JP3435376B2 - カラー陰極線管用シャドウマスク及びカラー陰極線管 - Google Patents

カラー陰極線管用シャドウマスク及びカラー陰極線管

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    • H01J2229/0727Aperture plate
    • H01J2229/0788Parameterised dimensions of aperture plate, e.g. relationships, polynomial expressions
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  • Electrodes For Cathode-Ray Tubes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカラー陰極線管用
シャドウマスク及びカラー陰極線管に係り、より詳しく
平面イメージの実現のためのカラー陰極線管におい
て中央部が補強された曲率構造を有するシャドウマスク
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、陰極線管は例えば、テレビジョ
ン受像機またはコンピュータモニタのような映像表示装
置などに主に用いられる。図1はこのようなカラー陰極
線管を一部断面を含んで示す側面図である。
【0003】図1に示すように、パネル1の内面には赤
色、緑色、青色の蛍光体が塗布されてなる蛍光膜2が形
成され、前記パネル1の後方にはファンネル3がフリッ
トガラスによって融着され、前記ファンネルのネック部
3a内には、電子銃4が設けられる。
【0004】前記パネル1の内面に塗布された蛍光膜2
の近接位置に、電子銃4から発射された電子ビーム5の
各色線ごとに作用をするシャドウマスク6がフレーム7
に固定された状態で設けられる。前記フレーム7に固定
された支持ばね8がパネル1の側壁に固定されたスタッ
ドピン9を圧接し、前記フレーム7はこれにより前記パ
ネル1の側壁に吊された状態で固定される。また、前記
フレーム7の一側面には蛍光膜2へ移動する電子ビーム
5を外部の地磁界から保護するためのインナシールド1
0が固定ばね11によって結合される。
【0005】一方、ネック部3aの外周面には電子ビー
ム5が正確に所定の蛍光体を打撃するようにその進行軌
道を修正する2、4、6極のマグネット13が装着さ
れ、陰極線管の外周面には陰極線管の動作時に外部衝撃
による破損を防止するための補強帯12が巻き付けられ
る。
【0006】このような陰極線管の基本的構造におい
て、前記シャドウマスク6は設計された曲率半径を有す
るように成形され、前記パネル1に対して一定間隔を置
く配置をもってパネルと一緒にパネルアセンブリを形成
する。これにより、電子銃4から放射された3本の電子
ビーム5はシャドウマスク6を介してパネル1の内面に
形成された蛍光体を正確に打撃できるようになって画像
を再現する。
【0007】図2はパネルアセンブリの横断面図であ
る。次に、図2に基づいて前記シャドウマスク6の曲率
及び配置状態をより詳細に説明する。
【0008】通常、シャドウマスク6の曲率半径サイズ
は、パネル1の内面曲率半径をRp、シャドウマスク6
の曲率半径をRmとする時、対角軸を基準として0.7
0<Rm/Rpの関係を有するように設計される。これ
により、パネル1の内面曲率半径Rpが与えられると、
シャドウマスク6の曲率半径Rmは一次的にパネル内面
の曲率半径Rpに依存する関係を有する。
【0009】このようなパネルの内面曲率に対する一次
的依存性と共に、シャドウマスク6は画像の色純度を決
定するグループ配列(grouping rate :G/R)を考慮
して設計され、これと関連して図3A〜図3Cに基づい
て、電子ビームの配列(間隔)G/Rは次のような式で
表現される。
