JP3430262B2 - 電動式車椅子 - Google Patents

電動式車椅子

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JP3430262B2
JP3430262B2 JP2000100023A JP2000100023A JP3430262B2 JP 3430262 B2 JP3430262 B2 JP 3430262B2 JP 2000100023 A JP2000100023 A JP 2000100023A JP 2000100023 A JP2000100023 A JP 2000100023A JP 3430262 B2 JP3430262 B2 JP 3430262B2
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clutch
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
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  • Handcart (AREA)
  • Arrangement Or Mounting Of Propulsion Units For Vehicles (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歩行の不自由な人
が使用する車椅子に係り、特にモータ等の電動機で走行
する形式の電動式車椅子に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の電動式車椅子としては、座席を
支持するフレームに車軸を介して左右一対に設けられた
車輪を、モータ等の電動機で回転駆動する形式のものが
一般的である。たとえば特開平5−95976号公報に
示される車椅子もそのようなものであり、同公報に記載
の車椅子においては、駆動ローラを車輪に接触させるこ
とにより車輪を回転させる駆動手段を採用しており、駆
動ローラを車輪に接触させたり離したりする、すなわち
駆動力を車輪に対して断接する切換えレバーを備えてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記車椅子の切換えレ
バーは、フレームに軸支され、前後方向に回動させるこ
とで操作するように構成されている。このように切換え
レバーをフレームに支持する構成であると、フレームの
構造や形状、寸法等が変わった場合、最適な取付状態
(取付位置や取付角度等)が変わってしまうので操作性
が悪化する可能性があり、それを避けるためには、切換
えレバーをその都度設計変更せねばならず、1つの種類
で種々のフレームに対応できないといった不具合が想定
される。
【0004】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、動力を断接する手段を操作するためのレバーが、
フレームに影響を受けることなく常に一定の取付状態に
保たれ、したがってフレーム構造の異なる車椅子にもそ
のレバーが取付可能である電動式車椅子を提供すること
を目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するためになされたものであって、請求項1記載の電動
式車椅子は、座席が設けられるフレームと、該フレーム
に固定された左右一対の車軸と、これら車軸に、ハブを
介して回転自在に装着される左右一対の車輪とを備え、
前記ハブは、前記各車輪の中心に固定される椀状のハブ
本体と、該ハブ本体の開口を覆って配設されるとともに
前記車軸に一体的に固定され、かつ、ハブ本体に、ハブ
本体と相対回転可能に連結された蓋体とを有し、前記蓋
体には、前記ハブ本体を介して前記車輪を回転駆動する
ためのモータが固定され、ハブ内には、前記モータの動
力を前記ハブ本体に伝えるための動力伝達手段が前記蓋
体に固定された伝達ケース内に収納された状態で配設さ
れ、さらに該伝達ケース内には、前記動力伝達手段から
前記ハブ本体への動力伝達を断接するクラッチ機構が設
けられており、該クラッチ機構を操作するクラッチレバ
ーが、前記フレームと前記車輪との間において前記蓋体
に支持され、該クラッチレバーは、前方斜め上方に延び
る前側レバーと後方斜め上方に延びる後側レバーとが一
体になったV字状のレバーであり、前記車軸もしくは車
軸近傍部分を軸として車輪に沿う方向に回動する回動式
とされ、当該クラッチレバーの先端に設けられたレバー
把持部が、前記車輪の外周に近接されていることを特徴
としている。
【0006】
【0007】
【0008】請求項記載の電動式車椅子は、請求項
に記載の電動式車椅子において、前記フレームは折り畳
み可能に構成され、前記クラッチレバーは、左右の前記
クラッチ機構のうちのいずれか一方に直接連結されると
ともに他方のクラッチ機構には、ワイヤを介してクラッ
チレバーの動作を伝達させることを特徴としている。
【0009】請求項記載の電動式車椅子は、請求項
記載の電動式車椅子において、前記ワイヤを前記座席の
後方に取り回したことを特徴としている。
【0010】請求項記載の電動式車椅子は、請求項
または3に記載の電動式車椅子において、前記ワイヤ
に、前記モータ等に接続される電線を支持させたことを
特徴としている。
【0011】本発明の請求項1に係る電動式車椅子によ
れば、クラッチ機構を操作するクラッチレバーがハブの
蓋体に支持されており、この蓋体は車軸に固定されてい
るのでクラッチレバーは常に一定の位置にあり、操作に
支障をきたさない。フレーム構造の異なる車椅子にも適
用できる。
【0012】また、クラッチレバーがフレームと車輪に
よって保護され、乗降時の使用者あるいは介護者等がク
ラッチレバーに不用意に接触するおそれがない。また、
使用しないデッドスペースを有効利用することにもな
る。
【0013】また、回動式のクラッチレバーのレバー把
持部は車輪の外周に近接して大きく突出しないから、人
やその他の物等にあたりにくい。
【0014】本発明の請求項に係る電動式車椅子によ
れば、1つのクラッチレバーで左右の車輪のクラッチ機
構を同時に作動させることができ、しかも、フレームを
折り畳んでもワイヤは他の部品に接触することなく柔軟
に湾曲し、使用時には元の状態に復帰するので、損傷を
受けず機能に支障をきたさない。また、ワイヤは柔軟性
を有することにより、左右の車輪の間隔、すなわち車幅
が異なる機種にも対応できる。
