JP3429552B2 - 外部電源端子付光学装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、電力の供給を受けるた
めの外部電源端子を備えた光学装置に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】図３は、従来の外部電源端子付光学装
置、具体的には双眼鏡を示す斜視図である。この双眼鏡
は内部に大きな電力を消費する部品（図示せず）を有し
ており、この部品に電力を供給するために外部電源端子
１が設けられている。この外部電源端子１にコネクタ２
を取り付けることにより、電源コード３を介して電力が
供給される。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ここで、電源コード３
は柔軟な構造となっているため、この双眼鏡によって観
察、監視、警備等を行っている間には電源コード３が対
物レンズ系４の前方に来てしまい、接眼レンズ系９から
見える双眼鏡の視野が電源コード３によって妨げられる
場合がある。このような場合がしばしば生じるようであ
ると、観察等の能率を著しく低下させることになる。

【０００４】そこで、本発明の目的は、電源コードが双
眼鏡の視野を妨げることがないようにすることにより、
観察、監視、警備等を能率的に行うことができる外部電
源端子付光学装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項１に係る発明は、筺体に固着された対物レン
ズ系及び接眼レンズ系と、電力の供給を受けるための外
部電源端子と、外部電源端子を使用していないときにこ
れを塞ぐキャップと、キャップと筺体とを接続すること
によりキャップが筺体から分離しないようにするキャッ
プ接続部とを備えており、キャップを取り付けるキャッ
プ取付部がキャップ接続部に設けられ、キャップをキャ
ップ取付部に取り付けたときにキャップ接続部によって
空間が形成され、この空間は、これに外部電源端子に電
力を供給する電源コードを通したときに電源コードが対
物レンズ系に入る光の光路を遮らない状態になるもので
ある。

【０００６】また、請求項２に係る発明は、互いに直交
する２つの回動軸を有するジンバル懸架装置と、対物レ
ンズ系及び接眼レンズ系の間に配置され、ジンバル懸架
装置を介して筺体に装着され、チルティング方向及びパ
ンニング方向に揺動自在となっている正立プリズムと、
ジンバル懸架装置を介して筺体に装着され、チルティン
グ方向及びパンニング方向に揺動自在となっている慣性
体支持部と、慣性体支持部に対して高速回転する慣性体
とをさらに備え、像安定機能を有する外部電源端子付光
学装置に関するものである。

【０００７】

【作用】本発明においては、外部電源端子のキャップを
外部電源端子から外してキャップ取付部に取り付けたと
きに、キャップ接続部によって空間が形成されるように
なっている。そして、この空間に電源コードを通したと
きに、電源コードが対物レンズ系に入る光の光路を遮ら
ない状態になる。従って、電源コードが双眼鏡の視野を
妨げることがなくなり、観察、監視、警備等を能率的に
行うことができる。

【０００８】

【実施例】以下、添付図面に沿って本発明の実施例につ
いて説明する。なお、図面において同一又は相当部分に
は同一符号を用いるものとする。

【０００９】図１は、本発明に従って構成された外部電
源端子付光学装置、具体的には像安定機能を有する双眼
鏡の構成を示す斜視図である。像安定機能を有する双眼
鏡については、例えば特公昭５７−３７８５２号公報に
記載されている。この双眼鏡は、互いに直交する２つの
回動軸を有するジンバル懸架装置（図示せず）と、対物
レンズ系４及び接眼レンズ系９の間に配置され、ジンバ
ル懸架装置を介して筺体１０に装着され、チルティング
方向及びパンニング方向に揺動自在となっている正立プ
リズム（図示せず）と、ジンバル懸架装置を介して筺体
１０に装着され、チルティング方向及びパンニング方向
に揺動自在となっている慣性体支持部（図示せず）と、
慣性体支持部に対して高速回転する慣性体（図示せず）
とをさらに備えている。これらの構成要素によって、こ
の双眼鏡の像安定機能が達成される。この双眼鏡におい
ては慣性体を高速回転させるためにモータが用いられて
おり、このモータに電力を供給するために外部電源端子
１が設けられている。この外部電源端子１にコネクタ２
を取り付けて電源コード３を接続することにより、電力
が供給される。

【００１０】ここで、図１に示すように、筺体１０には
柔軟なゴムからなるキャップ接続部５が取り付けられて
おり、電源コード３はこのキャップ接続部５によって保
持され、下方に行くようにされている。図２( ａ) 、(
ｂ) はキャップ接続部５の周辺の拡大図である。図２(
ａ) において、キャップ接続部５の先端に設けられたキ
ャップ６は、この双眼鏡を使用しないときや内部に搭載
された電池で使用するときに、外部電源端子１を塞ぐこ
とによりこれを保護するものである。キャップ接続部５
及びキャップ６は柔軟なゴムからなり一体に成型されて
いる。キャップ接続部５のキャップ６から適当な距離離
れた位置にはキャップ取付部７が設けられている。

【００１１】図２( ｂ) は、キャップ６をキャップ取付
部７にはめて取り付けた状態を示すものである。キャッ
プ接続部５は柔軟なゴムからなるため、このようにキャ
ップ接続部５を曲げてキャップ６をキャップ取付部７に
はめて取り付けることができる。また、キャップ取付部
７はキャップ６から適当な距離だけ離れているため、キ
ャップ６をキャップ取付部７に取り付けるとキャップ接
続部５によって空間８が形成される。

