JP3431285B2 - 水性ブロックポリイソシアナート組成物及びそれを含む水性塗料組成物 - Google Patents

水性ブロックポリイソシアナート組成物及びそれを含む水性塗料組成物

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JP3431285B2
JP3431285B2 JP16081794A JP16081794A JP3431285B2 JP 3431285 B2 JP3431285 B2 JP 3431285B2 JP 16081794 A JP16081794 A JP 16081794A JP 16081794 A JP16081794 A JP 16081794A JP 3431285 B2 JP3431285 B2 JP 3431285B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐候性、耐薬品性、耐チ
ッピング性等に優れた新規な無黄変型水性ブロックポリ
イソシアナート組成物及びそれを含む水性塗料組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境、安全、衛生などの観点
から水性塗料が注目されている。建築外装から産業製
品、例えば食缶用、コイルコーティング用等の工業塗料
に使用されるようになってきた。更に、耐候性、耐薬品
性、耐衝撃性等の高度な品質が要求される自動車用一液
性塗料に関する提案も多く、特開昭56−157358
号報、特開昭63−175079号報、特開昭63−1
93968号報等に水性塗料が開示されている。ここで
用いられている硬化剤の多くはアルキルエーテル化メラ
ミンである。
【0003】また、イソシアナート架橋されるウレタン
系塗料から得られる塗膜は非常に優れた耐摩耗性、耐薬
品性、耐汚染性を有している上に、イソシアナート成分
として脂肪族・脂環族ジイソシアナートを原料とする無
黄変ポリイソシアナートを用いることにより更に耐候性
が優れ、その需要は増加している。従って、イソシアナ
ート架橋できる水性ウレタン系塗料の開発が盛んに行わ
れている。ライン用塗料等の一液性が必要とされる場合
は、通常ポリイソシアナートのイソシアナート基は熱解
離性ブロック剤でマスクされ、ブロックポリイソシアナ
ートとして使用される。
【0004】ブロックポリイソシアナートの水性化技術
として例えば、特開昭52−59657号公報ではブロ
ックポリイソシアナートを水性化するために界面活性剤
を使用している。特開昭56−151753号公報は炭
素数7〜26の高級脂肪酸を含むポリエチレンオキサイ
ドを使用し、かつポリイソシアナートのイソシアナート
基を重亜硫酸ソーダで封鎖することによりブロックポリ
イソシアナートの水性化を可能にしている。これらの技
術は塗膜形成後、界面活性剤、ブロック剤等が塗膜に残
留し、その成分が溶出する等塗膜物性の向上が望まれて
いた。
【0005】そこで、ポリイソシアナートに親水性基で
ある特定のポリオキシエチレンを反応させ親水成分の溶
出を防ぎ、高速撹拌基等を用いて水性化する技術が特開
昭61−31422号公報に開示されている。しかしこ
の技術では耐熱性のあるイソシアヌレート構造を有する
ポリイソシアナートをベースとしたブロック体の水性化
は不十分であり、また高速撹拌器等の特別の装置を必要
するために水性化技術の向上が望まれていた。
【0006】この様な耐熱性のあるイソシアヌレート構
造を有するポリイソシアネートのブロック体を水性化す
る技術が特開昭62−151419号公報、特開平2−
3465号公報に開示されている。特開昭62−151
419号公報はポリイソシアナートの一部にポリオキシ
エチレン基を付加させ、更にポリエチレングリコール、
エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの共重合体
等の水溶性高分子化合物を混合している。水溶性高分子
化合物を添加するために塗膜物性が低下する場合があ
り、その向上が望まれていた。特開平2−3465号公
報はヒドキシカルボン酸により親水性を付与し、水性化
しているが、水性化されたブロックポリイソシアナート
はアニオン性であり、塗料のイオン状態によって安定性
が阻害される場合があった。
【0007】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、イソシア