【0015】本発明の請求項に係る電動式車椅子によ
れば、座席の後方のデッドスペースをワイヤを取り回す
ことによって有効利用できるとともに、ワイヤは使用者
の乗降の邪魔にまったくならず、しかも、フレームを折
り畳んだときに他のパーツと干渉しにくいのでワイヤの
耐久性が確保される。
【0016】本発明の請求項に係る電動式車椅子によ
れば、フレームを折り畳むとワイヤは自身の剛性により
緩やかに湾曲し、したがってここに支持された電線には
無理な曲げが生じず、断線のおそれが回避される。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施例を説明する。図1は本発明の一実施例の電動式車
椅子1に使用者Mが乗っている状態の左側面図を示して
おり、図2はその車椅子の正面図、図3は背面図、図4
は平面図を示している。本実施例の車椅子1は、パイプ
を組んで構成された折り畳み式のフレーム2と、フレー
ム2に設けられ使用者Mが着座する座席3と、フレーム
2の前後に左右一対として設けられた補助輪4および駆
動輪である車輪5と、フレーム2の前部に配された運転
装置6と、一方の車輪5(この場合右側の車輪5)側に
取り付けられた走行用電源であるバッテリパック7とか
ら構成されている。
【0018】まず、車椅子1の骨組となるフレーム2か
ら説明していく。フレーム2は、同一構成の左側フレー
ム10A、右側フレーム10Bと、これらフレーム10
A、10Bを連結する連結フレーム11からなり、左右
に閉じる方向に折り畳み可能に構成されている。左側お
よび右側フレーム10A、10Bは、上パイプ12、中
パイプ13、下パイプ14および後パイプ15が組まれ
てできている。
【0019】上パイプ12は、前後に延びる手掛け枠1
2aと、その前端の前縦枠12bとを構成し、中パイプ
13は、中間横枠13aと、その前端の足掛け枠13b
とを構成している。足掛け枠13bの先端には、この足
掛け枠13bを軸として折り畳めるように足掛け板16
が設けられている。また、下パイプ14は、下横枠14
aと、その前端の足掛け枠支持部14bとを構成し、後
パイプ15は、ブロック15aと、その上端のハンドル
部15bとを構成している。両フレーム10A、10B
は、中パイプ13の中間横枠13aの部分と、下パイプ
14の下横枠14aの部分との間にX字状にクロスして
架け渡された前記連結フレーム11により連結されてい
る。連結フレーム11の上部側と後パイプ15との間に
は、補強フレーム11aが架け渡されている。
【0020】左右の中パイプ13の中間横枠13aの間
には着座シート17が張られ、左右の後パイプ15の間
には背もたれシート17bが張られており、これらシー
ト17a、17bで前記座席3が構成されている。各シ
ート17a、17bは、折り畳みに支障のないよういず
れも可撓性を有している。連結フレーム11どうしは中
央でピン結合されて相対回動自在であり、中パイプ13
と下パイプ14とに回動自在にピン結合され、補強フレ
ーム11aも、連結フレーム11と後パイプ15とにピ
ン結合され、このようなピン結合状態により、左右のフ
レーム11A、11Bを互いに近付かせると連結フレー
ム11および補強フレーム11aが回動し、車椅子1全
体が折り畳まれるようになっている。図5は折り畳まれ
た状態を示しており、このように車椅子1が折り畳まれ
たときに、左右の車軸34の内側の端面どうしが当接
し、他のパーツが折り畳んだ勢いで損傷しないように配
慮されている。
【0021】次いで、前記補助輪4および車輪5につい
て説明する。補助輪4はいわゆるキャスタ式の車輪であ
って、前記左右の上パイプ12の前縦枠12bの下端に
それぞれ装着され、車椅子1の方向転換すなわち操舵を
可能としている。車輪5は、図6および図7に示すよう
に、リム20およびリム20に装着されたタイヤ21と
からなり、放射状に配列された多数のスポーク22によ
り、中心に配されたハブ30に連結されている。
【0022】そのハブ30は、図8に示すように、底の
浅い有底円筒状のハブ本体31と、ハブ本体31の開口
を塞ぐ円盤状の蓋体35とから構成されている。ハブ本
体31の内側中心にはボス32が形成されており、この
ボス32に、2つのベアリング33を介して車軸34が
装着され、この車軸34は、フレーム2の後パイプ15
に溶接固定されたブロック15aに形成された貫通孔に
嵌合され、かつナット37で固定されており、これによ
って車輪5はフレーム2に回転自在に支持されている。
蓋体35は、車軸34に嵌合固定されており、ハブ本体
31との間にはわずかな隙間があいている。この隙間は
水等の侵入を防ぐためにラビリンス状に形成されてい
る。したがって、車軸34と蓋体35はフレーム2に対
して一体に固定され、車輪5はハブ本体31とともに回
転するようになっている。
【0023】なお、ハブ本体31には、車輪5の外側に
位置する手回しリング36が一体に固定されている。こ
の手回しリング36は、使用者Mが手動で車輪5を回転
させて走行するときに用いるものである。
【0024】さて、車輪5は前述したように駆動輪であ
り、ハブ30に設けられた駆動機構40により回転駆動
される。図9および図10に示すように、駆動機構40
は、ハブ30の蓋体35における反ハブ本体31側の外
面にボルト止めされた円筒状のモータ41と、このモー
タ41の駆動ギヤ42に連結された複数(この場合2
つ)の減速ギヤ(動力伝達手段)43、44とから構成
されている。駆動ギヤ42の駆動軸42aおよび各減速
ギヤ43、44のギヤ軸43a、44aは、蓋体35と
蓋体35の内面にネジ止めされたギヤケース45とに、
ベアリング46を介して回転自在に支持され、駆動ギヤ
42、各減速ギヤ43、44はギヤケース45内に収納
された状態となっている。下流側の減速ギヤ44のギヤ
軸44aの先端はギヤケース45から突出し、その突出
端に、ピニオンギヤ47が設けられており、このピニオ
ンギヤ47が、前記ハブ30のハブ本体31の底部内周
に装着された内歯である内歯ギヤ30aに噛合してい
る。ギヤケース45は、蓋体35に固定された状態で車
軸34を取り囲むように略円弧状に形成されており、さ
らに、モータ41は、ギヤケース45の端部であって、
車軸34に対してオフセットされた位置に配設されてい
る。
【0025】モータ41の駆動軸42aが回転すると、
その回転は減速ギヤ43、44を経てピニオンギヤ47
から内歯ギヤ30aに伝わり、もって車輪5が回転する
ようになっている。なお、モータ41の駆動軸42aの
