JP2000149809A - カラー受像管 - Google Patents

カラー受像管

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JP2000149809A
JP2000149809A JP10314547A JP31454798A JP2000149809A JP 2000149809 A JP2000149809 A JP 2000149809A JP 10314547 A JP10314547 A JP 10314547A JP 31454798 A JP31454798 A JP 31454798A JP 2000149809 A JP2000149809 A JP 2000149809A
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Norio Shimizu
紀雄 清水
Takuya Mashita
拓也 真下
Masachika Inoue
雅及 井上
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Toshiba Corp
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    • H01J29/00Details of cathode-ray tubes or of electron-beam tubes of the types covered by group H01J31/00
    • H01J29/02Electrodes; Screens; Mounting, supporting, spacing or insulating thereof
    • H01J29/06Screens for shielding; Masks interposed in the electron stream
    • H01J29/07Shadow masks for colour television tubes
    • HELECTRICITY
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    • H01J29/46Arrangements of electrodes and associated parts for generating or controlling the ray or beam, e.g. electron-optical arrangement
    • H01J29/80Arrangements for controlling the ray or beam after passing the main deflection system, e.g. for post-acceleration or post-concentration, for colour switching
    • H01J29/81Arrangements for controlling the ray or beam after passing the main deflection system, e.g. for post-acceleration or post-concentration, for colour switching using shadow masks
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  • Electrodes For Cathode-Ray Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 視認性や外光の映り込みが小さくなるように
外面が設定されたパネルを有するカラー受像管のシャド
ウマスクのドーミングや製造工程でのマスク本体の変形
による色純度の劣化を軽減したカラー受像管を構成する
ことを目的とする。 【解決手段】 ほぼ矩形状パネルのほぼ矩形状のシャド
ウマスクが配置されたカラー受像管において、シャドウ
マスクのマスク本体の有効面を、長軸方向の曲率がマス
ク本体の中央から中間にかけて0〜2×10-4(1/mm)
程度であり、周辺ではその中間部の曲率よりも大きく、