【0010】
【数1】
【0011】ここで、 S:偏向ヨーク成分 Q:シャドウマスクのスロットからパネル内面までの距
離 Ph:シャドウマスクスロット中心間の距離(またはス
ロットのピッチ=A) L:偏向ヨークの電子ビーム偏向中心からパネル内面ま
での距離 B:G(緑)ビームを中心としてR(赤)、B(青)ビ
ーム中心間の距離 A:スロットのピッチ(Ph)
【0012】前記電子ビーム配列(G/R)は一般的な
カラー陰極線管からシャドウマスク6の全有効面にわた
って、所定の蛍光ドットに電子ビームが正確に打撃され
て色の純度を高めることのできる配列、即ちG/R=
1.000(Just)で設定される。
【0013】これをさらに具体的に説明すると、前記パ
ネル1の内面曲率半径Rpが定められると、偏向ヨー
ク、即ち偏向ヨーク成分Sが決定され、位置ごとの電子
ビームの入射角度が決定された偏向ヨークの成分Sによ
って決定される。
【0014】また、シャドウマスク6のスリットを通過
する3本のビームの相対的配列を示した図3Cに示すよ
うに、(A)で表示されるシャドウマスク6の限界水平
ピッチphが与えられた映像信号に適したスクリーンの
解像度を満足させるために決定され、パネル1、ファン
ネル3、偏向ヨークが決定されると、偏向ヨークの偏向
中心からパネル1の内面までの距離Lが決定される。
【0015】従って、パネルの内面曲率の変化に従って
シャドウマスク6の曲率及び曲率半径Rmの変化が要求
されると、前記L及びSが定数なので、スロットのピッ
チPhが変化されなければならない。さらに詳しくは前
記式によって電子ビームの配列が一定の状態でシャドウ
マスク6の曲率半径Rmを小さくするためには、スロッ
ト6aのピッチPhが大きく設計され、シャドウマスク
6の曲率半径Rmを大きくするためにはスロット6aの
ピッチPhが小さく設計されなければならない。
【0016】例えば、シャドウマスク6の曲率を小さく
変化させる場合、図4Aに示すように、前記スロット水
平ピッチPhはシャドウマスク6の中心部から周辺部ま
でPh<Ph<Ph・・・<Pの関係を有す
るように設定される。このように水平方向へのスロット
のピッチPhを大きく設定する場合、限定されたシャド
ウマスク6の有効面の大きさによって垂直方向のピッチ
は、図4Bに示すように、Ph00>Phon,Ph
n/20 Phn/2n,Phn0<Phnnの関係を
もつように適切に変更される。
【0017】つまり、前述したように電子ビームの配列
G/Rは設定されたパネル1内面の曲率によって基礎的
に影響され、これによりシャドウマスク6の曲率は色純
度特性を考慮して一定の電子ビーム配列G/R、即ちG
/R=1.00で変更される。従って、通常のシャドウ
マスク6の曲率及び曲率半径Rmは基礎設計基準値
(0.70<Rm/Rp)及び一定の電子ビーム配列
(G/R=1.00)のもとでパネル1の内面曲率に依
存している。
【0018】最近、平面イメージ実現のために、パネル
1の内面曲率が平坦化(flat)するにつれて、パネルの内
面曲率半径Rpは図5に示すようにパネル1の内面中心
から長軸(X軸)、短軸(Y軸)、対角軸(D軸)の端
に行くほど小さくなる。即ち、パネル1の中心部が平坦
化される。
【0019】−長軸曲率半径(Rpx):Rpx1>R
px2>Rpx3>Rpx4>Rpx5>−−−−− −短軸曲率半径(Rpy):Rpy1>Rpy2>Rp
y3>Rpy4>Rpy5>−−−−− −対角軸曲率半径(Rpd):Rpd1>Rpd2>R
pd3>Rpd4>Rpd5>−−−−−
【0020】従って、前記シャドウマスク6の曲率及び
曲率半径Rmが前述したようにパネル1の内面曲率の構
造に依存しているので、中央部に大きい曲率半径をもつ
シャドウマスク6が設計される。
【0021】このようなシャドウマスク6において、例
えば、中央部の曲率半径が3,300mm以上の場合、
シャドウマスク6の強度が弱くなって、工程間における
