JP3428748B2 - 液体運搬船用自立角型タンク - Google Patents
液体運搬船用自立角型タンクInfo
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、船殻の中空部に搭載さ
れ、その内部に液体を収納する液体運搬船用自立角型タ
ンク、特に内部に収納された低温液体の保冷効果を向上
させることができる液体運搬船用自立角型タンクに関す
る。
れ、その内部に液体を収納する液体運搬船用自立角型タ
ンク、特に内部に収納された低温液体の保冷効果を向上
させることができる液体運搬船用自立角型タンクに関す
る。
【０００２】
【従来の技術】液体運搬船に関連する技術として、特開
平２−２４９７９６号公報（液体運搬船）、特開平４−
８９９９号公報（液体運搬船用ガスタンクの支持装
置）、特開平４−９２７９４号公報（液体運搬船用ガス
タンクの支持装置）、特開平４−１４３４８７号公報
（船の二重殻構造物及びその構築方法）等が提案されて
いる。
平２−２４９７９６号公報（液体運搬船）、特開平４−
８９９９号公報（液体運搬船用ガスタンクの支持装
置）、特開平４−９２７９４号公報（液体運搬船用ガス
タンクの支持装置）、特開平４−１４３４８７号公報
（船の二重殻構造物及びその構築方法）等が提案されて
いる。
【０００３】これらの技術を適用した液体運搬船では、
図４〜７に示すように、船体（船殻）１を外側殻１Ａと
内側殻１Ｂとからなる二重構造とし、船体１の中空部２
に搭載されるタンク３を長方体（角型）とするとともに
船体１（内側殻１Ｂ）から独立させた自立構造として、
甲板の平坦化、液化ガス等の液体の収納容積拡大、座礁
等の事故時の安全性の確保、ＬＮＧ（液化天然ガス）の
運搬時の信頼性向上等の優れた特長をもたせることがで
きるものと期待される。
図４〜７に示すように、船体（船殻）１を外側殻１Ａと
内側殻１Ｂとからなる二重構造とし、船体１の中空部２
に搭載されるタンク３を長方体（角型）とするとともに
船体１（内側殻１Ｂ）から独立させた自立構造として、
甲板の平坦化、液化ガス等の液体の収納容積拡大、座礁
等の事故時の安全性の確保、ＬＮＧ（液化天然ガス）の
運搬時の信頼性向上等の優れた特長をもたせることがで
きるものと期待される。
【０００４】図６に示すように、内側殻１Ｂとタンク３
との間には、タンク３の重量を複数箇所において支持す
るための荷重支持台４と、タンク３の前後移動を抑制す
るための前後移動抑制用の支持装置（図示せず）と、タ
ンク３の左右移動を抑制するための左右移動抑制用の支
持装置６とが配される。
との間には、タンク３の重量を複数箇所において支持す
るための荷重支持台４と、タンク３の前後移動を抑制す
るための前後移動抑制用の支持装置（図示せず）と、タ
ンク３の左右移動を抑制するための左右移動抑制用の支
持装置６とが配される。
【０００５】これらの前後移動抑制用の支持装置及び左
右移動抑制用の支持装置６は、内部殻１Ｂの天井部分と
タンク３の頂部との間、内部殻１Ｂの底部内表面とタン
ク３の底部との間にそれぞれ複数配される。そして、前
後移動抑制用の支持装置により、内側殻１Ｂとタンク３
との間の前後方向の相対移動を拘束するとともに、左右
方向の相対移動を許容するように設定される。また、左
右移動抑制用の支持装置６により、内側殻１Ｂとタンク
３との間の左右方向の相対移動を拘束するとともに、前
後方向の相対移動を許容するように設定される。
右移動抑制用の支持装置６は、内部殻１Ｂの天井部分と
タンク３の頂部との間、内部殻１Ｂの底部内表面とタン
ク３の底部との間にそれぞれ複数配される。そして、前
後移動抑制用の支持装置により、内側殻１Ｂとタンク３
との間の前後方向の相対移動を拘束するとともに、左右
方向の相対移動を許容するように設定される。また、左
右移動抑制用の支持装置６により、内側殻１Ｂとタンク
３との間の左右方向の相対移動を拘束するとともに、前
後方向の相対移動を許容するように設定される。
【０００６】また、タンク３は、図６に示すように、内
壁３ａとこの内壁３ａから所定距離離間して配置された
外壁３ｂとから構成され、これら内壁３ａと外壁３ｂと
の間の空間は真空とされ、タンク３内に収納された低温
液体（例えば、ＬＮＧ）の保冷性能を高めている。ま