短軸方向の曲率が短軸上でマスク本体の中心から短軸有
効径端までの距離の少なくとも2/3までは徐々に大き
くなる連続的に変化する曲面とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、視認性や外光の
映り込みが小さくなるように外面が設定されたパネルを
有するカラー受像管の動作時のシャドウマスクのドーミ
ングや製造工程でのマスク本体の変形による生ずる色純
度の劣化を軽減したカラー受像管に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、カラー受像管は、図8に示すよ
うに、曲面からなる有効部1の周辺部にスカート部2が
設けられたほぼ矩形状のパネル3とそのスカート部2に
接合された漏斗状のファンネル4とからなる真空外囲器
を有し、そのパネル3の有効部1の内面に、黒色非発光
層とこの黒色非発光層の隙間に埋込まれるように形成さ
れた3色蛍光体層とからなる蛍光体スクリーン5が設け
られている。さらに、この蛍光体スクリーン5に対向し
て、その内側にほぼ矩形状のシャドウマスク6が配置さ
れている。一方、ファンネル4のネック8内に3電子ビ
ーム9B ,9G ,9R を放出する電子銃10が配設され
ている。そして、この電子銃10から放出される3電子
ビーム9B ,9G ,9R をファンネル4の外側に装着さ
れた偏向装置12の発生する磁界により偏向し、シャド
ウマスク6を介して、蛍光体スクリーン5を水平、垂直
走査することにより、カラー画像を表示する構造に形成
されている。
【0003】上記シャドウマスク6は、3色蛍光体層に
対して、電子銃10から放出される3電子ビーム9B ,
9G ,9R を選別するためのものであり、上記蛍光体ス
クリーン5と対向する曲面からなる有効面14に多数の
電子ビーム通過孔が形成されたほぼ矩形状のマスク本体
15と、このマスク本体15の周辺部に取付けられたほ
ぼ矩形状のマスクフレーム16とからなり、このマスク
フレーム16の各コーナー部に取付けられた楔形状の弾
性支持体17をパネル3のスカート部2の各コーナー部
に設けられたスタッドピン18に係止することにより、
パネル3の内側に着脱可能に支持されている。
【0004】一般に、カラー受像管の蛍光体スクリーン
5上に色ずれのない画像を表示するためには、マスク本
体15の電子ビーム通過孔を通過する3電子ビーム9B
,9G ,9R が3色蛍光体層を正しくランディングす
るように選別する必要がある。そのためには、パネル3
とシャドウマスク6との位置関係を正しく、とりわけ、
パネル3の有効部1内面とマスク本体15の有効面14
との間隔(q値)を所定の許容範囲に保持することが必
要である。
【0005】ところで、近年、カラー受像管は、視認性
の向上および外光の映り込みを低減させるため、パネル
3の有効部1外面の曲率を小さく(曲率半径を大きく)
して平面に近づけることが要望されている。このような
パネルは、真空外囲器の製造上の点および視認性の点か
ら、有効部1の内面の曲率を小さく(曲率半径を大き
く)する必要がある。さらに、この有効部1内面の曲率
半径の増大にともなって、適切なビームランディングを
得るために、マスク本体15の有効面14の曲率も小さ
くする必要がある。
【0006】しかし、マスク本体15の有効面14の曲
率を小さくすると、曲面保持強度が低下し、カラー受像
管製造工程で変形が生ずる。
【0007】また、カラー受像管は、動作原理上、シャ
ドウマスク6の電子ビーム通過孔を通って蛍光体スクリ
ーン5に達する電子ビームは、電子銃10から放出され
る全電子ビーム量の1/3以下であり、他の電子ビーム
は、シャドウマスク6の電子ビーム通過孔以外の部分に
衝突して熱エネルギに変換され、シャドウマスク6を加
熱する。この加熱によりシャドウマスク6は、熱膨張
し、蛍光体スクリーン5方向に膨出するドーミングをお
こす。このドーミングにより蛍光体スクリーン5とマス
ク本体15の有効面14との間隔が所定の許容範囲を越
えると、蛍光体層に対するビームランディングがずれ、
色純度の劣化が生ずる。このシャドウマスク6の熱膨張
によるビームランディングのずれの大きさは、画像パタ