シャドウマスク6の取扱い時に外部の物理的な力によっ
て容易に変形されるか、陰極線管の動作時に衝撃または
スピーカ音によってハウリング特性が低下するという問
題点が生じた。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる問題
点を解決するためのもので、その目的は、カラー陰極線
管において、設定された解像度によって適切な画像品質
を維持しながら、中央部が補強された二重曲率構造とす
ることによって全体的な強度が増加したシャドウマス
クを提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、長軸、短軸及び対角線の各方向に所定曲
率を持った有効面を含む薄板からなるカラー陰極線管用
シャドウマスクであって、前記有効面が、前記短軸又は
対角軸方向において、前記有効面の中心から所定距離に
離れて同心状に形成され、所定の曲率半径を有する中間
領域と、前記短軸又は対角軸方向に前記中間領域から連
続的に形成され、前記中間領域の曲率半径より小さい曲
率半径を有する中心領域と、前記短軸又は対角軸方向に
前記中間領域から連続的に形成され、前記中間領域の曲
率半径より小さい曲率半径を有する周辺領域とを含むよ
うにしたことを特徴とする。
【0024】そして、前記中間領域が、前記有効面の中
心から全方向における該有効面の端までの距離の1/2
以上、2/3以下である範囲内に設定され、前記長軸方
向における曲率半径が、前記薄板に隣接したパネルの内
面の曲率半径と近似であるようにし、或いは、前記長軸
方向における曲率半径が、前記有効面の中心から該有効
面の端になるほど徐々に減少するようにしたことを特徴
とする。
【0025】さらに、前記薄板に隣接するパネルの内面
の曲率半径が、該パネルの内面における長軸、短軸及び
対角軸方向の夫々において、該パネル内面の中心から該
内面の端になるほど除々に減少するようにし、或いは、
前記有効面の短軸方向の曲率半径が、前記中間領域にお
いて、最大曲率半径となり、前記中心領域及び前記周辺
領域において、該最大曲率半径より小さい曲率半径であ
るようにしたことを特徴とする。
【0026】また、前記有効面の短軸方向の曲率半径に
ついては、前記中間領域において、最大曲率半径とな
り、前記中心領域及び前記周辺領域において、該最大曲
率半径より小さい曲率半径であるようにし、前記有効面
の対角軸方向の曲率半径については、前記中間領域にお
いて、最大曲率半径となり、前記中心領域及び前記周辺
領域において、該最大曲率半径より小さい曲率半径とな
るようにしたことを特徴とする。
【0027】さらに、ビームグループ配列が、前記薄板
に設けられたスロット間のピッチに対するRビームとB
ビームの中心間距離の比率であるとき、前記中心領域に
おける前記ビームグループ配列が、1より小さく、前記
周辺領域における前記ビームグループ配列が、1より大
きくなるようにし、特に、前記ビームグループ配列が、
0.94〜1.030の範囲内に設定されることを特徴
とする。
【0028】また、本発明では、パネルと、該パネルに
隣接して配置されて長軸、短軸及び対角線の各方向に所
定曲率を有する有効面を含むシャドウマスクと、前記パ
ネルの後方に固定されるファンネルと、該ファンネルの
ネック部に備えられる電子銃とを有するカラー陰極線管
において、前記シャドウマスクが、前記短軸又は対角軸
方向に前記有効面の中心から所定距離離れた位置におい
て所定の曲率半径を有する中間領域と、前記短軸又は対
角軸方向に該中間領域から連続的に形成され、前記中間
領域の曲率半径より小さい曲率半径を有する中心領域
と、前記短軸または対角軸方向に前記中間領域から連続
的に形成され、前記中間領域の曲率半径より小さい曲率
半径を有する周辺領域とを含むことを特徴とする。 そし
て、前記カラー陰極線管において、前記所定曲率半径
が、前記短軸方向において、前記有効面の中心から該有
