JP3430195B2 - カセットテーププレーヤのカセット押え機構 - Google Patents
カセットテーププレーヤのカセット押え機構Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、搬送されたテープ
カセットをドライブ機構側の位置決め突起にて支持し、
該テープカセットの上面をクランパ部材で押圧するよう
にしたカセットテーププレーヤのカセット押え機構に関
する。 【0002】 【従来の技術】従来より、磁気テープのドライブ機構等
を搭載した機器本体にトレイを出入可能に配設し、この
トレイの引き込み位置でホルダを上昇位置から下降位置
へ移動させることにより、該ホルダに載置されたテープ
カセットをドライブ機構のリール台と係脱させるように
したカセットテーププレーヤが知られている。前記トレ
イの左右両側には一対のスライダがロックまたはロック
解除されるように保持されており、駆動モータの回転力
を該スライダに伝達することにより、トレイの引き込み
位置でホルダの昇降動作が行われる。すなわち、ホルダ
の左右両側に突設された支軸はトレイの両側壁に形成さ
れた昇降ガイドと両スライダに形成された傾斜状のカム
溝とに係合しており、トレイと両スライダがロックされ
て一体的に移動する間はホルダを上昇位置に保持し、両
スライダがロック解除されてトレイに対して移動すると
きだけホルダを上昇位置と下降位置の間で昇降するよう
になっている。 【0003】このようなカセットテーププレーヤにおい
て、機器本体にはホルダの昇降動作に追従して回転する
クランパ部材が配設されており、トレイの引き込み位置
でホルダに載置されたテープカセットが下降した際に、
クランパ部材を回転させてテープカセットの上面方向へ
弾性付勢するようになっている。その結果、クランパ部
材に設けられた複数の押圧部がテープカセットの上面を
押下するため、テープカセットの底面がドライブ機構側
に設けられた3箇所の位置決め突起に支持され、テープ
カセット内に巻回された磁気テープとドライブ機構側の
磁気ヘッドとの相対位置が維持される。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところで、前述した従
来技術では、同一高さに設定され複数の押圧部をクラン
パ部材の一端縁に設け、これら押圧部でテープカセット
の各部を均一に押圧するようになっているが、クランパ
部材の寸法誤差や組立誤差等に起因して各押圧部がテー
プカセットの上面に対して傾めに押圧されると、テープ
カセットの底面が3箇所の位置決め突起に正しく圧接さ
れずに浮き上がってしまう。そして、このようにテープ
カセットが浮き上がって設置された場合、記録再生時に
記録媒体である磁気テープと磁気ヘッドのタッチが悪く
なり、記録再生特性に悪影響を及ぼす可能性がある。特
に、コの字状に折り曲げたクランパ部材の両端を支承
し、その一端側に張架したスプリングによってクランパ
部材を弾性付勢した場合、スプリングに近い方の押圧部
とスプリングから遠い方の押圧部とを均一な力で付勢す
ることが難しくなるため、上記したテープカセットの浮
き上がりという問題は顕著となる。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は、ドライブ機構
側の3箇所の位置決め突起に支持されたテープカセット
の上面を、各位置決め突起を結ぶ三角形の内側領域でク
ランパ部材に設けた押圧部が押圧するようにした。この
ように構成すると、テープカセットの上面に対して押圧
部が多少位置ずれしたとしても、テープカセットは各位
置決め突起に確実に3点支持され、テープカセットの浮
き上がりを防止することができる。 【0006】 【発明の実施の形態】本発明によるカセットテーププレ
ーヤのカセット押え機構では、機器本体の内底面に設け
られた3箇所の位置決め突起にてテープカセットを支持
し、該テープカセットの上面をクランパ部材に設けた押
圧部で押圧するようにしたカセットテーププレーヤのカ
セット押え機構において、前記押圧部を前記各位置決め
突起を結ぶ三角形の内側領域に設定した。 【0007】前記クランパ部材は前記機器本体に対して
上下方向に移動するものでも良いが、機器本体の両側面
に回動可能に軸支された軸支部とこれら軸支部を繋ぐ橋
絡部とからなる回転タイプのクランパ部材が好適であ
り、この場合、該橋絡部の中央付近に押圧部を突設する
のが良い。 【0008】また、前記橋絡部の左右両側に前記押圧部
よりも短寸な補助部を突設し、これら補助部を前記各位
置決め突起を結ぶ三角形の外側領域に設定すると、押圧
部がテープカセットを押圧する前に、傾いたテープカセ
ットを補助部によって正しい姿勢に直すことができる。 【0009】 【実施例】実施例について図面を参照して説明すると、
図1はカセットテーププレーヤの平面図、図2は該カセ
ットテーププレーヤの正面図、図3は該カセットテープ
プレーヤの背面図、図4は該カセットテーププレーヤの
右側面図、図5は該カセットテーププレーヤの左側面
図、図6はトレイ引き出し状態を裏側から見た要部説明
図、図7は機器本体の正面図、図8は該機器本体の左側
面図、図9はスイッチ操作部材の正面図、図10は該ス
イッチ操作部材の側面図、図11はクランパ部材の平面
図、図12は該クランパ部材の正面図、図13はトレイ
の裏面図、図14は図13のA−A線に沿う断面図、図
15は第1スライダの平面図、図16は該第1スライダ
の側面図、図17は第2スライダの平面図、図18は該
第2スライダの側面図、図19はリンクレバーの裏面
図、図20は図19のB−B線に沿う断面図、図21は
図19のC−C線に沿う断面図、図22はホルダの裏面
図、図23は該ホルダの側面図、図24は該ホルダの背
面図、図25は該ホルダの昇降動作に伴う突出片と規制
部の位置関係を示す説明図、図26はリンクレバーのロ
ック状態を示す説明図、図27はリンクレバーのロック
解除状態を示す説明図、図28はスイッチ操作部材の動
作説明図、図29はテープカセット7に対するクランパ
部材の押圧箇所を示す説明図である。 【0010】図1〜図6に示すように、実施例に係るカ
セットテーププレーヤは、図示省略したドライブ機構等
のメカニズム部品を搭載した機器本体1と、機器本体1
に対して出入可能に配設されたトレイ2と、トレイ2に
昇降可能に保持されたホルダ3と、トレイ2の引き込み
位置でホルダ3を昇降させる第1および第2スライダ
4,5と、これら第1および第2スライダ4,5を連結
するリンクレバー6等を備えており、ホルダ3に載置さ
れたテープカセット7をトレイ2の引き込み動作に伴っ
て機器本体1内に搬送するトレイローディング方式を採
