JP3429933B2 - 表示パネルの隔壁形成方法 - Google Patents

表示パネルの隔壁形成方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマディスプ
レイパネル(PDP)のように表示領域内に隔壁を有し
た表示パネルの製造のための隔壁形成方法に関する。
【0002】PDPは、視認性に優れた表示パネル(薄
型表示デバイス)として注目されており、ハイビジョン
分野などへの用途の拡大に向けて高精細化および大画面
化が進められている。
【0003】
【従来の技術】PDPは、一対の基板(通常はガラス
板)を微小間隙を設けて対向配置し、周囲を封止するこ
とによって内部に放電空間を形成した自己発光型の表示
パネルである。
【0004】一般に、マトリクス表示方式のPDPに
は、放電空間を仕切るように、150〜200μm程度
の高さの隔壁が設けられている。例えば、蛍光体による
カラー表示に適した面放電型PDPには、平面視直線状
の隔壁が表示のライン方向に沿って等間隔に設けられて
いる。隔壁によって放電の干渉や色再現のクロストーク
が防止される。
【0005】このような隔壁の形成方法としては、ガラ
スペーストをスクリーン印刷によって所定の高さに積み
重ね、その後に焼成する厚膜法が広く用いられている。
しかし、この方法では、画面サイズが大きくなるにつれ
て、スクリーンマスクの伸縮に起因して位置精度の確保
が困難になる。隔壁の高さのバラツキが顕著になり易
い。
【0006】そこで、従来において、サンドブラストに
よる隔壁形成が行われていた。すなわち、図5に示すよ
うに、基板90の上に一様な隔壁材料層(いわゆるベタ
膜)91を設け、さらにその上にフォトリソグラフィ法
によって所定パターンの切削マスク92を設けた後、切
削粒子(研磨材)を真上から吹きつけて隔壁材料層91
をパターニングしていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】PDPでは、隔壁間の
空間容積及び隔壁間距離(セル幅)が所定の範囲内にお
いてより大きいほどガス放電特性が良好になる。また、
隔壁間に蛍光体を設ける構造のPDPでは、隔壁で仕切
られる空間の体積及び開口率が大きいほど、蛍光体の表
面積及び総体積が増大して輝度が高まる。これらのこと
から、隔壁の間隔を狭めて高精細化を図る上で、隔壁の
高さHと幅Wとの比であるアスペクト比(H/W)を大
きくする必要がある。アスペクト比を大きくするには、
切削マスク92の幅を小さくすればよい。しかし、マス
ク幅が小さくなるにつれて剥がれやすくなる。現状では
サンドブラスト工程における耐久性の上で、マスク幅の
下限値は約50μmである。つまり、隔壁の幅の縮小に
はマスク幅の制約がある。
【0008】ところで、サンドブラストにおいては、切
削材の散乱などに起因して切削マスク92の下方の被切
削層が削られる、いわゆるアンダーカットが避けられな
い。したがって、アスペクト比を大きくするために基板
90の露出が広範囲となるまで切削を行うと、図5
(B)のように切削後の隔壁材料層91の断面形状は、
高さ方向の中央部が上部よりも極端に細い鼓状になって
しまう。このため、従来では、切削マスク92を剥離す
るときにパターニングされた隔壁材料層91の上端部9
1aが欠けたり、隔壁材料層91を焼成するときに重量
のバランスが悪いことから隔壁材料層91が中央部で曲
がり又は上端部91aが欠けたりするという問題があっ
た。隔壁の形状のバラツキは放電特性の均一性を損な
う。
【0009】本発明は、アスペクト比が大きく機械的強
度の点で有利な形状の隔壁を容易に形成することを目的
としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の隔壁形
成方法は、表示領域内の空間を仕切る隔壁を有した表示
パネルの製造に際して、基板上に第1の被切削層と第2
の被切削層とを順に形成する工程と、前記第2の被切削
層の上に切削マスクを設ける工程と、平面視における前
記第1の被切削層の最小幅が前記切削マスクの幅より小
さくなるまでアンダーカットが進行するように、サンド
ブラストによって前記第2の被切削層と第1の被切削層
とを部分的に切削する工程と、残存する前記第1及び第
2の被切削層の内、前記第1の被切削層を選択的に硬化
させる工程と、残存する前記第1及び第2の被切削層の
内、非硬化状態の前記第2の被切削層を除去する工程
と、によって前記隔壁を形成するものである。
【0011】請求項2の発明の隔壁形成方法は、表示領