た、前記荷重支持台４に対応する位置の外壁３ｂは切り
欠かれており、荷重支持台４は内壁３ａの外面に接して
タンク３及び収納された液体の重量を支持するようにな
っている。タンク３の外壁３ｂは内壁３ａとの間に発生
させられる真空状態に耐え得るような強度を備えている
とともに、前記外壁３ｂの、切り欠かれて前記荷重支持
台４と接触する部位には、シール部材を備えた複雑な気
密機構（図示せず）が配置されている。
壁３ａとこの内壁３ａから所定距離離間して配置された
外壁３ｂとから構成され、これら内壁３ａと外壁３ｂと
の間の空間は真空とされ、タンク３内に収納された低温
液体（例えば、ＬＮＧ）の保冷性能を高めている。ま
た、前記荷重支持台４に対応する位置の外壁３ｂは切り
欠かれており、荷重支持台４は内壁３ａの外面に接して
タンク３及び収納された液体の重量を支持するようにな
っている。タンク３の外壁３ｂは内壁３ａとの間に発生
させられる真空状態に耐え得るような強度を備えている
とともに、前記外壁３ｂの、切り欠かれて前記荷重支持
台４と接触する部位には、シール部材を備えた複雑な気
密機構（図示せず）が配置されている。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
液体運搬船用自立角型タンク３では、タンク３を内壁３
ａ及び外壁３ｂからなる二重構造とし、これらの内外壁
３ａ，３ｂの間の空間を真空とするようにしているの
で、タンク３の外壁３ｂを外面に作用する大気圧に耐え
得るように相当の強度としなければならず、製作工期や
コストが増大する。
液体運搬船用自立角型タンク３では、タンク３を内壁３
ａ及び外壁３ｂからなる二重構造とし、これらの内外壁
３ａ，３ｂの間の空間を真空とするようにしているの
で、タンク３の外壁３ｂを外面に作用する大気圧に耐え
得るように相当の強度としなければならず、製作工期や
コストが増大する。
【０００８】さらに、タンク３の外壁３ｂと荷重支持台
４との間に複雑な気密機構を設けるようにしているの
で、コストが増大するとともに、完全なる気密ができ
ず、この結果外壁３ｂと内壁３ａとの間の真空度をある
程度以上高めることができず、保冷効果が不完全となる
ことがある。
４との間に複雑な気密機構を設けるようにしているの
で、コストが増大するとともに、完全なる気密ができ
ず、この結果外壁３ｂと内壁３ａとの間の真空度をある
程度以上高めることができず、保冷効果が不完全となる
ことがある。
【０００９】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、簡単な構造で、高い保冷性能を得ることができる液
体運搬船用自立角型タンクを提供することを目的とす
る。
で、簡単な構造で、高い保冷性能を得ることができる液
体運搬船用自立角型タンクを提供することを目的とす
る。
【００１０】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項１記載の
液体運搬用自立角型タンクは、船殻の中空部に搭載され
液体を収納する液体運搬用自立角型タンクであって、低
温液体が収納される容器本体と、この容器本体の外面に
配置された一定以上の圧縮強度を有する断熱材と、この
断熱材の外面を覆いかつ内外の気密性を保って配置され
た膜体とを備え、前記容器本体と前記膜体との間の気体
が冷却されることによって前記容器本体と前記膜厚との
間の真空度を高めることを特徴とする。
液体運搬用自立角型タンクは、船殻の中空部に搭載され
液体を収納する液体運搬用自立角型タンクであって、低
温液体が収納される容器本体と、この容器本体の外面に
配置された一定以上の圧縮強度を有する断熱材と、この
断熱材の外面を覆いかつ内外の気密性を保って配置され
た膜体とを備え、前記容器本体と前記膜体との間の気体
が冷却されることによって前記容器本体と前記膜厚との
間の真空度を高めることを特徴とする。
【００１１】本発明の請求項２記載の液体運搬船用自立
角型タンクは、請求項１記載の液体運搬船用自立角型タ
ンクにおいて、前記膜体よりも内側に位置して設けられ
た第１の支持ブロックと、前記船殻側の前記第１の支持
ブロックに対応する位置に設けられ、前記第１の支持ブ
ロックを膜体を介して支持する第２の支持ブロックとが
設けられていることを特徴とする。
