JP3435031B2 - 波長分散補償器および波長分散補償ファイバ - Google Patents

波長分散補償器および波長分散補償ファイバ

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JP3435031B2 JP23304197A JP23304197A JP3435031B2 JP 3435031 B2 JP3435031 B2 JP 3435031B2 JP 23304197 A JP23304197 A JP 23304197A JP 23304197 A JP23304197 A JP 23304197A JP 3435031 B2 JP3435031 B2 JP 3435031B2
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健介 佐々木
幸宏 尾関
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光信号、例え
ば、波長多重(WDM)光信号の波長分散補償に用いて
好適な波長分散補償器および波長分散補償ファイバに関
する。
【0002】
【従来の技術】光信号は、ある程度の波長幅を有する。
このため、波長1.3μmより伝送損失が小さい波長
1.55μm付近の光信号がシングルモードファイバ
(1.3μm零分散の光ファイバ)を長距離伝送する場
合、この光ファイバを伝送する光信号には、伝送距離に
比例して波長分散が生じる。すなわち、光信号のうちの
長波長成分が短波長成分よりも遅れて伝送先に到達す
る。
【0003】この波長分散を補償する方法の一例が文献
1:「分光研究、第45巻、第6号(1996)p.3
02」に開示されている。この文献に開示の技術によれ
ば、ファイバーブラッググレーティング(以下、「FB
G」とも表記する。)の格子間隔を軸方向(光の導波方
向)に沿って単調に変化させたチャープドファイバーグ
レーティング(「チャープ・グレーティング」とも称す
る。)を用いて波長分散を補償している。
【0004】波長分散の補償にあたっては、波長分散が
生じた光信号をチャープ・グレーティングへその格子間
隔の広い側から入射する。入射された光信号の短波長成
分は、入射端から遠い部分で反射される。一方、光信号
の長波長成分は、入射端に近い部分で反射される。その
結果、短波長成分と長波長成分との間には、これらの反
射位置どうしの距離の2倍の光路差が生じる。その結
果、この光路差の分だけ長波長成分と短波長成分との時
間差を短縮して、波長分散を補償することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】互いに異なる複数の波
長の光信号(例えば、波長多重(WDM)光信号)の波
長分散を1つのチャープ・グレーティングでそれぞれ補
償するためには、そのチャープ・グレーティングのブラ
ッグ反射波長の波長帯域を、補償される光信号の波長帯
域以上に広くすることが必要である。チャープ・グレー
ティングのブラッグ反射波長の波長帯域、すなわち補償
可能な波長帯域を広くするためには、チャープ・グレー
ティングの最大格子間隔と最小格子間隔との差を大きく
する必要がある。最大格子間隔と最小格子間隔との差を
大きくして、補償可能な波長帯域を広くする方法とし
て、例えば、次の2つの方法が考えられる。
【0006】第1の方法は、チャープ・グレーティング
の長さを一定にしたままで、格子間隔の導波方向に沿っ
た変化の割合(以下、「勾配」とも称する。)を急にす
る方法である。しかし、格子間隔を急勾配にすると、光
信号の短波長成分の反射位置と長波長成分の反射位置と
の距離が短くなる。その結果、短波長成分と長波長成分
との間の光路差が小さくなる。このため、格子間隔を急
勾配にすると、波長分散の補償が可能な光信号の伝送距
離が短くなるおそれがある。
【0007】第2の方法は、格子間隔の勾配を一定にし
たままで、チャープ・グレーティングの長さを長くする
方法である。しかし、チャープ・グレーティングをはじ
めとするFBGの長さは、FBGを製造する際に使用す
る位相マスクの長さによって実質的に制約を受ける。例
えば、位相マスクの長さは、最大100mm程度であ
る。このため、100mm程度以上の長さのFBGを製
造することは困難である。
【0008】その上、FBGが長尺になるほど、FBG
の加工精度は低下する。例えば、FBGを長尺化するほ
ど、FBGのコアの長手方向に沿った屈折率分布の設計
値からのずれが大きくなる。その結果、例えばFBGの
ブラッグ反射強度が波長によって異なってしまうといっ
た問題が生じる。
【0009】このため、チャープドファイバーグレーテ
ィングを長尺化することなく、広い波長帯域にわたる複
数の波長の光信号の波長分散の補償を図ることができる
波長分散補償器および波長分散補償ファイバの出現が望
まれていた。
【0010】
【課題を解決するための手段】この出願に係る発明者
は、種々の実験および検討を重ねた結果、広い波長帯域
にわたる複数の波長の光信号の波長分散補償を、個々
の波長の光信号毎に、個別のチャープドファイバーグレ
ーティングで行なえば良いことに想到した。
【0011】そこで、この発明の波長分散補償器によれ
ば、入力ポート、入出力ポートおよび出力ポートを有す
る光サーキュレータと、入出力ポートに接続された光路
上に直列に設けられた、互いに異なるブラッグ反射波長
帯域を有する複数のチャープドファイバーグレーティン
グとを具え、チャープドファイバーグレーティングの各
々を、格子間隔の広い側のグレーティング端を光路上で
