JP3429971B2 - 遠隔制御装置の光信号復調装置 - Google Patents

遠隔制御装置の光信号復調装置

Info

Publication number
JP3429971B2
JP3429971B2 JP06858497A JP6858497A JP3429971B2 JP 3429971 B2 JP3429971 B2 JP 3429971B2 JP 06858497 A JP06858497 A JP 06858497A JP 6858497 A JP6858497 A JP 6858497A JP 3429971 B2 JP3429971 B2 JP 3429971B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
output
voltage
code signal
pulse
comparator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP06858497A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10271064A (ja
Inventor
芳廣 大塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP06858497A priority Critical patent/JP3429971B2/ja
Publication of JPH10271064A publication Critical patent/JPH10271064A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3429971B2 publication Critical patent/JP3429971B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Selective Calling Equipment (AREA)
  • Optical Communication System (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、いわゆる赤外線リ
モコンの受信装置として好適に実施される遠隔制御装置
の光信号復調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図10は、典型的な従来技術の赤外線リ
モコンの受信装置1の電気的構成を示すブロック図であ
る。この受信装置1は、大略的に、フォトダイオードp
dと、前置アンプa1と、アンプa2と、バンドパスフ
ィルタbpfと、検波回路2と、積分回路3とを備えて
構成されている。
【0003】図示しない送信装置からは、30〜70k
Hzを搬送周波数とし、制御情報を表すコード信号のパ
ルスの有無に対応して搬送波が変調された赤外の光コー
ド信号が送信されている。
【0004】前記光コード信号は、フォトダイオードp
dで受光されて前記光コード信号に対応した電流に変換
される。前記フォトダイオードpdの出力電流は、前置
アンプa1の帰還抵抗r1によって電流−電圧変換さ
れ、交流結合コンデンサc1を介してアンプa2に与え
られる。アンプa2では、入力信号が、入力側の抵抗r
2および帰還側の抵抗r3によってr3/r2倍に増幅
された後、バンドパスフィルタbpfへ出力される。バ
ンドパスフィルタbpfは、前記搬送周波数成分である
30〜70kHzの成分を抽出して、検波回路2および
積分回路3へ共通に出力する。
【0005】検波回路2は、前記バンドパスフィルタb
pfからの出力電圧v1を、後述するように積分回路3
からの所定の閾値電圧vthでレベル弁別して搬送波成
分を除去し、さらに所定の弁別レベルvref2でレベ
ル弁別して前記コード信号を復調し、出力端子4へ出力
する。
【0006】積分回路3は、前記出力電圧v1に基づい
て前記閾値電圧vthを発生するための回路であり、比
較器a3,a4と、定電流源5,6と、コンデンサc
2,c3と、バッファbとを備えて構成されている。比
較器a3は、電流出力型の差動アンプであり、その反転
入力端には前記出力電圧v1が与えられ、非反転入力端
には前記閾値電圧vthが与えられ、v1>vthで所
定の定電流i1を積分用のコンデンサc2から吸込み、
v1≦vthで前記吸込を停止する。コンデンサc2に
はまた、定電流源5を介して、所定の定電圧Vccの電
源から定電流i2が、常時、供給されている。コンデン
サc2は、前記電流i2,i1で充放電され、その端子
電圧v2は比較器a4の反転入力端に与えられる。比較
器a4は、電流出力型の差動アンプであり、前記端子電
圧v2が所定の基準電圧vref1未満であるときに所
定の定電流i3を平滑用のコンデンサc3へ出力し、端
子電圧v2が基準電圧vref1以上であるときに前記
出力を停止する。コンデンサc3にはまた定電流源6が
並列に設けられており、この定電流源6は前記コンデン
サc3から、常時、所定の定電流i4を放電している。
前記電流i3,i4で充放電されるコンデンサc3の端
子電圧v3と正確に等しい電圧が、バッファbによって
前記閾値電圧vthとして出力される。
【0007】前記検波回路2は、比較器a5,a6と、
定電流源7と、積分用のコンデンサc4とを備えて構成
されている。比較器a5は、前記比較器a3と同様の電
流出力型の差動アンプであり、その反転入力端には前記
出力電圧v1が入力され、非反転入力端には前記閾値電
圧vthが入力され、v1>vthであるときにはコン
デンサc4から所定の定電流i5を吸込み、v1≦vt
hであるときには前記電流の吸込みを停止する。前記コ
ンデンサc4にはまた、定電流源7を介して、前記定電
圧Vccの電源から所定の定電流i6が、常時、供給さ
れている。前記電流i6,i5によって充放電されるコ
ンデンサc4の端子電圧v4は、比較器a6の反転入力
端に入力される。比較器a6の非反転入力端には所定の
基準電圧vref2が入力されており、この比較器a6
は、前記出力端子4への出力電圧v5を、v4<vre
f2であるときにはハイレベルとし、v4≧vref2
であるときにはローレベルとする。
【0008】図11は、上述のように構成される受信装
置1の動作を説明するための波形図である。前記バンド
パスフィルタbpfからの出力電圧v1は、図11
(a)で示すように、コード信号のパルスが有る期間だ
け搬送周波数の成分が出力されており、その出力電圧v
1が比較器a3,a5でそれぞれ閾値電圧vthでレベ
ル弁別されると、v1>vthである期間は比較器a
3,a5がそれぞれ前記電流i1,i5を吸込む。した
がって、この期間では、コンデンサc2,c4の端子電
圧v2,v4は、それぞれ図11(b)および図11
(c)で示すようにローレベルとなる。これに対して、
v1≦vthである期間では、コンデンサc2,c4の
端子電圧v2,v4は、前記図11(b)および図11
(c)でそれぞれ示すように、前記電流i2,i6の充
電によって上昇してゆく。しかしながら、i1≫i2、
i5≫i6とすることによって、これらの端子電圧v
2,v4が前記パルスの期間だけ、それぞれ前記基準電
圧vref1,vref2未満となり、前記搬送周波数
成分が除去されることになる。前記端子電圧v2の基準
