JP3432084B2 - 自動試料交換装置 - Google Patents

自動試料交換装置

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JP3432084B2
JP3432084B2 JP21459896A JP21459896A JP3432084B2 JP 3432084 B2 JP3432084 B2 JP 3432084B2 JP 21459896 A JP21459896 A JP 21459896A JP 21459896 A JP21459896 A JP 21459896A JP 3432084 B2 JP3432084 B2 JP 3432084B2
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    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R33/00Arrangements or instruments for measuring magnetic variables
    • G01R33/20Arrangements or instruments for measuring magnetic variables involving magnetic resonance
    • G01R33/28Details of apparatus provided for in groups G01R33/44 - G01R33/64
    • G01R33/30Sample handling arrangements, e.g. sample cells, spinning mechanisms
    • G01R33/307Sample handling arrangements, e.g. sample cells, spinning mechanisms specially adapted for moving the sample relative to the MR system, e.g. spinning mechanisms, flow cells or means for positioning the sample inside a spectrometer

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば核磁気共鳴
装置(Nuclear Magnetic Resonance;以下、NMRとも
表記する)等の試料を分析する分析装置に用いられ、試
料を交換するための自動試料交換装置の技術分野に属す
るものである。
【0002】
【従来の技術】原子核が磁場の中で共鳴現象を起こす性
質を利用して物質の構造解析を行うNMRにおいては、
試料を自動的にかつ連続的に取り出し、測定するように
するため、従来、自動試料交換装置が設けられている。
【0003】図7はこのような従来の自動試料交換装置
を示す平面図であり、図8は図7におけるVIII−VIII線
に沿う断面図である。図中、1は支持台、2は支持台1
に設けられた一対のガイドレール、3はガイドレール2
に案内されて支持台1上を摺動可能に設けられたベー
ス、4はベース3に上方に向けて立設されたスリーブ、
5はチャック、6はスリーブ4に固定された、チャック
5の固定支持部材、7は固定支持部材6上を摺動可能に
設けられたスライドプレート、8はスライドプレート7
に穿設された、スリーブ4の内径と同径の孔、9はスラ
イドプレート7に連結されたロッド、10はロッド9を
介してスライドプレート7を常時左方へ付勢するスプリ
ング、11は支持台1に固定された単動シリンダ、12
は単動シリンダ11のシャフト、13はベース3をX方
向に移動するX動シリンダ、14は試料管、15は孔8
の径より若干小さい径のサンプルロータである。
【0004】なお、図示しないがX動シリンダ13の下
方に位置してもう1つのX動シリンダが設けられてお
り、これらの2つのX動シリンダ13によりベース3の
X軸方向のストロークが制御されるとともに、そのスト
ローク量がより大きくなるようにしている。また、単動
シリンダ11およびそのシャフト12は、スリーブ4の
の孔4aが支持台1に設けられているNMR本体装置の
試料導入口1aに一致したとき、そのスリーブ4に設け
られているチャック5のロッド9がシャフト12に対向
するように、それぞれ設けられている。
【0005】このように構成された従来の自動試料交換
装置においては、チャック5のロッド9がシャフト12
によって押動されない通常状態では、スライドプレート
7がスプリング10の付勢力によってロッド9を介して
図示の左限位置に設定されている。スライドプレート7