光サーキュレータ側にそれぞれ向けて設けてあることを
特徴とする。
【0012】この発明の波長分散補償器において複数の
波長の光信号の波長分散を補償するにあたっては、先
ず、各光信号をそれぞれ光サーキュレータの入力ポート
に入射する。入力ポートに入射した光信号は、光サーキ
ュレータの入出力ポートから出射する。入出力ポートか
ら出射した光信号は、この入出力ポートに接続された光
路を進む。
【0013】この光路上には、複数のチャープドファイ
バーグレーティング(チャープ・グレーティング)が直
列に設けてある。各チャープ・グレーティングは、それ
ぞれ互いに異なるブラッグ反射波長帯域を有する。この
ため、複数の波長の光信号は、その光信号の波長を含む
ブラッグ反射帯域を有するチャープ・グレーティングに
おいてそれぞれ反射される。その結果、複数の波長の光
信号の波長分散は、例えば、個々の光信号ごとに個別の
チャープ・グレーティングにおいてそれぞれ補償され
る。尚、個々のチャープ・グレーティングにおける波長
分散の補償原理は、従来の補償原理と同じである。
【0014】各チャープ・グレーティングでそれぞれ反
射されて補償された各光信号は、それぞれ光サーキュレ
ータの入出力ポートに入射する。入出力ポートに入射し
た各光信号は、光サーキュレータの出力ポートから出射
する。
【0015】このように、この発明の波長分散補償器に
よれば、互いに異なるブラッグ反射波長帯域を有する複
数のチャープドファイバーグレーティング(チャープ・
グレーティング)を設けている。このため、互いに異な
る複数の波長の光信号の波長分散を、それぞれ個別のチ
ャープ・グレーティングで補償することができる。その
結果、個々のチャープ・グレーティングの補償可能波長
帯域を、1つの波長の光信号の波長分散の補償に必要な
波長帯域だけに限定することもできる。無論、チャープ
・グレーティングの補償可能波長帯域を、より広い例え
ば2つの波長の光信号を含む波長帯域に対応した波長帯
域に限定しても良い。
【0016】従って、この発明では、個々のチャープ・
グレーティングの補償可能波長帯域を、補償対象の各光
信号の全ての波長を含む波長帯域にまで拡げる必要がな
い。このため、この発明では、各チャープ・グレーティ
ングを長尺化する必要がない。そして、この発明では、
光信号の複数の波長にそれぞれ合わせて、複数のチャー
プ・グレーティングを設けることができるので、広い波
長帯域にわたる複数の波長の光信号の波長分散の補償を
図ることができる。従って、この発明によれば、FBG
を長尺化することなく広い波長帯域わたる複数の波長の
光信号の波長分散の補償を図ることができる。
【0017】ところで、チャープドファイバーグレーテ
ィングをはじめとするFBGを透過する光は、そのFB
Gのブラッグ反射波長よりも短波長側の成分に損失が発
生する(例えば、文献2:「電子情報通信学会論文誌
C−1 Vol.J80−C−I No.1 pp.3
2−40 1997年1月」の第35頁の図6参
照。)。
【0018】そこで、グレーティングのブラッグ反射波
長よりも短波側の成分の損失の発生を抑制するために、
この発明の波長分散補償器において、好ましくは、チャ
ープドファイバーグレーティングを、ブラッグ反射波長
帯域の波長が短い順に、光サーキュレータ側から設けて
あるのが良い。
【0019】このように、この発明の波長分散補償器に
おいて、ブラッグ反射波長帯域の波長が短い順にチャー
プ・グレーティングを配置すれば、各波長の光信号は、
当該光信号の波長よりも短いブラッグ反射波長帯域を有
するチャープ・グレーティングを透過することになる。
すなわち、各光信号の波長が、当該光信号の透過するチ
ャープ・グレーティングのブラッグ反射波長よりも短く
なる場合を無くすることができる。その結果、前述した
ブラッグ反射波長よりも短波長側の成分であるために生
じる損失が、各光信号に発生することを回避することが
できる。このため、チャープ・グレーティングにおける
光信号の強度の損失の発生を抑制することができる。
【0020】ところで、各チャープ・グレーティングに
おいて補償できる最大時間差は、当該チャープ・グレー
ティングの長さの2倍の光路差に相当する時間差であ
る。従って、波長分散による長波長成分と短波長成分と
の時間差が、この最大時間差よりも大きくなるような場
合には、チャープ・グレーティングでの1回の反射によ
る補償だけでは、十分な補償ができないおそれがある。
【0021】そこで、より大きな波長分散の補償を図る
ために、この発明の波長分散補償器において、好ましく
は、入出力ポートを複数個とし、それぞれの光路上に設
けられたチャープドファイバーグレーティングの個数を
同数とし、光路毎のこれらチャープドファイバーグレー
ティングの異なるブラッグ反射波長帯域の組合せを、各
光路で、同一の組合せとしてあると良い。
【0022】光サーキュレータの入力ポートに入射した
複数の波長の光信号は、先ず、光サーキュレータの1番
目の入出力ポートから出射する。1番目の入出力ポート
から出射した各光信号は、各チャープ・グレーティング
のいずれかで波長毎に反射されてある程度波長分散補償
されて、1番目の入出力ポートに入射する。
【0023】次に、1番目の入出力ポートから入射した
各光信号は、光サーキュレータの2番目の入出力ポート
から出射する。2番目の入出力ポートから出射した各光
信号は、各チャープ・グレーティングのいずれかで波長
毎に反射されて、さらに波長分散補償されて、2番目の
入出力ポートに入射する。この段階では、ある程度補償