電圧vref1での弁別結果の平滑値は、前述のように
閾値電圧vthとなり、前記端子電圧v4の基準電圧v
ref2による弁別結果は、図11(d)で示すような
前記コード信号に対応した出力電圧v5となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述のように構成され
る受信装置1では、復調されたコード信号を出力するか
否かの判定は、v1>vthとなるか否かによって決定
されることになり、またその閾値電圧vthは、コンデ
ンサc3に対する比較器a4からの充電電流i3と、定
電流源6による放電電流i4とによって決定されること
になる。
【0010】一方、家電製品等の赤外線リモコン装置で
用いられる光コード信号は、30〜70kHzの搬送波
を有するパルス列であり、そのパルス幅w1はたとえば
200〜800μsecであり、パルスの有る部分と無
い部分との比であるデューティ比は約10〜40%に選
ばれている。したがって、前記電流i3,i4の比が大
きく、たとえば10:1程度となってしまうと、30%
のデューティ比の光コード信号が入力されるとき、積分
回路3から搬送波検波用の比較器a5に出力される閾値
電圧vthは、前記出力電圧v1とほぼ等しくなってし
まい、前記搬送波の検波ができなくなってしまう。この
ため、前記電流i3,i4の比は、前記デューティ比が
上限の40%程度の光コード信号でも受信可能となるよ
うに、2:1程度に選ばれている。
【0011】しかしながら、前記赤外線リモコン装置の
主なノイズ源である蛍光灯中には、デューティ比が40
%以下のものもあり、このようなデューティ比が低い蛍
光灯からのノイズに対しては、積分回路3からの閾値電
圧vthが前記ノイズのピークに達しないので、該ノイ
ズがレベル弁別されてしまい、誤動作するという問題が
ある。
【0012】本発明の目的は、デューティ比の低いノイ
ズ源に対する誤動作を防止することができる遠隔制御装
置の光信号復調装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る遠
隔制御装置の光信号復調装置は、特定の周波数のパルス
を搬送波とし、制御情報に対応して該パルスが変調され
て作成された赤外の光コード信号を受光素子で受光し、
受光素子から得られた前記光コード信号の光電変換出力
を復調手段で復調して、前記制御情報に対応したコード
信号を復調するための装置において前記コード信号のう
ちヘッダーパルスを除く前記コード信号のパルス幅が予
め定める範囲内であるか否かを判定し、前記予め定める
範囲内では前記コード信号の出力を許容し、前記予め定
める範囲外では前記コード信号の出力を禁止するパルス
幅判定手段を備え、前記パルス幅判定手段は、バンドパ
スフィルタで抽出された前記受光素子の光電変換出力の
うちの搬送周波数成分が出力電圧として入力されると共
に、前記復調手段においてバンドパスフィルタの出力を
レベル弁別して前記パルス信号に復調するための閾値電
圧を、前記閾値電圧を保持しているホールドコンデンサ
に対して電荷を充電及び放電させることで変化させて前
記復調手段に出力する閾値変化手段を含み、前記電荷の
充電および放電により、前記閾値電圧が前記出力電圧の
ピーク値に達しないように変化した場合には前記コード
信号の出力を許容し、一方、前記閾値電圧が前記出力電
圧のピーク値となるように変化した場合には前記コード
信号の出力を禁止するものであり、前記ホールドコンデ
ンサにおいて供給される定電流と吸出される定電流と静
電容量とは、前記コード信号のヘッダーパルスの期間中
に前記閾値電圧が前記出力電圧のピーク値に達すること
がないように設定されていることを特徴とする。
【0014】上記の構成によれば、たとえばいわゆる赤
外線リモコンを対象とすると、復調されたコード信号の
パルス幅が該赤外線リモコンのパルス幅である200〜
800μsecであるときにのみコード信号の出力が許
容され、後段のデコード回路に入力され、各制御対象へ
の対応する制御出力に復調されて、各制御対象へ出力さ
れることになる。
【0015】したがって、30〜70kHzの搬送周波
数に近い周波数で、かつコード信号のデューティ比より
も大きいデューティ比で点灯駆動されるインバータ方式
の蛍光灯などの外乱光が受光素子に入力されても、その
外乱光をレベル弁別して得られるパルスの幅は前記予め
定める範囲外となり、該入力に対する前記コード信号の
出力は禁止され、光ノイズの分離特性を向上し、誤動作
を防止することができる。また、例えば200〜800
μsecのパルス幅のコード信号だけでなく、数mse
cのパルス幅のヘッダーパルスも受信することができ
る。
【0016】また、請求項2の発明に係る遠隔制御装置
の光信号復調装置では、前記パルス幅判定手段は、前記
復調手段のアンプで増幅され、さらにバンドパスフィル
タで抽出された前記受光素子の光電変換出力のうちの搬
送周波数成分を入力とし、前記バンドパスフィルタの分
圧出力を積分またはピークホールドし、受光レベルに対
応した基準弁別レベルを作成するピークホールド回路
と、前記バンドパスフィルタの出力を前記基準弁別レベ
ルで弁別し、搬送波成分を除去して前記コード信号を検
波する検波回路と、前記検波回路からのコード信号を積
分して、そのパルス幅に対応した電圧を発生する積分器
と、前記積分器の出力を、前記パルス幅の短い方の第1
の閾値と、長い方の第2の閾値とにそれぞれ対応した2
つの電圧と比較する第1および第2の比較器と、前記第
1および第2の比較器の出力に応答し、前記パルス幅が
前記第1の閾値以上であり、かつ前記第2の閾値以下の
範囲内であるときに、前記復調手段においてバンドパス
フィルタの出力をレベル弁別して前記パルス信号に復調
するための閾値を低下させる閾値変化手段とを含むこと
を特徴とする。
【0017】上記の構成によれば、パルス幅を弁別する
にあたって、積分器によってコード信号のパルス幅に対
応した電圧を作成し、この電圧を第1および第2の比較
器によってウィンドコンパレートすることによって前記
パルス幅が前記第1の閾値以上であり、かつ前記第2の
閾値以下の範囲内であるか否かの判定を行い、その判定
結果に対応して閾値変化手段がバンドパスフィルタ出力
の復調のための閾値を、前記所定範囲内であるときにの
み低下させてコード信号の復調を可能とし、前記所定範
囲外であるときには高くして対ノイズ性を向上する。こ
のようにして、請求項1で示すようなパルス幅を判定す
ることによるコード信号の出力の許可/禁止制御を、具
体的に実現することができる。
【0018】さらにまた、請求項3の発明に係る遠隔制
御装置の光信号復調装置では、前記閾値変化手段は、前
記検波回路からのコード信号を微分して該コード信号の
始端のエッジを検出する第3の比較器と、前記第3の比
較器からの出力でローレベルにリセットされ、前記第1
の比較器からの出力でハイレベルにセットされる第1の
セット−リセットフリップフロップと、前記第3の比較
器からの出力でハイレベルにセットされ、前記第2の比
較器からの出力でローレベルにリセットされる第2のセ
ット−リセットフリップフロップと、前記第1および第
2のセット−リセットフリップフロップからの出力がと
もにハイレベルであるときに、前記閾値を保持している
ホールドコンデンサの電荷を放電させて前記閾値を低下