角型タンクは、請求項１記載の液体運搬船用自立角型タ
ンクにおいて、前記膜体よりも内側に位置して設けられ
た第１の支持ブロックと、前記船殻側の前記第１の支持
ブロックに対応する位置に設けられ、前記第１の支持ブ
ロックを膜体を介して支持する第２の支持ブロックとが
設けられていることを特徴とする。
【００１２】本発明の請求項３記載の液体運搬船用自立
角型タンクは、請求項１又は２記載の液体運搬船用自立
角型タンクにおいて、前記断熱材が多数の独立気泡の発
泡体から構成される材料からなることを特徴とする。
角型タンクは、請求項１又は２記載の液体運搬船用自立
角型タンクにおいて、前記断熱材が多数の独立気泡の発
泡体から構成される材料からなることを特徴とする。
【００１３】本発明の請求項４記載の液体運搬船用自立
角型タンクは、請求項１〜３のいずれかに記載の液体運
搬用自立角型タンクにおいて、前記断熱材の内部に熱輻
射板が埋設されていることを特徴とする。
角型タンクは、請求項１〜３のいずれかに記載の液体運
搬用自立角型タンクにおいて、前記断熱材の内部に熱輻
射板が埋設されていることを特徴とする。
【００１４】
【作用】本発明の請求項１記載の液体運搬船用自立角型
タンクによれば、容器本体内に低温液体を収納すると、
容器本体と膜体との間の気体が冷却されて凝縮して容器
本体と膜体との間の真空度が高められ、低温液体の保冷
性能を向上させることができる。しかも、容器本体と膜
体との間には一定以上の圧縮強度を有しているので、膜
体自体の強度が大きくなくても、真空度の上昇に起因し
て膜体に大気圧が作用しても、容器本体と膜体との間隔
を保持することができ、保冷性能を高く維持できる。
タンクによれば、容器本体内に低温液体を収納すると、
容器本体と膜体との間の気体が冷却されて凝縮して容器
本体と膜体との間の真空度が高められ、低温液体の保冷
性能を向上させることができる。しかも、容器本体と膜
体との間には一定以上の圧縮強度を有しているので、膜
体自体の強度が大きくなくても、真空度の上昇に起因し
て膜体に大気圧が作用しても、容器本体と膜体との間隔
を保持することができ、保冷性能を高く維持できる。
【００１５】本発明の請求項２記載の液体運搬船用自立
角型タンクによれば、膜体を挟むように第１及び第２の
支持ブロックが配置されて膜体が連続しているので、こ
の部分で気密性の低下することがないとともに、容器本
体内に低温液体を収納して容器本体等が収縮した際にお
いても、第１及び第２のブロックが膜体部分を滑り面と
して相対移動し、この結果、膜体に過大な応力が発生す
ることもない。
角型タンクによれば、膜体を挟むように第１及び第２の
支持ブロックが配置されて膜体が連続しているので、こ
の部分で気密性の低下することがないとともに、容器本
体内に低温液体を収納して容器本体等が収縮した際にお
いても、第１及び第２のブロックが膜体部分を滑り面と
して相対移動し、この結果、膜体に過大な応力が発生す
ることもない。
【００１６】本発明の請求項３記載の液体運搬船用自立
角型タンクによれば、断熱材には多数の独立気泡が埋設
されているので、容器本体内の低温液体により冷却され
て凝縮した気体が各独立気泡内に残留して移動すること
がなく、したがって、物質移動に伴う外部との熱の授受
がなく、保冷性能を高く維持することができる。
角型タンクによれば、断熱材には多数の独立気泡が埋設
されているので、容器本体内の低温液体により冷却され
て凝縮した気体が各独立気泡内に残留して移動すること
がなく、したがって、物質移動に伴う外部との熱の授受
がなく、保冷性能を高く維持することができる。
【００１７】本発明の請求項４記載の液体運搬船用自立
角型タンクによれば、断熱材の内部に埋設された熱輻射
板により、さらに保冷性能を高めることができる。
角型タンクによれば、断熱材の内部に埋設された熱輻射
板により、さらに保冷性能を高めることができる。
【００１８】
【実施例】以下に、図面を参照して、本発明の一実施例
の液体運搬船用自立角型タンクについて説明する。な
お、前記従来例と同様な構成要素には同一符号を付して
説明する。
の液体運搬船用自立角型タンクについて説明する。な
お、前記従来例と同様な構成要素には同一符号を付して
説明する。
【００１９】図１に示すように、本実施例の液体運搬用