回転数は、ハブ30内に設けられ、駆動軸42aにタイ
ミングベルト48で連結されたエンコーダ49により検
出されるようになっている。このエンコーダ49はモー
タ41に近接させてギヤケース45に並設され、蓋体3
5の内面にボルト止めされている。
【0026】また、ハブ30には、車輪5の回転を制動
するブレーキ機構50が設けられている。このブレーキ
機構50は、いわゆるドラムブレーキ式であり、一端に
ブレーキドラム51が、他端にブレーキギヤ52が設け
られたブレーキ軸53と、このブレーキ軸53が装着さ
れるブレーキケース54と、このブレーキケース54内
に収納されたブレーキシュー55とから構成されてい
る。ブレーキケース54は、ケース本体54aと、ケー
ス本体54aにボルト止めされるケースカバー54bと
からなり、ケース本体54aに形成された筒部56内
に、ブレーキ軸53が、ベアリング57を介して軸回り
に回転自在に挿入されている。
【0027】ブレーキ機構50は、ブレーキケース54
ごとハブ30の蓋体35の外面に着脱自在に取り付けら
れるようになっている。蓋体35への取り付けは、蓋体
35にあけられた取付孔35bにケース本体54aの筒
部56を挿入し、ケース本体54aを蓋体35にボルト
止めすることで行う。ハブ30の外面に取り付けられた
状態で、ブレーキ軸53の先端のブレーキギヤ52はハ
ブ30内にあって内歯ギヤ30aに噛合し、ブレーキド
ラム51はハブ30の外側にレイアウトされている。ブ
レーキシュー55は、ブレーキドラム51を囲む一対の
シュー片55aの一端どうしがヒンジ結合され、それら
の自由端には、ブレーキワイヤ58が係合されている。
ブレーキワイヤ58は、ハンドル部15bに装着された
ブレーキレバー59に連結されており、このブレーキレ
バー59を握ると、ブレーキシュー55がブレーキドラ
ム51を締め付けてブレーキ軸53の回転が制動され、
その結果、ハブ本体31の回転すなわち車輪5の回転が
制動されるようになっている。なお、ブレーキレバー5
9はハンドル部15bに着脱自在となっており、したが
って、ブレーキレバー59、ブレーキワイヤ58および
ブレーキ機構50で構成されるブレーキ系パーツは、車
椅子1に対して取付け・取外しが容易にできるようにな
っている。
【0028】前記減速ギヤ44には、モータ41の駆動
力をハブ本体31へ伝達する経路をつないだり切ったり
するクラッチ機構60が設けられている。図10および
図11に示すように、減速ギヤ44のギヤ軸44aは、
減速ギヤ44の中心に相対回転自在に挿入されて減速ギ
ヤ44とは別体に構成されており、そのギヤ軸44aに
は、ピニオンギヤ47が設けられた側の端部を残して中
空部61が形成され、さらに中央部には、長さ方向に延
びて中空部61に連通するスリット62が形成されてい
る。中空部61には、クラッチスプリング63を挟んで
クラッチロッド64が摺動自在に挿入されている。クラ
ッチロッド64の内部側の端部(挿入側の端部)にはピ
ン65が直交して固定され十字状になっている。減速ギ
ヤ44のハブ本体31側に向く面には、ギヤ軸44aと
同軸的に円形の凹所66が形成され、さらにその凹所6
6の底部には、十字溝67が形成されている。クラッチ
ロッド64は、クラッチスプリング63によって蓋体3
5側つまりギヤ軸44aから抜ける方向に常に付勢さ
れ、その状態が、ピン65が十字溝67に係合すること
により規制されている。
【0029】このようにピン65が十字溝67に係合し
ていると、減速ギヤ44とギヤ軸44aがピン65を介
して一体に連結し、クラッチ接続の状態になる。このク
ラッチ接続状態から、クラッチロッド64をクラッチス
プリング63の力に抗してハブ30内に押し込むと、ピ
ン65がスリット62内を移動して凹所66内に位置す
る。この状態では、ピン65は凹所66内にあって減速
ギヤ44と非係合状態なので、減速ギヤ44がいくら回
転してもその回転はギヤ軸44aに伝わらず、逆に言う
と車輪5の回転がモータ41に伝わらないクラッチ非接
続状態となる。上記クラッチスプリング63、クラッチ
ロッド64、ピン65、凹所66、十字溝67でクラッ
チ機構60が構成されている。
【0030】上記ギヤケース45の内部には、各ギヤ4
2、43、44およびクラッチ機構60の動作を潤滑す
るためのグリス等の潤滑剤が充填され、この潤滑剤がギ
ヤケース45の外に漏れないように、ギヤケース45と
蓋体35の内面の間には、漏出防止用の図示せぬシール
材が挟まれている。
【0031】左右のハブ30に設けられた上記クラッチ
機構60の操作すなわちクラッチロッド64の押し込み
操作は、右側の車輪5に設けられたクラッチレバー70
で行われるようになっている。このクラッチレバー70
は、図6に示すように、車椅子1の使用者Mが操作する
前側レバー70Aと、介護者が操作する後側レバー70
Bとが一体になったV字状のレバーで、基端部が、右側
の車軸34に対して回動可能に装着されて車輪5に沿っ
て回動する回動式に構成されており、車輪5と右側フレ
ーム10Bとの間の隙間において前側レバー70Aは前
方斜め上方に、また後側レバー70Bは後方斜め上方に
それぞれ延びている。前側レバー70Aの方は下に向か
って若干湾曲している。クラッチレバー70の先端には
内側に屈曲するレバー把持部71が形成されており、ク
ラッチレバー70の長さは、横から見るとレバー把持部
71が車輪5のタイヤ21よりも外側に位置するように
設定されている。
【0032】クラッチレバー70の基端部には、車軸3
4への装着部分から屈曲するレリーズプレート72が一
体に形成され、その先端内側には、図11に示すよう
に、クラッチロッド64を押圧する押圧片73が形成さ
れている。この押圧片73の内面には、回動方向に沿っ
て先端から徐々に厚くなるようにテーパ面73aが形成
されている。レリーズプレート72は、ハブ30の蓋体
35に装着されたサポートスプリング75によりクラッ
チレバー70が図11における実線の状態に保持された
とき、クラッチ機構60は接続状態であり、クラッチレ
バー70を図6における矢印(イ)方向に押して回動さ
せると、押圧片73がクラッチロッド64をハブ30内
に押し込み、クラッチ機構60が非接続状態になる。図
12にも示すように、クラッチレバー70の基端部の側
面にはピン76が突設されている一方、サポートスプリ
ング75には2つの係合凹所75a、75bが離間して
形成されており、ピン76は、クラッチ接続状態で手前
