JP3430427B2 - バルブリフタの表面処理方法 - Google Patents

バルブリフタの表面処理方法

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JP3430427B2 JP06866994A JP6866994A JP3430427B2 JP 3430427 B2 JP3430427 B2 JP 3430427B2 JP 06866994 A JP06866994 A JP 06866994A JP 6866994 A JP6866994 A JP 6866994A JP 3430427 B2 JP3430427 B2 JP 3430427B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばアルミニウム又
はその合金等の軽金属により成形されたバルブリフタの
外周面を、耐摩耗性材料により被覆する表面処理方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関における直動型の動弁機構に用
いられるバルブリフタ(タペット)は、これまで、その本
体を鋼又は鋳鉄等の鉄系材料により成形するのが一般的
であったが、最近では、動弁系をより一層軽量化する目
的から、アルミニウム合金製とする傾向にある。
【0003】しかし、アルミニウム合金製のバルブリフ
タは、鉄系材料のものに比べて機械的強度が小さく、か
つ耐摩耗性も劣るため、特に、このバルブリフタを互い
に同系材質のアルミニウム合金製のシリンダヘッドに組
み込むと、互いの摺動面が早期に摩耗したり、かじり現
象等が発生したりする。
【0004】この問題を解決するためには、アルミニウ
ム合金製バルブリフタの外周面を、母材と異なる耐摩耗
性材料により被覆するのが効果的である。この際、母材
に対する耐摩耗性材料の密着強度を高める必要がある
が、そのための一手段として、被覆する母材の表面を粗
面としたのち、耐摩耗性材料による表面処理を行う方法
がある。
【0005】本願出願人は、特願平6−12547号に
おいて、耐摩耗性材料の密着強度を著しく向上させた表
面処理方法を既に提案している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】直動型の動弁機構に用
いられるバルブリフタは、カムによる駆動時の偏荷重に
より、その上下の端部に大きな横荷重(面圧)が作用し、
その部分が最も摩耗し易い。従って、上述のような耐摩
耗性材料による被覆層を形成する際には、特に、バルブ
リフタの上下の端部の密着強度を高めて、その部分の耐
剥離性を向上させればよく、中間部にはそれほど高い密
着強度は要求されない。
【0007】しかるに、上述した先願のものにおいて
は、バルブリフタの外周面全体に第1次及び第2次ブラ
スト処理を施して、外周面全体の密着強度を高めている
ため、過剰品質となり製造コストが嵩むという問題があ
った。すなわち、外周面全体に2度のブラスト処理を施
すと、それに要する処理時間が長くなって生産性が上が
らず、しかもブラスト材の消費量も多いため、それらが
製造コストにはね返って製品単価を引き上げる原因とな
っていた。
【0008】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたもので、耐剥離性の要求される部分にのみ2度の
ブラスト処理を施し、ブラスト処理に要する時間を短縮
することにより、製造コストを低減しうるようにしたバ
ルブリフタの表面処理方法を提供することを目的として
いる。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的は、上面が閉塞
された円筒形をなすバルブリフタ本体の外周面における
上下の端部に、硬質のブラスト材により第1次ブラスト
処理を施したのち、前記バルブリフタ本体の外周面全体
に、第1次ブラスト処理用のブラスト材よりも低比重で
粒度の小さいブラスト材により第2次ブラスト処理を施
し、前記第1次ブラスト処理により形成された粗面の表
面と中央部の未処理部分とに、振幅の小さな凹凸面を形
成したのち、全外周面に、耐摩耗性材料による被覆層を
形成することにより(請求項1)、達成される。
【0010】上記バルブリフタ本体が軽金属により成形
されているものにおいて、第1次ブラスト処理用のブラ
スト材をグリット又はカットワイヤとし、第2次ブラス
ト処理用のブラスト材をアルミナとするのが望ましい
(請求項)。
【0011】
【作用】バルブリフタ本体の外周面における耐摩耗性の
要求される上下の端部に、第1次と第2次ブラスト処理
を施し、その部分を除いた中央部は第2次ブラスト処
理のみとすることにより、ブラスト処理に要する時間が
著しく短縮する。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は、本発明(請求項1記載の発明)を適用して
形成されたバルブリフタを示すもので、上面閉塞された
バルブリフタ本体(以下リフタ本体と略称する)(1)は、
アルミニウム又はその合金により成形されている。
【0013】リフタ本体(1)の上面に形成された円形の
凹所(2)と内底面中央の小径の有底孔(3)とには、鋼又
は鋳鉄製等の耐摩耗性を有するシム(4)とチップ(5)と
がそれぞれ嵌挿されている。
【0014】リフタ本体(1)の外周面には、例えば鉄系
の比較的安価な耐摩耗性金属材料よりなる硬質の被覆層
(6)が、次のような表面処理工程を経て形成されてい
る。
【0015】図2(A)に示すように、まずリフタ本体
(1)の外周面における中央部を除く上下の端部、すなわ
ち、例えばリフタ本体(1)の全長のほぼ1/3〜1/4
