JP3431398B2 - ホログラフィック光学素子 - Google Patents

ホログラフィック光学素子

Info

Publication number
JP3431398B2
JP3431398B2 JP13866896A JP13866896A JP3431398B2 JP 3431398 B2 JP3431398 B2 JP 3431398B2 JP 13866896 A JP13866896 A JP 13866896A JP 13866896 A JP13866896 A JP 13866896A JP 3431398 B2 JP3431398 B2 JP 3431398B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hologram
light
diffraction
angle
incident
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP13866896A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09325217A (ja
Inventor
貴志 山手
和敏 中屋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Central Glass Co Ltd
Original Assignee
Central Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Central Glass Co Ltd filed Critical Central Glass Co Ltd
Priority to JP13866896A priority Critical patent/JP3431398B2/ja
Publication of JPH09325217A publication Critical patent/JPH09325217A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3431398B2 publication Critical patent/JP3431398B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)
  • Holo Graphy (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶プロジェクター
用のダイクロイックミラー代替用あるいは車両などの後
部窓ガラスに貼り付けたホログラムに、後方車のヘッド
ライト光などを照射して、後方に回折させて近接などを
警告する警告表示用などとして応用可能なホログラフィ
ック光学素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、液晶プロジェクターのダイクロイ
ックミラー代替用として特開平7−98454号などが
提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ダイクロイックミラー
代替として反射ホログラムを応用しようとするとき、従
来の反射ホログラムは、半値幅がせいぜい20nmと狭
く、そのために表示が暗くなるため、輝度の高い光源が
必要であった。
【0004】また、半値幅を広くした反射ホログラム
が、特開平6−44561号などとして出願されている
が、化学処理が必要であるばかりか、回折効率が例えば
約30%と低く、ダイクロイックミラー代替用に使用す
るときは、半値幅が狭いホログラムと同様に輝度の高い
光源を必要とするものであった。
【0005】また、特開平7−98454号などダイク
ロイック代替用ホログラムはいずれも透過ホログラムで
あり、回折効率が低いという欠点がある。本発明者ら
は、回折効率を高め、さらに半値幅を広げるために、特
願平7−283745号として新規な反射ホログラムを
提案した。
【0006】しかしながら、この反射ホログラムは、再
生光を臨界角を越える角度で入射させる必要があり、そ
のために楔形に切ったガラスブロック、プリズム、ある