ーンの輝度、そのパターンの継続時間などにより大きく
異なり、特に局部的に高輝度画像パターンを表示した場
合に局部的なドーミングが生じ、短時間のうちに局部的
にビームランディングのずれが大きく現れる。
【0008】また、マスク本体15の曲率を小さくした
場合、局部的なドーミングが大きくなることは周知であ
り、この場合も、局部的にビームランディングがずれ、
色純度の劣化が生ずる。
【0009】このマスク本体15の曲率を小さくした場
合のビームランディングのずれ対策として、特開平10
−199417号公報には、パネルの外面の曲率をほぼ
零と、平坦化されたカラー受像管のシャドウマスクとし
て、マスク本体の有効面を、長軸方向曲率をほぼ零と
し、短軸方向に一定の曲率を有する円筒状曲面としたも
のが示されている。
【0010】このような曲面にすることにより、シャド
ウマスクのドーミングの問題は、ほぼ解決できるが、こ
のようなシャドウマスクは、曲面保持強度が不十分とな
り、パネルの外面の曲率をほぼ零としたカラー受像管の
シャドウマスクの変形による色純度の劣化は、解決され
ず、依然として残る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、カラー
受像管は、視認性の向上や外光の映り込みを低減するた
め、パネルの有効部外面の曲率半径を大きくして平面に
近づけると、有効部内面も、曲率半径を大きくする必要
があり、それにともなって、シャドウマスクの有効面の
曲率半径を大きくする必要がある。しかし、シャドウマ
スクの有効面の曲率半径を大きくすると、曲面保持強度
が低下し、カラー受像管製造工程での変形や、カラー受
像管動作時の局部的なドーミングによる色純度の劣化が
問題となる。
【0012】この発明は、上記問題点に鑑みてなされた
ものであり、視認性や外光の映り込みが小さくなるよう
に外面が設定されたパネルを有するカラー受像管の動作
時のシャドウマスクのドーミングやカラー受像管製造工
程でのマスク本体の変形による生ずる色純度の劣化を軽
減したカラー受像管を構成することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】(1) ほぼ矩形状パネ
ルの有効部の内面に形成された蛍光体スクリーンに対向
してほぼ矩形状のシャドウマスクが配置され、このシャ
ドウマスクが蛍光体スクリーンと対向する曲面からなる
有効面に多数の電子ビーム通過孔が形成されたほぼ矩形
状のマスク本体と、このマスク本体の周辺部に取付けら
れたほぼ矩形状のマスクフレームとからなるカラー受像
管において、マスク本体の有効面を、長軸方向の曲率が
有効面の中心から中間にかけて0〜2×10-4(1/mm)
程度であり、長軸方向周辺でその中間部の曲率よりも大
きく、短軸方向の曲率が短軸上で有効面の中心から短軸
有効径端までの距離の少なくとも2/3までは徐々に大
きくなる連続的に変化する曲面とした。
【0014】(2) (1)のカラー受像管において、
有効面中心付近の短軸方向の曲率半径をRmVC、短軸有
効径端付近の曲率半径をRmVPとするとき、 0<RmVP/RmVC<0.4 満たすものとした。
【0015】(3) (1)のカラー受像管において、
有効面中心付近の長軸方向の曲率半径をRmHC、有効面
中心付近の短軸方向の曲率半径をRmVCとするとき、 RmVC/RmHC<0.3 を満たすものとした。
【0016】(4) 有効部の内面が曲面からなるほぼ
矩形状パネルと、有効部の内面に形成された蛍光体スク
リーンに対向する曲面からなる有効面に多数の電子ビー
ム通過孔が形成されたほぼ矩形状のマスク本体およびこ
のマスク本体の周辺部に取付けられたほぼ矩形状のマス
クフレームとからなるほぼ矩形状のシャドウマスクとを
有するカラー受像管において、パネルの有効部の内面
を、長軸方向の曲率が有効部の中心から中間にかけて0
〜2×10-4(1/mm)程度であり、長軸方向周辺でその
中間部の曲率よりも大きく、短軸方向の曲率が短軸上で
有効部の中心から短軸有効径端までの距離の少なくとも
2/3までは徐々に大きくなる連続的に変化する曲面と
した。
【0017】(5) (4)のカラー受像管において、
有効部中心付近の短軸方向の曲率半径をRpVC、短軸有