効面の端に行くまでの間で増加した後、減少するように
したこと、さらには、前記所定曲率半径が、前記対角軸
方向において、前記有効面の中心から該有効面の端に行
くまでの間で増加した後、減少するようにしたことを特
徴とする。
【0029】従って、上述したように本発明によるカラ
ー陰極線管用シャドウマスクは、適切な画像品質を維持
しながら全体的な強度を向上させ、外力による変形を最
小化し、陰極線管の駆動時に衝撃またはスピーカ音によ
るハウリング現象を防止することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明による好ましい実施
例を添付図面に基づいて詳細に説明する。本実施例の説
明において、同一の構成に対しては同一の名称及び同一
の符号を付し、これによる説明は略する。
【0031】図6A、図6B及び図6Cは本発明による
二重曲率構造を説明するための大略図であり、図7は球
形シェル構造(spherical shell structure)における曲
率半径に対する臨界座屈圧力を示すグラフである。これ
を参照して、本発明によるシャドウマスク6の二重曲率
構造の具現原理を説明すると、次の通りである。
【0032】一般に、カラー陰極線管の内部は高真空状
態(約10-7torr)であり、シャドウマスク6はこ
れの内部に所定の曲率を有する薄い薄板の形態で両端が
フレーム7に固定される。このようなシャドウマスク6
は、図6aに示すように、外圧を受ける両端固定の薄い
球形シェル(a clamped spherical thin shell)と仮定さ
れることができ、この臨界座屈圧力(critical buckling
pressure :Pcr)は次の式で表現される。
【0033】
【数2】
【0034】ここで、υ:ポアソン比 E:シャドウマスクの弾性係数 Rm:シャドウマスクの曲率半径 t:シャドウマスクの厚さ θ:シャドウマスクが成す角度の1/2
【0035】前記式において、関連変数間の関係を考え
ると、臨界座屈圧力Pcrがシャドウマスク6の曲率半
径Rmに反比例することが分かる。さらに、前記式に基
づいて臨界座屈圧力Pcrと曲率半径Rm間の関係を示
す線図の図7を参照すると、曲率半径Rの増加に伴って
臨界座屈圧力Pcrは急激に減少し、曲率半径の大きな
増加が無くても塑性変形が発生する。付加的に、曲率半
径Rmが曲率と反比例関係であることをまた考慮する
と、臨界座屈圧力Pcrとシャドウマスク6の曲率との
間には比例関係が成り立つ。
【0036】一方、平面イメージを実現するカラー陰極
線管において、シャドウマスク6は前記理論的シェル構
造とは異なる曲率を有し、このような実際的シャドウマ
スク6の曲率が図6Bに示される。
【0037】平面イメージは実質的にパネル中央部の内
面曲率値が曲率半径の体表値4R(1R=1.767×
対角長さ(diagonal distance))の場合に実現される。こ
のようなパネルに前述された設計基準値(design refere
nce)(0.7<Rm/Rp)を適用すると、例えば27
インチパネル(対角長さ676mm)の場合、シャドウ
マスク6周辺部の曲率半径RmはRm>3300である
反面、シャドウマスク6中央部の曲率半径Rm′はR
m′=5000と殆ど平坦化される。
【0038】即ち、シャドウマスク6周辺部の曲率半径
Rmpによる曲率関数をf1(x,y)、シャドウマス
ク6中央部の曲率半径Rmcによる曲率関数をf2
(x,y)とすると、前記パネルによるシャドウマスク
6はf1(x,y)とf2(x,y)の2つの曲率構造
を有する。
【0039】このような曲率構造では前記曲率半径Rm
と臨界座屈圧力Pcr間の関係から明らかなように、平
面曲率関数f1(x,y)が適用される領域は相当小さ
い臨界座屈圧力Pcrを有する。さらに詳しくは、高真
空下で受ける圧力によって発生する応力はシャドウマス