された光信号をさらに補償するので、より一層波長分散
の補償を図ることができる。さらに、3番目以上の入出
力ポートを設て、波長分散補償を繰返しても良い。
【0024】このように、光サーキュレータの入出力ポ
ートを複数個とし、各光路ごとのチャープ・グレーティ
ングの異なるブラッグ反射波長帯域の組合せを、各光路
で同一の組合せすれば、複数の波長の光信号の波長分
散の補償を、各波長の光信号についてそれぞれ複数回行
なうことができる。その結果、チャープ・グレーティン
グでの1回の反射で補償できる最大時間差以上の大きさ
の波長分散を補償することができる。このため、より大
きな波長分散の補償を図ることができる。
【0025】また、波長分散の補償を図る場合には、補
償に必要な波長成分間の光路長差を、複数のチャープ・
グレーティングで分けて生じさせることができる。この
ため、個々のチャープ・グレーティングで生じさせる光
路長差を小さくすることができる。その結果、個々のチ
ャープ・グレーティングの長さを短くすることができ
る。また、個々のチャープ・グレーティングの勾配を急
勾配とすることもできる。
【0026】また、この発明の波長分散補償器におい
て、好ましくは、前記光路を、光ファイバを以って構成
してあり、該光ファイバのコアに、複数の前記チャープ
ドファイバーグレーティングをそれぞれ形成してあるの
が良い。
【0027】このように、複数のチャープドファイバー
グレーティングを1本の光ファイバに形成すれば、個々
のチャープドファイバーグレーティングどうしを融着し
たりコネクタを介して接続する場合に比べて、接続によ
る光信号の損失の発生を抑制することができる。尚、複
数のチャープドファイバーグレーティングを形成したこ
の光ファイバは、後述する、この発明の波長分散補償フ
ァイバに相当する。
【0028】この発明の波長分散補償ファイバによれ
ば、光ファイバのコアに、互いに異なるブラッグ反射波
長帯域を有する複数のチャープドファイバーグレーティ
ングを、当該光ファイバの軸方向に沿って直列にそれぞ
れ設けてあり、チャープドファイバーグレーティングの
各々を、格子間隔の広い側のグレーティング端を軸方向
の一方の向きにそれぞれ向けて設けてあることを特徴と
する。
【0029】このように、この発明の波長分散補償ファ
イバによれば、光ファイバのコアに、互いに異なるブラ
ッグ反射波長帯域を有する複数のチャープドファイバー
グレーティング(チャープ・グレーティング)を設けて
いる。このため、互いに異なる複数の波長の光信号の波
長分散を、それぞれ個別のチャープ・グレーティングで
補償することができる。その結果、個々のチャープ・グ
レーティングの補償可能波長帯域を、補償対象の各光信
号の全ての波長を含む波長帯域にまで拡げる必要がな
い。このため、この発明では、個々のチャープ・グレー
ティングを長尺化する必要がない。そして、この発明で
は、チャープ・グレーティングの数を増やすことによ
り、より広い波長帯域にわたるより多くの波長の光信号
の波長分散の補償を図ることができる。従って、この発
明によれば、チャープドファイバーグレーティングを長
尺化することなく、広い波長帯域わたる複数の波長の
光信号の波長分散の補償を図ることができる。
【0030】また、この発明の波長分散補償ファイバに
おいて、好ましくは、チャープドファイバーグレーティ
ングを、格子間隔の広い側のグレーティング端の軸方向
からブラッグ反射波長帯域の波長の短い順に設けてある
と良い。
【0031】このように、この発明の波長分散補償ファ
イバにおいて、格子間隔の広い側のグレーティング端の
軸方向からブラッグ反射波長帯域の波長が短い順にチャ
ープドファイバーグレーティングを配置すれば、チャー
プドファイバーグレーティングにおける光信号の強度の
損失の発生を抑制することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
の波長分散補償器および波長分散補償ファイバの実施の
形態について併せて説明する。尚、参照する図面は、こ
の発明が理解できる程度に各構成成分の大きさ、形状お
よび配置関係を概略的に示してあるに過ぎない。従っ
て、この発明は図示例に限定されるものではない。
【0033】(第1の実施の形態)図1を参照して、第
1の実施の形態の波長分散補償器について説明する。図
1は、第1の実施の形態の波長分散補償器の説明に供す
る構成図である。
【0034】第1の実施の形態の波長分散補償器は、光
サーキュレータ10を具えている。この光サーキュレー
タ10は、入力ポート12、入出力ポート14および出
力ポート16を有する。
【0035】そして、この入出力ポート14には、光路
18が接続されている。この光路18上には、複数のチ
ャープドファイバーグレーティング(チャープ・グレー
ティング)20が直列に設けてある。チャープ・グレー
ティング20の各々は、互いに異なるブラッグ反射波長
帯域を有する。
【0036】この実施の形態では、チャープ・グレーテ
ィング20として、第1チャープ・グレーティング2
2、第2チャープ・グレーティング24および第3チャ
ープ・グレーティング26を設けている。
【0037】そして、この第1チャープ・グレーティン
グ22は、波長λa〜λb(λa<λb)のブラッグ反
射波長帯域を有する。また、この第2チャープ・グレー
ティング24は、波長λb〜λc(λb<λc)のブラ
ッグ反射波長帯域を有する。また、この第3チャープ・
グレーティング26は、波長λc〜λd(λc<λd)
のブラッグ反射波長帯域を有する。尚、この実施の形態
