JPH1025332A - 水性ブロックポリイソシアネート組成物の製造方法 - Google Patents

水性ブロックポリイソシアネート組成物の製造方法

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JPH1025332A
JPH1025332A JP17925696A JP17925696A JPH1025332A JP H1025332 A JPH1025332 A JP H1025332A JP 17925696 A JP17925696 A JP 17925696A JP 17925696 A JP17925696 A JP 17925696A JP H1025332 A JPH1025332 A JP H1025332A
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JP
Japan
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acid
polyisocyanate
aqueous
diisocyanate
water
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JP17925696A
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English (en)
Inventor
Yoshiyuki Asahina
芳幸 朝比奈
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機溶剤を含まない、あるいは有機溶剤含有
量の低減された水性ブロックポリイソシアネート組成物
の製造方法を提供する。 【解決手段】 媒体中に分散または溶解された、脂肪族
及び/又は脂環族ジイソシアネートから誘導されるポリ
イソシアネートのイソシアネート基を、有機系熱解離性
ブロック剤で封鎖する方法において、媒体の水濃度を1
〜100重量%にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性塗料用として
有用な、耐候性、耐薬品性、耐チッピング性等に優れ
た、無黄変型の水性ブロックポリイソシアネート組成物
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境、安全、衛生などの観点
から水性塗料が注目されている。建築外装から産業製
品、例えば、食缶用、コイルコーティング用等の工業塗
料に使用されるようになってきた。更に、耐候性、耐薬
品性、耐衝撃性等の高度な品質が要求される自動車用一
液性塗料に関する提案も多く、特開昭56−15735
8号公報、特開昭63−175079号公報、特開昭6
3−193968号公報等に水性塗料が開示されてい
る。ここで用いられている硬化剤の多くはアルキルエー
テル化メラミンである。
【0003】また、イソシアネート架橋されるウレタン
系塗料から得られる塗膜は非常に優れた耐摩耗性、耐薬
品性、耐汚染性を有している上に、イソシアネート成分
として脂肪族・脂環族ジイソシアネートを原料とする無
黄変ポリイソシアネートを用いることにより更に耐候性
が優れ、その需要は増加している。従って、イソシアネ
ート架橋できる水性ウレタン系塗料の開発が盛んに行わ
れている。ライン用塗料等の一液性が必要とされる場合
は、通常、ポリイソシアネートのイソシアネート基は熱
解離性ブロック剤で封鎖され、ブロックポリイソシアネ
ートとして使用される。
【0004】ブロックポリイソシアネートの水性化技術
として、例えば、特開昭52−59657号公報ではブ
ロックポリイソシアネートを水性化するために界面活性
剤を使用している。特開昭56−151753号公報は
炭素数7〜26の高級脂肪酸を含むポリエチレンオキサ
イドを使用し、かつ、ポリイソシアナートのイソシアネ
ート基を重亜硫酸ソーダで封鎖することによりブロック
ポリイソシアネートの水性化を可能にしている。
【0005】ポリイソシアネートに親水性基である特定
のポリオキシエチレンを反応させ親水成分の溶出を防
ぎ、高速撹拌基等を用いて水性化する技術が特開昭61
−31422号公報に開示されている。耐熱性のあるイ
ソシアヌレート構造を有するポリイソシアネートのブロ
ック体を水性化する技術が、特開昭62−151419
号公報、特開平2−3465号公報に開示されている。