ク6に垂直方向にのみ発生される。
【0040】従って、シャドウマスク6の中央部臨界強
度の補償のために、図6Cに示すように、本発明による
新しい曲率関数g1(x,y)がシャドウアスク6の設
計に適用される。前記曲率関数g1(x,y)は前記図
6Bに示すように通常の2つの曲率関数f1(x,
y)、f2(x,y)と構造的に安定した曲率関数f3
(x,y)を含んでなる。
【0041】さらに詳しくは、本発明による曲率関数g
1(x,y)は、前記f1(x,y)及びf2(x,
y)とf3(x,y)の算術平均から得られる。従っ
て、前記曲率関数g1(x,y)による曲率半径Rは基
本設計曲率f1(x,y)、f2(x,y)が出会う地
点、即ち基本設計曲率変曲部の付近を中心として互いに
反対側の円周方向に沿って小さくなる。
【0042】ここで、本発明による曲率関数g1(x,
y)は設計及び加工の容易性のためにシャドウマスク6
の三つの基準軸、長軸(X軸)、短軸(Y軸)、対角軸
(D軸)(図示せず)の全てに適用されない。即ち、シ
ャドウマスク6の長軸(X軸)上の曲率半径Rxはパネ
ル1の内面半径Rpによって設計され、短軸(Y軸)曲
率半径Ry及び対角軸(D軸)曲率半径Ryは前記g1
(x,y)によって設計される。前記それぞれの軸の長
さが互いに相対的に無次元化され、曲率関数g1(x,
y)の曲率の反曲点が(x3,y3)に設定されると、
本発明による曲率半径Rは結果的に次のように表現され
る。
【0043】−長軸曲率半径(Rx):Rx1>Rx2
>Rx3>Rx4>Rx5>−−− −短軸曲率半径(Ry):Ry1<Ry2<Ry3>R
y4>Ry5>−−− −対角軸曲率半径(Rd):Rd1<Rd2<Rd3>
Rd4>Rd5>−−
【0044】図8は前記図6Cに大略的に示された曲率
関数g1(x,y)によって実現される曲率構造を2次
元平面上に示すものである。図8に示した等高線におい
て間隔が狭い区間はシャドウマスク6の曲率半径Rが小
さく、広い区間は曲率半径Rが大きいことを意味する。
これを参照して本発明によるシャドウマスク6の全体的
な曲率変化をさらに詳細に説明すると、次の通りであ
る。
【0045】シャドウマスク6の中心からそれぞれの軸
方向に任意の距離がl1、l2(l1>0、l1≪l
2)であり、シャドウマスク6の中心からそれぞれの軸
方向に有効面の端から距離がL(l2<L)の時、l1
とl2の間には最大曲率半径Rmaxを有する所定領域
Fが本発明による曲率関数g1(x,y)に基づいて同
心状(concentric)、即ち各軸に対称となるように形成さ
れる。このような領域Fを中心として、領域Fの内側領
域、シャドウマスク6の中央部と領域Fの外側領域、シ
ャドウマスク6の周辺部はそれぞれRmaxよりは小さ
い曲率半径R′、R″を有する。
【0046】シャドウマスク6の中心から有効面までの
距離Lの1/2地点において曲率変化による色純度特性
が最も安定なので、前記最大曲率半径Rmaxをもつ領
域Fは1/2Lと同じか大きく且つ2/3Lと同じか小
さい領域に位置することが好ましい。即ち、領域Fの範
囲が1/2L≦F≦2/3Lに設定されることが好まし
い。これにより、本発明による曲率は色純度特性の劣化
無しに実現されることができる。
【0047】図9A、図9B、図9Cは前記シャドウマ
スク6の全体的な曲率構造をさらに詳細に示すためのも
ので、27インチパネルに基づいてシャドウマスク6の
中心からそれぞれの軸方向(X軸,Y軸,D軸)曲率半
径の変化を示す。
【0048】図9Bと図9Cに示すように、短軸(Y
軸)、対角軸(D軸)方向のシャドウマスクの曲率半径
(Ry,Rd)はシャドウマスクの中心と有効面の端と
の間の所定領域で最大曲率半径Rmaxを有することが
分かる。さらに、短軸(Y軸)、対角軸(D軸)のシャ
ドウマスク曲率半径Ry,Rdはまた前記最大曲率半径
Rmaxを中心として徐々に減少する小さい曲率半径
(Ry′,Ry″)、(Rd′,Rd″)を有すること