では、チャープ・グレーティング20の各々のブラッグ
反射波長帯域どうしを連続させているが、この発明で
は、ブラッグ反射波長帯域どうしは、必ずしも連続して
いなくとも良い。
【0038】尚、図1においては、チャープ・グレーテ
ィング22、24および26の部分に回折格子模様を模
式的に示してあるが、この回折格子模様の格子間隔は、
実際の格子間隔とは関係ない。実際の格子間隔は、チャ
ープ・グレーティング毎に異なっている。
【0039】また、この実施の形態においては、チャー
プ・グレーティング20の各々を、ブラッグ反射波長帯
域の波長が短い順にサーキュレータ10側から配置して
ある。すなわち、光路18上に、光サーキュレータ10
側から第1チャープ・グレーティング22、第2チャー
プ・グレーティング24および第3チャープ・グレーテ
ィング26の順に設けてある。
【0040】また、チャープ・グレーティング20の各
々は、格子間隔の広い側のグレーティング端を光路18
上で光サーキュレータ10側にそれぞれ向けて設けてあ
る。具体的には、第1、第2および第3チャープ・グレ
ーティング22、24および26は、それぞれの格子間
隔の広い側のグレーティング端22a、24aおよび2
6aをそれぞれ光サーキュレータ10側(図1の紙面上
で左側)に向けて配置してある。
【0041】また、この実施の形態においては、光路1
8を光ファイバ(波長分散補償ファイバ)28で以って
構成してある。
【0042】ここで、図2を参照して、この実施の形態
の波長分散補償器の光路18を構成する波長分散補償フ
ァイバ28について説明する。図2は、波長分散補償フ
ァイバ28の説明に供する模式図であり、光ファイバの
軸方向に沿った断面図である。
【0043】尚、図2においては、断面を表すハッチン
グを省略する。また、図2においては、チャープ・グレ
ーティング22、24および26の部分に回折格子模様
を模式的に示してあるが、この回折格子模様の格子間隔
は、実際の格子間隔とは関係ない。実際の格子間隔は、
ブラッグ反射波長帯域が互いに異なるためにチャープ・
グレーティング毎に異なっている。
【0044】この波長分散補償ファイバ28は、ファイ
バ28の軸方向の中心部のコア30と、その周囲のクラ
ッド32を以って構成されている。そして、このコア3
0に、複数のチャープ・グレーティングを光ファイバ2
8の軸方向に沿って直列にそれぞれ形成してある。
【0045】また、この実施の形態で用いる光ファイバ
28は、酸化シリコン(SiO2 )を主成分とする材料
で形成されている。また、この光ファイバ28の直径
は、110〜130μm程度である。また、コア30の
直径は10μm程度である。また、隣り合ったチャープ
・グレーティングどうしの間隔は、任意の間隔として良
い。例えば、隣り合ったチャープ・グレーティングを間
隔をあけずに連続させても良い。
【0046】光ファイバ28のコア30にチャープ・グ
レーティングを形成するにあたっては従来周知のFBG
の形成方法を用いると良い。このFBGの形成方法とし
ては、例えば、文献3:「米国特許5367588号」
に開示されている位相マスク法を用いると良い。
【0047】位相マスク法においては、位相マスクを介
して光ファイバに紫外線光を照射する。この発明の波長
分散補償ファイバ28においては、個々のチャープ・グ
レーティングごとに、個別の位相マスクを介して紫外線
光を照射する。このため、位相マスクの大きさは、個々
のチャープ・グレーティングの長さ程度(例えば100
mm程度)で良い。従って、波長分散補償ファイバ28
全体の長さは、位相マスクの大きさの制約を受けない。
【0048】各位相マスクは、紫外線光の透過が可能な
板状体である。この板状体の表面には、複数個の凹凸が
形成されている。各凹部は、徐々に間隔を広くしながら
直線的に配列している。そして、位相マスクに照射され
た紫外線光は、これら凹部により回折する。その回折光
の強度は、凹部の配列間隔に応じた位置で強められたり
弱められたりする。一方、光ファイバのコアは、紫外線
光の照射によってその屈折率が変化する材料で形成され
ている(このような光ファイバを光感光性ファイバと称
する。)。この回折光が光ファイバに対して照射される
ことにより、光ファイバのコアに、光ファイバの軸方向
(延在方向、長手方向、光導波方向)に沿って、チャー
プグレーティングが形成される。
【0049】次に、第1の実施の形態の波長分散補償器
に、波長λ1 、λ2 およびλ3 の波長が多重された波長
多重光信号の波長分散を補償する例について説明する。
【0050】この波長λ1 は、第1チャープ・グレーテ
ィング22のブラッグ反射波長帯域(λa〜λb)に含
まれるものとする。すなわち、λa<λ1 <λbの関係
が成り立つ。また、波長λ2 は、第2チャープ・グレー
ティング24のブラッグ反射波長帯域(λb〜λc)に
含まれるものとする。すなわち、λb<λ2 <λcの関
係が成り立つ。また、波長λ3 は、第3チャープ・グレ
ーティング26のブラッグ反射波長帯域(λc〜λd)
に含まれるものとする。すなわち、λc<λ3<λdの
関係が成り立つ。
【0051】また、実際の波長多重光信号では、例え
ば、1550nm付近を中心波長として、約0.8nm
間隔で32〜40個の波長の光信号を用いる。その場合
は、波長の数に合わせて、例えば32個のチャープ・グ
レーティングを設け、個々のチャープ・グレーティング
のブラッグ反射波長帯域を光信号の各波長にそれぞれ対
応させると良い。
【0052】そして、波長分散の補償を行なうにあた