効径端付近の曲率半径をRpVPとするとき、 0<RpVP/RpVC<0.4 を満たすものとした。
【0018】(6) (4)のカラー受像管において、
有効部中心付近の長軸方向の曲率半径をRpHC、有効部
中心付近の短軸方向の曲率半径をRpVCとするとき、 RpVC/RpHC<0.3 を満たすものとした。
【0019】(7) (4)乃至(6)のいずれかのカ
ラー受像管において、有効部外面の曲率半径を10m 以
上に設定した。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照してこの発明の
実施の形態について説明する。
【0021】図1にその一形態であるカラー受像管を示
す。このカラー受像管は、曲面からなる有効部20の周
辺部にスカート部21が設けられたほぼ矩形状のパネル
23とそのスカート部21に接合された漏斗状のファン
ネル24とからなる真空外囲器を有する。そのパネル2
3の有効部20の内面には、黒色非発光層とこの黒色非
発光層の隙間に埋込まれるように形成された3色蛍光体
層とからなる蛍光体スクリーン25が設けられている。
また、このパネル23の内側に、図2に示すように、上
記蛍光体スクリーンと対向する曲面からなる有効面27
に多数の電子ビーム通過孔28が形成されたほぼ矩形状
のマスク本体29と、このマスク本体29の周辺部に取
付けられた断面L字形のほぼ矩形状のマスクフレーム3
0とからなるほぼ矩形状のシャドウマスク31が配置さ
れ、パネル23のスカート部21の各コーナー部に設け
られたスタッドピン32と、マスクフレーム30の各コ
ーナー部に取付けられ、上記スタッドピン32に係止す
る楔形状の弾性支持体33とにより着脱可能に支持され
ている。一方、ファンネル24のネック35内に3電子
ビーム36B ,36G ,36R を放出する電子銃37が
配設されている。
【0022】そして、この電子銃37から放出される3
電子ビーム36B ,36G ,36Rをファンネル24の
外側に装着された偏向装置38の発生する磁界により偏
向し、シャドウマスク31を介して、蛍光体スクリーン
25を水平、垂直走査することにより、カラー画像を表
示する構造に形成されている。
【0023】特にこの実施の形態においては、上記パネ
ル23の有効部20およびシャドウマスク31のマスク
本体29の有効面27が、つぎのように構成されてい
る。
【0024】すなわち、シャドウマスク31のマスク本
体29の有効面27については、その長軸(X軸)方向
の曲率が有効面27の中心から中間にかけて0〜2×1
-4(1/mm)程度であり、周辺でその中間部の曲率より
も大きく、短軸(Y軸)方向の曲率が短軸上で有効面2
7の中心から短軸有効径端までの距離の少なくとも2/
3までは徐々に大きくなるように連続的に変化する曲面
となっている。そして、有効面27中心付近の長軸方向
の曲率半径をRmHC、短軸方向の曲率半径をRmVC、短
軸有効径端付近の曲率半径をRmVPとするとき、これら
RmHC、RmVC、RmVPが、
【数1】0<RmVP/RmVC<0.4
【数2】RmVC/RmHC<0.3 を満たす曲面になっている。
【0025】一方、パネル23の有効部20について
は、視認性の向上および外光の映り込みの低減を考慮し
て、外面の曲率半径を10000mm以上と平面に近づ
け、内面については、上記マスク本体29の有効面27
と同様に、長軸方向の曲率が有効部20の中央から中間
にかけて0〜2×10-4(1/mm)程度であり、長軸方向
周辺でその中間部の曲率よりも大きく、短軸方向の曲率
が短軸上でマスク本体29の中心から短軸有効径端まで
の距離の少なくとも2/3までは徐々に大きくなるよう
に連続的に変化する曲面となっている。そして、有効部
20中央付近の長軸方向の曲率半径をRpHC、短軸方向
の曲率半径をRpVC、短軸有効径端付近の曲率半径をR
pVPとするとき、これらRpHC、RpVC、RpVPが、
【数3】0<RpVP/RpVC<0.4
【数4】RpVC/RpHC<0.3 を満たす曲面になっている。
【0026】このようにパネル23およびシャドウマス
ク31を構成すると、視認性を向上させかつ外光の映り
込みを低減して、蛍光体スクリーン25上に表示される