させる放電手段とを有することを特徴とする。
【0019】上記の構成によれば、前記請求項2の構成
において、積分器によってパルス幅に対応した電圧を発
生し、その電圧を第1および第2の比較器によってウィ
ンドコンパレートすると、電圧の上昇時と下降時とで、
ともに2つの閾値電圧の範囲内に存在する期間が生じる
ことになるのに対して、上記のように第1および第2の
セット−リセットフリップフロップを用いることによっ
て、電圧上昇時にのみ、2つの閾値電圧の範囲内である
ことを判定する。これによって、判定精度をさらに向上
することができる。
【0020】また、請求項4の発明に係る遠隔制御装置
の光信号復調装置では、前記第3の比較器は、内部に所
定のオフセット電圧を有する差動増幅器と、前記差動増
幅器の一対の入力端を同一電圧にそれぞれバイアスする
一対のバイアス抵抗と、一方の入力端に前記検波回路か
らのコード信号を微分して入力する交流結合コンデンサ
とを有することを特徴とする。
【0021】上記の構成によれば、定常時にはハイレベ
ルまたはローレベルの何れか一方の比較結果を出力して
おり、前記交流結合コンデンサからコード信号のパルス
の始端に対応したパルスが入力されると、出力を速かに
前記ハイレベルまたはローレベルの何れか他方に切換え
を行うことができる。このようにして、高感度な比較器
を実現することができる。
【0022】さらにまた、請求項5の発明に係る遠隔制
御装置の光信号復調装置は、前記ホールドコンデンサの
充電電流と放電電流との比を、10:1以上とすること
を特徴とする。
【0023】上記の構成によれば、ホールドコンデンサ
の端子電圧は、ほぼバンドパスフィルタのピーク出力と
なっているので、デューティ比の低い外乱光に対する誤
動作もほぼ完全に防止することができる。
【0024】また、請求項6の発明に係る遠隔制御装置
の光信号復調装置では、前記予め定める範囲は、赤外線
遠隔制御装置で用いられるコード信号のパルス幅である
200〜800μsecであることを特徴とする。
【0025】上記の構成によれば、家電製品等の赤外線
リモコンにおけるコード信号のパルス列を、蛍光灯など
のノイズ信号から分離して復調することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について、
図1〜図9に基づいて説明すれば以下のとおりである。
【0027】図1は、本発明の実施の一形態の赤外線リ
モコンの受信装置11の電気的構成を示すブロック図で
ある。この受信装置11は、大略的に、フォトダイオー
ドPDと、前置アンプA1と、アンプA2と、バンドパ
スフィルタBPFと、検波回路12と、パルス幅判定回
路13とを備えて構成されている。
【0028】図示しない送信装置からは、30〜70k
Hzを搬送周波数とし、制御情報を表すコード信号のパ
ルスの有無に対応して搬送波が変調された赤外の光コー
ド信号が送信されている。
【0029】前記光コード信号は、フォトダイオードP
Dで受光されて前記光コード信号に対応した電流に変換
される。前記フォトダイオードPDの出力電流は、前置
アンプA1の帰還抵抗R1によって電流−電圧変換さ
れ、交流結合コンデンサC1を介してアンプA2に与え
られる。アンプA2では、入力信号が、入力側の抵抗R
2および帰還側の抵抗R3によってR3/R2倍に増幅
された後、バンドパスフィルタBPFへ出力される。バ
ンドパスフィルタBPFは、前記搬送周波数成分である
30〜70kHzの成分を抽出して、検波回路12およ
びパルス幅判定回路13へ共通に出力する。
【0030】検波回路12は、前記バンドパスフィルタ
BPFからの出力電圧V1を、後述するようにしてパル
ス幅判定回路13から得られる所定の閾値電圧Vthで
レベル弁別して搬送波成分を除去し、さらに所定の弁別
レベルVref1でレベル弁別して前記コード信号を復
調し、出力端子14へ出力する回路である。したがっ
て、この検波回路12は、比較器A3,A4と、定電流
源15と、積分用のコンデンサC2と、オフセット電圧
源16とを備えて構成されている。
【0031】前記比較器A3は、電流出力型の差動アン
プであり、前記バンドパスフィルタBPFからの出力電
圧V1が反転入力端に入力され、非反転入力端には、前
記パルス幅判定回路13で作成された閾値電圧V10に
オフセット電圧源16で発生されたオフセット電圧ΔV
thが加算されて作成された前記閾値電圧Vthが入力
される。この比較器A3は、V1>Vthであるときに
は、コンデンサC2から所定の定電流I1を吸込み、V
1≦Vthであるときには、応答しない状態となって、
前記吸込みを停止する。前記コンデンサC2にはまた、
定電流源15を介して、予め定める定電圧Vccの電源
から、所定の定電流I2が、常時、供給されている。
【0032】前記電流I2,I1の充放電に対応したコ
ンデンサC2の端子電圧V2は、比較器A4の反転入力
端に入力される。この比較器A4の非反転入力端には予
め定める基準電圧Vref1が入力されており、該比較
器A4は、V2<Vref1となると前記出力端子14
への出力信号V3をハイレベルとし、V2≧Vref1
となるとローレベルとする。このようにして復調された
コード信号は、図示しないデコード回路などに与えられ
て、各制御対象に対応する制御出力が復調される。
【0033】前記パルス幅判定回路13は、検波回路1
2で復調されるコード信号のパルス幅が所定の範囲であ
るか否かを判定し、その範囲内であるときには前記閾値
電圧V10を低下してコード信号の復調を許容し、前記
範囲外であるときには前記閾値電圧V10を上昇して前
記コード信号の復調を禁止するための回路である。この
パルス幅判定回路13は、大略的に、分圧抵抗R11,
R12と、ピークホールド回路21と、検波回路22
と、積分回路23と、微分回路24と、比較器A11,
A12と、閾値変化回路25とを備えて構成されてい
る。
【0034】ピークホールド回路21には、前記バンド
パスフィルタBPFからの出力電圧V1が前記分圧抵抗
R11,R12でR12/(R11+R12)に分圧さ
れて入力され、分圧して得られた電圧V11は比較器A
13の非反転入力端に入力される。この比較器A13か
らの出力はダイオードD11を介してホールド用のコン
デンサC11に入力され、またこのコンデンサC11の
端子電圧は前記比較器A13の反転入力端に入力されて
いる。したがって、比較器A13は、コンデンサC11
の端子電圧が前記電圧V11よりも低いときにはハイレ
ベルの出力を導出して該コンデンサC11を充電し、こ
うして前記電圧V11のピーク値が作成される。そのピ
ーク値は、バッファB11を介して、忠実に、ホールド
電圧V12として出力される。
【0035】前記ホールド電圧V12は、パルス幅判定
にあたって、前記搬送周波数成分を除去する検波回路2
2に入力される。この検波回路22は、前記検波回路1
2の比較器A3、定電流源15およびコンデンサC2と
それぞれ同様に構成される比較器A14、定電流源26
およびコンデンサC12を備えて構成されている。比較
器A14は、電流出力型の差動アンプであり、その反転
入力端には前記出力電圧V1が入力され、非反転入力端
には前記ホールド電圧V12が入力され、V1>V12
であるときにはコンデンサC12から電流I11を吸込