自立角型タンク２０は、低温液体が収納される容器本体
２１と、この容器本体２１の外面に配置された一定以上
の圧縮強度を有する断熱材２２と、この断熱材２２の外
面を覆いかつ内外の気密性を保って配置された膜体２３
とを備える。また、容器本体２１と膜体２３との間は、
圧力が１０-2Ｔｏｒｒ程度に粗引きされている。
自立角型タンク２０は、低温液体が収納される容器本体
２１と、この容器本体２１の外面に配置された一定以上
の圧縮強度を有する断熱材２２と、この断熱材２２の外
面を覆いかつ内外の気密性を保って配置された膜体２３
とを備える。また、容器本体２１と膜体２３との間は、
圧力が１０-2Ｔｏｒｒ程度に粗引きされている。
【００２０】図３に示すように、前記断熱材２２の一部
は分断されており、この分断部には前記膜体２３よりも
内側に位置する第１の支持ブロック２４が配置されてい
る。さらに、船殻１の内側殻１Ｂの、前記第１の支持ブ
ロック２４に対応する位置には、第２の支持ブロック２
５が設けられている。前記第１の支持ブロック２４は膜
体２３を介して第２の支持ブロック２５により支持され
ている。図中２６，２７は、第１又は第２の支持ブロッ
ク２４，２５を移動を拘束する止め材である。このよう
にして、船殻１の内側殻１Ｂと膜体２３との間には間隙
２８が形成されており、この間隙２８には、窒素ガスや
空気等の気体が充填されている。
は分断されており、この分断部には前記膜体２３よりも
内側に位置する第１の支持ブロック２４が配置されてい
る。さらに、船殻１の内側殻１Ｂの、前記第１の支持ブ
ロック２４に対応する位置には、第２の支持ブロック２
５が設けられている。前記第１の支持ブロック２４は膜
体２３を介して第２の支持ブロック２５により支持され
ている。図中２６，２７は、第１又は第２の支持ブロッ
ク２４，２５を移動を拘束する止め材である。このよう
にして、船殻１の内側殻１Ｂと膜体２３との間には間隙
２８が形成されており、この間隙２８には、窒素ガスや
空気等の気体が充填されている。
【００２１】前記断熱材２２としては、例えば、多数の
独立気泡が埋設されたポリウレタン発泡体が用いられ、
その圧縮強度は１０１ｋＰａ以上となっている。前記膜
体２３としては、金属シートや合成樹脂シート等の可撓
性を有する薄膜が用いられる。
独立気泡が埋設されたポリウレタン発泡体が用いられ、
その圧縮強度は１０１ｋＰａ以上となっている。前記膜
体２３としては、金属シートや合成樹脂シート等の可撓
性を有する薄膜が用いられる。
【００２２】次に、本実施例の液体運搬用自立角型タン
ク２０の作用について説明する。
ク２０の作用について説明する。
【００２３】タンク２０の容器本体２１内にＬＮＧ等の
低温液体を収納すると、間隙２８内の窒素ガス又は空気
が凝縮する。この結果、容器本体２１の外壁付近の断熱
材２２の独立気泡中の気体が凝縮して液化して、容器本
体２１と膜体２３とに囲まれた領域が１０-3Ｔｏｒｒ程
度の真空状態となる。この領域は膜体２３によって気密
状態とされているので、間隙２８内の窒素ガスや空気は
膜体２３より内側の領域内に侵入することがなく、高い
真空度が維持される。
低温液体を収納すると、間隙２８内の窒素ガス又は空気
が凝縮する。この結果、容器本体２１の外壁付近の断熱
材２２の独立気泡中の気体が凝縮して液化して、容器本
体２１と膜体２３とに囲まれた領域が１０-3Ｔｏｒｒ程
度の真空状態となる。この領域は膜体２３によって気密
状態とされているので、間隙２８内の窒素ガスや空気は
膜体２３より内側の領域内に侵入することがなく、高い
真空度が維持される。
【００２４】このように、容器本体２１と膜体２３とに
より囲まれた領域内が真空状態となる結果、膜体２３に
は大気圧が作用するが、膜体２３と容器本体２１との間
には所定の圧縮強度を有する断熱材２２が配置されてい
るので、膜体２３は断熱材２２によって支持され、たと
え薄い可撓性を有する材料で構成されていても、座屈や
たわみが生ずることがなく、容器本体２１と膜体２３と
の間隔が保持される。
より囲まれた領域内が真空状態となる結果、膜体２３に
は大気圧が作用するが、膜体２３と容器本体２１との間
には所定の圧縮強度を有する断熱材２２が配置されてい
るので、膜体２３は断熱材２２によって支持され、たと
え薄い可撓性を有する材料で構成されていても、座屈や