り、波長λ1 、λ2 およびλ3の光信号を、それぞれ光
サーキュレータ10の入力ポート12に入射する。尚、
各光信号は、入力ポート12に同時に入射しても良い。
また、各光信号は、互いに異なる時刻に入射しても良
い。その場合各波長の光信号の入射の順序は問わな
い。
【0053】入力ポートに入射した各光信号は、光サー
キュレータ10の入出力ポート14から出射する。入出
力ポート14から出射した光信号は、この入出力ポート
に接続された光路(波長分散補償ファイバ)18(2
8)に入射する。
【0054】この光路18(28)に入射した各光信号
は、先ず、第1チャープ・グレーティング22に、その
格子間隔の広い側のグレーティング端22aから入射す
る。そして、第1チャープ・グレーティング22におい
て、そのブラッグ反射波長帯域(λa〜λb)に含まれ
る波長λ1 の光信号のみが反射される。また、波長λ 2
およびλ3 の光信号は、第1チャープ・グレーティング
22を透過する。
【0055】そして、波長λ1 の光信号の波長分散は、
第1チャープ・グレーティングで反射されることによっ
て補償される。この補償の原理は、後で図3を参照して
説明するように、従来のチャープ・グレーティングの補
償の原理と同じである。
【0056】次に、第1チャープ・グレーティング22
を透過した波長λ2 およびλ3 の光信号は、第2チャー
プ・グレーティング24に、その格子間隔の広い側のグ
レーティング端24aから入射する。そして、第2チャ
ープ・グレーティング24において、そのブラッグ反射
波長帯域(λb〜λc)に含まれる波長λ2 の光信号の
みが反射される。また、波長λ3 の光信号は、第2チャ
ープ・グレーティング24を透過する。
【0057】そして、波長λ2 の光信号の波長分散は、
第2チャープ・グレーティング24で反射されることに
よって補償される。
【0058】次に、第2チャープ・グレーティング24
を透過した波長λ3 の光信号は、第3チャープ・グレー
ティング26に、その格子間隔の広い側のグレーティン
グ端26aから入射する。そして、第3チャープ・グレ
ーティング26のブラッグ反射波長帯域(λc〜λd)
に含まれる波長λ3 の光信号は、第3チャープ・グレー
ティング26において反射される。そして、波長λ3
光信号の波長分散は、第3チャープ・グレーティング2
6で反射されることによって補償される。
【0059】また、チャープ・グレーティング20の各
々でそれぞれ反射されて補償された各光信号は、それぞ
れ光サーキュレータ10の入出力ポート14に入射す
る。入出力ポート14に入射した各光信号は、光サーキ
ュレータ10の出力ポート16から出射する。
【0060】このようにして、波長λ1 、λ2 およびλ
3 の光信号の波長分散をそれぞれ補償することができ
る。
【0061】また、この実施の形態においては、チャー
プ・グレーティング20の各々をそのブラッグ反射波長
帯域の短い順に、光サーキュレータ10側から配置して
あるので、波長λ1 、λ2 およびλ3 のいずれの光信号
も、その光信号の波長よりもブラッグ反射波長帯域が長
いグレーティングを透過することがない。従って、光信
号の強度の損失の発生を抑制することができる。
【0062】次に、図3を参照して、チャープ・グレー
ティングの補償原理について説明する。図3は、チャー
プ・グレーティングの補償原理の説明に供する模式図で
ある。図3では、第1チャープ・グレーティング22を
拡大して模式的に示す。
【0063】先ず、チャープ・グレーティングの構成に
ついて説明する。図3に示すように、第1チャープ・グ
レーティング22の格子間隔の最も広い部分の間隔をΛ
L とする。また、格子間隔の最も狭い部分の間隔をΛS
とする。この格子間隔と、ブラッグ反射波長帯域の最大
ブラッグ反射波長λbおよび最小ブラッグ反射波長λa
との間には、それぞれ下記の(1)式および(2)式の
関係が成り立つ。
【0064】λa=2・neff ・ΛS ・・・(1) λb=2・neff ・ΛL ・・・(2) 但し、neff は、光ファイバ28のコア30の実効屈折
率を表す。
【0065】また、第1チャープ・グレーティング22
の長さLと、その補償可能波長帯域の幅であるブラッグ
反射波長帯域幅Δλ(=λb−λa)との間には、下記
の(3)式の関係が成り立つ。
【0066】L=(D・Vg ・Δλ)/2・・・(3) 但し、Dは、逆分散量を表し、Vg は、群速度を表す。
【0067】ここで、例えば、1nm間隔で8つに波長
分割された波長多重光信号の分散を補償する例について
検討する。この光信号の波長の帯域は、8nm(=1n
m×8)にわたっている。
【0068】8nmにわたる波長帯域を従来のように1
つのチャープ・グレーティングで補償しようとすると、
グレーティングが極めて長尺となる。具体的には、上記
の(3)式に、Δλ=8nm、D=1800×103
s/nm、Vg =3.0×108 m/sをそれぞれ代入
して計算すると、グレーティングの長さLは、約2mと
なる。これに対して、現在の位相マスク法で形成できる
FBGの長さは、せいぜい100mm程度である。従っ
て、2mもの長尺のチャープ・グレーティングを形成す
ることは極めて困難である。
【0069】この点、この発明においては、1つのチャ
ープ・グレーティングで、1つの波長の波長分散だけを
補償させれば良い。1つの波長の光信号の波長幅は、例
えば10-3nmのオーダーである。一方、L=100m
mのチャープ・グレーティングの補償可能波長帯域の幅
は、この長さを上記の(3)式に代入して計算すると、