ヌレート構造を持つ無黄変型ポリイソシアナートから得
られるブロックポリイソシアナートのノニオンタイプの
水性組成物及びそれを用いた水性塗料組成物を提供する
ことを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、イソシアヌレ
ート構造を有する無黄変型ブロックポリイソシアナート
を特定条件で水性化して得られたものにより、前記課題
を解決できることを見出し完成したものである。即ち本
発明は、 、イソシアヌレート結合を有する脂肪族および/また
は脂環族ポリイソシアナートに一般式(1)で示される
化合物が付加され、その付加割合が(1)該ポリイソシ
アナート100重量部に対して、22.5重量部以上
で、且つ(2)該ポリイソシアナートのイソシアナート
基の3%以上70%以下であり、且つ、その遊離イソシ
アナート基が熱解離性ブロック剤で封鎖されたブロック
ポリイソシアナートであり、該ブロックポリイソシアナ
ートの有効イソシアナート濃度が2〜20重量%である
ことを特徴とする水性ブロックポリイソシアナート組成
物である。さらには、
【0009】
【化2】
【0010】、脂肪族および/または脂環族ポリイソ
シアナートがヒドロキシ化合物で変成されている上記の
水性ブロックポリイソシアナート組成物である。さらに
詳しくは、 熱解離性ブロック剤がオキシム系化合物、活性メチレ
ン系化合物、酸アミド化合物である上記の水性ブロック
イソシアナート組成物、 、上記水性ブロックポリイソシアナート組成物と該水
性ブロックイソシアナート組成物100重量部に対して
500重量部以下の溶剤型ブロックポリイソシアナート
組成物含む水性ブロックポリイソシアナート組成物であ
り、 そしてこれらを用いた 、水親和性ポリオールと上記の水性ブロックポリイソ
シアナート組成物を含む水性塗料組成物を提案するもの
である。
【0011】本発明のイソシアヌレート結合を有する脂
肪族または脂環族ポリイソシアネートは、脂肪族または
脂環族ジイソシアナートを用いることが好ましい。脂肪
族ジイソシアナートとしては、炭素数4〜30のもの
が、脂環族ジイソシアナートとしては炭素数8〜30の
ものが好ましく、例えば、1,4−テトラメチレンジイ
ソシアナート、1,5−ペンタメチレンジイソシアナー
ト、1,6−ヘキサメチレンジイソシアナート、2,
2,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシ
アナート、リジンジイソシアナート、1−イソシアナー
ト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナートメチ
ルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアナート)、
1,3−ビス(イソシアナートメチル)−シクロヘキサ
ン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアナー
ト等を挙げることが出来る。なかでも、耐候性、工業的
入手の容易さから、1,6−ヘキサメチレンジイソシア
ナート(以下HMDIと称す)、イソホロンジイソシア
ナート(以下IPDIと称す)が好ましく、単独で使用
しても、併用しても良い。
【0012】変成物は、前記脂肪族または脂環族ジイソ
シアナートを用いて得られるイソシアヌレート型の脂肪
族または脂環族ポリイソシアナートを製造する際に、ヒ
ドロキシル化合物を用いて変性する。ヒドロキシル化合
物としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロ
パノール、フェノール等のモノヒドロキシ化合物、エチ
レングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタ
ンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、シ
クロヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2,
2,4−トリメチル1,3−ペンタンジオール等のジヒ
ドロキシル化合物等がある。これらは、単独で使用して
も、2種以上の併用でもよい。
【0013】脂肪族・脂環族ジイソシアナートとヒドロ
キシル化合物は50〜200℃好ましくは50〜150
℃で反応させる。この際溶剤を用いても良いが、イソシ
アナートに不活性な溶剤を用いるべきである。この変成