いは導入用の透過ホログラムなどを反射ホログラムに密
着させる必要があった。
【0007】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
のであり、再生時の回折効率をほとんど90%以上に向
上させるとともに、半値幅を少なくとも20nm以上に
広げたホログラフィック光学素子を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のホログラフィッ
ク光学素子は、半値幅がΔλrであり、光源からの光の
反射ホログラム中の入射角が臨界角を越える反射ホログ
ラムに、半値幅がΔλtであり、透過ホログラム中の回
折角が該臨界角を越える透過ホログラムを再生用光源側
に積層一体化し、ガラス基板に圧着するとともに、Δλ
t≧Δλr≧20nmを満足するようにしたことを特徴と
するものであり、反射ホログラムは、光源からの光の反
射ホログラムの空気中における回折波長をλ0、再生時
の入射角θi、回折角をθd、ホログラムの平均屈折率を
n、屈折率の空間変調の振幅(屈折率変調)をn1とし
たときに反射ホログラムの半値幅Δλrは次式 λ0(n1/n)(−cosθd/cosθ11/2/si
2(θd/2−θi/2) を満足するよう各因子を最適化すればよく、透過ホログ
ラムは、光源からの光の透過ホログラムの空気中におけ
る回折波長をλ0、再生時の入射角θi、回折角をθd
ホログラムの平均屈折率をn、ホログラムの厚さをdと
したときに、透過ホログラムの半値幅Δλtは次式 [5{2(2k+1)}1/2λ0 2cosθd]/[8π
1/2ndsin2(θd/2−θi/2)]を満足するよう
各因子を最適化すればよい。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明では、 反射ホログラム
は、重クロム酸ゼラチン、各種のフォトポリマー、ハロ
ゲン化銀感光材、各種のフォトレジストなどの感材をガ
ラス基板、ポリエチレンテレフタレートなどの透明樹脂
基板などに貼り付けた乾板に、図示しないレーザー発振
器、ビームスプリッター、反射鏡、顕微鏡対物レンズ、
ピンホールなどの通常の光学系に加え、一方のレーザー
光を、乾板中に臨界角を超える角度で入射させるため
に、楔型に切ったガラスブロック、プリズム、あるいは
透過ホログラムを乾板の一方の面に接触させた状態で2
方向(乾板の同一面に照射)からのレーザー光(平面波
あるいは球面波)で露光して、干渉縞を形成、記録す
る。
【0010】透過ホログラムは、同様な感材をガラス基
板、透明樹脂板などに貼り付けた乾板に、図示しないレ
ーザー発振器、ビームスプリッター、反射鏡、顕微鏡対
物レンズ、ピンホールなどの通常の光学系に加え、一方
のレーザー光を、反射ホログラムの参照光として反射ホ
ログラムに臨界角を越える角度で入射させるために、楔
型に切ったガラスブロック、プリズム、あるいは透過ホ
ログラムを乾板の一方の面に接触させた状態でレーザー
光からの一方の光を照射し、他方の光は、ホログラフィ
ック光学素子の参照光の角度から前記一方の光とは反対
側の乾板面からレーザー光(平面波あるいは球面波)を
照射して、干渉縞を形成、記録する。
【0011】その後通常の現像処理をして反射ホログラ
ムと透過ホログラムを得る。このようにして得られた反
射ホログラムと透過ホログラムを、板ガラスなどの基板
上に再生用光源側に近い方から透過ホログラム、反射ホ
ログラムの順に積層するか、基板に貼り付ける前に、透
過ホログラムと反射ホログラムを積層して、一体とした
ものを基板に貼り付ける。
【0012】後部窓ガラスにホログラムを設けて、警告
表示用に使用する場合には、積層一体化したホログラム
を窓ガラスの車内側に貼り付けて、この場合には保護フ
ィルムなどを最上部に設けて保護した方がよい。
【0013】液晶プロジェクター用のダイクロイックミ
ラー代替用として使用する場合には、赤色、緑色、青色
の3原色で回折する3種類の反射ホログラムと透過ホロ
グラムを用意して、例えば赤色回折反射ホログラムと赤
色回折透過ホログラム、緑色回折反射ホログラムと緑色
回折透過ホログラム、青色回折反射ホログラムと青色回
