JP3431910B2 - 筒筐体型スピーカ装置とその構造 - Google Patents

筒筐体型スピーカ装置とその構造

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JP3431910B2 JP2001289414A JP2001289414A JP3431910B2 JP 3431910 B2 JP3431910 B2 JP 3431910B2 JP 2001289414 A JP2001289414 A JP 2001289414A JP 2001289414 A JP2001289414 A JP 2001289414A JP 3431910 B2 JP3431910 B2 JP 3431910B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、楽音などの複雑な
波形を忠実に再生するための筒筐体型スピーカ装置とそ
の構造に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来技
術の円筒筐体型スピーカ装置は、一本の円筒筐体を垂直
に立設し、上部開口端にスピーカユニットを、その振動
板前面が上方に向くように取り付け、下部開口端を開放
状態のまま設置面から離間して垂直に保持される構造と
していた。
【0003】従来技術の円筒筐体型スピーカ装置のスピ
ーカユニットとして、全域型(シングルコーン型やコア
キシャル2ウエイ及びその類似型)を用いて、人の可聴
帯域といわれている約20Hzから20000Hzの音
響信号を再生するのであるが、この場合に起こりうる問
題の多くは、約100Hz以下の低音域で発生し、その
内容は、以下に示す2点に集約される。 (1)空気を揺るがすような低音が再生できない。 (2)円筒筐体の長さを1/4波長とする周波数以下の
低音の再生品質が悪い。
【0004】従来技術の円筒筐体型スピーカ装置は、前
述のように下部開口端を開放状態にしているため、その
部分で音響インピーダンスが急激に変化し、低音の再生
品質を大きく劣化させる要因となっていた。再生品質の
劣化は周波数が低くなるほど多くなり、同時に再生音の
量的不足を来たしている。
【0005】前述の低音域における問題は、長さが無限
の円筒筐体では発生しない。しかしながら、現実的には
1m前後の円筒筐体を用いざるを得ないため、低音域に
おける問題点を根本的に解決することが出来なかった。
【0006】また、楽音などの複雑な波形信号を忠実に
再生するための円筒筐体型スピーカ装置に関するもの
で、同様な目的の先行例として、特開平5−56493
号公報、特開平5−145983号公報及び特願平11
−343026号公報などがあるが、いずれも低音の再
生に関し、量的、質的な面で問題を抱えていた。
【0007】さらに、円筒筐体型スピーカ装置の特長で
あるスピーカユニットの背面から筐体内部に向け発せら
れる音波が平面波状態を保つ機能を高める解決策が講じ
られていなかったため、特に中高音部における再生音の
質的問題の解決が不十分であった。
【0008】すなわち、円筒筐体型スピーカ装置では、
再生音の忠実性を高めるための重要な手段として、垂直
に立設する円筒筐体の上部開口端に取り付けられたスピ
ーカユニットの背面から筐体内部に放射される音波の伝
搬を、平面波モードに保つことが必要である。筐体内部
における音波の平面波モードを保つためには、主に筐体
内部壁面における音波の反射を抑え、定在波の発生を防
止することが必要である。従来技術では、上記の不要音
波の発生を抑制するためにフェルトやグラスウール等の
吸音制振材や制振材を用いているが、これら素材の吸音
特性が必ずしも満足できるものでないため、吸音素材を
過剰に使用する傾向にあった。
【0009】しかしながら、上記吸音制振材や制振材は
有害な音波を吸収すると同時に必要な音波も吸収するた
め音波エネルギーを減少させ、さらに過剰に使用した場
合には空気粒子の粘性抵抗作用が顕著に増加し再生音の
躍動性を抑圧する原因になっていた。円筒筐体の壁面は
構造的に振動しにくい状態にあり、それが音質向上に役
立っているが、反面、筐体内部における直径方向の反射
が強く発生するため吸音制振材の使用が過剰になる傾向
にあった。
【0010】吸音制振材の使用を少なくした場合でも、
円筒筐体の内部壁面に制振及び吸音制振材を全面貼付す
ることは避けられず、現実的には更に筐体内の一部にグ
ラスウールやウレタン綿などの吸音制振材を充填した
り、筐体内中心部縦方向に前記吸音制振材を釣り下げる
などの方法をとらざるを得なかった。このような吸音方
法では、どうしても吸音制振材の使用量が多くなり音の
生気が失われる傾向が強くなる。しかし、反射波により
定在波が発生すると筒筐体型スピーカ装置の特長である
平面波が崩れるという問題があるため、両者の兼ね合い
をはかりながら妥協せざるを得なかった。
【0011】一方、円筒筐体の断面直径を小さくすれば
壁面で反射する音波の周波数が高くなり上記の問題点が
少なくなるが、5〜8cm程度の超小口径スピーカユニ
ットを使用するために低音の量感が減少し最低域の再生
が出来ないという問題点があった。
【0012】本発明の第1の目的は以上の問題点を解決
し、垂直に立設する円筒筐体の上部開口端に取り付けら
れたスピーカユニットの背面から筐体内部に放射される
音波の伝搬を平面波モードに保持することができ、楽音
などの複雑な波形をより忠実に再生することができる筒
筐体型スピーカ装置とその構造を提供することにある。
【0013】本発明の第2の目的は以上の問題点を解決
し、2m未満であって実用的な1m前後の長さの筒筐体
を用いて十分に低い低音(例えば、100〜30Hzの
最低音領域の低音)を質及び量共に満足できる状態で再
生できる筒筐体型スピーカ装置とその構造を提供するこ
とにある。
【0014】本発明の第3の目的は以上の問題点を解決
し、筒筐体型スピーカ装置において筐体の断面径に関係
なく、吸音制振材を多用することなく低音から高音域に
至るまで平面波を維持できる筒筐体型スピーカ装置とそ
の構造を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係る筒筐体
型スピーカ装置は、一端にスピーカユニットを備え、他
端に開口部を備えた筒形状の筒筐体と、上記筒筐体を実
質的に垂直方向に立設するように支持する支持手段とを
備えた筒筐体型スピーカ装置において、上記筒筐体の開
口部が上記筒筐体の筒底面の断面積よりも小さい断面積
を有するように上記筒筐体の他端の一部が閉鎖され、上
記筒筐体の他端の開口部に連結され、上記スピーカユニ
ットを励振したときに上記筒筐体の内部に放射される音
波を複数N個の音波に分配する音波分配手段と、それぞ
れ実質的に同一の断面積の伝搬経路を有し、上記分配さ
れた複数N個の音波を各伝搬経路を介してそれぞれ伝搬
させた後、各外部開口部を介して、実質的に水平方向に