用している。 【0011】図7に示すように、機器本体1の内底面に
は一対のリール台8,8を含む前記ドライブ機構が配設
されており、これらリール台8,8の周囲には装填され
たテープカセット7の底面を支持する3本の位置決め突
起9が立設されている。機器本体1の左右両壁の内側に
は平坦状のレール部10a,10bが形成されており、
これらレール部10a,10bの後端部から立ち上がっ
た位置に平坦状のベース板11が形成されている。ベー
ス板11の上面中央にはカム突起12が設けられてお
り、このカム突起12はトレイ2の引き込み方向に対し
て斜め後方に延びる解除溝12aを有している。 【0012】図8に示すように、機器本体1の一方の側
壁にはガイド孔13と円弧状の逃げ孔14が穿設されて
おり、ガイド孔13はトレイ2の引き込み方向に沿って
延びる水平部分とトレイ2の引き込み方向に対して斜め
下方へ延びる傾斜部分とを有している。図5に示すよう
に、この側壁の外部には減速歯車15,16が軸支され
ると共に、機器本体1の内部に配設された駆動モータ1
7の回転軸が突出しており、この回転軸に圧入されたプ
ーリ18と減速歯車15との間にベルト19が張架され
ている。また、機器本体1の一方の側壁には駆動モータ
17を停止させるプッシュタイプの第1検出スイッチ2
0が取り付けられると共に、該第1検出スイッチ20の
アクチュエータを押圧して動作するスイッチ操作部材2
1が配設されている。 【0013】図9と図10に示すように、前記スイッチ
操作部材21には前記ガイド孔13に挿通されるボス2
1aが形成されており、このボス21aがガイド孔13
に案内されることにより、スイッチ操作部材21は機器
本体1の一方の側壁を往復移動する。また、スイッチ操
作部材21の上面には突部21bが形成されており、こ
の突部21bは一方のレール部10aから突出してい
る。さらに、スイッチ操作部材21には角形の孔21c
とトラック形状の孔21dおよび爪部21eが形成され
ており、前記減速歯車15の軸は孔21d内に位置して
スイッチ操作部材21の移動を許容している。 【0014】図1に戻り、機器本体1の両側壁には押え
板22がねじ止めされると共に、装填されたテープカセ
ット7の上面を押圧するクランパ部材23が回転可能に
支持されている。図11と図12に示すように、このク
ランパ部材23は両端の軸支部23a,23bを橋絡部
23cで繋いだコ字状の金属板からなり、一方の軸支部
23aにはピン24が固着されている。クランパ部材2
3の橋絡部23cには4つの突起が形成されており、中
央2つの突起に合成樹脂製の押圧部25が被着され、左
右両側の突起は補助部26として機能する。押圧部25
の突出量は補助部26に比べて所定寸法tだけ大きく設
定されており、押圧部25のみがテープカセット7の上
面を押圧するようになっている。 【0015】前記クランパ部材23の軸支部23a,2
3bは機器本体1の両側壁にそれぞれ回転可能に支持さ
れており、一方の軸支部23aに固着したピン24は前
記逃げ孔14内を回動するようになっている。このピン
24はスイッチ操作部材21の孔21cを挿通してお
り、図5に示すように、ピン24とスイッチ操作部材2
1の爪部21eとの間にコイルばね27が張架され、こ
のコイルばね27を介してスイッチ操作部材21とクラ
ンパ部材23は連結されている。図4に示すように、他
方の軸支部23bと機器本体1の側壁との間には別のコ
イルばね28が張架されており、クランパ部材23はこ
のコイルばね28によって復帰力が付与されている。ま
た、機器本体1の側壁には駆動モータ17を停止させる
レバータイプの第2検出スイッチ29が取り付けられて
おり、この第2検出スイッチ29は他方のレール部10
bから突出している。 【0016】図13と図14に示すように、前記トレイ
2の左右両側壁の内面には片側について2個ずつ突起2
aが突設されおり、これら側壁と所定間隔を保って対向
する両垂下壁2bには垂直方向に延びる昇降ガイド孔3
0が片側について2個ずつ形成されている。トレイ2の
天板には長方形の開口31とトラック形状の長孔32お
よび円弧状の逃げ孔33が穿設されており、長孔32は
トレイ2の引き込み方向に対して直交する方向へ延びて
いる。また、トレイ2の天板裏面には複数本のリブ34
が突設されており、これらリブ34のうち円弧状部分は
長孔32を中心として同心円上に配列され、リブ34の
一部に掛止部34aが形成されている。最外周のリブ3
4に外方へ膨出するロック部35が形成されており、こ
のロック部35は長孔32の長軸を通る直線上に位置し
ている。さらに、トレイ2の天板裏面には両垂下壁2b
から所定距離離れた位置に規制部2cがそれぞれ突設さ
れており、これら規制部2cは各垂下壁2bに形成され
た後方側の昇降ガイド孔30の上端部に対向している。 【0017】図6に示すように、トレイ2の一方の側壁
とこれに対向する垂下壁2bとの間に第1スライダ4が
摺動可能に配置されており、この第1スライダ4の下面
は機器本体1の一方のレール部10a上に載置されてい
る。図15と図16に示すように、第1スライダ4には
傾斜状のカム孔36と水平方向に延びるガイド孔37が
それぞれ2個ずつ形成されており、両ガイド孔37がト
レイ2の各突起2aに案内されることにより、第1スラ
イダ4はトレイ2に対して前後進することができる。ま
た、第1スライダ4の下面にはラック4aが刻設されて
おり、このラック4aは前記減速歯車16の最終段の歯
車16aと噛合している(図5参照)。さらに、第1ス
ライダ4の下面中央には前記スイッチ操作部材21の突
部21bを駆動する押圧部38が設けられ、第1スライ
ダ4の上面後端には切欠き39aを有する耳片39が内
方へ向かって突設されている。 【0018】また、前記トレイ2の他方の側壁とこれに
対向する垂下壁2bとの間に第2スライダ5が摺動可能
に配置されており、この第2スライダ5の下面は機器本
体1の他方のレール部10b上に載置されている。図1
7と図18に示すように、第2スライダ5にも傾斜状の
カム孔40と水平方向に延びるガイド孔41がそれぞれ
2個ずつ形成されており、両ガイド孔41がトレイ2の
各突起2aに案内されることにより、第2スライダ5は
トレイ2に対して前後進することができる。ただし、第
2スライダ5の下面にラックは形成されておらず、第2
スライダ5の上面後端には切欠き42aを有する耳片4
2が内方へ向かって突設されている。 【0019】これら第1スライダ4と第2スライダ5は
トレイ2の天板裏面でリンクレバー6によって連結され
ており、リンクレバー6の回転に伴って互いに逆方向へ
移動できるようになっている。図19〜図21に示すよ