側の係合凹所75aに、そしてクラッチ非接続状態では
前方の係合凹所75bに弾性的にそれぞれ係合するよう
になっており、いずれの場合も、クラッチレバー70の
移動が規制されてそれぞれの状態が保持されるようにな
っている。
【0033】このように、クラッチレバー70が装着さ
れた右側の車輪5のクラッチ機構60は、クラッチレバ
ー70により直接操作されるが、もう一方の左側の車輪
5のクラッチ機構60は、クラッチレバー70に連結さ
れたクラッチワイヤ80を介して操作されるようになっ
ている。クラッチワイヤ80は、その一端がクラッチレ
バー70の基端部近傍に係止され、他端が、左側の車輪
5の車軸34に回動可能に装着されたレリーズプレート
81の先端に係止されている。クラッチレバー70を図
6において矢印(イ)方向に押して回動させると、クラ
ッチワイヤ80に引張力が発生し、リターンスプリング
74に抗してレリーズプレート81を図7の二点鎖線の
位置に回動させ、押圧片73がクラッチロッド64をハ
ブ30内に押し込み、クラッチ非接続状態となる。逆に
クラッチレバー70を戻すとクラッチワイヤ80の引張
力が解除され、リターンスプリング74の引張力により
図7の実線位置までレリーズプレート81が回動し、ク
ラッチ接続状態となる。なお、図3および図4に示すよ
うに、上記クラッチワイヤ80は、ブレーキワイヤ58
とともに座席3の背もたれシート17bの後方に取り回
されている。
【0034】上記のように、左右の車輪5を支持する左
右のハブ30には、車輪5を回転させる駆動機構40、
ブレーキ機構50、クラッチ機構60が設けられ、これ
らに加え、さらに補助アーム90が取り付けられてい
る。この補助アーム90は、座席3が後方に過度に後傾
することを防ぐものであり、図12に示すように、ハブ
30の蓋体35の後部に形成されたフランジ部35a
に、ブラケット91を介して取り付けられている。補助
アーム90は、ブラケット91に固定された固定アーム
92と、この固定アーム92に摺動可能に挿入されて先
端に車輪93が装着された可動アーム94とから構成さ
れ、後方斜め下方に延びている。可動アーム94は、内
部に組み込まれたスプリング95で付勢されるストッパ
96が、固定アーム92に形成されたストッパ孔に嵌ま
ることで固定アーム92に固定されている。ストッパ孔
は、固定アーム92の長さ方向に複数形成されており、
ストッパ96を押してストッパ孔への係合を外した状態
で、可動アーム94は固定アーム92に沿って動かすこ
とができ、つまりは補助アーム90は伸縮自在で長さを
調節でき、ストッパ孔へのストッパ96の係合で、その
長さを保持できるようになっている。
【0035】上記補助アーム90は、座席3が後方に傾
くと下方に回動し、それがある角度まで達すると、車輪
93が接地することでそれ以上の座席3の後傾を防ぐ働
きをする。
【0036】さて、前述の駆動機構40のモータ41
は、直方体状のバッテリパック7を電源としている。こ
のバッテリパック7はいわゆる充電池であって、一方
(この場合右側)のハブ30に取り付けられたバッテリ
ホルダ110に着脱自在に装填されるようになってい
る。バッテリホルダ110は、図12ないし図14に示
すように、ハブ30の蓋体35に対しモータ41ととも
にボルト止めされ、蓋体35への取付け部分から後方斜
め上方に延びており、下部にはコントローラ収納部11
1、その上に上方に開口するバッテリ収納部112が形
成されている。コントローラ収納部111には、左右の
モータ41へ供給する電流を制御してそれらモータ41
の作動状態を制御するメインコントローラ113が収納
されている。バッテリパック7は、複数のバッテリ10
1が、相互の電極が接続された状態で収納されている。
バッテリパック7には、バッテリホルダ110に対する
着脱や持ち運びの際に便利なように把手102が設けら
れている。なお、前記ハブ30内には、メインコントロ
ーラ113からの出力信号を受けて同じ側にあるモータ
41に必要なトルクを出力するように電力をPWM制御
するサブコントローラ119が、ケース119aに覆わ
れて収納されている。
【0037】バッテリホルダ110の基端部には、モー
タ41に被せられてモータ41を軸に回動可能な円筒状
のモータカバー107が一体成形されており、このモー
タカバー107とともにバッテリホルダ110全体が、
前後方向に回動するようになっている。バッテリホルダ
110のコントローラ収納部111を形成する内壁部に
は、バッテリホルダ110の回動軸を中心とした円弧状
の長孔108aが複数(この場合3つ)形成されてお
り、これら長孔108aに通したねじ108bにより、
蓋体35に設けた取付板109にバッテリホルダ110
が取り付けられるようになっている。すなわち、バッテ
リホルダ110は、モータ41を軸として長孔108a
の長さ分だけ蓋体35への取付位置が調整可能となって
いる。
【0038】バッテリホルダ110のバッテリ収納部1
12へのバッテリパック7の収納状態は、バッテリホル
ダ110に設けられたロック機構114により保持され
るようになっている。このロック機構114は、図15
および図16に示すように、バッテリホルダ110の側
壁部110aの上端に設けられたロック片115および
ロックスプリング116から構成されている。ロック片
115は、側壁部110aに貫通形成された横孔117
に摺動自在に収納されており、横孔117を塞ぐプラグ
118との間に介装されたロックスプリング116によ
り、バッテリホルダ110の内部側に常に突出するよう
に付勢されている。ロック片115の先端側には、バッ
テリホルダ110の開口側に向く傾斜面115aが形成
されている。一方、バッテリパック7の、バッテリホル
ダ110に収納された際のロック機構114に対向する
側壁部100aの所定箇所には、係合凹所103が形成
されている。また、この係合凹所103が形成された側
壁部100aの上方部分には、ロック解除ピン104が
挿入されている。このロック解除ピン104の上端には
押しボタン105が取り付けられており、この押しボタ
ン105は、スプリング106により常に上方に付勢さ
れた状態になっている。
【0039】ロック解除ピン104をロック機構114
に対向するようにしてバッテリパック7をバッテリホル
ダ110のバッテリ収納部112に収納していくと、ロ
ック機構114のロック片115はバッテリパック7の
側壁部100aに押されて横孔117に引っ込み、さら
にバッテリパック7を収納していって係合凹所103が