反応はイソシアヌレート化反応後に行うこともできる
が、好ましくは、イソシアヌレート化反応に先立ち行
う。
【0014】イソシアヌレート化反応には通常触媒が用
いられる。ここで用いられる触媒は、一般に塩基性を有
するものが好ましく、例えばテトラメチルアンモニウ
ム、テトラエチルアンモニウム等のテトラアルキルアン
モニウムのハイドロオキサイドや有機弱酸塩、トリメチ
ルヒドロキシプロピルアンモニウム、トリメチルヒドロ
キシエチルアンモニウム、トリエチルヒドロキシプロピ
ルアンモニウム、トリエチルヒドロキシエチルアンモニ
ウム等のヒドロキシアルキルアンモニウムのハイドロオ
キサイドや有機弱酸塩、酢酸、カプロン酸等のアルキル
カルボン酸のカリウム、ナトリウム等のアルカリ金属
塩、ナトリウム、カリウム等の金属アルコラート、ヘキ
サメチルジシラザン等のアミノシリル基含有化合物等が
ある。触媒濃度は、通常、イソシアナート化合物に対し
て10ppm〜1.0%の範囲から選択される。
【0015】反応は溶媒を用いても、用いなくてもよ
い。溶媒を用いる場合は、イソシアナート基に対して不
活性な溶剤を用いるべきである。反応温度は通常20〜
160℃、好ましくは40〜130℃である。反応終点
は用いるヒドロキシル化合物により異なるが、収率が概
ね10%以上75%以下となるように行なう。
【0016】反応が目的の収率に達したならば、例え
ば、スルホン酸、燐酸、燐酸エステル等により触媒を失
活させ、反応を停止する。未反応物ジイソシアナートお
よび溶剤を除去すれば、イソシアヌレート構造を有する
イソシアヌレート型の脂肪族・脂環族ポリイソシアナー
トを得ることができる。
【0017】次に得られたイソシアヌレート型の脂肪族
・脂環族ポリイソシアナートを一般式(1)の化合物と
反応させ、付加する。
【0018】
【化3】
【0019】一般式(1)のRは炭素数が1〜4であ
る。5以上であると水性化能が阻害され好ましくない。
好ましい炭素数は1及び2であるメチル、エチル基であ
る。更に好ましくは炭素数1のメチルである。一般式
(1)のnは4〜30である。3以下では水性化能が不
足し、30を越えると塗膜物性に悪影響を与える。好ま
しくは5〜20である。
【0020】前記脂肪族・脂環族ポリイソシアナートの
イソシアナート基の3%以上70%以下を一般式(1)
で示される化合物と反応させる。3%未満では水性化能
が不足し水分散性が劣る、70%を越えると塗料とした
とき塗膜の物性に悪影響を与える。好ましくは4%以上
50%以下が好ましい。この場合のポリイソシアナート
と一般式(1)で示される化合物の重量比は100対2
2.5以上、好ましくは100対22.5〜150、さ
らに好ましくは100対22.5〜100である。
【0021】反応させる場合、溶剤を用いてもよい。こ
の場合の溶剤はイソシアナートに対して不活性であるべ
きである。ジブチル錫ジラウレート等の錫、亜鉛、鉛等
の有機金属塩及び3級アミン等を触媒として用いてもよ
い。反応温度は30〜120℃で行うことができるが、
生産性、副反応を考えると50℃〜100℃が好まし
い。ポリイソシアナートと一般式(1)で表される化合
物の反応は下記のブロック化反応に先行しても、後でも
良い。
【0022】次に得られた一般式(1)で示される化合
物が付加された脂肪族・脂環族ポリイソシアナートのイ
ソシアナート基は熱解離性ブロック剤で封鎖される。使
用される熱解離性ブロック剤としては例えば、フェノー
ル系、アルコール系、活性メチレン系、メルカプタン
系、酸アミド系、酸イミド系、イミダゾール系、尿素
系、オキシム系、アミン系イミン系等が挙げられ、これ
らを単独あるいは、混合して使用してもよい。より具体
的なブロック化剤を下記に示す。 (1)フェノール系;フェノール、クレゾール、エチル
フェノール、ブチルフェノール等、 (2)アルコール系;エチレングリコール、ベンジルア
ルコール、メタノール、エタノール等、 (3)活性メチレン系;マロン酸ジメチル、マロン酸ジ
エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチ
ルアセトン等、 (4)メルカプタン系;ブチルメルカプタン、ドデシル
メルカプタン等 (5)酸アミド系;アセトアニリド、酢酸アミド、ε−
カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラク
タム等、 (6)酸イミド系;コハク酸イミド、マレイン酸イミド