うに、リンクレバー6の中央に表裏両面へ突出するボス
6aが形成されると共に、このボス6aを挟んで抜止片
6bと掛止片6cが形成されている。ボス6aの上部は
トレイ2の長孔32に挿入されており、リンクレバー6
は長孔32に回転かつ移動可能に支持されている。抜止
片6bは逃げ孔33を挿通してトレイ2の上面に係合し
ており、リンクレバー6がトレイ2から抜け落ちるのを
防止している。また、リンクレバー6の一端に表裏両面
へ突出するピン6dが形成され、リンクレバー6の他端
に裏面へ突出するピン6eが形成されている。一方のピ
ン6dの下部は第1スライダ4の切欠き39aと係合し
ており、他方のピン6eは第2スライダ5の切欠き42
aと係合している。さらに、掛止片6cと掛止部34a
との間にコイルばね43が張架されており、このコイル
ばね43によってリンクレバー6は第1スライダ4側へ
付勢され、一方のピン6dの上部をトレイ2のロック部
35と係合させている。かかるピン6dとロック部35
の係合状態においてリンクレバー6の回転は禁止され、
リンクレバー6を介して連結された第1スライダ4と第
2スライダ5はトレイ2に対して摺動することができ
ず、後述するように、カム突起12の解除溝12aによ
ってピン6dとロック部35の係合が解除されると、第
1スライダ4と第2スライダ5は回転するリンクレバー
6を介して互いに逆方向へ摺動する。 【0020】前記ホルダ3は合成樹脂で成形されてお
り、図22〜図24に示すように、その左右両側壁には
片側について2本ずつの支軸3aが突設されており、こ
れら両側壁の下部は平板状の載置部3bによって橋絡さ
れている。この載置部3bの後端側の両側壁は後方へ延
びる突出片3cとなっており、これら突出片3cの外面
に前記支軸3aの1つがそれぞれ設けられている。各支
軸3aはトレイ2の昇降ガイド孔30を挿通して第1ス
ライダ4のカム孔36と第2スライダ5のカム孔40に
それぞれ係合しており、第1および第2スライダ4,5
がトレイ2に対して前後進することにより昇降ガイド孔
30に案内されながらカム孔36,40内を移動し、そ
れに伴ってホルダ3はトレイ2の開口31内を昇降す
る。その際、図25の(a)に示すようにホルダ3が上
昇位置にあるとき、ホルダ3の突出片3cはトレイ2の
天板裏面に形成した規制部2cと対向しており、図25
の(b)に示すようにホルダ3が下降位置にあるとき、
突出片3cは規制部2cから離れるようになっている。
したがって、ホルダ3の上昇位置で突出片3cを内方へ
変形させる外力が作用したとしても、突出片3cが規制
部2cに当接することにより、支軸3aがカム孔36,
40から抜け落ちることを防止できる。一方、ホルダ3
をトレイ2に組み込む組立作業時は、規制部2cが邪魔
にならないホルダ3の下降位置で突出片3cを内方へ撓
めれば、支軸3aを昇降ガイド孔30とカム孔36,4
0に簡単に挿入することができる。 【0021】次に、上記のごとく構成されたカセットテ
ーププレーヤの動作について説明する。ここで、図6は
トレイ2が機器本体1から突出した引き出し位置を示し
ており、以下、この引き出し位置から引き込み位置まで
の動作をホルダ3の昇降動作と合わせて説明する。 【0022】図6に示すトレイ2の引き出し位置でホル
ダ3の各支軸3aは第1および第2スライダ4,5のカ
ム孔36,40の上部と係合しており、ホルダ3は上昇
位置に保持されている。したがって、この状態で突出片
3cを内方へ変形させる外力が作用したとしても、前述
したように、規制部2cによって支軸3aの抜け落ちは
防止されてる。かかるトレイ2の引き出し位置でホルダ
3の載置部3bにテープカセット7を載置した後、駆動
モータ17が正逆いずれか一方に回転すると、この回転
力がプーリ18とベルト19および減速歯車15を介し
て減速歯車16の最終段の歯車16aに伝達され、さら
に歯車16aとラック4aの噛合により第1スライダ4
が駆動される。このとき、リンクレバー6のピン6dは
トレイ2のロック部35と係合しており、該リンクレバ
ー6を介して連結された第1スライダ4と第2スライダ
5はトレイ2に対して摺動することができないため、ト
レイ2と両スライダ4,5は一体となって機器本体1の
内部へ引き込まれる。 【0023】このようにしてトレイ2が引き込まれる
と、図26に示すように、リンクレバー6が機器本体1
のベース板11に設けたカム突起12に次第に近づき、
トレイ2の一部が機器本体1に当接する引き込み位置
で、リンクレバー6の中央に設けられたボス6aの下部
がカム突起12の解除溝12aに当接する。その結果、
まずリンクレバー6がコイルばね43の付勢力に抗して
第2スライダ5側へ移動し、ピン6dとロック部35の
係合を解除した後、図27に示すように、リンクレバー
6はトレイ2の長孔32を中心に時計方向へ回転する。
この場合、リンクレバー6はリブ34を摺動面として回
転するため、両者の摺動抵抗は減じられている。そし
て、リンクレバー6の回転に伴って第1スライダ4と第
2スライダ5がトレイ2に対して互いに逆方向へ摺動
し、ホルダ3の各支軸3aがカム孔36,40の上部か
ら下部へと移動するため、ホルダ3はテープカセット7
と共に上昇位置から下降位置へと移動し、テープカセッ
ト7がドライブ機構に装填される。その際、図25の
(b)に示すように、ホルダ3の突出片3cはトレイ2
の規制部2cから離れるが、ホルダ3は機器本体1の内
部に完全に収納された状態となるため、突出片3cを内
方へ撓めようとする外力は作用せず、支軸3aが昇降ガ
イド孔30とカム孔36,40から抜け落ちることはな
い。 【0024】上記トレイ2の引き込み過程で第1スライ
ダ4はレール部10a上を摺動するため、図28(a)
に示すように、第1スライダ4の押圧部38がレール部
10a上に突出する突部21bの端面を押圧する。これ
により、スイッチ操作部材21がガイド孔13に沿って
水平方向から斜め下方へ移動すると共に、このスイッチ
操作部材21の移動に伴ってクランパ部材23が回転を
開始し、クランパ部材23の押圧部25がテープカセッ
ト7の上面を押圧する。クランパ部材23はピン24が
逃げ孔14の端部と当接するまでコイルばね27を介し
てスイッチ操作部材21と一体的に移動するが、ピン2
4が逃げ孔14の端部に当接すると、スイッチ操作部材
21のみが移動してコイルばね27を伸長するため、ク
ランパ部材23にコイルばね27から大きな回動付勢力
が付与される。その際、図29に示すように、クランパ
部材23の押圧部25は3つの位置決め突起9を結ぶ三
角形Sの内側領域でテープカセット7の上面を押圧する
ように設定されているため、押圧部25が多少位置ずれ