のこの左限位置では、孔8がスリーブ4の孔4aに対し
て偏心している。この状態で、試料導入口から試料を入
れた試料管14を両孔8,4a内に挿入すると、サンプ
ルロータ15の下面がスライドプレート7の孔8周縁部
に係止するので、試料管14はチャック5により図示の
状態に保持される(チャックON状態)。
【0006】このように試料管14が保持された状態
で、2つのX動シリンダ13を駆動してベース3をX軸
方向に移動させ、スリーブ4の孔4aが支持台1の試料
導入口1aに一致したとき、ベース3の移動を停止す
る。このとき、NMR本体装置側から試料導入口を通し
て低圧のエアが供給されるので、このエアはスリーブ4
の孔4aを通ってサンプルロータ15に当たるようにな
る。
【0007】次に、単動シリンダ11を駆動してシャフ
ト12を押し出して、このシャフト12によりロッド9
を右方へ押すことにより、スライドプレート7を右動さ
せてその孔8をスリーブ4の孔4aに一致させる。これ
により、サンプルロータ15の下面とスライドプレート
7の孔8周縁部との係止が解除されるので、試料管14
はチャック5による保持が解除される(チャックOFF状
態)。このとき、ロッド9はシャフト12によって押圧
された状態に保持される。また、試料管14はチャック
OFF状態となっても、下方からの低圧のエアにより浮い
た状態に保持される。そして、この低圧のエアの供給を
制御することにより、試料管14をNMR本体装置に向
かって下方へ移動させる。
【0008】NMR本体装置による試料管14内の試料
の測定が終了すると、再びエアを供給することにより、
試料管14をチャック5の方へ移動させる。サンプルロ
ータ15の下面がスライドプレート7を越えると、単動
シリンダ11の駆動を停止してシャフト12を引っ込め
る。これにより、シャフト12によってロッド9が押圧
されないので、スライドプレート7が左限位置となり、
スライドプレート7のこの左限位置では、孔8がスリー
ブ4の孔4aに対して再び偏心する。この状態で、エア
の供給を停止すると、試料管14はチャック5に保持さ
れたチャックON状態となる。
【0009】次に、隣のチャック5に保持された試料管
14をNMR本体装置に導入するために、前述と同様に
2つのX動シリンダ13を駆動してベース3をX軸方向
に移動させ、その試料管14を保持しているスリーブ4
の孔4aを試料導入口1aに一致させる。以下、前述と
同様の方法で試料管14の導入、取出しを行う。こうし
て、自動試料交換装置によりNMR本体装置に対して試
料の交換が自動的に行われる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の自動試料交換装置では、チャック5のスライ
ドプレート7を移動させるためのチャック移動機構であ
る単動シリンダ11と、試料管14を保持するためのチ
ャック5を搬送する搬送機構であるX動シリンダ13と
がそれぞれ別々に構成されている。このため、これらの
2つの機構をそれぞれ別々にかつ互いに関連させて制御
しなければならなく、複雑な制御回路および制御ソフト
が必要となる。
【0011】また、チャック5を試料管14毎に設ける
必要があるため、試料管14の本数を多くすると、チャ
ック5の数もそれに比例して多くなってしまう。このた
め、コストが高くなるばかりでなく、装置が大型となっ
てしまう。しかも、チャック5は通常時には試料管14
を保持し、1箇所においてのみ保持解除する機構をとら
ざるを得ないため、チャック5が大きく膨らんで比較的
大きなスペースを要してしまう。しかし、チャック5を
設けるためのスペースが限られているので、このように
大きく膨らんでしまうチャック5の数を多くすることは
困難であり、従来は図示の3本が限界であった。したが
って、試料管14の本数も3個に制限され、それ以上増
やすことは困難になっている。そのうえ、X動シリンダ
13のストロークが制約されるので、ベース3の移動量
も制限されてしまい、このことからも試料管14の本数
を増やすことに制限がある。
【0012】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、試料管の搬送機構とチャッ
ク移動機構とを1つの機構で構成して、制御をより簡単
にするとともに試料管の本数をより多く保持することが
できるようにしながら、しかも大型になることなく、安
価な自動試料交換装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに、請求項1の発明は、試料導入口の真上に対応する
周縁部の位置に凹部が形成された固定プレートと、この
固定プレートの前記周縁部に沿って移動可能であり、試