等、 (7)イミダゾール系;イミダゾール、2−メチルイミ
ダゾール等、 (7)尿素系;尿素、チオ尿素、エチレン尿素等、 (8)オキシム系;ホルムアルドオキシム、アセトアル
ドオキシム、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサ
ノンオキシム等、 (10)カルバミン酸系;N−フェニルカルバミン酸フ
ェニル等、 (11)アミン系;ジフェニルアミン、アニリン、カル
バゾール等、 (12)イミン系;エチレンイミン、ポリエチレンイミ
ン等、 があり、ε−カプロラクタム等の酸アミド系化合物、マ
ロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸メチ
ル、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン等の活性メチ
レン系化合物、アセトオキシム、メチルエチルケトオキ
シム等のオキシム系化合物が好ましい。更に好ましく
は、活性メチレン系化合物、オキシム系化合物である。
【0023】ブロック化反応は溶剤の存在の有無に関わ
らず行うことが出来る。溶剤を用いる場合、イソシアナ
ート基に対して不活性な溶剤を用いる必要がある。ブロ
ック化反応に際して、錫、亜鉛、鉛等の有機金属塩及び
3級アミン等を触媒として用いてもよい。反応は、一般
に−20〜150℃で行うことが出来るが、好ましくは
0〜100℃である。100℃を越えるとでは副反応を
起こす可能性があり、他方、あまり低温になると反応速
度が小さくなり不利である。イソシアナート基は実質的
にすべてがブロック化されることが好ましい。
【0024】得られた本発明の水性ブロックポリイソシ
アナートの樹脂分当たりの有効イソシアナート濃度は2
〜20重量%になる。有効イソシアナート濃度とは熱解
離性ブロック剤で封鎖されたイソシアナート基の濃度を
言う。有効イソシアナート濃度が前記範囲外にある場合
は、適当な架橋密度が得られず、良好な塗膜物性を得る
ことは難しい。
【0025】この様に調整された水性ブロックポリイソ
シアナート組成物は水性化能を持たない溶剤型ブロック
ポリイソシアナートと混合して使用することもできる。
溶剤型ブロックポリイソシアナートとは、遊離イソシア
ナート基が熱解離性ブロック剤で封鎖されたものであ
り、特に前記水性ブロックポリイソシアナート組成物の
一般式(1)で示される部分がすべて熱解離性ブロック
剤で置き換えられたブロックポリイソシアナートが用い
られる。
【0026】驚くべきことにこの様にして得られた水性
ブロックポリイソシアナート組成物は溶剤型ブロックポ
リイソシアナートと混合された場合であっても、通常、
水性化するために必要な一般式(1)で示される化合物
の使用量がより小量で達成できる。この場合の水性ブロ
ックポリイソシアナートと溶剤型ブロックポリイソシア
ナートの混合重量比は100対0〜1000好ましくは
0〜500である。
【0027】この様に調整された水性ブロックポリイソ
シアナートは水親和性ポリオールと共に混合され水性塗
料組成物を形成する。本発明に使用する水親和性ポリオ
ールとは、通常水系塗料用に用いられているものであれ
ば特に制限なく使用可能であり、アニオン系、カチオン
系、両性イオン系でも、またイオン性を持たないもので
あってもよい。アルキド系、ポリエステル系、エポキシ
系、フッ素系、アクリル系等がある。樹脂分水酸基価は
10〜300、数平均分子量2,000〜50,000
であり、水を主たる成分とする分散媒に、溶解または分
散されているものである。樹脂分水酸基価10未満の場
合には、イソシアナート成分との反応によるウレタン架
橋の密度が減少して、本発明の物性を達成することが出
来ず、樹脂水酸基価が300を超えると、逆に架橋密度
が増大し、塗膜の機械的物性が低下し好ましくない。溶
解型のポリオールとしては、特開昭63−295680
号公報、特開昭63−175059号公報、特開昭62
−216671号公報、特開平2−191692号公報
等にその製造方法が開示されている。分散型のポリオー
ルとしては、特開昭56−157358にその製造方法
が開示されている。ヒドロキシル基を有するフッ素共重
合体であるフッ素ポリオールとしては、特開昭57−3
4107号公報、特開昭61−231044号公報、特
開平3−37252号公報等にその製造方法が開示され
ている。本発明は、特開昭63−295680号公報、