外部に放射する複数N個の伝搬手段とを備え、上記筒筐
体の他端の開口部から上記音波分配手段を介して上記各
伝搬手段の外部開口部までの距離と、上記筒筐体の他端
の開口部の断面積と、上記筒筐体の体積とに基づいて決
定されるヘルムホルツの共鳴周波数が、上記スピーカユ
ニットの最低共振周波数に実質的に一致するように設定
されたことを特徴とする。
【0016】また、上記筒筐体型スピーカ装置におい
て、上記筒筐体の他端の開口部の断面積を上記複数Nで
除算した面積が、上記各伝搬手段の伝搬経路の断面積に
実質的に一致するように形成されたことを特徴とする。
【0017】さらに、上記筒筐体型スピーカ装置におい
て、上記音波分配手段は、音波を分配する面において、
音波反射防止部材を備えたことを特徴とする。
【0018】またさらに、上記筒筐体型スピーカ装置に
おいて、上記筒筺体内に各筒細管の長手方向が上記筒筺
体の長手方向と実質的に平行となるように収容され、上
記スピーカユニットを励振したときに上記筒筐体の内部
に放射される音波を実質的に平面波で維持するための複
数本の筒細管をさらに備えたことを特徴とする。
【0019】第2の発明に係る筒筐体型スピーカ装置
は、一端にスピーカユニットを備え、他端に開口部を備
えた筒形状の筒筐体と、上記筒筐体を実質的に垂直方向
に立設するように支持する支持手段とを備えた筒筐体型
スピーカ装置において、上記筒筺体内に各筒細管の長手
方向が上記筒筺体の長手方向と実質的に平行となるよう
に収容され、上記スピーカユニットを励振したときに上
記筒筐体の内部に放射される音波を実質的に平面波で維
持するための複数本の筒細管を備えたことを特徴とす
る。
【0020】また、上記筒筐体型スピーカ装置におい
て、上記各筒細管は円筒細管であり、上記各筒細管の直
径は、維持しようとする平面波の基音の上限の波長より
も短く、かつ維持しようとする平面波の3倍音の上限の
波長よりも長くなるように設定されたことを特徴とす
る。
【0021】さらに、上記筒筐体型スピーカ装置におい
て、上記各筒細管と、上記円筒筺体との間に設けられ
た、吸音制振材をさらに備えたことを特徴とする。
【0022】第3の発明に係る筒筐体型スピーカ装置の
構造は、一端にスピーカユニットを備え、他端に開口部
を備えた筒形状の筒筐体と、上記筒筐体を実質的に垂直
方向に立設するように支持する支持手段とを備えた筒筐
体型スピーカ装置の構造において、上記筒筐体の開口部
が上記筒筐体の筒底面の断面積よりも小さい断面積を有
するように上記筒筐体の他端の一部が閉鎖され、上記筒
筐体の他端の開口部に連結され、上記スピーカユニット
を励振したときに上記筒筐体の内部に放射される音波を
複数N個の音波に分配する音波分配手段と、それぞれ実
質的に同一の断面積の伝搬経路を有し、上記分配された
複数N個の音波を各伝搬経路を介してそれぞれ伝搬させ
た後、各外部開口部を介して、実質的に水平方向に外部
に放射する複数N個の伝搬手段とを備え、上記筒筐体の
他端の開口部から上記音波分配手段を介して上記各伝搬
手段の外部開口部までの距離と、上記筒筐体の他端の開
口部の断面積と、上記筒筐体の体積とに基づいて決定さ
れるヘルムホルツの共鳴周波数が、上記スピーカユニッ
トの最低共振周波数に実質的に一致するように設定され
たことを特徴とする。
【0023】また、上記筒筐体型スピーカ装置の構造に
おいて、上記筒筐体の他端の開口部の断面積を上記複数
Nで除算した面積が、上記各伝搬手段の伝搬経路の断面
積に実質的に一致するように形成されたことを特徴とす
る。
【0024】さらに、上記筒筐体型スピーカ装置の構造
において、上記音波分配手段は、音波を分配する面にお
いて、音波反射防止部材を備えたことを特徴とする。
【0025】またさらに、上記筒筐体型スピーカ装置の
構造において、上記筒筺体内に各筒細管の長手方向が上
記筒筺体の長手方向と実質的に平行となるように収容さ
れ、上記スピーカユニットを励振したときに上記筒筐体
の内部に放射される音波を実質的に平面波で維持するた
めの複数本の筒細管をさらに備えたことを特徴とする。
【0026】第4の発明に係る筒筐体型スピーカ装置の
構造において、一端にスピーカユニットを備え、他端に
開口部を備えた筒形状の筒筐体と、上記筒筐体を実質的
に垂直方向に立設するように支持する支持手段とを備え
た筒筐体型スピーカ装置の構造において、上記筒筺体内
に各筒細管の長手方向が上記筒筺体の長手方向と実質的
に平行となるように収容され、上記スピーカユニットを
励振したときに上記筒筐体の内部に放射される音波を実
質的に平面波で維持するための複数本の筒細管を備えた
ことを特徴とする。
【0027】また、上記筒筐体型スピーカ装置の構造に
おいて、上記各筒細管は円筒細管であり、上記各筒細管
の直径は、維持しようとする平面波の基音の上限の波長
よりも短く、かつ維持しようとする平面波の3倍音の上
限の波長よりも長くなるように設定されたことを特徴と
する。
【0028】さらに、上記筒筐体型スピーカ装置の構造
において、上記各筒細管と、上記円筒筺体との間に設け
られた、吸音制振材をさらに備えたことを特徴とする。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明に係
る実施形態について説明する。
【0030】<第1の実施形態>図1は本発明に係る第
1の実施形態である円筒筐体型スピーカ装置の構造を示
す斜視図であり、図2は図1の円筒筐体型スピーカ装置
の正面図である。また、図3は図1のB−B’面の縦断
面図であり、図4は図1のA−A’面の横断面図であ
る。
【0031】この第1の実施形態に係る円筒筐体型スピ
ーカ装置は、図1乃至図4に示すように、一端にスピー
カユニット1を備え、他端に開口部5を備えた円筒形状
の円筒筐体2と、円筒筐体2を実質的に垂直方向に立設
するように支持する支持手段である筐体ベース部3及び
底板7とを備え、円筒筐体2の開口部5が円筒筐体2の
円筒底面の断面積よりも小さい断面積を有するように
(好ましくは、スピーカユニット1の振動板の有効面積
のおよそ1/2の断面積を有する)円筒筐体2の他端の
一部が閉鎖リング10により閉鎖され、2つの平板を十
字形状に組み合わせてなる音波分配部材6は、円筒筐体
2の他端の開口部5に導通連結され、スピーカユニット
1を励振したときに円筒筐体2の内部に放射される音波
を4分配し、さらに、音波分配部材6から互いに直角に
延在しかつ互いに実質的に同一の断面積を有する4つの
伝搬経路空間7aが筐体ベース部3と底板7との間に形
成され、分配された音波を各伝搬経路空間7aを介して
それぞれ伝搬させた後、筐体ベース部3の外周縁端部に
形成された各外部開口部4aを介して、実質的に水平方
向に外部に放射することを特徴としている。ここで、円
筒筐体2の他端の開口部5から音波分配部材6及び各伝
搬経路空間7aを介して外部開口部4までの距離と、円
筒筐体2の他端の開口部5の断面積と、円筒筐体2の体
積とに基づいて決定されるヘルムホルツの共鳴周波数