ロック片115の先端に達すると、ロックスプリング1
16によりロック片115が係合凹所103に飛び出し
て係合する。バッテリパック7は、ロック片115に引
っ掛かってバッテリホルダ110からの抜け止めがなさ
れ、この状態(図15の状態)でロック解除ピン104
はその先端がロック片115の傾斜面115aに当接す
る。バッテリパック7をバッテリホルダ110から取り
出すには図16に示すように、把手102を握って押し
ボタン105を押すことによりロック片115の係合を
解きバッテリパック7をバッテリホルダ110から抜
く。押しボタン105を押すと、ロック解除ピン104
がロック片115の傾斜面115aを摺動しながらロッ
ク片115を横孔117に押し込むので、係合凹所10
3からロック片115が抜け、係合が解かれるのであ
る。
【0040】図17および図18に示すように、バッテ
リパック7の裏面には複数の接続端子が露出して設けら
れている。この場合の接続端子は、電源供給用接続端子
120、充電用接続端子121、放電用接続端子122
の3種類あり、これらに対応する接続端子が、バッテリ
収納部111に設けられている。図19はバッテリパッ
ク7、バッテリホルダ110の接続端子130、13
1、132およびこれらに接続されている前記メインコ
ントローラ113の回路図を示している。
【0041】バッテリパック7をバッテリホルダ110
のバッテリ収納部112に収納することにより、両者の
接続端子どうしが接続するようになっている。図17
(a)に示すように、バッテリパック7をバッテリ収納
部112に収納するために挿入し始めのとき、すなわ
ち、バッテリパック挿入開始時のときには、接続端子1
20、121がバッテリホルダ110側の接続端子13
0、131に先に接触し、接続端子122はまだ接続端
子132に接触しない。このときの接続状態の回路図を
図18(a)に示す。そして、図17(b)に示すよう
に、バッテリパック7をバッテリ収納部112に完全に
収納したときに、残りの接続端子122、132どうし
も接触してすべての接続端子が接続した状態となる。こ
のときの回路図を図18(b)に示す。
【0042】上記バッテリパック7からモータ41に電
流が供給されてモータ41が作動してハブ30のハブ本
体31が回転し、その結果として車輪5が回転するわけ
であるが、その車輪5を回転させる、つまり車椅子1の
運転を行うには、前記運転装置6を用いる。この運転装
置6は、左側フレーム10Aを構成する中パイプ13の
足掛け枠13bに固定された上方に延びるステー140
の上端に設けられており、図20ないし図25に示すよ
うに、操作ボックス141に運転レバー142が備えら
れた構成となっている。
【0043】運転レバー142は軟鋼等の塑性変形可能
な材質で作られており、運転レバー142は、操作ボッ
クス141の内部に組み込まれた自在軸143に支持さ
れ、前後左右ないしその間の範囲全域すなわち360度
の全方向に傾倒自在となっており、この運転レバー14
1を傾倒する方向に車椅子1は走行するとともに、その
傾倒角度に応じて走行速度が調節されるようになってい
る。
【0044】自在軸143は、操作ボックス141に回
動自在に支持され、回動軸が互いに直交する前後回動軸
144と左右回動軸145とからなるもので、運転レバ
ー142は、前後回動軸144に貫通させられてこの前
後回動軸144に対しピン146により一体結合されて
いる。運転レバー142の操作ボックス141から上方
に突出する部分が操作部142aとされ、その下側は、
段部142bを経て操作部142aよりも径が細くなっ
た下端部142cが形成されており、この下端部142
cが、左右回動軸145に前後方向に沿って形成された
スリット145aに通され、さらに、操作ボックス14
1の下部開口141aを通るまで延びている。前記ピン
146は、操作部142aに貫通されている。
【0045】運転レバー142に、直立した状態から前
後に傾倒させる力を加えると、前後回動軸144が回動
し、かつ運転レバー142の下端部142aがスリット
145a内を移動することにより、運転レバー142は
前後に傾倒する。また、左右に傾倒させる力を加える
と、スリット145aを形成するスリット面145bに
運転レバー142が当接することによってその力が左右
回動軸145に伝わり、運転レバー142は左右に傾倒
する。そして、この前後および左右への傾倒動作を併せ
て行うことにより、前述の如く全方向にある角度まで傾
倒可能となっている。その傾倒角度は、運転レバー14
2の下端部142cが、前記下部開口141aを形成す
る操作ボックス141の下板147の開口縁147aに
当接することで規制される。
【0046】上記各軸144、145の一端には、接点
プレート150を介して通電用と抵抗用の2種類のブラ
シ接点151、152がそれぞれ取り付けられ、これら
に対向する操作ボックス141の側面には、各ブラシ接
点151、152に接触し、かつ前記メインコントロー
ラ113に電気的に接続された扇状端子161、162
がそれぞれ設けられ、これら接点プレート150、ブラ
シ接点151、152および端子161、162により
ボリューム163が構成されている。各端子161、1
62は、運転レバー142の傾倒に伴うブラシ接点15
1、152の回動範囲が広くなるように一側に偏位して
設けられている。また、ボリューム163は、図25に
示すように、操作ボックス141の側面に設けられた凹
所141aに収納された状態で配設されており、運転装
置6全体のコンパクト化が図られている。なお、操作ボ
ックス141には、電源スイッチ180、走行速度を高
低の2段階に分ける速度モードスイッチ181が手前に
向けて設けられている。さらに、右側のハンドル部15
bには、介護者用として、電源スイッチ190、速度モ
ードスイッチ191および運転ボタン192が、操作ボ
ックス193により設けられている。運転ボタン192
は、前後に傾動するシーソー式のボタンであり、前を押
すと前進、後を押すと後退するようにモータ40を作動
させ、触らないと常に中立の位置で非作動状態を保つ。
操作ボックス193は、ホルダ194を介してハンドル
部15bに装着されており、前記ブレーキレバー59は
ホルダ194に軸支されている。ホルダ194はハンド
ル部15bに着脱自在に装着されるもので、このため、
操作ボックス193、ブレーキレバー59は、ホルダ1
94ごと取付け・取外しが行え、これらが装備されない