料管が挿入される所定数のスリーブがその移動方向に関
連しかつ前記スリーブの下端が前記試料導入口に対向一
致可能に配設されている移動プレートとを少なくとも備
え、この移動プレートの前記スリーブが前記固定プレー
トの前記凹部に一致する位置に来たときは、前記固定プ
レートの前記周縁部が前記スリーブの内孔内に突出しな
く、前記スリーブが前記固定プレートの前記凹部に一致
しない位置に来たときは、前記固定プレートの前記周縁
部が前記スリーブの内孔内に突出させるように構成し、
前記スリーブの内孔内に突出した前記固定プレートの前
記周縁部により試料管を係止保持することを特徴として
いる。
【0014】また請求項2の発明は、前記固定プレート
が円形のディスクプレートであり、前記移動プレートが
このディスクプレートと同心状にかつ前記ディスクプレ
ートの中心回りに回転可能に配設されたリングプレート
であり、前記所定数のスリーブが前記リングプレートに
周方向に沿って配設されていることを特徴としている。
【0015】更に請求項3の発明は、前記固定プレート
が矩形プレートであり、前記移動プレートがこの矩形プ
レートの長手方向の一側縁に沿って直進移動可能に配設
された直動テーブルであり、前記所定数のスリーブが前
記直動テーブルの長手方向に沿って配設されていること
を特徴としている。
【0016】更に請求項4の発明は、前記移動プレート
が、超音波モータの回転駆動力によって移動されること
を特徴としている。
【0017】更に請求項5の発明は、前記固定プレート
の前記周縁部の面を前記移動プレートが摺動するように
設けられているとともに、前記固定プレートの少なくと
も前記周縁部の面に低摩擦処理が施されているか、また
は前記固定プレートが低摩擦材で形成されていることを
特徴としている。
【0018】
【作用】このような構成をした本発明の自動試料交換装
置においては、スリーブが固定プレートの凹部に一致し
ない位置にあるとき、このスリーブ内に試料を挿入する
と、固定プレートの周縁部がスリーブの内孔内に突出し
ているので、この突出した周縁部により試料管がスリー
ブ内で係止保持される(チャックON状態)。この状態
で、移動プレートが固定プレートの周縁部に沿って移動
して、スリーブが固定プレートの凹部に一致する位置に
来ると、固定プレートの周縁部がスリーブの内孔内から
退避するようになる。したがって、この状態ではスリー
ブ内の試料管は係止保持されなくなり、自由状態となる
(チャックOFF状態)。このとき、スリーブの下端が試
料導入口に自動的に一致しているので、従来の自動試料
交換装置と同様にNMR装置本体等の分析装置本体から
この試料導入口を通して低圧のエアを供給することによ
り、試料管が浮上した状態に保持される。そして、分析
装置本体からのエアの供給を制御することにより、試料
管が分析装置本体へ導入される。
【0019】試料の測定が終了すると、分析装置本体か
らエアを再び供給することにより、試料管がスリーブ内
を通って固定プレートの周縁部を越えた一定高さに浮上
される。この状態で、移動プレートが固定プレートの周
縁部に沿って再び移動すると、固定プレートの周縁部が
スリーブ内に徐々に突出するようになるとともに、スリ
ーブの下端が試料導入口からずれてエア流通面積が次第
に小さくなっていく。このため、スリーブに供給される
エアが少なくなるので、試料管の浮上力が弱くなってき
て、試料管が下降する。このとき、固定プレートの周縁
部がスリーブ内にかなり突出しているので、試料管がこ
の突出した周縁部に再び係止保持される(チャックON状
態)。そして、移動プレートが更に移動すると、スリー
ブの下端が試料導入口から完全に外れ、エアの供給は完
全に停止する。
【0020】このように本発明の自動試料交換装置にお
いては、移動プレートを移動させるだけで、試料の搬送
と試料のチャックとが1つの機構で同時に行われるよう
になる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
の形態を説明する。図1は本発明にかかる自動試料交換
装置の実施の形態の一例を部分的に断面をとって示す正
面図であり、図2はその平面図である。
【0022】図1および図2に示すように、本例の自動
試料交換装置20はベース21を備えており、このベー
ス21にNMR本体装置へ試料を導入するための試料導
入口22aを有する試料導入管22が設けられている。
その場合、試料導入口22aはベース21より上方へ若
干突出している。試料導入口22aのある試料導入管2
2の上端には、低摩擦係数のベアリングプレーン23が
上下動可能に嵌合されて設けられているとともに、この
ベアリングプレーン23とベース21との間には、Oリ