Δλ=0.4nm程度となる。従って、1つの波長の光
信号の波長分散を補償するためならば、チャープ・グレ
ーティングの長さは、L=100mm程度で十分である
ことが分かる。
【0070】次に、波長λ1 の光信号が、第1チャープ
・グレーティング22で反射される場合について説明す
る。
【0071】波長λ1 の光信号には、波長幅がある。こ
こでは、この光信号の長波長成分をλL (=λ1 +Δ)
と表す。また、この光信号の短波長成分をλS =(λ1
−Δ)と表す。波長分散の生じた光信号では、長波長成
分λL は、短波長成分λS よりも遅れて第1チャープ・
グレーティング22に入射する。
【0072】第1チャープ・グレーティング22に、そ
の格子間隔の広い側(図3の紙面の左側)から入射した
短波長成分は、入射端から遠い位置x2 で反射される。
一方、長波長成分は、入射端に近い位置x1 で反射され
る。その結果、短波長成分と長波長成分との間には、こ
れらの反射位置間の距離Δxの2倍の光路差2Δxが生
じる。その結果、この光路差の分だけ長波長成分と短波
長成分との時間差を短縮して、波長分散を補償すること
ができる。
【0073】(変形例)次に、図4を参照して、第1の
実施の形態の波長分散補償器の変形例について説明す
る。図4は、波長分散補償器の変形例の説明に供する構
成図である。
【0074】この変形例においては、光路18a上に、
チャープ・グレーティング20aとして、第12チャー
プ・グレーティング34および第3チャープ・グレーテ
ィング26を設けてある。
【0075】この第12チャープ・グレーティング34
の格子間隔は連続的に変化させてある。そして、この第
12チャープ・グレーティング34は、λa〜λcのブ
ラッグ反射波長帯域を有する。従って、第12チャープ
・グレーティング34は、その格子間隔の広い側のグレ
ーティング端34aから入射した、波長λ1 λ2 およ
びλ3 の光信号のうちの、波長λ1 およびλ2 の両方の
光信号をそれぞれ反射する。その結果、波長λ1 および
λ2 の光信号は、それぞれ第12チャープ・グレーティ
ング34において、波長分散が補償される。
【0076】また、λ3 の光信号は、第1の実施の形態
の場合と同様に、第3チャープ・グレーティング26に
おいて反射されることによって、波長分散が補償され
る。
【0077】(第2の実施の形態)次に、図5を参照し
て、第2の実施の形態の波長分散補償器について説明す
る。図5は、第2の実施の形態の波長分散補償器の説明
に供する構成図である。
【0078】第2の実施の形態の波長分散補償器の光サ
ーキュレータ10aは、第1入出力ポート14aおよび
第2入出力ポート14bの2つの入出力ポートを有す
る。第1入出力ポート14aは、第1の実施の形態にお
ける入出力ポート14に相当する。また、第1入出力ポ
ート14aに接続された第1光路18は、第1の実施の
形態における光路18と同一の構成である。すなわち、
第1光路18上には、第1の実施の形態と同一の、第
1、第2、および第3チャープ・グレーティング22、
24および26がそれぞれ設けてある。
【0079】一方、第2入出力ポート14bには、第2
光路180が接続されている。この第2光路は、第1光
路18と同様に、波長分散補償ファイバで形成されてい
る。そして、この第2光路180上には、第1光路18
上のチャープ・グレーティング20の個数と同数の3つ
のチャープ・グレーティング200が設けてある。具体
的には、第2光路180上に、第4、第5および第6チ
ャープ・グレーティング220、240および260が
それぞれ設けてある。
【0080】また、第2の実施の形態においては、第1
光路18のチャープ・グレーティング20の各々の異な
るブラッグ反射波長帯域の組合せと、第2光路180の
チャープ・グレーティング200の各々の異なるブラッ
グ反射波長帯域の組合せとを、同一の組合せとしてあ
る。
【0081】具体的には、第4チャープ・グレーティン
グ220のブラッグ反射波長帯域を、第1チャープ・グ
レーティング22のブラッグ反射波長帯域(λa〜λ
b)と同一とする。また、第5チャープ・グレーティン
グ240のブラッグ反射波長帯域を、第2チャープ・グ
レーティング24のブラッグ反射波長帯域(λb〜λ
c)と同一とする。また、第6チャープ・グレーティン
グ260のブラッグ反射波長帯域を、第3チャープ・グ
レーティング26のブラッグ反射波長帯域(λc〜λ
d)と同一とする。
【0082】次に、第2の実施の形態の波長分散補償器
において、波長λ1 、λ2 およびλ3 の光信号の波長分
散をそれぞれ補償する例について説明する。
【0083】先ず、光サーキュレータ10aの入力ポー
ト12に、各光信号を入射する。入射した各光信号は、
第1の実施の形態の場合と同様に、第1入出力ポート1
4aから第1光路18に入射する。そして、波長λ1
λ2 およびλ3 の光信号は、それぞれ、第1、第2およ
び第3チャープ・グレーティング22、24および26
において反射されることにより、波長分散の補償が図ら
れる。第1光路18において反射された各光信号は、第
1入出力ポート14aに入射する。
【0084】次に、各光信号は、第2入出力ポート14
bから第2光路180へ入射する。第2光路180に入
射した波長λ1 、λ2 およびλ3 の光信号は、それぞ
れ、第4、第5および第6チャープ・グレーティング2
20、240および260において反射されることによ
り、波長分散の一層の補償が図られる。
【0085】ここで、図6を参照して、第2の実施の形