み、V1≦V12であるときには前記吸込みを停止す
る。コンデンサC12には、予め定める定電圧Vccの
電源から、定電流源26を介して、定電流I12が、常
時、供給されている。これらの電流I12,I11の充
放電によって生じる該コンデンサC12の端子電圧V1
3は、I11≫I12であるので、搬送周波数成分の脈
動が除去されたコード信号のパルスにほぼ対応してい
る。前記端子電圧V13は、積分回路23に入力される
とともに、その電圧を忠実に伝達するバッファB12を
介して微分回路24に入力される。
【0036】積分回路23は、検波回路22で検波され
たコード信号のパルスのパルス幅を計測するにあたっ
て、該パルス幅を電圧に変換するための回路であって、
比較器A15と、積分用のコンデンサC13と、定電流
源27とを備えて構成されている。
【0037】前記比較器A15は、電流出力型の差動ア
ンプであり、その反転入力端には前記端子電圧V13が
入力され、非反転入力端には予め定める基準電圧Vre
f11が入力されており、V13<Vref11である
ときには予め定める定電流I21をコンデンサC13へ
流し出し、V13≧Vref11であるときには前記定
電流I21の出力を停止する。また、コンデンサC13
からは、定電流源27によって、常時、定電流I22が
放電されている。
【0038】V13<Vref11である時間は、前記
コード信号のパルス幅tsにほぼ等しく、したがってこ
の積分回路23からの出力電圧V14は、 V14={(I21−I22)×ts}/C13 となり、前記パルス幅tsに比例した電圧となる。な
お、I21:I22=2:1とすることによって、前記
コード信号のデューティ比が50%以下であれば、その
受信に支障を生じることはない。このようにして、前記
パルス幅tsの出力電圧V14への変換を行うことがで
きる。
【0039】前記出力電圧V14は比較器A11,A1
2の反転入力端に共通に入力されており、これらの比較
器A11,A12の各非反転入力端には、それぞれ予め
定める基準電圧Vref21,Vref22が入力され
ている。比較器A11は、V14≧Vref21となる
とその出力電圧V21をローレベルとし、V14<Vr
ef21であるときには前記出力電圧V21をハイレベ
ルとする。比較器A12は、V14>Vref22とな
るときにはその出力電圧V22をローレベルとし、V1
4≦Vref22であるときには前記出力電圧V22を
ハイレベルとする。なお、Vref21<Vref22
に選ばれている。また、基準電圧Vref21は、前記
パルス幅tsの短い方の閾値t1に対応した値であり、 Vref21={(I21−I22)×t1}/C13 が成立するように設定されている。さらにまた、基準電
圧Vref22は、前記パルス幅tsの長い方の閾値t
2に対応した値であり、 Vref22={(I21−I22)×t2}/C13 が成立するように設定されている。
【0040】したがって、V14<Vref21、すな
わちts<t1であるときには、出力電圧V21,22
はともにハイレベルとなり、Vref21≦V14≦V
ref22であるとき、すなわちt1≦ts≦t2であ
るときには、出力電圧V21がローレベルとなり、出力
電圧V22がハイレベルとなり、V14>Vref22
であるとき、すなわちts>t2であるときには、出力
電圧V21,V22はともにローレベルとなる。
【0041】前記比較器A11,A12からの出力電圧
V21,V22は、それぞれ閾値変化回路25内のセッ
ト−リセットフリップフロップFF1,FF2で、その
状態が保持される。これらのセット−リセットフリップ
フロップFF1,FF2は、NAND回路で構成されて
おり、前記出力電圧V21はセット−リセットフリップ
フロップFF1のセット入力端に入力されており、前記
出力電圧V22はセット−リセットフリップフロップF
F2のリセット入力端に入力されている。セット−リセ
ットフリップフロップFF1のリセット入力端およびセ
ット−リセットフリップフロップFF2のセット入力端
には、微分回路24からのパルスが入力される。
【0042】微分回路24は、前記検波回路22の出力
電圧V13をバッファB12を介して受信し、その立下
がりタイミング、すなわちコード信号のパルスの始端を
検知するための回路であり、微分用のコンデンサC14
と、抵抗R13,R14,R15,R16と、比較器A
16とを備えて構成されている。比較器A16の非反転
入力端は、予め定める電圧Vccの電源と接地レベルと
の間に介在された分圧抵抗R13,R14によって、V
15=Vcc×R14/(R13+R14)の電圧にバ
イアスされるとともに、コンデンサC14を介してバッ
ファB12からの出力が入力される。これに対して比較
器A16の反転入力端は、抵抗R15,R16によっ
て、前記非反転入力端と同様に、V16=Vcc×R1
6/(R15+R16)の電圧にバイアスされている。
【0043】前記各抵抗R13〜R16の抵抗値は相互
に等しく選ばれており、したがって定常時には、V15
=V16=Vcc/2となっている。また、コンデンサ
C14と抵抗R13,R14とによって構成される微分
回路の時定数τ1は、 τ1={C14×(R13×R14)}/(R13+R
14) で決定され、τ1≪tsとなるように選ばれている。
【0044】したがって、比較器A16の出力電圧V1
7は、微分回路24にコード信号のパルスが入力された
タイミング、すなわち該パルスの始端でローレベルのパ
ルスを発生し、定常状態ではハイレベルに安定してい
る。
【0045】比較器A16は、分圧抵抗R13,R14
およびR15,R16でバランスされている入力に、前
記コード信号のパルスの立下がりを速かに検知する高感
度の差動アンプであり、たとえば図2で示すようにして
構成することができる。図2は、比較器A16の具体的
構成を示す電気回路図である。この比較器A16は、ト
ランジスタQ1〜Q4と、定電流源40とを備えて構成
されている。
【0046】トランジスタQ1,Q2は、差動対を構成
し、そのエミッタは共通に定電流源40を介して前記電
圧Vccの電源に接続され、ベースには分圧抵抗R1
3,R14;R15,16によってそれぞれ作成された
前記電圧V15,16が与えられている。トランジスタ
Q2のコレクタはトランジスタQ4のコレクタに接続さ
れ、トランジスタQ1のコレクタはトランジスタQ3の
ベースおよびコレクタならびにトランジスタQ4のベー
スに接続される。トランジスタQ3,Q4のエミッタ
は、ともに接地されている。トランジスタQ3とトラン
ジスタQ4とのエミッタ面積比は、n:1(n>1)に
形成されている。
【0047】したがって、前記コード信号パルスが入力
されないときには、V15=V16であるので、トラン
ジスタQ1,Q2のコレクタ電流I41,I42は等し
くなるのに対して、前記エミッタ面積比がn:1である
ので、トランジスタQ4はハイインピーダンスとなり、
出力電圧V17はハイレベルとなる。
【0048】これに対して、kをボルツマン定数とし、
Tを絶対温度とし、qを電子の電荷量とするとき、 V15=V16−(kT/q)×ln(n) となると、I41:I42=n:1となり、トランジス
タQ4は能動状態となる。
【0049】さらに、 V15<V16−(kT/q)×ln(n) となると、トランジスタQ4は飽和状態となり、出力電