【0006】特開昭62−151419号公報は、ポリ
イソシアネートの一部にポリオキシエチレン基を付加さ
せ、更に、ポリエチレングリコール、エチレンオキサイ
ドとプロピレンオキサイドの共重合体等の水溶性高分子
化合物を混合している。特開平2−3465号公報は、
ヒドロキシカルボン酸により親水性を付与している。
【0007】しかし、これらの技術は、ポリイソシアネ
ートのブロック化反応行う際、有機溶剤を使用してい
た。それは、ブロックポリイソシアネートがポリイソシ
アネートに比べ高粘度であり、製造に困難を伴うためで
あった。この有機溶剤の混入は、塗料などの有機溶剤低
減化の要請に対して課題を有していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、有機溶剤を
含まない、あるいは有機溶剤の低減化された水性ブロッ
クポリイソシアネート組成物の製造方法を提供すること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、水が存在する
媒体中でポリイソシアネートをブロック化することによ
り、前記課題を解決したものである。即ち、本発明は、
媒体中に分散または溶解された、脂肪族及び/又は脂環
族ジイソシアネートから誘導されるイソシアネート濃度
2〜25重量%のポリイソシアネートのイソシアネート
基を、有機系熱解離性ブロック剤で封鎖する方法におい
て、媒体の水濃度が1〜100重量%であることを特徴
とする水性ブロックポリイソシアネート組成物の製造方
法に関する。
【0010】本発明に用いる脂肪族ジイソシアネートと
しては、炭素数4〜30のものが、脂環族ジイソシアネ
ートとしては、炭素数8〜30のものが好ましく、例え
ば、テトラメチレン−1,4−ジイソシアネート、ペン
タメチレン−1,5−ジイソシアネート、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート、2,2,4(または、2,4,
4)−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシア
ネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシ
アネート、1,3−ビス(イソシアナートメチル)−シ
クロヘキサン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイ
ソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメ
チルキシレンジイソシアネート等を挙げることができ
る。工業的入手の容易さから、ヘキサメチレンジイソシ
アネート(以下、HMDIと称す)、イソホロンジイソ
シアネート(以下、IPDIと称す)が好ましい。これ
らは、単独で使用してもよく、2種以上混合して使用し
てもよい。
【0011】これらのジイソシアネートから誘導される
ポリイソシアネートとしては、活性水素化合物と反応さ
せて得られるウレタン変性ポリイソシアネート、ビウレ
ット型ポリイソシアネート、イソシアネート基の重合で
得られるイソシアヌレート型ポリイソシアネート等があ
る。これらは、ジイソシアネートが除去されたポリイソ
シアネートであり、実質的にジイソシアネートを含んで
いないことが好ましい。
【0012】ウレタン変性ポリイソシアネートは、前記
のジイソシアネートと分子内に2個以上の活性水素を有
する化合物を反応させて得ることができる。この様な活
性水素を有する化合物としては、低分子量活性水素含有
化合物及び高分子量活性水素含有化合物がある。低分子
量活性水素含有化合物とは、分子内に2個以上の活性水
素を有する化合物であり、例えば、2官能性以上のアル
コールが挙げられ、具体例としては、エチレングリコー
ル、1,2−または1,3−ブロピレングリコール、
1,3−または1,4−または2,3−ブチレングリコ
ール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコ
ール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,
2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、トリ
メチロールプロパン、グリセリン、、ペンタエリトリト
ールなどがある。
【0013】高分子量活性水素含有化合物としては、脂