折透過ホログラムをそれぞれ積層し、一体にした3種類
のホログラムをさらに積層すればよい。
【0014】この場合に基板に1枚ずつ積層して一体化
してもよいし、先に積層一体化したものを基板に貼り付
けるようにしてもよい。再生用光源として、CRT、蛍
光表示管、液晶表示器など各種の表示器を採用すること
ができ、さらに後方車のヘッドライトも利用することが
できる。
【0015】この光源から出た放射光をガラスなどの基
板に設けたホログラフィック光学素子に照射すれば、ま
ず透過ホログラムで臨界角を越える角度で回折され、反
射ホログラムに入射し、反射ホログラムで再生用光源と
同じ側に半値幅の広い回折光として回折されて、視認す
ることができ、あるいはその他の光学素子に入射させる
ことができる。
【0016】本発明者らは、Kogelnikの結合波
理論に基づいて、反射ホログラムの半値幅を表示する近
似式を導出した。そして入射角、回折角、回折波長など
の回折条件と、ホログラムの屈折率、屈折率変調、厚さ
などの材料定数を最適化すれば、半値幅が広く、回折効
率も高い反射ホログラムを得ることができることを見い
だし、特願平7−283745号として出願した。
【0017】また、透過ホログラムについても、入射
角、回折角、回折波長などの条件と、ホログラムの屈折
率、屈折率変調、厚さなどの材料定数を最適化すれば、
半値幅が広く、回折効率が高い透過ホログラムを得るこ
とを見いだして今回提案するものであり、それぞれの半
値幅の近似式の導出について以下に記載する。
【0018】ホログラム材料に吸収がなく、屈折率変調
によって回折格子が形成された無損失誘電反射ホログラ
ムの回折効率は、 η=1/{1+(1−ξ2/ν2)/sinh2(ν2−ξ21/2・・・(1) で与えられる。νは回折格子の傾斜に関するパラメー
タ、ξは入射光の波長のブラッグの条件からのずれに関
するパラメータであり、それぞれ次式(2)、(3)で
与えられる。
【0019】 ν=jπn1d/λ(cRS1/2・・・・・(2) ξ=ΔλΚ2d/8πncS・・・・・・・・(3) ここで、jは虚数(j2=−1)、λは入射光と回折光
の空気中における波長、Δλは入射光の波長λのブラッ
グの条件からのずれであり、ブラッグの条件を満足する
入射光の波長(回折波長)はλ0であるからΔλ=λ−
λ0と書くことができる。Kは逆格子ベクトルの大き
さ、cRとcSはそれぞれ入射角θiとθdの余弦である。
【0020】ただし、入射角は、ホログラム中における
入射光の進行方向が法線の正方向となす角度であり、回
折角は、回折光の進行方向がホログラムの法線の正方向
となす角度であり、入射、回折角はいずれもホログラム
の法線から左回りに測った角度を正とする。nとn1
dはホログラムの材料定数であり、それぞれ平均屈折率
と屈折率変調、厚みを表す。
【0021】ブラッグの条件を満足する場合の回折効率
は式(1)でξ=0とおくことによって式(4)のよう
に与えられる。 η0=tanh2ν・・・・・・・・・・(4) この式は波長選択性の最大値を与えるものであり、νが
大きくなるとη0は1に漸近し、ν=2でη0 0.9
3、ν>3でη0 1となる。本発明ではη01が期待で
きる場合について半値幅を求めることにする。
【0022】ν>3の場合には波長選択性の最大値η0
は約1であるから、半値幅Δλrは式(1)においてη
=0.5となるξから求めることができる。回折効率が
0.5となるξとΔλは、ブラッグ条件の回折波長より
も長波長側をξ+とΔλ+で表し、短波長側をξ-とΔλ-
で表すと、式(3)より ξ+=Δλ+2d/8πncS ・・・・・(5) ξ-=Δλ-2d/8πncS ・・・・・(6) となり、式(5)から式(6)を引くと ξ+−ξ-=(Δλ+−Δλ-)K2d/8πncS ・・・
・・(7)が得られる。左辺はξで表示した半値幅Δξ
1/2であり、右辺の括弧内の因子は、λで表示した半値
幅Δλrのことであるから、 Δξ1/2 ξ+−ξ-・・・・・・・(8) Δλr Δλ+−Δλ-・・・・・・(9) と表すことができ、したがって、次式が得られる。