圧V17はローレベルとなる。
【0050】したがって、比較器A16の閾値電圧は、
(kT/q)ln(n)であり、無信号時には、(kT
/q)ln(n)のオフセット電圧ΔVを内部に有し
て、常にハイレベルを出力するコンパレータとなる。前
記オフセット電圧は、たとえばn=2であり、かつ周囲
の温度が25℃であるときには、約18mVであり、極
めて小さく、非常に高感度のコンパレータ回路を実現す
ることができる。
【0051】この比較器A16の出力電圧V17は、前
述のように、前記閾値変化回路25内のセット−リセッ
トフリップフロップFF1のリセット入力端およびセッ
ト−リセットフリップフロップFF2のセット入力端に
入力される。したがって、パルスが入力された瞬間に、
セット−リセットフリップフロップFF1の出力電圧V
31はローレベルにリセットされ、セット−リセットフ
リップフロップFF2の出力電圧V32はハイレベルに
セットされ、これらの状態を保持する。その後、ts≧
t1となるとセット−リセットフリップフロップFF1
の出力電圧V31はハイレベルにセットされ、ts>t
2となるとセット−リセットフリップフロップFF2の
出力電圧V32はローレベルにリセットされる。
【0052】前記閾値変化回路25は、前記パルス幅t
sが前記時間t1〜t2の所定の範囲内であるか否かに
対応して、前記検波回路12へ出力する閾値電圧V10
を変化するための回路である。この閾値変化回路25
は、前記セット−リセットフリップフロップFF1,F
F2と、NANDゲートGと、前記検波回路22と同様
の検波動作を行う比較器A17、定電流源28および積
分用のコンデンサC14と、前記積分回路23と同様に
積分動作を行う比較器A18、積分用のコンデンサC1
5および定電流源29と、コンデンサC15の放電時定
数を変化するための定電流源30およびスイッチ31
と、バッファB13とを備えて構成されている。
【0053】この閾値変化回路25において、セット−
リセットフリップフロップFF1,FF2の出力電圧V
31,V32は、NANDゲートGに入力されている。
したがって、該NANDゲートGの出力電圧V33は、
前記パルスが検知されてからts<t1まではハイレベ
ルとなり、t1≦ts≦t2ではローレベルとなり、t
s>t2ではハイレベルとなる。このようにして、パル
ス幅が所定の時間t1〜t2に入っていることを判定す
ることができる。
【0054】一方、比較器A17は、前記比較器A14
と同様の電流出力型の差動アンプであり、その反転入力
端には前記出力電圧V1が入力され、非反転入力端には
前記閾値電圧V10が入力され、V1>V10となると
コンデンサC14から予め定める定電流I31を吸出
し、V1≦V10であるときには前記吸出しを停止す
る。コンデンサC14にはまた、予め定める電圧Vcc
の電源から、定電流源28を介して、定電流I32が、
常時、供給されている。
【0055】前記電流I32,I31の充放電によって
変化するコンデンサC14の端子電圧V34は、比較器
A18の反転入力端に入力されている。この比較器A1
8も同様に電流出力型の差動アンプであり、その非反転
入力端には予め定める基準電圧Vref31が入力され
ており、V34<Vref31となるとコンデンサC1
5に定電流I33を供給し、V34≧Vref31とな
ると前記供給を停止する。コンデンサC15には、並列
に、定電流源29と、前記定電流源30およびスイッチ
31から成る直列回路とが設けられており、定電流源2
9によって定電流I34が、常時、吸出され、また前記
NANDゲートGの出力電圧V33がローレベルとなっ
てスイッチ31が導通すると、定電流源30によって定
電流I35が吸出される。コンデンサC15の端子電圧
は、バッファB13を介して、正確に、前記閾値電圧V
10として出力される。
【0056】したがって、V34<Vref31であ
り、かつパルス幅が所定の範囲内であるときには、コン
デンサC15は、I33−I34−I35の比較的小さ
い電流で充電されて、閾値電圧V10は低くなる。これ
に対して、V34<Vref31であっても、パルス幅
が所定の範囲内にないときには、コンデンサC15はI
33−I34で充電されて、閾値電圧V10は高くな
る。
【0057】たとえば、充電電流I33は200nAで
あり、放電電流I34は10nAであり、放電電流I3
5は100nAである。したがって、コード信号のパル
ス幅tsが所定の範囲内である状態で、V34<Vre
f31の期間、すなわち前記パルス幅にほぼ等しいON
デューティの期間はスイッチ31が導通するので、コン
デンサC15はI33−I34−I35=90nAで充
電が行われ、これに対して、V34≧Vref31の期
間、すなわちOFFデューティの期間には、コンデンサ
15はI34+I35=110nAで放電が行われる。
【0058】したがってこの場合、110/200=
0.55から、コード信号パルスのデューティ比が、家
庭電化製品等に用いられる赤外線リモコンのコード信号
のデューティ比である0.4以下を含む0.55(55
%)までの信号に対して、閾値変化回路25の出力する
閾値電圧V10は、バンドパスフィルタBPFからの出
力電圧V1のピークに達しないので、該デューティ比ま
でのコード信号の受信が可能となる。
【0059】これによって、所定範囲内のパルス幅のコ
ード信号の受信時には前記閾値電圧V10が低下し、そ
のコード信号に対しては検波回路12が応答して、該コ
ード信号のパルス列の復調が行われる。前記コード信号
のパルス幅が所定の範囲内でないときには、V34<V
ref31の期間中もスイッチ31は遮断しているの
で、たとえば、前述のようにI33=200nA,I3
4=10nAであるとき、コンデンサC15の充電電流
はI33−I34=190nAとなり、これに対してV
34≧Vref31の期間中には放電電流I34によっ
て放電が行われる。したがって、コード信号のデューテ
ィ比が10/200=0.05(5.0%)以上のコー
ド信号に対して、閾値電圧V10は、バンドパスフィル
タBPFの出力電圧V1のピーク値となることができ
る。
【0060】通常、蛍光灯光および太陽光等の外乱光の
ノイズ信号のデューティ比は0.1(10%)以上であ
るので、I33−I34:I34を10:1以上とする
と、すべての外来光ノイズに対して誤動作を防止するこ
とができる。
【0061】図3〜図5は、上述のように構成された受
信装置1の動作を説明するための波形図であり、図3は
ts<t1の場合を示し、図4はt1≦ts≦t2の場
合を示し、図5はts>t2の場合を示す。搬送波成分
が検出されると、バンドパスフィルタBPFからの出力
電圧V1およびその分圧して得られた電圧V11のピー
クホールド値であるバッファB11のホールド電圧V1
2は、図3(a)、図4(a)および図5(a)で示す
ようになる。したがって、ピークホールド値である前記
バッファB11のホールド電圧V12で、出力電圧V1
をレベル弁別し、コード信号のパルス成分を抽出した検
波回路22の出力となるコンデンサC12の端子電圧V
13は、図3(b)、図4(b)および図5(b)で示
すようになる。
【0062】積分回路23の出力電圧V14は、前記パ
ルスの始端のタイミングから上昇してゆき、ts<t1
であるときには図3(c)で示すように、該出力電圧V