域内の空間を仕切る隔壁を有した表示パネルの製造に際
して、基板上に第1の焼成材料からなる第1の被切削層
と前記第1の焼成材料よりも軟化点の低い第2の焼成材
料からなる第2の被切削層とを順に形成する工程と、前
記第2の被切削層の上に切削マスクを設ける工程と、
面視における前記第1の被切削層の最小幅が前記切削マ
スクの幅より小さくなるまでアンダーカットが進行する
ように、サンドブラストによって前記第2の被切削層と
第1の被切削層とを部分的に切削する工程と、前記切削
マスクを除去する工程と、残存する前記第1及び第2の
被切削層を前記第2の被切削層が軟化する温度で焼成す
る工程と、によって前記隔壁を形成するものである。
【0012】
【0013】サンドブラスト工程におけるアンダカット
に起因する隔壁形状の問題を解消するには、切削後に被
切削層の上端部を選択的に取り除くか、又は選択的に変
形させればよい。
【0014】被切削層の上端部の除去又は変形を容易に
するため、予め被切削層を複層構造とする。上端部を除
去する場合には、例えば焼成材料からなる第1の被切削
層と焼成温度では融解しない粉体材料を主成分とする第
2の被切削層とを積層する。切削マスクを設けてサンド
ブラストによるパターニングを行うと、アンダカットに
より積層体の断面形状は鼓状になる。ただし、上端部は
第2の被切削層からなる。その状態で焼成を行うと、第
1の被切削層のみが硬化する。非硬化状態の第2の被切
削層は、水洗やエアーブローなどにより容易に除去でき
る。第2の被切削層を除去すると、硬化した第1の被切
削層からなる隔壁が得られる。
【0015】第1及び第2の被切削層の材料は、第1の
被切削層のみを硬化させることができ、切削終了時のパ
ターニング形状を保持できるものであればよい。第1の
被切削層を選択的に硬化させる手法としては、上述のよ
うに焼成温度の異なる材料を用いる方法の他に、加熱・
電磁波照射・化学処理に対する変質特性の異なる材料を
用いる方法もある。
【0016】なお、焼成温度の異なる粉体ペーストを用
いて第1及び第2の被切削層を形成する場合において、
第2の被切削層を構成する粉体の粒径を下面側では小さ
く上面側では大きくすることにより、隔壁の上面を平坦
化することができ且つ切削マスクの剥離を防止すること
ができる。
【0017】一方、切削後に加熱によって第2の被切削
層のみを変形させて隔壁形状を適正化する場合には、第
1の被切削層よりも軟化点の低い材料を用いて第2の被
切削層を設ける。適切に加熱すると、第1の被切削層の
形状は保持されるが、第2の被切削層は軟化(すなわち
リフロー)して変形する。
【0018】なお、ここでいう基板とは、例えばガラス
板に代表される単体の支持体だけでなく、電極などの構
成要素が形成された状態のガラス板といったいわゆる電
極支持基板を含む各種の部材を意味する。
【0019】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係るPDP1の斜
視図であり、1つの画素EGに対応する部分の基本的な
構造を示している。
【0020】PDP1は、マトリクス表示形式の表示パ
ネルである。パネル外囲器を構成する基板対における前
面側のガラス基板11の内面に、基板面に沿った面放電
を生じさせるためのサステイン電極X,Yが配列されて
いる。これらのサステイン電極X,Yを放電空間30に
対して被覆するように、AC駆動のための誘電体層17
が設けられている。誘電体層17の表面には保護膜18
が蒸着されている。誘電体層17及び保護膜18はとも
に透光性を有している。サステイン電極X,Yは、透明
電極41と金属電極42とから構成されている。
【0021】一方、背面側のガラス基板21の内面に、
サステイン電極X,Yと直交するようにアドレス電極A
が配列されている。そして、これらアドレス電極Aの間
に、高さ150μmの平面視直線状の隔壁29が1つず
つ設けられている。隔壁29によって放電空間30がラ
イン方向(サステイン電極X,Yの延長方向)にサブピ
クセル毎に区画され、且つ放電空間30の間隙寸法が規
定されている。隔壁29の幅(ライン方向の平面視寸
法)は50〜90μm程度である。PDP1では、隔壁
29の側面を含めて背面側の壁面を被覆するように、カ
ラー表示のためのR,G,Bの3色の蛍光体層28が設
けられている。R,G,Bの組み合わせによるフルカラ
ー表示に際して隔壁29により領域EU間のクロストー
クが防止される。 マトリクス表示の1ラインには一対
のサステイン電極X,Yが対応し、1列には1本のアド
レス電極Aが対応する。そして、3列が1ピクセルに対
応する。つまり、1ピクセルはライン方向に並ぶR,
G,Bの3つのサブピクセルからなる。各サブピクセル
は1つのセルCからなる。アドレス電極Aとサステイン
電極Yとの間の対向放電によって、誘電体層17におけ
る壁電荷の蓄積状態が制御される。サステイン電極X,
Yに交互にサステインパルスを印加すると、壁電荷が蓄
積されているセルで面放電(主放電)が生じる。蛍光体
層28は、面放電で生じた紫外線によって局部的に励起
されて所定色の可視光を放つ。この可視光の内、ガラス
基板11を透過する光が表示光となる。なお、隔壁29
の配置パターンがいわゆるストライプパターンであるこ
とから、放電空間30の内の各列に対応した部分は、全
てのラインに跨がって列方向に連続している。
【0022】以上の構成のPDP1は、ガラス基板11
とガラス基板21とに別個に所定の構成要素を設けた
後、ガラス基板11,21を対向配置して間隙の周囲を
封止し、内部の排気と放電ガスの封入を行う一連の工程
を経て完成される。
【0023】図2は第1の実施形態の隔壁形成方法を示
す図である。PDP1の背面側の製造に際しては、ガラ
ス基板21の上に低融点ガラスペーストを印刷して乾燥
処理を施し、厚さ200μm程度の低融点ガラス層29
0(第1の被切削層)を設ける。低融点ガラス層290
は非焼成状態である。ここで用いる低融点ガラスペース
トは、軟化点が500〜600℃程度の低融点ガラスの
粉末(隔壁材料)とエチルセルロースなど樹脂バインダ
とを混合し、印刷に適した粘度となるように溶剤で希釈
したものである。乾燥処理により低融点ガラスペースト
中の溶剤が蒸発し、樹脂バインダと低融点ガラスとの混
合体からなる低融点ガラス層290が得られる。
【0024】続いて、低融点ガラス層290の上に粉体
材料ペーストを印刷して乾燥処理を施し、厚さ50μm
程度の粉体材料層300(第2の被切削層)を設ける。
粉体材料層300の膜厚及び材料組成は、後工程のサン
ドブラストで生ずるアンダカットの度合いに応じて最適
化する。粉体材料ペーストの主成分は、低融点ガラス層
290を構成する低融点ガラスよりも融点(軟化点が定
義できるものに対しては軟化点)が高い粉体、例えば、
アルミナやセラミックス(融点は約1500℃)であ
る。粉体材料層300は粉体と樹脂バインダとから構成
され、低融点ガラス層290と同様に切削に適した膜質
の層である。
【0025】粉体材料層300の表面に、厚さが30〜
50μm程度のドライフィルム状の感光性レジスト材を
ラミネータを用いて80〜100℃程度の温度で圧着す
る。そして、パターン露光及び現像処理を行って、開口
領域63を隔てて並ぶストライプパターンの切削マスク
62を形成する〔図2(A)〕。切削マスク62の幅
(ライン方向の平面視寸法)w1は50〜100μm程
度であり、開口領域63の幅w2は100〜200μm
程度である。
【0026】次に、サンドブラストによって、粉体材料
層300及び低融点ガラス層290を部分的に切削す
る。切削粒子をガラス基板21に対して真上又は斜め上
方から吹きつける。切削粒子として粒径が10〜20μ
m程度のガラス粉末などを用い、噴射媒体としてドライ
エア又は窒素ガスを用いる。噴射圧力は1.0〜3kg
/cm2 程度とする。噴射ノズルとガラス基板21とを
相対的に平行移動させることによって、表示領域の全域
の切削を行う。開口領域63のほぼ全域でガラス基板2
1が露出する時期を見計らって切削を終える〔図2
(B)〕。
【0027】この切削工程では、隔壁29をできるだけ
細くするために積極的にアンダーカットを生じさせる。
すなわち、切削終了時点で、低融点ガラス層291と粉
体材料層301とを合わせた被切削層の厚さ方向におけ
る大部分の幅w3が切削マスク62の幅w1より小さく
なるように切削条件を設定する。
【0028】サンドブラストによるパターニングに続い
て、例えば切削マスク62を残存させた状態のまま、パ
ターニング後の低融点ガラス層291をコンベア炉によ
って500〜600℃程度で焼成し、隔壁29を形成す
る〔図2(C)〕。このとき、低融点ガラスが融解する
ので、低融点ガラス層291はガラス粉体どうしが融着
した緻密な層(隔壁29)となる。これに対して、パタ
ーニング後の粉体材料層301では、樹脂バインダは燃
えて無くなるが、主成分の粉体は融解せずに残る。粉体
材料層301は、焼成処理により、粉体どうしが摩擦力
などによって辛うじて引っつき合っている極めて脆い状
態の層302になる。層302の上には切削マスク62
の燃えかす(タール)62bが付着している。
【0029】最後に層302及び燃えかす62bを、ウ
エット洗浄、エアブロー、又はサンドブラストによって
除去し、隔壁形成工程を終える。ただし、層302など
の不要物を除去した後にサンドブラストによって隔壁2
9の整形を行う場合がある。
【0030】なお、切削マスク62をアルカリ水溶液な
どを用いて剥離した後に、低融点ガラス層291の焼成
を行ってもよいが、上述のように切削マスク62を残存
させた状態で焼成を行うことにより、工程数を削減でき
るとともに、アルカリ水溶液による低融点ガラス層29
1の型崩れを避けることができる。
【0031】図3は図2における各段階の層構造の模式
図である。図3において燃えかす62bの図示は省略さ
れている。図2の隔壁形成方法において、粉体材料層3
00の下層部を構成する粉体の粒径は小さい方が良い。
目安としては、サンドブラスト処理後の被切削層の最小
幅w3〔図2(B)参照)〕の1/10以下が好まし
い。一方、切削マスク62との密着性の点で、粉体材料
層290の上層部を構成する粉体の粒径は大きい方がア
ンカー効果があるために有利である。これらのことか
ら、粉体材料層300として、比較的に粒径の小さい粉
体aを主成分とする下層310と、比較的に粒径の大き
い粉体bを主成分とする上層320とからなる複層構造
の層を設けるのが望ましい〔図3(B)参照)〕。
【0032】低融点ガラス層290を粉体材料層300
とともにサンドブラストによってパターニングして焼成
すると、上述のように低融点ガラス粒子gが融着した緻
密な構造の隔壁29が形成され、粉体材料層300は樹
脂バインダが消失した脆い層302となる。このとき、
層302の下層部において、粉体aが隔壁29の上面に
融着する〔図3(C)〕。融着した粉体aは、層302
を除去した後も残存し、隔壁29の上面を形成する。し
たがって、粉体aの粒径が小さいほど、隔壁29の上面
の平坦性が高まり、放電空間30の区画状態が良好にな
る。すなわち、マスクとの密着性が許される範囲内であ
れば粉体は小さい方が良い。密着性と平坦性の双方が満
足できれば粉体粒径は同径でも良い。つまり、層302
が単一層で良い場合もある。
【0033】図4は第2の実施形態の隔壁形成方法を示
す図である。図4において図2と同一の構成要素には同
一の符号を付してある。ガラス基板21の上に、厚さ2
00μm程度の低融点ガラス層290(第1の被切削
層)と厚さ50μm程度の低融点ガラス層400(第2
の被切削層)とを順に設ける。これらの低融点ガラス層
290,400は、ともに低融点ガラスペーストを印刷
して乾燥させたものである。低融点ガラス層400の膜
厚及び材料組成は、後工程のサンドブラストで生ずるア
ンダカットの度合いに応じて最適化する。低融点ガラス
層290の主成分は、軟化点が500〜600℃程度の
低融点ガラスの粉末である。これに対して、低融点ガラ
ス層400の主成分は、軟化点が低融点ガラス層290
の主成分と比べて5〜50℃程度低い低融点ガラスの粉
末が良い。
【0034】低融点ガラス層400の表面に、ドライフ
ィルム状の感光性レジストを圧着し、フォトリソグラフ
ィによってストライプパターンの切削マスク62を形成
する〔図4(A)〕。
【0035】次に、サンドブラストによって、低融点ガ
ラス層400及び低融点ガラス層290を部分的に切削
する。ガラス基板21が適度に露出する時期を見計らっ
て切削を終える〔図4(B)〕。本実施形態において
も、隔壁29をできるだけ細くするために積極的にアン
ダーカットを生じさせる。すなわち、切削終了時点で、
低融点ガラス層291と低融点ガラス層401とを合わ
せた被切削層の厚さ方向における大部分の幅w3が切削
マスク62の幅w1より小さくなるように切削条件を設
定する。
【0036】サンドブラストによるパターニングを終え
ると、切削マスク62を除去する〔図4(C)〕。そし
て、パターニング後の低融点ガラス層291及び低融点
ガラス層401を500〜600℃程度で焼成し、隔壁
29を形成する〔図4(C)〕。焼成により、低融点ガ
ラス層291は、ガラス粉体どうしが融着した緻密な低
融点ガラス層292となる。その際、ガラス粉体の流動
は起こらず、低融点ガラス層291の形状はほぼ維持さ
れる。一方、低融点ガラス層401は、流動性が高まっ
てリフロー状態になる。この結果、表面張力により低融
点ガラス層401の上端の突起が無くなり、欠けの生じ
にくい形状の低融点ガラス402が形成される。図4の
