導電動機固定子鉄芯である。第1実施例とはティー
ス部の構成は同一であり、巻き線の仕方のみ異なる。す
なわち、第1実施例では、固定子鉄芯が4極用であるの
で、ヨーク部1の中心に対して90度の間隔内に、回転
子の回転方向沿いに主巻線M、主巻線M、補助巻線A、
補助巻線Aの順に配置されている。これに対して、第2
実施例では、固定子鉄芯が2極用であるので、ヨーク部
1の中心に対して180度の間隔内に、回転子の回転方
向沿いに主巻線M、主巻線M、主巻線M、主巻線M、補
助巻線A、補助巻線A、補助巻線A、補助巻線Aが配置
されている。
の場合、解析の結果、回転子の回転方向に補助巻線A、
主巻線Mの順に並ぶスロット3,3間に存在するティー
ス部2aにおいて磁束の飽和が確認されるため、このテ
ィース部8aの幅を大きくして、磁束を均一に分布させ
る。また、第2実施例にかかる2極の固定子鉄芯の場
合、回転子の回転方向にかかわらず補助巻線Aと主巻線
Mとが隣接するスロット9,9間に存在するティース部
8aにおいて磁束の飽和が確認されるため、このティー
ス部8aの幅を大きくして、磁束を均一に分布させる。
誘導電動機固定子鉄芯を示す図である。第1実施例の固
定子鉄芯においては、ティース部2a,2cの幅がティ
ース部2b,2dの幅より大きく、ティース部2aと2
cでは同一幅、ティース部2bと2dでは同一幅であっ
たが、第3実施例では、ティース部11aが最大幅を持
ち、ティース部11bと11dが同一幅でかつティース
部11aより幅が小さく、ティース部11cが最も幅が
小さくなるように構成している。言い換えれば、ティー
ス部11aからティース部11b、ティース部11cに
向かうに従いその幅が小さくなり、ティース部11cか
らティース部11d、ティース部11aに向かうに従い
その幅が大きくなるようにしている。この結果、第3実
施例では、ティース部の幅の変更に伴いスロットの大き
さも異なっている。すなわち、図4では補助巻線Aのス
ロット12bを主巻線Mのスロット12aに比べて小さ
くしている。
定されず、これらの実施例に限定されるものでなく、モ
ータの使用に応じて、磁束が大きくなるティース部の幅
を大きくするとともに、磁束が小さくなるティース部の
幅を小さくして、結果として磁束量が固定子鉄芯全体に
均一に分布するようにティース部を設計すればよい。従
って、例えば、複数のティース部のうち、磁束が大きく
なるティース部が1つだけある場合には、そのティース
部の幅のみ他のティース部より大きくするようにしても
よい。また、ティース部の幅を異ならせる場合、その異
ならせる量は、磁束の大きさなどに応じて適宜決定すれ
ばよい。
さらには一般的な単相誘導電動機の固定子鉄芯に適用す
ることができる。
助巻線電流の相互の影響により、磁束量の多いティース
部の磁気飽和を防止するために、主巻線のスロットと補
助巻線のスロットとが隣接する間に存在するティース部
の幅を大きくする一方、磁束量の少ないティース部すな
わち主巻線のスロット同士が隣接する間に存在するティ
ース部及び補助巻線のスロット同士が隣接する間に存在
するティース部の幅を、それぞれ、上記磁束量の多いテ
ィース部の幅より小さくし、各ティース部に磁束が均一
に分布するようにした。この結果、スロット自身の大き
さを変えることがないので、巻線の作業性を悪くするこ
とがなく、かつ、鉄芯の径も変えずにティース部の磁気
飽和を抑えることができ、巻線に流れる電流を減少させ
て効率の高い優れた電動機を実現できるものである。ま
た、スロット自身の大きさを変えないので、巻線の有効
面積を減らさず設計の余裕度を確保することが可能とな
る。
の固定子鉄芯を示す説明図
の中心が等角度間隔であることを説明するための説明図
の固定子鉄芯を示す説明図
3実施例における4極用誘導電動機の固定子鉄芯を示す
説明図
を示す説明図
す図
よる磁束の流れを示す図
の流れを示す図
よる磁束の流れを示す図
a,8b,8c,8d,11a,11b,11c,11
d ティース部 3,6,9,12a,12b スロット M 主巻線 A 補助巻線
Claims (6)
- 【請求項1】 ヨーク部(1,7,10)と、該ヨーク
部より固定子鉄芯中心側に径方向沿いに突出した複数の
ティース部(2a,2b,2c,2d,8a,8b,8
c,8d,11a,11b,11c,11d)とを備え