ング24が介設されている。その場合、ベアリングプレ
ーン23の上面が試料導入管22の上端より上方に位置
するようにされている。
【0023】また、ターンテーブル25がベアリングプ
レーン23上に摺動可能に載置されるようにして配設さ
れている。このターンテーブル25の筒状の回転軸26
がベース21を貫通して、ベース21の下面に固定され
ているベアリング27の出力側に連結されている。した
がって、ターンテーブル25はベース21に対して相対
回転可能となっている。
【0024】このターンテーブル25の回転軸26がベ
アリング27の出力側に連結された状態では、ターンテ
ーブル25の下面がベース3に設けられたストッパ43
に当接しているとともに、ベアリングプレーン23を軽
く下方に押圧している。このため、ベアリングプレーン
23によりOリング24が若干変形しており、このOリ
ング24の変形による反発力によってベアリングプレー
ン23を介してターンテーブル25の下面に面圧が加え
られている。この面圧により、ターンテーブル25の下
面とベアリングプレーン23の上面とが密封されてい
る。
【0025】ベアリング27の筒状の入力側回転軸には
プーリ28が設けられており、このプーリ28はギヤベ
ルト29を介して超音波モータ30の回転軸に設けられ
たプーリ31に連結されている。なお、Oリング24に
代えて、他の弾性体を用いることもできる。
【0026】更に、上下に延びるシャフト32がターン
テーブル25の回転軸26およびベアリング27の入力
側回転軸を遊嵌して設けられており、このシャフト32
は自動試料交換装置20の図示しない支持台に固定され
ている。このシャフト32の上端には円形のディスクプ
レート33が固定されており、図3に示すようにこのデ
ィスクプレート33の周縁の1箇所に半円形の凹部34
が形成されている。この半円形の凹部34の径は試料導
入管22の内径と等しいかまたは若干大きく設定されて
いるとともに、試料導入管22の試料導入口22aの直
上すなわち試料導入口22aと同心状に設けられてい
る。なお、凹部34は必ずしも半円形ある必要はなく、
円弧状でもよい。
【0027】一方、ターンテーブル25には、試料導入
管22の内径と同内径の8個の下側スリーブ35が同心
状にかつ周方向等間隔に設けられている。その場合、8
個の下側スリーブ35はともにそれらの下端部がターン
テーブル25に穿設された貫通孔に嵌合固定されてい
る。また8個の下側スリーブ35は、ターンテーブル2
5が回転して8個の下側スリーブ35のうち1個の下側
スリーブ35が試料導入管22に対向する位置に来たと
き、その下側スリーブ35の内孔35aが試料導入管2
2の試料導入口22aに一致するように配置されてい
る。各下側スリーブ35の上端は、2枚の上下板が合板
されたリングプレート36の貫通孔に嵌合固定されてい
る。また、リングプレート36の8個の貫通孔には、そ
れぞれ上方から8個の上側スリーブ37の下端部が嵌合
固定されている。
【0028】リングプレート36の内周縁部36aはそ
の上下板の間にディスクプレート33の周縁部を挟持す
るようにかつディスクプレート33の外周縁部33aに
対して摺動可能に設けられている。したがって、ターン
テーブル25が回転するときは、8個の上、下側スリー
ブ37,35およびリングプレート36が一体に回転す
るようになっている。なお、このときディスクプレート
33の外周縁部33aの表面は、リングプレート36の
回転時の摺動抵抗および後述するようにサンプルロータ
39の回動時の摺動抵抗が小さくなるようにするため、
低摩擦処理が施されている。また、ディスクプレート3
3はそれ自体低摩擦材で形成することもできる。
【0029】ところで、本例の自動試料交換装置20に
おいては、ディスクプレート33の外周縁部33aと各
上、下側スリーブ37,35との相対位置関係が次のよ
うに設定されている。すなわち、上、下側スリーブ3
7,35の内孔37a,35aがディスクプレート33の
円弧状凹部34と一致する位置では、ディスクプレート
33の外周縁(すなわち凹部34を形成する縁)33a
が内孔37a,35a内に突出しなく、退避した状態
(図1で左側の上、下側スリーブ37,35の間にある
ディスクプレート33の外周縁部33aの状態)とな
り、この位置以外では、ディスクプレート33の外周縁
部33aが内孔37a,35a内に突出した状態(図1
で右側の上、下側スリーブ37,35の間にあるディス
クプレート33の外周縁部33aの状態)となるように
設定されている。
【0030】このように構成された本例の自動試料交換
装置においては、上、下側スリーブ37,35が、その
内孔37a,35aがディスクプレート33の円弧状凹
部34と一致しない位置にあるとき、従来と同様の試料