【0023】 Δλr=(8πncS/K2d)Δξ1/2・・・(10) さて、ξで表した半値幅Δξ1/2は、η=0.5となる
ξ+とξ-をνの値毎に式(1)によって求め、式(8)
を用いれば、νの関数として求めることができる。 そ
の結果は図3に示すようになる。
【0024】この図からν>3、すなわちη 1におい
ては、 Δξ1/2 2ν・・・・・(11) の関係があることがわかる。なお、図3において破線が
近似線を示す。
【0025】そこで式(2)と(11)を式(10)に
代入すると、次式が得られる。 Δλr=j(16π2nn1/K2λ)(cS/cR1/2・・・(12) ここでcRとcSは、すでに記述したように cR=cosθi・・・・・・・(13) cS=cosθd・・・・・・・(14) である。一方、ブラッグ条件を満足する入射、回折光に
対しては、入射、回折角と回折波長および回折格子パラ
メータ(逆格子ベクトルの大きさKと傾きφ)の間に
は、 K=2βcos(φ−θi)・・・・(15) β=2πn/λ0・・・・・・・・・(16) φ=(θi+θd)/2−π/2・・ (17) が成り立っている。式(15)のcos項は式(17)
を用いて cos(φ−θi)=cos{(θi−θd)/2−π/2} =sin{(θi−θd)/2}・・・(18) と変形できるから、逆格子ベクトルの大きさKは、 K=(4πn/λ0)sin{(θi−θd)/2}・・・(19) と表すことができる。また、ブラッグ条件の下では、式
(12)のλはλ0に置き換えることができる。したが
って半値幅Δλは Δλr=λ0(n1/n)(−cosθd/cosθ11/2/sin2(θd/2 −θi/2)・・・・・・・(20) で与えられる。
【0026】したがって半値幅をm以上とするためには
(20)式の右辺が≧mとなるように各因子を最適化す
ればよい。このように新規な近似式により反射ホログラ
ムの再生時の入射角と回折角から露光条件を容易に求め
ることができるので、式(20)によって因子を最適化
すれば、作製された反射ホログラムは回折効率が高いだ
けでなく、半値幅を広くすることができる。
【0027】本発明では、この反射ホログラムに臨界角
を越える角度で入射させるために、透過ホログラムを再
生用光源側に積層するが、透過ホログラムは半値幅が反
射ホログラムの半値幅より狭いと、反射ホログラムで半
値幅を広げた意味がなくなるので、反射ホログラムの半
値幅と等しいか大きくする必要がある。
【0028】この条件を満足させるために、Kogel
nikの結合波理論に基づいて本発明者らは透過ホログ
ラムの半値幅を表示する近似式を以下のように導出し
た。回折格子が傾斜している場合を含む無損失誘電透過
ホログラムの回折効率は、 η=sin2(ν2+ξ21/21/{1+(1+ξ2/ν2)}・・・(1’) である。νは回折格子の傾斜に関するパラメータ、ξは
参照光の波長のブラッグの条件からのずれに関するパラ
メータであり、それぞれ次式(2’)、(3’)で与え
られる。
【0029】 ν=πn1d/λ(cRS1/2・・・・・(2’) ξ=−ΔλΚ2d/8πncS・・・・・・・・(3’) で与えられる。ここで、λは入射光の空気中における波
長、Δλは入射光の波長λのブラッグ条件からのずれで
あり、ブラッグの条件を満足する入射光の波長はλ0
あるから、 Δλ=λ−λ0・・・・・・・・(4’) とすることができる。Kは逆格子ベクトルの大きさ、c
RとcSはそれぞれホログラム中における参照光の入射角
θiと信号光の回折角θdの余弦 cR=cosθi・・・・・(5’) cS=cosθd・・・・・(6’) である。ただし入射角、回折角は、入射光または回折光
の波数ベクトルとホログラムの放線のなす角で定義す
る。nとn1、dはホログラムの材料定数であり、それ
ぞれ平均屈折率と屈折率変調、厚みを表す。
【0030】さて、無損失誘電透過ホログラムの半値幅
の近似式については次のように求めることができる。入
射光がブラッグ条件を満足するときの回折効率は、波長
選択性のピーク値すなわち最大回折効率η0であり、こ
れは式(1’)にξ=0を代入して、 η0=sin2ν・・・・(7’) と与えられる。多くの場合に実用的に好ましいのは、回