の長さの上下の端部(a)に、第1次ブラスト処理を施
し、図3に拡大して示すように、表面あらさの振幅の比
較的大きな粗面(7)を形成する。
【0016】第1次ブラスト処理に用いるブラスト材
は、硬質でかつ比較的粒度の大きい、例えば粒度#12〜
#46(JIS)の範囲の鋳鋼等のグリット、又は直径0.6
〜2.0mmの範囲で、かつ硬度がHv500以上のカットワ
イヤが好ましく、この第1次ブラスト処理による粗面
(7)の表面あらさは(10点平均あらさRz)を、60〜300μ
mの範囲とするのがよい。
【0017】ついで、図2(B)に示すように、上記第1
次ブラスト処理を施した上下の端部(a)と未処理部分で
ある中央部(b)との外周面全体に、第2次ブラスト処理
を施し、第1次ブラスト処理により形成された粗面(7)
の表面と未処理部分に、図4に拡大して示すような、中
心線平均あらさ(Ra)4μm以下、10点平均あらさ(Rz)
30μm以下の振幅の細かな凹凸面(8)を形成する。
【0018】この第2次ブラスト処理に用いるブラスト
材は、上記第1次ブラスト処理により形成された凹凸部
(特に尖鋭部)を削り取ることのないように、比較的低比
重でかつ粒度の小さい、例えば粒度#80〜#240(JI
S)の範囲のアルミナ等が適している。
【0019】最後に、第2次ブラスト処理を施したリフ
タ本体(1)の外周面全体に、鉄系の耐摩耗性材料を溶射
法(例えばアーク溶射、プラズマ溶射)により、所要厚さ
となるように吹き付ければ(図4参照)、図1に示すよう
な、外周面に硬質の被覆層(6)が形成されたリフタ本体
(1)が得られる。
【0020】このように、リフタ本体(1)の外周面にお
ける上下の端部に第1次、第2次ブラスト処理を施した
のち、被覆層(6)を形成すると、その部分の表面積が著
しく増加し、かつ活性化するので、被覆層(6)の密着性
が極めて良好となる。しかも凹凸面(8)の凹凸の方向は
不規則であり、その凹部と第1次ブラスト処理による振
幅の大きな凹部に溶射材が入り込んで密着する際のアン
カー(投錨)効果により、リフタ本体(1)と被覆層(6)と
の境界の密着強度及びせん断強度が大幅に向上する。
【0021】その結果、特に高い面圧が作用し、高い耐
剥離性の要求されるリフタ本体(1)の上下の端部は、優
れた密着強度を有するようになり、しかも、リフタ本体
(1)の外周面全体に第1次、第2次ブラスト処理を施し
た従来のタペットに比して、経済的効果が大となる。
【0022】すなわち、本発明では第1次ブラスト処理
を施す範囲が狭く、それに要する処理時間が短縮される
ので、生産性が大幅に向上して製造コストを低減しうる
とともに、第1次ブラスト処理用のブラスト材の消費量
が削減される結果、ランニングコストが低減する。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、次の効果を奏する。(a) バルブリフタ本体の外周面における上下の端部に
は、第1次ブラスト処理により振幅の大きな粗面が形成
され、かつその粗面とした表面に、第2次ブラスト処理
により、振幅の小さな凹凸面を形成しているため、上下
の端部の表面積が著しく増加する。 従って、 バルブリフ
タ本体の外周面における面圧が高く剥離し易いとされる
上下の端部の被覆層の密着強度が向上するため、その部
分の耐摩耗性は著しく高まる。 (b) 第1次ブラスト処理は、バルブリフタ本体の外周
面の上下の端部のみであるため、第1次ブラスト処理に
要する時間が大幅に短縮される結果、生産性が向上し、
かつブラスト材の消費量も削減されるので、安価なバル
ブリフタを提供しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1記載の発明を適用して得られたバルブ
リフタの中央縦断正面図である。
【図2】請求項1記載の発明を工程順に示し、(A)は、
リフタ本体の上下部に第1次ブラスト処理を施した一部
切欠正面図、(B)は、外周面全体に第2次ブラスト処理
を施した一部切欠正面図である。
【図3】図2(A)におけるC部の拡大図である。
【図4】図1の外周面の拡大図である。
【符号の説明】
(1)バルブリフタ本体 (2)凹所 (3)凹溝 (4)シム (5)チップ (6)被覆層 (7)粗面 (8)凹凸面 (a)上下の端部 (b)中央部
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B24C 3/32 B24C 11/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上面が閉塞された円筒形をなすバルブリ
    フタ本体の外周面における上下の端部に、硬質のブラス
    ト材により第1次ブラスト処理を施したのち、前記バル
    ブリフタ本体の外周面全体に、第1次ブラスト処理用の
    ブラスト材よりも低比重で粒度の小さいブラスト材によ
    り第2次ブラスト処理を施し、前記第1次ブラスト処理
    により形成された粗面の表面と中央部の未処理部分と
    に、振幅の細かな凹凸面を形成したのち、全外周面に、
    耐摩耗性材料による被覆層を形成することを特徴とする
    バルブリフタの表面処理方法。
  2. 【請求項2】 バルブリフタ本体が軽金属により成形さ
    れているものにおいて、第1次ブラスト処理用のブラス
    ト材をグリット又はカットワイヤとし、第2次ブラスト
    処理用のブラスト材をアルミナとすることを特徴とする
    請求項記載のバルブリフタの表面処理方法。
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