が、スピーカユニット1の最低共振周波数に実質的に一
致するように設定される。さらに、円筒筐体2の他端の
開口部5の断面積を分配数=4で除算した面積が、各伝
搬経路空間7aの断面積に実質的に一致するように形成
されている。
【0032】本発明に係る第1の実施形態の円筒筐体型
スピーカ装置の目的は、従来技術の円筒筐体型スピーカ
装置の欠点である(1)可聴限界に近い低音の再生レベ
ルが極めて低く殆ど聴えないという現象、(2)再生限
界に近い低音が、下部開口部における音響インピーダン
スの激変の影響を受けて忠実性を大きく阻害されるとい
う現象を解決する技術的手段を提供することにある。
【0033】一般に、円筒筐体型スピーカ装置では、ス
ピーカユニット1の振動板の面積と円筒筐体2の断面積
をほぼ等しくなるような構造にしているため、振動板の
背面から放射された音波は横方向に膨張拡散せず、円筒
筐体2内を平面波の状態で下部方向に向かって進んで行
く。そのため、円筒筐体2の長さが十分に長い場合の振
動板背面にかかる音響負荷は、周波数に関係なく一定と
なり、低音から高音に至るまで忠実性の高い再生音を得
ることが出来る。例えば、実用的な再生帯域を30〜2
0000Hzとした場合、円筒筐体の長さが30Hzの
1/4波長以上、即ち344m/(30×4)=2.8
7m(但し、音速344m)以上あれば上記領域の音波
を十分な音圧で忠実に再生することが出来る。
【0034】しかしながら、一般的に使用されている長
さが1m前後の円筒筐体型スピーカ装置では、高品質な
低音を再生しようとしても、せいぜい80数Hz程度が
限界で、それより低い低音は質、量ともに劣化すること
を避けることが出来なかった。これは前述したように円
筒筐体2の下部開口端を開放した構造としているため、
その部分で急激に音響インピーダンスが変化し、音波の
反射現象が発生するためである。この影響は波長の長い
音波になるほど顕著になり、低音の音量低下及び音質劣
化の要因になっていた。
【0035】本発明に係る第1の実施形態では、このよ
うな現象が発生することを防止するために、円筒筐体2
の下部の開口端を閉鎖リング10により一部閉塞した構
造としている。もし円筒筐体2の下部の開口端の全部を
閉塞した場合、円筒筐体2は密閉状態になり低音域での
振動板の背面圧力が高まるためスピーカユニット1の最
低共振周波数fが上昇し、希望する30Hz前後の十
分に低い低音領域まで再生することが出来ない。スピー
カユニット1の最低共振周波数fの上昇を抑えるた
め、円筒筐体2の断面積を大きくして筐体の体積を増大
する方法があるが、そのようにすると振動板背面から放
射された音波が横方向に急激に膨張し、円筒筐体2の特
長である平面波が崩れてしまい、忠実性の高い再生音を
得ることが出来なくなる。
【0036】本発明に係る第1の実施形態では、振動板
背面から放射された音波が円筒筐体2の壁面に沿って平
面波状態で進行するモードを保ちつつ、円筒筐体2の下
部他端で音波が反射したり筐体内部の圧力が高まること
によって生じる最低共振周波数fの上昇を防ぐため、
開口部5を形成する閉鎖リング10を備えた構造として
いる。
【0037】上記開口部5の形状は、円筒筐体2の壁面
に囲まれて進行する平面波の崩れを最小にするために円
形であることが望ましいが、その他の形状例えば正方形
や矩形、三角形などでも実用上差し支えない。この第1
の実施形態では、4つの方向に分配放射するために、開
口部5を正方形状としている。
【0038】次いで、図1乃至図4の図面を参照して、
本実施形態に係る円筒筐体型スピーカ装置の構造につい
て以下に詳細説明する。
【0039】図1及び図2に示すように、円筒筐体2の
上部一端に、スピーカユニット1からの振動板前面から
の音波が上方向に放射されるように、スピーカユニット
1を設ける。一方、円筒筐体2の他端は、それぞれ円筒
筐体2の円筒底面の断面よりも大きな断面を有する円柱
平板形状の筐体ベース部3及びその下部に接着された底
板7に連結されて、これら筐体ベース部3及び底板は円
筒筐体2が実質的に垂直方向に立設するように支持す
る。
【0040】図3において、円筒筐体2の下部他端には
その一部を閉塞するために、閉鎖リング10が嵌め込ま
れており、閉鎖リング10の円形外径は円筒筐体2の内
径に等しく、その閉鎖リング10の中央部には、正方形
状の開口部5が形成されている。また、後述するよう
に、ヘルムホルツの共鳴周波数の条件を満たすために、
その開口部5から円筒筐体2の内部に向かって延在する
正方筒形状の導通管11が設けられている。さらに、開
口部5の中央部の直下には、筐体ベース部3と底板7に
より囲まれた正方形柱形状の伝搬経路空間6aが形成さ
れ、その伝搬経路空間6aにおいて、図3及び図4に示
すように、2つの平板を十字形状に組み合わせてなる音
波分配部材6が、その2つの平板が正方形状の開口部5
の対角線に位置するように、かつ底板7から立設するよ
うに設けられる。この音波分配部材6は、スピーカユニ
ット1を励振したときに円筒筐体2の内部に放射された
後、円筒筺体2の内部を平面波で伝搬し、導通管11内
の伝搬経路空間11aを介して開口部5に到達した音波
を4分配する。従って、伝搬経路空間6aは音波分配部
材6により4分割される。
【0041】4分割された伝搬経路空間6aはそれぞ
れ、音波分配部材6から互いに直角に延在しかつ互いに
実質的に同一の断面積(長方形状の縦断面;高さH2を
有する)を有する伝搬経路空間7aに導通連結され、こ
こで、この各伝搬経路空間7aは筐体ベース部3と底板
7との間に形成されている。各伝搬経路空間7aの端部
には、筐体ベース部3の一部を開口してなる外部開口部
4が形成されており、この4つの外部開口部4も、各伝
搬経路空間7aに対応して、筐体ベース部3の外部縁端
部であって、互いに直角である位置に形成されている。
【0042】ここで、開口部5の断面積Sは、音波分配
部材6で分割された二等辺三角形断面形状の伝搬経路空
間6aの各断面積の4倍に実質的に等しく、また、開口
部5の断面積Sは、好ましくは、各伝搬経路空間7aの
長方形状の縦断面の断面積の4倍、及び各外部開口部4
の縦断面の断面積の4倍に等しくなるように形成され
る。
【0043】なお、各伝搬経路空間6aの直下に位置す
る底板7の上面には、平面波で伝搬した音波が底板7で
全反射することを防止するために、フェルト又は鹿皮な
どの音波反射防止部材12が形成されている。これによ
り、上記音波を各伝搬経路空間7aにスムーズに分配、
導通させることができる。
【0044】以上のように構成された円筒筐体型スピー
カ装置において、スピーカユニット1を励振したとき、
スピーカユニット1の振動板前面から放射される音波は
上方向に放射されて、その音波はその円筒筐体型スピー
カ装置が設けられた室のほぼ全体にわたって無指向で放
射される。一方、スピーカユニット1の振動板後面から
放射される音波は、円筒筐体2の内部に放射された後、