したとしてもテープカセット7を各位置決め突起9に確
実に3点支持することができ、テープカセット7の浮き
上がりが防止される。一方、補助部26は上記三角形S
の外側領域に設定されており、テープカセット7がホル
ダ3の載置部3b上に傾いた状態で載置された場合、ク
ランパ部材23の回動途中でテープカセット7を正しい
姿勢に直す補助的な機能を果たす。 【0025】そして、スイッチ操作部材21がガイド孔
13の終端付近まで移動すると、図28(b)に示すよ
うに、スイッチ操作部材21が斜め下方へ移動して第1
検出スイッチ20のアクチュエータを押圧し、該第1検
出スイッチ20からの信号に基づいて駆動モータ17が
停止する。この場合、駆動モータ17の停止後も慣性に
よって第1スライダ4は若干量だけ駆動し続けるが(オ
ーバーストローク)、このオーバーストローク期間中、
押圧部38はレール部10a内に没した突部21bの上
面を移動するため、スイッチ操作部材21がさらに移動
することはない。したがって、第1検出スイッチ20の
アクチュエータに無理な力は作用せず、第1検出スイッ
チ20の損傷を防止することができる。 【0026】トレイ2を引き込み位置から引き出し位置
へ前進させる場合は、上記と逆の動作が行われ、第2ス
ライダ5の下面がレール部10bから突出する第2検出
スイッチ29のアクチュエータを通過した時点で、該第
2検出スイッチ29が動作されて駆動モータ17を停止
させる。 【0027】なお、上記実施例では、クランパ部材23
の橋絡部23cに2つの押圧部25を設けた場合につい
て説明したが、押圧部25が3つの位置決め突起9を結
ぶ三角形Sの内側領域にあれば、その数は特に限定され
るものではない。 【0028】 【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に記載されるような効果を奏する。 【0029】 機器本体の内底面に設けられた3箇所の
位置決め突起にてテープカセットを支持し、該テープカ
セットの上面をクランパ部材に設けた押圧部で押圧する
ようにしたカセットテーププレーヤのカセット押え機構
において、押圧部を各位置決め突起を結ぶ三角形の内側
領域に設定し、クランパ部材が機器本体の両側面に回動
可能に軸支された軸支部とこれら軸支部を繋ぐ橋絡部と
からなり、該橋絡部の中央付近に押圧部を、また、橋絡
部の左右両側に押圧部よりも短寸な補助部を突設し、こ
れら補助部を各位置決め突起を結ぶ三角形の外側領域に
設定したので、テープカセットの上面に対して押圧部が
多少位置ずれしたとしても、テープカセットが各位置決
め突起に確実に3点支持されるため、テープカセットの
浮き上がりを防止することができ、押圧部がテープカセ
ットを押圧する前に、傾いたテープカセットを補助部に
よって正しい姿勢に直すことができる。
カセットをドライブ機構側の位置決め突起にて支持し、
該テープカセットの上面をクランパ部材で押圧するよう
にしたカセットテーププレーヤのカセット押え機構に関
する。 【0002】 【従来の技術】従来より、磁気テープのドライブ機構等
を搭載した機器本体にトレイを出入可能に配設し、この
トレイの引き込み位置でホルダを上昇位置から下降位置
へ移動させることにより、該ホルダに載置されたテープ
カセットをドライブ機構のリール台と係脱させるように
したカセットテーププレーヤが知られている。前記トレ
イの左右両側には一対のスライダがロックまたはロック
解除されるように保持されており、駆動モータの回転力
を該スライダに伝達することにより、トレイの引き込み
位置でホルダの昇降動作が行われる。すなわち、ホルダ
の左右両側に突設された支軸はトレイの両側壁に形成さ
れた昇降ガイドと両スライダに形成された傾斜状のカム
溝とに係合しており、トレイと両スライダがロックされ
て一体的に移動する間はホルダを上昇位置に保持し、両
スライダがロック解除されてトレイに対して移動すると
きだけホルダを上昇位置と下降位置の間で昇降するよう
になっている。 【0003】このようなカセットテーププレーヤにおい
て、機器本体にはホルダの昇降動作に追従して回転する
クランパ部材が配設されており、トレイの引き込み位置
でホルダに載置されたテープカセットが下降した際に、
クランパ部材を回転させてテープカセットの上面方向へ
弾性付勢するようになっている。その結果、クランパ部
材に設けられた複数の押圧部がテープカセットの上面を
押下するため、テープカセットの底面がドライブ機構側
に設けられた3箇所の位置決め突起に支持され、テープ
カセット内に巻回された磁気テープとドライブ機構側の
磁気ヘッドとの相対位置が維持される。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところで、前述した従
来技術では、同一高さに設定され複数の押圧部をクラン
パ部材の一端縁に設け、これら押圧部でテープカセット
の各部を均一に押圧するようになっているが、クランパ
部材の寸法誤差や組立誤差等に起因して各押圧部がテー
プカセットの上面に対して傾めに押圧されると、テープ
カセットの底面が3箇所の位置決め突起に正しく圧接さ
れずに浮き上がってしまう。そして、このようにテープ
カセットが浮き上がって設置された場合、記録再生時に
記録媒体である磁気テープと磁気ヘッドのタッチが悪く
なり、記録再生特性に悪影響を及ぼす可能性がある。特
に、コの字状に折り曲げたクランパ部材の両端を支承
し、その一端側に張架したスプリングによってクランパ
部材を弾性付勢した場合、スプリングに近い方の押圧部
とスプリングから遠い方の押圧部とを均一な力で付勢す
ることが難しくなるため、上記したテープカセットの浮
き上がりという問題は顕著となる。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は、ドライブ機構
側の3箇所の位置決め突起に支持されたテープカセット
の上面を、各位置決め突起を結ぶ三角形の内側領域でク
ランパ部材に設けた押圧部が押圧するようにした。この
ように構成すると、テープカセットの上面に対して押圧
部が多少位置ずれしたとしても、テープカセットは各位
置決め突起に確実に3点支持され、テープカセットの浮
き上がりを防止することができる。 【0006】 【発明の実施の形態】本発明によるカセットテーププレ
ーヤのカセット押え機構では、機器本体の内底面に設け
られた3箇所の位置決め突起にてテープカセットを支持
し、該テープカセットの上面をクランパ部材に設けた押
圧部で押圧するようにしたカセットテーププレーヤのカ
セット押え機構において、前記押圧部を前記各位置決め