管38が上、下側スリーブ37,35内に上方から挿入
されると、サンプルロータ39の下面が内孔37a,3
5a内に突出したディスクプレート33の外周縁部33
aに係止するようになる。これにより、試料管38が
上、下側スリーブ37,35内でディスクプレート33
の外周縁部33a上に並べられて保持される(すなわ
ち、チャックON状態)。
【0031】この状態で、この試料管38をNMR本体
装置に導入するために試料導入口22aに搬送するため
に、超音波モータ30を駆動して、ターンテーブル25
を、例えば図2において反時計回りに回転する。また、
同時にあるいはターンテーブル25の回転開始に前後し
て、試料導入管22を通して低圧のエアを上方に向けて
供給する。ターンテーブル25の回転により、各スリー
ブ35,37およびリングプレート36もともに回転す
るので、各スリーブ35,37に挿入されている試料管
38が回転搬送される。このとき、試料管38は、サン
プルロータ39が上側スリーブ37にガイドされながら
かつサンプルロータ39の下面がディスクプレート33
の外周縁部33a上を摺動しながら、搬送されるように
なる。そして図4(a)に示すように、この試料管38
が挿入されている上、下側スリーブ37,35が下側ス
リーブ35の内孔35aと試料導入口22aとがまった
く重ならなくしかもディスクプレート33の外周縁部3
3aのサンプルロータ39との係止部33a1が最も大
きな位置αから反時計回りに回転することにより、次第
に試料導入口22aに接近して、下側スリーブ35の内
孔35aの一部と試料導入口22aの一部とが少し重な
り、ディスクプレート33の外周縁部33aのサンプル
ロータ39との係止部33a1が若干小さくなる位置β
となる。その場合、ベアリングプレーン23の外周円の
中に、下側スリーブ35の内孔35aが入ったとき、こ
の内孔35aおよび試料導入口22aのそれぞれの周囲
は、ターンテーブル25の下面における隣接する下側ス
リーブ35間の平面部分とベアリングプレーン23の上
面との間の面圧により密封されるようになる。
【0032】上、下スリーブ37,35のこの位置βで
は、下側スリーブ35の内孔と試料導入口22aとの重
なり部(図4(a)において斜め格子のハッチングが施さ
れている部分)を通して、試料導入管22を通って供給
されるエアが下、上側スリーブ35,37内に流入して
サンプルロータ39の下面に作用し始める。このとき、
ターンテーブル25の下面とベアリングプレーン23の
上面との間が密封されているので、エアが外に漏れるよ
うなことはない。このときのエアの流入量は、前述の重
なり部の面積が小さく絞られるため、少量となる。
【0033】更にリングプレート36が同方向に回転す
ると、図4(b)に示すように下側スリーブ35の内孔
35aの一部と試料導入口22aの一部との重なり部が
かなり大きくなりかつディスクプレート33の外周縁部
33aのサンプルロータ39との係止部33a1が若干
小さくなる位置γとなる。
【0034】上、下スリーブ37,35のこの位置γで
は、いまだサンプルロータ39が係止部33a1に係止
されているとともに、試料導入管22を通って下、上側
スリーブ35,37内に流入するエアの量が増大してサ
ンプルロータ39の下面に作用するエアによる力が大き
くなる。
【0035】更にリングプレート36が同方向に回転す
ると、図4(c)に示すように上、下側スリーブ37,
35が、下側スリーブ35の内孔35aと試料導入口2
2aとがほとんど重なる位置δを経て、下側スリーブ3
5の内孔35aと試料導入口22aとが完全に一致する
位置となり、この位置で超音波モータ30が停止し、し
たがってターンテーブル25、リングプレート36およ
び各スリーブ35,37が停止する。この内孔35aと
試料導入口22aとが一致した位置では、ディスクプレ
ート33の外周縁部33aが上、下側スリーブ37,3
5の内孔37a,35aから完全に退避して係止部33
1が完全に消滅している。したがって、サンプルロー
タ39は自由となり、試料管38はディスクプレート3
3の外周縁部33aによっては保持されなくなる(チャ
ックOFF状態)。しかし、このときには試料導入管22
からのエアがまったく絞られることなく、下、上側スリ
ーブ35,37内に流入するようになるので、下方から
のこの低圧のエアにより、試料管38は所定の浮上力を
受けて浮上した状態に保持される。これにより、試料管
38は試料導入口22aの直上に搬送され、いつでもN
MR本体装置に導入できる状態となる。以下、前述と同
様にこの低圧のエアの供給を制御することにより、試料
管14をNMR本体装置に向かって試料導入管22を介
して下方へ移動させる。