円筒筺体2の内部を平面波で伝搬し、導通管11内の伝
搬経路空間11aを介して開口部5に到達し、このと
き、音波分配部材6は、矢印100で示すように、開口
部5に到達した音波を4分配する。次いで、4分配され
た音波は、矢印100で示すように、各伝搬経路空間6
aから各伝搬経路空間7aを介してそれぞれ伝搬した
後、筐体ベース部3の外周縁端部に形成された各外部開
口部4を介して、実質的に水平方向に外部に放射され
る。
【0045】さらに、本実施形態に係る円筒筐体型スピ
ーカ装置における設定条件について説明する。
【0046】上記開口部5に対して一定の長さを持たせ
た構造(以下、導通伝搬経路という。)にすることによ
り、低音域を拡張させることが出来る。この考えは、従
来技術文献1「George L. Augspurger of Northwestern
University, "Loudspeakerson Damped Pipes", Journa
l of Audio Engineering Society, Vol. 48, No. 5,May
2000」の論文の中でベンテッド・パイプ(Vented pip
e)(本実施形態における、導通管を有する円筒筐体に
対応する。)は低音域を拡張することが出来ると記して
いるが、その理由や理論は述べられていない。この考え
の基本はヘルムホルツの共鳴理論に基づくもので、同理
論を応用したスピーカーボックスとして箱型形状のもの
が多く実用化されている。いわゆる位相反転型と称して
いるが、目的は低音域の拡張であり、本発明に係る第1
の実施形態のように円筒筐体2内を進行する平面波の筐
体下部における乱れに起因する低品質な音波の抑制と合
わせた低音域の拡張を目的としたものではない。
【0047】円筒筐体2下部に開口部5を開け一定の長
さの所で開放した場合でも、開放端において音響インピ
ーダンスは変化し、音波の反射現象が発生する。しかし
ながら、共鳴現象を起こした場合は、共鳴周波数以下の
音圧が急激に減衰するので、音響インピーダンスの変化
で反射する音波の筐体外部におけるエネルギーが大幅に
減少し、音質劣化を抑制することが出来る。
【0048】本実施形態においては、スピーカユニット
1aの振動板背面から放射された音波は、円筒筐体2a
の壁面に沿って平面波の状態を保ちながら筐体ベース部
3に向かって進む。筐体ベース部3の中央部には音波を
外部に放射するための導通管11の開口部5が設けられ
ている。開口部5の面積Sはスピーカユニット1の振動
板の有効面積の1/2前後が望ましいが、最終的には周
波数測定とヒアリングによって決定することが好まし
い。なお、後述する導通伝搬経路の長さLが不足する場
合には、導通管11の長手方向の長さを円筒筐体2の内
部にさらに延在させるように延長してもよい。
【0049】導通伝搬経路は開口部5から筐体ベース部
3の中央部を下方向に向かって延在し、音波分配部材6
と底板7によって前後左右の4方向に90度の角度で折
れ曲がりかつ分割して延在し、筐体ベース部3の外周縁
端部に設けられた外部開口部4で外部に開放される。こ
こで、外部開口部4の断面積は好ましくはS/4であ
る。本実施形態において、導通伝搬経路とは、導通管1
1の円筒筐体2の内部側端部から、導通管11内の伝搬
経路空間11a、音波分配部材6の伝搬経路空間6a、
及び伝搬経路空間7aを介して外部開口部4に至るまで
の、音波の伝搬経路である。
【0050】導通伝搬経路の長さLは、図3を参照すれ
ば、
【数1】L=L1+L2 であり、長さLを有する導通伝搬経路の空間と、円筒筐
体2aの体積Vの空間とによってヘルムホルツの共鳴現
象を起こす。その共鳴周波数Fは、ヘルムホルツ理論
の公式により次式により表される。
【0051】
【数2】
【0052】ここで、Sは開口部5の断面積であり、c
は音速であり、c=34400cm/secである。
【0053】
【実施例】上記数2における共鳴周波数Fは、本スピ
ーカ装置に用いるスピーカユニット1の最低共振周波数
に実質的に一致するような近似の周波数に設定する。以
下に、本発明に係る第1の実施形態の試作機の数値を次
の表に示す。
【0054】
【表1】 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― (1)円筒筐体2の内容積V=45リットル (2)円筒筐体2の長さ=100cm (3)スピーカユニット1の公称口径=20cm (4)スピーカユニット1の振動板の有効面積=206cm (5)スピーカユニット1の最低共振周波数f=40Hz (6)開口部5aの断面積=206×0.5=103cm (7)導通管11の長さ=35cm (8)共鳴周波数F=44Hz ―――――――――――――――――――――――――――――――――――
【0055】本発明の第1の目的である低音再生領域の
拡大については、1m前後の円筒筐体型スピーカ装置
で、従来の下部開放型スピーカ装置では得られなかった
低音を、前記構造にすることによって再生することを可
能とした。
【0056】また、本発明のもう一つの目的は、円筒筐
体特有の平面波状態の音波が、スピーカ筐体下部から外
部に放射される場合に、インピーダンスの激変によって
発生する最低音領域の音波の反射による音質劣化を抑制
することであるが、前記構造にすることによって、例え
ば試作機の場合で説明すると、スピーカ装置の共鳴周波
数F(44Hz)以下の周波数レベルを18dB/o
ctで急峻に減衰することができ、前記現象の発生を効
果的に防止することが出来る。
【0057】以上説明したように、本実施形態において
は、円筒筐体2の下部他端の一部を閉鎖リング10で閉
塞し、その中心部にスピーカユニット1の振動板の有効
面積の約50%の面積を有する開口部5を形成してい
る。この開口部5は円筒筐体2の上部に取り付けたスピ
ーカユニット1の振動板の背面から放射される音波を円
筒筐体2の外部に放出するための導通伝搬経路のための
筐体内開口部であり、音波はそこから下方向に向け進行
し、筐体ベース部3内の音波分配部材6によって4分配
され、底板7に突き当たった所で外部開口部4に向け前
後左右方向に設けられた4個の伝搬経路空間7aに誘導
され、筐体ベース部3の外周縁端部の設けられた各外部
開口部4から外部に水平方向で放射される。ここで、4
個の外部開口部4から放射される音波は実質的に360
度の指向性、つまり無指向性であり、スピーカユニット
1の振動板前面から上方向に放射される音波と同一モー
ドにしている。4本の伝搬経路空間7a及び外部開口部
4の断面積は、それぞれ円筒筐体2の下端開口部5の断
面積の1/4で、導通管11の上側開口から開口部5及
び各伝搬経路空間7aを介して各外部開口部4まで面積
的変化が無いようにしている。
【0058】本実施形態においては、伝搬経路空間の断
面積=導通管11の開口部5の断面積S、伝搬経路空間
の長さL=L1+L2及び円筒筐体2の内容積Vの設定
値によりヘルムホルツ共鳴を起こすことができる。従っ