画像品位を良好にし、かつ、カラー受像管動作時のシャ
ドウマスク31のドーミングによる色純度の劣化、およ
びカラー受像管製造工程でのマスク本体29の変形によ
り3色蛍光体層に対するビームランディングがずれるた
めに生ずる色純度の劣化を軽減することができる。
【0027】以下、具体例として、対角寸法76cm、ア
スペクト比16:9のカラー受像管の実施例について説
明する。
【0028】
【実施例1】図3に上記カラー受像管のマスク本体の有
効面の長軸上での長軸方向曲率および短軸上での短軸方
向曲率を示す。(a)に曲線40で示したように、長軸
上の長軸方向曲率は、有効面中心から約200mmの中間
部(中心付近)にかけてはほぼ無限大であり、中間部か
ら長軸有効端にかけてその曲率が次第に大きくなってい
る。一方、短軸上の短軸方向曲率は、(b)に曲線41
で示したように、有効面中心では約0.0008(曲率
半径約1300mm)、有効面中心から約100mmの中間
部で約0.0001(曲率半径約1000mm)、短軸有
効端で約0.003(曲率半径約300mm)と、有効面
中心から中間部にかけては徐々に大きくなり、中間部か
ら短軸有効端にかけてその曲率がさらに大きくなるよう
に滑らかに連続的に変化している。
【0029】そして、中心付近の長軸方向の曲率半径R
mHC、短軸方向の曲率半径RmVC、短軸有効径端付近の
曲率半径RmVPが、 RmVP/RmVC=0.23 RmVC/RmHCがおおよそ0となっており、前記数1、
数2の関係を満たしている。
【0030】このようにマスク本体の有効面を設定する
と、シャドウマスクの曲面保持強度を高め、マスク本体
の有効面の変形を抑制でき、マスク本体の有効面の変形
によりビームランディングがずれるために生ずる色純度
の劣化を軽減できる。しかも、有効面が中央付近と周辺
付近との間に屈曲点をもたない連続的な曲面となってい
るため、パネル内面での反射像に違和感を生ずることな
く、品位良好な画像を表示するカラー受像管を構成する
ことができる。
【0031】すなわち、特開平10−199417号公
報に示されている長軸上の長軸方向曲率半径が有効面の
中心付近で無限大であり、短軸上の短軸方向曲率半径が
ほぼ一定であるシャドウマスクについては、前述したよ
うに、ドーミングにより3色蛍光体層に対するビームラ
ンディングがずれるために生ずる色純度の劣化に対して
は、ほぼ満足な特性が得られるが、曲面保持強度につい
ては不十分であった。しかし、この実施例のようにマス
ク本体の有効面を設定すると、その曲面保持強度を高
め、有効面の変形による色純度の劣化を大幅に軽減でき
る。
【0032】表1にマスク本体の有効面が球面、長軸方
向に曲率をもつ円筒面、短軸方向に曲率をもつ円筒面と
した従来のシャドウマスクとこの実施例のシャドウマス
クをそれぞれ組込んだカラー受像管のドーミングによる
ビームランディングの移動量を、また、表2にそのマス
ク本体の各有効面に約1Gの荷重を加えた場合の変形量
のシミュレーション結果を比較して示す。これら表に示
した各シャドウマスクのマスク本体有効面の中心に対す
る対角軸端の落込み量は、いずれも20mmに設定されて
いる。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】上記表の(c)は、上記特開平10−19
9417号公報のシャドウマスクであり、(a)、
(b)のシャドウマスクにくらべて、ドーミングによる
ビームランディングの移動量は、大幅に改善されてお
り、(d)のこの実施例のシャドウマスクのドーミング
によるビームランディングの移動量は、この(c)のそ
れとほぼ同じになっている。
【0036】しかし、有効面の変形量については、3色
蛍光体層に対するビームランディングが偏向方向によっ
て異なり、図4に示すように、蛍光体スクリーン25の
3色蛍光体層43B ,43G ,43R が短軸方向に細長
いストライプからなる場合は、変形しない場合のビーム
スポットを44、変形した場合のビームスポットを45
として示したように、変形によるビームランディングの
ずれによる色純度の劣化への影響は、短軸方向が最も小
さくなる。
【0037】表の(c)のシャドウマスクは、長軸方向
に変形しにくく、変形が短軸方向に発生しやすい構造と