折効率が高いホログラムであるから、η0=1となるν
の条件を求めると ν=(2k+1)π/2(ただし、k=0、1、2、・・・)・・・(8’) が得られる。ここでは式(8’)が成り立ち、η0=1
であるような回折効率が高い無損失誘電透過ホログラム
について半値幅を求める。
【0031】式(8’)が成り立つときはη0=1であ
るから、このときの半値幅は式(1’)においてη=
0.5となるξから求めることができる。η=0.5と
なるΔλは、ブラッグ条件よりも長波長側はΔλ+、短
波長側はΔλ-と表すことにすると、式(3’)から ξ+=−Δλ+2d/8πncs・・・(9’) ξ-=−Δλ-2d/8πncs・・・(10’) と求めることができる。式(9’)から式(10’)を
引いて絶対値をとると|ξ+−ξ-|=(Δλ+−Δλ-
2d/8πncs・・・(11’)が得られる。式(1
1’)の左辺はξで表した半値幅Δξ1/2であり、右辺
の括弧内の因子は、λで表示した半値幅Δλtであるか
ら、これらはそれぞれ Δξ1/2=|ξ+−ξ-|・・・・(12’) Δλt=Δλ+−Δλ-・・・・(13’) とすることができる。式(11’)を式(12’)と
(13’)によって書き換えると、半値幅について Δλt={8πncs/(K2d)}Δξ1/2・・・(14’) が得られる。
【0032】さて、式(14’)の右辺の半値幅Δξ
1/2は、式(1’)を用いてη=0.5となるξ+とξ-
をνの値毎に求めて式(12’)に代入すれば、νの関
数として求めることができる。式(8’)を満足するν
についての結果は図4に示す。
【0033】式(8’)が成り立ち、したがって回折効
率η0が1である無損失誘電透過ホログラムでは、図4
から Δξ1/2 2.5ν1/2・・・・・・(15’) の関係があることがわかる。そして式(8’)と(1
5’)を式(14’)に代入すると、半値幅は Δλt=10π{2(2k+1)π}1/2ncs/K2d・
・・(16’)となる。ただしk=0、1、2、・・・
である。
【0034】一方、ブラッグの条件を満足する入射光と
回折光については、入射角、回折角と回折波長および回
折格子パラメーター(逆格子ベクトルの大きさKと傾き
φ)の間に K=2βcos(φ−θi)・・・・・・(17’) β=2πn/λ0・・・・・・・・・・・(18’) φ=(θi+θd)/2±π/2・・・・(19’) が成り立っている。ただし、式(19)の複号は、入射
光と回折光の波数ベクトルをそれぞれρとσとし、逆格
子ベクトルをKとしたときに σ=ρ−K・・・・・・・・(20’) が成り立つように選択する。式(17’)のcos項は
式(19’)を用いて cos(φ−θi)=cos{(θd−θi)/2±π/2} =cos|sin{(θd−θi)/2}|・・・(21’) と変形できるから、逆格子ベクトルの大きさKは、 K=|(4πn/λ0)sin{(θd−θi)/2}|・・・(22’) となる。したがって、式(16’)に式(22’)を代
入すると、半値幅Δλtは、 Δλt=[5{2(2k+1)}1/2λ0 2cosθd]/[8π1/2ndsin2( θd/2−θi/2)] ・・・・・(23’) と表示することができる。ただしkは0、1、2、・・
である。
【0035】以上の結果から再生時の入射角θiと回折
角θdから、半値幅をmより大きくする反射ホログラム
と透過ホログラムの回折条件と材料定数を容易に求める
ことができる。
【0036】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明を詳細に説
明する。図1と図2はそれぞれ実施例における液晶プロ
ジェクターに応用した要部概略図、図3は反射ホログラ
ムにおける半値幅Δξ1/2とνの関係を示す図、図4は
透過ホログラムにおける半値幅Δξ1/2とνの関係を示
す図である。
【0037】図1、図2参照しながら液晶プロジェクタ
ー用のホログラムに応用する場合について例示する。 (1)青色回折反射ホログラムの作製 感光材料には、屈折率1.5、屈折率変調0.03、厚
さ25μmのOmniDex−352(DuPont
製)を使用して、感材の両側から、発振波長が514.