14は比較器A11の基準電圧Vref21まで到達せ
ず、t1≦ts≦t2であるときには図4(c)で示す
ように、該出力電圧V14は2つの比較器A11,A1
2の基準電圧Vref21〜Vref22内となり、さ
らにまたts>t2であるときには図5(c)で示すよ
うに、該出力電圧V14は比較器A12の基準電圧Vr
ef22より大きくなってしまう。
【0063】したがって、比較器A11からの出力電圧
V21は、ts<t1である図3(f)の場合には常時
ハイレベルであり、t1≦ts≦t2である図4(f)
の場合およびts>t2である図5(f)の場合には、
該期間だけローレベルとなる。また、比較器A12から
の出力電圧V22は、ts<t1である図3(g)の場
合およびt1≦ts≦t2である図4(g)の場合に
は、常時ハイレベルであり、ts>t2である図5
(g)の場合には、その期間だけローレベルとなる。
【0064】一方、微分回路24からは、一定の入力の
電圧V16に対して、前記パルスの始終端でそれぞれ電
圧V15に立下がりおよび立上がりが生じ、図3
(d),図4(d)および図5(d)で示すようにな
る。これによって、該比較器A16からの出力電圧は、
図3(e)、図4(e)および図5(e)で示すよう
に、パルスの始端において立下がりを生じる。
【0065】したがって、セット−リセットフリップフ
ロップFF1からの出力電圧V31は、ts<t1であ
る図3(h)の場合には、前記パルスの始端においてロ
ーレベルにリセットされたままとなり、t1≦ts≦t
2である図4(h)の場合およびts>t2である図5
(h)の場合には、前記始端においてローレベルにリセ
ットされた後、V14≦Vref21となった時点でハ
イレベルにセットされる。また、セット−リセットフリ
ップフロップFF2からの出力電圧V32は、ts<t
1の場合およびt1≦ts≦t2の場合には、それぞれ
図3(i)および図4(i)で示すように、常時ハイレ
ベルであり、ts>t2である場合には図5(i)で示
すようにV14>Vref22となった時点でローレベ
ルにリセットされる。
【0066】これによって、NANDゲートGからの出
力電圧V33は、ts<t1の場合には、図3(j)で
示すようにパルスの始端においてハイレベルに立上げら
れた後、このハイレベルを維持し、t1≦ts≦t2の
場合には、図4(j)で示すように前記始端においてハ
イレベルに立上げられた後、ts=t1となった時点で
ローレベルに立ち下げられ、ts>t2の場合には、図
5(j)で示すようにパルスの始端でハイレベルに立上
げられ、時間t1が経過した時点で一旦ローレベルに立
下げられた後、時間t2が経過した時点で再びハイレベ
ルに立上げられる。
【0067】したがって、図4(k)で示すように、t
1≦ts≦t2の場合のみコンデンサC15の端子電圧
が低下して、閾値電圧Vthが低下し、比較器A3から
の端子電圧V2は図4(l)で示すように、ローレベル
に立下がって搬送周波数に対応した脈動を生じることに
なる。この脈動成分が比較器A4でレベル弁別されて出
力される出力信号V3は図4(m)のようになる。これ
に対して、ts<t1であるときおよびts>t2であ
るときには、前記基準電圧Vthが高くなって、それぞ
れ図3(k)および図5(k)で示すように前記出力電
圧V1をレベル弁別することができず、したがって比較
器A3からの端子電圧V2も図3(l)および図5
(l)で示すようにハイレベルのままとなる。これによ
って、出力信号V3も、図3(m)および図5(m)で
示すようにローレベルのままとなる。
【0068】以上のようにして、t1≦ts≦t2であ
る場合にのみ、閾値電圧Vthが低下し、コード信号パ
ルスの復号化が許容され、そうでない場合には該パルス
の復号化が禁止されることになる。
【0069】図6〜図9は、前記赤外線リモコンにおけ
る主要な外乱光入力時のバンドパスフィルタBPFの出
力波形を示す図である。図6はインパルス性パルスによ
って点灯する蛍光灯光の場合であり、図7は商用交流電
源で点灯する蛍光灯光の場合であり、図8は太陽光の場
合であり、図9は40〜70kHzの周波数で点灯する
インバータ蛍光灯光の場合を示す。これらの各図で示す
ように、ピーク値のほぼ半分程度のレベルを基準値、す
なわち前記分圧抵抗R11,R12による分圧値とする
と、図6〜図8の例の場合にはパルス幅は200μse
c未満となり、図9の例の場合には連続パルスで、パル
ス幅が800μsecより大きくなることが理解され
る。
【0070】これに対して、コード信号のパルス幅は、
ヘッダーパルスと呼ばれるリードパルス部を除き、すべ
て200〜800μsecの範囲内である。したがっ
て、t1=200μsec,t2=800μsecとす
ることによって、これらの外乱光をノイズと判定してコ
ード信号の出力を禁止し、誤動作を防止することができ
る。
【0071】また、前記ヘッダーパルスは数msecの
パルス幅を有しており、パルス幅判定回路13はスイッ
チ31を遮断して、閾値電圧V10は前記ヘッダーパル
ス信号のピーク値に向って上昇するけれども、前述のよ
うに、たとえばI33=200nA,I34=10n
A,C15=0.1μFのように設定することによっ
て、ヘッダーパルスのピーク値Vpが100mVである
とすると、そのピーク値に達するまでの時間は、 (C15×Vp)/(I33−I34)=50(mse
c) だけ必要なる。
【0072】したがって、前記閾値電圧V10は前記ヘ
ッダーパルスの期間中にそのピーク値に到達することは
なく、該ヘッダーパルスの受信を行うことができる。こ
のようにして、赤外線リモコンの外乱光による誤動作を
防止することができる。
【0073】本発明は、前記赤外線リモコンに限らず、
コード信号と外乱光とをパルス幅で区分することができ
る場合に好適に実施することができる。
【0074】
【発明の効果】請求項1の発明に係る遠隔制御装置の光
信号復調装置は、以上のように、特定の周波数のパルス
を搬送波とし、制御情報に対応して該パルスが変調され
て作成された光コード信号を受光し、前記制御情報に対
応したコード信号を復調する、いわゆる赤外線リモコン
の受信装置などの光信号復調装置において、前記コード
信号のパルス幅が予め定める範囲内であるときにのみ、
前記コード信号の出力を許容するパルス幅判定手段を備
えており、また、パルス幅判定手段は、前記コード信号
のヘッダーパルスの期間中に閾値電圧がバンドパスフィ
ルタからの出力電圧のピーク値に達することがないよ
う、ホールドコンデンサについて供給される定電流と吸
出される定電流と静電容量とが設定されている
【0075】それゆえ、搬送周波数に近い周波数で、か
つコード信号のデューティ比よりも大きいデューティ比
の外乱光が受光素子に入力されても、その外乱光をレベ
ル弁別して得られるパルスの幅は前記予め定める範囲外
となり、該入力に対する前記コード信号の出力は禁止さ
れるので、光ノイズの分離特性を向上し、誤動作を防止
することができる。
【0076】それゆえ、搬送周波数に近い周波数で、か
つコード信号のデューティ比よりも大きいデューティ比
の外乱光が受光素子に入力されても、その外乱光をレベ
ル弁別して得られるパルスの幅は前記予め定める範囲外
となり、該入力に対する前記コード信号の出力は禁止さ