肪族炭化水素ポリオール類、ポリエーテルポリオール
類、ポリエステルポリオール類、エポキシ樹脂類等が挙
げられる。脂肪族炭化水素ポリオール類の具体例として
は、例えば、末端水酸基化ポリブタジエンやその水素添
加物等が挙げられる。またポリエーテルポリオール類と
しては、例えば、グリセリンやプロピレングリコール等
の多価アルコールの単独または混合物に、エチレンオキ
サイド、プロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサ
イドの単独または混合物を付加して得られるポリエーテ
ルポリオール類、ポリテトラメチレングリコール類、更
に、アルキレンオキサイドにエチレンジアミン、エタノ
ールアミン類などの多官能化合物を反応させて得られる
ポリエーテルポリオール類、及び、これらポリエーテル
類を媒体としてアクリルアミド等を重合して得られる、
いわゆるポリマーポリオール類等が含まれる。
【0014】ポリエステルポリオール類としては、例え
ば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、
無水マレイン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフ
タル酸等のカルボン酸の群から選ばれた二塩基酸の単独
または混合物と、エチレングリコール、プロピレングリ
コール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、トリメチロールプロパン、グリセリンなどの群から
選ばれた多価アルコールの単独または混合物との縮合反
応によって得られるポリエステルポリオール樹脂類、及
び、例えば、ε−カプロラクトンをトリメチロールプロ
パンなどの多価アルコールを用いて開環重合して得られ
るようなポリカプロラクトン類等が挙げられる。
【0015】エポキシ樹脂類としては、例えば、ノボラ
ック型、β−メチルエピクロ型、環状オキシラン型、グ
リシジルエーテル型、グリコールエーテル型、脂肪族不
飽和化合物のエポキシ型、エポキシ化脂肪酸エステル
型、多価カルボン酸エステル型、アミノグリシジル型、
ハロゲン化型、レゾルシン型等のエポキシ樹脂類が挙げ
られる。
【0016】イソシアヌレート型ポリイソシアネートを
得るためのイソシアヌレート化反応は、通常、触媒が用
いられる。ここで用いられる触媒は、一般に塩基性を有
するものが好ましく、例えば、テトラメチルアンモニ
ウム、テトラエチルアンモニウム等のテトラアルキルア
ンモニウムのハイドロオキサイドや、例えば、酢酸、カ
プリン酸等の有機弱酸塩、例えば、トリメチルヒドロ
キシプロピルアンモニウム、トリメチルヒドロキシエチ
ルアンモニウム、トリエチルヒドロキシプロピルアンモ
ニウム、トリエチルヒドロキシエチルアンモニウム等の
ヒドロキシアルキルアンモニウムのハイドロオキサイド
や、例えば、酢酸、カプリン酸等の有機弱酸塩、アル
キルカルボン酸の例えば錫、亜鉛、鉛等のアルキル金属
塩、例えば、ナトリウム、カリウム等の金属アルコラ
ート、例えば、ヘキサメチルジシラザン等のアミノシ
リル基含有化合物、マンニッヒ塩基類、第3級アミ
ン類とエポキシ化合物との併用、例えば、トリブチル
ホスフィン等の燐系化合物等がある。
【0017】触媒濃度は、通常、イソシアネート化合物
に対して10ppm〜1.0%の範囲から選択される。
反応は、溶媒を用いても、用いなくてもよい。溶媒を用
いる場合は、イソシアネート基に対して不活性な溶剤を
用いるべきである。反応温度は、通常20〜160℃、
好ましくは40〜130℃である。反応終点は、収率が
概ね20%以上となる。
【0018】反応が目的の収率に達したならば、例え
ば、スルホン酸、燐酸等により触媒を失活させ、反応を
停止する。未反応ジイソシアネートおよび溶剤を除去
し、イソシアヌレート構造を有するイソシアヌレート型
ポリイソシアネートを得ることができる。また、イソシ
アヌレート化反応に先立ちあるいは同時に、低分子量活
性水素含有化合物とジイソシアネートのウレタン化反応
を行っても良い。低分子量活性水素含有化合物として
は、前記の低分子量活性水素含有化合物以外に、炭素数
1から13のモノアルコール、例えば、メタノール、エ
タノール、ブタノール、ヘプタノール、2−エチルヘキ
サノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、
トリデカノール等がある。