5nmのアルゴンレーザーからの光を、図示しない光学
系により2分割し、一方は参照光としてガラスブロック
を介して感材中の入射角θrが54°になるように、他
方は物体光として感材中の入射角θsが155°になる
ように照射して干渉縞を形成し、その後紫外線を照射し
て定着処理を行い青色を回折する反射ホログラム11
得る。
【0038】このようにして得られたホログラム11
白色光源からの光をガラスブロックを介してホログラム
中の入射角60°で入射させたところ、回折効率が99
%となり、そのときの回折光の波長が467nm、ホロ
グラム中の回折角が149°、半値幅が25nmとな
り、ほぼ理論通りの結果が得られた。 (1’)青色回折透過ホログラムの作製 感光材料には、厚さ10μmのOmniDex−352
を使用して、感材の同じ方向から、発振波長が514.
5nmのアルゴンレーザーからの光を、図示しない光学
系により2分割し、一方は参照光として感材中の入射角
θrが 27°になるように、他方はガラスブロックを
介して感材中の入射角θsが62°になるように照射し
て干渉縞を形成し、その後紫外線を照射して定着処理を
行い緑色を回折する透過ホログラム21を得る。
【0039】このようにして得られたホログラム21
白色光源からの光をホログラム中の入射角28°で入射
させたところ、回折効率が93%となり、そのときの回
折光の波長が475nm、ホログラム中の回折角が 6
1°、半値幅が46nmとなり、ほぼ理論通りの結果が
得られた。 (2)緑色回折反射ホログラムの作製 感光材料には、厚さ25μmのOmniDex−352
を使用して、感材の両側から、発振波長が514.5n
mのアルゴンレーザーからの光を、図示しない光学系に
より2分割し、一方は参照光としてガラスブロックを介
して感材中の入射角θrが64°になるように、他方は
物体光として感材中の入射角θsが148°になるよう
に照射して干渉縞を形成し、その後紫外線を照射して定
着処理を行い緑色を回折する反射ホログラム12を得
る。
【0040】このようにして得られたホログラム12
白色光源からの光をガラスブロックを介してホログラム
中の入射角60°で入射させたところ、回折効率が99
%となり、そのときの回折光の波長が545nm、ホロ
グラム中の回折角が152°、半値幅が30nmとな
り、ほぼ理論通りの結果が得られた。 (2’)緑色回折透過ホログラムの作製 感光材料には、厚さ10μmのOmniDex−352
を使用して、感材の同じ方向から、発振波長が514.
5nmのアルゴンレーザーからの光を、図示しない光学
系により2分割し、一方は参照光として感材中の入射角
θrが29°になるように、他方は物体光としてガラス
ブロックを介して感材中の入射角θsが60°になるよ
うに照射して干渉縞を形成し、その後紫外線を照射して
定着処理を行い緑色を回折する透過ホログラム22を得
る。
【0041】このようにして得られたホログラム22
白色光源からの光をホログラム中の入射角28°で入射
させたところ、回折効率が94%となり、そのときの回
折光の波長が554nm、ホログラム中の回折角が60
°、半値幅が60nmとなり、ほぼ理論通りの結果が得
られた。 (3)赤色回折反射ホログラムの作製 感光材料には、厚さ25μmのOmniDex−352
を使用して、感材の両側から、発振波長が514.5n
mのアルゴンレーザーからの光を、図示しない光学系に
より2分割し、一方は参照光としてガラスブロックを介
して感材中の入射角θrが70°になるように、他方は
物体光として感材中の入射角θsが146°になるよう
に照射して干渉縞を形成し、その後紫外線を照射して定
着処理を行い赤色を回折する反射ホログラム13を得
る。
【0042】このようにして得られたホログラム13
白色光源からの光をガラスブロックを介してホログラム
中の入射角60°で入射させたところ、回折効率が91
%となり、そのときの回折光の波長が615nm、ホロ
グラム中の回折角が155°、半値幅が28nmとな
り、ほぼ理論通りの結果が得られた。 (3’)赤色回折透過ホログラムの作製 感光材料には、厚さ10μmのOmniDex−352
を使用して、感材の同じ方向から、発振波長が514.