突起を結ぶ三角形の内側領域に設定した。 【0007】前記クランパ部材は前記機器本体に対して
上下方向に移動するものでも良いが、機器本体の両側面
に回動可能に軸支された軸支部とこれら軸支部を繋ぐ橋
絡部とからなる回転タイプのクランパ部材が好適であ
り、この場合、該橋絡部の中央付近に押圧部を突設する
のが良い。 【0008】また、前記橋絡部の左右両側に前記押圧部
よりも短寸な補助部を突設し、これら補助部を前記各位
置決め突起を結ぶ三角形の外側領域に設定すると、押圧
部がテープカセットを押圧する前に、傾いたテープカセ
ットを補助部によって正しい姿勢に直すことができる。 【0009】 【実施例】実施例について図面を参照して説明すると、
図1はカセットテーププレーヤの平面図、図2は該カセ
ットテーププレーヤの正面図、図3は該カセットテープ
プレーヤの背面図、図4は該カセットテーププレーヤの
右側面図、図5は該カセットテーププレーヤの左側面
図、図6はトレイ引き出し状態を裏側から見た要部説明
図、図7は機器本体の正面図、図8は該機器本体の左側
面図、図9はスイッチ操作部材の正面図、図10は該ス
イッチ操作部材の側面図、図11はクランパ部材の平面
図、図12は該クランパ部材の正面図、図13はトレイ
の裏面図、図14は図13のA−A線に沿う断面図、図
15は第1スライダの平面図、図16は該第1スライダ
の側面図、図17は第2スライダの平面図、図18は該
第2スライダの側面図、図19はリンクレバーの裏面
図、図20は図19のB−B線に沿う断面図、図21は
図19のC−C線に沿う断面図、図22はホルダの裏面
図、図23は該ホルダの側面図、図24は該ホルダの背
面図、図25は該ホルダの昇降動作に伴う突出片と規制
部の位置関係を示す説明図、図26はリンクレバーのロ
ック状態を示す説明図、図27はリンクレバーのロック
解除状態を示す説明図、図28はスイッチ操作部材の動
作説明図、図29はテープカセット7に対するクランパ
部材の押圧箇所を示す説明図である。 【0010】図1〜図6に示すように、実施例に係るカ
セットテーププレーヤは、図示省略したドライブ機構等
のメカニズム部品を搭載した機器本体1と、機器本体1
に対して出入可能に配設されたトレイ2と、トレイ2に
昇降可能に保持されたホルダ3と、トレイ2の引き込み
位置でホルダ3を昇降させる第1および第2スライダ
4,5と、これら第1および第2スライダ4,5を連結
するリンクレバー6等を備えており、ホルダ3に載置さ
れたテープカセット7をトレイ2の引き込み動作に伴っ
て機器本体1内に搬送するトレイローディング方式を採
用している。 【0011】図7に示すように、機器本体1の内底面に
は一対のリール台8,8を含む前記ドライブ機構が配設
されており、これらリール台8,8の周囲には装填され
たテープカセット7の底面を支持する3本の位置決め突
起9が立設されている。機器本体1の左右両壁の内側に
は平坦状のレール部10a,10bが形成されており、
これらレール部10a,10bの後端部から立ち上がっ
た位置に平坦状のベース板11が形成されている。ベー
ス板11の上面中央にはカム突起12が設けられてお
り、このカム突起12はトレイ2の引き込み方向に対し
て斜め後方に延びる解除溝12aを有している。 【0012】図8に示すように、機器本体1の一方の側
壁にはガイド孔13と円弧状の逃げ孔14が穿設されて
おり、ガイド孔13はトレイ2の引き込み方向に沿って
延びる水平部分とトレイ2の引き込み方向に対して斜め
下方へ延びる傾斜部分とを有している。図5に示すよう
に、この側壁の外部には減速歯車15,16が軸支され
ると共に、機器本体1の内部に配設された駆動モータ1
7の回転軸が突出しており、この回転軸に圧入されたプ
ーリ18と減速歯車15との間にベルト19が張架され
ている。また、機器本体1の一方の側壁には駆動モータ
17を停止させるプッシュタイプの第1検出スイッチ2
0が取り付けられると共に、該第1検出スイッチ20の
アクチュエータを押圧して動作するスイッチ操作部材2
1が配設されている。 【0013】図9と図10に示すように、前記スイッチ
操作部材21には前記ガイド孔13に挿通されるボス2
1aが形成されており、このボス21aがガイド孔13
に案内されることにより、スイッチ操作部材21は機器
本体1の一方の側壁を往復移動する。また、スイッチ操
作部材21の上面には突部21bが形成されており、こ
の突部21bは一方のレール部10aから突出してい
る。さらに、スイッチ操作部材21には角形の孔21c
とトラック形状の孔21dおよび爪部21eが形成され
ており、前記減速歯車15の軸は孔21d内に位置して
スイッチ操作部材21の移動を許容している。 【0014】図1に戻り、機器本体1の両側壁には押え
板22がねじ止めされると共に、装填されたテープカセ
ット7の上面を押圧するクランパ部材23が回転可能に
支持されている。図11と図12に示すように、このク
ランパ部材23は両端の軸支部23a,23bを橋絡部
23cで繋いだコ字状の金属板からなり、一方の軸支部
23aにはピン24が固着されている。クランパ部材2
3の橋絡部23cには4つの突起が形成されており、中
央2つの突起に合成樹脂製の押圧部25が被着され、左
右両側の突起は補助部26として機能する。押圧部25
の突出量は補助部26に比べて所定寸法tだけ大きく設
定されており、押圧部25のみがテープカセット7の上
面を押圧するようになっている。 【0015】前記クランパ部材23の軸支部23a,2
3bは機器本体1の両側壁にそれぞれ回転可能に支持さ
れており、一方の軸支部23aに固着したピン24は前
記逃げ孔14内を回動するようになっている。このピン
24はスイッチ操作部材21の孔21cを挿通してお
り、図5に示すように、ピン24とスイッチ操作部材2
1の爪部21eとの間にコイルばね27が張架され、こ
のコイルばね27を介してスイッチ操作部材21とクラ
ンパ部材23は連結されている。図4に示すように、他
方の軸支部23bと機器本体1の側壁との間には別のコ
イルばね28が張架されており、クランパ部材23はこ
のコイルばね28によって復帰力が付与されている。ま
た、機器本体1の側壁には駆動モータ17を停止させる
レバータイプの第2検出スイッチ29が取り付けられて
おり、この第2検出スイッチ29は他方のレール部10
bから突出している。 【0016】図13と図14に示すように、前記トレイ
2の左右両側壁の内面には片側について2個ずつ突起2
aが突設されおり、これら側壁と所定間隔を保って対向
する両垂下壁2bには垂直方向に延びる昇降ガイド孔3
0が片側について2個ずつ形成されている。トレイ2の
天板には長方形の開口31とトラック形状の長孔32お