車椅子に簡単に切り換えられるようになっている。
【0047】メインコントローラ113には、運転レバ
ー142の傾倒方向および傾倒角度に基づく抵抗値が入
力され、その入力信号に応じてモータ41へ供給される
電流値を変換させる。すなわち、運転レバー142の傾
倒方向に応じて左右のモータ41の回転数が変わり、そ
れによって車輪5の回転速度に差が生じ、その結果、車
椅子1の進行方向の操舵が行え、また、その傾倒角度に
応じて車椅子1の走行速度が調節される。具体的には、
たとえば運転レバー142を左に倒すと右側の車輪5が
左側の車輪5よりも多く回転し、その結果、車椅子1は
左に進行していく。また、運転レバー142を倒せば倒
すほどモータ41の回転数が増大して車輪5の回転数が
増大し、もって車椅子1の走行速度が上昇する。
【0048】なお、運転レバー142における操作ボッ
クス141から上方に突出する操作部142aには、操
作ボックス141の上面に当接するリング状のバネ座1
70が摺動可能に嵌められるとともに、このバネ座17
0と間隔をおいて2つのナット171a、171bが嵌
められている。運転レバー142の上端部にはねじ部1
72が形成され、2つのナット171a、171bは互
いを締め付ける状態で嵌められている。ナット171b
とバネ座170の間にはスプリング173が圧縮状態で
介装されており、このコイルスプリング173の弾発力
により、運転レバー142は自然状態で常に直立し、運
転モードとしては中立になるよう配慮されている。な
お、運転レバー142のねじ部172には、図1に示す
ように通常はノブ174が装着され、さらに、操作ボッ
クス141の上面は、蛇腹式のカバー175で覆われて
いる。また、図3に示すように、メインコントローラ1
13から左側のモータ41への電流供給用の電線176
は、座席3の背もたれシート17bの後方において、前
記ブレーキワイヤ58、クラッチワイヤ80とともにク
ランプ177でまとめられて支持されている。
【0049】以上が本実施例の車椅子1の構成であり、
次いで、この車椅子1の使用方法ならびに作用を説明す
る。使用者Mは、座席3に着座し、運転レバー142を
目的とする走行方向に傾倒させれば、左右の車輪5に回
転速度の差が生じることにより操舵が行え、また、運転
レバー142の傾倒角度で走行速度を調節できる。補助
輪4は、走行方向に追従して補助的に回動しながら回転
する。運転レバー142を離せば、運転レバー142に
装着されたスプリング173により中立状態となって車
輪5の回転は停止する。
【0050】また、介護者が車椅子1を電動走行させた
り人力で手押ししたりする場合において制動させる必要
が生じたら、介護者はブレーキレバー59を握ることに
よりブレーキ機構50が作動して左右のハブ30の回転
が制動され、もって車輪5が制動される。また、モータ
41によって電動走行はせずに介護者が押したり、ある
いは使用者Mが手回しリング36を使って手動で走行す
る場合には、クラッチレバー70を回動させてクラッチ
機構60を作動させる。これによって車輪5の回転がモ
ータ41に伝わらず、すなわちモータ41と車輪5との
縁が切れ、走行抵抗が軽減する。また、走行中あるいは
停止中に、使用者Mが後方に体重をかけすぎて座席3が
後傾すると、補助アーム90の車輪93が接地し、それ
以上の座席3の後傾が未然に防がれる。
【0051】上記本実施例の電動式車椅子1によれば、
クラッチ機構60を操作するクラッチレバー70がハブ
30の蓋体35に支持されており、この蓋体35は車軸
34に固定されているのでクラッチレバー70は常に一
定の位置にあり、したがって操作に支障をきたさないと
ともに、フレーム構造の異なる機種の車椅子にも適用で
きる。クラッチレバー70はフレーム2と車輪5の間に
配設されているのでこれら両者によって保護され、乗降
時の使用者Mあるいは介護者等がクラッチレバー70に
不用意に接触するおそれがない。フレーム2と車輪5の
間のデッドスペースを有効利用している。また、クラッ
チレバー70のレバー把持部71は車輪5の外周に近接
して大きく外に突出していないから、人やその他の物等
にあたりにくい。
【0052】また、1つのクラッチレバー70で左右の
車輪5のクラッチ機構60を同時に作動させることがで
き、しかも、フレーム2を折り畳んでもクラッチワイヤ
80およびブレーキワイヤ58は他の部品に接触するこ
となく柔軟に湾曲し、使用時には元の状態に復帰するの
で、損傷を受けず機能に支障をきたさない。また、これ
らワイヤ58、80が柔軟性を有することにより、左右
の車輪5の間隔、すなわち車幅が異なる機種にも対応で
きる。
【0053】さらに、ブレーキワイヤ58とクラッチワ
イヤ80とは座席3の後方のデッドスペースに取り回さ
れているのでスペースの有効利用がなされており、ま
た、各ワイヤ58、80は使用者Mの乗降の邪魔にまっ
たくならず、しかも、フレーム2を折り畳んだときに他
のパーツと干渉しにくいので各ワイヤ58、80の耐久
性が確保される。そして、フレーム2を折り畳むと各ワ
イヤ58、80は自身の剛性により緩やかに湾曲し、し
たがってここに支持されたメインコントローラ113か
ら左側のモータ41に接続される電線176には無理な
曲げが生じず、断線のおそれが回避される。
【0054】補助アーム90に関してであるが、この補
助アーム90は、左右の車輪5の車軸34に固定される
ハブ30の蓋体35に取り付けられているので、車輪5
の外径寸法さえ同じならば、フレーム2の構造あるいは
種類に左右されることなく補助アーム90を的確に備え
させることができる。また、ハブ30の蓋体35の車軸
34に対する取付位置を、車軸34を中心に回動させる
ことにより任意に設定すれば、補助アーム90自体の長
さを変えなくとも、それにともなって補助アーム90の
接地角度を変えることができ、したがって、補助アーム
90の接地角度を調整する自由度が高まる。特に本実施
例の補助アーム90は、固定アーム92に対する可動ア
ーム94の挿入長さを変えることにより伸縮自在となっ
ているので、さらに接地角度の調整範囲が広くなってい
る。
【0055】また、ハブ30内のギヤケース45が蓋体
35に固定されることにより蓋体35の剛性が向上し、
モータ41からハブ本体31への動力伝達が確実かつ安
定したものとなる。モータ41からハブ本体31への動
力伝達手段である各減速ギヤ43、44はギヤケース4
5とハブ30とで二重に区画されるので防音効果が上が
り、静かな作動音を実現できる。そのギヤケース45