【0036】NMR本体装置による試料管14内の試料
の測定が終了すると、再びエアを供給することにより、
試料管14をサンプルロータ39の下面がディスクプレ
ート33を越えるまで上方へ移動させ、ディスクプレー
ト33の一定の高さに浮上させた状態に保持する。この
状態で、超音波モータ30を駆動してターンテーブル2
5およびリングプレート36を同方向に回転すると、図
4(a)に示すように上、下側スリーブ37,35は下
側スリーブ35の内孔35aと試料導入口22aとの重
なり部が次第に小さくなった位置εとなる。またこのと
き、隣接する次の上、下側スリーブ37,35が前述の
位置βとなる。上、下側スリーブ37,35のこの位置
εでは、上、下側スリーブ37,35内に流入するエア
の量が低減するので、試料管38およびサンプルロータ
39が受けるエアによる浮上力が小さくなり、試料管3
8およびサンプルロータ39は下降するようになる。し
かし、このときにはディスクプレート33の外周縁部3
3aが上、下側スリーブ37,35の内孔37a,35a
内に突出して係止部33a1が形成されるようになるの
で、サンプルロータ39の下面がこの係止部33a1
係止し、試料管38がディスクプレート33の外周縁部
33aによって保持される(チャックON状態)。
【0037】更にリングプレート36が同方向に回転す
ると、図4(b)に示すように上、下側スリーブ37,
35は下側スリーブ35の内孔35aと試料導入口22
aとがほとんど重ならなくなる位置ζを経て図4(c)
に示すように下側スリーブ35の内孔35aが試料導入
口22aから完全に遮断された位置ηとなる。このと
き、隣接する次の上、下側スリーブ37,35が前述の
位置δとなる。そして、この隣接する次の下側スリーブ
35の内孔35aが試料導入口22aに完全に一致した
とき超音波モータ30が停止され、ターンテーブル2
5、各スリーブ35,37およびリングプレート36が
停止する。
【0038】以上の動作の繰り返しにより所定のすべて
の測定が終了した時に、試料管38は上側スリーブ37
から引き抜かれて、新しい試料を収容した試料管38が
上側スリーブ37の上方から挿入されて、前述と同様に
ディスクプレート33に保持される(チャックON状
態)。
【0039】このように本例の自動試料交換装置20に
よれば、リングプレート36を回転させるだけで、試料
の搬送と試料のチャックONおよびOFF(試料交換作業)
とを一緒にかつ自動的に行うことができるようになる。
すなわち、自動試料交換装置20に試料搬送機構と試料
チャック機構との2つの機構を1つの機構で兼ね備える
ことができるようになる。また、これによりこの1つ機
構を制御するだけでよいので、簡単な制御回路および簡
単な制御ソフトで済むようになる。そのうえ、ディスク
プレート33、リングプレート36、およびターンテー
ブル25を設けるだけで済むので、構造が簡単になる。
したがって、本例の自動試料交換装置20を簡単にかつ
安価に製造することができるようになる。
【0040】また、超音波モータ30を用いているの
で、この超音波モータ30がNMRの強い漏洩磁場によ
って影響されることはなく確実に作動するので、従来の
ようなシリンダを用いる必要はない。したがって、試料
の搬送移動量を任意にかつ容易にとれるようになるの
で、試料管38の本数を従来に比べて増大することがで
きる。
【0041】更に、試料管38の円周状配置の径の大小
を適宜設定することにより、同じ機構で試料の多少に柔
軟に対応することができ、フレキシブル性が向上する。
しかも、試料管38の本数が増えても、試料搬送機構お
よび試料チャック機構は1つの機構で済むので、部品点
数が削減でき、コストが更に一層低減できるようにな
る。
【0042】更に、本例のチャック機構では、試料管3
8を保持するサンプルロータ39の径より若干大きな内
径のスリーブ35,37が配置できさえすればよいの
で、従来のような試料管38と直交方向に摺動するスラ
イドプレート7が不要であるので、チャック機構が膨ら
むことはなく、設置スペースを有効に活用でき、小型化
が効果的に図れるようになる。
【0043】更に、ベアリングプレーン23がターンテ
ーブル25の下面に所定の面圧で面接触しているので、
ベアリングプレーン23とターンテーブル25との間の
シールの面積が大きくとれるようになり、シールが確実
なものとすることができる。その場合、ベアリングプレ
ーン23の大きさを、その自動試料交換装置20の設計
条件に合わせて適宜設定することにより、種々の自動試
料交換装置20にフレキシブルに対応することができる
ようになる。
【0044】しかも、面圧の調整は下側スリーブ35の
移動方向と直交するZ軸方向の1つの方向のみで済むよ