たわみが生ずることがなく、容器本体２１と膜体２３と
の間隔が保持される。
【００２５】このように、容器本体２１と膜体２３との
間に真空層が配置される結果、断熱材２２による断熱効
果が非常に高まり、全体として高い保冷性能が得られ
る。
間に真空層が配置される結果、断熱材２２による断熱効
果が非常に高まり、全体として高い保冷性能が得られ
る。
【００２６】また、前記断熱材２２は多数の独立気泡が
埋設された例えばポリウレタン発泡体から構成されるの
で、各独立気泡中で凝縮して液化した気体は、各独立気
泡内に滞留して移動することがなく、したがって、物質
移動に伴う外部との熱の授受がない。この結果、高い保
冷性能を保持することができる。
埋設された例えばポリウレタン発泡体から構成されるの
で、各独立気泡中で凝縮して液化した気体は、各独立気
泡内に滞留して移動することがなく、したがって、物質
移動に伴う外部との熱の授受がない。この結果、高い保
冷性能を保持することができる。
【００２７】また、膜体２３は、第１及び第２の支持ブ
ロック２４，２５の間においても連続しているので、高
い気密性を保持することができ、保冷性能の低下を招く
ことがない。
ロック２４，２５の間においても連続しているので、高
い気密性を保持することができ、保冷性能の低下を招く
ことがない。
【００２８】このように、膜体２３を挟んで第１及び第
２の支持ブロック２４，２５が配置されているので、容
器本体２１内に低温液体を収納した際の収縮に伴って第
１及び第２の支持ブロック２４，２５に相対変位が生じ
ても、これらが膜体２３を滑り面として移動し、膜体２
３に過度の応力が発生することがない。
２の支持ブロック２４，２５が配置されているので、容
器本体２１内に低温液体を収納した際の収縮に伴って第
１及び第２の支持ブロック２４，２５に相対変位が生じ
ても、これらが膜体２３を滑り面として移動し、膜体２
３に過度の応力が発生することがない。
【００２９】また、容器本体２１と膜体２３との間を所
定の真空度にしておけば、容器本体２１内に低温液体を
収納するだけで、これらの間の気体の凝縮により高い真
空状態とすることができ、特別な高真空ポンプを設ける
必要がなく、装置の構成を簡単なものとすることがで
き、故障等の殆ど生じない高い信頼性を得ることができ
る。
定の真空度にしておけば、容器本体２１内に低温液体を
収納するだけで、これらの間の気体の凝縮により高い真
空状態とすることができ、特別な高真空ポンプを設ける
必要がなく、装置の構成を簡単なものとすることがで
き、故障等の殆ど生じない高い信頼性を得ることができ
る。
【００３０】船殻１の内側殻１Ｂと膜体２３との間の間
隙２８は、常温で窒素ガスや空気が充填されているだけ
なので、間隙２８には酸素濃度を確認した上作業者が入
って点検作業等を行うことができる。
隙２８は、常温で窒素ガスや空気が充填されているだけ
なので、間隙２８には酸素濃度を確認した上作業者が入
って点検作業等を行うことができる。
【００３１】なお、前記実施例において、前記断熱材２
２の内部に、容器本体２１の壁面にほぼ平行に熱輻射板
を埋設するようにしてもよい。これにより、前記実施例
より更に高い保冷性能を保持することができる。
２の内部に、容器本体２１の壁面にほぼ平行に熱輻射板
を埋設するようにしてもよい。これにより、前記実施例
より更に高い保冷性能を保持することができる。
【００３２】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項１
記載の液体運搬船用自立角型タンクによれば、船殻の中
空部に搭載され液体を収納する液体運搬用自立角型タン
クであって、低温液体が収納される容器本体と、この容
器本体の外面に配置された一定以上の圧縮強度を有する
断熱材と、この断熱材の外面を覆いかつ内外の気密性を
保って配置された膜体とを備え、前記容器本体と前記膜
体との間の気体が冷却されることによって前記容器本体
と前記膜厚との間の真空度を高めるので、容器本体内に
低温液体を収納すると、容器本体と膜体との間の気体が
冷却されて凝縮して容器本体と膜体との間の真空度が高
められ、低温液体の保冷性能を向上させることができ、
しかも、容器本体と膜体との間には一定以上の圧縮強度
を有する断熱材が配置されているので、膜体自体の強度