て、三者の数値を同理論の公式(数2)に従って適切な
値に設定することで、共鳴周波数Fを希望する値に設
定することが出来る。これにより希望値に近似の低音特
性を比較的容易に得ることが出来る。また、共鳴周波数
以下の音波のエネルギーは約18dB/octで急
激に減衰するため、それ以下の低域音波の反射による乱
れが抑制され、円筒筐体2が有する優れた音響特性の維
持が可能となり、高品質な再生音を得ることができる。
【0059】さらに、下部開口部開放型のスピーカ装置
では、音質劣化抑制のため筐体ベース部3を物理的に大
きく出来ず、立設する円筒筐体2の安定性の確保が難し
いという大きな問題があったが、本発明に係る第1の実
施形態の構造によって、円筒筐体2の長さの50%前後
の直径を有する極めて安定性の高い筐体ベース部3にす
ることが可能となった。さらに、必要に応じて、導通伝
搬経路の長さL及び開口部5の面積Sを数式に基づいて
変更し、任意の大きさの筐体ベース部3にすることが可
能である。
【0060】以上の第1の実施形態に係るスピーカ装置
から放射される音波は無指向性であるので、筐体ベース
部3における導通伝搬経路は上記のように前後左右4方
向に開口していることが望ましいが、1方向、2方向、
3方向の方向でも実用上差し支えない。さらに、5方向
以上の方向に分配開口させてもよい。
【0061】<第1の変形例>図5は、第1の変形例に
係る円筒筐体型スピーカ装置の、図3に対応する縦断面
図であり、図6は、図5の円筒筐体型スピーカ装置の、
図4に対応するC−C’面の横断面図である。この第1
の変形例は、導通伝搬経路を2方向に開口させた例であ
って、音波を2分配する音波分配部材106を備えたこ
とを特徴とする。以下、第1の実施形態との相違点につ
いて詳細に説明する。
【0062】図5において、円筒筐体2の下部他端の開
口部5には、その下方向に向かって、正方形状の導通管
111が導通連結され、導通管111内に伝搬経路空間
111aが形成される。導通管111の下部には、筐体
ベース部103が連結され、筐体ベース部103の中央
部には、垂直方向に延在する正方形柱形状の伝搬経路空
間103aが形成される。さらに、開口部5の中央部の
直下であり、伝搬経路空間103aの直下には、筐体ベ
ース部103と底板7により囲まれた空間において、三
角屋根形状の音波分配部材106が底板7上に設けられ
る。音波分配部材106の三角屋根の尾根部が、開口部
5の互いに対向する2つの辺の中央部を通過し、開口部
5の断面を2分割するように設けられる。この音波分配
部材106は、スピーカユニット1を励振したときに円
筒筐体2の内部に放射された後、円筒筺体2の内部を平
面波で伝搬し、開口部5及び導通管111内の伝搬経路
空間111aを介して、筐体ベース部3と音波分配部材
106との間の伝搬経路空間106aに到達した音波を
2分配する。すなわち、伝搬経路空間106aを2分割
する。
【0063】2分割された伝搬経路空間106aはそれ
ぞれ、音波分配部材106から互いに180度の角度で
延在しかつ互いに実質的に同一の断面積(長方形状の縦
断面;高さH2aを有する)を有する伝搬経路空間10
7aに導通連結され、ここで、この各伝搬経路空間10
7aは筐体ベース部103と底板107との間に形成さ
れている。各伝搬経路空間107aの端部には、筐体ベ
ース部103の一部を開口してなる外部開口部104が
形成されており、この2つの外部開口部104も、各伝
搬経路空間107aに対応して、筐体ベース部103の
外部縁端部であって、互いに180度の角度の位置に形
成されている。音波分配部材106の屋根部の面に対向
する筐体ベース部103の内側の角度は面取り103b
され、導通伝搬経路における断面積が導通伝搬経路の全
体にわたって実質的に同一になるように形成されてい
る。
【0064】ここで、開口部5の断面積Sは、好ましく
は、2分割された各伝搬経路空間106の長方形状の断
面積の2倍、各伝搬経路空間107aの長方形状の縦断
面の断面積の2倍、及び各外部開口部104の縦断面の
断面積の2倍に等しくなるように形成される。
【0065】なお、音波分配部材106の屋根部の上面
には、平面波で伝搬した音波が全反射することを防止す
るために、フェルト又は鹿皮などの音波反射防止部材1
12が形成されている。これにより、上記音波を各伝搬
経路空間107aにスムーズに分配、導通させることが
できる。
【0066】以上のように構成された第1の変形例に係
る円筒筐体型スピーカ装置において、スピーカユニット
1を励振したとき、スピーカユニット1の振動板前面か
ら放射される音波は上方向に放射されて、その音波はそ
の円筒筐体型スピーカ装置が設けられた室のほぼ全体に
わたって無指向で放射される。一方、スピーカユニット
1の振動板後面から放射される音波は、円筒筐体2の内
部に放射された後、円筒筺体2の内部を平面波で伝搬
し、開口部5から、導通管111内の伝搬経路空間11
1aを介して伝搬経路空間106aに到達し、このと
き、音波分配部材106は、矢印110で示すように、
当該到達した音波を2分配する。次いで、2分配された
音波は、矢印110で示すように、各伝搬経路空間10
6aから各伝搬経路空間107aを介してそれぞれ伝搬
した後、筐体ベース部103の外周縁端部に形成された
各外部開口部104を介して、実質的に水平方向に外部
に放射される。
【0067】以上のように構成された第1の変形例にお
いて、伝搬経路空間の長さL=L11+L12+L13
を用いてヘルムホルツの式(数2)を満たすように設定
することにより、上述の第1の実施形態の作用効果と同
様の作用効果を得ることができる。
【0068】<第2の変形例>図7は、第2の変形例に
係る円筒筐体型スピーカ装置の、図4に対応するC−
C’面の横断面図である。この第2の変形例では、図7
に示すように、図4の第1の実施形態に比較して、円筒
筐体2の内周面に、音波を吸収するためのフェルトにて
なる、例えば1cm厚の吸音制振材13を貼り付けたこ
とを特徴としている。これにより、円筒筐体2内に放射
された音波が円筒筐体2の内周面で反射し平面波を崩す
ことを防止することができ、円筒筐体2の断面直径より
短い波長の周波数まで平面波が維持できる効果を得るこ
とができる。
【0069】<第3の変形例>図8は、第3の変形例に
係る円筒筐体型スピーカ装置の、図6に対応するC−
C’面の横断面図である。この第3の変形例では、図8
に示すように、図6の第1の変形例に比較して、円筒筐
体2の内周面に、音波を吸収するためのフェルトにてな
る、例えば1cm厚の吸音制振材113を貼り付けたこ
とを特徴としている。これにより、円筒筐体2内に放射
された音波が円筒筐体2の内周面で反射し平面波を崩す
ことを防止することができ、円筒筐体2の断面直径より
短い波長の周波数まで平面波が維持できる効果を得るこ
とができる。
【0070】<第2の実施形態>図9は、本発明に係る
第2の実施形態である円筒筐体型スピーカ装置の構造を