は、車軸34の周囲近傍において円弧状に形成され、こ
れに加えて、モータ41は車軸34に対してオフセット
されて配設されていることにより、ハブ30内にはギヤ
ケース45以外の空所が空くことになり、したがって、
この空所に他の機器(サブコントローラ119等)を配
設してスペースの有効利用が図れる。また、ハブ30に
対して駆動機構40をはじめ各減速ギヤ43、44、ブ
レーキ機構50、クラッチ機構60を設ける構成なの
で、フレームの異なる機種のいずれにも対応してその車
椅子を電動式に改良することが可能である。
【0056】そして、そのクラッチ機構60をギヤケー
ス45内に配設したので、ギヤケース45内にはごみや
ほこり等の汚染物となるものが入りにくく、このため、
防塵性が高くなってクラッチ機構60の作動性が常に良
好に保たれるとともに、作動音の低減にもつながる。ま
た、そのギヤケース45内に潤滑剤が充填されることに
より、各減速ギヤ43、44やクラッチ機構60の作動
性が良好になるのはもちろんのこと、充填された潤滑剤
はギヤケース45より外、つまりハブ30内に出ず、し
たがって、ハブ30内に潤滑剤に影響されやすい電装品
(サブコントローラ119等)等を配設することがで
き、それに加えて使用者M等の服装を汚すなどの心配も
なくなる。
【0057】また、モータ41がハブ30に対し、ハブ
本体31とは反対側の蓋体35の外面に固定されている
ので、モータ41の放熱性が良好になって作動不良の原
因が低減することになり、しかもメンテナンス性に優れ
る。またそのモータ41にエンコーダ49を並設させる
ことにより、モータ41の回転をエンコーダ49に伝達
するタイミングベルト48を短くできる。また、エンコ
ーダ49はモータ41の回転を減速せずに直接検出する
ことができ、しかもその回転速度が高いことと相まっ
て、検出精度が向上する。さらに、エンコーダ49を蓋
体35に固定するので、それによって蓋体35の剛性が
より向上する。また、ブレーキ機構50のブレーキ軸5
3はギヤケース45に近接して蓋体35に軸支されるの
で、ブレーキ軸53の支持力が向上し、ブレーキ機構5
0の作動不良の原因が低減する。
【0058】そのブレーキ機構50であるが、蓋体35
の取付孔35bにブレーキケース54の筒部56が挿入
されて蓋体35に着脱自在に取り付けられるので、ブレ
ーキ機構50のみ、後から蓋体35に取り付けられ、ま
たメンテナンスも簡単に行える。また、車椅子1を、ブ
レーキ機構50が有るタイプと無いタイプとに簡単に切
り替えることができる。また、蓋体35の取付孔35b
にブレーキケース54の筒部56を挿入した分だけ、ブ
レーキ機構50を備えたハブ30全体のコンパクト化が
図れる。
【0059】また、ブレーキ機構50のブレーキドラム
51とブレーキシュー55とがブレーキケース54に収
納されて防塵性が高まっているので、両者の摺接部の耐
摩耗性および防水性が向上し、良好な作動性が維持され
る。ブレーキ軸53のブレーキギヤ52とハブ本体31
の内歯ギヤ30aとを噛合させ、ブレーキ軸53の制動
をハブ本体31に伝達させるので、ブレーキ軸53の減
速が可能となってその軸トルクを小さいものに設定で
き、このため、ブレーキ機構50をコンパクトなものに
できる。また、ハブ30内にあるブレーキ軸53のブレ
ーキギヤ52をハブ30に対応させて小さくできるの
で、ハブ30内の他のパーツへの影響を小さくでき、ま
た、取付孔35bをなるべく小さくして蓋体35の剛性
低減を防ぐことができる。一方、ブレーキドラム51は
ハブ30外にレイアウトされているから、ブレーキドラ
ム51の寸法をある程度任意にできて設計自由度が高ま
る。
【0060】バッテリパック7に関しては、バッテリパ
ック7を収納するバッテリホルダ110を蓋体35に取
り付ける際、バッテリホルダ110と一体のモータカバ
ー107をモータ41を軸にして回動させ、かつ長孔1
08aによって取付位置を調整することにより、フレー
ム2や他の部分に干渉しない位置を選択してバッテリパ
ック7を取り付けることができるとともに、比較的重量
のあるバッテリパック7により車椅子1全体の重量バラ
ンスをある程度調整できる。また、バッテリパック7は
フレーム2に取り付けるものではないことから、フレー
ムの異なる様々な機種の車椅子にバッテリパック7を容
易に取り付けることが可能になる。
【0061】また、バッテリホルダ110のコントロー
ラ収納部111の上にバッテリ収納部112があるの
で、メインコントローラ113はバッテリパック7に覆
われて雨水の影響を受けにくく、その結果、作動不良の
原因が低減するとともに、両者を接続する配線が短くて
済む。また、ハブ30の蓋体35に対するバッテリパッ
ク7とメインコントローラ113の位置調整を、バッテ
リホルダ110ごと動かすことにより一体的かつ同時に
行えるので、重量バランスをより調整しやすくなるとと
もに、両者を接続する配線を伸ばしたり弛ませる必要が
なく、取り扱いが容易になる。さらに、モータ41とモ
ータカバー107との間の隙間を極力抑えることができ
てコンパクト化が図れ、しかもバッテリホルダ110を
回動させても、モータ41は常にモータカバー107で
覆われ、モータ41の損傷が防止される。
【0062】運転装置6に関しては、運転レバー142
を操作(傾倒)するにあたって、下端部142cが操作
ボックス141の下板147の開口縁147aに当たっ
た状態からさらに過大な力を与えてしまうと、運転レバ
ー142は段部142bから塑性変形により屈曲する。
このように運転レバー142が屈曲変形すると、屈曲し
た方向に傾倒させた場合、下端部142cが開口縁14
7aに対して正常なときよりも早く当たってしまい速度
を上昇させることができなくなる。つまり操作感に変動
が生じるとともに異常が察知され、これをもって運転レ
バー142に故障が発生したことが判断される。運転レ
バー142に、過大な力がかけられたときに塑性変形し
やすいように小径に移行する段部142bを形成し、段
部142bの下方の下端部14cが当接する開口縁14
7aを操作ボックス141に形成するといった簡単な構
造で、運転レバー142に故障が発生したことを使用者
Mに知らせる手段を設けることができるわけである。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように本発明の電動式車椅
子によれば、次のような種々の効果を奏する。まず、本
発明の請求項1に係る電動式車椅子によれば、クラッチ