【0019】このようなポリイソシアネートをブロック
化する前に、水を含有する媒体に溶解または分散させる
ため、ポリイソシアネートに親水性を付与し、本発明に
用いる。親水性を付与するための方法として、例えば、
活性水素と親水基を分子内にともに含む化合物を反応付
加する方法、外部乳化剤を添加する方法などがある。
【0020】活性水素と親水性基をともに分子内に含む
化合物としては、例えば、オキシ酸、ポリカルボン酸、
メルカプトカルボン酸、スルホン酸、メルカプトアルコ
ール、アミノメルカプタン、アミノアルコール、エチレ
ンオキサイド重合体、エチレンオキサイド−プロピレン
オキサイド共重合体、アクリル酸重合体、アクリル酸ア
ミド重合体、メタアクリル酸重合体、メタアクリル酸ア
ミド重合体、ポリビニルアルコール、カルボキシメチル
セルロース、メチルセルロース等およびこれらで構成さ
れるポリマー等がある。その具体例を以下に示す。
【0021】オキシ酸としては、例えば、グリコール
酸、乳酸、酒石酸、クエン酸、ヒドロキシアクリル酸、
オキシ酪酸、オキシ吉草酸、オキシステアリン酸、グリ
セリン酸、タルトロン酸、サリチル酸、ジヒドロキシカ
ルボン酸である例えばジメチロールプロピオン酸等及び
そのポリマー等がある。ポリカルボン酸としては、例え
ば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジ
ピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等が挙
げられる。
【0022】メルカプトカルボン酸としては、例えば、
メルカプト酢酸、メルカプトコハク酸等がある。スルホ
ン酸としては、例えば、イセチオン酸、スルホ酢酸、フ
ェノールスルホン酸、フェノールジスルホン酸、アミノ
フェノールスルホン酸、メタニル酸、スルファニル酸等
がある。
【0023】メルカプトアルコールとしては、例えば、
メルカプトエタノール、ジメルカプトプロパノール等が
ある。、アミノメルカプタンとしては、例えばアミノエ
チルメルカプタン等があり、アミノアルコールとして
は、例えば、2−アミノエタノール、2−アミノ−1−
ブタノール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパ
ンジオール等がある。
【0024】エチレンオキサイド重合体としては、グリ
コールのモノメチルエーテル化物であることが好まし
く、更に好ましくは、分子量300〜1000である。
このエチレンオキサイド重合体はプロピレンオキサイド
を含むこともできる。この様な活性水素と親水基をとも
に分子内に有する化合物と前記のポリイソシアネートと
反応させ、親水性ポリイソシアネートを得ることができ
る。この反応条件は、反応温度は50〜150℃、反応
時間は0.5〜8時間が好ましく、溶剤を用いてもよい
が、その場合はイソシアネート基に対して不活性な溶剤
を用いるべきである。
【0025】外部乳化剤とは、ポリイソシアネートとは
反応せずに、乳化を補助する化合物であり、前記の活性
水素と親水基をともに分子内に有する化合物以外に、例
えば、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル、アルキルベン
ゼンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩等のアニオン系、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪
酸エステル、ポリエキシエチレンアルキルアミン等のノ
ニオン系、アルキルアミン塩、アルキルベタイン等のカ
チオン系がある。
【0026】これら化合物の添加量は、ポリイソシアネ
ートに対して1〜50重量%であり、不足すると得られ
たブロックポリイソシアネートの水への分散が十分でな
く、多すぎると良好な塗膜物性を得ることができない場
合がある。ポリイソシアネートに親水性を付与する場
合、活性水素と親水基をともに分子内に含む化合物のポ
リイソシアネートへの付加と外部乳化剤を併用すること
もできる。
【0027】得られたポリイソシアネートのイソシアネ
ート濃度は2〜25重量%である。イソシアネート濃度
が前記の範囲外にある場合は、適正な架橋密度が得られ
ず、良好な塗膜物性を得ることは難しい。本発明に用い
る有機系熱解離性ブロック剤としては、アルキルフェノ
ール系、フェノール系、活性メチレン、メルカプタン