なっているため、同一変形量であれば、(a)、(b)
のシャドウマスクにくらべて良好であるが、変形量とし
ては十分に小さいとはいえない。これに対して、この実
施例のシャドウマスクは、図5にマスク本体の有効面に
1Gの荷重を加えた場合の短軸方向変形量を曲線46に
示したように、曲線47で示した特開平10−1994
17号公報のシャドウマスクにくらべて、その短軸方向
の変形量を大幅に抑制することができる。
【0038】なお、このようなシャドウマスクのマスク
本体の有効面の曲面形状は、その中心に対する短軸上の
落込み量をZm 、中心からの距離をYm とするとき、 Zm =3.77×10-4Ym 2 +8.30×10-11
m 4+9.16×10-9Ym 6 と6次関数で表される。
【0039】これに対して、このシャドウマスクに組合
わされるパネルは、有効部外面が曲率半径10,000
0mmのほぼ平面とし、有効部内面が中心に対する短軸有
効径端の落込み量をZp 、有効部中心からの距離をYp
とするとき、 Zp =4.33×10-4Yp 2 −9.32×10-10
p 4+4.04×10-14 Yp 6 で表される曲面となっている。
【0040】このように構成すると、従来のシャドウマ
スク、特に有効面中心付近の短軸方向曲率が一定であ
り、周辺付近がそれよりも小さい一定の曲率をもつシャ
ドウマスク(特願平9−360759号明細書参照)と
比較しても、有効面の変形量を小さくでき、かつ有効面
の中央付近と周辺付近との間に屈曲点をもたないため、
パネル内面での反射像に違和感をなくし、品位良好な画
像を表示するカラー受像管を構成とすることができる。
【0041】
【実施例2】図5に示したように、特開平10−199
417号公報の長軸上の長軸方向曲率半径が有効面の中
心付近で無限大であり、短軸上の短軸方向曲率半径がほ
ぼ一定であるシャドウマスクでは、特に短軸上の中間点
よりもやや外側での変形が大きい。
【0042】したがって、図6(a)に曲線40で示す
ように、マスク本体の有効面の長軸上での長軸方向曲率
を、図3(a)に示した実施例1の長軸上での長軸方向
曲率とほぼ同様にし、特に短軸上の短軸方向曲率を、同
(b)に曲線41で示すように、中間点よりやや外側で
大きくすることにより、変形を効果的に抑制できる。
【0043】すなわち、長軸上の長軸方向曲率をやや大
きめに設定し、短軸上の短軸方向曲率を、図7に示すよ
うに、マスク本体29の有効面27の中心から短軸有効
径端間での距離LV の2/3までは徐々に大きくなり、
このLV の2/3から外側の短軸有効径端までは、その
短軸方向曲率は、小さくなるように連続的かつ滑らかに
変化する曲面とする。このとき、長軸上の長軸方向曲率
半径は、有効面27の中心から距離100mmの点で90
00mm、200mmの点で2000mmに設定されている。
【0044】このようにマスク本体29を構成すると、
シャドウマスク31のドーミングによるビームランディ
ングのずれは、実施例1の場合よりも若干大きくなる
が、十分な曲面保持強度をもたせることができ、前記実
施例1とほぼ同様の効果をもつカラー受像管を構成する
ことができる。
【0045】
【発明の効果】上述のように、マスク本体の有効面の長
軸方向および短軸方向の曲率を設定することにより、蛍
光体スクリーン上に表示される画像品位を良好にし、か
つシャドウマスクのドーミングによる色純度の劣化、お
よびカラー受像管製造工程でマスク本体が変形し、その
結果生ずるビームランディングのずれによる色純度の劣
化を軽減するカラー受像管を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の一形態であるカラー受像管の
構成を示す図である。
【図2】図2(a)は上記カラー受像管のシャドウマス
クの構成を示す平面図、図2(b)は断面で示した正面
図である。
【図3】図3(a)は実施例1のシャドウマスクのマス
ク本体有効面の長軸上の長軸方向曲率を示す図、図3
(b)は短軸上の短軸方向曲率を示す図である。
【図4】3色蛍光体層が短軸方向に細長いストライプか
らなる蛍光体スクリーンとビームランディングのずれと
の関係を説明するための図である。