示す一部破断斜視図であり、図10は図9のD−D’面
の横断面図である。この第2の実施形態に係る円筒筐体
型スピーカ装置は、図1の第1の実施形態に比較して、
円筒筐体2の内周面に、音波を吸収するためのフェルト
にてなる、例えば1cm厚の吸音制振材13を貼り付け
るとともに、当該吸音制振材13の内周面に、スピーカ
ユニット1の背面から放射される音波を平面波モードで
維持するための7本の円筒細管20を、その長手方向が
円筒筐体2の長手方向と実質的に平行となるように充填
して収容したことを特徴としている。これ以外の構成に
ついては、第1の実施形態と同様に構成される。なお、
スピーカユニット1は、振動板1aとマグネット1bな
どを備えて構成される。
【0071】本実施形態において、吸音制振材13を貼
り付けることにより、円筒筐体2内に放射された音波が
円筒筐体2の内周面で反射し平面波を崩すことを防止す
ることができ、円筒筐体2の断面直径より短い波長の周
波数まで平面波が維持できる。なお、本実施形態におい
て、吸音制振材13は必ずしも必須ではなく、備えなく
てもよい。
【0072】図10に示すように、平面波維持のための
円筒細管20は円筒筐体2内において互いに接するよう
に7本で構成され、例えば互いに接着剤で接着されかつ
それらの外周面と吸音制振材13とがさらに接着剤で接
着されて固定されており、1本の円筒細管20の直径は
円筒筐体2の内径の約3分の1である。また、図9に示
すように、各円筒細管20は、円筒筐体2の長さL10
の約2/3乃至約3/4である長さL20を有し、その
上部がスピーカユニット1のマグネット1bと接触しな
いように所定の間隔L11を有する一方、その下部が円
筒筐体2の最下部から所定の間隔L12(詳細後述す
る。)を有して装着される。ここで、間隔L12は、好
ましくは、円筒筺体2の長さL10の約1/3ないし約
1/4程度である。
【0073】ここで、各円筒細管20の内周面及び外周
面は、平面波の進行をスムーズにさせ、すなわちその進
行を乱さないようにするために、平滑面であることが好
ましいが、大部分の平面波である進行波が各円筒細管2
0の内周面内を進行することを考慮すれば、外周面はあ
る程度粗い面であってもよい。また、各円筒細管20の
内周面及び外周面に対して実質的に垂直に(水平方向、
すなわち横方向)入射する反射波又は定在波について
は、これを吸音する必要があるので、その音響エネルギ
ーを熱エネルギーに変換し易い材質で各円筒細管20を
形成することが好ましく、具体的には、繊維の絡まった
素材の紙を3〜5重巻きにしたものを用い、反射波又は
定在波に対する吸音性を持たせている。上記素材の紙と
しては、例えば大昭和製紙製の画紙(四六版で125k
g/1000枚;例えば、0.2乃至0.3mmの厚
さ)が適している。もしくは、各円筒細管20は、多重
巻きにした紙を一重で閉じた紙管で囲んだ状態の構造で
あってもよく、これら同等の性能を有するものであれば
それ以外の素材でもよい。
【0074】次いで、各円筒細管20の最大径及び最小
径について以下に説明する。各円筒細管20の内径の最
大径(上限値)及び最小径(下限値)は、維持すべき平
面波の最高周波数(上限)で決定される。オルソンの歌
声と楽器の基音周波数帯域表によれば、基音の上限が1
000Hzの楽器の数は全体の70%である。基音の上
限をさらに4000Hzとすれば、全体の95%に達す
る。なお、基音が一番高い楽器はパイプオルガンで約8
000Hzである。
【0075】ここで、基音の上限を4000Hzとする
と、基音の上限の平面波の波長は、34400÷400
0=8.6cmとなり、各円筒細管20の最大径(内
径)は基音の上限の平面波の波長よりも短く設定するこ
とが好ましい。これは、円筒細管20の断面直径より波
長が短い周波数の音波は円筒筐体2の内壁面で反射し易
くなり、平面波を維持することが難しくなるためであ
る。一方、基音が4000Hzの楽器の3倍音で120
00Hzであるので、3倍音の上限の平面波の波長は、
34400÷12000=2.9cmとなり、各円筒細
管20の最小径(内径)は3倍音の上限の平面波の波長
よりも長く設定することが好ましい。これにより、ほと
んどの高域の周波数成分を含んで平面波で伝搬させるこ
とができる。以上の各円筒細管20の内径の最大径(上
限値)及び最小径(下限値)の設定により、維持すべき
平面波の周波数成分を十分に含んで、かつ平面波を実質
的に維持しながら円筒筺体2内を伝搬させることができ
る。
【0076】さらに、円筒筐体2の下部において各円筒
細管20と筐体ベース部3との間に長さL12の空間を
設ける理由について以下に説明する。
【0077】円筒細管20の下部先端を円筒筐体2の最
底部まで伸ばすと、ヘルムホルツの共鳴現象を起こした
場合、円筒筐体2の最下部の導通管11の開口部から円
筒筐体2の内管壁方向に向け急激に膨張拡散する音波の
音圧が各円筒細管20の壁面で減衰するために共鳴現象
を抑制し、低音レベルを低下させてしまう。極端な場
合、複数の円筒細管20のうちの中心に位置する円筒細
管20が導通管11の開口部にかぶさった状態になる
と、共鳴現象は殆ど発生しない。一方、各円筒細管20
の長さをより短くして下部空間を広く取りすぎると平面
波の維持が不完全になり、音質が低下してしまう。その
妥協点は、発明者の実験結果によれば、円筒筐体2の最
下部から約25%の高さまで円筒細管20の下部先端を
持って行くのがよい結果を得た。
【0078】以上のように構成された第2の実施形態に
係る円筒筐体型スピーカ装置においては、スピーカユニ
ット1の背面から放射された音波は各円筒細管20の内
部空間20aを通って円筒筐体2の下部に伝搬する。各
円筒細管20の内径は円筒筐体2の内径の約3分の1で
あるので、各円筒細管20が維持できる平面波の最高周
波数は円筒筐体2が維持できる最高周波数の約3倍であ
る。また、各円筒細管20と円筒筐体2の間に形成され
る空間21及び円筒細管20相互間に形成される空間2
2を通過する平面波については、さらに高い周波数まで
維持することができる。
【0079】上記の説明は円筒細管20による平面波維
持に関するものであるが、本実施形態における円筒細管
20の効用は、円筒筐体2の内部壁面に貼付された吸音
制振材13で吸音しきれない反射波を、繊維質が絡み合
った素材の紙を多重巻きにし構造にてなる各円筒細管2
0によって効率的に吸音することにある。この吸音の特
長は、各円筒細管20の中を円筒筐体2の下部に向かっ
て進行する平面波がフェルトやグラスウールなどの起毛
繊維にてなる吸音制振材13の中を進むのではなく、表
面が平滑な各円筒細管20の中を空気粒子の粘性抵抗を
受けることなく進むことが出来るので、生気に満ちた躍
動性の高い音が再生できることにある。
【0080】以上の第2の実施形態においては、円筒筺
体2内に7本の円筒細管20を充填して収容している
が、その本数は7本に限らず、複数本の円筒細管20を
