JP3429699B2 - 門扉取付用ヒンジ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【発明の属する技術分野】この発明は、門柱等に門扉を
取付けるために使用される門扉取付用ヒンジに関するも
のであり、特に門扉取付用ヒンジを介して門扉を門柱に
蝶着した後に、門柱に対する門扉の前後・左右位置を調
整可能な門扉取付用ヒンジに関するものである。 【０００２】 【従来の技術】従来、門柱等に門扉を取付けるにあたっ
て、ヒンジ軸を設けた門扉取付用ヒンジを門柱等に取付
け、門扉に設けたヒンジ金具の軸孔にヒンジ軸を挿入
し、門扉を門柱に対して回動自在に蝶着したものがあ
る。しかしながら、門柱の位置が正確に施工されていな
い場合、片開き式門扉にあっては戸当り柱と、両開き式
門扉にあっては一方の門扉の戸当り框と門扉の戸当り端
が正確に当接せず、門扉の戸当り端と戸当り柱あるいは
一方の門扉の戸当り框の間に隙間を生じたり、門扉が閉
まらないといった不具合を生じるものであった。 【０００３】そのため、門扉取付用ヒンジに設けたヒン
ジ軸の位置を螺子手段により調節可能とし、門柱に門扉
を取付けた後においても、ヒンジ軸の位置を調節可能と
した門扉取付用ヒンジが提案されている（例えば特開平
７−３１７４７４号公報、同８−４４６０号公報、同８
−１５１８８１号公報、同８−１９９８９０号公報、実
公平６−４８０８０号公報、実用新案登録第２５５４１
５１号公報）。 【０００４】さらに、ベースプレートには支持部材を溶
接するための溶接代を設ける必要があり、ベースプレー
トが門柱の下端の全周囲から突出し、塀等の端部に門柱
を並設する場合、門柱の下端からベースプレートが突出
する距離だけ門柱を塀から離間して据え付けなければな
らず、塀と門柱との間に隙間が生じ、外観を悪化させる
ものであった。特にマンション等の集合住宅において
は、予め塀等が出来上がった後に、塀等の側端部に門柱
を据え付けるので、門柱と塀との隙間を除去し難いもの
であった。 【０００５】また、ヒンジ軸の位置を調整する場合、支
持アーム部材を門柱取付部材に固定するネジを緩めた状
態として、支持アーム部材のヒンジ軸に枢着している門
扉自体を動かすことにより、ヒンジ軸の位置調節を行う
ため、ヒンジ軸の位置を微調節することが極めて困難な
ものであった。 【０００６】 【課題を解決するための手段】本発明者等はこのような
事情に鑑み鋭意検討を重ねた結果、アルミニウム製型材
からなる中空断面方形状の門柱の下端にベースプレート
を固着し、ベースプレートを所定位置に施したアンカー
部材と連結する門柱の据え付け構造において、門柱の隅
角部における内壁面から内方に向けて一対の連結片を突
出し、一対の連結片が交差する位置にビスホールを一体
的に形成し、ベースプレートの幅を門柱の幅とほぼ同一
とすると共に奥行長を門柱の奥行長より大きくし、ベー
スプレートに門柱のビスホールの位置に対応する透孔を
穿設し、該透孔に挿通したタッピングビスをビスホール
に螺入して門柱とベースプレートを固着し、ベースプレ
ートの奥行方向における門柱下端から突出する部位をア
ンカー部材に連結し、塀等の端部に門柱の側面を密接し
て据え付けたことにより、所期の目的を達成しうること
を認め本発明を完成するに至った。 【０００７】 【課題を解決するための手段】本発明者等はこのような
事情に鑑み鋭意検討を重ねた結果、門扉取付側が開口す
る第一ガイド部を形成した門柱取付部材と、前記第一ガ
イド部に基端部が内嵌し第一ガイド部に沿って移動自在
なスライド部材と、スライド部材の先端部に外嵌し且つ
第一ガイド部と直交する第二ガイド部が基端部に形成さ
れた支持アーム部材と、支持アーム部材の先端部に設け
られ門扉に設けたヒンジ金具が枢着されるヒンジ軸とを
有し、第一ガイド部内に位置するスライド部材の基端部
に向けて突出した幅方向調整用ネジ軸を門柱取付部材に
軸支し、幅方向調整用ネジ軸のネジ部をスライド部材の
基端部に穿設した第一ネジ孔に螺合し、第二ガイド部内
に位置するスライド部材の先端部に向けて突出した前後
方向調整用ネジ軸を支持アーム部材に軸支し、前後方向
調整用ネジ軸のネジ部をスライド部材の先端部に第一ネ
ジ孔と直交する方向で穿設した第二ネジ孔に螺合し、ス
ライド部材の中間部あるいは門柱取付部材の第一ガイド
部の何れか一方に第一長孔を形成し、該第一長孔に挿通