特開昭63−175059号公報、特開昭56−157
358号公報等で示される 本発明の水性塗料組成物において、熱解離性ブロック剤
で封鎖されているイソシアナート基と水親和性ポリオー
ルの水酸基の当量比は通常0.5〜2.5:1に設定さ
れるが、硬化剤としてメラミン系硬化剤を併用する場
合、前記比は通常0.1〜1.5:1となる。
【0028】メラミン系硬化剤としては、ヘキサメトキ
シメチロールメラミン、メチル・ブチルエーテル化メラ
ミン等が代表的なものとして例示される。通常は水親和
性ポリオール、硬化剤、添加剤等を混合し、水を主成分
とする媒体を添加し、塗装方法に応じた塗料粘度に調整
することにより、水性塗料となる。
【0029】この様に調整した水系塗料は、スプレー塗
装、ロール塗装、シャワー塗装、浸漬塗装等の方法で金
属、プラスチック等に塗装され、耐チッピング塗料、プ
レコートメタル用塗料等としても有用である。また、必
要に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、アルミ等
の金属粉顔料、ジブチル錫ジラウレート等の有機金属化
合物等の架橋促進剤、レベリング剤、等を添加してもよ
い。
【0030】本発明の水性ブロックイソシアナートは塗
料以外にインキ、接着剤、繊維、フィルム、セラミック
等の無機材料、紙、木材等の改質剤,表面処理剤、バイ
ンダーとしても有用である。
【0031】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明を更に詳細
に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるも
のではない。尚、評価は下記に従って行った。 [水分散性の評価]水性ブロックポリイソシアナート
(樹脂分75%)10部とイオン交換水100を混合
し、一日放置後、肉眼観察した。樹脂がまったく分散し
ない状態を×、分散したが沈降した状態を△、均一に分
散した状態を○として評価した。 [ゲル分率]硬化塗膜を、アセトンに20℃で24時間
浸漬した時の未溶解部分重量の浸漬前重量対する値が5
0%未満を×、50以上85%未満を△、85%以上を
○として評価した。 [塗膜ヘイズ値]厚さ1m/mの透明硝子板に塗装され
た30μの膜厚を有する塗膜を、スガ試験機(株)の直
読ヘーズコンピューターHGM−2DPで測定した値が
1.0未満を○、1.0以上を×として評価した。
【0032】
【実施例1】(水性ブロックポリイソシアナートの製
造) 撹拌機、温度計、還流冷却管を取り付けた4ツ口フラス
コにHMDIを原料としたイソシアヌレート構造を有す
るポリイソシアナート化合物(旭化成工業(株)の商品
名デュラネートTPA)100部、プロピレングリコー
ルモノメチルエーテルアセテート55部、ポリエチレン
グリコールモノメチルエーテル(平均分子量 750)
30部を仕込、窒素雰囲気下、70℃で4時間保持し
た。その後、反応液温度を50℃に下げ、メチルエチル
ケトオキシム47部を滴下した。反応液の赤外スペクト
ルを測定し、イソシアナート基の吸収が消失したことを
確認した。得られた水性ブロックポリイソシアナートは
樹脂固形分75%、樹脂当たりの有効イソシアナート濃
度は12.3%であった。この水性ブロックポリイソシ
アナート組成物の水分散性を前記評価方法に従い評価し
た結果、良好(○)であった。評価結果を表1に示す。
【0033】
【実施例2〜4及び比較例1、2】表1に示す以外は実
施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
【0034】
【実施例5】(ウレタン変性水性ブロックポリイソシア
ナートの製造) 撹拌機、温度計、還流冷却管を取り付けた4ツ口フラス
コにHMDI 100部と1,3−ブタンジオール
0.8部を仕込、窒素雰囲気下、液温度80℃で2Hr
保持した。液温度を60℃にした後、イソシアヌレート
化反応触媒であるテトラメチルアンモニウムカプリエー
ト0.02gを分割して添加した。反応液のイソシアネ
ート濃度が42%になって時点で、燐酸0.02gを添
加して反応を停止した。反応液をろ過した後、薄膜蒸発
缶で未反応のHMDIを除去した。得られたウレタン変
性ポリイソシアナート生成物は粘度2300mPas/
25℃、イソシアネート濃度21.0%であった。
【0035】得られたウレタン変性ポリイソシアナート
100部、プロピレングリコールモノメチルエーテルア