よび円弧状の逃げ孔33が穿設されており、長孔32は
トレイ2の引き込み方向に対して直交する方向へ延びて
いる。また、トレイ2の天板裏面には複数本のリブ34
が突設されており、これらリブ34のうち円弧状部分は
長孔32を中心として同心円上に配列され、リブ34の
一部に掛止部34aが形成されている。最外周のリブ3
4に外方へ膨出するロック部35が形成されており、こ
のロック部35は長孔32の長軸を通る直線上に位置し
ている。さらに、トレイ2の天板裏面には両垂下壁2b
から所定距離離れた位置に規制部2cがそれぞれ突設さ
れており、これら規制部2cは各垂下壁2bに形成され
た後方側の昇降ガイド孔30の上端部に対向している。 【0017】図6に示すように、トレイ2の一方の側壁
とこれに対向する垂下壁2bとの間に第1スライダ4が
摺動可能に配置されており、この第1スライダ4の下面
は機器本体1の一方のレール部10a上に載置されてい
る。図15と図16に示すように、第1スライダ4には
傾斜状のカム孔36と水平方向に延びるガイド孔37が
それぞれ2個ずつ形成されており、両ガイド孔37がト
レイ2の各突起2aに案内されることにより、第1スラ
イダ4はトレイ2に対して前後進することができる。ま
た、第1スライダ4の下面にはラック4aが刻設されて
おり、このラック4aは前記減速歯車16の最終段の歯
車16aと噛合している(図5参照)。さらに、第1ス
ライダ4の下面中央には前記スイッチ操作部材21の突
部21bを駆動する押圧部38が設けられ、第1スライ
ダ4の上面後端には切欠き39aを有する耳片39が内
方へ向かって突設されている。 【0018】また、前記トレイ2の他方の側壁とこれに
対向する垂下壁2bとの間に第2スライダ5が摺動可能
に配置されており、この第2スライダ5の下面は機器本
体1の他方のレール部10b上に載置されている。図1
7と図18に示すように、第2スライダ5にも傾斜状の
カム孔40と水平方向に延びるガイド孔41がそれぞれ
2個ずつ形成されており、両ガイド孔41がトレイ2の
各突起2aに案内されることにより、第2スライダ5は
トレイ2に対して前後進することができる。ただし、第
2スライダ5の下面にラックは形成されておらず、第2
スライダ5の上面後端には切欠き42aを有する耳片4
2が内方へ向かって突設されている。 【0019】これら第1スライダ4と第2スライダ5は
トレイ2の天板裏面でリンクレバー6によって連結され
ており、リンクレバー6の回転に伴って互いに逆方向へ
移動できるようになっている。図19〜図21に示すよ
うに、リンクレバー6の中央に表裏両面へ突出するボス
6aが形成されると共に、このボス6aを挟んで抜止片
6bと掛止片6cが形成されている。ボス6aの上部は
トレイ2の長孔32に挿入されており、リンクレバー6
は長孔32に回転かつ移動可能に支持されている。抜止
片6bは逃げ孔33を挿通してトレイ2の上面に係合し
ており、リンクレバー6がトレイ2から抜け落ちるのを
防止している。また、リンクレバー6の一端に表裏両面
へ突出するピン6dが形成され、リンクレバー6の他端
に裏面へ突出するピン6eが形成されている。一方のピ
ン6dの下部は第1スライダ4の切欠き39aと係合し
ており、他方のピン6eは第2スライダ5の切欠き42
aと係合している。さらに、掛止片6cと掛止部34a
との間にコイルばね43が張架されており、このコイル
ばね43によってリンクレバー6は第1スライダ4側へ
付勢され、一方のピン6dの上部をトレイ2のロック部
35と係合させている。かかるピン6dとロック部35
の係合状態においてリンクレバー6の回転は禁止され、
リンクレバー6を介して連結された第1スライダ4と第
2スライダ5はトレイ2に対して摺動することができ
ず、後述するように、カム突起12の解除溝12aによ
ってピン6dとロック部35の係合が解除されると、第
1スライダ4と第2スライダ5は回転するリンクレバー
6を介して互いに逆方向へ摺動する。 【0020】前記ホルダ3は合成樹脂で成形されてお
り、図22〜図24に示すように、その左右両側壁には
片側について2本ずつの支軸3aが突設されており、こ
れら両側壁の下部は平板状の載置部3bによって橋絡さ
れている。この載置部3bの後端側の両側壁は後方へ延
びる突出片3cとなっており、これら突出片3cの外面
に前記支軸3aの1つがそれぞれ設けられている。各支
軸3aはトレイ2の昇降ガイド孔30を挿通して第1ス
ライダ4のカム孔36と第2スライダ5のカム孔40に
それぞれ係合しており、第1および第2スライダ4,5
がトレイ2に対して前後進することにより昇降ガイド孔
30に案内されながらカム孔36,40内を移動し、そ
れに伴ってホルダ3はトレイ2の開口31内を昇降す
る。その際、図25の(a)に示すようにホルダ3が上
昇位置にあるとき、ホルダ3の突出片3cはトレイ2の
天板裏面に形成した規制部2cと対向しており、図25
の(b)に示すようにホルダ3が下降位置にあるとき、
突出片3cは規制部2cから離れるようになっている。
したがって、ホルダ3の上昇位置で突出片3cを内方へ
変形させる外力が作用したとしても、突出片3cが規制
部2cに当接することにより、支軸3aがカム孔36,
40から抜け落ちることを防止できる。一方、ホルダ3
をトレイ2に組み込む組立作業時は、規制部2cが邪魔
にならないホルダ3の下降位置で突出片3cを内方へ撓
めれば、支軸3aを昇降ガイド孔30とカム孔36,4
0に簡単に挿入することができる。 【0021】次に、上記のごとく構成されたカセットテ
ーププレーヤの動作について説明する。ここで、図6は
トレイ2が機器本体1から突出した引き出し位置を示し
ており、以下、この引き出し位置から引き込み位置まで
の動作をホルダ3の昇降動作と合わせて説明する。 【0022】図6に示すトレイ2の引き出し位置でホル
ダ3の各支軸3aは第1および第2スライダ4,5のカ
ム孔36,40の上部と係合しており、ホルダ3は上昇
位置に保持されている。したがって、この状態で突出片
3cを内方へ変形させる外力が作用したとしても、前述
したように、規制部2cによって支軸3aの抜け落ちは
防止されてる。かかるトレイ2の引き出し位置でホルダ
3の載置部3bにテープカセット7を載置した後、駆動
モータ17が正逆いずれか一方に回転すると、この回転
力がプーリ18とベルト19および減速歯車15を介し
て減速歯車16の最終段の歯車16aに伝達され、さら
に歯車16aとラック4aの噛合により第1スライダ4
が駆動される。このとき、リンクレバー6のピン6dは
トレイ2のロック部35と係合しており、該リンクレバ
ー6を介して連結された第1スライダ4と第2スライダ