態の波長分散補償器における波長分散補償について説明
する。図6は、第2の実施の形態の波長分散補償の説明
に供するグラフである。図6のグラフの横軸は時間(任
意単位)を表し、縦軸は光信号強度(任意単位)を表
す。
【0086】また、グラフ中の曲線Iは、入力ポート1
2に入射した段階での光信号(例えば波長λ1 の光信
号)の分散の様子を示す。この段階の光信号は、波長分
散が補償されていない。
【0087】また、曲線IIは、第1光路18上のチャー
プ・グレーティング20で反射された後の段階での光信
号の分散の様子を示す。この段階の光信号は、波長分散
がある程度補償されている。すなわち、曲線IIは、曲線
Iに比べて、時間の広がりが狭くなっているので、波長
分散がある程度補償されたこと示す。
【0088】また、曲線III は、第2光路180上のチ
ャープ・グレーティング200で反射された後の段階で
の光信号の分散の様子を示す。この段階の光信号は、波
長分散がさらに補償されている。すなわち、曲線III
は、曲線IIに比べて、時間の広がりがさらに狭くなって
いるので、波長分散がさらに補償されたこと示す。
【0089】このように光信号の波長分散の補償を2回
行なうことにより、例えば、チャープ・グレーティング
における1回の反射で補償できる最大時間差以上の大き
さの波長分散を補償することができる。
【0090】上述した各実施の形態では、これらの発明
を特定の材料を用い、特定の条件で構成した例について
のみ説明したが、これらの発明は多くの変更および変形
を行うことができる。例えば、上述した実施の形態で
は、隣り合ったチャープ・グレーティングのブラッグ反
射波長帯域どうしを互いに連続させたが、この発明で
は、各チャープ・グレーティングのブラッグ反射波長帯
域どうしは、必ずしも連続していなくとも良い。
【0091】また、上述した実施の形態においては、1
つの光路上に3つのチャープ・グレーティングを設けた
例について説明したが、この発明では、チャープ・グレ
ーティングの数は3つに限定されない。この発明では、
例えば、2つ若しくは4つ以上のチャープ・グレーティ
ングを設けても良い。また、チャープグレーティングの
数は、例えば、補償対象の光信号の波長数(例えば、W
DMの場合の波長多重数(例えば、16個若しくは32
個))と同数としても良い。
【0092】また、上述した実施の形態においては、波
長λ1 、λ2 およびλ3 の3つの波長の光信号の例につ
いて説明したが、この発明では、光信号の波長数は、こ
れに限定する必要は無く、任意の波長数の光信号の波長
分散の補償を図ることが可能である。
【0093】また、この発明では、各波長の光信号は、
同時に入力ポート12へ入射する必要はない。例えば、
1度に1つの波長の光信号のみを入力ポート12へ入射
しても良い。
【0094】また、上述した実施の形態では、光路とし
て波長分散補償ファイバを用いた例について説明した
が、この発明では、光路を光ファイバに限定する必要は
ない。例えば、チャープ・グレーティングどうしを融着
したり、コネクタを介して接続しても良い。また、チャ
ープ・グレーティング間において、光信号に空気中や真
空中を直進させても良い。
【0095】
【発明の効果】この発明の波長分散補償器および波長分
散補償ファイバによれば、互いに異なるブラッグ反射波
長帯域を有する複数のチャープドファイバーグレーティ
ング(チャープ・グレーティング)を設ける。このた
め、互いに異なる複数の波長の光信号の波長分散を、そ
れぞれ個別のチャープ・グレーティングで補償すること
ができる。その結果、個々のチャープ・グレーティング
の補償可能波長帯域を、1つの波長の光信号の波長分散
の補償に必要な波長帯域だけに限定することもできる。
無論、例えば、2つの波長の光信号に対応した波長帯域
に限定することもできる。このため、この発明では、個
々のチャープ・グレーティングを、補償可能波長帯域を
広げるために長尺化する必要がない。そして、この発明
では、光信号の複数の波長にそれぞれ合わせて、複数の
チャープ・グレーティングを設けることができるので、
広い波長帯域にわたる複数の波長の光信号の波長分散の
補償を図ることができる。従って、この発明によれば、
チャープ・グレーティングを長尺化することなく、広い
波長帯域にわたる複数の波長の光信号の波長分散の補償
を図ることができる。
【0096】また、この発明の波長分散補償器および波
長分散補償ファイバにおいて、ブラッグ反射波長帯域の
波長が短い順に光の入射方向からチャープ・グレーティ
ングを配置すれば、各波長の光信号は、当該光信号の波
長よりも短いブラッグ反射波長帯域を有するチャープ・
グレーティングを透過することになる。すなわち、各光
信号の波長が、当該光信号の透過するチャープ・グレー
ティングのブラッグ反射波長よりも短くなる場合を無く
することができる。その結果、前述したグレーティング
のブラッグ反射波長よりも短波長であるために生じる損
失が、各光信号に発生することを回避することができ
る。このため、チャープ・グレーティングにおける光信
号の強度の損失の発生を抑制することができる。
【0097】また、この発明の波長分散補償器におい
て、光サーキュレータの入出力ポートを複数個とし、光
路ごとのチャープ・グレーティングの異なるブラッグ反
射波長帯域の組合せを、各光路で同一の組合せとすれ
ば、複数の波長の光信号の波長分散の補償を、各波長の
光信号についてそれぞれ複数回行なうことができる。そ
の結果、チャープ・グレーティングにおける1回の反射
で補償できる最大時間差以上の大きさの波長分散を補償