して門柱取付部材とスライド部材を締着する第一固定ネ
ジ部材をスライド部材の中間部あるいは門柱取付部材の
第一ガイド部の何れか他方に軸支し、スライド部材の先
端部あるいは支持アーム部材の第二ガイド部の何れか一
方に第二長孔を形成し、該第二長孔に挿通して支持アー
ム部材とスライド部材とを締着する第二固定ネジ部材を
スライド部材の先端部あるいは支持アーム部材の第二ガ
イド部の何れか他方に軸支したことにより、所期の目的
を達成しうることを認め本発明を完成するに至った。 【０００８】 【作用】この発明によれば、門柱取付部材の第一ガイド
部にはスライド部材の基端部が内嵌され、スライド部材
は第一ガイド部に沿って移動可能とされているので、ス
ライド部材は第一ガイド部に沿った直線方向にのみ移動
可能であり、門柱取付部材の第一ガイド部はスライド部
材の直線的な動きを許容する空間に抑えることができ、
門柱取付部材を小型化することが可能である。 【０００９】さらに、支持アーム部材先端に設けられた
ヒンジ軸の位置は、幅方向調整用ネジ軸と前後方向調整
用ネジ軸を軸回転させることにより調節できるので、門
扉を取付けた状態においても、これらのネジ軸を軸回転
することによりヒンジ軸の位置が調節可能であり、門扉
自体を動かすことなく、ヒンジ軸の位置の微調節が可能
となる。 【００１０】ベースプレート１の幅ｗ１は、門柱３の幅
ｗ３と略同一となっている。一方、ベースプレート１の
奥行長ｄ１は門柱３の奥行長ｄ３より大きく形成されて
おり、ベースプレート１の奥行方向における門柱３から
突出する部位には固定部１２が形成され、固定部１２に
は透孔１１が穿設されている。ベースプレート１の中央
部には、門柱３に形成したビスホール３３の位置に対応
して透孔１３が全部で４つ穿設されている。 【００１１】スライド部材３の基端部３１には第一ネジ
孔３２が穿設されており、第一ネジ孔３２に門柱取付部
材２に軸支され、第一ガイド部２１内に突出する幅方向
調整用ネジ軸９のネジ部９１が螺合している。幅方向調
整用ネジ軸９の頭部付近にはネジ山のない軸部９２が形
成されており、軸部９２は門柱取付部材２の透孔２２に
位置しており、ネジ部９１の根部には抜け止めリング９
３が設けられている。そして、幅方向調整用ネジ軸９は
門柱取付部材２に対して移動不能であるが、軸回転可能
となって設けられている。 【００１２】さらに、スライド部材３の中間部３３には
第一長孔３４が穿設されており、門柱取付部材２に軸支
した第一固定ネジ部材１０を第一長孔３４に挿通して、
スライド部材３と門柱取付部材２を締着可能に構成され
ている。なお、第一固定ネジ部材１０はスライド部材３
と門柱取付部材２を固着するものであるため、第一長孔
を門柱取付部材２に形成し、第一固定ネジ部材１０をス
ライド部材３に軸支しても構わない。 【００１３】スライド部材３の先端部３５は支持アーム
部材４の基端部４１に形成した第二ガイド部４２に内嵌
しており、スライド部材３の先端部３５が第二ガイド部
４２内に沿って移動可能となっている。なお、第二ガイ
ド部４２は第一ガイド部２１と直交する向きに形成され
ている。支持アーム部材４の先端部４３には前後方向調
整用ネジ軸１１が軸支され、前後方向調整用ネジ軸１１
のネジ部１１１が第二ガイド部４２内に突出している。
スライド部材３の先端部には第二ネジ孔３６が穿設さ
れ、前後方向調整用ネジ軸１１のネジ部１１１が螺合し
ている。前後方向調整用ネジ軸１１も幅方向調整用ネジ
軸９と同様に頭部付近にはネジ山のない軸部１１２が形
成されており、軸部１１２が支持アーム部材４の透孔４
４に挿通され、ネジ部１１１の根部には抜け止めリング
１１３が設けられている。従って、前後方向調整用ネジ
軸１１も支持アーム部材４に対して移動不能であるが、
軸回転可能となっている。 【００１４】支持アーム部材４の中間部４５には第二長
孔４６が穿設されており、スライド部材３の先端部３５
に穿設したネジ孔３７に螺合する第二固定ネジ部材１２
が挿通している。従って、スライド部材３と支持アーム
部材４は第二固定ネジ部材１２により締着可能となって
いる。なお、第二固定ネジ部材１２はスライド部材３と
支持アーム部材４を固着するものであるため、長孔をス
ライド部材３に形成し、第二固定ネジ部材１２を支持ア
ーム部材４に軸支しても構わない。 【００１５】支持アーム部材４の先端部４３には軸孔４
７が上下方向に貫通して穿設されており、軸孔４７には