5はトレイ2に対して摺動することができないため、ト
レイ2と両スライダ4,5は一体となって機器本体1の
内部へ引き込まれる。 【0023】このようにしてトレイ2が引き込まれる
と、図26に示すように、リンクレバー6が機器本体1
のベース板11に設けたカム突起12に次第に近づき、
トレイ2の一部が機器本体1に当接する引き込み位置
で、リンクレバー6の中央に設けられたボス6aの下部
がカム突起12の解除溝12aに当接する。その結果、
まずリンクレバー6がコイルばね43の付勢力に抗して
第2スライダ5側へ移動し、ピン6dとロック部35の
係合を解除した後、図27に示すように、リンクレバー
6はトレイ2の長孔32を中心に時計方向へ回転する。
この場合、リンクレバー6はリブ34を摺動面として回
転するため、両者の摺動抵抗は減じられている。そし
て、リンクレバー6の回転に伴って第1スライダ4と第
2スライダ5がトレイ2に対して互いに逆方向へ摺動
し、ホルダ3の各支軸3aがカム孔36,40の上部か
ら下部へと移動するため、ホルダ3はテープカセット7
と共に上昇位置から下降位置へと移動し、テープカセッ
ト7がドライブ機構に装填される。その際、図25の
(b)に示すように、ホルダ3の突出片3cはトレイ2
の規制部2cから離れるが、ホルダ3は機器本体1の内
部に完全に収納された状態となるため、突出片3cを内
方へ撓めようとする外力は作用せず、支軸3aが昇降ガ
イド孔30とカム孔36,40から抜け落ちることはな
い。 【0024】上記トレイ2の引き込み過程で第1スライ
ダ4はレール部10a上を摺動するため、図28(a)
に示すように、第1スライダ4の押圧部38がレール部
10a上に突出する突部21bの端面を押圧する。これ
により、スイッチ操作部材21がガイド孔13に沿って
水平方向から斜め下方へ移動すると共に、このスイッチ
操作部材21の移動に伴ってクランパ部材23が回転を
開始し、クランパ部材23の押圧部25がテープカセッ
ト7の上面を押圧する。クランパ部材23はピン24が
逃げ孔14の端部と当接するまでコイルばね27を介し
てスイッチ操作部材21と一体的に移動するが、ピン2
4が逃げ孔14の端部に当接すると、スイッチ操作部材
21のみが移動してコイルばね27を伸長するため、ク
ランパ部材23にコイルばね27から大きな回動付勢力
が付与される。その際、図29に示すように、クランパ
部材23の押圧部25は3つの位置決め突起9を結ぶ三
角形Sの内側領域でテープカセット7の上面を押圧する
ように設定されているため、押圧部25が多少位置ずれ
したとしてもテープカセット7を各位置決め突起9に確
実に3点支持することができ、テープカセット7の浮き
上がりが防止される。一方、補助部26は上記三角形S
の外側領域に設定されており、テープカセット7がホル
ダ3の載置部3b上に傾いた状態で載置された場合、ク
ランパ部材23の回動途中でテープカセット7を正しい
姿勢に直す補助的な機能を果たす。 【0025】そして、スイッチ操作部材21がガイド孔
13の終端付近まで移動すると、図28(b)に示すよ
うに、スイッチ操作部材21が斜め下方へ移動して第1
検出スイッチ20のアクチュエータを押圧し、該第1検
出スイッチ20からの信号に基づいて駆動モータ17が
停止する。この場合、駆動モータ17の停止後も慣性に
よって第1スライダ4は若干量だけ駆動し続けるが(オ
ーバーストローク)、このオーバーストローク期間中、
押圧部38はレール部10a内に没した突部21bの上
面を移動するため、スイッチ操作部材21がさらに移動
することはない。したがって、第1検出スイッチ20の
アクチュエータに無理な力は作用せず、第1検出スイッ
チ20の損傷を防止することができる。 【0026】トレイ2を引き込み位置から引き出し位置
へ前進させる場合は、上記と逆の動作が行われ、第2ス
ライダ5の下面がレール部10bから突出する第2検出
スイッチ29のアクチュエータを通過した時点で、該第
2検出スイッチ29が動作されて駆動モータ17を停止
させる。 【0027】なお、上記実施例では、クランパ部材23
の橋絡部23cに2つの押圧部25を設けた場合につい
て説明したが、押圧部25が3つの位置決め突起9を結
ぶ三角形Sの内側領域にあれば、その数は特に限定され
るものではない。 【0028】 【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に記載されるような効果を奏する。 【0029】 機器本体の内底面に設けられた3箇所の
位置決め突起にてテープカセットを支持し、該テープカ
セットの上面をクランパ部材に設けた押圧部で押圧する
ようにしたカセットテーププレーヤのカセット押え機構
において、押圧部を各位置決め突起を結ぶ三角形の内側
領域に設定し、クランパ部材が機器本体の両側面に回動
可能に軸支された軸支部とこれら軸支部を繋ぐ橋絡部と
からなり、該橋絡部の中央付近に押圧部を、また、橋絡
部の左右両側に押圧部よりも短寸な補助部を突設し、こ
れら補助部を各位置決め突起を結ぶ三角形の外側領域に
設定したので、テープカセットの上面に対して押圧部が
多少位置ずれしたとしても、テープカセットが各位置決
め突起に確実に3点支持されるため、テープカセットの
浮き上がりを防止することができ、押圧部がテープカセ
ットを押圧する前に、傾いたテープカセットを補助部に
よって正しい姿勢に直すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はカセットテーププレーヤの平面図であ
る。 【図2】該カセットテーププレーヤの正面図である。 【図3】該カセットテーププレーヤの背面図である。 【図4】該カセットテーププレーヤの右側面図である。 【図5】該カセットテーププレーヤの左側面図である。 【図6】トレイ引き出し状態を裏側から見た要部説明図
である。 【図7】機器本体の正面図である。 【図8】該機器本体の左側面図である。 【図9】スイッチ操作部材の正面図である。 【図10】該スイッチ操作部材の側面図である。 【図11】クランパ部材の平面図である。 【図12】該クランパ部材の正面図である。 【図13】トレイの裏面図である。 【図14】図13のA−A線に沿う断面図である。 【図15】第1スライダの平面図である。 【図16】該第1スライダの側面図である。 【図17】第2スライダの平面図である。 【図18】該第2スライダの側面図である。 【図19】リンクレバーの裏面図である。 【図20】図19のB−B線に沿う断面図である。 【図21】図19のC−C線に沿う断面図である。 【図22】ホルダの裏面図である。 【図23】該ホルダの側面図である。 【図24】該ホルダの背面図である。 【図25】該ホルダの昇降動作に伴う突出片と規制部の