た電動機の固定子鉄心において、前記ティース部は、幅
広ティース部と、幅狭ティース部とが交互に配置されて
構成されていることを特徴とするの電動機の固定子鉄
芯。 - 【請求項2】 ティース部は、主巻線(M)のスロット
(3,9,12a)及び補助巻線(A)のスロット
(3,9,12b)間に位置する第1ティース部を幅広
ティース部と、主巻線(M)のスロット(3,9,12
a)同士が隣接する間に位置する第2ティース部及び補
助巻線(A)のスロット(3,9,12b)同士が隣接
する間に位置する第3ティース部を幅狭ティース部とし
ていることを特徴とする請求項1に記載の電動機の固定
子鉄心。 - 【請求項3】 ヨーク部(1,7,10)と、該ヨーク
部より固定子鉄芯中心側に径方向沿いに突出した複数の
ティース部(2a,2b,2c,2d,8a,8b,8
c,8d,11a,11b,11c,11d)とを備え
た電動機の固定子鉄心において、前記ティース部は、幅
広ティース部と幅狭ティース部から構成され、かつこの
2つのティース部の幅(T 1 +T 2 )の合計と、ヨーク部
の幅(W)が大略等しいことを特徴とする電動機の固定
子鉄芯。 - 【請求項4】 主巻線のスロット及び補助巻線のスロッ
ト間に位置するティース部を幅広ティース部、主巻線の
スロット同士が隣接する間及び補助巻線のスロット同士
が隣接する間に位置するティース部を幅狭ティース部と
していることを特徴とする請求項3に記載の電動機の固
定子鉄心。 - 【請求項5】 請求項1から請求項4のいずれか1項に
記載の電動機の固定子鉄芯を有する電動機。 - 【請求項6】 請求項5に記載の電動機を有する家電機
器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25679794A JP3435847B2 (ja) | 1993-10-21 | 1994-10-21 | 電動機の固定子鉄芯 |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26331693 | 1993-10-21 | ||
JP13295194 | 1994-06-15 | ||
JP6-132951 | 1994-06-15 | ||
JP5-263316 | 1994-06-15 | ||
JP25679794A JP3435847B2 (ja) | 1993-10-21 | 1994-10-21 | 電動機の固定子鉄芯 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0865973A JPH0865973A (ja) | 1996-03-08 |
JP3435847B2 true JP3435847B2 (ja) | 2003-08-11 |
Family
ID=27316614
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25679794A Expired - Lifetime JP3435847B2 (ja) | 1993-10-21 | 1994-10-21 | 電動機の固定子鉄芯 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3435847B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4096908B2 (ja) | 2004-03-31 | 2008-06-04 | 株式会社豊田自動織機 | 回転電機の製造方法 |
JP2007166710A (ja) * | 2005-12-09 | 2007-06-28 | Toyota Motor Corp | 回転電機 |
CN113364157B (zh) * | 2021-06-11 | 2024-08-23 | 珠海格力节能环保制冷技术研究中心有限公司 | 定子铁芯组件、定子组件和电机 |
-
1994
- 1994-10-21 JP JP25679794A patent/JP3435847B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0865973A (ja) | 1996-03-08 |
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