うになるので、より一層簡単なものとなる。これによ
り、複数のどの下側スリーブ35に対しても均一な面圧
が容易に得られるようになり、動作トルクを一定にする
ことができる。
【0045】図5は、本発明の自動試料交換装置の実施
の形態の他の例を示す図、図6は図5におけるVIーVI線
に沿う断面図である。なお、前述の例の自動試料交換装
置と同じ構成要素には同じ符号を付すことにより、その
詳細な説明は省略する。
【0046】前述の例では、ディスクプレート33を円
形に形成し、またターンテーブル25およびリングプレ
ート36により各スリーブ35,37を円周方向に配置
して支持するとともに、これらの各スリーブ35,37
を回転させることにより、試料管38を搬送させるよう
にしているが、本例の自動試料交換装置20は、図5お
よび図6に示すように直動テーブル40および第1矩形
プレート41により、各スリーブ35,37がこれらの
直動テーブル40および第1矩形プレート41の長手方
向に沿って直線上に配置して支持されている。
【0047】また第2矩形プレート42がベース21に
固定されている。そして、試料導入口22aの直上の、
第2矩形プレート42の一方の側縁部42aの位置に、
前述と同じ半円形の凹部34が形成されている。
【0048】第1矩形プレート41は、前述のリングプ
レート36と同様に上下2枚の板の合板によって形成さ
れており、その一側縁部41aの上下板の間に第2矩形
プレート42の一方の側縁部42aが摺動可能に挟持さ
れている。
【0049】直動テーブル40はベアリングプレーン2
3上を摺動可能に設けられていて、このベアリングプレ
ーン23上を直進運動をするようになっている。この直
動テーブル40は、図示しないが超音波モータ30の回
転駆動力を無端状ベルトを介して直進駆動力に変えて直
動テーブル40に伝達することにより、直進運動させる
ようにすることもできるし、また超音波モータ30の回
転駆動力をラック・ピニオンにより直動テーブル40に
伝達することにより、直進運動させるようにすることも
できる。もちろん、これら以外の他の任意の方法で直動
テーブル40を直進運動させるようにすることもでき
る。本例の自動試料交換装置20の他の構成は、前述の
例の自動試料交換装置20の構成と同じである。
【0050】このように構成された本例の自動試料交換
装置20においても、各スリーブ35,37すなわち試
料管38が直進運動することが異なるだけで、他は前述
の例と同様の作用が行われるとともに、本例の自動試料
交換装置20の効果も前述の例と同様の効果が得られる
ので、それらの説明は省略する。
【0051】なお、本発明の自動試料交換装置は、NM
Rの他に試料を自動的に交換するようになっているもの
であれば、どのような分析装置にも適用することができ
る。
【0052】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の自動試料交換装置によれば、試料搬送機構と試料チャ
ック機構との2つの機構を兼ね備えた1つの機構の移動
プレートを移動させるだけで、試料の搬送と試料のチャ
ック動作とを同時にかつ自動的に行うことができるよう
になる。しかも、この1つの機構を制御するだけでよい
ので、制御回路および制御ソフトは簡単なもので済むよ
うになる。そのうえ、固定プレートおよび移動プレート
を設けるだけで済むので、構造が簡単になる。したがっ
て、自動試料交換装置を簡単にかつ安価に製造すること
ができる。
【0053】また、超音波モータを用いることにより、
この超音波モータが強い漏洩磁場によって影響されるこ
とはなく確実に作動するので、従来のようなシリンダが
不要となる。したがって、試料の搬送移動量を任意にか
つ容易にとれるようになるので、試料管の本数を従来に
比べて増大することができる。
【0054】更に、試料管を保持するスリーブが取り付
けられる移動プレートの大きさを適宜設定することによ
り、同じ機構で試料の多少に柔軟に対応することがで
き、フレキシブル性が向上する。しかも、試料管の本数
が増えても、試料搬送機構および試料チャック機構は1
つの機構で済むので、部品点数が削減でき、コストが更
に一層低減できる。
【0055】更に、本発明の自動試料交換装置における
試料チャック機構は膨らむことがなく、設置スペースを
有効に活用でき、小型化が効果的に図れるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる自動試料交換装置の実施の形
態の一例を部分的に断面をとって示す正面図である。
【図2】 図1に示す自動試料交換装置の平面図であ
る。
【図3】 図1に示す自動試料交換装置に用いられてい
るディスクプレートの平面図である。