【図5】上記実施例1のシャドウマスクのマスク本体有
効面の短軸方向の変形量を特開平10−199417号
公報のシャドウマスクと比較して示した図である。
【図6】図6(a)は実施例2のシャドウマスクのマス
ク本体有効面の長軸上の長軸方向曲率を示す図、図6
(b)は短軸上の短軸方向曲率を示す図である。
【図7】上記実施例2のシャドウマスクの構成を説明す
るための平面図である。
【図8】従来のカラー受像管の構成を示す図である。
【符号の説明】
20…有効部 23…パネル 25…蛍光体スクリーン 27…有効面 28…電子ビーム通過孔 29…マスク本体 30…マスクフレーム 31…シャドウマスク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 雅及 埼玉県深谷市幡羅町一丁目9番2号 株式 会社東芝深谷電子工場内 Fターム(参考) 5C031 EE01 EF05 EH04 EH06

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ほぼ矩形状パネルの有効部の内面に形成
    された蛍光体スクリーンに対向してほぼ矩形状のシャド
    ウマスクが配置され、このシャドウマスクが上記蛍光体
    スクリーンと対向する曲面からなる有効面に多数の電子
    ビーム通過孔が形成されたほぼ矩形状のマスク本体と、
    このマスク本体の周辺部に取付けられたほぼ矩形状のマ
    スクフレームとからなるカラー受像管において、 上記マスク本体の有効面は長軸方向の曲率が上記有効面
    の中心から中間にかけて0〜2×10-4(1/mm)程度で
    あり、長軸方向周辺で上記中間部の曲率よりも大きく、
    短軸方向の曲率が短軸上で上記有効面の中心から短軸有
    効径端までの距離の少なくとも2/3までは徐々に大き
    くなる連続的に変化する曲面からなることを特徴とする
    カラー受像管。
  2. 【請求項2】 有効面中心付近の短軸方向の曲率半径を
    RmVC、短軸有効径端付近の曲率半径をRmVPとすると
    き、 0<RmVP/RmVC<0.4 を満たすことを特徴とする請求項1記載のカラー受像
    管。
  3. 【請求項3】 有効面中心付近の長軸方向の曲率半径を
    RmHC、上記有効面中心付近の短軸方向の曲率半径をR
    mVCとするとき、 RmVC/RmHC<0.3 を満たすことを特徴とする請求項1記載のカラー受像
    管。
  4. 【請求項4】 有効部の内面が曲面からなるほぼ矩形状
    パネルと、上記有効部の内面に形成された蛍光体スクリ
    ーンに対向する曲面からなる有効面に多数の電子ビーム
    通過孔が形成されたほぼ矩形状のマスク本体およびこの
    マスク本体の周辺部に取付けられたほぼ矩形状のマスク
    フレームとからなるほぼ矩形状のシャドウマスクとを有
    するカラー受像管において、 上記パネルの有効部の内面は長軸方向の曲率が上記有効
    部の中心から中間にかけて0〜2×10-4(1/mm)程度
    であり、長軸方向周辺で上記中間部の曲率よりも大き
    く、短軸方向の曲率が短軸上で上記有効部の中心から短
    軸有効径端までの距離の少なくとも2/3までは徐々に
    大きくなる連続的に変化する曲面からなることを特徴と
    するカラー受像管。
  5. 【請求項5】 有効部中心付近の短軸方向の曲率半径を
    RpVC、短軸有効径端付近の曲率半径をRpVPとすると
    き、 0<RpVP/RpVC<0.4 を満たすことを特徴とする請求項4記載のカラー受像
    管。
  6. 【請求項6】 有効部中心付近の長軸方向の曲率半径を
    RpHC、上記有効部中心付近の短軸方向の曲率半径をR
    pVCとするとき、 RpVC/RpHC<0.3 を満たすことを特徴とする請求項4記載のカラー受像
    管。
  7. 【請求項7】 有効部外面の曲率半径が10m 以上に設
    定されていることを特徴とする請求項4乃至6のいずれ
    かに記載のカラー受像管。
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