5nmのアルゴンレーザーからの光を、図示しない光学
系により2分割し、一方は参照光として感材中の入射角
θrが31°になるように、他方は物体光としてガラス
ブロックを介して感材中の入射角θsが57°になるよ
うに照射して干渉縞を形成し、その後紫外線を照射して
定着処理を行い赤色を回折する透過ホログラム23を得
る。
【0043】このようにして得られたホログラム23
白色光源からの光をホログラム中の入射角28°で入射
させたところ、回折効率が90%となり、そのときの回
折光の波長が628nm、ホログラム中の回折角が61
°、半値幅が81nmとなり、ほぼ理論通りの結果が得
られた。
【0044】次いで、図2に示すように、ガラス基板5
に赤色回折透過ホログラム23を圧着し、100℃、1
時間程度加熱処理を行い、ベース基板を剥がし、その後
赤色回折反射ホログラム13を赤色透過ホログラム23
に圧着、加熱処理を行って赤色回折反射ホログラムのベ
ース基板を剥がし、以下緑色回折透過ホログラム22
緑色回折反射ホログラム12、青色回折透過ホログラム
1の順に同様の工程で圧着し、最後に青色回折反射ホ
ログラム11を圧着、加熱し、ベース基板11’はそのま
まにして、レンズボンドM−62(Summers L
ab.)などの接着剤4により別のガラス基板3に接着
して積層ホログラム6を得ることができる。
【0045】積層ホログラム6は図1に示すように、液
晶プロジェクター用のダイクロイックミラーに代わる代
替ホログラムとして配設し、白色光源、メタルハライド
ランプなどの図示しない光源から光をホログラムへの空
気中の入射角が45°になるように照射すると、図2に
示すように、まず赤色回折透過ホログラム23によって
赤色光が回折し、赤色回折反射ホログラム13に臨界角
以上の角度で入射し、この光は空気中141°で回折さ
れてRとして液晶パネル7の表面に積層されたマイクロ
レンズ(図示しない)でそれぞれの光が集光されて液晶
パネルの微小セルに入射される。
【0046】赤色回折透過ホログラムによって回折され
なかった赤色以外の光は直進し、緑色回折透過ホログラ
ム22に入射し、緑色光が回折され、緑色回折反射ホロ
グラム12に臨界角以上の角度で入射し、この光は空気
中135°でGとして微小セルに入射される。
【0047】赤色回折透過ホログラム23でも、緑色回
折透過ホログラム22によっても回折されなかった光は
(ほとんど青色成分からなる光である)直進し、青色回
折透過ホログラム21に入射し、青色光が回折され、青
色回折反射ホログラム11に臨界角以上の角度で入射
し、この光は空気中129°で回折されてBとして微小
セルに入射される。
【0048】各セルはオンかオフかの状態に応じてカラ
ー表示を行い、投写レンズ8で拡大されて、スクリーン
9に多色の拡大像が投影される。この場合に反射ホログ
ラムに臨界角を越える角度で入射させるためのガラスブ
ロック、プリズムなどは不要であり、明るい拡大像を視
認することができる。
【0049】
【発明の効果】本発明の反射ホログラムは、再生時の回
折効率をほとんど90%以上に向上させるとともに、特
別な化学処理などをすることなく、半値幅を少なくとも
20nm以上に広げその結果明るい表示を可能にするこ
とができるものである。
【0050】ホログラムの屈折率と屈折率変調、厚さな
どを最適化すれば100nm程度の半値幅を得ることも
可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例における液晶プロジェクターに応用した
要部概略図である。
【図2】実施例における積層ホログラムを示す断面図で
ある。
【図3】反射ホログラムの半値幅Δξ1/2とνの関係を
示す図である。
【図4】透過ホログラムの半値幅Δξ1/2とνの関係を
示す図である。
【符号の説明】
1、12、13 反射ホログラム 21、22、23 透過ホログラム 3、5 基板 4 接着剤 6 積層ホログラム 7 液晶パネル 8 投影レンズ 9 スクリーン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−232320(JP,A) 特開 平7−20318(JP,A) 特開 平6−148559(JP,A) 特開 平6−227284(JP,A) 特開 平6−347643(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 5/32 G03H 1/28

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半値幅がΔλrであり、光源からの光の
    ホログラム中の入射角が臨界角を越える反射ホログラ
    ムに、半値幅がΔλtであり、透過ホログラム中の回折
    角が臨界角を越える透過ホログラムを再生用光源側に
    積層一体化し、ガラス基板に圧着するとともに、 Δλt≧Δλr≧20nmを満足するようにしたことを特
    徴とするホログラフィック光学素子。
  2. 【請求項2】光源からの光の反射ホログラムの空気中に
    おける回折波長をλ0、再生時の入射角θi、回折角をθ
    d、ホログラムの平均屈折率をn、屈折率の空間変調の
    振幅をn1としたときに反射ホログラムの半値幅Δλr
    次式 λ0(n1/n)(−cosθd/cosθ11/2/si