【００１２】この空間８は、電源コード３を通すことが
できる大きさであり、しかも電源コード３が空間８内に
通したときにあまり隙間ができない程度の大きさとなっ
ている。また、空間８の向きは電源コード３を上下方向
に通すことができるものとなっている。従って、図１の
ように電源コード３を空間８に通すことにより、電源コ
ード３の双眼鏡本体に対する位置をほぼ固定することが
でき、電源コード３が対物レンズ系４の前方に来て双眼
鏡の視野を妨げることはなくなる。

【００１３】なお、図１においては電源コード３を空間
８に対して上から下に通して電源コード３が双眼鏡の下
方に行くようにしたが、電源コード３を空間８に対して
下から上に通して電源コード３が双眼鏡の上方に行くよ
うにしてもよい。このようにした状態で双眼鏡の上下を
逆にして手で持てば、電源コード３は双眼鏡の下方に行
くことになる。従って、双眼鏡を保持する手を替えたい
場合（例えば、グリップが片方にしかないときに双眼鏡
保持以外の作業をする手を替えたい場合）に、双眼鏡の
上下を逆にしたときにも、電源コード３が双眼鏡の下方
に行くようにすることができる。

【００１４】また、図２においては外部電源端子１が凸
の形状、キャップ６が凹の形状、キャップ取付部７を凸
の形状となっているが、外部電源端子１を凹の形状、キ
ャップ６を凸の形状、キャップ取付部７を凹の形状とし
てもよい。

【００１５】さらに、本発明を適用する対象は、像安定
機能を有する双眼鏡であるとしたが、内部に大きな電力
を消費する構成要素を有しているものであれば、他の双
眼鏡や望遠鏡、カメラその他の外部電源端子付光学装置
であってもかまわない。

【００１６】

【発明の効果】以上のように、本発明によれば、対物レ
ンズ系及び接眼レンズ系と、電力の供給を受けるための
外部電源端子と、外部電源端子を使用していないときに
これを塞ぐキャップと、キャップと筺体とを接続するこ
とによりキャップが筺体から分離しないようにするキャ
ップ接続部とを備え、キャップを取り付けるキャップ取
付部がキャップ接続部に設けられ、キャップをキャップ
取付部に取り付けたときにキャップ接続部によって空間
が形成され、この空間は、これに外部電源端子に電力を
供給する電源コードを通したときに電源コードが対物レ
ンズ系に入る光の光路を遮らない状態になるものである
ので、電源コードが双眼鏡の視野を妨げることがないよ
うにすることができ、観察、監視、警備等を能率的に行
うことができる外部電源端子付光学装置を得ることがで
きる。

【００１７】また、電源コードがキャップ接続部によっ
て保持され、電源コードが引張られた場合等に外部電源
端子やこれに取り付けられるコネクタに対して外力が直
接加わらないようになるため、外部電源端子やコネクタ
の破損を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に従って構成された外部電源端子付光学
装置の構成を示す斜視図である。

【図２】キャップ接続部５の周辺の拡大図であり、(
ａ) はキャップ６を外した状態を示した図、( ｂ) はキ
ャップ６をキャップ取付部７に取り付けた状態を示す図
である。

【図３】従来の外部電源端子付光学装置を示す斜視図で
ある。

【符号の説明】

１…外部電源端子、３…電源コード、４…対物レンズ、
５…キャップ接続部、６…キャップ、７…キャップ取付
部、８…空間、９…接眼レンズ、１０…筺体。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭55−141121（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭61−49331（ＪＰ，Ｕ) 特公 昭57−37852（ＪＰ，Ｂ２) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) G02B 23/18 G02B 27/64 G03B 17/56 H04N 5/225

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 筺体に固着された対物レンズ系及び接眼
   レンズ系と、 電力の供給を受けるための外部電源端子と、 前記外部電源端子を使用していないときにこれを塞ぐキ
   ャップと、 前記キャップと筺体とを接続することにより、前記キャ
   ップが前記筺体から分離しないようにするキャップ接続
   部と、を備えた外部電源付光学装置であって、 前記キャップを取り付けるキャップ取付部が前記キャッ
   プ接続部に設けられ、前記キャップを前記キャップ取付
   部に取り付けたときに前記キャップ接続部によって空間
   が形成され、この空間は、これに前記外部電源端子に電
   力を供給する電源コードを通したときに前記電源コード
   が前記対物レンズ系に入る光の光路を遮らない状態にな
   るものである外部電源端子付光学装置。
2. 【請求項２】 互いに直交する２つの回動軸を有するジ
   ンバル懸架装置と、 前記対物レンズ系及び前記接眼レンズ系の間に配置さ
   れ、前記ジンバル懸架装置を介して前記筺体に装着さ
   れ、チルティング方向及びパンニング方向に揺動自在と
   なっている正立プリズムと、 前記ジンバル懸架装置を介して前記筺体に装着され、チ
   ルティング方向及びパンニング方向に揺動自在となって
   いる慣性体支持部と、 前記慣性体支持部に対して高速回転する慣性体と、をさ
   らに備え、像安定機能を有する請求項１記載の外部電源
   端子付光学装置。