が分かる。
【0049】一方、図9Aに示すように、長軸(X軸)
方向のシャドウマスク6の曲率はパネルの内面曲率と近
似するように中心部で最大曲率を有し、有効面の端まで
段々減少する曲率半径を有する。
【0050】ここで、曲率と曲率半径との間には反比例
関係が成り立つので、実際各軸方向に形成される曲率
は、前記図9A、図9B及び図9Cに示した線図に対し
て反転された形態で展開されることが理解される。
【0051】図10はこのようなそれぞれの軸による曲
率半径の変化を比較して示すものである。図10を参照
してそれぞれの軸による曲率変化を各領域別に比較する
と、シャドウマスク6の中央部では、長軸(X軸)の曲
率半径Rxが最も大きく、対角軸(D軸)、短軸(Y
軸)の順序で前記長軸(X軸)の曲率半径Rxに比べて
相対的に低い曲率半径を有する(Rx>Rd>Ry)。
そして、最大曲率半径領域Fから周辺部領域では対角軸
(D軸)の曲率半径Rdが最も大きく、短軸(Y軸)の
曲率半径Ryが依然と最も小さい。
【0052】従って、このような曲率半径の配置によっ
てシャドウマスク6は、設計及び加工を容易にするため
に全体的に中央部の強度が補強された曲率構造を有す
る。一方、前述した本発明による曲率構造を形成するに
際して、画像の品質、即ち色純度(purity)を決定する電
子ビームの配列も重要な要素である。
【0053】以下、本発明の曲率構造による電子ビーム
配列を説明するに先だって、図3Cを参照して三つに大
きく区別される電子ビームの配列をさらに詳しく説明す
る。一般に、デグループ配列(G/R>1)は中心ビー
ムのGビームとサイドビームのR、Bビーム間の距離B
が水平ピッチPhより広い状態であり、これに対して、
グループ配列(G/R<1)は距離Bが水平ピッチPh
より狭い状態であり、正しい(just)配列(G/R=1)
は距離Bと水平ピッチPhとが同一な状態である。
【0054】このような電子ビームの配列は正しい(jus
t)配列を中心としてG/R=1.000±Xのような式
で表現され、±Xはグループまたはデグループ比率とい
う。また、電子銃から放射されたR、G、Bそれぞれの
電子ビームがパネル1の内面蛍光体に塗布されたR、
G、B蛍光ドットを打撃する時、近くの蛍光ドットを発
光させないほどの余裕を純度余裕度という。
【0055】前述したように、グループ配列は距離Bに
比べて相対的に水平ピッチPh間の間隔が大きいので、
同一比率Xの下でグループ配列の純度余裕度がデグルー
プ配列の純度余裕度より約2倍ほど大きいのが一般的で
ある。従って、同一の純度設定時には、グループ比率
(−X)はデグループ比率(+X)より2倍大きく設計
されてもよい。
【0056】一方、一定領域の電子ビーム配列G/Rが
グループ配列(−X)によって設計されると、他の変数
が定数である条件の下で、電子ビームの配列と反比例関
係の水平ピッチPhが大きく設計され、これによりグル
ープ比率(−X)をもつ領域は曲率半径が小さい構造的
に安定した曲率を有するように設計されてもよい。
【0057】前述したように、シャドウマスク中央部の
強度を補強するために、本発明の曲率構造による電子ビ
ームの配列は、シャドウマスクの中央部はグループ配列
(G/R<1)、シャドウマスクの周辺部はデグループ
配列(G/R>1)となるように設定される。
【0058】このような電子ビームの配列が本発明によ
る曲率構造に実質的に適用されるに当たって、最大曲率
半径Rmaxをもつ領域Fを中心として変化するシャド
ウマスクの曲率に対してデグループ比率(+X)が適切
な純度を維持するように最大0.03に設定されて設計
されると、グループ比率(−X)は最大0.06まで設
定可能である。即ち、電子ビームの配列はシャドウマス
ク6全体にわたって0.94≦G/R≦1.030の範
囲内に存在するとともに、画像実現時に適切な画像品質