収容してもよい。
【0081】以上の第2の実施形態においては、円筒筐
体2の下部において、第1の実施形態で用いた筐体ベー
ス部3、外部開口部4及び底板7を設けているが、本発
明はこれに限らず、円筒筐体2の下部全面を開放とし、
円筒筐体2が立設するように支持する脚部などの支持部
材を設けてもよい。また、円筒筐体2の下部構造を図5
及び図6の第1の変形例と同様の構造としてもよい。
【0082】以上の第2の実施形態においては、円筒細
管20を用いているが、本発明はこれに限らず、以下に
一例を示すように、円筒に限らず、多角形、楕円などの
他の断面の筒型形状であってもよい。
【0083】<第4の変形例>図11は、第4の変形例
に係る円筒筐体型スピーカ装置の、図10に対応するD
−D’面の横断面図である。この第4の変形例は、図1
0の第2の実施形態に比較して、各円筒細管20の内部
空間20a内に、さらに、円筒細管20よりも細い円筒
細管25を1本の円筒細管20当たり7本の円筒細管2
5を充填して収容したことを特徴としている。これによ
り、各円筒細管内の平面波の維持機能を高域に延ばし、
さらに円筒筐体2内の吸音効果を高めることができる。
なお、第4の変形例では、1本の円筒細管20当たり7
本の円筒細管25を充填して収容しているが、本発明は
これに限らず、好ましくは4本の円筒細管25、又は複
数本の円筒細管25を収容してもよい。
【0084】<第5の変形例>図12は、第5の変形例
に係る円筒筐体型スピーカ装置の、図10に対応するD
−D’面の横断面図である。この第5の変形例では、第
2の実施形態に係る円筒細管20に代えて、正六角形筒
型細管26を充填して収容したことを特徴としている。
この正六角形筒型細管26の場合においては、断面がい
わゆる蜂の巣形状となり、各正六角形筒型細管26間の
空間が生じないので、多数の正六角形筒型細管26を収
容して、平面波維持による音質改善を顕著にすることが
できる。
【0085】<第6の変形例>図13は、第6の変形例
に係る円筒筐体型スピーカ装置の、図10に対応するD
−D’面の横断面図である。この第6の変形例では、第
2の実施形態に係る円筒細管20に代えて、二等辺三角
形筒型細管27を充填して収容したことを特徴としてい
る。この二等辺三角形筒型細管27の場合においては、
各二等辺三角形筒型細管27間の空間が生じないので、
多数の二等辺三角形筒型細管27を収容して、平面波維
持による音質改善を顕著にすることができる。
【0086】<第7の変形例>図14は、第7の変形例
に係る円筒筐体型スピーカ装置の、図10に対応するD
−D’面の横断面図である。この第7の変形例では、第
2の実施形態に係る円筒細管20に代えて、円筒筐体2
の中心部に位置する細管は円筒細管20であるが、この
中心部の円筒細管20と、円筒筺体2との間に、楕円筒
細管28を充填して収容したことを特徴としている。各
楕円筒細管28は、内径が円のように一定でないので細
管内に定在波が生じにくく、さらに周辺の楕円筒細管2
8の数が多くできるので音質的に優れたものとすること
ができる。
【0087】以上の実施形態及び変形例においては、円
筒筐体型スピーカ装置について説明しているが、円筒筐
体2の形状は円筒に限らず、三角形状以上の多角形又は
楕円の筒状であってもよい。
【0088】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、一
端にスピーカユニットを備え、他端に開口部を備えた筒
形状の筒筐体と、上記筒筐体を実質的に垂直方向に立設
するように支持する支持手段とを備えた筒筐体型スピー
カ装置又はその構造において、上記筒筐体の開口部が上
記筒筐体の筒底面の断面積よりも小さい断面積を有する
ように上記筒筐体の他端の一部が閉鎖され、上記筒筐体
の他端の開口部に連結され、上記スピーカユニットを励
振したときに上記筒筐体の内部に放射される音波を複数
N個の音波に分配する音波分配手段と、それぞれ実質的
に同一の断面積の伝搬経路を有し、上記分配された複数
N個の音波を各伝搬経路を介してそれぞれ伝搬させた
後、各外部開口部を介して、実質的に水平方向に外部に
放射する複数N個の伝搬手段とを備え、上記筒筐体の他
端の開口部から上記音波分配手段を介して上記各伝搬手
段の外部開口部までの距離と、上記筒筐体の他端の開口
部の断面積と、上記筒筐体の体積とに基づいて決定され
るヘルムホルツの共鳴周波数が、上記スピーカユニット
の最低共振周波数に実質的に一致するように設定され
る。ここで、上記筒筐体の他端の開口部の断面積を上記
複数Nで除算した面積が、好ましくは、上記各伝搬手段
の伝搬経路の断面積に実質的に一致するように形成され
る。
【0089】従って、本発明によれば、従来技術の下部
開放型スピーカ装置で得られなかった、より低い低音を
再生することができ、しかも、筒筐体型スピーカ装置の
下部開放端における音響インピーダンスの激変によって
発生する低音領域の再生音の量的、質的劣化を防止し、
30〜40Hz前後の実用上十分満足出来る低音から2
0000Hz前後の高音に至るまでの再生音を、円筒筐
体型スピーカ装置の持つ優れた特性を損なうことなく再
生できる。さらに、立設する円筒筐体型スピーカ装置の
弱点である転倒し易い不安定さを解消する構造を提供す
ることができる。
【0090】また、別の発明によれば、一端にスピーカ
ユニットを備え、他端に開口部を備えた筒形状の筒筐体
と、上記筒筐体を実質的に垂直方向に立設するように支
持する支持手段とを備えた筒筐体型スピーカ装置又はそ
の構造において、上記筒筺体内に各筒細管の長手方向が
上記筒筺体の長手方向と実質的に平行となるように収容
され、上記スピーカユニットを励振したときに上記筒筐
体の内部に放射される音波を実質的に平面波で維持する
ための複数本の筒細管を備える。
【0091】従って、この発明によれば、上記スピーカ
ユニットを励振したときに上記筒筐体の内部に放射され
る音波を実質的に平面波で維持することができ、楽音な
どの複雑な波形をより忠実に再生することができる。ま
た、筐体の断面径に関係なく、吸音制振材を多用するこ
となく低音から高音域に至るまで平面波を維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る第1の実施形態である円筒筐体
型スピーカ装置の構造を示す斜視図である。
【図2】 図1の円筒筐体型スピーカ装置の正面図であ
る。
【図3】 図1のB−B’面の縦断面図である。
【図4】 図1のA−A’面の横断面図である。
【図5】 第1の変形例に係る円筒筐体型スピーカ装置
の、図3に対応する縦断面図である。
【図6】 図5の円筒筐体型スピーカ装置の、図4に対
応するC−C’面の横断面図である。
【図7】 第2の変形例に係る円筒筐体型スピーカ装置
の、図4に対応するC−C’面の横断面図である。
【図8】 第3の変形例に係る円筒筐体型スピーカ装置
の、図6に対応するC−C’面の横断面図である。