機構を操作するクラッチレバーがハブの蓋体に支持され
ており、この蓋体は車軸に固定されているのでクラッチ
レバーは常に一定の位置にあり、操作に支障をきたさ
ず、フレーム構造の異なる車椅子にも適用できる。
【0064】また、この電動式車椅子によれば、クラッ
チレバーがフレームと車輪によって保護され、乗降時の
使用者あるいは介護者等がクラッチレバーに不用意に接
触するおそれがなく、使用しないデッドスペースを有効
利用することにもなる。
【0065】さらに、この電動式車椅子によれば、回動
式のクラッチレバーのレバー把持部は車輪の外周に近接
して大きく突出しないから、人やその他の物等にあたり
にくい。
【0066】本発明の請求項に係る電動式車椅子によ
れば、1つのクラッチレバーで左右の車輪のクラッチ機
構を同時に作動させることができ、しかも、フレームを
折り畳んでもワイヤは他の部品に接触することなく柔軟
に湾曲し、使用時には元の状態に復帰するので、損傷を
受けず機能に支障をきたさない。また、ワイヤは柔軟性
を有することにより、左右の車輪の間隔、すなわち車幅
が異なる機種にも対応できるといった利点もある。
【0067】本発明の請求項に係る電動式車椅子によ
れば、座席の後方のデッドスペースをワイヤを取り回す
ことによって有効利用できるとともに、ワイヤは使用者
の乗降の邪魔にまったくならず、しかも、フレームを折
り畳んだときに他のパーツと干渉しにくいのでワイヤの
耐久性が確保される。
【0068】本発明の請求項に係る電動式車椅子によ
れば、フレームを折り畳むとワイヤは自身の剛性により
緩やかに湾曲し、したがってここに支持された電線には
無理な曲げが生じず、断線のおそれが回避される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の車椅子の左側面図であ
る。
【図2】 同正面図である。
【図3】 同背面図である。
【図4】 同平面図である。
【図5】 一実施例の車椅子が折り畳まれた状態の背
面図である。
【図6】 一実施例の車椅子の右車輪の内側視図であ
る。
【図7】 同左車輪の内側視図である。
【図8】 図6のVI−VI線矢視断面図である。
【図9】 ハブの内面(蓋体側)視図である。
【図10】 図9のX−X線矢視断面図である。
【図11】 クラッチ機構の拡大断面図である。
【図12】 右車輪の後部を主とした内側視図である。
【図13】 バッテリの内側面図である。
【図14】 同正面図である。
【図15】 バッテリホルダへのバッテリパック収納状
態の側面図である。
【図16】 ロック機構を解除してバッテリホルダから
バッテリパックを取り出せる状態を示す側面図である。
【図17】 バッテリホルダへのバッテリパックの
(a)半挿入状態、(b)完全挿入状態、のそれぞれ正
断面図である。
【図18】 バッテリホルダへのバッテリパックの
(a)半挿入状態、(b)完全挿入状態、のそれぞれ回
路図である。
【図19】 バッテリパック、バッテリホルダの接続端
子およびこれらに接続されているメインコントローラの
回路図である。
【図20】 運転装置の後断面図である。
【図21】 運転装置の運転レバーを左に傾倒したとき
の後面断面図である。
【図22】 運転装置の左側断面図である。
【図23】 運転装置の運転レバーを後に傾倒したとき
の後面断面図である。
【図24】 同後面図である。
【図25】 運転装置の平面図である。
【符号の説明】
1…車椅子、2…フレーム、3…座席、5…車輪、30
…ハブ、31…ハブ本体、34…車軸、35…蓋体、4
1…モータ、43、44…減速ギヤ(動力伝達手段)、
60…クラッチ機構、70…クラッチレバー、71…レ
バー把持部、80…クラッチワイヤ、176…電線、M
…使用者。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B62B 5/06 B62B 3/00 G (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61G 5/04 505 B60K 1/04 B60K 7/00 B60L 15/20 B62B 3/00 B62B 5/06

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 座席が設けられるフレームと、該フレー
    ムに固定された左右一対の車軸と、これら車軸に、ハブ
    を介して回転自在に装着される左右一対の車輪とを備
    え、 前記ハブは、前記各車輪の中心に固定される椀状のハブ
    本体と、該ハブ本体の開口を覆って配設されるとともに
    前記車軸に一体的に固定され、かつ、ハブ本体に、ハブ
    本体と相対回転可能に連結された蓋体とを有し、 前記蓋体には、前記ハブ本体を介して前記車輪を回転駆
    動するためのモータが固定され、 ハブ内には、前記モータの動力を前記ハブ本体に伝える
    ための動力伝達手段が前記蓋体に固定された伝達ケース
    内に収納された状態で配設され、 さらに該伝達ケース内には、前記動力伝達手段から前記
    ハブ本体への動力伝達を断接するクラッチ機構が設けら
    れており、 該クラッチ機構を操作するクラッチレバーが、前記フレ
    ームと前記車輪との間において前記蓋体に支持され 該クラッチレバーは、前方斜め上方に延びる前側レバー
    と後方斜め上方に延びる後側レバーとが一体になったV
    字状のレバーであり、前記車軸もしくは車軸近傍部分を
    軸として車輪に沿う方向に回動する回動式とされ、当該
    クラッチレバーの先端に設けられたレバー把持部が、前
    記車輪の外周に近接されている ことを特徴とする電動式
    車椅子。
  2. 【請求項2】 前記フレームは折り畳み可能に構成さ
    れ、前記クラッチレバーは、左右の前記クラッチ機構の
    うちのいずれか一方に直接連結されるとともに他方のク
    ラッチ機構には、ワイヤを介してクラッチレバーの動作
    を伝達させることを特徴とする請求項1記載の電動式車
    椅子。
  3. 【請求項3】 前記ワイヤを前記座席の後方に取り回し
    たことを特徴とする請求項2記載の電動式車椅子。
  4. 【請求項4】 前記ワイヤに、前記モータ等に接続され
    る電線を支持させたことを特徴とする請求項2または3
    に記載の電動式車椅子。
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