することができる。このため、より大きな波長分散の補
償を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態の波長分散補償器
の説明に供する図である。
【図2】この発明の第1の実施の形態の波長分散補償器
を構成する波長分散補償ファイバの説明に供する図であ
る。
【図3】チャープドファイバーグレーティングの説明に
供する図である。
【図4】この発明の波長分散補償器の変形例の説明に供
する図である。
【図5】この発明の第2の実施の形態の波長分散補償器
の説明に供する図である。
【図6】この発明の第2の実施の形態の波長分散補償器
における波長分散補償の説明に供する図である。
【符号の説明】
10、10a:光サーキュレータ 12:入力ポート 14:入出力ポート 14a:第1入出力ポート 14b:第2入出力ポート 16:出力ポート 18:光路、第1光路 18a:光路 20、20a:チャープドファイバーグレーティング
(チャープ・グレーティング) 22:第1チャープ・グレーティング 22a、24a、26a:グレーティング端 24:第2チャープ・グレーティング 26:第3チャープ・グレーティング 28:波長分散補償ファイバ、光ファイバ 30:コア 32:クラッド 34:第12チャープ・グレーティング 34a:グレーティング端 180:第2光路 200:チャープ・グレーティング 220:第チャープ・グレーティング 220a、240a、260a:グレーティング端 240:第チャープ・グレーティング 260:第チャープ・グレーティング
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−136748(JP,A) 特開 平7−336324(JP,A) 特開 昭56−164305(JP,A) 特開 平7−245584(JP,A) 特開 平8−195734(JP,A) 国際公開96/024079(WO,A1) 小向 哲郎(外3名),ファイバグレ ーティングのスペクトルフィルタリング への応用,電子情報通信学会論文誌,日 本,(社)電子情報通信学会,1997年 1月,Vol.J80−C1,No.1, pp.32−40 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 6/00 - 6/02 G02B 6/10 G02B 6/16 - 6/22 G02B 6/44

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力ポート、入出力ポートおよび出力ポ
    ートを有する光サーキュレータと、 前記入出力ポートに接続された光路上に直列に設けら
    互いに異なる複数の波長の光信号のそれぞれに対応
    して、互いに異なるブラッグ反射波長帯域を有する複数
    のチャープドファイバーグレーティングとを具え、 前記チャープドファイバーグレーティングの各々を、格
    子間隔の広い側のグレーティング端を光路上で前記光サ
    ーキュレータ側にそれぞれ向けて設けてあると共に、 前記チャープドファイバーグレーティングの各々を、ブ
    ラッグ反射波長帯域の波長の短い順に、前記光サーキュ
    レータ側から設けてある ことを特徴とする波長分散補償
    器。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の波長分散補償器におい
    て、 前記入出力ポートを複数個とし、 それぞれの前記光路上に設けられた前記チャープドファ
    イバーグレーティングの個数を同数とし、 前記光路毎のこれらチャープドファイバーグレーティン
    グの前記異なるブラッグ反射波長帯域の組合せを、それ
    ぞれの前記光路で、同一の組合せとしてあることを特徴
    とする波長分散補償器。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の波長分散補償器におい
    て、 前記光路を、光ファイバを以って構成してあり、 該光ファイバのコアに、複数の前記チャープドファイバ
    ーグレーティングをそれぞれ形成してあることを特徴と
    する波長分散補償器。
  4. 【請求項4】 光ファイバのコアに、互いに異なる複数
    の波長の光信号のそれぞれに対応して、互いに異なるブ
    ラッグ反射波長帯域を有する複数のチャープドファイバ
    ーグレーティングを、当該光ファイバの軸方向に沿って
    直列にそれぞれ設けてあり、 前記チャープドファイバーグレーティングの各々を、格
    子間隔の広い側のグレーティング端をそれぞれ前記軸方
    向の一方の向きにそれぞれ向けて設けてあると共に、 前記チャープドファイバーグレーティングを、前記格子
    間隔の広い側のグレーティング端の軸方向からブラッグ
    反射波長帯域の波長の短い順に設けてある ことを特徴と
    する波長分散補償ファイバ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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小向 哲郎(外3名),ファイバグレーティングのスペクトルフィルタリングへの応用,電子情報通信学会論文誌,日本,(社)電子情報通信学会,1997年 1月,Vol.J80−C1,No.1,pp.32−40

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