セテート 53部、ポリエチレングリコールモノメチル
エーテル(平均分子量350) 30部を仕込み、窒素
雰囲気下、70℃で4時間保持した。その後、反応液温
度を50℃に下げ、メチルエチルケトオキシム 38部
を滴下した。反応液の赤外スペクトルを測定し、イソシ
アナート基の吸収が消失したことを確認した。得られた
水性ブロックポリイソシアナートは樹脂固形分75%、
樹脂当たりの有効イソシアナート濃度は10.5%であ
った。この水性ブロックポリイソシアナートの評価結果
を表1に示す。
【0036】
【実施例6、7】(水性及び溶剤型ブロックポリイソシ
アナートの混合系) HMDIを原料としたイソシアヌレート構造を有するポ
リイソシアナートのブロック体である溶剤型ブロックポ
リイソシアナート(デュラネートTPA−B)のプロピ
レングリコールモノメチルエーテルアセテート溶剤の樹
脂分75%溶液と実施例1及び2で得られた水性ブロッ
クポリイソシアナート組成物を混合し、水分散性を評価
した。結果を表2に示す。
【0037】
【実施例8〜11】ジメチルエタノールアミンで中和さ
れた水溶性アクリルポリオール(日本触媒(株)の商品
名アロロン76、樹脂分水酸基価64mgKOH/g)
と実施例1〜7で得られた水性ブロックポリイソシアナ
ート組成物をイソシアナート基/水酸基の当量比が1/
1、ジブチル錫ジラウレートの10重量%プロピレング
リコールモノメチルエーテルアセテート溶液でジブチル
錫ジラウレートが塗料固形分に対して0.5重量%にな
るように混合した。更に水を添加し塗料粘度が、フォー
ドカップNo.4で30秒になるように調整した。この
塗料をアプリケータ塗装し、140℃、20分間で硬化
させた。塗膜評価結果を表3に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
【発明の効果】本発明の水性ブロックポリイソシアナー
ト組成物は水分散性に優れ、それを用いた水性塗料組成
物は耐候性、耐薬品性、耐チッピング性等に優れる。そ
して溶剤系イソシアネート架橋ウレタン塗料の水性化を
達成することができる。また、改質剤、バインダー等に
も有用な水性ブロックポリイソシアナート組成物を提供
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 18/00 - 18/87 C09D 175/04 - 175/16

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イソシアヌレート結合を有する脂肪族お
    よび/または脂環族ポリイソシアナートに一般式(1)
    で示される化合物が付加され、その付加割合が(1)該
    ポリイソシアナート100重量部に対して、22.5重
    量部以上で、且つ(2)該ポリイソシアナートのイソシ
    アナート基の3%以上70%以下であり、且つ、その遊
    離イソシアナート基が熱解離性ブロック剤で封鎖された
    ブロックポリイソシアナートであり、該ブロックポリイ
    ソシアナートの有効イソシアナート濃度が2〜20重量
    %であることを特徴とする水性ブロックポリイソシアナ
    ート組成物。 【化1】
  2. 【請求項2】 脂肪族および/または脂環族ポリイソシ
    アナートがヒドロキシ化合物で変成されている請求項1
    の水性ブロックポリイソシアナート組成物。
  3. 【請求項3】 熱解離性ブロック剤がオキシム系化合
    物、活性メチレン系化合物、酸アミド系化合物であるこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2の水性ブロック
    ポリイソシアナート組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3の水性ブロックポ
    リイソシアナート組成物と該水性ブロックポリイソシア
    ナート組成物100重量部に対して500重量部以下の
    溶剤型ブロックポリイソシアナートを含むこと特徴とす
    る水性ブロックポリイソシアナート組成物。
  5. 【請求項5】 水親和性ポリオールと請求項1乃至請求
    項4の水性ブロックポリイソシアナート組成物を含んで
    なることを特徴とする水性塗料組成物。
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