【図9】 本発明に係る第2の実施形態である円筒筐体
型スピーカ装置の構造を示す一部破断斜視図である。
【図10】 図9のD−D’面の横断面図である。
【図11】 第4の変形例に係る円筒筐体型スピーカ装
置の、図10に対応するD−D’面の横断面図である。
【図12】 第5の変形例に係る円筒筐体型スピーカ装
置の、図10に対応するD−D’面の横断面図である。
【図13】 第6の変形例に係る円筒筐体型スピーカ装
置の、図10に対応するD−D’面の横断面図である。
【図14】 第7の変形例に係る円筒筐体型スピーカ装
置の、図10に対応するD−D’面の横断面図である。
【符号の説明】
1…スピーカユニット、 1a…振動板、 1b…マグネット、 2…円筒筐体、 3,103…筐体ベース部、 4,104…外部開口部、 5…開口部、 6,106…音波分配部材、 7,107…底板、 10…閉鎖リング、 11,111…導通管、 12,112…音波反射防止部材、 13,113…吸音制振材、 20…円筒細管、 20a…内部空間、 21,22…空間、 25…円筒細管、 26…正六角形筒型細管、 27…二等辺三角形筒型細管、 28…楕円筒細管。

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端にスピーカユニットを備え、他端に
    開口部を備えた筒形状の筒筐体と、上記筒筐体を実質的
    に垂直方向に立設するように支持する支持手段とを備え
    た筒筐体型スピーカ装置において、 上記筒筐体の開口部が上記筒筐体の筒底面の断面積より
    も小さい断面積を有するように上記筒筐体の他端の一部
    が閉鎖され、 上記筒筐体の他端の開口部に連結され、上記スピーカユ
    ニットを励振したときに上記筒筐体の内部に放射される
    音波を複数N個の音波に分配する音波分配手段と、 それぞれ実質的に同一の断面積の伝搬経路を有し、上記
    分配された複数N個の音波を各伝搬経路を介してそれぞ
    れ伝搬させた後、各外部開口部を介して、実質的に水平
    方向に外部に放射する複数N個の伝搬手段とを備え、 上記筒筐体の他端の開口部から上記音波分配手段を介し
    て上記各伝搬手段の外部開口部までの距離と、上記筒筐
    体の他端の開口部の断面積と、上記筒筐体の体積とに基
    づいて決定されるヘルムホルツの共鳴周波数が、上記ス
    ピーカユニットの最低共振周波数に実質的に一致するよ
    うに設定されたことを特徴とする筒筐体型スピーカ装
    置。
  2. 【請求項2】 上記筒筐体の他端の開口部の断面積を上
    記複数Nで除算した面積が、上記各伝搬手段の伝搬経路
    の断面積に実質的に一致するように形成されたことを特
    徴とする請求項1記載の筒筐体型スピーカ装置。
  3. 【請求項3】 上記音波分配手段は、音波を分配する面
    において、音波反射防止部材を備えたことを特徴とする
    請求項1又は2記載の筒筐体型スピーカ装置。
  4. 【請求項4】 上記筒筺体内に各筒細管の長手方向が上
    記筒筺体の長手方向と実質的に平行となるように収容さ
    れ、上記スピーカユニットを励振したときに上記筒筐体
    の内部に放射される音波を実質的に平面波で維持す
    数本の筒細管をさらに備えたことを特徴とする請求項1
    乃至3のうちのいずれか1つに記載の筒筐体型スピーカ
    装置。
  5. 【請求項5】 上記各筒細管は円筒細管であり、上記各
    筒細管の直径は、維持しようとする平面波の基音の上限
    の波長よりも短く、かつ維持しようとする平面波の3倍
    音の上限の波長よりも長くなるように設定されたことを
    特徴とする請求項記載の筒筐体型スピーカ装置。
  6. 【請求項6】 上記各筒細管と、上記円筒筺体との間に
    設けられた、吸音制振材をさらに備えたことを特徴とす
    る請求項1乃至のうちのいずれか1つに記載の筒筐体
    型スピーカ装置。
  7. 【請求項7】 一端にスピーカユニットを備え、他端に
    開口部を備えた筒形状の筒筐体と、上記筒筐体を実質的
    に垂直方向に立設するように支持する支持手段とを備え
    た筒筐体型スピーカ装置の構造において、 上記筒筐体の開口部が上記筒筐体の筒底面の断面積より
    も小さい断面積を有するように上記筒筐体の他端の一部
    が閉鎖され、 上記筒筐体の他端の開口部に連結され、上記スピーカユ
    ニットを励振したときに上記筒筐体の内部に放射される
    音波を複数N個の音波に分配する音波分配手段と、 それぞれ実質的に同一の断面積の伝搬経路を有し、上記
    分配された複数N個の音波を各伝搬経路を介してそれぞ
    れ伝搬させた後、各外部開口部を介して、実質的に水平
    方向に外部に放射する複数N個の伝搬手段とを備え、 上記筒筐体の他端の開口部から上記音波分配手段を介し
    て上記各伝搬手段の外部開口部までの距離と、上記筒筐
    体の他端の開口部の断面積と、上記筒筐体の体積とに基
    づいて決定されるヘルムホルツの共鳴周波数が、上記ス
    ピーカユニットの最低共振周波数に実質的に一致するよ
    うに設定されたことを特徴とする筒筐体型スピーカ装置
    の構造。
  8. 【請求項8】 上記筒筐体の他端の開口部の断面積を上
    記複数Nで除算した面積が、上記各伝搬手段の伝搬経路
    の断面積に実質的に一致するように形成されたことを特
    徴とする請求項記載の筒筐体型スピーカ装置の構造。
  9. 【請求項9】 上記音波分配手段は、音波を分配する面
    において、音波反射防止部材を備えたことを特徴とする
    請求項7又は8記載の筒筐体型スピーカ装置の構造。
  10. 【請求項10】 上記筒筺体内に各筒細管の長手方向が
    上記筒筺体の長手方向と実質的に平行となるように収容
    され、上記スピーカユニットを励振したときに上記筒筐
    体の内部に放射される音波を実質的に平面波で維持す
    複数本の筒細管をさらに備えたことを特徴とする請求項
    7乃至9のうちのいずれか1つに記載の筒筐体型スピー
    カ装置の構造。
  11. 【請求項11】 上記各筒細管は円筒細管であり、上記
    各筒細管の直径は、維持しようとする平面波の基音の上
    限の波長よりも短く、かつ維持しようとする平面波の3
    倍音の上限の波長よりも長くなるように設定されたこと
    を特徴とする請求項10記載の筒筐体型スピーカ装置の
    構造。
  12. 【請求項12】 上記各筒細管と、上記円筒筺体との間
    に設けられた、吸音制振材をさらに備えたことを特徴と
    する請求項7乃至11のうちのいずれか1つに記載の筒
    筐体型スピーカ装置の構造。
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