がそれほど大きくなくても、真空度の上昇に起因して膜
体に大気圧が作用しても、容器本体と膜体との間隔を保
持することができ、保冷性能を高く維持できる。
記載の液体運搬船用自立角型タンクによれば、船殻の中
空部に搭載され液体を収納する液体運搬用自立角型タン
クであって、低温液体が収納される容器本体と、この容
器本体の外面に配置された一定以上の圧縮強度を有する
断熱材と、この断熱材の外面を覆いかつ内外の気密性を
保って配置された膜体とを備え、前記容器本体と前記膜
体との間の気体が冷却されることによって前記容器本体
と前記膜厚との間の真空度を高めるので、容器本体内に
低温液体を収納すると、容器本体と膜体との間の気体が
冷却されて凝縮して容器本体と膜体との間の真空度が高
められ、低温液体の保冷性能を向上させることができ、
しかも、容器本体と膜体との間には一定以上の圧縮強度
を有する断熱材が配置されているので、膜体自体の強度
がそれほど大きくなくても、真空度の上昇に起因して膜
体に大気圧が作用しても、容器本体と膜体との間隔を保
持することができ、保冷性能を高く維持できる。
【００３３】本発明の請求項２記載の液体運搬船用自立
角型タンクは、請求項１記載の液体運搬船用自立角型タ
ンクにおいて、前記膜体よりも内側に位置して設けられ
た第１の支持ブロックと、前記船殻側の前記第１の支持
ブロックに対応する位置に設けられ、前記第１の支持ブ
ロックを膜体を介して支持する第２の支持ブロックとが
設けられているので、この部分で気密性の低下すること
がないとともに、容器本体内に低温液体を収納して容器
本体等が収縮した際においても、第１及び第２のブロッ
クが膜体部分を滑り面として相対移動し、この結果、膜
体に過大な応力が発生することがない。
角型タンクは、請求項１記載の液体運搬船用自立角型タ
ンクにおいて、前記膜体よりも内側に位置して設けられ
た第１の支持ブロックと、前記船殻側の前記第１の支持
ブロックに対応する位置に設けられ、前記第１の支持ブ
ロックを膜体を介して支持する第２の支持ブロックとが
設けられているので、この部分で気密性の低下すること
がないとともに、容器本体内に低温液体を収納して容器
本体等が収縮した際においても、第１及び第２のブロッ
クが膜体部分を滑り面として相対移動し、この結果、膜
体に過大な応力が発生することがない。
【００３４】本発明の請求項３記載の液体運搬船用自立
角型タンクは、請求項１又は２記載の液体運搬船用自立
角型タンクにおいて、前記断熱材が多数の独立気泡がの
発泡対から構成された材料からなるので、容器本体内の
低温液体により冷却されて凝縮した気体が各独立気泡内
に残留して移動することがなく、したがって、物質移動
に伴う外部との熱の授受がなく、保冷性能を高く維持す
ることができる。
角型タンクは、請求項１又は２記載の液体運搬船用自立
角型タンクにおいて、前記断熱材が多数の独立気泡がの
発泡対から構成された材料からなるので、容器本体内の
低温液体により冷却されて凝縮した気体が各独立気泡内
に残留して移動することがなく、したがって、物質移動
に伴う外部との熱の授受がなく、保冷性能を高く維持す
ることができる。
【００３５】本発明の請求項４記載の液体運搬船用自立
角型タンクは、請求項１〜３のいずれかに記載の液体運
搬用自立角型タンクにおいて、前記断熱材の内部に熱輻
射板が埋設されているので、さらに保冷性能を高めるこ
とができる。
角型タンクは、請求項１〜３のいずれかに記載の液体運
搬用自立角型タンクにおいて、前記断熱材の内部に熱輻
射板が埋設されているので、さらに保冷性能を高めるこ
とができる。
【図１】本発明の一実施例の液体運搬船用自立角型タン
クの横断面図である。
クの横断面図である。
【図２】図１中のII方向矢視図である。
【図３】図１中のIII方向矢視図である。
【図４】従来の液体運搬船の例を示す正面図である。
【図５】図４の液体運搬船の平面図である。
【図６】図４の液体運搬船の横断面図である。
【図７】図４の液体運搬船の縦断面図である。
１ 船体
１Ａ 外側殻
１Ｂ 内側殻
２ 中空部
２０ タンク
２１ 容器本体
２２ 断熱材
２３ 膜体
２４ 第１の支持ブロック
２５ 第２の支持ブロック
─────────────────────────────────────────────────────