れるので、光ノイズの分離特性を向上し、誤動作を防止
することができる。また、例えば200〜800μse
cのパルス幅のコード信号だけでなく、数msecのパ
ルス幅のヘッダーパルスも受信することができる。
【0077】それゆえ、請求項1で示すようなパルス幅
を判定することによるコード信号の出力の許可/禁止制
御を、具体的に実現することができる。
【0078】さらにまた、請求項3の発明に係る遠隔制
御装置の光信号復調装置は、以上のように、パルス幅に
対応した電圧を第1および第2の比較器によってウィン
ドコンパレートすると、電圧の上昇時と下降時とで、と
もに2つの閾値電圧の範囲内に存在する期間が生じるこ
とになるのに対して、第1および第2のセット−リセッ
トフリップフロップを用いて、電圧上昇時にのみ、2つ
の閾値電圧の範囲内であることを判定する。
【0079】それゆえ、判定精度をさらに向上すること
ができる。
【0080】また、請求項4の発明に係る遠隔制御装置
の光信号復調装置は、以上のように、コード信号の始端
のエッジを検出する第3の比較器を、内部に所定のオフ
セット電圧を有する差動増幅器と、前記差動増幅器の一
対の入力端を同一電圧にそれぞれバイアスする一対のバ
イアス抵抗と、一方の入力端に前記検波回路からのコー
ド信号を微分して入力する交流結合コンデンサとを有し
て構成する。
【0081】それゆえ、コード信号のパルスの始端に対
応したパルスが入力されると、出力を速かに切換えるこ
とができ、高感度な比較器を実現することができる。
【0082】さらにまた、請求項5の発明に係る遠隔制
御装置の光信号復調装置は、以上のように、前記ホール
ドコンデンサの充電電流と放電電流との比を、10:1
以上とする。
【0083】それゆえ、ホールドコンデンサの端子電圧
は、ほぼバンドパスフィルタのピーク出力とし、デュー
ティ比の低い外乱光に対する誤動作もほぼ完全に防止す
ることができる。
【0084】また、請求項6の発明に係る遠隔制御装置
の光信号復調装置は、以上のように、前記予め定める範
囲を、赤外線遠隔制御装置で用いられるコード信号のパ
ルス幅である200〜800μsecとする。
【0085】それゆえ、家電製品等の赤外線リモコンに
おけるコード信号のパルス列を、蛍光灯などのノイズ信
号から分離して復調することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の赤外線リモコンの受信
装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】前記受信装置における微分回路の比較器の具体
的構成を示す電気回路図である。
【図3】前記コード信号のパルス幅が短い方の閾値より
小さい状態での動作を説明するための波形図である。
【図4】前記コード信号のパルス幅が所定の閾値内の状
態での動作を説明するための波形図である。
【図5】前記コード信号のパルス幅が長い方の閾値より
大きい状態での動作を説明するための波形図である。
【図6】外乱光の一例であるインパルス性パルスによっ
て点灯する蛍光灯光のバンドパスフィルタ出力波形を示
す図である。
【図7】外乱光の一例である商用交流電源によって点灯
する蛍光灯光のバンドパスフィルタ出力波形を示す図で
ある。
【図8】外乱光の一例である太陽光のバンドパスフィル
タ出力波形を示す図である。
【図9】外乱光の一例であるインバータ蛍光灯光のバン
ドパスフィルタ出力波形を示す図である。
【図10】典型的な従来技術の赤外線リモコンの受信装
置の電気的構成を示すブロック図である。
【図11】図10で示す受信装置の動作を説明するため
の波形図である。
【符号の説明】
11 受信装置(光信号復調装置) 12 検波回路(復調手段) 13 パルス幅判定回路 16 オフセット電圧源 21 ピークホールド回路 22 検波回路 23 積分回路 24 微分回路 25 閾値変化回路 A1 前置アンプ(復調手段) A2 アンプ(復調手段) A3,A4,A11〜A18 比較器 BPF バンドパスフィルタ C1 交流結合コンデンサ G NANDゲート FF1,FF2 セット−リセットフリップフロップ PD フォトダイオード R11,R12 分圧抵抗
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H04B 10/22 10/26 10/28 H04Q 9/00 311 9/14 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04B 10/00 - 10/28 H04J 14/00 - 14/08 H04Q 9/00 311 H04Q 9/14

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】特定の周波数のパルスを搬送波とし、制御
    情報に対応して該パルスが変調されて作成された赤外の
    光コード信号を受光素子で受光し、受光素子から得られ
    た前記光コード信号の光電変換出力を復調手段で復調し
    て、前記制御情報に対応したコード信号を復調するため
    の装置において、前記コード信号のうちヘッダーパルスを除く 前記コード
    信号のパルス幅が予め定める範囲内であるか否かを判定
    し、前記予め定める範囲内では前記コード信号の出力を
    許容し、前記予め定める範囲外では前記コード信号の出
    力を禁止するパルス幅判定手段を備え 前記パルス幅判定手段は、バンドパスフィルタで抽出さ
    れた前記受光素子の光電変換出力のうちの搬送周波数成
    分が出力電圧として入力されると共に、前記復調手段に
    おいてバンドパスフィルタの出力をレベル弁別して前記
    パルス信号に復調するための閾値電圧を、前記閾値電圧
    を保持しているホールドコンデンサに対して電荷を充電
    及び放電させることで変化させて前記復調手段に出力す
    る閾値変化手段を含み、前記電荷の充電および放電によ
    り、前記閾値電圧が前記出力電圧のピーク値に達しない
    ように変化した場合には前記コード信号の出力を許容
    し、一方、前記閾値電圧が前記出力電圧のピーク値とな
    るように変化した場合には前記コード信号の出力を禁止
    するものであり、 前記ホールドコンデンサにおいて供給される定電流と吸
    出される定電流と静電容量とは、前記コード信号のヘッ
    ダーパルスの期間中に前記閾値電圧が前記出力電圧のピ
    ーク値に達することがないように設定されている ことを
    特徴とする遠隔制御装置の光信号復調装置。
  2. 【請求項2】前記パルス幅判定手段は、 前記復調手段のアンプで増幅され、さらにバンドパスフ
    ィルタで抽出された前記受光素子の光電変換出力のうち
    の搬送周波数成分を入力とし、 前記バンドパスフィルタの分圧出力を積分またはピーク
    ホールドし、受光レベルに対応した基準弁別レベルを作
    成するピークホールド回路と、 前記バンドパスフィルタの出力を前記基準弁別レベルで
    弁別し、搬送波成分を除去して前記コード信号を検波す
    る検波回路と、 前記検波回路からのコード信号を積分して、そのパルス
    幅に対応した電圧を発生する積分器と、 前記積分器の出力を、前記パルス幅の短い方の第1の閾