【図4】 図1に示す自動試料交換装置の作動を説明す
る図である。
【図5】 本発明の実施の形態の他の例を示す平面図で
ある。
【図6】 図5におけるVI−VI線に沿う断面図である。
【図7】 従来の自動試料交換装置を示す平面図であ
る。
【図8】 図7におけるVIII−VIII線に沿う断面図であ
る。
【符号の説明】
20…自動試料交換装置、21…ベース、22…試料導
入管、22a…試料導入口、23…ベアリングプレー
ン、24…Oリング、25…ターンテーブル、26…タ
ーンテーブル25の回転軸、27…ベアリング、28,
31…プーリ、29…ギヤベルト、30…超音波モー
タ、32…シャフト、33…ディスクプレート、33a
…ディスクプレート33の周縁部、33a1…係止部、
34…凹部、35…下側スリーブ、35a…内孔、36
…リングプレート、36a…リングプレート36の内周
縁部、37…上側スリーブ、37a…内孔、38…試験
管、39…サンプルロータ、40…直動テーブル、41
…第1矩形プレート、41a…第1矩形プレート41の
一側縁部、42…第2矩形プレート、42a…第2矩形
プレート41の一側縁部、43…ストッパ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−264706(JP,A) 特開 昭63−98551(JP,A) 特開 昭62−63846(JP,A) 実開 昭61−69148(JP,U) 実開 昭61−149863(JP,U) 実開 昭60−131854(JP,U) 実開 平6−8319(JP,U) 特公 平7−27017(JP,B2) 特公 昭47−20274(JP,B1) 実公 平5−45990(JP,Y2) 実公 平3−11720(JP,Y2) 米国特許5534780(US,A) 米国特許4581583(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 1/00 - 1/44 G01N 24/00 - 24/14 G01R 33/20 - 33/64 JICSTファイル(JOIS)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料導入口の真上に対応する周縁部の位
    置に凹部が形成された固定プレートと、この固定プレー
    トの前記周縁部に沿って移動可能であり、試料管が挿入
    される所定数のスリーブがその移動方向に関連しかつ前
    記スリーブの下端が前記試料導入口に対向一致可能に配
    設されている移動プレートとを少なくとも備え、この移
    動プレートの前記スリーブが前記固定プレートの前記凹
    部に一致する位置に来たときは、前記固定プレートの前
    記周縁部が前記スリーブの内孔内に突出しなく、前記ス
    リーブが前記固定プレートの前記凹部に一致しない位置
    に来たときは、前記固定プレートの前記周縁部が前記ス
    リーブの内孔内に突出させるように構成し、前記スリー
    ブの内孔内に突出した前記固定プレートの前記周縁部に
    より試料管を係止保持することを特徴とする自動試料交
    換装置。
  2. 【請求項2】 前記固定プレートは円形のディスクプレ
    ートであり、前記移動プレートはこのディスクプレート
    と同心状にかつ前記ディスクプレートの中心回りに回転
    可能に配設されたリングプレートであり、前記所定数の
    スリーブは前記リングプレートに周方向に沿って配設さ
    れていることを特徴とする請求項1記載の自動試料交換
    装置。
  3. 【請求項3】 前記固定プレートは矩形プレートであ
    り、前記移動プレートはこの矩形プレートの長手方向の
    一側縁に沿って直進移動可能に配設された直動テーブル
    であり、前記所定数のスリーブは前記直動テーブルの長
    手方向に沿って配設されていることを特徴とする請求項
    1記載の自動試料交換装置。
  4. 【請求項4】 前記移動プレートは、超音波モータの回
    転駆動力によって移動されることを特徴とする請求項1
    ないし3のいずれか1記載の自動試料交換装置。
  5. 【請求項5】 前記固定プレートの前記周縁部の面を前
    記移動プレートが摺動するように設けられているととも
    に、前記固定プレートの少なくとも前記周縁部の面に低
    摩擦処理が施されているか、または前記固定プレートが
    低摩擦材で形成されていることを特徴とする請求項1な
    いし4のいずれか1記載の自動試料交換装置。
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