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(51)Int.Cl.7 識別記号 ＦＩ
Ｆ１７Ｃ 13/08 ３０２ Ｆ１７Ｃ 13/08 ３０２Ｂ
(72)発明者 大森 隆夫
神奈川県横浜市磯子区新中原町１番地
石川島播磨重工業株式会社 横浜技術研
究所内
(72)発明者 安部 昭則
東京都江東区豊洲二丁目一番１号 石川
島播磨重工業株式会社 東京第一工場内
(72)発明者 関 紀明
東京都江東区豊洲二丁目一番１号 石川
島播磨重工業株式会社 東京第一工場内
(72)発明者 山口 方士
神奈川県横浜市磯子区新中原町１番地
石川島播磨重工業株式会社 横浜技術研
究所内
(56)参考文献 特開 昭59−183197（ＪＰ，Ａ)
特開 平２−249796（ＪＰ，Ａ)
特開 昭64−21300（ＪＰ，Ａ)
(58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名)
B63B 3/62
B63B 25/16
Claims (4)
- 【請求項１】 船殻の中空部に搭載され液体を収納する
液体運搬用自立角型タンクであって、低温液体が収納さ
れる容器本体と、この容器本体の外面に配置された一定
以上の圧縮強度を有する断熱材と、この断熱材の外面を
覆いかつ内外の気密性を保って配置された膜体とを備
え、前記容器本体と前記膜体との間の気体が冷却される
ことによって前記容器本体と前記膜厚との間の真空度を
高めることを特徴とする液体運搬船用自立角型タンク。 - 【請求項２】 前記膜体よりも内側に位置して設けられ
た第１の支持ブロックと、前記船殻側の前記第１の支持
ブロックに対応する位置に設けられ、前記第１の支持ブ
ロックを膜体を介して支持する第２の支持ブロックとが
設けられていることを特徴とする請求項１記載の液体運
搬船用自立角型タンク。 - 【請求項３】 前記断熱材が多数の独立気泡の発泡体か
ら構成される材料からなることを特徴とする請求項１又
は２記載の液体運搬船用自立角型タンク。 - 【請求項４】 前記断熱材の内部に熱輻射板が埋設され
ていることを特徴とする請求項１〜３のいずれかに記載
の液体運搬用自立角型タンク。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP28226894A JP3428748B2 (ja) | 1994-11-16 | 1994-11-16 | 液体運搬船用自立角型タンク |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP28226894A JP3428748B2 (ja) | 1994-11-16 | 1994-11-16 | 液体運搬船用自立角型タンク |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08142976A JPH08142976A (ja) | 1996-06-04 |
| JP3428748B2 true JP3428748B2 (ja) | 2003-07-22 |
Family
ID=17650245
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP28226894A Expired - Lifetime JP3428748B2 (ja) | 1994-11-16 | 1994-11-16 | 液体運搬船用自立角型タンク |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3428748B2 (ja) |
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-
1994
- 1994-11-16 JP JP28226894A patent/JP3428748B2/ja not_active Expired - Lifetime
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| JPH08142976A (ja) | 1996-06-04 |
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