を維持することができる。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は設定され
た解像度によって適切な画像品質を維持しながら、中央
部が補強された二重曲率構造によってシャドウマスク6
の強度を増加させることができる。従って、工程中シャ
ドウマスク6の取扱い時に不注意でシャドウマスクに外
力が加えられる場合にも変形されることが最小化され、
陰極線間の駆動時の衝撃またはスピーカ音によるハウリ
ング現象が防止される。
【0060】本明細書で只一つの実施例が説明された
が、本発明がその思想と範疇から外れない多くの他の特
定形態に具体化されうることは、当該技術に通常の知識
を有する当業者には明らかなことである。従って、上述
した実施例は制限的なものではなく、例示的なものと考
えるべきであり、本発明はここで与えられた詳細な説明
に限定されず、添付された請求項の範疇及びその同等範
囲内で変更されることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的なカラー陰極線管を一部断面を含んで示
す側面図である。
【図2】図1によるパネルアセンブリの縦断面図であ
る。
【図3】図3Aは陰極線管の構成要素の内部配置構造を
示す部分断面図、図3Bはシャドウマスクの一部を示す
正面図、図3Cは電子ビーム配列を示す概略図である。
【図4】図4A及び図4Bはシャドウマスクのピッチ配
列を示す概略図である。
【図5】パネルの内面曲率構造を2次元平面上に示す概
略図である。
【図6】図6A乃至図6Cは本発明による曲率構造を説
明するための概略図である。
【図7】球形シェル構造において曲率半径に対する臨界
座屈圧力を示すグラフである。
【図8】本発明による曲率関数g1(x,y)によって
具現される曲率構造を2次元平面上に示した概略図であ
る。
【図9】図9A乃至図9Cはシャドウマスク中心から展
開される各軸方向に対する曲率半径の変化を示すグラフ
である。
【図10】前記図9A乃至図9Cの曲率半の変化を比較
するために示すグラフである。
【符号の説明】
1…カラー陰極線管パネル 2…蛍光膜 3…ファンネル 4…電子銃 5…電子ビーム 6…シャドウマスク 6a…スロット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−302284(JP,A) 特開 平11−273586(JP,A) 特開 昭62−213044(JP,A) 特開2000−149809(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 29/07

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長軸、短軸及び対角線の各方向に所定曲
    率を持った有効面を含む薄板からなるカラー陰極線管用
    シャドウマスクであって、 前記有効面が、 前記短軸又は対角軸方向において、前記有効面の中心か
    ら所定距離に離れて同心状に形成され、所定の曲率半径
    を有する中間領域と、 前記短軸又は対角軸方向に前記中間領域から連続的に形
    成され、前記中間領域の曲率半径より小さい曲率半径を
    有する中心領域と、 前記短軸又は対角軸方向に前記中間領域から連続的に形
    成され、前記中間領域の曲率半径より小さい曲率半径を
    有する周辺領域と、を含む ことを特徴とするカラー陰極
    線管用シャドウマスク。
  2. 【請求項2】 前記中間領域は、前記有効面の中心から
    全方向における該有効面の端までの距離の1/2以上、
    2/3以下である範囲内に設定されることを特徴とする
    請求項1に記載のカラー陰極線管用シャドウマスク。
  3. 【請求項3】 前記長軸方向における曲率半径は、前記
    薄板に隣接したパネルの内面の曲率半径と近似である
    とを特徴とする請求項に記載のカラー陰極線管用シャ