    2(θd/2−θi/2) を満足するようにしたことを特徴とする請求項1記載の
    ホログラフィック光学素子。
  3. 【請求項3】光源からの光の透過ホログラムの空気中に
    おける回折波長をλ0、再生時の入射角θi、回折角をθ
    d、ホログラムの平均屈折率をn、ホログラムの厚さを
    dとしたときに、透過ホログラムの半値幅Δλtは次式 [5{2(2k+1)}1/2λ0 2cosθd]/[8π
    1/2ndsin2(θd/2−θi/2)]を満足するよう
    にしたことを特徴とする請求項1あるいは2記載のホロ
    グラフィック光学素子。
JP13866896A 1996-05-31 1996-05-31 ホログラフィック光学素子 Expired - Fee Related JP3431398B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13866896A JP3431398B2 (ja) 1996-05-31 1996-05-31 ホログラフィック光学素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13866896A JP3431398B2 (ja) 1996-05-31 1996-05-31 ホログラフィック光学素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09325217A JPH09325217A (ja) 1997-12-16
JP3431398B2 true JP3431398B2 (ja) 2003-07-28

Family

ID=15227337

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13866896A Expired - Fee Related JP3431398B2 (ja) 1996-05-31 1996-05-31 ホログラフィック光学素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3431398B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0971247A1 (en) 1998-07-07 2000-01-12 Denso Corporation A hologram screen and a method of producing the same

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09325217A (ja) 1997-12-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5604611A (en) Hologram
US6492065B2 (en) Hologram color filter, production method of the same hologram color filter and space light modulating apparatus using the same hologram color filter
JPH0343779A (ja) 分散補償風防ホログラム虚像表示装置
EP0344810B1 (en) Display apparatus
US5721598A (en) High efficiency, high color purity, on-axis holographic color filter and full-color liquid crystal display
JP2860314B2 (ja) 軸外れのフルカラーホログラフフィルタを有する液晶ディスプレイ
JPH06227284A (ja) ヘッドアップディスプレイ
US6924912B2 (en) Holographic screen
US6643039B1 (en) Holographic reflector and reflectiver liquid crystal display using it
JP3525584B2 (ja) ホログラム表示装置
JP3431398B2 (ja) ホログラフィック光学素子
JPH05203812A (ja) ホログラム
JPH04118620A (ja) 自動車用ヘッドアップディスプレイ装置
JPH04233572A (ja) ホログラフィック表示装置
JPH09127336A (ja) 反射型ホログラム
JP3233256B2 (ja) 投影型画像表示装置
JP3412426B2 (ja) ホログラム反射板とそれを用いた反射型液晶表示装置
JP2000066026A (ja) ホログラフィック拡散シートとそれを用いた反射型液晶表示装置
JP2000009938A (ja) ホログラム
JP2874114B2 (ja) ホログラフィック表示装置
JPH1039141A (ja) ホログラフィックディスプレイ装置
JPH0585910B2 (ja)
JPH05134209A (ja) ヘツドアツプデイスプレイ装置及びそれを用いた車両
JP3365101B2 (ja) 液晶表示装置
JPH06167615A (ja) ホログラフィー装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees