JP3429865B2 - 大空間領域の空調方法 - Google Patents
大空間領域の空調方法Info
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Description
領域を空調する方法に係り、特に、空調空気の供給方法
に特徴を有する空調方法に関するものである。
る大空間領域の空調にあっては、一般に、室内の天井面
や壁面上部に対して複数の吹出し口を配設すると共に、
床面若しくは床面に近い平面にガラリ等からなる吸込み
口を設けて、対象とする大空間領域に所定の空調空気を
供給すると共に換気を実施している。
口は、到達距離を稼ぐために、ノズル型吹出し口やスリ
ット型吹出し口が使用され、その吹出し方向を、例え
ば、大空間領域の中央方向に向けるために開口面に対し
て垂直方向に設定され、吹出し方向を調整した後は、一
般に固定されている。
ような空調では各吹出し口からの吹出し方向が固定さ
れ、各設定された方向を中心として放射状にのみ空調空
気が吹出しているため、気流がうまく拡散することな
く、室内気流分布にむらが出来やすい。このために、温
度分布を均一にすることが困難である。
等では、実施するイベント(スポーツ観戦やクラッシッ
ク鑑賞等)等、使用する状況によって要求される気流分
布や温度分布等が相違するが、上記のような空調構成で
は、使用状況や使用中の変化に応じた気流分布を形成す
ることが困難である。本発明は、上記のような問題点に
着目してなされたもので、大空間領域に、使用状況に応
じた最適な気流分布を形成可能とすることを目的として
いる。
に、本発明の空調方法は、請求項1に記載されているよ
うに、中央及び左右にそれぞれ傾いて延びる3本の吹出
しノズルを備え該3本の吹出しノズルからの各吹出しを
調整することで吹出し方向を可変制御可能な空調用吹出
し口を、大空間領域における客席設置空間や多数の人間
が集合する空間の外周域に沿って複数,配設し、上記空
間に形成したい気流分布に応じて、各吹出し口からの空
調空気の吹出し方向を変更することを特徴としている。
に、上記各吹出し口の左右にそれぞれ傾いて延びる2本
の吹出しノズルの一方のノズルから空調空気を吹き出さ
せることで、上記各吹出し口からの空調空気の吹出し方
向を、それぞれ隣の吹出し口側に傾ける。または、請求
項3に記載されているように、3本の吹出しノズルから
の吹出しを周期的に変更することで、上記各吹出し口に
おける吹出し方向を、それぞれ周期的に変更して周期的
な気流変化を発生させる。
空間領域内に形成したい気流分布に応じて吹出し口の向
きを随時,変更し、各吹出し方向を最適な方向に調整す
る。そして、外周域に沿って吹出し口が設定されている
ので、大空間領域における、少なくとも外周域に沿った
空間に対して最適な気流分布を設定することができる。
く存在するであろう空間に沿って設定されて、大空間領
域における客の存在する空間が最適に空調される。例え
ば、請求項2に記載したように設定することで、各吹出
し口からの空調空気は、それぞれ隣合う吹出し口方向に
吹き出す。このとき、吹出し口は外周域に沿って配置さ
れているので、各吹出し口から吹き出す空調空気は該外
周域に沿って流れ、略外周域に沿った流れ、即ち旋回気
流が、客席設置空間や多数の人間が集合する空間に形成
される。
循環が生じることで、客席等にいる人間に,この気流を
感じさせることにより、爽快感を与えて快適性が向上す
ると共に、体感温度が下がることで、空調のためのエネ
ルギー消費が低く抑えられる。このように、大空間領域
のうち、少なくとも空調が必要とする空間を重点的に、
最適な状態に空調される。
御することで、空調空気による変動風が、該外周域に近
い空間に発生して、その空間にいる人間に対して自然な
揺らぎを持った気流を感じさせることで、爽快感を与え
て快適性を向上させると共に、気流によって体感温度が
下がるので空調のためのエネルギー消費が低く抑えられ
る。
とも空調が必要とする空間が重点的に最適な状態に空調
される。
本実施例における空調の対象は、図1及び図2に示すよ
うなドームによって構成される大空間領域であって、中
央の空間が競技場等を開催する開催空間1を構成し、そ
の開催空間1を囲むようしてドーナツ状に客席設置空間
2が構成されている。
一階客席空間2aと二階客席空間2bとから構成されて
いる。その各客席空間には、それぞれ観覧席等のスタン
ドが、各客席設置空間2に沿って配設されている。その
スタンドとその後方に位置するコンコース3との間の外
周域に沿って、図3に示すように、複数の吹出し口4が
配列している。
となって吹出し方向が可変制御可能となっていると共
に、図示しない空調機に接続している給気ダクト5から
の空調空気を吹き出す。次に、上記構成の空調を使用し
た空調方法について説明する。各吹出し口4からの吹出
し方向を、右隣の吹出し口4側に傾いた方向に吹き出す
と、一階客席空間2a及び二階客席空間2bに、それぞ
れ、図4に示すような、右回りの旋回気流が発生する。
記旋回気流による気流に触れて爽快感を感じる。また、
上記気流によって客席空間2a,2bにおける体感温度
が低くなるので、冷房運転時における空調エネルギーの
消費量が低減可能となり省エネに繋がる。また、上記の
ように、空調空気による気流は各客席空間2a,2bに
沿った旋回気流となるので、各客席空間2a,2bの温
度分布が均一となる。
気流到達距離が変動するが、吹出し風量を変化させるこ
とで上記変動を吸収し、確実に、各客席空間2a,2b
における最前列のスタンド位置まで気流が到達するよう
にする。また、各客席空間2a,2bに変動風を発生し
たい場合には、吹出し方向を周期的に変化させる。
される気流分布が経時的に変動し、該客席空間2a,2
bに自然な揺らぎをもった気流を発生可能となる。これ
によって、各客席空間2a,2bにいる人間に対して自
然な気流を感じさせ、爽快感を付与することで快適性を
向上させる。同時に、気流によって体感温度が下がるの
で、冷房運転時における空調エネルギーの消費量が低減
可能となり省エネに繋がる。
て使用する場合には、大空間領域の中央部に人が集まる
ので、図5に示すように、大領域空間全域を空調するよ
うに、従来と同様に、各吹出し口4による吹出し方向
を、それぞれ大領域空間の中央方向に向くように各吹出
し口4を調整する。そして、各吹出し口4から大空間領
域に向けて空調空気を吹き出させることで、大空間領域
に固定風を形成する。
出し口4からの吹出しを停止し、1階客席空間2a外周
域に配設した吹出し口4からの吹出しだけで行う。勿
論、2階客席空間2bに配置した吹出し口4からの吹出
しを併用してもよい。なお、上記実施例では、開催空間
1を囲むように客席設置空間2が構成された場合で説明
しているが、劇場やクラッシックコンサート等のよう
に、開催空間1と客席空間2a,2bとが対置する構成
で大空間領域を使用する場合には、図6及び図7に示す
ように、使用する客席空間2a,2bの円弧状の外周域
に沿って設置された吹出し口4のみを使用して、従来と
同様に、上記固定風で、且つ低風速吹出しにて空調空間
を供給する。若しくは、低風速にて上記変動風を客席空
間2a,2bに供給するようにする。
別の空調系統にて実施する。なお、低速風とするのは、
空調騒音を抑える等のためである。また、上記実施例で
は、客席空間2a,2bに設置されたスタンドとコンコ
ース3との間に空調用吹出し口4を設置しているが、コ
ンコース3外周域を構成する壁部に沿って、別途、吹出
し方向が可変の空調用吹出し口4を配列して、コンコー
ス3に対しても、上記旋回気流や変動風状の気流を発生
させて、コンコース3の気流分布も最適に調整可能とし
てもよい。
と、図8に示すように、ダクト部6aや給気ダクト5自
体に連通するボックス状の閉塞したチャンバー7からス
タンド側に向けて3本の吹出しノズル21,22,23
を分岐させ、独立柱の側壁に開口させる。3本の吹出し
ノズル21,22,23は中央に向いている中央ノズル
22と、左右に傾いて延びる左右のノズル21,23と
から構成される。また、チャンバー7内には、各吹出し
ノズル21,22,23への風量を調整可能な絞り機構
を備えた3組のダンパー24が設けられ、図示しないコ
ントローラ12からの指令によって、絞りが調整可能と
なっている。
例えば、図10に示すように、右側の吹出しノズル21
のダンパー24を図9(b)の如く全開とすると共に、
中央と左側の吹出しノズル22,23用のダンパー24
を図9(a)の如く絞って閉じる。これによって、各吹
出し口4から右隣側の吹出口側に傾いた方向にだけ空調
空気が吹出して上記のような旋回気流が発生する。
図11に示すように、開口する吹出しノズル21,22
を、右→中央→左→右→中央・・・の如く周期的に変更
することで、図12のような周期的な気流変化を発生さ
せる。なお、上記サイクルは、右→中央→左→中央→右
→中央・・・の順番であってもよい。また、上記固定風
を発生したい場合には、中央の吹出しノズル22だけを
又はノズル21,22,23を同時に開いて実施する。
しノズル21,22用のダンパー24の絞り具合によっ
て風量を調整して、吹出し温度による気流到達距離の変
化を吸収する。また、上記空調用吹出し口4では、ダン
パー24として絞り機構を有するダンパー24を使用し
たもので説明しているが、これに限定されるものではな
く、例えば、図13に示すように、羽根板式のダンパー
30によって実施してもよい。
2つの可動羽根板30a,30bから構成されていて、
チャンバー7内における3つの吹出しノズル21,2
2,23の分岐孔における中央と右側との間、及び中央
と左側との間に、それぞれ軸支され、一方の羽根板30
aで中央の分岐孔又は右側の分岐孔のいずれか一方を閉
じることができ、他方の羽根板30bで中央の分岐孔又
は左側の分岐孔のいずれか一方を閉じることが可能とな
る。
板30a,30bで中央の分岐孔と左側の分岐孔を閉じ
ることで右側の吹出しノズル21だけから吹出し可能と
なり、また、図15に示すように、2枚の羽根板30
a,30bで左側の分岐孔と右側の分岐孔を閉じること
で中央の吹出しノズル22だけから吹出し可能となり、
図16に示すように、2枚の羽根板30a,30bで右
側の分岐孔と中央の分岐孔を閉じることで左側の吹出し
ノズル23だけから吹出し可能となる。
による閉じる分岐孔を適当に選択することで、上記のよ
うに、選択された一つの吹出しノズル21,22,23
から空調空気が吹き出されて、目的とした気流分布を制
御可能となる。
間領域の空調方法では、各吹出し口の吹出し方向を可変
としたので、使用状況に応じた適切な気流分布を、大空
間領域における客席等、人が集合する空間に形成可能と
なり、使用状況に応じて、大空間領域を最適に空調する
ことが可能となるという効果がある。
ることで、外周域に沿った客席設定空間等の空間に空調
空気の旋回気流が生じ、該空間に位置する人間に上記旋
回気流を感じさせることにより快適性が向上すると共
に、気流が触れることで体感温度が下がり、もって空調
のためのエネルギー消費が低く抑えられることが可能と
なる。このように、大空間領域のうち、少なくとも空調
が必要とする空間を重点的に、最適な状態に空調される
という効果がある。
御することで、空調空気による変動風が、該外周域に近
い客席設定空間等の空間に発生して、その空間内にいる
人間に対して自然な揺らぎを持った気流を感じさせるこ
とで快適性を向上させると共に、気流によって体感温度
が下がるため空調のためのエネルギー消費が低く抑えら
れることが可能となる。このように、大空間領域のう
ち、少なくとも空調が必要とする空間が重点的に最適な
状態に空調されるという効果がある。
ーム及び吹出し口からの吹出しを示す側面図である。
ーム及び吹出し口の配列状態を示す平面図である。
す図である。
大空間領域の状態を示す図である。
び吹出し口からの吹出しを示す側面図である。
び吹出し口からの吹出しを示す平面図である。
略平面図である。
ダンパーの絞り状態を示す図であり、(a)が絞って閉
じた状態を、(b)が絞りを緩めて開いた状態をそれぞ
れ示している。
に吹き出す状態を示す図である。
風を発生させるときのサイクルを示す図である。
有する空調用吹出し口を示す図である。
を示す図である。
を示す図である。
を示す図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 中央及び左右にそれぞれ傾いて延びる3
本の吹出しノズルを備え該3本の吹出しノズルからの各
吹出しを調整することで吹出し方向を可変制御可能な空
調用吹出し口を、大空間領域における客席設置空間や多
数の人間が集合する空間の外周域に沿って複数,配設
し、上記空間に形成したい気流分布に応じて、各吹出し
口からの空調空気の吹出し方向を変更することを特徴と
する大空間領域の空調方法。 - 【請求項2】 上記各吹出し口の左右にそれぞれ傾いて
延びる2本の吹出しノズルの一方のノズルから空調空気
を吹き出させることで、上記各吹出し口からの空調空気
の吹出し方向を、それぞれ隣の吹出し口側に傾けたこと
を特徴とする請求項1に記載された大空間領域の空調方
法。 - 【請求項3】 3本の吹出しノズルからの吹出しを周期
的に変更することで、上記各吹出し口における吹出し方
向を、それぞれ周期的に変更して周期的な気流変化を発
生させることを特徴とする請求項1に記載された大空間
領域の空調方法。
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1994
- 1994-08-31 JP JP20639794A patent/JP3429865B2/ja not_active Expired - Fee Related
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