位置関係を示す説明図である。 【図26】リンクレバーのロック状態を示す説明図であ
る。 【図27】リンクレバーのロック解除状態を示す説明図
である。 【図28】スイッチ操作部材の動作説明図である。 【図29】テープカセット7に対するクランパ部材の押
圧箇所を示す説明図である。 【符号の説明】 1 機器本体 2 トレイ 2a 突起 2b 垂下壁 2c 規制部 3 ホルダ 3a 支軸 3b 載置部 3c 突出片 4 第1スライダ 4a ラック 5 第2スライダ 6 リンクレバー 6a ボス 6d,6e ピン 7 テープカセット 9 位置決め突起 10a,10b レール部 11 ベース板 12 カム突起 12a 解除溝 13 ガイド孔 14 逃げ孔 15,16 減速歯車 17 駆動モータ 20 第1検出スイッチ 21 スイッチ操作部材 21が配設されている。 21a ボス 21b 突部 23 クランパ部材 23a,23b 軸支部 23c 橋絡部 25 押圧部 26 補助部 27 コイルばね 30 昇降ガイド孔 32 長孔 34 リブ 35 ロック部 36,40 カム孔 38 押圧部 43 コイルばね
る。 【図2】該カセットテーププレーヤの正面図である。 【図3】該カセットテーププレーヤの背面図である。 【図4】該カセットテーププレーヤの右側面図である。 【図5】該カセットテーププレーヤの左側面図である。 【図6】トレイ引き出し状態を裏側から見た要部説明図
である。 【図7】機器本体の正面図である。 【図8】該機器本体の左側面図である。 【図9】スイッチ操作部材の正面図である。 【図10】該スイッチ操作部材の側面図である。 【図11】クランパ部材の平面図である。 【図12】該クランパ部材の正面図である。 【図13】トレイの裏面図である。 【図14】図13のA−A線に沿う断面図である。 【図15】第1スライダの平面図である。 【図16】該第1スライダの側面図である。 【図17】第2スライダの平面図である。 【図18】該第2スライダの側面図である。 【図19】リンクレバーの裏面図である。 【図20】図19のB−B線に沿う断面図である。 【図21】図19のC−C線に沿う断面図である。 【図22】ホルダの裏面図である。 【図23】該ホルダの側面図である。 【図24】該ホルダの背面図である。 【図25】該ホルダの昇降動作に伴う突出片と規制部の
位置関係を示す説明図である。 【図26】リンクレバーのロック状態を示す説明図であ
る。 【図27】リンクレバーのロック解除状態を示す説明図
である。 【図28】スイッチ操作部材の動作説明図である。 【図29】テープカセット7に対するクランパ部材の押
圧箇所を示す説明図である。 【符号の説明】 1 機器本体 2 トレイ 2a 突起 2b 垂下壁 2c 規制部 3 ホルダ 3a 支軸 3b 載置部 3c 突出片 4 第1スライダ 4a ラック 5 第2スライダ 6 リンクレバー 6a ボス 6d,6e ピン 7 テープカセット 9 位置決め突起 10a,10b レール部 11 ベース板 12 カム突起 12a 解除溝 13 ガイド孔 14 逃げ孔 15,16 減速歯車 17 駆動モータ 20 第1検出スイッチ 21 スイッチ操作部材 21が配設されている。 21a ボス 21b 突部 23 クランパ部材 23a,23b 軸支部 23c 橋絡部 25 押圧部 26 補助部 27 コイルばね 30 昇降ガイド孔 32 長孔 34 リブ 35 ロック部 36,40 カム孔 38 押圧部 43 コイルばね
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平3−54756(JP,A)
実開 昭58−190861(JP,U)
実開 昭58−81753(JP,U)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
G11B 15/675
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 機器本体の内底面に設けられた3箇所の
位置決め突起にてテープカセットを支持し、該テープカ
セットの上面をクランパ部材に設けた押圧部で押圧する
ようにしたカセットテーププレーヤのカセット押え機構
において、前記押圧部を前記各位置決め突起を結ぶ三角
形の内側領域に設定し、前記クランパ部材が前記機器本
体の両側面に回動可能に軸支された軸支部とこれら軸支
部を繋ぐ橋絡部とからなり、該橋絡部の中央付近に前記
押圧部を、また、前記橋絡部の左右両側に前記押圧部よ
りも短寸な補助部を突設し、これら補助部を前記各位置
決め突起を結ぶ三角形の外側領域に設定したことを特徴
とするカセットテーププレーヤのカセット押え機構。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27152097A JP3430195B2 (ja) | 1997-10-03 | 1997-10-03 | カセットテーププレーヤのカセット押え機構 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27152097A JP3430195B2 (ja) | 1997-10-03 | 1997-10-03 | カセットテーププレーヤのカセット押え機構 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11110864A JPH11110864A (ja) | 1999-04-23 |
JP3430195B2 true JP3430195B2 (ja) | 2003-07-28 |
Family
ID=17501221
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27152097A Expired - Fee Related JP3430195B2 (ja) | 1997-10-03 | 1997-10-03 | カセットテーププレーヤのカセット押え機構 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3430195B2 (ja) |
-
1997
- 1997-10-03 JP JP27152097A patent/JP3430195B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11110864A (ja) | 1999-04-23 |
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