系、酸アミド系、酸イミド系、イミダゾール系、尿素
系、オキシム系、アミン系、イミド系、ピラゾール系化
合物等がある。
【0028】ブロック化剤の具体例を下記に示す。 (1)アルキルフェノール系;炭素原子数4以上のアル
キル基を置換基として有するモノおよびジアルキルフェ
ノール類であり、例えば、n−プロピルフェノール、i
−プロピルフェノール、n−ブチルフェノール、sec
−ブチルフェノール、t−ブチルフェノール、n−ヘキ
シルフェノール、2−エチルヘキシルフェノール、n−
オクチルフェノール、n−ノニルフェノール等のモノア
ルキルフェノール類、ジ−n−プロピルフェノール、ジ
イソプロピルフェノール、イソプロピルクレゾール、ジ
−n−ブチルフェノール、ジ−t−ブチルフェノール、
ジ−sec−ブチルフェノール、ジ−n−オクチルフェ
ノール、ジ−2−エチルヘキシルフェノール、ジ−n−
ノニルフェノール等のジアルキルフェノール類等。 (2)フェノール系;フェノール、クレゾール、エチル
フェノール、スチレン化フェノール、ヒドロキシ安息香
酸エステル等。 (3)活性メチレン系;マロン酸ジメチル、マロン酸ジ
エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチ
ルアセトン等。 (4)メルカプタン系;ブチルメルカプタン、ドデシル
メルカプタン等。 (5)酸アミド系;アセトアニリド、酢酸アミド、ε−
カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラク
タム等。 (6)酸イミド系;コハク酸イミド、マレイン酸イミド
等。 (7)イミダゾール系;イミダゾール、2−メチルイミ
ダゾール等。 (8)尿素系;尿素、チオ尿素、エチレン尿素等。 (9)オキシム系;ホルムアルドオキシム、アセトアル
ドオキシム、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシ
ム、シクロヘキサノンオキシム等。 (10)アミン系;ジフェニルアミン、アニリン、カル
バゾール、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルア
ミン、イソプロピルエチルアミン等。 (11)イミン系;エチレンイミン、ポリエチレンイミ
ン等。 (12)ピラゾール系;ピラゾール、3−メチルピラゾ
ール、3,5−ジメチルピラゾール等。
【0029】上記のうち、アルキルフェノール系、オキ
シム系、酸アミド系、活性メチレン系が好ましく、特
に、ノニルフェノール、アセトオキシム、メチルエチル
ケトオキシム、ε−カプロラクタム、アセト酢酸エチ
ル、マロン酸ジエチルが好ましく、2種以上混合しても
良い。更に好ましくは、アセトオキシム、メチルエチル
ケトオキシムである。
【0030】ブロック化反応は、通常、ポリイソシアネ
ートと媒体を予め仕込み、ついで前記ブロック剤を添加
して行われる。媒体としては、水のみでもよく、さらに
有機溶剤を使用することもできる。この有機溶剤として
は、水に溶解することが好ましく、例えば、エステル系
である酢酸メチル、酢酸エチル等、ケトン系であるアセ
トン、メチルエチルケトン等、エーテル系であるプロピ
レングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジオキ
サン等が挙げられる。
【0031】本発明においては、前記媒体中の水濃度が
1〜100重量%、好ましくは10〜100重量%であ
り、更に好ましくは50〜100重量%である。水濃度
が1重量%未満であると、実質的に有機溶剤の低減化が
なされない。従来、ポリイソシアネートのブロック化反
応に際し溶剤中の水の存在は好ましくないと言われてい
たが、それはイソシアネートが水と反応するからであ
る。しかし、驚きべきことに、イソシアネートに対する
反応性は、有機系熱解離性ブロック剤が水に優先するこ
とが判明し、この知見が本発明をなすに至った重要なポ
イントである。
【0032】上記のブロック化反応に際して、錫、亜
鉛、鉛等の有機金属塩及び3級アミン等を触媒として用
いてもよい。反応は、一般に−20〜150℃で行うこ
とが出来るが、好ましくは0〜100℃である。100
℃を越えると副反応を起こす可能性があり、他方、あま
り低温になると反応速度が小さくなり不利である。イソ
シアネート基は実質的にすべてがブロック化されること
が好ましい。
【0033】得られた本発明の水性ブロックポリイソシ