ヒンジ軸５が挿入され、ヒンジ軸５の下部に穿設された
ネジ孔５１に螺合するネジ１３により支持アーム部材４
にヒンジ軸５が固着されている。ヒンジ軸５の軸部５２
には門扉８の吊元側に固着したヒンジ金具１４が外嵌
し、門扉８がヒンジ軸５を中心として回動可能に枢着さ
れる。なお、図中１５は門柱取付部材２を覆う樹脂製の
カバー部材である。 【００１６】以上の構成からなる門扉取付用ヒンジ１に
よれば、ヒンジ軸５の位置を調節するに当って、幅方向
調整用ネジ軸９を軸回転することにより、ネジ部９１と
第一ネジ孔３２の螺合位置が変化して、スライド部材３
が第一ガイド部２１に沿って移動し、スライド部材３の
先端部に設けられた支持アーム部材４が門扉８の幅方向
に移動し、支持アーム部材４に固着されたヒンジ軸５も
門扉８の幅方向に移動する。そして、門扉８の幅方向に
おける位置が調節された後、第一固定ネジ部材１０を締
付けることにより、スライド部材３を門柱取付部材２に
対して移動不能に締着する。 【００１７】次いで、前後方向調整用ネジ軸１１を軸回
転することにより、ネジ部１１１と第二ネジ孔３６の螺
合位置が変化して、スライド部材３が第二ガイド部４２
に沿って移動し、支持アーム部材４に対するスライド部
材３の位置が変化して支持アーム部材４が門扉８の前後
方向に移動し、支持アーム部材４に固着されたヒンジ軸
５も門扉８の前後方向に移動する。そして、門扉８の前
後方向における位置が調節された後、第二固定ネジ部材
１２を締付けることによって、支持アーム部材４をスラ
イド部材３に対して移動不能に締着し、ヒンジ軸５の位
置調節が完了する。本実施例によれば、幅方向調整用ネ
ジ軸９と前後方向調整用ネジ軸１１を軸回転することに
よりヒンジ軸５の位置が調節可能なので、門扉８自体を
動かすことなく、ヒンジ軸５の位置の微調節が容易行え
る。 【００１８】 【発明の効果】この発明は、門扉取付用ヒンジを小型化
できると共に、門扉を取付けた後においても、幅方向調
整用ネジ軸と前後方向調整用ネジ軸により、ヒンジ軸の
位置調節を容易に行うことができる。

【図面の簡単な説明】 【図１】 本発明門扉取付用ヒンジの正面図 【図２】 本発明門扉取付用ヒンジの左側面図 【図３】 本発明門扉取付用ヒンジの右側面図 【図４】 本発明門扉取付用ヒンジを門柱に取付けた状
態を示す平面図 【図５】 図１におけるＡ−Ａ線断面図 【図６】 本発明門扉取付用ヒンジの使用状態を示す平
面図 【図７】 門扉を取付けた状態を示す全体図 【符号の説明】 １ ベースプレート ３ 門柱 ４ アンカー部材６ タッピングビス７ 塀等の端部 １３ 透孔 ３３ ビスホール ３２ 連結片 ３１ 内壁面

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】 門扉取付側が開口する第一ガイド部を形
   成した門柱取付部材と、前記第一ガイド部に基端部が内
   嵌し第一ガイド部に沿って移動自在なスライド部材と、
   スライド部材の先端部に外嵌し且つ第一ガイド部と直交
   する第二ガイド部が基端部に形成された支持アーム部材
   と、支持アーム部材の先端部に設けられ門扉に設けたヒ
   ンジ金具が枢着されるヒンジ軸とを有し、第一ガイド部
   内に位置するスライド部材の基端部に向けて突出した幅
   方向調整用ネジ軸を門柱取付部材に軸支し、幅方向調整
   用ネジ軸のネジ部をスライド部材の基端部に穿設した第
   一ネジ孔に螺合し、第二ガイド部内に位置するスライド
   部材の先端部に向けて突出した前後方向調整用ネジ軸を
   支持アーム部材に軸支し、前後方向調整用ネジ軸のネジ
   部をスライド部材の先端部に第一ネジ孔と直交する方向
   で穿設した第二ネジ孔に螺合し、スライド部材の中間部
   あるいは門柱取付部材の第一ガイド部の何れか一方に第
   一長孔を形成し、該第一長孔に挿通して門柱取付部材と
   スライド部材を締着する第一固定ネジ部材をスライド部
   材の中間部あるいは門柱取付部材の第一ガイド部の何れ
   か他方に軸支し、スライド部材の先端部あるいは支持ア
   ーム部材の第二ガイド部の何れか一方に第二長孔を形成
   し、該第二長孔に挿通して支持アーム部材とスライド部
   材とを締着する第二固定ネジ部材をスライド部材の先端
   部あるいは支持アーム部材の第二ガイド部の何れか他方
   に軸支したことを特徴とする門扉取付用ヒンジ。