方法による場合、隔壁29は低融点ガラス292と低融
点ガラス層402とから構成される。低融点ガラス層4
01の軟化により、マトリクス表示の列方向における隔
壁29の上面の平滑性が良好となり、放電空間30のサ
ブピクセル間の気密性が格段に向上する。
【0037】上述の図2及び図4の実施形態によれば、
PDP1の前面側から見た隔壁間領域の面積(開口面
積)が従来と比べて増大し、表示の輝度が高まる。すな
わち、サンドブラストの終了時点では、アンダカットの
結果として被切削層の上端が厚さ方向の中央部より開口
領域63側に張り出している。しかし、最終的には、上
端部の幅が最小であり且つ全体として切削マスク62よ
り細い隔壁29が得られる。なお、本発明は、PDP以
外の表示パネルにも適用可能である。
【0038】
【発明の効果】請求項1又は請求項の発明によれば、
アスペクト比が大きく機械的強度の点で有利な形状の隔
壁を容易に形成することができる。また、複数の隔壁を
配列する場合において、各隔壁の上端間の距離を切削マ
スクの開口寸法より大きくすることができる。
【0039】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るPDPの斜視図である。
【図2】第1の実施形態の隔壁形成方法を示す図であ
る。
【図3】図2における各段階の層構造の模式図である。
【図4】第2の実施形態の隔壁形成方法を示す図であ
る。
【図5】従来の隔壁形成方法を示す図である。
【符号の説明】
1 PDP(表示パネル) 21 ガラス基板(基板) 29 隔壁 30 放電空間(表示領域内の空間) 62 切削マスク 290 低融点ガラス層(第1の被切削層) 291 低融点ガラス(残存する第1の被切削層) 300 粉体材料層(第2の被切削層) 301 粉体材料層(残存する第2の被切削層) 302 粉体材料層(非硬化状態の第2の被切削層) 400 低融点ガラス層(第2の被切削層) 401 低融点ガラス層(残存する第2の被切削層) w1 切削マスクの幅 w3 幅(最小幅)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小坂 忠義 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−95328(JP,A) 特開 平4−58436(JP,A) 特開 平7−45190(JP,A) 特開 平5−234514(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 9/02 H01J 9/14

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表示領域内の空間を仕切る隔壁を有した表
    示パネルの製造に際して、 基板上に第1の被切削層と第2の被切削層とを順に形成
    する工程と、 前記第2の被切削層の上に切削マスクを設ける工程と、平面視における前記第1の被切削層の最小幅が前記切削
    マスクの幅より小さくなるまでアンダーカットが進行す
    るように、 サンドブラストによって前記第2の被切削層
    と第1の被切削層とを部分的に切削する工程と、 残存する前記第1及び第2の被切削層の内、前記第1の
    被切削層を選択的に硬化させる工程と、 残存する前記第1及び第2の被切削層の内、非硬化状態
    の前記第2の被切削層を除去する工程と、によって前記
    隔壁を形成することを特徴とする表示パネルの隔壁形成
    方法。
  2. 【請求項2】表示領域内の空間を仕切る隔壁を有した表
    示パネルの製造に際して、 基板上に第1の焼成材料からなる第1の被切削層と前記
    第1の焼成材料よりも軟化点の低い第2の焼成材料から
    なる第2の被切削層とを順に形成する工程と、 前記第2の被切削層の上に切削マスクを設ける工程と、平面視における前記第1の被切削層の最小幅が前記切削
    マスクの幅より小さくなるまでアンダーカットが進行す
    るように、 サンドブラストによって前記第2の被切削層
    と第1の被切削層とを部分的に切削する工程と、 前記切削マスクを除去する工程と、 残存する前記第1及び第2の被切削層を前記第2の被切
    削層が軟化する温度で焼成する工程と、によって前記隔
    壁を形成することを特徴とする表示パネルの隔壁形成方
    法。
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