アネート組成物は樹脂分当たりの有効イソシアネート濃
度は2〜20重量%になる。イソシアネート濃度が2重
量%未満であると、充分な架橋性を得ることが困難にな
る場合がある。この様に調整された水性ブロックポリイ
ソシアネート組成物は、水親和性ポリオールと共に混合
され水性塗料組成物を形成する。水親和性ポリオールと
しては、通常、水系塗料用に用いられているものであれ
ば特に制限なく使用可能であり、アニオン系、カチオン
系、両性イオン系でも、またイオン性を持たないもので
あってもよい。アルキド系、ポリエステル系、エポキシ
系、フッ素系、アクリル系等がある。樹脂分水酸基価は
10〜300mgKOH/g、数平均分子量2,000
〜50,000であり、水を主たる成分とする分散媒
に、溶解または分散されているものである。樹脂分水酸
基価が10mgKOH/g未満の場合には、イソシアナ
ート成分との反応によるウレタン架橋の密度が減少し、
樹脂分水酸基価が300mgKOH/gを超えると、逆
に架橋密度が増大し、塗膜の機械的物性が低下する場合
がある。
【0034】溶解型のポリオールとしては、特開昭63
−295680号公報、特開昭63−175059号公
報、特開昭62−216671号公報、特開平2−19
1692号公報等にその製造方法が開示されている。分
散型のポリオールとしては、特開昭56−157358
にその製造方法が開示されている。ヒドロキシル基を有
するフッ素共重合体であるフッ素ポリオールとしては、
特開昭57−34107号公報、特開昭61−2310
44号公報、特開平3−37252号公報等にその製造
方法が開示されている。アクリル樹脂としては、特開昭
63−295680号公報、特開昭63−175059
号公報、特開昭56−157358号公報等に開示され
ている。
【0035】本発明の水性ブロックポリイソシアネート
組成物を用いた水性塗料組成物においては、熱解離性ブ
ロック剤で封鎖されているイソシアネート基と水親和性
ポリオールの水酸基の当量比は、通常10:1〜1:1
0の範囲に設定される。硬化剤としてメラミン系硬化剤
を併用することもできる。メラミン系硬化剤としては、
ヘキサメトキシメチロールメラミン、メチル・ブチルエ
ーテル化メラミン等が代表的なものとして例示される。
【0036】また、必要に応じて酸化防止剤、紫外線吸
収剤、顔料、アルミ等の金属粉顔料、ジブチル錫ジラウ
レート等の有機金属化合物等の架橋促進剤、レベリング
剤、溶剤等を添加してもよい。通常は、水親和性ポリオ
ール、硬化剤、添加剤等を混合し、水を主成分とする媒
体を添加し、塗装方法に応じた塗料粘度に調整すること
により水性塗料となる。
【0037】この様に調整した水系塗料は、スプレー塗
装、ロール塗装、シャワー塗装、浸漬塗装等の方法で金
属、プラスチック等に塗装され、耐チッピング塗料、プ
レコートメタル用塗料等としても有用である。本発明の
水性ブロックポリイソシアネート組成物は、塗料以外
に、インキ、接着剤、繊維、フィルム、セラミック等の
無機材料、紙、木材、樹脂等の改質剤,表面処理剤、バ
インダーとしても有用である。
【0038】
【発明の実施の形態】以下に、実施例に基づいて本発明
を更に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限
定されるものではない。尚、評価は下記に従って行っ
た。 [ゲル分率]硬化塗膜をアセトンに20℃で24時間浸
漬した時の、未溶解部分重量の浸漬前重量対する値が、
50%未満を×、50以上85%未満を△、85%以上
を○として評価した。 [塗膜ヘイズ値]厚さ1mmの透明硝子板に塗装された
30μの膜厚を有する塗膜を、スガ試験機(株)の直読
ヘーズコンピューターHGM−2DPで測定した値が、
1.0未満を○、1.0以上を×として評価した。
【0039】
【製造例1】(イソシアヌレート型ポリイソシアネート
の製造) 撹拌機、温度計、還流冷却管を取り付けた4ツ口フラス
コにHMDIを100部仕込み、窒素雰囲気下、液温度
を60℃にした後、イソシアヌレート化反応触媒である
テトラメチルアンモニウムカプリエート0.01部を分
割して添加した。反応液のイソシアネート濃度が45%
になった時点で、燐酸0.02部を添加して反応を停止
した。反応液をろ過した後、薄膜蒸発缶で未反応のHM
DIを除去した。得られたポリイソシアネートは、粘度
1400mPas/25℃、イソシアネート濃度23%
であった。
【0040】
【製造例2】(ウレタン変性イソシアヌレート型ポリイ