    値と、長い方の第2の閾値とにそれぞれ対応した2つの
    電圧と比較する第1および第2の比較器と、 前記第1および第2の比較器の出力に応答し、前記パル
    ス幅が前記第1の閾値以上であり、かつ前記第2の閾値
    以下の範囲内であるときに、前記復調手段においてバン
    ドパスフィルタの出力をレベル弁別して前記パルス信号
    に復調するための閾値を低下させる閾値変化手段とを含
    むことを特徴とする請求項1記載の遠隔制御装置の光信
    号復調装置。
  3. 【請求項3】前記閾値変化手段は、 前記検波回路からのコード信号を微分して該コード信号
    の始端のエッジを検出する第3の比較器と、 前記第3の比較器からの出力でローレベルにリセットさ
    れ、前記第1の比較器からの出力でハイレベルにセット
    される第1のセット−リセットフリップフロップと、 前記第3の比較器からの出力でハイレベルにセットさ
    れ、前記第2の比較器からの出力でローレベルにリセッ
    トされる第2のセット−リセットフリップフロップと、 前記第1および第2のセット−リセットフリップフロッ
    プからの出力がともにハイレベルであるときに、前記閾
    値を保持しているホールドコンデンサの電荷を放電させ
    て前記閾値を低下させる放電手段とを有することを特徴
    とする請求項2記載の遠隔制御装置の光信号復調装置。
  4. 【請求項4】前記第3の比較器は、 内部に所定のオフセット電圧を有する差動増幅器と、 前記差動増幅器の一対の入力端を同一電圧にそれぞれバ
    イアスする一対のバイアス抵抗と、 一方の入力端に前記検波回路からのコード信号を微分し
    て入力する交流結合コンデンサとを有することを特徴と
    する請求項3記載の遠隔制御装置の光信号復調装置。
  5. 【請求項5】前記ホールドコンデンサの充電電流と放電
    電流との比を、10:1以上とすることを特徴とする請
    求項3または4記載の遠隔制御装置の光信号復調装置。
  6. 【請求項6】前記予め定める範囲は、赤外線遠隔制御装
    置で用いられるコード信号のパルス幅である200〜8
    00μsecであることを特徴とする請求項1〜5の何
    れかに記載の遠隔制御装置の光信号復調装置。
JP06858497A 1997-03-21 1997-03-21 遠隔制御装置の光信号復調装置 Expired - Fee Related JP3429971B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06858497A JP3429971B2 (ja) 1997-03-21 1997-03-21 遠隔制御装置の光信号復調装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06858497A JP3429971B2 (ja) 1997-03-21 1997-03-21 遠隔制御装置の光信号復調装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10271064A JPH10271064A (ja) 1998-10-09
JP3429971B2 true JP3429971B2 (ja) 2003-07-28

Family

ID=13377999

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP06858497A Expired - Fee Related JP3429971B2 (ja) 1997-03-21 1997-03-21 遠隔制御装置の光信号復調装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3429971B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100932252B1 (ko) 2005-07-26 2009-12-16 가부시키가이샤 어드밴티스트 광수신 장치, 시험 장치, 광수신 방법, 시험 방법, 테스트모듈, 및 반도체 칩
JP5146515B2 (ja) * 2010-11-09 2013-02-20 船井電機株式会社 映像表示装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10271064A (ja) 1998-10-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4897857A (en) FSK demodulating device
US5142130A (en) Bar code reading system and bar code reading apparatus with start margin detection circuitry
JP2571683B2 (ja) 符号読取装置の信号増幅回路
US6480311B1 (en) Peak-hold circuit and an infrared communication device provided with such a circuit
JP3429971B2 (ja) 遠隔制御装置の光信号復調装置
JP2003152649A (ja) 光受信装置
US5508645A (en) Circuit for raising a minimum threshold of a signal detector
JP4018372B2 (ja) コンパレータ回路および赤外線信号受信装置
EP0939504B1 (en) Infrared signal receiver with attenuating circuit
KR200179443Y1 (ko) 적외선 수신장치
JP2001515602A (ja) ピーク検出装置
JPH08279784A (ja) 赤外線受信機
JP3270904B2 (ja) 赤外線リモートコントロールセンサ
EP1322082A1 (en) DC bias control circuit for an optical receiver
JPH0646116Y2 (ja) クロツクパルス抽出回路
JPS58114637A (ja) 光パルス受信器
JP3182164B2 (ja) パルス復調回路
JPS62284519A (ja) 信号検出回路
JP3563667B2 (ja) 信号復調回路及びそれを用いた光信号受信装置
CA1234872A (en) Edge detection using dual trans-impedance amplifier
JPS592212B2 (ja) 光pcm受信器の信号断検出回路
JPS6129078Y2 (ja)
JPH0260101B2 (ja)
JP2545848B2 (ja) 光受信回路
JP3804156B2 (ja) 受信器

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080516

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090516

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees