JP3428584B2 - 低抽出物含有率、高粘度安定性および低再モノマー化率を有するナイロン−6の製造法 - Google Patents

低抽出物含有率、高粘度安定性および低再モノマー化率を有するナイロン−6の製造法

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    • C08G69/16Preparatory processes

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】ナイロン−6は繊維、フィルムおよび成形
体の製造に用いられる。溶融重合により得られるこの重
合体は、化学平衡により、ε−カプロラクタムと低分子
量反応生成物(オリゴマー)をそれぞれ高レベルで含
む。カプロラクタムオリゴマーおよびカプロラクタムモ
ノマーは可溶であり、水で抽出可能なため、ポリマー中
の低分子量成分の割合は抽出物含有率とも呼ばれてい
る。
【0002】製品の品質、および射出成形、押出成形ま
たは紡糸中の加工特性を損なわないようにするために
は、抽出物含有率を低下させなければならない。
【0003】必要な抽出は、例えばドイツ特許出願公開
第2501348号公報またはドイツ特許出願公開第2
732328号公報に記載されているように、高温で水
を用いて行われるのが一般的である。重合の収量を増加
させ、環境への悪影響を回避するため、水性の抽出物は
廃棄物として処置されず、リサイクルされることが多
い。
【0004】オリゴマー、特にダイマーの溶解度が低い
ために、満足な品質のポリアミドを得るための抽出に、
複雑かつエネルギー消費の激しい処理工程を用いなけれ
ばならない。既存の方法では、カプロラクタムモノマー
を、ナイロン−6の抽出におけるラクタムオリゴマーの
可溶化剤として用いる。このため、ドイツ特許出願公開
第4324616号公報では、抽出開始時点にカプロラ
クタムモノマーを水に添加することが提案されている。
【0005】ポリマーからモノマーとオリゴマーを気化
させることにより、抽出物含有率を低下させる方法が公
知である。ドイツ特許出願公開第2948865号に
は、ポリマーを減圧下に溶融状態、およびフィルム状態
とする脱モノマー化法が開示されている。
【0006】上述の全ての方法は、重合体の脱モノマー
を行い、この液体抽出物の後処理を行うために、複数段
階の、コストが嵩み、高エネルギーの必要な工程を必要
とするという不都合点を有している。
【0007】更に、残留抽出物含有率が低く、所定粘度
を有する抽出後のナイロン−6を更に加工する段階で生
成物の特性に変化が生ずるという不都合がある。このポ
リマーは通常、押出又は紡糸等のため、再加熱又は液化
処理される。高温では粘度が変化または増大し、残留抽
出物および残留モノマー含有量が増大することがわかっ
ている。このような粘度の不安定さと再モノマー化は、
加工操作においてのみならず、生成物の品質にも悪影響
を与えるものである。
【0008】しかるに、本願発明は、未抽出状態でも抽
出物含有率およびダイマー含有率が低いポリアミドの製
造方法を提供し、これにより低分子量成分の抽出と水性
抽出物の後処理に必要な技術的および経済的な努力を低
減し、更に通常の処理温度および条件下で、公知ポリア
ミドに比較して高い粘度安定性を有し、残留抽出物含有
率の増大が小さいポリアミドを製造することをその目的
とする。
【0009】本発明の上記目的が、モノマーおよびオリ
ゴマー含有率が低いナイロン−6を、アミノニトリル、
好ましくはω−アミノカプロニトリル(ACN)の、場
合に応じて更にポリアミド形成モノマーとの、金属酸化
物の存在下における連続的加水分解的重合による製造方
法により達成されることを、本発明者等が見出した。こ
こで、金属酸化物は反応混合物から機械的に除去可能な
形態で使用される。
【0010】少なくとも1種類のアミノニトリルを水と
反応させることによる本発明の連続的ポリアミドの製造
法は、以下の工程を有する。 (1)固定床状の、β−ゼオライト、シート状−シリケ
ートおよび金属酸化物触媒から選択されるブレーンステ
ッド酸触媒を含む流通管中、200〜290℃の温度、
40〜70バール(40〜70×10Pa)の圧力
で、少なくとも1種類のアミノニトリルを水と反応さ
せ、 (2)上記工程(1)で得られた反応混合物を、フラッ
シュ蒸発でアンモニア、水およびアミノニトリルモノマ
ーおよびオリゴマーの除去することにより、第一の分離
帯域に対して、工程(1)の圧力よりも10バール(1
0×10Pa)以上低い20〜40バール(20〜4
0×10Pa)の圧力、220〜290℃の範囲の温
度に断熱膨張または非断熱膨張させ、 (3)上記工程(2)で得られた反応混合物を、水の存
在下に、200〜290℃の温度、25〜55バール
(25〜55×10Pa)の圧力で、固定床状の、β
−ゼオライト、シート状−シリケートおよび金属酸化物
触媒から選択されるブレーンステッド酸触媒の存在下ま
たは非存在下に反応させ、 (4)上記工程(3)で得られた反応混合物を、フラッ
シュ蒸発でアンモニア、水およびアミノニトリルモノマ
ーおよびオリゴマーを除去することにより、第二の分離
帯域に対して、工程(3)の圧力よりも20バール(2
0×10Pa)以上低い0.01〜20バール(0.
01〜20×10Pa)の圧力、220〜290℃の
範囲の温度とすることにより断熱膨張または非断熱膨張
させる。
【0011】本発明の方法は、更に (5)上記工程(4)で得られた生成物混合物を230
〜280℃の温度、0.01〜10バール(0.01〜
10×10Pa)の圧力で後縮合する、工程を含むと
好ましい。
【0012】上記工程(2)および(4)でフラッシュ
蒸発により除去されたアミノニトリルモノマーおよびオ
リゴマーも、反応混合物に戻されることが好ましい。
【0013】本発明において用いられる不均質触媒は、
公知金属酸化物、例えば酸化ジルコニウム、酸化アルミ
ニウム、酸化マグネシウム、酸化セリウム、酸化ランタ
ン、好ましくは二酸化チタン、およびシリカ、例えばβ
−ゼオライト、およびシート状シリカである。特に好ま
しくはアナターゼ型の二酸化チタンが用いられる。アナ
ターゼ画分は、少なくとも70質量%であると好まし
く、90質量%以上であると特に好ましく、100質量
%であると極めて好ましい。シリカゲル、ゼオライト、
およびドープ金属酸化物、例えばルテニウム、銅または
フッ素でドープされたドープ金属酸化物を用いても上述
の反応体の反応が顕著に向上することがわかっている。
これらの触媒が、ややブレーンステッド酸性を示し、大
きな非表面積を有するということは特に注目に値する。
本発明において用いられる不均質触媒は、例えば篩いま
たはフィルターを用いることにより、触媒とポリマーが
機械的に分離可能とされる巨視的形態を有する。この提
案は押出チップ形態で、または充填素子の被覆として使
用可能な触媒に対するものである。
【0014】以下に、本発明の処理工程を更に詳細に説
明する。 工程(1):金属酸化物触媒を含む流動管中で、200
〜290℃、好ましくは210〜260℃、特に好まし
くは225〜235℃で好ましくは単一液体相として操
作される反応混合物の反応。圧力は20〜100バール
(20〜100×10Pa)、特に40〜70バール
(40〜70×10Pa)の範囲に設定されると好ま
しい。触媒材料は固定床として存在し、反応器中に残さ
れる。 工程(2):この加圧された反応混合物を、次いで分離
帯域に対して断熱膨張させる。この分離帯域の圧力は通
常20〜40バール(20〜40×10Pa)、好ま
しくは25〜35バール(25〜35×10Pa)で
ある。この第一の分離帯域における滞留時間は通常0.
5〜5時間、好ましくは2〜4時間であり、温度は22
0〜290℃、好ましくは240〜270℃の範囲とさ
れる。この膨張の工程は反応混合物中に存在する所定量
のアンモニアおよび水のフラッシュ蒸発(反応混合物中
に蓄積された熱を利用)により行われる。これらは揮発
成分、例えばアミノカプロニトリルモノマーおよびオリ
ゴマーを含む。カラムを経由した清留を行い、系から水
およびアンモニア蒸気を除去し、有機成分をこの方法の
好ましくは工程(1)に戻してもよい。 工程(3):次いで、加圧された混合物に、場合に応じ
て予備加熱された水を添加を添加し、熱交換器を介して
他の反応器に移動し、200〜290℃、好ましくは2
10〜260℃、特に好ましくは225〜235℃で更
に反応させる。反応器の圧力は、反応混合物が単一の液
体相として存在可能なように再び設定するのが好まし
い。この圧力は通常25〜55バール(25〜55×1
Pa)、好ましくは30〜45バール(30〜45
×10Pa)である。必要に応じてこの工程でも上述
の不均質金属酸化物触媒を含んでもよく、これらは固定
床の形状で生成物流から分離され、第3工程で反応器中
に残る。 工程(4):加圧状態の反応混合物を、次いで、第二の
分離帯域に対して非断熱膨張させる。この分離帯域にお
ける圧力は、通常0.01〜20バール(0.01〜2
0×10Pa)、好ましくは0.1〜10バール
(0.1〜10×10Pa)であり、温度は220〜
280℃、好ましくは230〜250℃とされる。ここ
での滞留時間は通常0.5〜10時間、好ましくは2〜
8時間である。この膨張方法は、フラッシュ蒸発により
行われ、反応混合物中に存在する所定量のアンモニアと
水の一部が、反応混合物の熱を利用して遊離するもので
ある。これらは、アミノカプロニトリルモノマーやオリ
ゴマーのような揮発性成分を含む。カラムを介した清留
を行い、系から水およびアンモニア蒸気を除去し、有機
成分をこの方法の好ましくは工程(1)に戻してもよ
い。
【0015】工程(5):次いで、上記反応混合物を後
反応帯域に移動させ、反応混合物を220〜280℃、
好ましくは240〜250℃の温度で後縮合する。
【0016】反応混合物を再加熱し、次いでフラッシュ
蒸発させる方法を、必要に応じて繰り返し行ってもよ
い。種々の分離帯域で蒸発する水の量と、これに伴う温
度の低下は、圧力設定により特定に制御可能である。反
応混合物からの非断熱分離または蒸発による利点は、装
置および熱交換器の表面にオリゴマーや添加剤が析出し
ないことであり、これにより揮発性の有機および無機成
分による汚れを回避することができる。
【0017】他の好ましい実施の形態によると、膨張反
応混合物は、熱交換機から供給されたエネルギーを有す
る。攪拌または非攪拌型分離タンクまたはタンクバッテ
リーを用い、蒸発装置、例えば循環型蒸発器または薄膜
蒸発器、フィルムトルーダー反応器または環状ディスク
反応器により、大きな相界面を確保することを可能と
し、気相の除去を行う。相界面を拡大するために、反応
混合物の清留またはループ状反応器を用いることが必要
である。また、水蒸気または不活性ガスを液相に添加す
ることにより、ガス相の除去を促進することも可能であ
る。
【0018】慣用の添加剤および充填剤としては、顔
料、例えば二酸化チタン、二酸化シリコンまたはタル
ク、連鎖調整剤、例えば脂肪族および芳香族カルボン酸
およびジカルボン酸、例えばプロピオン酸、テレフタル
酸、安定剤、例えばハロゲン化銅(I)、アルカリ金属
ハロゲン化物、成核剤、例えば珪酸マグネシウム、窒化
ホウ素、および均質触媒、例えばリン酸、および酸化防
止剤を、モノマー全量に対して0〜5質量%、好ましく
は0.05〜1質量%の量で使用することが可能であ
る。この他の適する添加剤およびコモノマーは、ドイツ
特許出願公開第19709390号公報に記載されてい
る。これらの添加剤は、一般に、ペレット化前かつ、重
合の前、間、または後、好ましくは後に添加される。こ
の様な添加剤は、均質触媒を含む反応帯域を通過した後
のみに、反応混合物に添加するのが特に好ましい。
【0019】特に好ましい実施の形態において、連鎖調
整剤および他の添加剤は第2反応段階(分離帯域)の
後、かつ第3反応段階の前または間に添加される。これ
により、連鎖調整剤を、第3の反応段階に連続的に給送
される水に直接溶解できるという利点が得られる。
【0020】本発明により得られたポリマーを、更に慣
用の方法により、所定形状への溶融押出により部材状に
変換し、これを水浴で冷却し、次いでペレット化する。
次いでペレットを慣用の方法により抽出し、次いでまた
はこれと同時に高分子量ポリアミドとする。抽出は、例
えば水または水性カプロラクタム溶液で行われる。この
他、ヨーロッパ特許出願公開第0284968号公報に
記載されているように気相抽出を行うことも可能であ
る。最終生成物の所望の粘度数は、一般に120〜35
0ml/gの範囲にある。これは慣用の方法で調節可能
である。
【0021】本発明は、アミノニトリルと水を反応させ
てポリアミドを製造する際に、金属酸化物を反応混合物
から機械的に除去可能な形態で使用し、この金属酸化物
を反応の間または後に反応混合物から除去し、得られた
ポリアミドにおける抽出物の割合を低下させ、粘度安定
性を増大させ、再モノマー化割合を低下させるポリアミ
ドの製造法における、金属酸化物の不均一触媒としての
使用法を提供するものである。
【0022】金属酸化物触媒は、粒体、押出物、固定床
または触媒の被覆を有する充填素子もしくは内部装填物
の形状で好ましく用いられる。
【0023】以下、実施例により本発明を更に詳細に説
明する。他に記載のない限り、明細書および請求項にお
ける全ての量および割合は質量を基準とするものであ
る。使用するカプロラクタムの純度は99.9質量%で
あり、250ppmのテトラヒドロアゼピンを含むもの
である。
【0024】[実施例1] アミノカプロニトリルと水(ACN/水のモル混合比=
1:6)の反応溶液を、加熱した熱交換器にポンプ給送
し、数分間で所望の反応温度に加熱した。この給送用ポ
ンプの加圧側を約50バール(約50×10Pa)に
設定し、反応系が確実に単相とされるようにした。次い
で、加熱された反応混合物を、内径36mm、長さ10
00mmの加熱円筒管を介してポンプ給送した。Finnti
社製の二酸化チタンから成る触媒ペレット、タイプS1
50(直径4mm、長さ5〜20mm)で管を充填し
た。この二酸化チタンは、比表面積約100m/g、
アナターゼ型であり、反応管の篩いに保持され、存在す
る生成物流と分離される。フラッシュ蒸留では、約50
バール(約50×10Pa)の圧力下の反応混合物
を、管の端部で、調整弁を介し、加熱円筒状分離容器に
対し約30〜35バール(約30〜35×10Pa)
の圧力に、連続的に膨張させる(表参照)。この操作に
より反応混合物は二相を形成し、混合物中の所定量の水
およびアンモニアが気体に変化する。後反応帯域として
の役割を兼ねる分離容器に3時間滞留させた後、ポリマ
ーを溶融体ポンプにより、後反応器の基底部から内径3
6mm、長さ1000mmの第二の加熱円筒管に、30
〜45バール(30〜45×10Pa)の圧力範囲で
(表参照)連続的にポンプ給送する。この管にも同様
に、上記触媒ペレットを装填する。反応混合物を、調整
弁を介して第2の円筒状受け器に、1〜2バール(1〜
2×10Pa)に膨張させることにより第2のフラッ
シュ蒸発を行う。分離容器は反応溶液の後反応、特に後
縮合の場所となる。これにより、4〜7時間滞留後に得
られたポリマーを、反応器の基底部から金型を経て水浴
へ、所定形状で連続的に放出し、水浴中で固化させ、ペ
レット化する。
【0025】処理パラメータを表1に記載する。対応の
ポリアミドの抽出物の割合は低く、9.0〜9.8質量
%の範囲にあるという結果が示された。本発明により製
造されたポリアミドにおける低分子量成分の画分は、ド
イツ特許出願公開第1495198号公報、ヨーロッパ
特許出願公開第0462476号公報、およびヨーロッ
パ特許出願公開第0020946号公報に記載のVK管
における従来の溶融重合によりカプロラクタムから得ら
れたポリアミドの場合よりも明らかに減少していた。こ
れらの従来技術における抽出物含有率は約11質量%で
あった。
【0026】[実施例2] アミノカプロニトリルと水(ACN/水のモル混合比=
1:6)の反応溶液を、加熱した熱交換器にポンプ給送
し、数分間で所望の反応温度に加熱した。この給送用ポ
ンプの加圧側を約50バール(50×10Pa)に設
定し、反応系が確実に単相とされるようにした。次い
で、加熱された反応混合物を、内径36mm、長さ10
00mmの加熱円筒管を介してポンプ給送した。Finnti
社製の二酸化チタンから成る触媒ペレット、タイプS1
50(直径4mm、長さ5〜20mm)で管を充填し
た。この二酸化チタンは、比表面積約100m/g、
アナターゼ型であり、反応管の篩いに保持され、存在す
る生成物流と分離される。フラッシュ蒸留では、約50
バール(約50×10Pa)の反応混合物を管の端部
で、調整弁を介して、加熱円筒状分離容器に対し約30
〜40バール(約30〜40×10Pa)の圧力と
し、連続的に膨張させる(表2参照)。この操作により
反応混合物は二相を形成し、混合物中の水およびアンモ
ニア成分が気体に変化する。後反応帯域としての役割を
兼ねる分離容器に3時間滞留させた後、ポリマーを溶融
体ポンプにより、後反応器の基底部から内径36mm、
長さ1000mmの第二の加熱円筒管に、30〜45バ
ール(30〜45×10Pa)の圧力範囲で(表2参
照)連続的にポンプ給送する。この管にラッシヒリング
(直径:6mm、長さ:6mm)を装填する。分離容器
からの精製物流と共に、予備加熱した水溶液(プロセス
設計によってはアジピン酸およびトリアセトジアミン等
の連鎖調整剤を含む場合もある)を第2の環状反応器に
ポンプ給送する。
【0027】反応混合物を、調整弁を介して第2の円筒
状受け器に、3バール(3×10Pa)の圧力に膨張
させることにより第2のフラッシュ蒸発を行う。4時間
滞留後の反応混合物を、他の溶融体ポンプにより、調整
弁を介し、ポンプの加圧側と調整弁の管の圧力が、混合
物を再び単一の液相とするに十分な圧力を有する第三の
分離器に対して膨張させる。この最後の分離器は、1.
2バール(1.2×10Pa)の圧力で、反応溶液の
後反応、特に後縮合を行う場所となる。これにより、3
時間滞留後に得られたポリマーを、反応器の基底部から
金型を経て水浴へ、所定形状で連続的に放出し、水浴中
で固化させ、ペレット化する。
【0028】処理パラメータを表2に記載する。対応の
ポリアミドの低い抽出物含有率が示された。本発明によ
り製造されたポリアミドにおける低分子量成分の画分
は、実施例2においても、VK管における従来の溶融重
合によりカプロラクタムから得られたポリアミドの場合
よりも明らかに減少していた。
【0029】
【表1】
【表2】
【0030】[本発明により製造された生成物の粘度安
定性] 粘度安定性は、ポリマーにおいて自然に得られる液相お
よび固相の分子量構成の基準である。粘度安定性が大き
い程、後の処理工程等でポリマーが溶融状態を保つ有限
時間内の生成物の粘度変化が小さくなる。高い粘度安定
性により生成物の特性も保持され、粘度に対する処理操
作の影響を最小とすることができるため、この高い粘度
安定性は多くの適用方法において重要であり、望ましい
ものである。
【0031】以下に示す測定結果には、本発明により製
造されたポリアミドが、慣用の方法で重合を行った比較
ポリアミドよりも高い粘度安定性を有することが示され
ている。
【0032】[粘度安定性の測定] 本発明によりACNから直接重合した生成物を水で抽出
し、減圧乾燥した。次いで溶液の相対粘度(RV)を、
濃度96質量%の硫酸の1質量%水溶液として25℃で
測定した。
【0033】比較のため、カプロラクタムを、生成物の
粘度がACNから製造されたポリアミドの粘度に達する
までの時間、慣用の加水分解的重縮合に付した。
【0034】粘度安定性を評価するため、270℃で1
5〜25分、エージングを行った後、この溶液の粘度の
他に、ACNまたはカプロラクタムから得られた全生成
物サンプルの溶融粘度に関しても再度測定を行った。細
管レオメータを用い、270℃、剪断勾配100/sに
おける溶融粘度を測定した。
【0035】
【表3】
【0036】上記表に示されているように、ACNから
製造された生成物が液体(溶融体)相に変化する場合の
粘度変化は、カプロラクタムから得られた慣用のポリア
ミドの粘度変化よりも明らかに小さい。
【0037】[本発明の生成物における残留抽出物含有
率] 実験4により得られた本発明の生成物を抽出、乾燥して
得られたチップを160℃、窒素流下のタンブラー乾燥
機中で焼き戻した。24時間焼き戻した後のポリマーの
相対粘度は2.7であった。
【0038】残留抽出物含有率、すなわち予め抽出を行
った後のサンプルにおける抽出物含有率を測定するため
に、チップをメタノールで再抽出した。このため、約1
5gのポリアミドサンプルを分析的に計量し、抽出スリ
ーブに装填し、200mlのメタノールにより16時間
ソックスレー抽出を行った。次いで、抽出液中のメタノ
ールを、50℃、約100ミリバール(約100×10
Pa)にて、回転式蒸発器で留去することにより、残
留抽出物成分の質量を測定した。メタノール蒸留の間に
モノマーを消失させないための注意が必要である。
【0039】[本発明の生成物の再モノマー化] 再モノマー化を測定するために、溶融状態のポリマーを
240℃および270℃で10分間エージングさせた後
の残留抽出物含有率の変化を調べた。このため、ポリア
ミドチップを粘度計(レオグラフ)中、240℃または
270℃で10分間溶融させ、次いでフィラメント状に
押出された生成物の残留抽出物含有率を、上記方法によ
り再度測定した。アミノカプロニトリルから得られたポ
リアミドと、従来のカプロラクタムから得られた生成物
との、抽出物増加を比較したところ、本発明により得ら
れたポリマーにおける残留抽出物含有率の増大、すなわ
ち再モノマー化率の増大の方が明らかに遅く、少ないこ
とがわかった。
【0040】
【表4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ヤマモト,モトノリ ドイツ、D−68199、マンハイム、タン ホイザーリング、83−85 (56)参考文献 国際公開98/08889(WO,A2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 69/00 - 69/50 WPI/L(QUESTEL)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)固定床状の、β−ゼオライト、シ
    ート状−シリケートおよび金属酸化物触媒から選択され
    るブレーンステッド酸触媒を含む流通管中、200〜2
    90℃の温度、40〜70×10Paの圧力で、少な
    くとも1種類のアミノニトリルを水と反応させ、 (2)前記工程(1)で得られた反応混合物を、フラッ
    シュ蒸発でアンモニア、水およびアミノニトリルモノマ
    ーおよびオリゴマーの除去することにより、第一の分離
    帯域に対して、工程(1)の圧力よりも10×10
    a以上低い20〜40×10Paの圧力、220〜2
    90℃の範囲の温度に断熱膨張または非断熱膨張させ、 (3)前記工程(2)で得られた反応混合物を、水の存
    在下に、200〜290℃の温度、25〜55×10
    Paの圧力で、固定床状の、β−ゼオライト、シート状
    −シリケートおよび金属酸化物触媒から選択されるブレ
    ーンステッド酸触媒の存在下または非存在下に反応さ
    せ、 (4)前記工程(3)で得られた反応混合物を、フラッ
    シュ蒸発でアンモニア、水およびアミノニトリルモノマ
    ーおよびオリゴマーの除去することにより、第二の分離
    帯域に対して、工程(3)の圧力よりも20×10
    a以上低い0.01〜20×10Paの圧力、220
    〜290℃の範囲の温度に断熱膨張または非断熱膨張さ
    せる、 各工程を含む、少なくとも1種類のアミノニトリルを水
    と反応させることによるポリアミドの連続的製造法。
  2. 【請求項2】 (5)前記工程(4)で得られた生成物
    混合物を230〜280℃の温度、0.01〜10×1
    Paの圧力で後縮合する工程を含むことを特徴とす
    る請求項1に記載の製造法。
  3. 【請求項3】 前記工程(2)および(4)でフラッシ
    ュ蒸発により除去したアミノニトリルモノマーおよびオ
    リゴマーを反応に戻すことを特徴とする請求項1または
    2に記載の製造法。
  4. 【請求項4】 前記工程(1)および(3)における反
    応混合物が単一の液相で存在することを特徴とする請求
    項1〜3のいずれか1項に記載の製造法。
  5. 【請求項5】 使用するアミノニトリルがアミノカプロ
    ニトリルであることを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    か1項に記載の製造法。
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