ソシアネートの製造) 撹拌機、温度計、還流冷却管を取り付けた4ツ口フラス
コにHMDIを100部と1,3−ブタンジオール
0.8部を仕込み、窒素雰囲気下、液温度80℃で2時
間保持した。液温度を60℃にした後、イソシアヌレー
ト化反応触媒であるテトラメチルアンモニウムカプリエ
ート0.02部を分割して添加した。反応液のイソシア
ネート濃度が42%になった時点で、燐酸0.02部を
添加して反応を停止した。反応液をろ過した後、薄膜蒸
発缶で未反応のHMDIを除去した。得られたポリイソ
シアネートは、粘度2300mPas/25℃、イソシ
アネート濃度21.0%であった。
【0041】
【実施例1】(水性ブロックポリイソシアネート組成物
の製造) 製造例1で得られたポリイソシアネート100部、ポリ
エチレングリコールモノメチルエーテル(平均分子量7
50)30部を仕込み、窒素雰囲気下、80℃で4時間
保持した。反応液温度を20℃に下げ、水55部を添加
し、混合した。その後、メチルエチルケトオキシム47
部を滴下した。反応液の赤外スペクトルを測定し、イソ
シアナート基の吸収が消失したことを確認した。得られ
た水性ブロックポリイソシアナート組成物は、樹脂固形
分75%、樹脂当たりの有効イソシアネート濃度は1
2.3%であった。この水性ブロックポリイソシアナー
ト組成物は、水媒体で得られたものである。
【0042】
【実施例2〜5】表1に示すこと以外は、実施例1と同
様に行った。結果を表1に示す。これらの水性ブロック
ポリイソシアナート組成物は、水媒体で得られたもので
ある。
【0043】
【表1】
【0044】
【応用例1〜5】(水性塗料の調製と塗膜評価) ジメチルエタノールアミンで中和された水溶性アクリル
ポリオール(日本触媒(株)の商品名アロロン76、樹
脂分水酸基価64mgKOH/g)と実施例1〜5で得
られた水性ブロックポリイソシアネート組成物をイソシ
アネート基/水酸基の当量比が1/1の割合で、さらに
ジブチル錫ジラウレートの10重量%プロピレングリコ
ールモノメチルエーテルアセテート溶液をジブチル錫ジ
ラウレートが塗料固形分に対して0.5重量%になるよ
うに混合した。更に水を添加し、塗料粘度がフォードカ
ップNo.4で30秒になるように調整した。この塗料
をアプリケータ塗装し、140℃、30分間で硬化させ
た。塗膜評価結果を表2に示す。
【0045】
【表2】
【0046】
【発明の効果】本発明により、溶剤系イソシアネート架
橋ウレタン塗料の水性化を達成することができるので、
環境、衛生の点からも極めて好ましい。また本発明で得
られた水性ブロックポリイソシアネート組成物は、水性
塗料、改質剤、バインダー等に有用であり、水性塗料に
用いた場合は、耐候性、耐薬品性、耐チッピング性等に
優れた塗膜が形成される。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 媒体中に分散または溶解された、脂肪族
    及び/又は脂環族ジイソシアネートから誘導されるイソ
    シアネート濃度2〜25重量%のポリイソシアネートの
    イソシアネート基を、有機系熱解離性ブロック剤で封鎖
    する方法において、媒体の水濃度が1〜100重量%で
    あることを特徴とする水性ブロックポリイソシアネート
    組成物の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002511507A (ja) * 1998-04-09 2002-04-16 クラリアント インターナショナル リミティド ブロック化オリゴマーイソシアネート、その製造および使用
JP2007119604A (ja) * 2005-10-28 2007-05-17 Asahi Kasei Chemicals Corp 水性ブロックポリイソシアネート組成物及びこれを含む水性塗料組成物
JP2007523820A (ja) * 2003-07-25 2007-08-23 ピーピージー インダストリーズ オハイオ, インコーポレイテッド ガラスおよびセラミック基材をコーティングするための方法および組成物
JP2007254598A (ja) * 2006-03-23 2007-10-04 Meisei Kagaku Kogyo Kk 水性ブロックポリイソシアネート組成物

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