    ドウマスク。
  4. 【請求項4】 前記長軸方向における曲率半径は、前記
    有効面の中心から該有効面の端になるほど徐々に減少す
    ことを特徴とする請求項に記載のカラー陰極線管用
    シャドウマスク。
  5. 【請求項5】 前記薄板に隣接するパネルの内面の曲率
    半径は、該パネルの内面における長軸、短軸及び対角軸
    方向の夫々において、該パネル内面の中心から該内面の
    端になるほど除々に減少することを特徴とする請求項
    に記載のカラー陰極線管用シャドウマスク。
  6. 【請求項6】 前記有効面の短軸方向の曲率半径は、前
    記中間領域において、最大曲率半径となり、前記中心領
    域及び前記周辺領域において、該最大曲率半径より小さ
    い曲率半径であることを特徴とする請求項1に記載のカ
    ラー陰極線管用シャドウマスク。
  7. 【請求項7】 前記有効面の対角軸方向の曲率半径は、
    前記中間領域におい て、最大曲率半径となり、前記中心
    領域及び前記周辺領域において、該最大曲率半径より小
    さい曲率半径となることを特徴とする請求項に記載の
    カラー陰極線管用シャドウマスク。
  8. 【請求項8】 ビームグループ配列が、前記薄板に設け
    られたスロット間のピッチに対するRビームとBビーム
    の中心間距離の比率であるとき、前記中心領域における
    前記ビームグループ配列は、1より小さく、前記周辺領
    域における前記ビームグループ配列は、1より大きい
    とを特徴とする請求項に記載のカラー陰極線管用シャ
    ドウマスク。
  9. 【請求項9】 前記ビームグループ配列は、0.94〜
    1.030の範囲内に設定されることを特徴とする請求
    に記載のカラー陰極線管用シャドウマスク。
  10. 【請求項10】 パネルと、該パネルに隣接して配置さ
    れて長軸、短軸及び対角線の各方向に所定曲率を有する
    有効面を含むシャドウマスクと、前記パネルの後方に固
    定されるファンネルと、該ファンネルのネック部に備え
    られる電子銃とを有するカラー陰極線管において、 前記シャドウマスクが、前記短軸又は対角軸方向に前記
    有効面の中心から所定距離離れた位置において所定の曲
    率半径を有する中間領域と、前記短軸又は対角軸方向に
    該中間領域から連続的に形成され、前記中間領域の曲率
    半径より小さい曲率半径を有する中心領域と、前記短軸
    または対角軸方向に前記中間領域から連続的に形成さ
    れ、前記中間領域の曲率半径より小さい曲率半径を有す
    る周辺領域とを含むことを特徴とするカラー陰極線管
  11. 【請求項11】 パネルと、該パネルに隣接して配置さ
    れ、長軸、短軸及び対角線の各方向に所定曲率半径を有
    する有効面を含むシャドウマスクと、前記パネルの後方
    に固定されるファンネルと、該ファンネルのネック部に
    備えられる電子銃とを有するカラー陰極線管において、 前記所定曲率半径は、前記短軸方向において、前記有効
    面の中心から該有効面の端に行くまでの間で増加した
    後、減少することを特徴とするカラー陰極線管
  12. 【請求項12】 パネルと、該パネルに隣接して配置さ
    れ、長軸、短軸及び対角線の各方向に所定曲率半径を有
    する有効面を含むシャドウマスクと、前記パ ネルの後方
    に固定されるファンネルと、該ファンネルのネック部に
    備えられる電子銃とを有するカラー陰極線管において、 前記所定曲率半径は、前記対角軸方向において、前記有
    効面の中心から該有効面の端に行くまでの間で増加した
    後、減少するシャドウマスクからなるカラー陰極線管
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